JPH05234020A - 磁気ヘッド - Google Patents
磁気ヘッドInfo
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- JPH05234020A JPH05234020A JP3807992A JP3807992A JPH05234020A JP H05234020 A JPH05234020 A JP H05234020A JP 3807992 A JP3807992 A JP 3807992A JP 3807992 A JP3807992 A JP 3807992A JP H05234020 A JPH05234020 A JP H05234020A
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- JP
- Japan
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- magnetic
- ferromagnetic metal
- metal film
- film
- magnetic head
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 記録・再生特性にすぐれた複合型磁気ヘッド
を構成する。 【構成】 対のコア半体1,2が突き合わされて形成さ
れる磁気ギャップgの少なくとも一方が強磁性金属膜4
によって構成され、そのギャップ面との対向面の強磁性
金属膜の成膜面4aがギャップ面と角度αをもって傾斜
した磁気ヘッドにおいて、強磁性金属膜4の組成を特定
し、かつ0<α≦30°とする。
を構成する。 【構成】 対のコア半体1,2が突き合わされて形成さ
れる磁気ギャップgの少なくとも一方が強磁性金属膜4
によって構成され、そのギャップ面との対向面の強磁性
金属膜の成膜面4aがギャップ面と角度αをもって傾斜
した磁気ヘッドにおいて、強磁性金属膜4の組成を特定
し、かつ0<α≦30°とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコー
ダ、磁気ディスク装置等に使用される磁気ヘッドに関す
る。
ダ、磁気ディスク装置等に使用される磁気ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えばVTR(ビデオテープレコーダ)
等の磁気記録再生装置においては、画質等を向上させる
ために記録信号の高密度化が進められており、これに対
応して磁性粉にFe,Co,Ni等の強磁性金属の粉末
を用いた所謂メタルテープや、強磁性金属材料を蒸着等
の手法により直接ベースフィルム上に被着した所謂蒸着
テープ等の高抗磁力媒体の開発が進められている。
等の磁気記録再生装置においては、画質等を向上させる
ために記録信号の高密度化が進められており、これに対
応して磁性粉にFe,Co,Ni等の強磁性金属の粉末
を用いた所謂メタルテープや、強磁性金属材料を蒸着等
の手法により直接ベースフィルム上に被着した所謂蒸着
テープ等の高抗磁力媒体の開発が進められている。
【0003】ところで、磁気記録媒体の高抗磁力化が進
むにつれ、記録再生に使用する磁気ヘッドのヘッド材料
に高飽和磁束密度化が要求される。例えば、従来ヘッド
材料として多用されている酸化物磁性材の磁性フェライ
ト材では、飽和磁束密度が低く、媒体の高抗磁力化に充
分対処することはむずかしい。
むにつれ、記録再生に使用する磁気ヘッドのヘッド材料
に高飽和磁束密度化が要求される。例えば、従来ヘッド
材料として多用されている酸化物磁性材の磁性フェライ
ト材では、飽和磁束密度が低く、媒体の高抗磁力化に充
分対処することはむずかしい。
【0004】このような状況から、磁気ヘッドを構成す
る磁気コアをフェライトやセラミックス等と、高飽和磁
束密度を有する強磁性金属膜との複合構造とし、強磁性
金属膜同士を突き合わせ磁気ギャップを構成するように
した複合型磁気ヘッドが開発されている。
る磁気コアをフェライトやセラミックス等と、高飽和磁
束密度を有する強磁性金属膜との複合構造とし、強磁性
