JPH07227338A - ヘッドレストカバー - Google Patents

ヘッドレストカバー

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Publication number
JPH07227338A
JPH07227338A JP6021704A JP2170494A JPH07227338A JP H07227338 A JPH07227338 A JP H07227338A JP 6021704 A JP6021704 A JP 6021704A JP 2170494 A JP2170494 A JP 2170494A JP H07227338 A JPH07227338 A JP H07227338A
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JP
Japan
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web layer
woven
fiber
headrest cover
polymer
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Application number
JP6021704A
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English (en)
Inventor
Nobuo Noguchi
信夫 野口
Michiyo Iimi
美智代 飯見
Tomosato Yamamoto
知里 山本
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的特性、寸法安定性、吸水性、ソフトな肌
触わり感および柔軟性に優れたヘッドレストカバーを提
供することを目的とする。 【構成】合成長繊維不織ウェブ層1の両面に木綿繊維不
織ウェブ層2が積層された複合不織シートからなるヘッ
ドレストカバーであり、前記合成長繊維不織ウェブ層1
の構成繊維間が部分的に熱接着され、また前記短繊維不
織ウェブ層2の構成繊維同士が三次元的に交絡され、前
記合成長繊維不織ウェブ層1の構成繊維と短繊維不織ウ
ェブ層2の構成繊維とが相互に三次元的に交絡されて一
体化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば公共交通機関で
ある飛行機、列車、船舶、バスなどの座席のヘッドレス
トを覆うべく機械的特性、寸法安定性、吸水性、ソフト
な肌触わり感および柔軟性に優れたヘッドレストカバー
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ヘッドレストカバーの素材と
しては、例えば木綿繊維の紡績糸からなる織布が多く用
いられているが、このヘッドレストカバーは前記紡績糸
を織成してなるため、ヘッドレストカバー大に裁断を施
した後、その端部を折り返して縫製加工を施さねば、ヘ
ッドレストカバーとして使用できないという欠点があ
る。また、木綿繊維の紡績糸からなる織布によって作ら
れたヘッドレストカバーは厚みのあるものが多く、柔軟
性に乏しく、使用に際し硬い感じが否めないという問題
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するもので、機械的特性、寸法安定性、吸水
性、ソフトな肌触わり感および柔軟性に優れたヘッドレ
ストカバーを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、合成長繊維不織ウェブ層Aの両面に木綿繊
維不織ウェブ層Bが積層された複合不織シートからなる
ヘッドレストカバーであり、前記合成長繊維不織ウェブ
層Aの構成繊維間が部分的に熱接着され、また前記短繊
維不織ウェブ層Bの構成繊維同士が三次元的に交絡さ
れ、前記合成長繊維不織ウェブ層Aの構成繊維と短繊維
不織ウェブ層Bの構成繊維とが相互に三次元的に交絡さ
れて一体化されてなることを特徴とするヘッドレストカ
バーを要旨とするものである。
【0005】本発明のヘッドレストカバーについてさら
に詳細に説明する。図1は本発明のヘッドレストカバー
を説明するための要部斜視図であって、1は合成長繊維
不織ウェブ層A、2は木綿繊維不織ウェブ層Bである。
3は複合不織シート層の端部の部分的な熱接着部分であ
る。
