JP3417025B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3417025B2
JP3417025B2 JP32502193A JP32502193A JP3417025B2 JP 3417025 B2 JP3417025 B2 JP 3417025B2 JP 32502193 A JP32502193 A JP 32502193A JP 32502193 A JP32502193 A JP 32502193A JP 3417025 B2 JP3417025 B2 JP 3417025B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外気温度や日射量など
の空調に必要な熱負荷に関する複数の物理量をシステム
制御理論(現代制御理論)により処理し、車室内を目標
温度に空調する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車室内温度設定値、実際の車室内温度、
外気温度および日射量に基づいて吹き出し温度および吹
き出し風量を制御し、車室内を目標温度に空調する車両
用空調装置が知られている(例えば、日産自動車株式会
社 新型車解説書(Y32−1) 1991年6月 参
照)。この種の装置では、図15に示すように、車室内
温度設定値Tptc、車室内温度Tinc、日射量Qs
unおよび外気温度Tambをコントローラー1へ入力
し、設定温度Tptcと実際の車室内温度Tincとの
差、日射量Qsun、外気温度Tambおよび設定温度
Tptcに、それぞれ実験的に得られた制御定数K10
〜K13を乗じて制御指令値を算出し、演算器1a、1
bによって空調ユニット2の制御量、すなわちエアーミ
ックスドア開度Xおよびブロア駆動電圧Vfを決定し、
ヒータコア、エバポレータ、エアーミックスドア、ブロ
ア、ベンチレーター、デフロスター、フット吹き出し
口、各吹き出し口ドアなどから成る空調ユニット2を制
御して、目標吹き出し温度Toおよび目標吹き出し風量
Gaで車室3の空調を行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両用空調装置では、フロントウインドウ(以下、ウイ
ンドウパネルと呼ぶ)の曇りを除去する時にデフロスタ
ーから吹き出される空調風は、ベンチレーターやフット
吹き出し口から車室内に吹き出して車室内の空調を行な
うためにその目標吹き出し温度Toと目標吹き出し風量
Gaが設定されているので、湿度が高い場合には充分に
窓曇りを除去できなかったり、あるいは窓雲りを除去す
るのに時間がかかり、曇り取り性能が悪いという問題が
ある。また、このような場合に車室内温度設定値Tpt
cを上げて早く曇りを除去しようとすると、フロントデ
フロスターから吹き出された空調風がウインドウパネル
に沿って流れ、ちょうど乗員の頭部付近へ達するので、
乗員に不快感を与えるという問題がある。
【0004】本発明の目的は、窓雲りを除去するための
最適な空調風を供給する車両用空調装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1〜4
に対応づけて本発明を説明すると、請求項1の発明は、
車室内空調制御に必要な熱負荷に関する複数の物理量に
基づいて制御量を算出し、空調ユニット内10の温度調
節手段19および風量調節手段14を制御する車両用空
調装置に適用される。そして、外気温度に基づいて曇り
取り時のウインドウパネル温度の目標値を発生する目標
値発生手段51と、ウインドウパネル温度を推定する温
度推定手段42、52と、目標値発生手段51のウイン
ドウパネル温度の目標値と、温度推定手段42、52に
より推定されたウインドウパネル温度の推定値とに基づ
いて制御量を演算する演算手段53、54とを備え、温
度調節手段19および風量調節手段14によって、ウイ
ンドウパネルの曇り取り時に演算手段53、54により
演算された制御量にしたがって空調風の吹き出し温度お
よび吹き出し風量を調節することにより、上記目的を達
成する。また、請求項2の車両用空調装置の温度推定手