金属膜同士を突き合わせ磁気ギャップを構成するように
した複合型磁気ヘッドが開発されている。
【0005】この種の複合型磁気ヘッドでは、再生特性
は磁気ギャップを構成する高飽和磁束密度の磁性材料の
軟磁気特性に大きく依存し、軟磁気特性に優れた強磁性
金属膜を使用する必要がある。この種の複合型磁気ヘッ
ドに使用される強磁性金属膜としては、例えばFe−A
l−Si合金所謂センダスト合金や、Co−Nb−Zr
等の非晶質軟磁性膜が知られている。
は磁気ギャップを構成する高飽和磁束密度の磁性材料の
軟磁気特性に大きく依存し、軟磁気特性に優れた強磁性
金属膜を使用する必要がある。この種の複合型磁気ヘッ
ドに使用される強磁性金属膜としては、例えばFe−A
l−Si合金所謂センダスト合金や、Co−Nb−Zr
等の非晶質軟磁性膜が知られている。
【0006】この種の複合型磁気ヘッドの構造として
は、例えば図5にその拡大斜視図を示すように対のコア
半体1及び2が突き合わされて、その突き合わせ前方端
面間に磁気ギャップgが形成される。
は、例えば図5にその拡大斜視図を示すように対のコア
半体1及び2が突き合わされて、その突き合わせ前方端
面間に磁気ギャップgが形成される。
【0007】これらコア半体1及び2は、磁性フェライ
ト、非磁性セラミックス等より成るコア部3と、少なく
とも磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ形成面を形
成する高飽和磁束密度を有する強磁性金属膜4とより成
る。
ト、非磁性セラミックス等より成るコア部3と、少なく
とも磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ形成面を形
成する高飽和磁束密度を有する強磁性金属膜4とより成
る。
【0008】この場合、コア部3が磁性体によって構成
される場合は、一方の磁気コア1または2についての
み、磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ形成面に強
磁性金属膜4を形成し得るものである。
される場合は、一方の磁気コア1または2についての
み、磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ形成面に強
磁性金属膜4を形成し得るものである。
【0009】5は、コア部3に設けられた磁気ギャップ
gのトラック幅規制溝6等に充填されたガラス材等の充
填非磁性材を示す。
gのトラック幅規制溝6等に充填されたガラス材等の充
填非磁性材を示す。
【0010】ところが、この種の磁気ヘッドは、図6に
その正面図を更に拡大して示すように、両コア部3のト
ラック幅規制溝6の斜面に形成された強磁性金属膜に亀
裂7が生じ易く、軟磁気特性が劣化し、磁気ヘッドの記
録再生特性を劣化させる。
その正面図を更に拡大して示すように、両コア部3のト
ラック幅規制溝6の斜面に形成された強磁性金属膜に亀
裂7が生じ易く、軟磁気特性が劣化し、磁気ヘッドの記
録再生特性を劣化させる。
【0011】さらに、このような構造の磁気ヘッドにお
いて、コア部3と強磁性金属膜4との境界面が疑似ギャ
ップGとして作用し再生信号の周波数特性のうねりを生
じることを回避すべく、この疑似ギャップG即ちコア部
3と強磁性金属膜4との境界面を、磁気ギャップg面に
対して傾けて疑似ギャップGについてはそのアジマス損
失が大となるようにすることによってこの疑似ギャップ
Gの記録再生特性への影響を低減化したヘッドが提案さ
れている。
いて、コア部3と強磁性金属膜4との境界面が疑似ギャ
ップGとして作用し再生信号の周波数特性のうねりを生
じることを回避すべく、この疑似ギャップG即ちコア部
3と強磁性金属膜4との境界面を、磁気ギャップg面に
対して傾けて疑似ギャップGについてはそのアジマス損
失が大となるようにすることによってこの疑似ギャップ
Gの記録再生特性への影響を低減化したヘッドが提案さ
れている。
【0012】ところが、このヘッド構造においては上述
した亀裂の問題が、より顕著となって磁気ギャップに対
