JPH07223421A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH07223421A
JPH07223421A JP1637294A JP1637294A JPH07223421A JP H07223421 A JPH07223421 A JP H07223421A JP 1637294 A JP1637294 A JP 1637294A JP 1637294 A JP1637294 A JP 1637294A JP H07223421 A JPH07223421 A JP H07223421A
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JP
Japan
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temperature
skin temperature
air
target
air conditioning
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Application number
JP1637294A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Kawai
伸幸 河合
Makoto Fukubayashi
誠 福林
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正確な皮膚温度の初期値を算出して乗員の皮
膚温度の時間的に推移させるべき目標値を求め、車室内
をその目標皮膚温度に空調する。 【構成】 車室内温度、日射量、外気温度などの環境条
件に応じて皮膚温度の初期値を設定し、乗員の皮膚温度
の時間的に推移させるべき目標値を発生するとともに、
皮膚温推定モデルで乗員の皮膚温度を推定し、皮膚温度
の目標値、皮膚温度の推定値および測定可能な熱負荷に
関する物理量に基づいて各調節手段の制御量を演算し、
これらの制御量に従って各調節手段を制御して車室内を
目標皮膚温度に空調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外気温度や日射量など
の空調に必要な熱負荷に関する複数の物理量をシステム
制御理論(現代制御理論)により処理し、車室内を目標
温度に空調する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】乗員の快適感に合った吹き出し風量およ
び吹き出し温度の時間変化および環境変化による推移を
数式化し、車室内温度を変化させた時の乗員の皮膚温度
の時間的に推移させるべき目標値を算出するとともに、
車室内空調制御に必要な熱負荷に関する複数の物理量の
内の、測定不可能または測定困難な車体温度や吹き出し
風量などの物理量を推定し、それらの推定物理量に基づ
いて皮膚温推定モデルにより乗員の皮膚温度を推定し、
目標皮膚温度、推定皮膚温度および測定可能な熱負荷に
関する物理量に基づいて空調ユニット内の温度調節手
段、風量調節手段および吹き出し口調節手段の制御量を
演算し、車室内を快適な目標皮膚温度に空調する車両用
空調装置が知られている(例えば、特開平5−5083
4号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、目標皮膚温
度の算出に際して、乗員の皮膚温度が車室内温度に等し
いものとして皮膚温度の初期値に車室内温度を設定して
演算を行うと、乗員が車両に搭乗した直後は必ずしも車
室内温度が乗員の皮膚温度に等しいとは限らず、算出さ
れた目標皮膚温度は乗員が快適に感じる温度とずれてし
まうという問題がある。
【0004】本発明の目的は、正確な皮膚温度の初期値
を算出して乗員の皮膚温度の時間的に推移させるべき目
標値を求め、車室内をその目標皮膚温度に空調する車両
用空調装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1〜3
に対応づけて本発明を説明すると、請求項1の発明は、
空調風の温度を調節する手段19、19mと、空調風の
吹き出し風量を調節する手段14、14m、14dと、
空調風の吹き出し口を調節する手段23、23m、2
4、24m、25、25mとを有する空調ユニット10
と;乗員の皮膚温度の時間的に推移させるべき目標値を
発生する目標皮膚温発生手段41と、皮膚温推定モデル
を有し、車室内空調制御に必要な熱負荷に関する複数の
物理量の内の測定不可能または測定困難な物理量を推定
するとともに、それらの推定物理量に基づいて皮膚温推
定モデルで乗員の皮膚温度を推定する皮膚温推定手段4