段42、52は、空調風の吹き出し温度および吹き出し
風量を推定し、それらの推定値、外気温度、車室内温度
およびウインドウパネルの熱伝達係数に基づいてウイン
ドウパネル温度を推定するようにしたものである。
【0006】
【作用】ウインドウパネルの曇り取り時は、ウインドウ
パネル温度の目標値と推定値とに基づいて演算された制
御量にしたがって空調ユニット10内の温度調節手段1
9および風量調節手段14が駆動制御され、空調風の吹
き出し温度および吹き出し風量が調節される。これによ
り、窓雲りを除去するための最適な空調風が供給され、
曇り取り性能が向上する。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段および作用の項では、本発明を分り
やすくするために実施例の図を用いたが、これにより本
発明が実施例に限定されるものではない。
【0008】
【実施例】図1は一実施例の構成を示す機能ブロック
図、図2は一実施例の空調ユニットの断面図である。図
2において、空調ユニット10の上流には外気側吸入口
11と内気側吸入口12が設けられ、インテークドア1
3によって吸入する空気の外気と内気の割合が調節され
る。両吸入口11、12から吸入された空気はブロアフ
ァン14により空調ユニット10の下流へ送風され、ま
ずエバポレーター15で熱交換が行なわれて冷風とな
る。エバポレーター15の下流では空調風の流路が2つ
に分れる。一方はヒーターコア16を通過する流路17
であり、この流路17を通過する空気はヒーターコア1
6により熱交換が行なわれて温風となる。他方はヒータ
ーコア16をバイパスする流路18であり、この流路1
8を通過する空気はエバポレーター15を通過したまま
の冷風である。これら2つの流路17、18の分岐点に
はエアーミックスドア19が設けられ、このエアーミッ
クスドア19の開度を制御して両流路17、18を通過
する空気の割合が調節される。
【0009】エアーミックスドア19により温度が調節
された空調風は、ベンチレーター20、デフロスター2
1およびフット吹き出し口22からそれぞれ車室内に吹
き出される。これらの吹き出し口20、21、22には
それぞれベントドア23、デフドア24、フットドア2
5が設けられ、空調風の吹き出し方向が選択される。ベ
ンチレーター20はセンターベント20a、リアベント
20b、サイドベント20c、ロアベント20dなどの
吹き出し口に分岐される。デフロスター21はフロント
デフロスター21a、サイドデフロスター21bなどの
吹き出し口に分岐される。フット吹き出し口22はフロ
ントフット吹き出し口22a、リアフット吹き出し口2
2bに分岐される。
【0010】図1において、車両のインストルメントパ
ネルには空調装置の操作部31が設けられる。この操作
部31には、エアコンスイッチ、ファンスイッチ、吹き
出し口スイッチ、デフロストスイッチ、内外気切換スイ
ッチ、表示装置などが設けられる。室温設定器32は車
室内設定温度Tptcを設定する設定器である。車両に
は各部の空気温度を検出するためのセンサーが設置さ
れ、外気温センサー33は外気温度Tambを検出し、
内気温センサー34は車室内温度Tincを検出する。
また、日射センサー35は日射量Qsunを検出し、吸
込温センサー36はエバポレーター15を通過した空気
温度Tintを検出する。さらに、冷媒温センサー37
はエバポレーター15の入口冷媒温度Tevaを検出
し、水温センサー38はエンジン冷却水温度Twを検出
する。
【0011】コントローラー30はマイクロコンピュー
ターおよびその周辺部品から構成され、操作部31から
の各種操作情報、室温設定器32により設定された車室
内設定温度Tptc、センサー33〜38により検出さ
れた外気温度Tamb、車室内温度Tinc、日射量Q
sun、空気温度Tint、冷媒温度Teva、冷却水
温度Twなどに基づいて、コンプレッサー39、インテ
ークドアアクチュエータ13m、エアーミックスドアア
クチュエータ19m、ベントドアアクチュエータ23
m、デフドアアクチュエータ24m、フットドアアクチ
ュエータ25m、ブロアファン駆動回路14dおよびモ
ーター14mを制御する。なお、エアーミックスドアア
