JPH07225910A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JPH07225910A
JPH07225910A JP6014389A JP1438994A JPH07225910A JP H07225910 A JPH07225910 A JP H07225910A JP 6014389 A JP6014389 A JP 6014389A JP 1438994 A JP1438994 A JP 1438994A JP H07225910 A JPH07225910 A JP H07225910A
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glass
recording
head
core
magnetic head
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Susumu Okada
将 岡田
Yuichiro Murata
雄一郎 村田
Hirobumi Ouchi
博文 大内
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多結晶Mn−Znフェライトをコア材料に使
用する磁気ヘッドに関して、記録・再生コイルに電流を
流し終えた直後に発生するパルス性のノイズ、いわゆる
記録後ノイズを防止するための磁気ヘッドの製造方法を
提供する。 【構成】 少なくとも記録・再生ヘッドのコア材料に平
均結晶粒径が30μm以下のMn−Znフェライトを用
い、1種類のガラスを用いたガラス熔着で熔着コアブロ
ックを形成し、この熔着コアブロックをガラスの歪み点
以上の温度でアニールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば電子計算機の
外部記憶装置であるフレキシブルディスク装置(FD
D)などに使用され、磁気記録媒体に対して情報の記録
・再生を行う磁気ヘッドあるいは記録・再生および消去
を行う複合磁気ヘッドにおいて、記録・再生コイルに電
流を流し終えた直後に発生するパルス性のノイズを防止
するための磁気ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3.5インチFDDに使用されている代
表的な磁気ヘッドとして、図1〜図4に示す構造のもの
が知られている。
【0003】図1はアンフォーマット記憶容量が2MB
(メガバイト)以下の3.5インチFDDに使用される
複合磁気ヘッドの代表例の一つで、磁気ディスクの進入
方向に対して消去ヘッドが記録・再生ヘッドの後方に配
置されたトンネル消去型ヘッドと呼ばれるものであり、
図2〜図4はアンフォーマット記憶容量が4MB(メガ
バイト)の3.5インチFDDに使用される複合磁気ヘ
ッドの代表例で、磁気ディスクの進入方向に対して消去
ヘッドが記録・再生ヘッドの前方に配置された先行消去
型ヘッドと呼ばれるものである。
【0004】図1〜図4に示した磁気ヘッドは、記録・
再生(R/W)コア1、消去(E)コア2、R/Wコア
1およびEコア2のそれぞれと接合され、R/Wギャッ
プ7およびEギャップ8を形成するセンター(I)コア
3、Iコア3とR/Wコア1およびEコア2とを磁気的
に結合するバックバー4、R/Wコア1とEコア2のト
ラック幅規制溝を充填し、かつ、R/Wギャップ7とE
ギャップ8を形成する熔着ガラス5を備え、R/Wコア
1とIコア3から記録・再生ヘッド9が構成され、ま
た、Eコア2とIコア3から消去ヘッド10が構成され
ている。図中、R/Wコア1およびEコア2それぞれに
R/WコイルおよびEコイルが巻回されるが、ここでは
省略されている。なお、図2に示した複合磁気ヘッド
は、Iコア3の中間部およびトラック幅規制溝にギャッ
プ形成用のガラス5とは異なるモールドガラス6を有す
るIコア分離型である。また、図1および図4には、1
種類のガラスを使用したIコア分離型複合磁気ヘッドが
示されているが、Iコア分離部にモールドガラスを使用
することもできる。
【0005】次に、図1および図4に示した磁気ヘッド
の製造方法について図5〜図9を用いて説明する。
【0006】図5および図6(A)のように、コア材料
としてR/WコアおよびEコア用フェライトピース1
0、11およびIコア用フェライトピース12、13を
準備し、各コア材料のギャップとなる面を鏡面にラッピ
ング加工する。各コア材料は、通常HIP材と称する空
孔の少ない高密度の多結晶Mn−Znフェライトが使用
される。
【0007】次に、図7(A)に示すように、R/Wコ
アおよびEコア用フェライトピース10、11の鏡面に
巻線溝14およびテーパ15の加工が施される。次に、
図7(B)に示すように、鏡面上にSiO2 、Al2
3 等のギャップ材16がスパッタリング、蒸着等の方法
で薄膜形成される。膜厚は、2MB用のR/Wコアが
1.0μm程度、4MB用のR/Wコアが0.5μm程
度、Eコアが2.0μm程度である。ギャップ材16
は、Iコア用フェライトピース12、13に形成しても
よく、また、R/WコアおよびEコア用フェライトピー