2と、制御定数の最適値を算出し、皮膚温度の目標値、
皮膚温度の推定値および複数の物理量の内の測定可能な
物理量に基づいて温度調節手段19、19m、風量調節
手段14、14m、14dおよび吹き出し口調節手段2
3、23m、24、24m、25、25mの制御量を演
算する演算手段44と、この演算手段44を線形動作さ
せる線形補償手段43とを有する空調制御手段30と;
を備えた車両用空調装置に適用される。そして、目標皮
膚温発生手段41は環境条件に応じて皮膚温度の初期値
を設定することにより、上記目的を達成する。請求項2
の車両用空調装置は、目標皮膚温発生手段41によっ
て、車室内温度、日射量および外気温度に基づいて皮膚
温度の初期値を決定するようにしたものである。
【0006】
【作用】車室内温度、日射量、外気温度などの環境条件
に応じて皮膚温度の初期値を設定し、乗員の皮膚温度の
時間的に推移させるべき目標値を発生するとともに、皮
膚温推定モデルで乗員の皮膚温度を推定し、皮膚温度の
目標値、皮膚温度の推定値および測定可能な熱負荷に関
する物理量に基づいて各調節手段の制御量を演算し、こ
れらの制御量に従って各調節手段を制御して車室内を目
標皮膚温度に空調する。これにより、実際の皮膚温度に
近い正確な皮膚温度の初期値が得られ、この初期値に基
づいて算出した皮膚温度の時間的に推移させるべき目標
値にしたがって車室内を乗員の快適感に合った皮膚温度
に空調することができる。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段および作用の項では、本発明を分り
やすくするために実施例の図を用いたが、これにより本
発明が実施例に限定されるものではない。
【0008】
【実施例】図1は一実施例の構成を示す機能ブロック
図、図2は一実施例の空調ユニットの断面図である。ま
ず図2において、空調ユニット10の上流には外気側吸
入口11と内気側吸入口12が設けられ、インテークド
ア13によって吸入する空気の外気と内気の割合が調節
される。両吸入口11、12から吸入された空気はブロ
アファン14により空調ユニット10の下流へ送風さ
れ、まずエバポレーター15で熱交換が行なわれて冷風
となる。なお、空調ユニット10の吹き出し口から吹き
出される空調風の吹き出し風量Gaは、ほぼこのブロア
ファン14の回転速度により決る。エバポレーター15
の下流では空調風の流路が2つに分れる。一方はヒータ
ーコア16を通過する流路17であり、この流路17を
通過する空気はヒーターコア16により熱交換が行なわ
れて温風となる。他方はヒーターコア16をバイパスす
る流路18であり、この流路18を通過する空気はエバ
ポレーター15を通過したままの冷風である。これら2
つの流路17、18の分岐点にはエアーミックスドア1
9が設けられ、このエアーミックスドア19の開度を制
御して両流路17、18を通過する空気の割合が調節さ
れ、空調風の温度、すなわち吹き出し温度Toが決定さ
れる。
【0009】エアーミックスドア19により温度が調節
された空調風は、ベンチレーター20、デフロスター2
1およびフット吹き出し口22からそれぞれ車室内に吹
き出される。これらの吹き出し口20、21、22には
それぞれベントドア23、デフドア24、フットドア2
5が設けられ、空調風の吹き出し方向が選択される。ベ
ンチレーター20はセンターベント20a、リアベント
20b、サイドベント20c、ロアベント20dなどの
吹き出し口に分岐される。デフロスター21はフロント
デフロスター21a、サイドデフロスター21bなどの
吹き出し口に分岐される。フット吹き出し口22はフロ
ントフット吹き出し口22a、リアフット吹き出し口2
2bに分岐される。
【0010】図1において、車両のインストルメントパ
ネルには空調装置の操作部31が設けられる。この操作
部31には、エアコンスイッチ、ファンスイッチ、吹き
出し口スイッチ、デフロストスイッチ、内外気切換スイ
ッチ、表示装置などが設けられる。室温設定器32は車
室内設定温度Tptcを設定する設定器である。車両に
は各部の空気温度を検出するためのセンサーが設置さ
れ、外気温センサー33は外気温度Tambを検出し、
内気温センサー34は車室内温度Tincを検出する。
また、日射センサー35は日射量Qsunを検出し、吸
込温センサー36はエバポレーター15を通過した空気
温度Tintを検出する。さらに、冷媒温センサー37
はエバポレーター15の入口冷媒温度Tevaを検出
し、水温センサー38はエンジン冷却水温度Twを検出
する。
【0011】コントローラー30はマイクロコンピュー
ターおよびその周辺部品から構成され、操作部31から