【0006】本発明のヘッドレストカバーの第1の特徴
は、ヘッドレストカバーの表裏両面が木綿繊維不織ウェ
ブ層Bから構成される点にある。即ち、本発明のヘッド
レストカバーでは、ウェブ層Bとして木綿を構成成分と
して用いるものである。このウェブ層Bは、目付けが1
0〜100g/m2 のものであるのが好ましい。目付け
が10g/m2 未満であると得られたウェブの形態保持
性が向上せず、一方、目付けが100g/m2 を超える
とウェブ層Aの構成繊維とウェブ層Bの構成繊維との三
次元的交絡およびウェブ層Bの構成繊維同士の三次元的
交絡がともに十分に得られず、いずれも好ましくない。
【0007】この木綿としては、繊度が1.0〜2.5
デニール、繊維長10〜40mm程度のものを採用する
と良い。本発明でいう木綿繊維からなる不織ウェブ層B
とは、コーマ糸、晒し綿などのほか木綿からなる糸また
は織物または編物から得られる反毛により作られる。こ
の反毛とは、単に漂白しただけのものおよび蛍光晒しの
ものおよび染色したものをいう。
【0008】本発明で効果的に用いることができる反毛
機は、ラッグ・マシン、ノット・ブレーカー、ガーネッ
ト・マシン、廻切機などである。用いる反毛機の種類や
組み合わせは反毛される布帛の形状や、構成する糸の太
さ、撚りの強さにもよるが、同一の反毛機を数直列に連
結させたり、2種以上の反毛機を組み合わせて用いたり
すると効果的である。ここで反毛機による解織率は30
〜90%の範囲が好ましい。解織率が30%未満である
と高圧液体流でウェブ層Bを処理するとき液体流がウェ
ブ層Bを十分貫通せず、また解織率が95%を超えると
十分な表面摩耗強度が得られない。なお、解織率は下記
に示す式により求められる。
【0009】解織率(%)=(反毛重量−糸状物重量)
×100/反毛重量 本発明のヘッドレストカバーの第2の特徴は、本発明に
おける合成長繊維不織ウェブ層Aを構成する長繊維と
は、繊維形成性を有するポリオレフイン系重合体、ポリ
エステル系重合体あるいはポリアミド系重合体からなる
ものである。
【0010】ポリオレフィン系重合体としては、炭素原
子数2〜18の脂肪族α−モノオレフィン、例えばエチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メ
チルブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ドデセ
ン−1、オクタデセン−1からなるホモポリオレフィン
重合体が挙げられる。この脂肪族α−モノオレフィン
は、他のエチレン系不飽和モノマ、例えばブタジエン、
イソプレン、ペンタジエン−1・3、スチレン、α−メ
チルスチレンのような類似のエチレン系不飽和モノマが
共重合されたポリオレフィン系共重合体であっても良
い。また、ポリエチレン系重合体の場合には、エチレン
に対してプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1または類似の高級α−オレフィンが10重量%
以下共重合されたものであっても良く、ポリプロピレン
系重合体の場合には、プロピレンに対してエチレンまた
は類似の高級α−オレフィンが10重量%以下共重合さ
れたものであっても良いが、前記これらの共重合物の共
重合率が前記重量%を超えると共重合体の融点が低下
し、これら共重合体の長繊維からなる不織ウェブを用い
て得た複合不織布を高温条件下で使用したときに、機械
的特性や寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0011】ポリエステル系重合体としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2・6−ジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸、セチ
バン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステ
ル類を酸成分とし、かつエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1・4−ブタジオール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサン−1・4−ジメタノールなど
のジオール化合物をエステル成分とするホモポリエステ
ル重合体あるいは共重合体が挙げられる。なお、これら