ス10、11とIコア用フェライトピート12、13の
両方に形成してもよい。
【0008】次に、図8(A)に示すように、R/Wコ
アおよびEコア用フェライトピース10、11のギャッ
プ形成面とIコア用フェライトピース12、13のギャ
ップ形成面とを突き合わせ、ガラス棒17によりガラス
熔着されて各コア材料が一体化され、R/Wヘッド用熔
着コアブロック18およびEヘッド用熔着コアブロック
19が形成される。
【0009】4MB先行消去型FDDヘッドではR/W
ギャップとEギャップ間の距離が200μmであるので
Iコア厚は薄い。従って、通常この工程までは加工に耐
えるだけの機械的強度が得られる程度にIコア用フェラ
イトピース12、13の厚さを厚くしておいて、ガラス
熔着後に図8(B)に示すようにトラック幅規制溝20
を形成した後、所定の厚さにラッピング加工によって仕
上げられる。
【0010】なお、記録性能に優れたMIG(メタルイ
ンギャップ)ヘッドを作製するには、R/Wギャップ材
16を形成する前にR/Wギャップ面に高飽和磁束密度
の材料、例えば、Co−Zr−Nb系アモルファス合金
やセンダスト合金を薄膜形成すればよい。
【0011】また、ガラス熔着工程においては、図10
に示すような熱膨張係数がフェライトより小さく、耐熱
性に優れたアルミナなどの部材から成る熔着治具23が
よく用いられ、R/Wヘッド用熔着コアブロックおよび
Eヘッド用熔着コアブロック18、19と熔着治具23
との熱膨張係数の違いにより圧縮応力が熔着コアブロッ
ク18、19に働き、一様なギャップ長の形成をするこ
とができる。
【0012】この後、熔着コアブロック18および19
とを間隙を設けてガラス(以後モールドガラスと称す
る)を用いて一体化する。この時、熔着コアブロック1
8、19のガラス熔着に使用したガラスより、低融点の
ガラスを用いる方法および同一のガラスを用いる方法を
示す。
【0013】低融点のガラスを用いる方法は、図9
(A)に示すように、R/Wヘッド用熔着コアブロック
18とEヘッド用熔着コアブロック19とを所定のスペ
ース幅tを設けて配置し、モールドガラスの棒21を溶
融してスペース幅tの間およびトラック幅規制溝20に
モールドガラス21を充填する。この際、各熔着コアブ
ロック18、19に設けられたギャップが開くのを防止
する観点から、各熔着コアブロック18、19のガラス
熔着に使用したガラス17の歪み点より作業温度が低い
低融点のガラスを使用するのが好ましい。
【0014】同一のガラスを用いる方法は、図9(A)
において、R/Wヘッド用熔着コアブロック18とEヘ
ッド用熔着コアブロック19とを、チタン酸カルシウム
やチタン酸バリウム等のセラミックスまたは高融点のガ
ラスから成る短冊状のスペーサ22の複数個を介して配
置し、図10に示した熔着治具23を用いてR/W用熔
着コアブロック18とEコア用熔着コアブロック19の
側面に荷重を印加した状態でモールドガラスの棒21に
代えてガラス棒17を使用し、熔融してガラスを充填す
る。
【0015】R/Wヘッド用熔着コアブロック18とE
ヘッド用熔着コアブロック19とを一体化した後、一体
化コアブロック24の下部を切断し、次いで、一体化コ
アブロック24の長手方向に沿ってダイヤモンドホイー
ルを使用して研削加工を施し、次いで、一体化コアブロ
ック58の長手方向と直角方向にワイヤーソー切断加工
等の方法で薄切りして、ヘッドチップを形成し、このヘ
ッドチップのR/WコアおよびEコア脚部にコイルを巻
回した後、R/WコアとIコアおよびEコアとIコアの
脚部を磁気的にシャントする磁性体から成るバックバー
を添付し、図1および図4に示した複合磁気ヘッドが得
られる。
【0016】次に、図2に示す複合磁気ヘッドの製造方
法について説明する。この製造方法においては、図6
(B)に示すように、Iコア用フェライトピース12に
トラック幅規制溝20を、また、図7(C)に示すよう
に、R/WコアおよびEコア用フェライトピース10、
11にトラック幅規制溝20を個別に形成するところに
特徴を有し、他の工程は上述の図1および図4の複合磁
気ヘッドの製造方法と基本的に同じである。
【0017】また、図3に示す複合磁気ヘッドの製造方
法も図2に示す複合磁気ヘッドの製造方法と同様、各フ
ェライトピースに個別にトラック幅規制溝20を形成
し、ガラス熔着は図9(B)に示すように、Iコア用フ
ェライトピース12の両側にR/WコアおよびEコア用
フェライトピース10、11を配置し、熔着治具59を
使用し、ガラス17を熔融して、一体化する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の複合磁気
ヘッドは、記録・再生コイルに記録電流を流し終えた直
後にパルス性のノイズ(以下、記録後ノイズと称す)が
発生する。記録後ノイズはしばらく時間が経つと(20
0ms後)発生しなくなる。図11は記録後ノイズの単
発波形の測定例で、この波形の大部分は単極性である。
記録後ノイズについては、主として固定ディスク用磁気
ヘッドとして使用されているパーマロイなどの金属磁性
薄膜をコア材に用いた薄膜磁気ヘッドで観察されること
が、例えば励磁電流と記録後ノイズ発生確率の関係(p