の各種操作情報、室温設定器32により設定された車室
内設定温度Tptc、センサー33〜38により検出さ
れた外気温度Tamb、車室内温度Tinc、日射量Q
sun、空気温度Tint、冷媒温度Teva、冷却水
温度Twなどに基づいて、コンプレッサー39、インテ
ークドアアクチュエータ13m、エアーミックスドアア
クチュエータ19m、ベントドアアクチュエータ23
m、デフドアアクチュエータ24m、フットドアアクチ
ュエータ25m、ブロアファン駆動回路14dおよびモ
ーター14mを制御する。なお、エアーミックスドアア
クチュエータ19mにはドア開度Xを抵抗値に変換して
出力する開度センサー19sが内蔵されている。
【0012】図3は一実施例の制御ブロック図である。
コントローラー30は後述するソフトウエア形態で構成
される規範モデル41、オブザーバー42、線形補償器
43および最適レギュレータ44を有し、日射量Qsu
n、外気温度Tamb、車室内温度設定値Tptc、車
室内温度Tincなどに基づいて制御量、すなわちエア
ーミックスドア開度X、ブロア駆動電圧Vfなどを算出
し、上述した空調ユニット10を制御する。
【0013】規範モデル41では、人間の快適感に合っ
た吹き出し風量Gaおよび吹き出し温度Toの時間変化
および環境変化による推移を次式のように数式化し、車
室内温度設定値Tptcを変化させた時の目標皮膚温度
Tf*および目標車室内温度Tinc*を算出する。これ
らの目標皮膚温度Tf*および目標車室内温度Tinc*
は、定常時の快適な空調温度を決定するものであると同
時に、それらの目標温度に到達するまでの過渡時におい
ても、乗員の快適感に合った温度の変化具合を決定する
ものである。
【数1】
【数2】 ここで、Ainc、Binc、Af、Bfは係数マトリ
クスである。Tinc0は車室内温度Tincの初期値
であり、目標皮膚温度Tf*および目標車室内温度Ti
nc*の演算時点、すなわち空調開始時点に内気温セン
サー34により検出された車室内温度を用いる。また、
Tf0は皮膚温度Tfの初期値Tf0であり、車室内温
度の初期値Tinc0、空調開始時点に日射センサー3
5により検出された日射量Qsun0、および空調開始
時点に外気センサー33により検出された外気温度Ta
mb0に基づいて次式により算出する。
【数3】Tf0=a・Tinc0+b・Qsun0+c
・Tamb0 ここで、a、b、cは空調開始時点における環境条件に
より設定される係数である。例えば、乗員が車両に搭乗
した直後であれば、乗員の皮膚温度の初期値Tf0は外
気温度Tambと日射量Qsunに大きく依存し、他
方、乗員が車両にしばらく搭乗していたのであれば、乗
員の皮膚温度の初期値Tf0は車室内温度Tincと日
射量Qsunに大きく依存する。したがって、空調を開
始して目標皮膚温度Tf*および目標車室内温度Tin
*を演算する時に環境条件に応じて係数a、b、cを
設定する。
【0014】図4は、本発明に係わる車両用空調装置に
よる空調結果(実線)と従来装置による空調結果(破
線)とを示すタイムチャートであり、(a)は時刻t1
で設定温度Tptcを下げた時を示し、(b)は時刻t
2で設定温度Tptcを上げた時を示す。従来の空調装
置では、設定温度Tptcを変化させた時の車室内温度
Tincの過渡変化は、コントローラーの制御量により
決定し、過渡状態では必ずしも乗員の快適感を満足させ
るものではなかった。本発明の空調装置では、規範モデ
ル41において、空調開始時点の環境条件により皮膚温
度の初期値を設定し、時間変化および環境変化に応じた
目標皮膚温度Tf*および目標車室内温度Tinc*を決
定するようにしたので、定常時は勿論、過渡時にも乗員
の快適感に合った空調温度が設定される。
【0015】図5はオブザーバー42の構成を示す制御
ブロック図である。なお以下では、制御ブロック図内の
記号などはシステム制御(現代制御)の一般的な表記法
に従って表示し、それらの説明を省略する。図におい
て、42aは実際の制御対象のシステムであり、空調装
置の実験結果により固定係数マトリクスAo、Bo、C
oを有する線形時不変システム(固定係数システム)と
仮定したものである。オブザーバー42は予め同定した
制御対象の空調システム42aの推定モデルを有し、測
定可能な車室内温度Yo(=Tinc)と予め同定した
推定モデルから出力される車室内温度推定値YoS(=
TincS)との偏差(Yo−YoS)をフィードバック
することによって、図6に示す測定不可能または測定困
難な車体温度Tm、吹き出し風量Gaなどを推定し、こ
れらの推定値と開度センサー19sにより検出されたエ
アーミックスドア開度Xなどに基づいて現在の皮膚温度
