JPH02185707A - 複合型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

複合型磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH02185707A
JPH02185707A JP422589A JP422589A JPH02185707A JP H02185707 A JPH02185707 A JP H02185707A JP 422589 A JP422589 A JP 422589A JP 422589 A JP422589 A JP 422589A JP H02185707 A JPH02185707 A JP H02185707A
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magnetic
thin film
ferromagnetic
film
based alloy
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JP422589A
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Toshiaki Wada
和田 俊朗
Hiroaki Minami
宏明 南
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Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 利用産業分野 この発明は、フェライト等の強磁性酸化物を主体とし、
作動ギャップ近傍に金属磁性体を用いた複合型磁気ヘッ
ドとその製造方法に係り、金属磁性体との接合部に生じ
た磁気的な疑似ギャップをなくし、磁気特性、例えば、
再生出力の周波数特性のうねり等を防止してフラットな
出力特性を有し、高周波数帯域において渦電流損失の発
生を防止し、また、製造性の良い構成からなり、高保磁
力を有する記録媒体を用いる各種の磁気記録再生装置に
適した複合型磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
背景技術 近年、磁気記録分野では、記録信号の高密度化の要望に
ともない、高保磁力を有する所謂メタル系記録媒体が使
用されている。例えば、FDD、HDD、 VTR1電
算機用磁気テープ記憶装置、5−DAT、スチルビデオ
フロッピー等多種多様の記録形態の磁気記録再生装置に
使用されつつある。
メタルテープのような高い残留磁束密度を持つ磁気記録
媒体に、磁気記録・再生する磁気ヘッドは、その磁気ギ
ャップに発生させる磁界強度を従来より高くする必要が
あった。
一方、単結晶フェライトの如き強磁性酸化物よりなる磁
気コアを半割体として、その一対を突合せ、突合せ部を
磁気ギャップとした構成からなる磁気ヘッドの場合、そ
のギャップを形成しているフェライトのBsがせいぜい
6000Gと低いため、十分な記録磁界強度が取れない
問題があった。
そこで、強磁性酸化物を主体とした磁気ヘッドにおいて
、磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍部を、フェライトより
飽和磁束密度Bsの高い金属磁性薄膜にて構成した所謂
複合型磁気ヘッドが種々提案されている。
かかる複合型磁気ヘッドの金属磁性薄膜には、次のよう
な特性が要求されている。
■フェライト材のBsより高いBsを有すること■耐摩
耗性にすぐれていること ■熱的安定性にすぐれていること ■高い周波数(例えば、30〜50MHz )での透磁
率がすぐれていること 上記要求を満たす材料として、Fe−Al−Si系の金
属磁性薄膜があるが、複合型磁気ヘッドにおいて、前記
金属磁性薄膜を被着形成する時に薄膜形成条件や磁気コ
アと前記薄膜の熱膨張係数の差により、金属磁性薄膜の
被着初期層の磁気特性が劣化し、再生した時、接合部が
疑似ギャップとして作用し、周波数特性に再生出力のう
ねりを生ずるという問題があった。