age91〜94、vol.16(1992)日本応用
磁気学会誌)によって知られているが、この場合の波形
は両極性であることが指摘されているのに対し、この発
明に関する記録後ノイズは上記のように単極性で、その
極性は図12に示すように、記録電流の最後の極性に依
存するという性質のものである。これはコアのヒステリ
シス環線上の記録電流による外部磁界により定まる磁化
点から残留磁化点に向けての一方向の磁化変化であるこ
とを意味している。
【0019】図13は記録後ノイズが重畳した再生波形
の測定例である。記録後ノイズは記録後の短時間内に発
生するという性質のものであるが、FDDや固定ディス
ク等のコンピュータ補助記録装置に用いるディジタル磁
気記録システムにおいて、図13に示すように、記録後
ノイズにより波形が歪み、再生時のデータエラーの原因
となり、その防止が必須課題となる。
【0020】VTRヘッドの再生出力の向上及び特性の
バラツキ低減のためにガラス転移点温度から流動温度の
範囲でアニールすることが特開昭63−222309号
に開示されているが、上記のような記録後ノイズについ
て開示するものではなく、記録後ノイズの防止について
は、特開平5−109019号が見当たる程度で、その
中で、記録後ノイズを防止するために、フェライトの結
晶粒径の微細化と磁気ヘッドチップのアニールが有効な
対策になることが提案されている。
【0021】本願発明は、多結晶Mn−Znフェライト
をコア材料に使用する磁気ヘッドに関して、記録後ノイ
ズの発生原因、加工プロセスとの関連について詳細に検
討を実施し、さらに新しい記録後ノイズ防止のための磁
気ヘッドの製造方法を提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の磁気ヘ
ッドの製造方法は、少なくとも記録・再生ヘッドを備え
た磁気ヘッドの製造方法において、少なくとも上記記録
・再生ヘッドのコア材料に平均結晶粒系が30μm以下
のMn−Znフェライトを用い、一種類のガラスを用い
たガラス熔着で熔着コアブロックを形成し、冷却した
後、上記ガラスの歪み点(ガラスの粘度が1014.5ポイ
ズで定義される温度)以上の保持温度で保持した後、冷
却してアニールするものである。
【0023】請求項2に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、請求項1記載の磁気ヘッドの製造方法において、熔
着コアブロックを薄切りして形成したヘッドコアチップ
をアニールするものである。
【0024】請求項3に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、少なくとも記録・再生ヘッドを備えた磁気ヘッドの
製造方法において、少なくとも上記記録・再生ヘッドの
コア材料に平均結晶粒径が30μm以下のMn−Znフ
ェライトを用い、一種類のガラスを用いたガラス熔着で
熔着コアブロックを形成した後、この熔着コアブロック
の形成に連続して、上記ガラスの軟化点(ガラスの粘度
が107.5 ポイズで定義される温度)より低く、歪み点
以上の保持温度に冷却して熔着荷重を除去し、保持した
後、冷却してアニールするものである。
【0025】請求項4に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造
方法において、磁気ヘッドは消去ヘッドが備わった複合
磁気ヘッドであるものである。
【0026】請求項5に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、記録・再生ヘッドと消去ヘッドを備えた磁気ヘッド
の製造方法において、少なくとも上記記録・再生ヘッド
のコア材料に平均結晶粒径が30μm以下のMn−Zn
フェライトを用い、上記記録・再生ヘッドおよび消去ヘ
ッドをそれぞれガラスを用いたガラス熔着でそれぞれの
熔着コアブロックを形成し冷却した後、少なくとも上記
記録・再生ヘッドについては、上記熔着コアブロック
を、上記ガラスの歪み点以上の保持温度で保持した後、
冷却してアニールし、その後、それぞれの熔着コアブロ
ックを上記ガラスの作業点よりも低い作業点のガラスを
用いて一体化するものである。
【0027】請求項6に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、記録・再生ヘッドと消去ヘッドを備えた磁気ヘッド
の製造方法において、少なくとも上記記録・再生ヘッド
のコア材料に平均結晶粒径が30μm以下のMn−Zn
フェライトを用い、上記記録・再生ヘッドおよび消去ヘ
ッドをそれぞれガラスを用いたガラス熔着でそれぞれの
熔着コアブロックを形成した後、少なくとも上記記録・
再生ヘッドについては、上記熔着コアブロックの形成に
連続して、上記ガラスの軟化点(ガラスの粘度が10
7.5 ポイズで定義される温度)より低く、歪み点(ガラ
スの粘度が1014.5ポイズで定義される温度)以上の保
持温度に冷却して熔着圧力を除去し、保持した後、冷却
してアニールし、その後、それぞれの熔着コアブロック
を上記ガラスの作業点よりも低い作業点のガラスを用い
て一体化するものである。
