JPH0730837U - 寝具用シーツ - Google Patents

寝具用シーツ

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JPH0730837U
JPH0730837U JP6334293U JP6334293U JPH0730837U JP H0730837 U JPH0730837 U JP H0730837U JP 6334293 U JP6334293 U JP 6334293U JP 6334293 U JP6334293 U JP 6334293U JP H0730837 U JPH0730837 U JP H0730837U
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fibers
woven web
woven
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信夫 野口
良成 吉岡
美智代 飯見
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的特性、寸法安定性、吸湿性、ソフトな肌
触わり感および柔軟性に優れ、特に乳幼児や老人用とし
て好適な寝具用シーツを提供する。 【構成】合成長繊維からなる不織ウェブ層Aの少なくと
も片面に木綿繊維からなる不織ウェブ層Bが積層された
複合不織シートで構成され、前記不織ウェブ層Aの構成
繊維間が部分的に熱接着されており、前記不織ウェブ層
Aの構成繊維と不織ウェブ層Bの構成繊維とが相互に三
次元的に交絡し、かつ不織ウェブ層Bの構成繊維同士が
三次元的に交絡し、全体として一体化されてなる寝具用
シーツ。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、機械的特性、寸法安定性、吸湿性、ソフトな肌触わり感および柔軟 性に優れた寝具用シーツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、寝具用シーツとしては木綿繊維の紡績糸からなるシーツが用いられ ているが、このシーツは前記紡績糸を織成してなるため、肌触わり感が悪く、特 に乳幼児や老人など、肌の弱い人が使用したとき、皮膚障害を生じるなどの問題 を有していた。近年、このような問題を解決すべく、種々の極細繊維不織ウェブ を採用することが考えられており、例えば、いわゆるメルトブローン法により得 られた極細繊維不織ウェブを用いることも技術的には考えられる。しかしながら 、このような不織ウェブからなるシーツは、合成重合体から構成されるため、天 然繊維独特の特性である吸湿性や、肌触わり感に欠けるものであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案はこのような課題を解決するもので、機械的特性、寸法安定性、吸湿性 、ソフトな肌触わり感および柔軟性に優れ、特に乳幼児や老人用として好適な寝 具用シーツを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本考案は、合成長繊維からなる不織ウェブ層Aの少 なくとも片面に木綿繊維からなる不織ウェブ層Bが積層された複合不織シートで 構成され、前記不織ウェブ層Aの構成繊維間が部分的に熱接着されており、前記 不織ウェブ層Aの構成繊維と不織ウェブ層Bの構成繊維とが相互に三次元的に交 絡し、かつ不織ウェブ層Bの構成繊維同士が三次元的に交絡し、全体として一体 化されてなることを特徴とする寝具用シーツを要旨とするものである。
【0005】 次に本考案の寝具用シーツを図面に基づいて、詳細に説明する。 図1は本考案の寝具用シーツを説明するための断面図であって、図において、 Aは合成長繊維からなる不織ウェブ層、Bはこの不織ウェブ層Aの片面に積層さ れた木綿繊維からなる不織ウェブ層である。
【0006】 本考案の寝具用シーツの第1の特徴は、シーツ表層に木綿繊維からなる不織ウ ェブ層Bを位置させる点にある。木綿繊維からなる不織ウェブ層Bは、目付けが 10〜100g/m2 のものであるのが好ましい。目付けが10g/m2 未満で あると得られた不織ウェブ層Bの形態保持性が向上せず、一方、目付けが100 g/m2 を超えると不織ウェブ層Aの構成繊維と不織ウェブ層Bの構成繊維との 三次元的交絡および不織ウェブ層Bの構成繊維同士の三次元的交絡がともに十分 に得られず、好ましくない。
【0007】 この木綿繊維としては、デニールが1.0〜2.5、繊維長10〜40mm程 度のものを採用すると良い。 本考案でいう木綿繊維からなる不織ウェブ層Bとは、木綿からなる糸または織 物または編物から得られる反毛であっても良い。この反毛とは、単に漂白しただ けのものおよび蛍光晒しのものおよび染色したものをいう。