この金属磁性薄膜の問題点を解決するため、出願人は磁
気コアの少なくとも作動ギャップ近傍部が金属磁性体か
らなる複合型磁気ヘッドにおいて、無歪高平坦度面とな
した強磁性酸化物表面にbcc構造を有する強磁性のF
eまたはFe系合金薄膜とFe−Al−Si系合金薄膜
とからなる積層された金属磁性薄膜を有する複合型磁気
ヘッドを提案(特願昭62−114998号)した。
従来技術の問題点 最近では高画質に対する要求が益々高くなり、そのため
、広帯域動作が必要となり、前記提案技術では10MH
z〜30MHzの高周波数帯域においては渦電流損失が
発生し、膜の透磁率pは 1500〜1800でその特性が大きく劣化する問題が
あった。
また、その製造方法についても、トラック溝部を有する
I型コア半体とトラック溝部及び巻線溝部を有するC型
コア半体をガラス溶着し、さらに所要形状、寸法に切断
して複合型磁気ヘッドを製造する。
ところが、前記C型半体の巻線溝部は、前記半体表面に
積層金属磁性体膜を被着した後に溝部加工するものであ
り、かつ巻線溝部幅はトラック溝部幅に比べて約2倍の
切込み量を必要とするため、半体に被着した金属磁性体
膜が剥離する可能性があり、製品歩留の低下を招来する
問題があった。
発明の目的 この発明は、高抗磁力Heを有する磁気記録媒体に高密
度記録再生するのに適した複合型磁気ヘッドを目的とし
、所謂疑似ギャップの生成を防止し、高周波数帯域にお
いて渦電流損失の発生を防止し、また、膜の透磁率pは
2200以上を有し、量産性にすぐれかつ信頼性が高く
、耐摩耗性の良好な複合型磁気ヘッド及びその製造方法
の提供を目的とする。
発明の構成 この発明は、強磁性酸化物を主体とする磁気コアの少な
くとも作動ギャップ近傍部が金属磁性体からなる複合型
磁気ヘッドにおいて、無歪高平坦度面となした強磁性酸
化物表面に、bcc構造を有する強磁性のFeまたはF
e系合金薄膜とFe−Al−Si系合金薄膜の順に積層
された金属磁性体を、前記金属磁性体間に非磁性絶縁層
を介在させて複数層被着されていることを特徴とする複
合型磁気ヘッドである。
すなわち、この発明の複合磁気ヘッドは、例えば、Ni
−ZnフェライトやMn−Znフェライトなどの強磁性
酸化物よりなる1型コア半休とC型コア半休からなる磁
気コア半休片の突合せ面となる表面を、メカノケミカル
研摩、フロートポリッシュ等の無歪加工により高精度平
坦面で無歪の面に加工した後、 I型半体の該面上にbcc構造を有する強磁性のFeま
たはFe系合金膜を被着形成し、さらに、Fe−Al−
Si系合金薄膜、所謂センダスト膜を被着形成し、つい
で、絶縁被膜層のAl2O3または5i02膜を被着形
成後、さらに前記と同様に強磁性のFeまたはFe系合
金膜及びセンダスト膜の積層金属磁性体膜を複数層形成
し、 最外層に磁気ギャップ膜を被着した後、切込み量の小さ
い例えば0.2〜0.3mm幅のトラック溝部を所定形
状に加工し、 また、C型コア半体に切込み量の大きな、例えば0.5
〜0.6mm幅の巻線溝部を所定形状に加工した後、 C型コア半体の該加工面にI型半体面上と同様に強磁性
のFeまたはFe系合金膜を被着形成し、さらにFe−
Al−Si系合金膜を被着形成し、ついで、Al2O3
、SiO2の絶縁被膜層を形成後、さらに強磁性のはF
eまたはFe系合金膜及びセンダスト膜の積層金属磁性
体膜を複数層形成し、最外層に磁気ギャップ膜を被着し
た後、トラック溝部を所定形状に加工形成し、 前記I型コア半休とC型コア半休を突き合せて、磁気ギ
ャップを形成した構成からなることを特徴とする。
この発明による複合型磁気ヘッドは、磁気コア半休の突
き合わせ面上に所要順序に積層された複数の積層構造の
金属磁性体間にAl2O3,Si02の非磁性絶縁層を
介在されていることを特徴とするもので、この発明にお
いては積層構造の金属磁性体を2層あるいは3層、また
は必要に応じて多層に形成してもよい。
また、金属磁性体層において、磁気コア半休の強磁性酸
化物とbcc構造を有する強磁性のFeまたはFe系合
金膜、及びFeまたはFe系合金膜とFe−Si−Al