【0028】請求項7に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、請求項1、3、5または6記載の磁気ヘッドの製造
方法において、保持温度から歪み点までの冷却を50℃
/時間以下の冷却速度で行うものである。
【0029】
【作用】本願発明に係る請求項1〜7の磁気ヘッドの製
造方法は、少なくとも記録・再生ヘッドに平均結晶粒径
が30μm以下のMn−Znフェライトを用いることに
よって、磁区を形成する磁壁の移動距離が短くなり、ま
た、ガラスの歪み点以上の保持温度で保持した後、冷却
してアニールすることによって、熔着コアブロック形成
時にガラスとコア材料の熱膨張係数差による熔着荷重に
起因して発生したコア材料の内部歪みが除去され残留応
力が無くなるので記録後ノイズを低減あるいは無くすこ
とができる。
【0030】請求項3および6に記載の磁気ヘッドの製
造方法は、熔着コアブロックを形成した後、熔着コアブ
ロックの形成に連続してアニールするので、熔着コアブ
ロックの形成とアニールとを同一工程で行うことがで
き、製造工程を減らすことができる。
【0031】請求項7に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、記録後ノイズを低減あるいはなくするとともに、保
持温度から歪み点までの冷却を50℃/時間以下の冷却
速度で行うことよって、ガラスのクラック発生を抑制で
きる。
【0032】
【実施例】FDD及び固定ディスク用磁気ヘッドのコア
材料は飽和磁歪及び結晶磁気異方性定数がともにゼロに
近い組成の高透磁率のフェライトが用いられる。上記の
ような磁気特性を有するFDD用磁気ヘッド用のコア材
料として表1に示すFe,MnおよびZnがそれぞれ4
8、12および11重量%で残りが酸素である組成で、
平均結晶粒径69、52、30および15μmのフェラ
イトをまた、Fe,MnおよびZnがそれぞれ48、1
4および9重量%で残りが酸素である組成で、平均結晶
粒径30および14μmのフェライトを使用し、熔着用
ガラスとモールド用ガラスは表2に示す3種類の鉛系ガ
ラスを使用して、図3に示す構造の複合磁気ヘッドにつ
いて、記録後ノイズを抑制する複合磁気ヘッドの製造方
法を検討するとともに、記録後ノイズの発生原因を実験
を含めて検討した。なお、表2の歪み点、転移点および
軟化点はそれぞれ粘度が1014.5、1013 .3および10
7.6 ポイズで定義される温度であり、熔着コアブロック
の製造方法は基本的には従来例に記載した製造方法と同
じである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例1.記録・再生ヘッドのコア材料と
して表1に示した種類a(平均結晶粒径30μm)のM
n−Znフェライトを、また、熔着ガラスとして種類I
のガラスを使用して熔着コアブロックを製作し、この熔
着コアブロックを窒素雰囲気中で480℃で8時間保持
した後、歪み点まで50℃/時間の冷却速度で冷却して
アニールを施した磁気ヘッドとアニールをしない磁気ヘ
ッドを製作した。図14は上記アニールをした磁気ヘッ
ドとアニールをしない磁気ヘッドの再生信号について5
4000回記録・再生を繰り返したものをFDDのプリ
アンプ出力および微分器出力で観察したものである。図
中(B)のようにアニールをしない磁気ヘッドで記録後
ノイズが多発しているのに対して、(A)のようにアニ
ールをした磁気ヘッドでは記録後ノイズは発生していな
い。なお、図中プリアンプ出力および微分器出力が帯状
に幅を持つのはヘッドコイルの抵抗成分およびアンプに
起因する熱雑音であり、記録後ノイズではない。
【0036】図14から明らかなように、コア材料の平
均結晶粒径を30μmとし、ガラス熔着に使用したガラ
スの軟化点以上(歪み点以上でもある)の温度で保持
し、歪み点の温度まで50℃/時間で冷却するアニール
を施すことによって、記録後ノイズが発生しない磁気ヘ
ッドを製造することができる。また、保持温度から歪み
点までの冷却速度を50℃/時間とすることによって、
ガラスのクラック発生を防止することができる。
【0037】実施例2.記録・再生ヘッドのコア材料と
して表1に示した種類AおよびB(平均結晶粒径30μ
mを越えるもの)、a,b,cおよびd(平均結晶粒径
30μm以下)のMn−Znフェライトを、また、A,
B,aおよびbに対する熔着ガラスとして種類Iのガラ
スを、cおよびdに対する熔着ガラスとして種類IIのガ
ラスを使用して熔着コアブロックを製作し、この熔着コ
アブロックをスライスしてそれぞれ500個の磁気ヘッ
ドを作製し、アニール前後における記録後ノイズの発生
による不良率を調べた。
【0038】図15に示すように、アニール前の不良率
はアニール後より格段に高く、しかも平均結晶粒径が大
きいほど、不良率が高くなる傾向がある。平均結晶粒径
の大きいAおよびBを使用した磁気ヘッドはアニール後
も不良が発生するが、平均結晶粒径が小さいa,b,c
およびdを使用した磁気ヘッドは不良率がゼロという結
果が得られた。
【0039】次に、記録後ノイズの発生原因を検討した
結果を示す。上記実施例1および2における磁気ヘッド