【0008】 本考案で効果的に用いることができる反毛機は、ラッグ・マシン、ノット・ブ レーカー、ガーネット・マシン、廻切機などである。用いる反毛機の種類や組み 合わせは反毛される布帛の形状や、構成する糸の太さ、撚の強さにもよるが、同 一の反毛機を数直列に連結させたり、2種以上の反毛機を組み合わせて用いたり すると効果的である。ここで反毛機による解繊率は30〜95%の範囲が好まし い。解繊率が30%未満であると高圧液体柱状流で不織ウェブを処理するとき高 圧液体柱状流が不織ウェブを十分貫通せず、また解繊率が95%を超えると十分 な表面摩耗強度が得られない。なお、解繊率は下記に示す式により求められる。
【0009】 解繊率(%)=(反毛重量−糸状物重量)×100/反毛重量 本考案の寝具用シーツの第2の特徴は、不織ウェブ層Aを合成長繊維で構成し た点にあり、その合成長繊維とは、繊維形成性を有するポリオレフィン系重合体 、ポリエステル系重合体あるいはポリアミド糸重合体からなるものである。ポリ オレフィン系重合体としては、炭素原子数2〜18の脂肪族α−モノオレフィン 、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン −1、ヘキセン−1、オクテン−1、ドデセン−1、オクタデセン−1からなる ホモポリオレフィン重合体が挙げられる。この脂肪族α−モノオレフィンは、他 のエチレン系不飽和モノマー、例えばブタジェン、イソプレン、ペンタジェン− 1・3、スチレン、α−メチルスチレンのような類似のエチレン系不飽和モノマ ーが共重合されたポリオレフィン系共重合体であっても良い。また、ポリエチレ ン系共重合体の場合には、エチレンに対してプロピレン、ブテン−1、ヘキセン −1、オクテン−1または類似の高級α−オレフィンが10重量%以下共重合さ れたものであっても良く、ポリプロピレン系重合体の場合には、プロピレンに対 してエチレンまたは類似の高級α−オレフィンが10重量%以下共重合されたも のであっても良いが、前記これらの共重合物の共重合率が前記重量%を超えると 共重合体の融点が低下し、これら共重合体の合成長繊維からなる不織ウェブを用 いて得た複合不織シートを高温条件下で使用したときに、機械的特性や寸法安定 性が低下するので好ましくない。
【0010】 ポリエステル系重合体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン− 2・6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボンあるいはアジピン酸、セバチン酸 などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類を酸成分とし、かつエチレ ングリコール、ジエチレングリコール、1・4−ブタンジオール、ネオペンチル グリコール、シクロヘキサン−1・4−ジメタノールなどのジオール化合物をエ ステル成分とするホモポリエステル重合体あるいは共重合体が挙げられる。なお 、これらのポリエステル系重合体には、パラオキシ安息香酸、5−ソジウムスル ホイソフタール酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール、ビスフ ェノールAなどが添加あるいは共重合されていても良い。
【0011】 ポリアミド系重合体としては、ポリイミノ−1−オキソテトラメチレン(ナイ ロン4)、ポリテトラメチレンアジパンド(ナイロン46)、ポリカプラミド( ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリウンデカ ナミド(ナイロン11)、ポリラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキ シレンアジパミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリビスシクロヘキシルメ タンデカナミドまたはこれらのモノマーを構成単位とするポリアミド系共重合体 が挙げられる。特に、ポリテトラメチレンアジパミドの場合、ポリテトラメチレ ンアジパミドにポリカプラミドやポリヘキサメチレンアジパミド、ポリウンデカ メチレンテレフタラミドなどの他のポリアミド成分が30モル%以下共重合され たポリテトラメチレンアジパミド系共重合体であっても良い。前記共重合率が3 0モル%を超えると共重合体の融点が低下し、これら共重合体の合成長繊維から なる不織ウェブを用いて得た複合不織シートを高温条件下で使用したときに、機 械的特性や寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0012】 なお、本考案において、前記繊維形成性熱可塑性重合体には、必要に応じて、 例えば艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤など の各種添加剤を本考案の効果を損なわない範囲内で添加することができる。