系合金膜のそれぞれの接合面の一方または両方の接合面
に生成した拡散層を有する積層構造の場合をも含む。
発明の効果 この発明の特徴であるFe−Al−Si系合金薄膜とb
cc構造を有する強磁性のFeまたはFe系合金薄膜の
2層構造の金属磁性体を、非磁性絶縁層を介して複数層
、強磁性酸化物磁気コア面に設けることにより、高抗磁
力Hcを有する磁気記録媒体に高密度記録再生するのに
適した複合型磁気ヘッドが得られ、所謂疑似ギャップを
実質的になくし、周波数特性のうねりが著しく減少し、
特に高周波数帯域において、渦電流損失の発生を防止し
、また、金属磁性体は比較的薄い膜でよく、その被着形
成に時間を要せず生産性にすぐれ、かつ信頼性が高く、
耐摩耗性の良好な複合型磁気ヘッドが得られる。
かかる効果が得られる理由を詳述すると、Fe−Al−
Si系合金薄膜の初期層の磁気特性が著しく劣化するの
は、磁気コア半休を構成する強磁性酸化物に直接Fe−
Al−Si膜を成膜した場合、その成膜初期において結
晶配向が乱れ易くなり、熱処理を行なっても強磁性酸化
物との界面付近では再結晶及び粒成長が十分起こり難い
ためであると考えられる。
そこで、本発明者らは種々検討の結果、Fe−Al−S
i系合金膜と同bcc構造を有する強磁性のFeまたは
Fe系合金膜を、最初に強磁性酸化物等からなる基板上
に成膜し、次いで、Fe−Al−Si系合金膜を成膜す
れば、下地のFeまたはFe系合金膜の結晶配向に沿っ
たFe−Al−Si系合金膜(いわゆるエピタキシャル
成長によるFe−Al−Si系合金膜)が形成されると
考えられ、初期層の結晶配向の乱れが少なく、熱処理に
より容易に軟磁気特性が向上することを知見した。
また、この発明は、FeまたはFe系合金膜とFe−A
l−Si系合金膜との2層構造にしたことにより、膜の
応力を緩和する効果があり、熱処理後の膜の剥離を防止
できる。
また、熱処理による2つの合金膜間に相互拡散が生じて
も両者ともに主成分がFeであるため、熱処理によりか
えって特性が劣化するという問題が生じ難いという利点
がある。
さらに、この発明の特徴であるFeまたはFe系合金膜
とFe−Al−Si系合金膜からなる2層構造の金属磁
性体を複数層被着し、前記金属磁性体間にAl2O3、
SiO2の非磁性絶縁膜層を介在させることにより、磁
性層間に静磁結合を起こし、磁極先端部の磁区構造を制
御することができる。
また、製造面においても、C型コア半体面に複数層の積
層金属磁性体を被着する前に、巻線溝部を形成すること
により、積層金属磁性体の剥離を防止できると共に、巻
線溝部内面に積層金属磁性体の複数層が被着されること
により、複合型磁気ヘッドに組立てられて使用する場合
、磁束の漏洩を減少する効果がある。
発明の好ましい実施態様 この発明において、複合型磁気ヘッドは、無歪高平坦度
面となした強磁性酸化物表面に、被着されるbcc構造
を有する強磁性のFeまたはFe系合金薄膜とさらにそ
の上に被着されるFe−Al−Si系合金薄膜との積層
構成の金属磁性体の複数層を非磁性絶縁膜層を介在させ
て構成するのであれば、公知のいかなる構成でも利用で
きる。
また、この発明において、磁気コア主体となる強磁性酸
化物には、Ni−ZnフェライトやMn−Znフェライ
トなどの単結晶フェライト、HIP処理された焼結フェ
ライトが利用できる。
この発明のFeまたはFe系合金膜は、前述の如く、F
e−Al−Si系合金膜の成膜初期層の結晶配向を促す
目的のために、まず、bcc構造であること、そしてF
eまたはFe系合金膜自体が疑似ギャップとならないた
めに強磁性であることが必要である。
また、その飽和磁束密度Bsは、基体となる強磁性酸化
物のBsの約70%以上は必要で、基体となる強磁性酸
化物のBsと同等以上が好ましい。
保磁力は、数100e以下であれば使用可能であるが、
望ましくは100e以下、さらに好ましくは数Oe以下
が良い。
このFeまたはFe系合金膜の組成は、Feと不可避な
不純物からなるいわゆる純Feでも良く、また、主成分
をFeとし、副成分としてCo、 Ni、 Cu、Mn
、 Cr、 V、 Mo、 Nb、 Zr、 W、 T