はギャップ長およびギャップ深さの中央値はそれぞれ
0.5μmおよび50μmである。ギャップ長およびギ
ャップ深さは記録後ノイズとの関連性を有する。
【0040】ギャップ長およびギャップ深さと記録後ノ
イズとの関連を検討した結果は、図16に示すように、
ギャップ長が0.9μm以下になると発生することが実
験で確認されている。
【0041】ギャップ長が大きくなると、記録後ノイズ
が減少するのは自己減磁力が大きくなり、磁壁の移動を
加速させる効果を有することを示している。電磁気学で
周知のようにギャップ付き磁気回路の自己減磁界はギャ
ップ面に最大値を有する分布となること、また、磁気ヘ
ッドの磁気回路はギャップ近傍部のボリュウムを小さく
してギャップ部に磁束を絞り込む磁路構成を採用してい
ることから判断して、記録後ノイズの発生源は磁束密度
が高く、ガラスが充填されたギャップ近傍部にあるもの
と考えられる。また、ギャップ深さ(図17参照)も記
録後ノイズの発生に関連し、ギャップ深さが浅くなる
と、単調にノイズレベルは低下し、数μm前後でゼロに
なることを実験で確認している。この実験の結果は記録
後ノイズの主発生源に関する上記仮説を裏づけるもので
ある。
【0042】記録後ノイズの発生は、磁区の大きさ即ち
磁壁の移動距離が一因として想定され、また、ガラス熔
着時における図10に示した治具23とコア材料(Mn
−Znフェライト)との熱膨張係数差により発生する熔
着荷重に起因する残留応力が関与するものである。
【0043】 (1)磁区の大きさと記録後ノイズとの関係について 飽和磁歪と結晶磁気異方性定数がほぼ組成によって定ま
ることはJpn.J.Appl.Phys.1964年
の第576頁およびJ.Phys.Soc.Japan
1963年の第684頁に示されている。実施例1およ
び2で、平気結晶粒径のみが異なり、組成が同じであ
る、即ち、飽和磁歪と結晶磁気異方性定数がほぼ同じと
考えられる材料で記録後ノイズの発生に違いがでてい
る。一般に、磁性体の磁区の大きさは結晶粒径に依存
し、結晶粒径が小さくなる程磁区が微細化することが知
られている。記録電流により定まる外部印加磁界を取り
去ると、磁壁はこの近傍で位置エネルギーが極小となる
位置に移動しようとするが、粗大磁区ほど磁壁の移動距
離が長く、内部に存在する不純物、空孔あるいは残留応
力によるポテンシャルの山にぶつかって磁壁がピンニン
グを受ける確率が高くなることが考えられる。従って、
平均結晶粒径が小さく磁区が微細化したものは、磁壁の
移動距離が短くなり、磁壁がピンニングを受ける確率が
低くなり記録後ノイズの発生が少なくなると想定され
る。
【0044】(2)熔着荷重に起因する残留応力。 残留応力が磁壁の移動を妨げることは磁性物理では周知
であり、例えば、磁性ハンドブック、朝倉書店、197
5年の第14頁に詳細に述べられている。磁気ヘッドを
製造する過程で磁気ヘッドに残留する応力は次に示す
〜の3種類がある。
【0045】ガラス熔着に使用するガラスとコア材料
として使用するMn−Znフェライトの熱膨張係数の差
に起因して、ガラス熔着後に、弾性限界内の応力が磁気
ヘッドのコア材料に残留する。ガラスは機械的特性上、
引っ張り応力に非常に弱い材料なので、ガラスの熱膨張
係数をコア材料より若干小さく設定してガラスに圧縮応
力が残留するようにし、従って、コア材料には小さい引
張応力が残留する。
【0046】熔着コアブロックからヘッドチップを作
製する過程で、ラッピング加工や研削加工によってヘッ
ドチップの最表面層には、例えば、Proceedin
gof the InternationalConf
erence,Septenber−October
(1980)、Japanの第667〜674頁に示さ
れているように、弾性定数の1%に相当する圧縮応力が
残留する加工変質層が形成され、内部にはこれと釣り合
う張力が残留し、ヘッドチップの透磁率が低下すること
が知られている。
【0047】ガラス熔着工程では、熔着治具の熱膨張
係数をコア材料の熱膨張係数より小さくし、ガラス熔着
時の温度では熔着治具とコア材料の熱膨張の差によって
ギャップ形成面に圧縮力を発生させ、熔着コアブロック
の長さ方向にサブミクロンオーダの一様なギャップ長を
実現する。ギャップ形成面の平坦度は完全なものは得ら
れないので、一様なギャップ長を実現するために、熔着
時にコア材料を十分に変形させ得る程度に圧縮力を大き
くする。
【0048】図10に示した熔着治具23において、熱
応力の概算値を得るために、弾性定数3.5×104
g/mm2 、ポアソン比0.25、熱膨張係数71×1
-7/℃のアルミナと弾性定数1.7×104 Kg/m
2 、ポアソン比0.33、熱膨張係数125×10-7
/℃のMn−Znフェライトの組み合わせで、ガラス熔
着の作業点を650℃として、有限要素法を用いた熱応
力解析の結果は、10Kg/mm2 を越える大きな圧縮
応力がコア材料(Mn−Znフェライト)に加わってお
り、Mn−Znフェライトの最大曲げ応力12Kg/m
2 に近い値であるので塑性変形が起こり得ることが容
易に推測される。
【0049】以上、上記、およびの3種類の応力