クチュエータ19mにはドア開度Xを抵抗値に変換して
出力する開度センサー19sが内蔵されている。
【0012】図3および図4は一実施例の制御ブロック
図である。コントローラー30は後述するソフトウエア
形態で構成される規範モデル41、オブザーバー42、
線形補償器43および最適レギュレータ44を有し、日
射量Qsun、外気温度Tamb、車室内温度設定値T
ptc、車室内温度Tincなどに基づいて制御量、す
なわちエアーミックスドア開度Xおよびブロア駆動電圧
Vfなどを算出し、上述した空調ユニット10を制御す
る。
【0013】さらにコントローラー30は、後述するソ
フトウエア形態で構成されるウインドウパネル温度規範
モデル51、DEFオブザーバー52、線形補償器5
3、DEF最適レギュレーター54を有し、操作部31
のデフロストスイッチが操作されると、オブザーバー4
2により推定された吹き出し温度ToSおよび吹き出し
風量GaS、外気温度Tptc、車室内温度Tincな
どに基づいてデフロストモードにおける制御量、すなわ
ちエアーミックスドア開度Xおよびブロア駆動電圧Vf
などを算出し、空調ユニット10を制御する。
【0014】規範モデル41では、人間の快適感に合っ
た吹き出し風量Gaおよび吹き出し温度Toの時間変化
および環境変化による推移を次式のように数式化し、車
室内温度設定値Tptcを変化させた時の目標皮膚温度
Tf*および目標車室内温度Tinc*を算出する。これ
らの目標皮膚温度Tf*および目標車室内温度Tinc*
は、定常時の快適な空調温度を決定するものであると同
時に、それらの目標温度に到達するまでの過渡時におい
ても、乗員の快適感に合った温度の変化具合を決定する
ものである。
【数1】 dTinc*/dt=Ar・Tinc*+Br・Tptc
【数2】dTf*/dt=Af・Tf*+Bf・Tptc ここで、Ar、Br、Af、Bfは係数マトリクスであ
る。
【0015】図5は、本発明に係わる車両用空調装置に
よる空調結果(実線)と従来装置による空調結果(破
線)とを示すタイムチャートであり、(a)は時刻t1
で設定温度Tptcを下げた時を示し、(b)は時刻t
2で設定温度Tptcを上げた時を示す。従来の空調装
置では、設定温度Tptcを変化させた時の車室内温度
Tincの過渡変化は、コントローラー30の制御量に
より決定し、過渡状態では必ずしも乗員の快適感を満足
させるものではなかった。本発明の空調装置では、規範
モデル71において時間変化および環境変化に応じた目
標皮膚温度Tf*および目標車室内温度Tinc*を決定
するようにしたので、定常時は勿論、過渡時にも乗員の
快適感に合った空調温度が設定される。
【0016】図6はオブザーバー42の構成を示す制御
ブロック図である。なお以下では、制御ブロック図内の
記号などはシステム制御(現代制御)の一般的な表記法
に従って表示し、それらの説明を省略する。図におい
て、42aは実際の制御対象のシステムであり、空調装
置の実験結果により固定係数マトリクスAo、Bo、C
oを有する線形時不変システム(固定係数システム)と
仮定したものである。オブザーバー42は予め同定した
制御対象システム42aの推定モデルを有し、測定可能
な車室内温度Yo(=Tinc)と予め同定した推定モ
デルから出力される車室内温度推定値YoSとの偏差
(Yo−YoS)をフィードバックすることによって、
図7に示す測定不可能または測定困難な車体温度Tm、
吹き出し風量Ga、エアーミックスドア開度Xなどを推
定し、これらの推定値に基づいて現在の皮膚温度Tfお
よび吹き出し温度Toを推定する。
【0017】制御対象のシステム42aの状態方程式と
出力式は次のように表される。
【数3】dXo/dt=Ao・Xo+Bo・U
【数4】Yo=Tinc=Co・Xo ここで、Xoは状態変数ベクトルであり、Xo=[T
m,Tinc,Ga,X]T、また、Uは制御指令値ベ
クトルである。予め同定した推定モデルにより推定され
る車体温度Tm、吹き出し風量Gaおよびエアーミック
スドア開度Xの状態変数Xoの推定値をXoSとする
と、推定モデルは次式により表される。
【数5】dXoS/dt=Ao・XoS+Bo・U