a、 Hf、 Y。
B、 C,AI、 Si、 Ru、 Rh、 Pd、 
Pt、希土類元素の少なくとも1種以上と、不可避な不
純物を含有するFe合金膜でも良い。
しかし、これら副成分の濃度は、前記のbcc構造と強
磁性の条件を満足する範囲を適宜選定する必要があり、
前記の副成分の元素は各元素毎に、あるいは組み合わせ
て添加する際に、前述の条件を満足するFeまたはFe
系合金膜が形成されるか否か、公知の技術及び知見によ
りその濃度を決定すれば良い。
また、Fe−Al−Si系合金薄膜は、所謂センダスト
合金であり、従来より複合型磁気ヘッドに多用されてお
り、磁気ヘッドの用途等に応じて、公知の組成が適宜選
定し得るが、3〜10wt%Al、6〜15wt%Si
、80〜90wt%Feの範囲の合金が用いられること
が多く、また、必要に応じて、Cr、 Ta、Ni、 
Co、 Mo、 Zr、希土類元素などを添加するのも
よい。
磁気コア半体を構成する強磁性酸化物の表面に、bcc
構造を有する強磁性のFeまたはFe系合金薄膜とさら
にその上にFe−Al−Si系合金薄膜を成膜した積層
金属磁性体を非磁性絶縁被膜を介して複数層被着するが
、その被着方法としては、各種スパッタリング法、真空
蒸着、イオンブレーティング、等の公知の気相成膜方法
が利用できる。
好ましい被着方法、条件としては、いずれの方法におい
ても、到達真空度は高い程好ましく、例えば、マグネト
ロン式スパッタ装置の場合、2xlO’Torr以下、
望ましくはI X 10−6Torr以下が良く、不活
性ガス圧は1xlO−3Torr〜20xlO−3To
rr、さらに2x10−3TOrr〜8xlO−3To
rrが好ましく、基板温度は200℃以下、望ましくは
100℃以下がよい。
さらに、bcc構造を有する強磁性のFeまたはFe系
合金薄膜を被着する強磁性酸化物表面の基板粗度は好ま
しくは40Å以下にする。その理由は、被着形成するb
cc構造を有する強磁性のFeまたはFe系合金薄膜の
膜厚が数A〜数千人と薄いために、強磁性酸化物の表面
状態、例えば、残留歪応力や粗度等に強く影響され、磁
気特性が悪化する可能性があるためである。
発明者の実験によれば、bcc構造を有する強磁性のF
eまたはFe系合金薄膜の特性劣化は、強磁性酸化物の
表面粗度が該磁性膜厚の1110を境に顕著になるため
、強磁性酸化物表面粗度は、好ましくは100Å以下、
さらに好ましくは40λ以下がよい。
かかる強磁性酸化物表面の無歪、高平坦度状態を得る方
法としては、メカノケミカル研摩、フロートポリッシン
グ、ダイヤモンド研摩の後メカノケミカル研摩する方法
、あるいはダイヤモンド研摩の後メカノケミカル研摩し
、さらにフロートポリッシングする方法が良い。
この発明において、bcc構造を有する強磁性のFeま
たはFe系合金膜とFe−Al−Si系合金膜とからな
る金属磁性体厚みは、合金磁性膜の磁気特性、ヘッドの
生産性、信頼性より、0.3pm〜30pm、望ましく
は、0.5凹亡20戸である。
さらに、この発明のbcc構造を有するFeまたはFe
系合金膜の被着厚みは、Fe−Al−Si系合金膜の結
晶配向を促す目的のためには0.001pm以上必要で
、望ましくは0.01 pm以上さらに望ましくは0.
1pm以上が好ましい。しかし2pm以上の厚さになる
と金属磁性膜全体の磁気特性が劣化するので2pm以下
、望ましくはlpm以下、さらに望ましくは0.5pm
以下が良い。
またFe−Al−Si系合金膜の厚みは、高保磁力媒体
に十分に飽和記録するためには、0.1pm以上が必要
であり、高い磁気特性(透磁率、保磁力)を安定して確
保でき、かつ優れた加工性を得るには、30pm以下、
望ましくは20pm以下、さらに望ましくは10μm以
下である。
この発明において、複数層の積層金属磁性体に介在させ
る非磁性絶縁被膜は上下層間の磁気的結合を弱め、それ
ぞれの層を単層膜として独立に存在させ、渦電流損失を
低減させる目的のために必要で、絶縁被膜厚みは0.0
1pm〜0.1pm、好ましくは0.03pm〜0.0
5pmであり、また複数層の積層金属磁性体厚みも0.