のうちはアニールによって緩和できないもので、記録
後ノイズに関連していないことは自明である。即ち、ガ
ラスとMn−Znフェライトの熱膨張係数差に起因する
応力は、ガラスの軟化点を越えたアニール温度で保持し
ている状態ではガラスの軟化によって応力はほとんど緩
和されるが、室温まで冷却する途中で硬化し、その後の
冷却過程で熱膨張係数差に起因する応力が発生するので
緩和できない。
【0050】次に、上記と記録後ノイズとの関連を調
べた。まず、コア材料に種類aのMn−Znフェライト
を、また、ガラスに種類IIのガラスを使用して熔着コア
ブロックを作製した後、ダイヤモンドホイールを用いた
研削加工で熔着コアブロックをスライスし、その後、粒
径3μmのダイヤモンドを用いてラッピング加工を施し
て表面に歪み層を形成し、記録後ノイズを測定し、この
後、表面の歪み層を50%りん酸でエッチングして除去
し、記録後ノイズを測定した。図18は、その結果で、
エッチングで表面の歪み層を除去しても殆どその効果は
なく、さらにアニールすると記録後ノイズは激減する。
【0051】さらに、GC(グリーンカーボランダム)
#4000を用いてラッピング加工を施して磁気ヘッド
と同じ厚さ0.3mmに仕上げたMn−Znフェライト
の板から外径5mm,内径3mmを超音波加工機を使用
して打ち抜いてフェライトリングを作製し、このフェラ
イトリングの一部を50%りん酸でエッチングして加工
変質層除去し、さらに、上記フェライトリングの一部を
保持温度480℃、保持時間8時間および保持温度75
0℃(作業点)、保持時間0.5時間の条件で窒素中で
アニールした。
【0052】ラッピング加工のままのもの、エッチング
したものおよびアニールしたものの初透磁率を周波数1
00kHzで測定すると、表3に示すようにGCラッピ
ング加工のままのものは初透磁率が2100であるが、
作業点、即ち、ガラス熔着温度でアニールするとエッチ
ングしたものと同等の初透磁率に回復する。従って、ラ
ッピング加工による加工歪みは、ガラス熔着の工程で除
去されると考えてよく、記録後ノイズの原因ではないと
言える。
【0053】
【表3】
【0054】次に、上記フェライトリングをエッチング
したものを、熔着治具にリング面に荷重が加わるように
装填し、750℃で熱処理し、熱処理後の初透磁率を周
波数100kHzで測定したところエッチングしたもの
は20〜40%程度に低下し、再度、無荷重状態でアニ
ールすると回復することを確認した。この結果は荷重を
加えた熱処理によって、Mn−Znフェライト内にディ
スロケーションを含んだ内部歪みが残留することを示す
ものと考えられ、また、記録後ノイズの発生原因がガラ
ス熔着時の熔着荷重に起因する残留応力であることを示
すものである。
【0055】実施例3.上記実施例1に記載したよう
に、記録後ノイズの発生はガラス熔着時の熔着荷重に起
因してコア材料に発生した残留応力によるものであり、
記録後ノイズは、コア材料に平均結晶粒径が30μm以
下のMn−Znフェライトを使用して、ガラス熔着の
後、無負荷の状態でアニールを施せば無くせることが分
かった。熔着ガラスが介在するとき、熔着荷重に起因し
てコア材料に発生した残留応力を除去できるアニール条
件は、熔着ガラスの物理的性質と関係するものである。
本実施例は、これを明らかにしたものである。
【0056】記録・再生ヘッドのコア材料に表1に示し
た種類a,b,cおよびd(平均結晶粒径30μm以
下)のMn−Znフェライトを、また、熔着ガラスにそ
れぞれ種類IおよびIIを使用して熔着コアブロックを製
作し、この熔着コアブロックを窒素雰囲気中、保持温度
および保持時間を変えてアニールして磁気ヘッドを製造
し、記録後ノイズの発生を調べた。
【0057】図19は記録後ノイズの発生による不良率
に対する保持温度の効果を調べた結果である。図から明
らかなように、種類Iのガラスを使用した場合、その歪
み点410℃より低い保持温度では不良率は下がらない
が、歪み点410℃では不良率がゼロになる。また、種
類IIのガラスを使用した場合でも同様に、歪み点390
℃の保持温度で不良率がゼロになる。
【0058】また、図20は記録後ノイズの発生による
不良率に対する保持時間の効果を調べた結果である。図
から明らかなように、熔着ガラス(種類Iを使用してい
る)の軟化点を越える保持温度でアニールすれば、保持
温度を歪み点の温度とした場合より短時間で不良率がゼ
ロになる。即ち、歪み点以上、転移点、軟化点、さら
に、軟化点より高い温度に保持温度が上昇するにつれ
て、ガラスの粘度が低下するため、保持温度が高いほ
ど、短時間でアニール効果が得られるものと推測され、
アニール効果が得られる下限の温度は歪み点であること
が分かる。
【0059】実施例4.実施例1、2および3は熔着コ
アブロックを製作し、冷却した上記熔着コアブロックを
再度歪み点の温度あるいは歪み点を越える温度に加熱し
てアニールするもので、二工程にわたる。本実施例では
熔着コアブロックを製作する工程でガラス熔着した後、
ガラス熔着に連続して、ガラス熔着温度(作業点)から
歪み点あるいは歪み点を越える温度まで降温し、この温
度で保持してアニールした。