【数6】Yo=TincS=Co・XoS ここで、XoS=[TmS,TincS,GaS,XST
TmSは車体温度Tmの推定値、TincSは車室内温度
Tincの推定値、GaSは吹き出し風量Gaの推定
値、XSはエアーミックスドア開度Xの推定値である。
係数マトリクスAo,Boの変動や、外乱により生ずる
各状態変数の推定誤差eo(=XoS−Xo)を0に収
束させるため、図6に示すようにフィードバックを推定
モデルに加えることにより、オブザーバー42は次のよ
うに表される。
【数7】dXoS/dt=Ao・XoS+Bo・U+F・
(Yo−YoS) ここで、Fはフィードバック係数マトリスクスである。
【0018】ところで、空調装置における制御対象シス
テムは非線形であり、後述する最適レギュレータ44を
非線形動作させることは困難なため、線形補償器43に
より線形化補償を行なう。線形補償器43は、図8
(a)に示すように、非線形状態フィードバックと非線
形状態フィードフォワードとにより構成される。すなわ
ち、
【数8】u=f(X,t)+g(X,t)・U ここで、U=[u1,u2]T、なお、u1はブロア電
圧を決定する制御指令値、u2は吹き出し温度を決定す
る制御指令値である。また、f(X,t)は非線形フィ
ードバック関数、g(X,t)は非線形フィードフォワ
ード関数である。数式8によりU〜Yは線形化されて次
式のように変換される(図8(b))。
【数9】dY/dt=A1・Y+B1・U ここで、A1,B1は係数マトリクスである。
【0019】最適レギュレータ44は、規範モデル41
の目標値に追従するため、評価関数Jを用いて応答性と
安定性を両立させる制御定数の最適値を算出し、制御量
を決定する。評価関数Jは、次式で表される。
【数10】J=∫{W1・(ΔTinc)2+W2・
(ΔTf)2+W3・(du1/dt)2+W4・(du
2/dt)2}dt ここで、ΔTincは車室内温度Tincとその目標値
Tinc*との偏差、ΔTfは乗員の皮膚温度Tfとそ
の目標値Tf*との偏差、du1/dtはブロア駆動電
圧Vfを決定する制御指令値の変化の急激差を示す時間
微分値、du2/dtは吹き出し温度Toを決定する制
御指令値の変化の急激差を示す時間微分値、W1、W
2、W3、W4は重み係数である。また∫は0から∞ま
での積分演算を示す。上式の中で、ΔTfは日射や吹き
出し風が当る部位の局所温冷感を表し、またdu1/d
tおよびdu2/dtはブロアの騒音、吹き出し風量、
吹き出し温度の変化感を表す。これらΔTinc、ΔT
f、du1/dtおよびdu2/dtは乗員の快適性に
影響を与える主要なパラメータであり、総合的に快適感
を評価するため、まず各パラメータの重み係数W1、W
2、W3、W4を決定する。
【0020】上述した数式1、数式2および数式9から
次式に示すような拡大系が構成される。
【数11】dE/dt=Ae・E+Be・dU/dt ここで、E=[dY/dt,e,dXr/dt]、ま
た、Ae,Beは係数マトリクス、eは偏差ベクトル
(e=Yr−Y)である。数式11において、評価関数
Jを最小にする制御則は次式で表される。
【数12】dU/dt=K1・dY/dt+K2・e+
K3・dXr/dt ここで、K1、K2、K3は制御定数マトリクスであ
る。数式12の制御指令値ベクトルの時間微分値dU/
dtを極力小さくして目標値に追従させるため、次式に
より制御定数K1、K2、K3を決定する。
【数13】(K1,K2,K3)=−R−1BeP ここで、Rは重み係数マトリクス、Pは次のリカッチ方
程式のマトリクス解である。
【数14】Ae・P+P・Ae+Q−P・Be・R
−1・Be・P=0 ここで、Qは重み係数マトリクスである。このように、
重み係数マトリクスQ,Rを設定することにより、所定
のアルゴリズムに従って制御定数K1,K2,K3が決
定される。上式により決定された制御定数K1、K2、
K3を数式12に代入して積分することにより、最適制
御指令値ベクトルU、すなわち空調ユニット10の制御
量が決定される。
【数15】U=K1・Y+K2・∫edt+K3・Xr
+{U(0)−K1・Y(0)−K3・Xr(0)} ここで、U(0),Y(0),Xr(0)は、それぞれ