して傾けて成膜された強磁性金属膜の軟磁気特性が磁気
ヘッドの記録再生特性上問題となる。
した亀裂の問題が、より顕著となって磁気ギャップに対
して傾けて成膜された強磁性金属膜の軟磁気特性が磁気
ヘッドの記録再生特性上問題となる。
【0013】そこで、この種の複合型磁気ヘッドのコア
材に用いる強磁性金属膜においては、高い飽和磁束密度
と共に優れた軟磁気特性が要求される。
材に用いる強磁性金属膜においては、高い飽和磁束密度
と共に優れた軟磁気特性が要求される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来上述の複合型磁気
ヘッドの強磁性金属膜としては、Fe−Al−Si合金
(センダスト)やCo−Nb−Zr非晶質合金等が使用
されてきた。しかし、センダスト合金は結晶質であり、
磁気ギャップ面と平行でない斜面に成膜した場合には膜
の亀裂が生じ易く、この亀裂が磁気特性を劣化させる等
の問題を生じる。
ヘッドの強磁性金属膜としては、Fe−Al−Si合金
(センダスト)やCo−Nb−Zr非晶質合金等が使用
されてきた。しかし、センダスト合金は結晶質であり、
磁気ギャップ面と平行でない斜面に成膜した場合には膜
の亀裂が生じ易く、この亀裂が磁気特性を劣化させる等
の問題を生じる。
【0015】これに対して、非晶質膜は膜の亀裂等の問
題は生じにくいが、ヘッドの加工時の加熱工程で例えば
コア半体の相互のガラス接合等の加熱過程で軟磁気特性
が劣化するため高温の加熱工程を行えず、その加工工程
での低温化をはかるときは充分な信頼性を得ることが難
しいという問題が生じる。
題は生じにくいが、ヘッドの加工時の加熱工程で例えば
コア半体の相互のガラス接合等の加熱過程で軟磁気特性
が劣化するため高温の加熱工程を行えず、その加工工程
での低温化をはかるときは充分な信頼性を得ることが難
しいという問題が生じる。
【0016】そこで、本発明は、かかる従来の事情に鑑
みて提案されたものであって、信頼性が高く、優れた記
録再生特性を有する磁気ヘッドを提供することを目的と
する。
みて提案されたものであって、信頼性が高く、優れた記
録再生特性を有する磁気ヘッドを提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の目
的を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、Coを基本
としてNb,Zr,Ta,Hf,Y等を含む選移金属と
窒素ゾクとからなる合金薄膜に於いて非常に微細な結晶
粒からなる微結晶質が得られ、この強磁性金属膜を複合
型の磁気ヘッドに用いることによって、磁気ギャップ面
から傾斜した部分の強磁性金属膜の亀裂等の軟磁気特性
の低下を防止し、かつ高温の加工工程に対応でき、記録
再生特性に優れた磁気ヘッドが得られることを見出し、
本発明を提供するに至った。
的を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、Coを基本
としてNb,Zr,Ta,Hf,Y等を含む選移金属と
窒素ゾクとからなる合金薄膜に於いて非常に微細な結晶
粒からなる微結晶質が得られ、この強磁性金属膜を複合
型の磁気ヘッドに用いることによって、磁気ギャップ面
から傾斜した部分の強磁性金属膜の亀裂等の軟磁気特性
の低下を防止し、かつ高温の加工工程に対応でき、記録
再生特性に優れた磁気ヘッドが得られることを見出し、
本発明を提供するに至った。
【0018】即ち、本発明は、例えば図1にその拡大斜
視図を示し、図2に更に拡大した正面を示すように、対
のコア半体1及び2が突き合わされて磁気ギャップgを
形成し、その磁気ギャップ形成面の少なくとも一方が強
磁性金属膜4より成る磁気ヘッドにおいて、
視図を示し、図2に更に拡大した正面を示すように、対
のコア半体1及び2が突き合わされて磁気ギャップgを
形成し、その磁気ギャップ形成面の少なくとも一方が強
磁性金属膜4より成る磁気ヘッドにおいて、
【化1】Cox My Lz Nw なる一般式で表わされ、その組成範囲が、 60≦x≦95 0≦y≦20 2≦z≦20 2≦w≦20 を有する。