5pm〜lpmが好ましい。
また、上記複数層の積層金属磁性体は、強磁性酸化物か
らなる磁気コア半体対のギャップ近傍部の一方の磁気コ
ア半休だけに形成されても良いし、両方に形成されても
良い。
また、磁気コア半休対の両方に形成される場合、それぞ
れの複数層の積層金属磁性体の膜厚構成は、上記した膜
厚範囲内ならば良く、統一する必要はない。
このようにして絶縁膜層を介在させた複数層に被着され
た積層金属磁性膜の磁気特性を向上させる目的で必要に
応じて熱処理を行うとよい。
熱処理は、成膜後加工前に行なっても良く、また、磁気
ヘッドの形状に加工してから行なっても良いし、さらに
また磁気へラドコアの半体対のボンディング加工を行な
う際にガラス溶着のための加熱を熱処理と併用しても良
い。
熱処理の温度と時間は、金属磁性膜の磁気特性を向上さ
せるのに十分な温度と時間を適宜選定すると同時に、磁
気コア半休を構成する強磁性酸化物との熱膨張係数差、
磁気コア半休を構成する強磁性酸化物の耐熱性、強磁性
酸化物とFeまたはFe系合金膜と、Fe−Al−Si
系合金膜との3者間の相互拡散を同時に考慮して選定す
べきであって、使用した強磁性酸化物、及び金属磁性膜
の組成によって適宜選定する必要がある。
図面に基づ〈発明の開示 第1図はこの発明による複合型磁気ヘッドの斜視説明図
である。第2図、第3図及び第4図はこの発明による複
合型磁気ヘッドの製造工程を示す斜視説明図である。
この発明による複合磁気ヘッドは、第1図に示す如く、
例えば、Mn−Zn系フェライト等の強磁性酸化物から
なる磁気コア半休(IO2)の無歪加工を施した磁気ギ
ャップ(8)近傍部の面上に、強磁性薄膜(5X6)と
Al2O3、SiO2等の非磁性薄膜(7)及び強磁性
薄膜(5aX6a)がスパッタリング等の真空薄膜形成
技術によって、それぞれ被着形成され多層構造をなして
おり、前記ギャップ(8)は、強磁性薄膜上に被着形成
された非磁性材(9)により形成されており、また、コ
イル巻線用窓(3)を形成し、ガラス(4)によってコ
ア半休(IO2)対が接合されている。
かかる複合ヘッドの作製工程を第2図、第3図、第4図
に基づいて説明する。
第2図A、第3図Aに示す如く、Mn−Zn系フェライ
トのような強磁性酸化物よりなる一対のI型コア半体及
びC型コア半体用の磁性基板(10X20)は、その後
工程にて金属磁性薄膜を被着する基板面に、メカノケミ
カル研摩を施し、さらに、ポリッシュ定盤との間に数p
mのギャップを設けてフロートポリッシュを施したり、
またはリン酸によるエツチングを施して、該基板面を高
精度に無歪に研摩する。この際、面粗度が100人を超
えないように、好ましくは40Å以下にする。
まず、第2図Bに示す如く、研摩されたI型コア半休用
の磁性基板(10)面上に、スパッタリング法などの真
空薄膜形成技術により、bcc構造を有する強磁性のF
eまたはFe系合金の第1の強磁性薄膜(5)を被着形
成し、真空薄膜形成装置の真空度を変えることなく連続
して、Fe−Al−Si系合金の第2の強磁性薄膜(6
)を被着形成する。
次に真空薄膜形成装置を同一状態にして、前記第2の強
磁性薄膜(6)上にAl2O3、SiO2の非磁性絶縁
薄膜(7)を被着形成後、前記と同様、非磁性絶縁薄膜
(7)上に第1の強磁性薄膜(5a)、第2の強磁性薄
膜(6a)を被着形成する。
またさらに、所定厚みの磁気ギャップ形成用の非磁性材