Tfおよび吹き出し温度Toを推定する。
【0016】制御対象のシステム42aの状態方程式と
出力式は次のように表される。
【数4】dXo/dt=Ao・Xo+Bo・U
【数5】Yo=Tinc=Co・Xo ここで、Xoは状態変数ベクトルであり、Xo=[T
m,Tinc,Ga,X]T、また、Uは制御指令値ベ
クトルである。予め同定した推定モデルにより推定され
る車体温度Tm、吹き出し風量Gaおよびエアーミック
スドア開度Xの状態変数Xoの推定値をXoSとする
と、推定モデルは次式により表される。
【数6】dXoS/dt=Ao・XoS+Bo・U
【数7】Yo=TincS=Co・XoS ここで、XoS=[TmS,TincS,GaS,XST
TmSは車体温度Tmの推定値、TincSは車室内温度
Tincの推定値、GaSは吹き出し風量Gaの推定
値、XSはエアーミックスドア開度Xの推定値である。
係数マトリクスAo,Boの変動や、外乱により生ずる
各状態変数の推定誤差eo(=XoS−Xo)を0に収
束させるため、図5に示すようにフィードバックを推定
モデルに加えることにより、オブザーバー42は次のよ
うに表される。
【数8】dXoS/dt=Ao・XoS+Bo・U+F・
(Yo−YoS) ここで、Fはフィードバック係数マトリスクスである。
【0017】ところで、空調装置における制御対象シス
テムは非線形であり、後述する最適レギュレータ44を
非線形動作させることは困難なため、線形補償器43に
より線形化補償を行なう。線形補償器43は、図7
(a)に示すように、非線形状態フィードバックと非線
形状態フィードフォワードとにより構成される。すなわ
ち、
【数9】u=f(X,t)+g(X,t)・U ここで、U=[u1,u2]T、 なお、u1はブロア電圧を決定する制御指令値、u2は
吹き出し温度を決定する制御指令値である。また、f
(X,t)は非線形フィードバック関数、g(X,t)
は非線形フィードフォワード関数である。数式9により
U〜Yは線形化されて次式のように変換される(図7
(b))。
【数10】dY/dt=A1・Y+B1・U ここで、A1,B1は係数マトリクスである。
【0018】最適レギュレータ44は、規範モデル41
の目標値に追従するため、評価関数Jを用いて応答性と
安定性を両立させる制御定数の最適値を算出し、制御量
を決定する。評価関数Jは、次式で表される。
【数11】J=∫{W1・(ΔTinc)2+W2・
(ΔTf)2+W3・(du1/dt)2+W4・(du
2/dt)2}dt ここで、ΔTincは車室内温度Tincとその目標値
Tinc*との偏差、ΔTfは乗員の皮膚温度Tfとそ
の目標値Tf*との偏差、du1/dtはブロア駆動電
圧Vfを決定する制御指令値の変化の急激さを示す時間
微分値、du2/dtは吹き出し温度Toを決定する制
御指令値の変化の急激さを示す時間微分値、W1、W
2、W3、W4は重み係数である。また∫は0から∞ま
での積分演算を示す。上式の中で、ΔTfは日射や吹き
出し風が当る部位の局所温冷感を表し、またdu1/d
tおよびdu2/dtはブロアの騒音、吹き出し風量、
吹き出し温度の変化感を表す。これらΔTinc、ΔT
f、du1/dtおよびdu2/dtは乗員の快適性に
影響を与える主要なパラメータであり、総合的に快適感
を評価するため、まず各パラメータの重み係数W1、W
2、W3、W4を決定する。
【0019】上述した数式1、数式2および数式10か
ら次式に示すような拡大系が構成される。
【数12】dE/dt=Ae・E+Be・dU/dt ここで、E=[dY/dt,e,dXr/dt]T、ま
た、Ae,Beは係数マトリクス、eは偏差ベクトル
(e=Yr−Y)である。数式12において、評価関数
Jを最小にする制御則は次式で表される。
【数13】dU/dt=K1・dY/dt+K2・e+
K3・dXr/dt ここで、K1、K2、K3は制御定数マトリクスであ
る。数式13の制御指令値ベクトルの時間微分値dU/
dtを極力小さくして目標値に追従させるため、次式に
より制御定数K1、K2、K3を決定する。
【数14】(K1,K2,K3)=−R-1BeTP ここで、Rは重み係数マトリクス、Pは次のリカッチ方
程式のマトリクス解である。
【数15】AeT・P+P・Ae+Q−P・Be・R-1
・BeT・P=0 ここで、Qは重み係数マトリクスである。このように、
重み係数マトリクスQ,Rを設定することにより、所定
のアルゴリズムに従って制御定数K1,K2,K3が決
定される。上式により決定された制御定数K1、K2、
K3を数式12に代入して積分することにより、最適制
御指令値ベクトルU、すなわち空調ユニット10の制御
量が決定される。