のポリエステル系重合体には、パラオキシ安息香酸、5
−ソジウムスルホイソフタール酸、ポリアルキレングリ
コール、ペンタエリススリトール、ビスフェノールAな
どが添加あるいは共重合されていても良い。
【0012】ポリアミド系重合体としては、ポリイミノ
−1−オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテト
ラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミ
ド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン66)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、
ポリラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシ
レンアジパミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリ
ビスシクロヘキシルメタンデカナミドまたはこれらのモ
ノマを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられ
る。特に、ポリテトラメチレンアジパミドの場合、ポリ
テトラメチレンアジパミドにポリカプラミドやポリヘキ
サメチレンアジパミド、ポリウンデカメチレンテレフタ
ラミドなどの他のポリアミド成分が30モル%以下共重
合されたポリテトラメチレンアジパミド系共重合体であ
っても良い。前記他のポリアミド成分の共重合率が30
モル%を超えると共重合体の融点が低下し、これら共重
合体の長繊維からなる不織ウェブを用いて得た複合不織
布を高温条件下で使用したときに、機械的特性や寸法安
定性が低下するので好ましくない。
【0013】なお、本発明において、前記の繊維形成性
熱可塑性重合体には、必要に応じて、例えば艶消し剤、
顔料、防炎剤、消臭剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止
剤などの各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内
で添加することができる。
【0014】本発明における合成長繊維不織ウェブ層A
を構成する長繊維は、繊維形成性を有する前記重合体か
ら構成されるものであるが、その形態は、前記重合体単
独からなるものの他に、前記重合体の中から選択された
2種以上の相異なる重合体が各々溶融紡糸性を損なわな
い範囲内でブレンドされたブレンド物からなるものであ
っても良い。このブレンドでは、例えばポリエステル系
重合体とポリオレフィン系重合体とがブレンドされたも
のや、2種の相異なるポリアミド系重合体がブレンドさ
れたものが挙げられる。特に、前者の場合には、溶融紡
出直後で未配向のポリエステル成分の収縮を抑制するこ
とができて好ましい。また、この長繊維の形態は、前記
重合体の中から選択された2種の相異なる重合体が芯鞘
型あるいは並列型に配されたものであっても良い。この
複合では、例えばポリエチレンテレフタレート重合体が
芯部に、かつポリエチレン重合体が鞘部に配された芯鞘
型、あるいはポリカプラミド重合体とポリヘキサメチレ
ンアジパミド重合体とからなる並列型のような複合形態
が挙げられる。
【0015】本発明における合成長繊維不織ウェブ層A
を構成する長繊維は、繊維形成性を有する前記重合体か
ら構成され、かつ単繊維繊度が1.5〜8.0デニール
のものである。単繊維繊度が1.5デニール未満である
と得られた複合不織布の機械的特性が低下したり、溶融
紡糸工程において製糸性が低下し、一方、単繊維繊度が
8.0デニールを超えると得られたウェブ層Aの風合い
が硬くなって柔軟性に富む複合不織布を得ることができ
ず、いずれも好ましくない。従って、本発明では、この
単繊維繊度が1.5〜8.0デニール好ましくは2.0
〜5.0デニールであるのが良い。
【0016】本発明のヘッドレストカバーの第3の特徴
は、合成長繊維不織ウェブ層Aが、前記長繊維から構成
され、かつその構成繊維間が部分的に熱接着されたもの
である点にある。この部分的な熱接着とは、加熱され表
面に彫刻模様が刻印されたロール、即ちエンボスロール
と、加熱され表面が平滑な金属ロールとの間に合成長繊
維不織ウェブを通すことにより前記彫刻模様に該当する
部分のみのウェブ構成繊維同士を熱的に接着させたもの