【0060】上記のように、ガラス熔着に連続してアニ
ールすることによって、一工程で実施例1、2および3
と同様に記録後ノイズを無くすことができる。
【0061】実施例5.実施例1、2および3では、熔
着コアブロックをアニールするものであるが、熔着コア
ブロックをスライスしてヘッドチップを形成し、このヘ
ッドチップに実施例1、2および3と同様のアニールを
施しても同じ効果が得られる。
【0062】また、上記実施例1〜5の製造方法は、図
3に示したセンターコア3の両側に記録・再生コア1と
消去コア2とを配置した先行消去型の複合磁気ヘッドの
例であるが、図4に示したセンターコア3の中間部にス
ペーサーを有し、記録・再生コアと消去コアとが磁気的
に分離された先行消去型の複合磁気ヘッド、図1に示し
た媒体の進入方向に対して消去コア2が記録・再生コア
1の後方に配置されたトンネル消去型の複合磁気ヘッド
および消去コア2を有しない磁気ヘッドの製造方法にも
適用されて記録後ノイズを無くする効果を有する。
【0063】実施例6.上記実施例1〜5は熔着ガラス
に1種類のガラスを使用するものである。熔着ガラスに
作業点が高いガラス(表2の種類IまたはII)を使用
し、モールドガラスに作業点が低いガラス(表2の種類
III )を使用すると、アニール保持温度が作業点が低い
ガラス(種類III )によって制約されるという問題があ
る。アニール効果を上げるため、アニール温度を上げる
と、ガラスの粘度が低下してガラスが流動するため、記
録・再生ギャップと消去ギャップ間の距離が変動した
り、記録・再生コアと消去コアの相対位置がずれる等の
問題が生ずる。例えば、ガラス熔着によるギャップ形成
に種類I、モールドガラスに種類III のガラスを使用し
た場合、種類III のガラスの作業温度は435℃であ
り、種類Iのガラスを使用したガラス熔着(ギャップ形
成)に対して有効なアニールの下限温度は410℃であ
るので、アニール保持温度が種類III の作業温度に近
く、アニール時にガラスが流動し、上記のような問題が
生ずる。
【0064】そこで、ギャップ形成のガラスに作業温度
の高いガラスを、また、モールドガラスにギャップ形成
のガラスの作業温度より低いガラスを使用する場合は、
ギャップ形成のためのガラス熔着の後、ギャップ形成の
ガラスの歪み点以上の温度でアニールし、この後、無荷
重でモールドガラスを充填することによって、記録後ノ
イズを無くすことができる。
【0065】実施例1〜6で製造した磁気ヘッドはギャ
ップ長およびギャップ深さの中央値はそれぞれ0.5μ
mおよび50μmで、記録後ノイズが発生する領域にあ
るが、上記のように、コア材料の平均結晶粒径を30μ
m以下とし、歪み点を越える温度あるいは歪み点の温度
でアニールすることによって記録後ノイズを無くするこ
とができるものである。
【0066】
【発明の効果】本願発明に係る請求項1〜7の複合磁気
ヘッドの製造方法は、少なくとも記録・再生ヘッドに平
均結晶粒径が30μm以下のMn−Znフェライトを用
いることによって、磁区を形成する磁壁の移動距離が短
くなり、また、ガラスの歪み点以上の保持温度で保持し
た後、冷却してアニールすることによって、熔着コアブ
ロック形成時にガラスとMn−Znフェライトの熱膨張
係数差による熔着荷重で発生したMn−Znフェライト
(コア材料)の内部歪みが除去され残留応力が無くなる
ので記録後ノイズを無くすことができる。
【0067】請求項3および6に記載の複合磁気ヘッド
の製造方法は、熔着コアブロックを形成した後、熔着コ
アブロックの形成に連続してアニールするので、熔着コ
アブロックの形成とアニールとを同一工程で行うことが
でき、製造工程を減らす。
【0068】請求項7に記載の複合磁気ヘッドの製造方
法は、記録後ノイズを低減あるいは無くすとともに、保
持温度から歪み点までの冷却を50℃/時間以下の冷却
速度で行うことによって、ガラスのクラック発生を抑制
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の製造方法に用いられるトンネル消去
型複合磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】この発明の製造方法に用いられる先行消去型複
合磁気ヘッドの斜視図である。
【図3】この発明の製造方法に用いられるIコア一体型
の先行消去型複合磁気ヘッドの斜視図である。
【図4】この発明の製造方法に用いられるIコア分離型
の先行消去型複合磁気ヘッドの斜視図である。
【図5】従来およびこの発明の磁気ヘッドの製造方法に
共通な製造工程を説明する斜視図である。
【図6】従来およびこの発明の磁気ヘッドの製造方法に
共通な製造工程を説明する斜視図である。
【図7】従来およびこの発明の磁気ヘッドの製造方法に
共通な製造工程を説明する斜視図である。
【図8】従来およびこの発明の磁気ヘッドの製造方法に
共通な製造工程を説明する斜視図である。
【図9】従来およびこの発明の磁気ヘッドの製造方法に
共通な製造工程を説明する斜視図である。
【図10】ガラス熔着治具の斜視図である。
【図11】記録後ノイズの単発波形の測定例である。
【図12】記録電流の記録後ノイズとの関連を定性的に