【数16】U=K1・Y+K2・∫edt+K3・Xr
+{U(0)−K1・Y(0)−K3・Xr(0)} ここで、U(0),Y(0),Xr(0)は、それぞれ
制御指令値、出力、状態変数の初期値である。
【0020】図8は、このようにして設計された最適レ
ギュレータ44の構成を示す制御ブロック図である。ま
た図9は、最適レギュレータ44の制御指令値の算出過
程を示すタイムチャートである。最適レギュレータ44
は、図9の時刻t3に示すように、規範モデル41で算
出された目標車室内温度Tinc*および目標皮膚温度
Tf*と、実際の車室内温度Tincおよび皮膚温度の
推測値TfSとの差の面積が最小となるように空調ユニ
ット10の制御量を決定する。すなわち、乗員の快適性
を評価する評価関数Jに基づいてあらゆる条件下で応答
性と安定性を確保しつつ、乗員の快適性に合った規範モ
デル41の温度目標値になるように空調ユニット10を
制御する。なお、上述したように最適レギュレータ44
で算出された制御量は線形補償器43によって線形化さ
れる。
【0021】図10〜11は空調制御のメインプログラ
ムを示すフローチャートである。このフローチャートに
より、コントローラー30の動作を説明する。コントロ
ーラー30のマイクロコンピュータは、操作部31のメ
インスイッチが投入されるとこの制御プログラムの実行
を開始する。ステップS1において、室温設定器32に
より設定された車室内温度設定値Tptcを入力し、続
くステップS2で、内気温センサー34により検出され
た車室内温度Tincと日射センサー35により検出さ
れた日射量Qsunを入力し、それぞれ初期値Tinc
0、Qsun0として設定する。ステップS3で、数式
3により皮膚温度Tfの初期値Tf0を算出し、続くス
テップS4で、車室内温度設定値Tptcと皮膚温度初
期値Tf0に基づいて数式1および2により、規範モデ
ル41で乗員の快適感に合った時間的に推移させるべき
目標皮膚温度Tf*および目標車室内温度Tinc*を算
出し、それらを最適レギュレータ44へ出力する。
【0022】ステップS5で、オブザーバー42によっ
て測定不可能または測定困難な車体温度Tm、吹き出し
風量Gaなどを推定し、これらの推定値に基づいて現在
の皮膚温度Tfを推定して推定値TfSを最適レギュレ
ーター44へ出力する。ステップS6で、最適レギュレ
ータ44により、規範モデル41で算出された目標車室
内温度Tinc*および目標皮膚温度Tf*、オブザーバ
ー42で推定された皮膚温度推定値TfS、測定された
車室内温度Tincなどに基づいて、目標値との偏差お
よび制御量の変化量を算出するとともに、評価関数Jに
よって目標値に追従するための最適な制御定数を算出
し、エアーミックスドア開度X、ブロア駆動電圧Vfな
どの制御量を決定して線形補償器43へ出力する。ステ
ップS7では、線形補償器43により最適レギュレータ
44からの制御量を線形化し、ステップS8で、線形化
された制御量を空調ユニット10へ出力する。空調ユニ
ット10は、この制御量に従ってエアーミックスドアア
クチュエータ19mおよび各吹き出し口ドアのアクチュ
エータ23m、24m、25mを駆動制御するととも
に、ブロアファン14を駆動制御して車室45の空調を
行なう。
【0023】なお、皮膚温度の初期値Tf0の算出方法
は上述した実施例に限定されず、空調開始時点における
乗員の皮膚温度を正確に算出する方法であればどのよう
な方法でもよい。
【0024】以上の実施例の構成において、エアーミッ
クスドア19およびアクチュエータ19mが温度調節手
段を、ブロアファン14、ブロアファン駆動回路14d
およびモーター14mが風量調節手段を、ベントドア2
3とそのアクチュエータ23m、デフドア24とそのア
クチュエータ24mおよびフットドア25とそのアクチ
ュエータ25mが吹き出し口調節手段を、空調ユニット
10が空調ユニットを、規範モデル41が目標皮膚温発
生手段を、オブザーバー42が皮膚温推定手段を、最適
レギュレーター44が演算手段を、線形補償器43が線
形補償手段を、コントローラー30が空調制御手段をそ
れぞれ構成する。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
室内温度、日射量、外気温度などの環境条件に応じて皮
膚温度の初期値を設定し、乗員の皮膚温度の時間的に推
移させるべき目標値を発生するとともに、皮膚温推定モ
デルで乗員の皮膚温度を推定し、皮膚温度の目標値、皮
膚温度の推定値および測定可能な熱負荷に関する物理量
に基づいて各調節手段の制御量を演算し、これらの制御
量に従って各調節手段を制御して車室内を目標皮膚温度
に空調するようにしたので、実際の皮膚温度に近い正確