【0013】 本考案における不織ウェブ層Aを構成する合成長繊維は、繊維形成性を有する 前記重合体から構成されるものであるが、その形態は、前記重合体単独からなる ものの他に、前記重合体の中から選択された2種以上の相異なる重合体が各々溶 融紡糸性を損なわない範囲内でブレンドされたブレンド物からなるものであって も良い。
【0014】 このブレンドでは、例えばポリエステル系重合体とポリオレフィン系重合体と がブレンドされたものや、2種の相異なるポリアミド系重合体がブレンドされた ものが挙げられる。特に、前者の場合には、溶融紡出直後で未配向のポエステル 成分の収縮を抑制することができて好ましい。また、この長繊維の形態は、前記 重合体の中から選択された2種の相異なる重合体が芯鞘型あるいは並列型に配さ れたものであっても良い。この場合では、例えばポリエチレンテレフタレート重 合体が芯部にかつポリエチレン重合体が鞘部に配された芯鞘型、あるいはポリカ プラミド重合体とポリヘキサメチレンアジパミド重合体とからなる並列型のよう な複合形態が挙げられる。
【0015】 本考案における不織ウェブ層Aを構成する長繊維は、繊維形成性を有する前記 重合体から構成され、かつ単繊維繊度が1.5〜8.0デニールのものである。 単繊維繊度が1.5デニール未満であると得られた複合不織シートの機械的特性 が低下したり、溶融紡糸工程において製糸性が低下し、一方、単繊維繊度が8. 0デニールを超えると得られたウェブの風合いが硬くなって柔軟性に富む複合不 織シートを得ることができず、いずれも好ましくない。従って、本考案では、こ の単繊維繊度が1.5〜8.0デニール、好ましくは2.0〜5.0デニールで あるのが良い。
【0016】 本考案の寝具用シーツの第3の特徴は、不織ウェブ層Aが、前記合成長繊維か ら構成され、かつその構成繊維間が部分的に熱接着されたものである点にある。 この部分的な熱接着とは、加熱され表面に彫刻模様が刻印されたロール、即ちエ ンボスロールと加熱され表面が平滑な金属ロールとの間にウェブを通すことによ り前記彫刻模様に該当する部分のウェブ構成繊維同士を熱的に接着させたもので ある。さらに詳しくは、この部分的な熱接着とは、不織ウェブ層Aの全表面積に 対して特定の領域を有し、即ち個々の熱接着領域は必ずしも円形の形状である必 要はないが、0.1〜1.0mm2 の面積を有し、その密度、即ち接着点密度が 2〜80点/cm2 、好ましくは4〜60点/cm2 のものであるのが良い。こ の接着点密度が2点/cm2 未満であると熱接着後のウェブの機械的特性や形態 保持性が向上せず、一方、接着点密度が80点/cm2 を超えると柔軟性と嵩高 性が向上せず、いずれも好ましくない。
【0017】 また、不織ウェブ層Aの全表面積に対する全熱接着領域の面積の比、即ち接着 面積率が2〜30%、好ましくは4〜20%のものである。この接着面積率が2 %未満であると熱接着後のウェブの寸法安定性が向上せず、従って、不織ウェブ 層Aに不織ウェブ層Bを積層して得られた複合不織シートの寸法安定性が劣り、 好ましくない。
【0018】 本考案における不織ウェブ層Aは、その目付けが10〜100g/m2 のもの であるのが好ましい。目付けが10g/m2 未満であると合成長繊維同士の緻密 な重なりの程度が低く、この不織ウェブ層Aに不織ウェブ層Bを積層し複合して 得られた複合不織シートの地合いが低下し、一方、目付けが100g/m2 を超 えると不織ウェブ層Aに不織ウェブ層Bを積層して高圧液体流処理を施すに際し て不織ウェブ層Aの全構成繊維と不織ウェブ層Bの構成繊維とが三次元的に十分 に交絡せず、全体としての一体化がなされず、いずれも好ましくない。従って、 本考案では、この目付けは10〜100g/m2 であるのが良い。
【0019】 本考案における不織ウェブ層Bは、木綿繊維を構成成分として用いるものであ る。このウェブ層Bは、その目付けが10〜100g/m2 のものであるのが好 ましい。目付けが10g/m2 未満であると得られた不織ウェブ層Bの形態保持 性が向上せず、一方、目付けが100g/m2 を超えると不織ウェブ層Aの構成 繊維と不織ウェブ層Bの構成繊維との三次元的交絡および不織ウェブ層Bの構成 繊維同士の三次元的交絡ともに十分に得られず、いずれも好ましくない。