【0019】そして上記(化1)の一般式中、MはF
e,Niより選ばれた少なくとも1種であり、LはN
b,Zr,Ta,Hf,Y,Mo,W,Cr,Ti,A
l,Siの少なくとも1種を表わし、x,y,zはそれ
ぞれ各元素の原子%を示す。
e,Niより選ばれた少なくとも1種であり、LはN
b,Zr,Ta,Hf,Y,Mo,W,Cr,Ti,A
l,Siの少なくとも1種を表わし、x,y,zはそれ
ぞれ各元素の原子%を示す。
【0020】強磁性金属膜4の、磁気ギャップ形成面と
対向する強磁性金属膜4の成膜面4aの、磁気ギャップ
面に対しての角度αを
対向する強磁性金属膜4の成膜面4aの、磁気ギャップ
面に対しての角度αを
【0021】
【数1】0<α≦30° とする。
【0022】
【作用】本発明は強磁性金属膜と、磁性体もしくは非磁
性体からなる複合型磁気ヘッドにおいて、磁気ギャップ
形成面と平行でない斜面部を少なくとも一部にもつ強磁
性金属膜4を有して成る構造の磁気ヘッドにおいて、そ
の磁気ギャップ形成面と平行でない強磁性金属膜の少な
くとも一部にCoを基本としてNb,Zr,Ta,H
f,Y等を含む遷移金属元素と窒素からなる強磁性金属
膜を使用することによって記録再生特性に優れた磁気ヘ
ッドを得ることができるものである。
性体からなる複合型磁気ヘッドにおいて、磁気ギャップ
形成面と平行でない斜面部を少なくとも一部にもつ強磁
性金属膜4を有して成る構造の磁気ヘッドにおいて、そ
の磁気ギャップ形成面と平行でない強磁性金属膜の少な
くとも一部にCoを基本としてNb,Zr,Ta,H
f,Y等を含む遷移金属元素と窒素からなる強磁性金属
膜を使用することによって記録再生特性に優れた磁気ヘ
ッドを得ることができるものである。
【0023】そして、強磁性金属膜4の磁気ギャップ面
との対向面4aと磁気ギャップ面とのなす角度αを上記
(数1)の範囲に特定することによって磁気ギャップ面
を構成する強磁性金属膜4の特性の低下を最小限に抑え
ることによって優れた記録再生特性を有する磁気ヘッド
とすることができるものである。
との対向面4aと磁気ギャップ面とのなす角度αを上記
(数1)の範囲に特定することによって磁気ギャップ面
を構成する強磁性金属膜4の特性の低下を最小限に抑え
ることによって優れた記録再生特性を有する磁気ヘッド
とすることができるものである。
【0024】
【実施例】本発明による磁気ヘッドの実施例を図1及び
図2を参照して説明する。前述したと同様に対のコア半
体1及び2が突き合わされて、その突き合わせ前方端面
間に磁気ギャップgが形成される。
図2を参照して説明する。前述したと同様に対のコア半
体1及び2が突き合わされて、その突き合わせ前方端面
間に磁気ギャップgが形成される。
【0025】これらコア半体1及び2は、それぞれ磁性
フェライト、非磁性セラミックス等より成るコア部3
と、少なくとも磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ
形成面を形成する高飽和磁束密度を有する強磁性金属膜
4とより成る。
フェライト、非磁性セラミックス等より成るコア部3
と、少なくとも磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ
形成面を形成する高飽和磁束密度を有する強磁性金属膜
4とより成る。
【0026】この場合、コア部3が磁性体によって構成
される場合は、一方のコア半体1または2にのみ、その
磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ形成面に強磁性
金属膜4を形成し得るものである。
される場合は、一方のコア半体1または2にのみ、その
磁気ギャップgを形成する磁気ギャップ形成面に強磁性
金属膜4を形成し得るものである。
【0027】5は、コア部3に設けられた磁気ギャップ
gのトラック幅規制溝6等に充填された充填ガラス等の
充填非磁性材を示す。また、7は少なくとも一方のコア
半体1または2に設けられたヘッド巻線を巻装するため
の巻線溝で、同時に磁気ギャップgのギャップデプスを