な皮膚温度の初期値が得られ、この初期値に基づいて算
出した皮膚温度の時間的に推移させるべき目標値にした
がって車室内を乗員の快適感に合った皮膚温度に空調す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図2】一実施例の空調ユニットの断面図。
【図3】一実施例の制御ブロック図。
【図4】車室内温度の設定値を変化させた時の車室内温
度の変化を示すタイムチャート。
【図5】オブザーバーの構成を示す制御ブロック図。
【図6】空調制御に必要な熱負荷に関する物理量を示す
図。
【図7】線形補償器の構成を示す制御ブロック図。
【図8】最適レギュレーターの構成を示す制御ブロック
図。
【図9】最適レギュレーターにおける制御量の算出方法
を説明する図。
【図10】コントローラーのマイクロコンピューターで
実行される制御プログラム例を示すフローチャート。
【図11】図10に続く、コントローラーのマイクロコ
ンピューターで実行される制御プログラム例を示すフロ
ーチャート。
【符号の説明】
10 空調ユニット 11 外気側吸入口 12 外気側吸入口 13 インテークドア 13m インテークドアアクチュエータ 14 ブロアファン 14d 駆動回路 14m モーター 15 エバポレーター 16 ヒーターコア 17、18 流路 19 エアーミックスドア 19m エアーミックスドアアクチュエータ 20 ベンチレーター 20a センターベント 20b リアベント 20c サイドベント 20d ロアベント 21 デフロスター 21a フロントデフロスター 21b サイドデフロスター 22 フット吹出し口 22a フロントフット吹出し口 22b リアフット吹出し口 23 ベントドア 23m ベントドアアクチュエータ 24 デフドア 24m デフドアアクチュエータ 25 フットドア 25m フットドアアクチュエータ 30 コントローラー 31 操作部 32 室温設定器 33 外気温センサー 34 内気温センサー 35 日射センサー 36 吸込温センサー 37 冷媒温センサー 38 水温センサー 39 コンプレッサー 41 規範モデル 42 オブザーバー 42a 制御対象の空調システム 43 線形補償器 44 最適レギュレーター 45 車室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調風の温度を調節する手段と、 空調風の吹き出し風量を調節する手段と、 空調風の吹き出し口を調節する手段とを有する空調ユニ
    ットと;乗員の皮膚温度の時間的に推移させるべき目標
    値を発生する目標皮膚温発生手段と、 皮膚温推定モデルを有し、車室内空調制御に必要な熱負
    荷に関する複数の物理量の内の測定不可能または測定困
    難な物理量を推定するとともに、それらの推定物理量に
    基づいて前記皮膚温推定モデルで乗員の皮膚温度を推定
    する皮膚温推定手段と、 制御定数の最適値を算出し、前記皮膚温度の目標値、前
    記皮膚温度の推定値および前記複数の物理量の内の測定
    可能な物理量に基づいて前記温度調節手段、前記風量調
    節手段および前記吹き出し口調節手段の制御量を演算す
    る演算手段と、 この演算手段を線形動作させる線形補償手段とを有する
    空調制御手段と;を備えた車両用空調装置において、 前記目標皮膚温発生手段は環境条件に応じて皮膚温度の
    初期値を設定することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用空調装置におい
    て、 前記目標皮膚温発生手段は車室内温度、日射量および外
    気温度に基づいて皮膚温度の初期値を決定することを特
    徴とする車両用空調装置。
JP1637294A 1994-02-10 1994-02-10 車両用空調装置 Pending JPH07223421A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11560037B2 (en) * 2017-09-14 2023-01-24 Lin Yu Vehicle interior environment control

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11560037B2 (en) * 2017-09-14 2023-01-24 Lin Yu Vehicle interior environment control

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