である。さらに詳しくは、この部分的な熱接着とは、ウ
ェブ層Aの全表面積に対して特定の領域、即ち、この部
分的な熱接着領域は必ずしも円形の形状である必要はな
いが、0.1〜1.0mm2 の面積を有し、その密度即
ち接着点密度が2〜80点/cm2 、好ましくは4〜6
0点/cm2 のものであるのが良い。この接着点密度が
2点/cm2 未満であると熱接着後のウェブ層Aの機械
的特性や形態保持性が向上せず、一方、接着点密度が8
0点/cm2 を超えると柔軟性と嵩高性が向上せず、い
ずれも好ましくない。
【0017】また、ウェブ層Aの全表面積に対する全熱
接着領域の面積の比即ち接着面積率が2〜30%好まし
くは4〜20%のものである。この接着面積率が2%未
満であると熱接着後のウェブ層Aの寸法安定性が向上せ
ず、従って、このウェブ層Aにウェブ層Bを積層して得
られた複合不織布の寸法安定性が劣り、好ましくない。
【0018】本発明におけるウェブ層Aは、その目付け
が10〜100g/m2 のものであるのが好ましい。目
付けが10g/m2 未満であると長繊維同士の緻密な重
なりの程度が低く、このウェブ層Aにウェブ層Bを積層
し複合して得られた複合不織布の地合いが低下し、一
方、目付けが100g/m2 を超えるとこのウェブ層A
にウェブ層Bを積層し高圧液体流処理を施すに際してウ
ェブ層Aの全構成繊維とウェブ層Bの構成繊維とが三次
元的に十分に交絡せず、全体としての一体化がなされ
ず、いずれも好ましくない。従って、本発明では、この
目付けは10〜100g/m2 、好ましくは20〜60
g/m2 であるのが良い。
【0019】本発明における不織ウェブ層Bは、木綿を
構成成分として用いるものである。このウェブ層Bは、
その目付けが10〜100g/m2 のものであるのが好
ましい。目付けが10g/m2 未満であると得られたウ
ェブ層Bの形態保持性が向上せず、一方、目付けが10
0g/m2 を超えるとウェブ層Aの構成繊維とウェブ層
Bの構成繊維との三次元的交絡およびウェブ層Bの構成
繊維同士の三次元的交絡ともに十分に得られず、いずれ
も好ましくない。
【0020】本発明のヘッドレストカバーの第4の特徴
は、前述したように、前記熱接着領域を有する合成長繊
維の不織ウェブ層Aの両面に木綿繊維不織ウェブ層Bが
積層され、ウェブ層Aの構成繊維とウェブ層Bの構成繊
維とが相互に三次元的に交絡され、かつウェブ層Bの構
成繊維同士が三次元的に交絡され、全体として一体化さ
れてなる点にある。この三次元的な交絡とは、公知のい
わゆる高圧液体流処理により形成されるものであって、
これにより不織布としての形態が保持され、しかも柔軟
性とソフトな肌触わり感に富むヘッドレストカバーを得
ることができる。
【0021】本発明のヘッドレストカバーは、次の方法
により製造することができる。即ち、スパンボンド法に
より形成した合成長繊維不織ウェブ層に表面温度がその
構成繊維中最も低い融点を有する重合体の融点より50
〜80℃低い温度の熱エンボスロールを用いロールの線
圧を5〜30kg/cmとし部分的熱接着処理を施して
合成長繊維不織ウェブ層Aを形成し、次いで得られた合
成長繊維不織ウェブ層Aの両面に木綿繊維不織ウェブ層
Bを積層した後、高圧液体流処理を施して合成長繊維不
織ウェブ層Aの構成繊維と木綿繊維不織ウェブ層Bの構
成繊維とを相互に三次元的に交絡させ、かつ木綿繊維不
織ウェブ層Bの構成繊維同士を三次元的に交絡させ、全
体として一体化させる方法である。
【0022】本発明のヘッドレストカバーは、ウェブ層
Aとウェブ層Bに高圧液体流処理を施して得られた前記
積層物を、超音波ウェルダー機を用いて、所定の寸法に
切断すると同時に、縁がかりすることにより得ることが
できる。また、裁断の施された前記積層物の端部を、合
成長繊維不織ウェブ層Aを構成する成分の低融点成分の
温度領域で熱融着処理を施すことにより、寸法安定なヘ
ッドレストカバーとなすことができる。
【0023】なお、本発明のヘッドレストカバーでは、
シートのヘッドレスト部分への装着に際しては、一般的
に用いられる面ファスナーやボタンなどを用いることが
できる。また、本発明のヘッドレストカバーでは、上記
工程の後、必要に応じて、プリントまたは染色などの後
加工を施すことができる。
【0024】
【実施例】DSC;パーキエルマー社製DSC2型の示
差走査熱量計を用い、昇温速度20℃/分で測定した融
解吸熱ピークの最大値を示す温度を融点とした。