説明する図である。
【図13】記録後ノイズが重畳した再生波形の測定例で
ある。
【図14】記録後ノイズがでる磁気ヘッドおよび記録後
ノイズがでない磁気ヘッドの、54000回記録・再生
を繰り返した時の記録後ノイズを重畳したプリアンプ出
力及び微分器出力による測定例である。
【図15】アニール前後における平均結晶粒径と不良率
の関係を調べた結果を示す図である。
【図16】ギャップ長と記録後ノイズとの関係を調べた
結果を示す図である。
【図17】ギャップ深さを説明する図である。
【図18】ヘッドチップの加工、エッチングおよびアニ
ールと記録後ノイズとの関係を調べた結果を示す図であ
る。
【図19】記録後ノイズとアニール保持時間との関係を
調べた結果を示す図である。
【図20】記録後ノイズとアニール保持温度との関係を
調べた結果を示す図である。
【符号の説明】
1 記録・再生コア(R/Wコア) 2 消去コア(Eコア) 3 センターコア(Iコア) 4 バックバー 5 熔着ガラス 6 モールドガラス(非磁性スペーサ) 7 記録・再生ギャップ 8 消去ギャップ 9 記録・再生ヘッド 10 消去ヘッド 18 記録・再生ヘッド用熔着コアブロック 19 消去ヘッド用熔着コアブロック

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも記録・再生ヘッドを備えた磁
    気ヘッドの製造方法において、少なくとも上記記録・再
    生ヘッドのコア材料に平均結晶粒径が30μm以下のM
    n−Znフェライトを用い、一種類のガラスを用いたガ
    ラス熔着で熔着コアブロックを形成し、冷却した後、上
    記ガラスの歪み点(ガラスの粘度が1014.5ポイズで定
    義される温度)以上の保持温度で保持した後、冷却して
    アニールすることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 熔着コアブロックを薄切りして形成した
    ヘッドコアチップをアニールすることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも記録・再生ヘッドを備えた磁
    気ヘッドの製造方法において、少なくとも上記記録・再
    生ヘッドのコア材料に平均結晶粒径が30μm以下のM
    n−Znフェライトを用い、一種類のガラスを用いたガ
    ラス熔着で熔着コアブロックを形成した後、この熔着コ
    アブロックの形成に連続して、上記ガラスの軟化点(ガ
    ラスの粘度が107.5 ポイズで定義される温度)より低
    く、歪み点以上の保持温度に冷却して熔着荷重を除去
    し、保持した後、冷却してアニールすることを特徴とす
    る磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 磁気ヘッドは消去ヘッドが備わった複合
    磁気ヘッドであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 記録・再生ヘッドと消去ヘッドを備えた
    磁気ヘッドの製造方法において、少なくとも上記記録・
    再生ヘッドのコア材料に平均結晶粒径が30μm以下の
    Mn−Znフェライトを用い、上記記録・再生ヘッドお
    よび消去ヘッドをガラスを用いたガラス熔着でそれぞれ
    の熔着コアブロックを形成し冷却した後、少なくとも上
    記記録・再生ヘッドについては、上記ガラスの歪み点以
    上の保持温度で保持した後、冷却してアニールし、その
    後、それぞれの熔着コアブロックを上記ガラスの作業点
    よりも低い作業点のガラスを用いて一体化することを特
    徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 記録・再生ヘッドと消去ヘッドを備えた
    磁気ヘッドの製造方法において、少なくとも上記記録・
    再生ヘッドのコア材料に平均結晶粒径が30μm以下の
    Mn−Znフェライトを用い、上記記録・再生ヘッドお
    よび消去ヘッドをガラスを用いたガラス熔着でそれぞれ
    の熔着コアブロックを形成した後、少なくとも上記記
    録、再生ヘッドについては、上記熔着コアブロックの形
    成に連続して、上記ガラスの軟化点(ガラスの粘度が1
    7.5 ポイズで定義される温度)より低く、歪み点(ガ
    ラスの粘度が1014.5ポイズで定義される温度)以上の
    温度に冷却して熔着圧力を除去し、保持した後、冷却し
    てアニールし、その後、それぞれの熔着コアブロックを
    上記ガラスの作業点よりも低い作業点のガラスを用いて
    一体化することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 保持温度から歪み点までの冷却を50℃
    /時間以下の冷却速度で行うことを特徴とする請求項
    1、3、5または6記載の磁気ヘッドの製造方法。
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