【0020】 本考案の寝具用シーツの第4の特徴は、前述したように、前記熱接着領域を有 する合成長繊維の不織ウェブ層Aの少なくとも片面に木綿繊維からなる不織ウェ ブ層Bが積層され、不織ウェブ層Aの構成繊維と不織ウェブ層Bの構成繊維とが 相互に三次元的に交絡し、かつ不織ウェブ層Bの構成繊維同士が三次元的に交絡 し、全体として一体化されてなる点にある。この三次元的な交絡とは、公知のい わゆる高圧液体柱状流処理により形成されるものであって、これにより不織布と しての形態が保持され、しかも柔軟性とソフトな肌触わり感に富むシーツを得る ことができる。
【0021】 本考案の寝具用シーツは、次の方法により製造することができる。即ち、スパ ンボンド法により形成した合成長繊維不織ウェブ層Aに表面温度がその構成繊維 中最も低い融点を有する重合体の融点より50〜80℃低い温度の熱エンボスロ ールを用い、ロールの線圧を5〜30kg/cmとし、部分的熱接着処理を施し て合成長繊維不織ウェブ層Aを形成し、次いで得られた合成長繊維不織ウェブ層 Aの少なくとも片面に木綿繊維不織ウェブ層Bを積層した後、高圧液体柱状流処 理を施して合成長繊維不織ウェブ層Aの構成繊維と木綿繊維不織ウェブ層Bの構 成繊維とを相互に三次元的に交絡させ、かつ木綿繊維不織ウェブ層Bの構成繊維 同士を三次元的に交絡させ、全体として一体化させる。
【0022】 不織ウェブ層Aの構成繊維間を部分的に熱接着させる方法としては前述のエン ボスロールによる方法の他、公知の超音波ウェルダーによる方法を採用すること も可能である。
【0023】 また、高圧液体柱状流処理の場合、例えば孔径が0.05〜1.5mm、特に 0.1〜0.4mmの噴射孔を孔間隔を0.05〜5mmで1列あるいは複数列 に多数配列した装置を用い、噴射圧力が5〜150kg/cm2 Gの高圧液体を 前記噴射孔から噴射し、多孔性支持部材上に載置したウェブに衝突させることに より繊維間に三次元的交絡を付与する方法を採用する。噴射孔の配列は、このウ ェブの進行方向と直交する方向に配列する。高圧液体としては常温の水あるいは 温水を用いることができる。噴射孔とウェブとの間の距離は、1〜15cmとす るのが良い。この距離が1cm未満であるとこの処理により得られる不織布の地 合いが乱れ、一方、この距離が15cmを超えると液体流が積層物に衝突したと きの衝撃力が低下して三次元的な交絡が十分に施されず、いずれも好ましくない 。
【0024】 この高圧液体柱状流による処理は、少なくとも2段階に分けて行なうと良い。 即ち、第1段階の処理として圧力が5〜40kg/cm2 Gの高圧液体流を噴出 し前記ウェブに衝突させ、ウェブの構成繊維同士を予備的に交絡させる。この第 1段階の処理において、液体流の圧力が5kg/cm2 G未満であるとウェブの 構成繊維同士を予備的に交絡させることができず、一方、液体流の圧力が40k g/cm2 Gを超えるとウェブに高圧液体流を噴出し衝突させたときウェブの構 成繊維が液体流の作用によって乱れ、ウェブに地合いが乱れや目付け斑が生じる ため、いずれも好ましくない。引き続き、第2段階の処理として圧力が50〜1 50kg/cm2 Gの高圧液体流を噴出し前記ウェブに衝突させ、ウェブの構成 繊維同士を三次元的に交絡させて全体として緻密に一体化させる。この第2段階 の処理において液体流の圧力が50kg/cm2 G未満であると、上述したよう な繊維間の三次元的交絡を十分に形成することができず、一方、液体流の圧力が 150kg/cm2 Gを超えると、得られる不織布の柔軟性が向上せず、いずれ も好ましくない。なお、不織ウェブ層Aの両面に不織ウェブ層Bが積層された構 成のとき、あるいはウェブの目付けによっては、第2段階の処理に引き続き第3 段階の処理として、第2段階の処理側と逆の側から第2段階の処理と同様の条件 にて再度処理を施すことにより、緻密に繊維同士が交絡した不織布を得ることが できる。
【0025】 高圧液体柱状流処理を施すに際して用いる前記ウェブを担持する多孔性支持部 材としては、例えば20〜150メッシュの金網製あるいは合成樹脂製などのメ ッシュスクリーンや有孔板など、高圧液体流がウェブを貫通し得るものであれば 特に限定されない。また、多孔性支持部材のメッシュ構成は20本/25mm〜 150本/25mmの範囲であるのが好ましく、20本/25mm未満であると 、高圧液体柱状流がウェブに衝突した際に繊維が柱状流とともにメッシュスクリ ーンを通過して繊維の脱落が発生し、一方、150本/25mmを超えると、高 圧液体柱状流がウェブとメッシュスクリーンを通過するに要するエネルギー量が 多大になって生産コストが上昇し、いずれも好ましくない。