制御指令値、出力、状態変数の初期値である。
【0021】図9は、このようにして設計された最適レ
ギュレータ44の構成を示す制御ブロック図である。ま
た図10は、最適レギュレータ44の制御指令値の算出
過程を示すタイムチャートである。最適レギュレータ4
4は、図10の時刻t3に示すように、規範モデル41
で算出された目標車室内温度Tinc*および目標皮膚
温度Tf*と、実際の車室内温度Tincおよび皮膚温
度の推測値TfSとの差の面積が最小となるように空調
ユニット10の制御量を決定する。すなわち、乗員の快
適性を評価する評価関数Jに基づいてあらゆる条件下で
応答性と安定性を確保しつつ、乗員の快適性に合った規
範モデル41の温度目標値になるように空調ユニット1
0を制御する。なお、上述したように最適レギュレータ
44で算出された制御量は線形補償器43によって線形
化される。
【0022】次に、図4に示すデフロストモードの制御
ブロックについて説明する。ウインドウパネル温度規範
モデル51は、図11に示すように外気温度Tambに
対するウインドウパネルの目標ウインドウパネル温度T
*の数式化モデルを記憶しており、外気温センサー3
3により検出された外気温度Tambに対して窓曇りを
除去するための最適なウインドウパネル温度の目標値T
*を算出する。
【0023】DEFオブザーバー52は、上述したオブ
ザーバー42により算出された吹き出し温度の推定値T
Sおよび吹き出し風量の推定値GaSと、外気温センサ
ー33により検出された外気温度Tamb、内気温セン
サー34により検出された車室内温度Tincなどに基
づいてウインドウパネル温度Tgを推定し、推定値Tg
Sを出力する。まず、吹き出し風量推定値GaSに基づい
てウインドウパネルの熱伝達係数αを次式により算出す
る。
【数16】 そして、算出した熱伝達係数α、吹き出し風温度の推定
値ToSなどに基づいて次式によりウインドウパネル温
度の推定値TgSを算出する。
【数17】 ここで、αoはデフロストスイッチを投入する直前の熱
伝達係数、bはウインドウパネルの厚さ、λはウインド
ウパネルの熱伝導率である。
【0024】DEF最適レギュレーター54は、ウイン
ドウパネル温度規範モデル51により算出されたウイン
ドウパネル温度の目標値Tg*、DEFオブザーバー5
2により推定されたウインドウパネル温度の推定値Tg
Sなどに基づいてエアーミックスドア開度Xおよびブロ
ア駆動電圧Vfの制御指令値を求める。なお、線形補償
器53はDEF最適レギュレーター54を線形動作させ
る。まず、ウインドウパネル温度の目標値Tg*と推定
値TgSに基づいて次式により空調ユニット10の制御
指令値Uを求める。
【数18】U=K3・TgS+dt・K2(Tg*−Tg
S)+K1(Tg*−TgS) ここで、K1、K2、K3は定数である。次に、次式に
より吹き出し風量Gaを求める。
【数19】 ここで、Afan、Bfanは定数である。ここで、ウ
インドウパネルの熱伝導係数αは次式により求められ
る。
【数20】 また、次式によりエアーミックスドア開度Xを求める。
【数21】X=Ax・U+Bx ここで、Ax、Bxは定数である。
【0025】コントローラー30は、算出されたブロア
駆動電圧Vfによりブロアファン駆動回路14dを制御
するとともに、エアーミックスドア開度Xによりエアー
ミックスドアアクチュエータ19mを駆動制御する。こ
れにより、どのような環境条件下でも、デフロストモー
ド時にフロントデフロスター21aおよびサイドデフロ
スター21bから窓曇りを除去するための最適な空調風
を吹き出させることができ、曇り取り性能を向上させる
ことができる。
【0026】図12は空調制御のメインプログラムを示
すフローチャートである。このフローチャートにより、
コントローラー30の動作を説明する。コントローラー
30のマイクロコンピュータは、操作部31のメインス
イッチが投入されるとこの制御プログラムの実行を開始
する。ステップS1において、室温設定器32により設
定された車室内温度設定値Tptcを入力し、規範モデ
ル41で乗員の快適感に合った目標皮膚温度Tf*およ