規制する。
gのトラック幅規制溝6等に充填された充填ガラス等の
充填非磁性材を示す。また、7は少なくとも一方のコア
半体1または2に設けられたヘッド巻線を巻装するため
の巻線溝で、同時に磁気ギャップgのギャップデプスを
規制する。
【0028】本発明は、上述の強磁性金属膜4として、
特にCox My Lz Nw によって構成する。そしてこの
組成式中Coはコバルト、MはFe,Niより選ばれた
少なくとも1種を表わし、LはNb,Zr,Ta,H
f,Y,Mo,W,Cr,Ti,Al,Siの少なくと
も1種を表わし、Nは窒素を表わし、x,y,zはそれ
ぞれ各元素の割合を原子%で示すものである。
特にCox My Lz Nw によって構成する。そしてこの
組成式中Coはコバルト、MはFe,Niより選ばれた
少なくとも1種を表わし、LはNb,Zr,Ta,H
f,Y,Mo,W,Cr,Ti,Al,Siの少なくと
も1種を表わし、Nは窒素を表わし、x,y,zはそれ
ぞれ各元素の割合を原子%で示すものである。
【0029】そして、その組成範囲を 60≦x≦95 0≦y≦20 2≦z≦20 2≦w≦20 とする。
【0030】そして、その強磁性金属膜4の、磁気ギャ
ップ面との対向部におけるその成膜面4aを、磁気ギャ
ップ面とのなす角度αを、 0≦α≦30 とする。
ップ面との対向部におけるその成膜面4aを、磁気ギャ
ップ面とのなす角度αを、 0≦α≦30 とする。
【0031】強磁性金属膜4は、Coを基本とし強磁性
合金であるFe,Niの少なくとも1種と、Nb,Z
r,Ta,Hf,Y,Mo,W,Cr,Ti,Al,S
iの少なくとも1種と窒素Nによって構成される薄膜で
微細な結晶粒からなる微結晶質で、優れた耐熱性と軟磁
気特性が得られる。
合金であるFe,Niの少なくとも1種と、Nb,Z
r,Ta,Hf,Y,Mo,W,Cr,Ti,Al,S
iの少なくとも1種と窒素Nによって構成される薄膜で
微細な結晶粒からなる微結晶質で、優れた耐熱性と軟磁
気特性が得られる。
【0032】ここで、軟磁気特性と高い飽和磁束密度を
得るためにはCoは原子量%で60%以上95%以下で
あることが望ましい。
得るためにはCoは原子量%で60%以上95%以下で
あることが望ましい。
【0033】また、Feの添加は飽和磁束密度を増加さ
せ、Niの添加は対蝕性の改善に有効であるが、Fe,
Niともに添加量が増加すると磁歪が増加する傾向があ
り、磁気ヘッドに使用するためには20原子%以下であ
ることが有効である。
せ、Niの添加は対蝕性の改善に有効であるが、Fe,
Niともに添加量が増加すると磁歪が増加する傾向があ
り、磁気ヘッドに使用するためには20原子%以下であ
ることが有効である。
【0034】Nb,Zr,Ta,Hf,Y,Mo,W,
Cr,Ti,Al,Siの少なくとも1種類と窒素は微
結晶質を得るために必須であり、軟磁気特性を安定に得
るためにはそれぞれ2原子%以上が必要であるが、飽和
磁束密度の低下を防ぐためにそれぞれ20原子%以下で
あることが望ましい。
Cr,Ti,Al,Siの少なくとも1種類と窒素は微
結晶質を得るために必須であり、軟磁気特性を安定に得
るためにはそれぞれ2原子%以上が必要であるが、飽和
磁束密度の低下を防ぐためにそれぞれ20原子%以下で
あることが望ましい。
【0035】この強磁性金属膜4は、スパッタリング等
の所謂気相メッキ技術によって製造される。
の所謂気相メッキ技術によって製造される。
【0036】このスパッタリングは、所望の組成比とな
るように調整された合金ターゲットを用いて行っても良
いし、各原子のターゲットを個別に用意し、その面積や
印加出力等を調整して組成をコントロールするようにし
て行なっても良い。特に前者の方法を採用した場合、膜
組成はターゲット組成によってほぼ一意に決まるので、
例えば大量生産するうえで好適である。
るように調整された合金ターゲットを用いて行っても良
いし、各原子のターゲットを個別に用意し、その面積や
印加出力等を調整して組成をコントロールするようにし
て行なっても良い。特に前者の方法を採用した場合、膜