(9)膜を成膜する。
こうして得られた磁性基板(10)の磁性膜の(i着し
ている面に、例えば、回転砥石等を用いて、第2図Cに
示す如く、上面部を横切るような断面凹状のトラック溝
部(11)を複数配設して、多数のI型コア半体を接続
した磁性基板(10)を得る。
また一方、前記の如く無歪研摩されたC型コア半休用の
磁性基板(20)面上に、第3図Bに示す如く、切込み
幅の大きな巻線溝部(21)を、例えば研摩加工にて設
ける。
次に、第3図Cに示ず如く、巻線溝部(21)を設けた
面に、スパッタリング法などの真空薄膜形成技術により
、bcc構造を有する強磁性のFeまたはFe系合金の
第1の強磁性薄膜(5)を被着形成し、真空薄膜形成装
置の真空度を変えることなく連続して、Fe−Al−S
i系合金の第2の強磁性薄膜(6)を被着形成し、真空
薄膜形成装置を同一状態にして、前記第2の強磁性薄膜
(6)上にAl2O3、SiO2の非磁性絶縁薄膜(7
)を被着形成後、前記と同様、非磁性絶縁薄膜(7)上
に第1の強磁性薄膜(5a)、第2の強磁性薄膜(6a
)を積層形成する。またさらに、所定厚みの磁気ギャッ
プ形成用非磁性材(9)膜を成膜する。
その後、第3図りに示す如く、前記巻線溝部(21)に
直交する如く同一面上に切込幅の小さな多数のトラック
溝部(22)を形成して、多数のC型コア半休を配設し
た磁性基板(20)を得る。
さらに、第4図の如く、トラック溝部(11)が形成さ
れた複合磁性基板(10)と、トラック溝部(22)及
び巻線溝部(21)が形成された複合磁性基板(20)
とを突合せ、前記磁性基板(20)の巻線溝部(21)
にガラス棒を挿入し、これを560℃〜700℃で溶融
して、形成された溝部(31)をガラスで充填して、磁
性基板(10)と(20)を接着して、磁性基板ブロッ
ク(30)を得・る。
次に、この磁性基板ブロック(30)を第4図のa−a
線、b−b線の位置で切断加工することにより、複数個
のヘッドチップを得ることができる。
その後、このヘッドチップの媒体摺動面を円筒研摩する
ことにより、第1図に示した複合型磁気ヘッドを得るこ
とができる。
実施例 第2図と同様に、Mn−Zn単結晶フェライトからなる
磁性基板の一生面を、アンプレックス社製の粒径0.1
pm以下のMgOパウダーの懸濁液を用いて、メカノケ
ミカルポリッシュしたのち、ポリッシュ定盤と一生面と
の間に5pmのギャップを保持させながら、同様の懸濁
液を用いてフロートポリッシュを施し、前記主面を高精
度な無歪面に仕上げた。
この際、タリステップ(テーラーホブソン社製)表面段
差測定器による測定では、粗度40A以下であった。ま
た、表面歪層の除去状態は、エリプソメトリ−によって
確認した。
上記の無歪加工された磁性基板の主面上に幅0.55m
mの巻線溝部を多数形成後、前記巻線溝部の開口する上
記の無歪加工された磁性基板の主面上に、RF2極マグ
ネトロンスパッタリング装置によって、99.5%Fe
膜を0.05νm厚みで被着形成し、さらに薄膜層を大
気に晒すことなく、連続してFe−Al−Si膜をlp
m厚みに被着形成した。
その後、絶縁被膜を形成するためのAl2O3膜を前記
と同一のスパッタリング装置を用いて、0.05pm厚
みに被着形成後、さらに0.05pm厚みの99.5%
Fe膜及びlpm厚みのFe−Al−Si膜を積層形成
し、さらに磁気ギャップ形成のためのAl2O3を0.