び目標車室内温度Tinc*を算出し、それらを最適レ
ギュレータ44へ出力する。ステップS2で、オブザー
バー42によって測定不可能または測定困難な車体温度
Tm、吹き出し風量Ga、エアーミックスドア開度Xな
どを推定し、これらの推定値に基づいて現在の皮膚温度
Tfを予測して最適レギュレータ44へ出力する。ステ
ップS3で、最適レギュレータ44により、規範モデル
41の目標値、オブザーバー42により推定された皮膚
温度推定値TfS、および測定された車室内温度Tin
cに基づいて、目標値との偏差および制御量の変化量を
算出するとともに、評価関数Jによって目標値に追従す
るための最適な制御定数を算出し、制御量を決定して線
形補償器43へ出力する。ステップS4では、線形補償
器43により、最適レギュレータ44からの制御量を線
形化する。そして、ステップS5で、線形化された制御
量を空調ユニット10へ出力する。空調ユニット10
は、この制御量に従ってエアーミックスドア19および
各吹き出し口ドアのアクチュエータを駆動制御するとと
もに、ブロアファン14を駆動制御して車室45の空調
を行なう。
【0027】図13〜14はデフロストモード処理ルー
チンを示すフローチャートである。コントローラー30
のマイクロコンピューターは、操作部31のデフロスト
スイッチが投入されるとこの処理ルーチンの実行を開始
する。ステップS11において、オブザーバー42で推
定された吹き出し温度の推定値ToSと吹き出し風量G
Sを入力し、続くステップS12で、外気温センサー
33から外気温度Tambを入力するとともに、内気温
センサー34から車室内温度Tincを入力する。ステ
ップS13で、吹き出し風量の推定値GaSに基づいて
数式16によりウインドウパネルの熱伝達係数αを算出
する。さらにステップS14で、算出した熱伝達係数
α、吹き出し風温度の推定値ToSなどに基づいて数式
17によりウインドウパネル温度の推定値TgSを算出
する。ステップS15で、ウインドウパネル温度の推定
値TgSが目標値Tg*以上か否かを判別し、目標値Tg
*以上であればステップS16へ進み、そうでなければ
ステップS17へ進む。ウインドウパネル温度の推定値
TgSがその目標値Tg*に達していれば、ステップS1
6でデフロストモードを解除してメインプログラムへリ
ターンする。ウインドウパネル温度の推定値TgSがそ
の目標値Tg*に達していない時は、ステップS17で
ウインドウパネル温度規範モデル51により目標ウイン
ドウパネル温度Tg*を算出する。ステップS18で空
調ユニット10の制御指令値Uを算出し、算出された制
御指令値Uなどに基づいてステップS19でブロア駆動
電圧Vfを算出するとともに、ステップS20でエアー
ミックスドア開度Xを算出する。ステップS21では、
算出されたブロア駆動電圧Vfにしたがって駆動回路1
4dを制御するとともに、算出されたエアーミックスド
ア開度Xにしたがってエアーミックスドアアクチュエー
タ19mを駆動制御する。
【0028】以上の実施例の構成において、空調ユニッ
ト10が空調ユニットを、エアーミックスドア19が温
度調節手段を、ブロアファン14が風量調節手段を、ウ
インドウパネル温度規範モデル51が目標値発生手段
を、オブザーバー42およびDEFオブザーバー52が
温度推定手段を、線形補償器53およびDEF最適レギ
ュレーター54が演算手段をそれぞれ構成する。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ウ
インドウパネルの曇り取り時は、外気温度に基づいて
インドウパネル温度の目標値を設定するとともにウイン
ドウパネル温度を推定し、それらの目標値と推定値とに
基づいて制御量を演算して空調ユニットの温度調節手段
と風量調節手段を駆動制御し、空調風の吹き出し温度お
よび吹き出し風量を調節するようにしたので、窓雲りを
除去するための最適な空調風が供給され、曇り取り性能
が向上するとともに、従来のように必要以上に高温の空
調風が吹き出されることがなく、曇り取り時でも快適な
車室内を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図2】一実施例の空調ユニットの断面図。