組成はターゲット組成によってほぼ一意に決まるので、
例えば大量生産するうえで好適である。
【0037】窒素を添加する方法としては、雰囲気中に
窒素またはアンモニアガスを導入してスパッタを行なう
方法等がある。
窒素またはアンモニアガスを導入してスパッタを行なう
方法等がある。
【0038】また、強磁性金属膜4は、単層膜であって
もよく、パーマロイ等の磁性金属膜を、Ag,Cu等の
非磁性金属、さらにはSi3 N4 ,SiO2 等の非磁性
材料等を介在させた積層構造とした多層膜としてもよ
い。
もよく、パーマロイ等の磁性金属膜を、Ag,Cu等の
非磁性金属、さらにはSi3 N4 ,SiO2 等の非磁性
材料等を介在させた積層構造とした多層膜としてもよ
い。
【0039】尚、本発明による磁気ヘッドも通常の複合
型磁気ヘッドにおけると同様に、コア半体1及び2をそ
れぞれ複数個構成するコアブロックとして形成し、両コ
アブロックの磁気ギャップgを形成面を研磨し、これら
を突き合わせて接合合体し、その後各磁気ヘッド毎に切
断して得る。
型磁気ヘッドにおけると同様に、コア半体1及び2をそ
れぞれ複数個構成するコアブロックとして形成し、両コ
アブロックの磁気ギャップgを形成面を研磨し、これら
を突き合わせて接合合体し、その後各磁気ヘッド毎に切
断して得る。
【0040】これら対のコアブロックには互いの突き合
わせ面にトラック幅規制溝6を形成して後互いの突き合
わせ対向面に強磁性金属膜4をスパッタリングし、両コ
アブロックの互いの対向面に巻線溝7を形成し、磁気ギ
ャップ形成面を研磨し、両コアブロックを例えば、巻線
溝7を通じて充填非磁性材5即ち充填ガラスを溶融充填
し、磁気ギャップg内にも毛管理象等によって充填して
合体する。
わせ面にトラック幅規制溝6を形成して後互いの突き合
わせ対向面に強磁性金属膜4をスパッタリングし、両コ
アブロックの互いの対向面に巻線溝7を形成し、磁気ギ
ャップ形成面を研磨し、両コアブロックを例えば、巻線
溝7を通じて充填非磁性材5即ち充填ガラスを溶融充填
し、磁気ギャップg内にも毛管理象等によって充填して
合体する。
【0041】その後、この合体ブロックから各磁気ヘッ
ドチップを切り出す。そしてこのチップに図示しないが
ヘッド巻線を巻装する。
ドチップを切り出す。そしてこのチップに図示しないが
ヘッド巻線を巻装する。
【0042】実施例1 上述した方法によって磁気ヘッドを作製した。この場合
その強磁性金属膜4の成膜は、合金ターゲット(直径1
00mm)を用いたRF(高周波)マグネトロンスパッ
タにより行った、窒素の添加はスパッタ中にArとN2
ガスの混合ガスを導入しながら成膜して行った。成膜時
の条件は下記の条件で行った。
その強磁性金属膜4の成膜は、合金ターゲット(直径1
00mm)を用いたRF(高周波)マグネトロンスパッ
タにより行った、窒素の添加はスパッタ中にArとN2
ガスの混合ガスを導入しながら成膜して行った。成膜時
の条件は下記の条件で行った。
【0043】スパッタ条件 ターゲット Co82Fe3 Ni5 Zr5 Y5 (添字の
数値は原子%) 到達真空度 2×10-4Pa Arガス圧 0.1Pa 窒素分圧 0.05Pa 投入電力 300W
数値は原子%) 到達真空度 2×10-4Pa Arガス圧 0.1Pa 窒素分圧 0.05Pa 投入電力 300W
【0044】このようにして得た強磁性金属膜4は、厚
さ5μmで、膜組成は原子量%でCo81Fe3 Ni5 Z
r2.5 Y2.5 N6 であった。
さ5μmで、膜組成は原子量%でCo81Fe3 Ni5 Z
r2.5 Y2.5 N6 であった。
【0045】比較例1 実施例1のCoFeNiZrYによる強磁性金属膜4に
かえて、センダスト合金膜、特にセンダスト合金薄膜と
して最も軟磁気特性が優れている85(重量%)Fe−
6(重量%)Al−9(重量%)Siの組成とした。
かえて、センダスト合金膜、特にセンダスト合金薄膜と
して最も軟磁気特性が優れている85(重量%)Fe−
6(重量%)Al−9(重量%)Siの組成とした。
【0046】実施例1と比較例1とによる各磁気ヘッド
における強磁性金属膜4の、充填非磁性材5、即ち充填