【0025】メルトインデックス;ASTM D 12
38 E法により測定した。
【0026】不織布の引張強力(kg/5cm幅);定
速伸長型引張試験機(東洋ボールドウイン(株)製テン
シロンUTM−4−1−100)を用い、JIS L−
1096に記載のストリップ法にしたがい測定した。即
ち、試料幅が5cmで試料長が15cmの試料片10片
を準備し、各試料毎に引張速度10cm/分で測定して
最大引張強力(kg)を求め、得られた各引張強力値の
平均値を不織布の引張強力(kg/5cm幅)とした。
【0027】圧縮剛軟度(g);試料長が10cm、試
料幅が5cmの試料片計5点を作成し、各試料片毎に横
方向に曲げて円筒状物とし、各々その端部を接合したも
のを圧縮剛軟度測定試料とした。次いで、各測定試料毎
にその軸方向について、定速伸長型引張試験機(東洋ボ
ールドウイン(株)製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用い、圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最
大荷重値(g)の平均値を圧縮剛軟度(g)とした。
【0028】吸水性(cm/10分);JIS L−1
096に記載のバイレック法により、幅2.5cm、長
さ20cmの試料を5点作成し、各試験片を20±2℃
の蒸留水を入れた水槽上の一定の高さに支えた水平棒上
にピンで止めて吊るす。試験片の下端を一線に並べて水
平棒を下げ、試験片の下端の1cmが丁度水につかるよ
うにする。次に10分間放置後の水の上昇した高さ(c
m)を測り、平均値を吸水性(cm/10分)とした。
【0029】実施例1 合成長繊維不織ウェブ層Aとしては、融点が259℃、
相対粘度(イ)が1.38のポリエチレンテレフタレー
ト重合体チップを用い、スパンボンド法により合成長繊
維不織ウェブ層Aを製造した。即ち、前記重合体チップ
を溶融し、これを紡糸孔を通して紡糸温度290℃で溶
融紡出し、溶融紡出されたポリマ流を冷却した後、エア
ーサッカを用い、引取り速度4800m/分で引取った
後、コロナ放電手段を用いて開繊し、移動する捕集面上
に捕集・堆積させて単繊維繊度が3.0デニールの長繊
維からなるウェブとし、次いで得られたウェブに熱接着
処理を施して目付けが30g/m2 のウェブ層Aを得
た。熱接着処理を施すに際しては、面積が0.36mm
2 の彫刻模様が接着点密度40点/cm2 かつ接着面積
率15%で配設されたエンボスロールと表面が平滑な金
属ロールとを用いた。このエンボスロールと表面が平滑
な金属ロールの表面温度を200℃、かつ両ロール間の
線圧を10kg/cmとした。
【0030】別途、木綿繊維不織ウェブ層Bとして、平
均繊維長が22mmのコットン晒綿を用い、パラレルカ
ード機により目付けが35g/m2 のパラレルカードウ
ェブ層Bを製造した。次いで、前記ウェブ層Aの両面に
ウェブ層Bを積層し、得られた積層物を移動速度30m
/分で移動する30メッシュの金網上に載置して高圧液
体流処理を施した。高圧液体流処理は、孔径0.12m
mの噴射孔が孔間隔0.62mmで3群配列で配設され
た高圧液体流処理装置を用い、積層物の上方80mmの
位置から2段階に別けて柱状水流を作用させた。第1段
階の処理では圧力を50kg/cm2 Gとし、第2段階
の処理では圧力を50kg/cm2 Gとした。なお、第
2段階の処理は、積層物の表裏から各々1回施した。
【0031】次いで、得られた処理積層物からマングル
ロールを用いて過剰水分を除去した後、積層物に熱風循
環式乾燥機を用い、温度98℃の条件で乾燥処理を施
し、複合不織布を得た。
【0032】得られた複合不織シートを、機械方向に対
し60cmの幅に、機械方向に直角な方向に40cmの
大きさに裁断した。複合不織シートの端部の接着加工と
して、超音波ウェルダー処理を施した。即ち、9mm2
の彫刻が中心間距離5mm間隔で、かつ2列に配された
ロールを用い、超音波発信周波数19.7KHZ、送り
速度5m/分にて、複合不織シートの端部より5mm内
側の部分に彫刻ロールの彫刻部の端部を合わせて溶着加
工を施し、ヘッドレストカバー用不織布を形成した。
【0033】上記で得られた複合不織布は、目付けが1
00g/m2 、引張強力が30kg/5cm、引張伸度
が45%、処理温度が160℃時の面積収縮率が1.2
%、吸水性が19.8cm/10分であって、機械的特
性と寸法安定性、吸水性、ソフトな肌触わり感に優れ、