075pm厚みに被着形成後、トラックを形成するため
のトラック溝部を多数有するC型半体を得た。
また、C型コア半休基板と同一・の素材の高精度な無歪
面を有する磁性基板の表面にC型コア半休基板と同じく
、Al2O3の絶縁被膜を介在させた2層の積層金属磁
性体を積層被着し、トラックを形成するだめのトラック
溝部を多数設けてI型コア半休基板を得た。
さらに、この複合磁性基板の一生面上に、後のガラスボ
ンディング時のガラス流れ性を向上させるために、Cr
膜を0.025 pm厚みに被着形成した。
次に、複合磁性基板所定寸法の複数の半休状態に切り出
し、第4図に示すように、この巻線溝を有する半休と巻
線溝を有しない半体を、620℃。
10分の真空熱処理によって、ガラスボンディングし、
同時に、金属磁性膜の磁気特性を向上させた。
この時、ダミーとして同じ熱処理を施したシート状膜の
磁気特性を測定したところ、 Bs 11.2kG以上、He O,20e以下、20
MHzにおけるりは2000以上であった。
さらに、第4図と同様に、a−a線、b−b線に沿って
、スライシングし、所定寸法、形状となるように外形加
工を施し、チップ化した。
次に、コンポジットヘッド化し、電磁変換特性を測定し
た。
また、比較のために、Fe / Fe−Al−Si膜の
2層膜によるコンポジットヘッドも作製し、電磁変換特
性を測定した。
測定の結果、本発明によるヘッドの場合の方は、疑似ギ
ャップの効果は実質的に問題とならない程度に著しく減
少し、良好な記録再生特性を有することが確認でき、コ
ンポジットヘッドの再生周波数特性のうねりは大幅に改
善され、1dB以下であった。
また、この発明による多層膜と比較のためのFe / 
Fe−Al−Si膜の2層膜の磁気特性を第5図に示す
如く、この発明の多層膜は、高周波数帯域においてもp
は2000以上であり、比較の2層膜より高周波再生特
性が得られることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による複合型磁気ヘッドの斜視説明図
である。第2図A−C,第3図A−Dはこの発明による
複合型磁気ヘッドの製造工程を示す斜視説明図である。 第4図はこの発明による製造工程における磁性基板ブロ
ックを示す斜視説明図である。 第5図はこの発明による多層膜と比較のための積層膜の
磁気特性を示すグラフである。 1.2・・・磁気コア半体、3・・・コイル巻線用窓、
4・・・ガラス、5,5a・・・第1の強磁性薄膜、6
.6a・・・第2の強磁性薄膜、7,9・・・非磁性材
、8・・・磁気ギャップ、10.20・・・磁性基板、
11.22・・・トラック溝、21・・・巻線用溝、3
0・・・磁性基板ブロック。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 強磁性酸化物を主体とする磁気コアの少なくとも作動ギ
    ャップ近傍部が金属磁性体からなる複合型磁気ヘッドに
    おいて、無歪高平坦度面となした強磁性酸化物表面に、
    bcc構造を有する強磁性のFeまたはFe系合金薄膜
    、Fe−Al−Si系合金薄膜の順に積層された金属磁
    性体を、前記金属磁性体間に非磁性絶縁層を介在させて
    複数層被着したことを特徴とする複合型磁気ヘッド。 2 板面を高精度に無歪加工した1対の磁性基板の一方に、
    多数の巻線溝部を形成し、 さらに、前記磁性基板の加工面に真空薄膜形成法により
    、bcc構造を有する強磁性のFeまたはFe系合金薄
    膜、Fe−Al−Si系合金薄膜の順に積層された金属
    磁性体を、前記金属磁性体間にAl_2O_3、SiO
    _2からなる非磁性絶縁層を介在させて複数層被着した
    後、 前記巻線溝部に直交する多数のトラック溝部を形成して
    C型半体となし、 他方の磁性基板の加工面に真空薄膜形成法により、bc
    c構造を有する強磁性のFeまたはFe系合金薄膜、F
    e−Al−Si系合金薄膜の順に積層された金属磁性体
    を、前記金属磁性体間にAl_2O_3、SiO_2か
    らなる非磁性絶縁層を介在させて複数層被着した後、 多数のトラック溝部を形成してI型半体となし、前記C
    型半体及びI型半体を突合せ溶着し、その後所要形状、
    寸法に切断することを特徴とする複合型磁気ヘッドの製
    造方法。
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