ガラスに対しての接触状態と、この充填ガラスとの反応
状態を観察した結果を表1に示す。
における強磁性金属膜4の、充填非磁性材5、即ち充填
ガラスに対しての接触状態と、この充填ガラスとの反応
状態を観察した結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から分かるように、本発明の磁気ヘッ
ドでは強磁性金属膜4に亀裂がなく、充填ガラスとの反
応もほとんどなく、したがって信頼性が高く特性の優れ
た磁気ヘッドを得ることが出来る。
ドでは強磁性金属膜4に亀裂がなく、充填ガラスとの反
応もほとんどなく、したがって信頼性が高く特性の優れ
た磁気ヘッドを得ることが出来る。
【0049】次に、本発明による磁気ヘッドにおいて、
強磁性金属膜4の、成膜面の傾きについて考察した。主
たるスパッタ方向に対する成膜面の傾きαを、0〜40
°として、強磁性金属膜4を成膜して磁気特性を測定し
た。
強磁性金属膜4の、成膜面の傾きについて考察した。主
たるスパッタ方向に対する成膜面の傾きαを、0〜40
°として、強磁性金属膜4を成膜して磁気特性を測定し
た。
【0050】成膜条件は以下に示す条件で膜厚は10μ
mとした。熱処理は真空中で550℃で1時間保持した
後炉冷した。 ターゲット Co83Fe5 Zr7 Y5 到達真空度 2×10-4Pa Arガス圧 0.1Pa 窒素分圧 0.05Pa 投入電力 300W 磁気特性の測定は、8の字コイル型高周波透磁率計によ
って行い、成膜面の傾斜方向と垂直な方向に測定した。
また、測定周波数は5MHzとした。成膜面の傾斜角度
αと比透磁率の関係を図4に示す。図4から、傾斜角度
30度以下であれば傾斜角度0、つまり平行の場合と同
程度の透磁率が得られるが、傾斜角度αが30度を越え
る場合透磁率の減少が観測され軟磁性が平行な基板の膜
と比較して劣っていることがわかり、成膜面の角度αは
30度以下とすることが強磁性金属膜の軟磁気特性上有
効であることがわかる。したがって、ギャップ形成面を
スパッタ方向に垂直とするとき、図1及び図2で示すよ
うに、この強磁性金属膜4の作動磁気ギャップを形成す
る部分での成膜面、即ち磁気ギャップ面との対向面4a
に所要の傾きを与えるに、その角度αは、0<α≦30
°とする。
mとした。熱処理は真空中で550℃で1時間保持した
後炉冷した。 ターゲット Co83Fe5 Zr7 Y5 到達真空度 2×10-4Pa Arガス圧 0.1Pa 窒素分圧 0.05Pa 投入電力 300W 磁気特性の測定は、8の字コイル型高周波透磁率計によ
って行い、成膜面の傾斜方向と垂直な方向に測定した。
また、測定周波数は5MHzとした。成膜面の傾斜角度
αと比透磁率の関係を図4に示す。図4から、傾斜角度
30度以下であれば傾斜角度0、つまり平行の場合と同
程度の透磁率が得られるが、傾斜角度αが30度を越え
る場合透磁率の減少が観測され軟磁性が平行な基板の膜
と比較して劣っていることがわかり、成膜面の角度αは
30度以下とすることが強磁性金属膜の軟磁気特性上有
効であることがわかる。したがって、ギャップ形成面を
スパッタ方向に垂直とするとき、図1及び図2で示すよ
うに、この強磁性金属膜4の作動磁気ギャップを形成す
る部分での成膜面、即ち磁気ギャップ面との対向面4a
に所要の傾きを与えるに、その角度αは、0<α≦30
°とする。
【0051】図1及び図2で示した例では、強磁性金属
膜4の磁気ギャップgの形成部での成膜面4aが一方に
傾斜させた構造を採った場合であるが、図3にその拡大
正面図を示すようにそれぞれ「く」の字に屈曲した2つ
の面によって形成することもできるなど種々の構成を採
ることができ、いずれにおいてもその成膜面4aは、傾
斜角度αが30度以下とすることによって記録再生特性
の優れた磁気ヘッドを得ることができた。
膜4の磁気ギャップgの形成部での成膜面4aが一方に
傾斜させた構造を採った場合であるが、図3にその拡大
正面図を示すようにそれぞれ「く」の字に屈曲した2つ
の面によって形成することもできるなど種々の構成を採
ることができ、いずれにおいてもその成膜面4aは、傾