層間剥離強力が360g/5cmで耐層間剥離性が高く
十分に一体化され、しかも圧縮剛軟度が45gで柔軟性
に優れたものであった。
【0034】実施例から明らかなように、得られた複合
不織布は、ヘッドレストカバーとして好適に用いること
ができる。
【0035】実施例2 ウェブ層Aとして、DSCで測定して得られる融点が1
28℃、ASTM−D−1238(E)法で測定して得
られるメルトインデックス値が25g/10分のポリエ
チレンを用い鞘成分とし、芯成分としては、DSCで測
定して得られる融点が258℃、フェノール:テトラク
ロロエタン=1:1の混合溶媒中、20℃で測定して得
られる固有粘度[η]=0.7のポリエチレンテレフタ
レートを用いた。前記の成分を複合紡糸口金を用い、ス
パンボンド法により不織ウェブ層Aを作成した。
【0036】前記芯/鞘成分の複合比率を1:1とし、
ポリエチレンの溶融温度を230℃、ポリエチレンテレ
フタレートの溶融温度285℃として溶融紡出し、紡出
されたポリマ流を冷却した後、エアーサッカを用い引取
り速度4000m/分で引取った後、コロナ放電手段を
用いて開繊し、移動する捕集面上に捕集・堆積させて単
繊維繊度が3.0デニールの長繊維からなるウェブと
し、次いで得られたウェブに熱接着処理を施して目付け
が30g/m2 のウェブ層Aを得た。熱接着処理を施す
に際しては、面積が0.6mm2 の彫刻模様が接着点密
度20点/cm2、かつ接着面積率15%で配設された
エンボスロールと表面が平滑な金属ロールとを用いた。
このエンボスロールと表面が平滑な金属ロールの表面温
度を105℃、かつ両ロール間の線圧を10kg/cm
とした。
【0037】別途、ウェブ層Bとして、平均繊維長が1
8mmの平均繊度1.7デニールのコットンからなる白
メリヤス織布の反毛処理の施されたいわゆる反毛を用
い、ランダムカード機により目付けが40g/m2 のラ
ンダムカードウェブ層Bを製造した。
【0038】次いで、得られたウェブ層Aの両面にウェ
ブ層Bを積層し、実施例1と同一条件にて積層不織ウェ
ブを得た。得られた複合不織シートを、機械方向に対し
60cmの幅に、機械方向に直交する方向に40cmの
大きさに裁断を施し、積層不織シートに熱圧接処理を施
した。
【0039】熱圧接処理を施すに際しては、面積が0.
6mm2 ,の彫刻模様が圧接点密度64点/cm2 ,か
つ圧接面積率20%で配設されたエンボスロールと表面
が平滑な金属ロールとを用いた。このエンボスロールと
表面が平滑な金属ロールの表面温度を125℃、かつ両
ロール間の線圧を10kg/cmとした。
【0040】上記で得られた複合不織シートは、目付け
が110g/m2 、引張強力が22kg/5cm、引張
伸度が45%、処理温度が120℃時の面積収縮率が
1.2%、吸水性が18.6cm/10分であって、機
械的特性と寸法安定性、吸水性、ソフトな肌触わり感に
優れ、層間剥離強力が850g/5cmで耐層間剥離性
が高く十分に一体化され、しかも圧縮剛軟度が25gで
柔軟性に優れたものであった。
【0041】実施例から明らかなように、得られた複合
不織布は、ヘッドレストカバーとして好適に用いること
ができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、機械的特
性、寸法安定性、吸水性、ソフトな肌触わり感および柔
軟性に優れたヘッドレストカバーを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッドレストカバーの斜視図である。
【符号の説明】 1 合成長繊維不織ウェブ層 2 木綿繊維不織ウェブ層 3 熱接着部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成長繊維不織ウェブ層Aの両面に木綿
    繊維不織ウェブ層Bが積層された複合不織シートからな
    るヘッドレストカバーであり、前記合成長繊維不織ウェ
    ブ層Aの構成繊維間が部分的に熱接着され、また前記短
    繊維不織ウェブ層Bの構成繊維同士が三次元的に交絡さ
    れ、前記合成長繊維不織ウェブ層Aの構成繊維と短繊維
    不織ウェブ層Bの構成繊維とが相互に三次元的に交絡さ
    れて一体化されてなることを特徴とするヘッドレストカ
    バー。
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