【図3】一実施例の制御ブロック図。
【図4】図3に続く一実施例の制御ブロック図。
【図5】車室内温度の設定値を変化させた時の車室内温
度の変化を示すタイムチャート。
【図6】オブザーバーの構成を示す制御ブロック図。
【図7】空調制御に必要な熱負荷に関する物理量を示す
図。
【図8】線形補償器を示す制御ブロック図。
【図9】最適レギュレータを示す制御ブロック図。
【図10】最適レギュレータにおける制御量の算出方法
を説明する図。
【図11】外気温度Tambに対するウインドウパネル
温度の目標値Tg*を示す図。
【図12】空調制御のメインプログラムを示すフローチ
ャート。
【図13】デフロストモード処理ルーチンを示すフロー
チャート。
【図14】図13に続く、デフロストモード処理ルーチ
ンを示すフローチャート。
【図15】従来の車両用空調装置を示す制御ブロック
図。
【符号の説明】
10 空調ユニット 11 外気側吸入口 12 外気側吸入口 13 インテークドア 13m インテークドアアクチュエータ 14 ブロアファン 14d 駆動回路 14m モーター 15 エバポレーター 16 ヒーターコア 17、18 流路 19 エアーミックスドア 19m エアーミックスドアアクチュエータ 20 ベンチレーター 20a センターベント 20b リアベント 20c サイドベント 20d ロアベント 21 デフロスター 21a フロントデフロスター 21b サイドデフロスター 22 フット吹出し口 22a フロントフット吹出し口 22b リアフット吹出し口 23 ベントドア 23m ベントドアアクチュエータ 24 デフドア 24m デフドアアクチュエータ 25 フットドア 25m フットドアアクチュエータ 30 コントローラー 31 操作部 32 室温設定器 33 外気温センサー 34 内気温センサー 35 日射センサー 36 吸込温センサー 37 冷媒温センサー 38 水温センサー 39 コンプレッサー 41 規範モデル 42 オブザーバー 43 線形補償器 44 最適レギュレーター 45 車室 51 ウインドウパネル温度規範モデル 52 DEFオブザーバー 53 線形補償器 54 DEF最適レギュレーター
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−50836(JP,A) 特開 平5−50837(JP,A) 特開 平3−178824(JP,A) 実開 平5−20904(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101 B60H 1/00 102 B60H 1/00 103

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内空調制御に必要な熱負荷に関する
    複数の物理量に基づいて制御量を算出し、空調ユニット
    内の温度調節手段および風量調節手段を制御する車両用
    空調装置において、外気温度に基づいて 曇り取り時のウインドウパネル温度
    の目標値を発生する目標値発生手段と、 ウインドウパネル温度を推定する温度推定手段と、 前記目標値発生手段のウインドウパネル温度の目標値
    と、前記温度推定手段により推定されたウインドウパネ
    ル温度の推定値とに基づいて前記制御量を演算する演算
    手段とを備え、 前記温度調節手段および前記風量調節手段は、ウインド
    ウパネルの曇り取り時に前記演算手段により演算された
    制御量にしたがって空調風の吹き出し温度および吹き出
    し風量を調節することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用空調装置におい
    て、前記温度推定手段は、空調風の吹き出し温度および吹き
    出し風量を推定し、それらの推定値、外気温度、車室内
    温度およびウインドウパネルの熱伝達係数に基づいてウ
    インドウパネル温度を推定する ことを特徴とする車両用
    空調装置。
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