斜角度αが30度以下とすることによって記録再生特性
の優れた磁気ヘッドを得ることができた。
【0052】
【発明の効果】上述したところから明らかなように、本
発明によれば強磁性金属膜4と、磁気ギャップ面と平行
でない成膜面4aとを持つ構造の磁気ヘッドにおいて、
磁気ギャップ面と平行でない強磁性金属膜4の少なくと
も一部にCoを基本としてNb,Zr,Ta,Hf,Y
等を含む遷移金属元素と窒素からなる強磁性金属膜を使
用することによって記録再生特性に優れた磁気ヘッドを
提供することができる。さらに、磁気ギャップを構成す
る強磁性金属膜4が磁気ギャップにおいてギャップ面と
平行でなく成膜された磁気ヘッドにおいて、その強磁性
金属膜の傾斜角度αを磁気ギャップ面に対して0<α≦
30°とすることによって優れた記録再生特性を有する
磁気ヘッドを提供できるのである。
発明によれば強磁性金属膜4と、磁気ギャップ面と平行
でない成膜面4aとを持つ構造の磁気ヘッドにおいて、
磁気ギャップ面と平行でない強磁性金属膜4の少なくと
も一部にCoを基本としてNb,Zr,Ta,Hf,Y
等を含む遷移金属元素と窒素からなる強磁性金属膜を使
用することによって記録再生特性に優れた磁気ヘッドを
提供することができる。さらに、磁気ギャップを構成す
る強磁性金属膜4が磁気ギャップにおいてギャップ面と
平行でなく成膜された磁気ヘッドにおいて、その強磁性
金属膜の傾斜角度αを磁気ギャップ面に対して0<α≦
30°とすることによって優れた記録再生特性を有する
磁気ヘッドを提供できるのである。
【図1】本発明による磁気ヘッドの一例の略線的拡大斜
視図である。
視図である。
【図2】本発明による磁気ヘッドの一例の更に拡大した
正面図である。
正面図である。
【図3】本発明による磁気ヘッドの他の例の拡大正面図
である。
である。
【図4】比透磁率−成膜角度の測定結果を示す図であ
る。
る。
【図5】従来の磁気ヘッドの斜視図である。
【図6】従来の磁気ヘッドの正面図である。
1 コア半体 2 コア半体 3 コア部 4 強磁性金属膜 4a 成膜面 g 磁気ギャップ
Claims (1)
- 【請求項1】 対のコア半体が突き合わされて磁気ギャ
ップを形成し、その磁気ギャップ形成面の少なくとも一
方が強磁性金属膜より成る磁気ヘッドにおいて、 Cox My Lz Nw なる一般式で表わされ、その組成範
囲が、 60≦x≦95 0≦y≦20 2≦z≦20 2≦w≦20 を有し、上記一般式中、上記MはFe,Niより選ばれ
た少なくとも1種であり、上記LはNb,Zr,Ta,
Hf,Y,Mo,W,Cr,Ti,Al,Siの少なく
とも1種を表わし、x,y,zは、それぞれ各元素の原
子%を示し、 上記強磁性金属膜の上記磁気ギャップ面との対向する成
膜面が磁気ギャップ面に対しての角度αが 0<α≦30° として成ることを特徴とする磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3807992A JPH05234020A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3807992A JPH05234020A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05234020A true JPH05234020A (ja) | 1993-09-10 |
Family
ID=12515483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3807992A Pending JPH05234020A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05234020A (ja) |
-
1992
- 1992-02-25 JP JP3807992A patent/JPH05234020A/ja active Pending
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