【0026】 高圧液体柱状流処理を施した後、処理後の前記ウェブから過剰水分を除去する 。この過剰水分を除去するに際しては、公知の方法を採用することができる。例 えばマングルロールなどの絞り装置を用いて過剰水分をある程度機械的に除去し 、引き続きサクションバンド方式の熱風循環式乾燥機などの乾燥装置を用いて残 余の水分を除去して不織布を得ることができる。
【0027】 本考案の寝具用シーツは、不織ウェブ層Aと不織ウェブ層Bに高圧液体柱状流 処理を施して得られた積層物を、所定の寸法に裁断を施した後、縁部を超音波ウ ェルダー処理機を用いて縁かがりを施すことができる。この超音波ウェルダー処 理機による縁かがりは、本考案の寝具用シーツの実際の使用に際し、縁部分のほ つれを防止するものである。超音波ウェルダー処理機を用いて縁かがりを施すに 際しては、超音波の発信機、超音波増幅機、振動盤および超音波ウェルダー処理 を施す彫刻ロールにより構成される。彫刻ロールとしては、2〜5cm幅のロー ルの円周上に2〜5mmの大きさの彫刻が1列ないしは複数列に並列ないしは千 鳥に配列されたもの、もしくは1〜3mm幅の線形状突起が幾何学的に配置され たものを用いると良い。超音波の発信周波数としては、19〜22Kzの範囲、 ロール間の押し圧としては、0.5〜1Kg/cmの範囲が好ましい。
【0028】 なお、本考案の寝具用シーツでは、上記工程の後、必要に応じて、プリントま たは染色などの後加工を施すことができる。
【0029】
【実施例】
以下、本考案の実施例について説明する。 融点(℃);パーキンエルマ社製示差走差型熱量計DSC−2型を用い、昇温 速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温 度を融点とした。
【0030】 相対粘度;ポリエチレンテレフタレートの相対粘度を次の方法によって測定し た。即ち、フェノールと四塩化エタンの等重量混合液を溶媒とし、この溶媒10 0ccに試料0.5gを溶解し、温度20℃の条件で常法により測定した。
【0031】 不織布の引張強力(kg/5cm幅);東洋ボールドウィン(株)製テンシロ ンUTM−4−1−100を用い、JIS L−1096に記載のストリップ法 に従い測定した。即ち、試料幅が5cmで試料長が10cmの試料片10片を準 備し、各試料毎の引張速度10cm/分で測定して最大引張強力(kg)を求め 、得られた各引張強力値の平均値を試料幅5cmで除して、不織布の引張強力( kg/5cm幅)とした。
【0032】 圧縮剛軟度(g);試料長が10cm、試料幅が5cmの試料片計5点を作成 し、各試料片毎に横方向に曲げて円筒状物とし、各々その端部を接合したものを 圧縮剛軟度測定試料とした。次いで、各測定試料毎にその軸方向について、定速 伸長型引張試験機(東洋ボールドウィン(株)製テンシロンUTM−4−100 )を用い、圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値(g)の平均値を 圧縮剛軟度(g)とした。
【0033】 層間剥離強力(g/5cm幅);超音波ウェルダー処理が施された部分を中心 に、前後に10cmを切り取った試料を5個準備し、上記テンシロンにより、掴 み間隔10cm、引張速度10cm/分で測定し、最大荷重値(g/5cm幅) を求め、得られた各値の平均値(g/5cm幅)で示す。
【0034】 吸水性(cm/10分);JIS L−1096記載のバイレック法により測 定した。 実施例1 融点が259℃、相対粘度が1.38のポリエチレンテレフタレート重合体チ ップを用い、スパンボンド法により合成長繊維不織ウェブ層Aを製造した。即ち 、前記重合体チップを溶融し、これを紡糸孔を通して紡糸温度290℃で溶融紡 出し、溶融紡出されたたポリマー流を冷却した後、エアーサッカーを用い引取り 速度4800m/分で引取った後、コロナ放電手段を用いて開繊し、移動する捕 集面上に捕集・堆積させて単繊維繊度が3.0デニールの合成長繊維からなるウ ェブとし、次いで得られたウェブに熱接着処理を施して目付けが30g/m2 の 不織ウェブ層Aを得た。熱接着処理を施すに際しては、面積が0.6mm2 の彫 刻模様が接着点密度20点/cm2 かつ接着面積率15%で配設されたエンボス ロールと表面が平滑な金属ロールとを用いた。このエンボスロールと表面が平滑 な金属ロールの表面温度を200℃、かつ両ロール間の線圧を10kg/cmと した。
【0035】 別途、平均繊維長25mmのコットン晒綿を用い、パラレルカード機により目 付けが15g/m2 の不織ウェブ層Bを製造した。 次いで、得られた不織ウェブ層Aの両面に不織ウェブ層Bを積層し、得られた 積層物を移動速度30m/分で移動する30メッシュの金網上に載置して高圧液 体柱状流処理を施した。高圧液体柱状流処理は、孔径0.12mmの噴射孔が孔 間隔0.62mで3群配列で配設された高圧柱状水流処理装置を用い、積層物の 上方80mmの位置から2段階に別けて柱状水流を作用させた。第1段階の処理 では圧力を20kg/cm2 Gとし、第2段階の処理では圧力を50kg/cm 2 Gとした。なお、第2段階の処理は、積層物の表裏から各々1回施した。
【0036】 次いで、得られた積層物からマングルロールを用いて過剰水分を除去した後、 積層物に熱風乾燥機を用いて温度98℃の条件で乾燥処理を施し、複合不織シー トを得た。
【0037】 得られた複合不織シートを所定の大きさに裁断した後、縁部を超音波ウェルダ ー処理機を用いて縁かがりを施すことにした。超音波ウェルダー処理に際しては 超音波の発信周波数を19.7Khz、彫刻ロールは3cm幅のロールの円周上 に2mm角の大きさの彫刻が2mm間隔で4列に千鳥状に配列されたものを用い 、ロール間の押し圧としては、0.5Kg/cmで行なった。得られた複合不織 シートは、複合不織ウェブの縁部より16mmの位置が超音波ウェルダー処理に よる縁かがりが施され、その内部は高圧液体柱状流により緻密に交絡の施された ものであった。
【0038】 上記で得られた複合不織シートは、目付けが60g/m2 、引張強力が30k g/5cm幅、引張伸度が45%、処理温度が160℃時の面積収縮率が1.2 %であって、機械的特性と寸法安定性、吸湿性、ソフトな肌触わり感に優れ、層 間剥離強力が360g/5cm幅で耐層間剥離性が高く十分に一体化され、しか も圧縮剛軟度が45gで柔軟性に優れたものであった。
【0039】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、機械的特性、寸法安定性、吸湿性、ソフトな肌 触わり感および柔軟性に優れ、特に乳幼児や老人用として好適な寝具用シーツを 提供することができる。
【提出日】平成6年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 本考案で効果的に用いることができる反毛機は、ラッグ・マシン、ノット・ブ レーカー、ガーネット・マシン、廻切機などである。用いる反毛機の種類や組み 合わせは反毛される布帛の形状や、構成する糸の太さ、撚の強さにもよるが、同 一の反毛機を数台直列に連結させたり、2種以上の反毛機を組み合わせて用いた りすると効果的である。ここで反毛機による解繊率は30〜95%の範囲が好ま しい。解繊率が30%未満であると高圧液体柱状流で不織ウェブを処理するとき 高圧液体柱状流が不織ウェブを十分貫通せず、また解繊率が95%を超えると十 分な表面摩耗強度が得られない。なお、解繊率は下記に示す式により求められる 。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の寝具用シーツを説明するための拡大断
面図である。
【符号の説明】
A 不織ウェブ層 B 不織ウェブ層

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成長繊維からなる不織ウェブ層Aの少
    なくとも片面に木綿繊維からなる不織ウェブ層Bが積層
    された複合不織シートで構成され、前記不織ウェブ層A
    の構成繊維間が部分的に熱接着されており、前記不織ウ
    ェブ層Aの構成繊維と不織ウェブ層Bの構成繊維とが相
    互に三次元的に交絡し、かつ不織ウェブ層Bの構成繊維
    同士が三次元的に交絡し、全体として一体化されてなる
    ことを特徴とする寝具用シーツ。
JP6334293U 1993-11-26 1993-11-26 寝具用シーツ Pending JPH0730837U (ja)

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JP6334293U JPH0730837U (ja) 1993-11-26 1993-11-26 寝具用シーツ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021132752A (ja) * 2020-02-25 2021-09-13 ユニ・チャーム株式会社 コット用使い捨てシート

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