JPH0722163Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は化粧料等を収納するコンパクト容器に関し、さ
らに詳しくは、上から押圧するだけで蓋体と容器本体と
のフック掛合を解除する解錠ボタンを、蓋体の先端部に
付設したコンパクト容器に関する。

〔従来の技術〕

一般に、化粧料を容れるコンパクト容器は、蓋体の開閉
が簡単に行えるものが好ましく、特に、卓上に置いてパ
ウダー、大型パレット等の化粧料を容れるのに使用され
る卓上型コンパクト容器は、蓋体を開くとき、蓋体の上
方から押しボタン操作などで行えるものが好ましい。

このため、このようなコンパクト容器の開閉機構が種々
考案されており、たとえば、コンパクト容器の容器本体
と蓋体の何れか一方の前方部に、容器本体と蓋体の何れ
かを上下方向に貫通して外部に露出する押釦部と、容器
本体または蓋体に当接する他端側に可撓片を設け、押釦
部と可撓片との中間部にさらに作動部を設けた解錠ピー
スを、中間部において容器本体または蓋体に枢動可能に
取りつけ、蓋体の解錠位置において、作動部の押釦部側
内面が容器本体または蓋体のいずれか他方の部材の内面
に当接または近接し、押釦部を内方へ押し込んだ時に作
動部が中間部における枢動取りつけ部を支点として傾動
し、作動部の押釦部側内面が他方の部材を外方に押圧し
て、蓋体と容器との止錠を解除するようにしたものが提
案されている。（実開昭63-150611号） 〔考案が解決しようとする課題〕 ところが、この種の解錠ピースを内設したコンパクト容
器は、可撓片の設計が困難であり、また中間部において
容器本体または蓋体に枢動可能に取りつけているため、
押すときのストロークがかなり必要となり、押す力が強
くなるとともに、解錠ピースでもってフックを無理にこ
じ開けるため、フックが摩耗されやすい。さらに押釦部
を蓋体上面に突出しているため、この押釦部で引っ掛か
りやすく、包装も困難になるなどの難点がある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は係る現状に鑑み種々検討を行った結果なされた
もので、容器本体に常時開放付勢して取りつけられた蓋
体の先端部に空所を設け、この空所に蓋体の天面および
前面とそれぞれ同一平面の上面および側面を有する水平
壁と下垂壁とを有し、下垂壁内面にフックを設けた解錠
ボタンを傾動可能に枢支させ、解錠ボタンの水平壁下面
と、蓋体の空所内先端壁を下方および前方に屈曲させて
空所内に延設した受棚との間に弾性部材を介在させて、
解錠ボタンの水平壁後部の押圧によって、解錠ボタンの
フックと容器本体のフック掛合部との掛合を解除させる
ようにし、蓋体の先端部に付設した解錠ボタンを上方か
ら極めて小さなストロークで押圧するだけで、フックの
摩耗も少なくして、蓋体の開放が極めて容易に行えるよ
うにしたものである。また、特に、解錠ボタンを蓋体の
空所に枢支させて上から操作するようにしたことによっ
て、手にとってはもちろんのことテーブルなどの上にお
いた状態でも操作できるようにしたものである。

〔実施例〕

以下、本考案コンパクト容器の一実施例を示す図面に基
づいて説明する。

図において、１は容器本体であり、中央部に化粧料等を
収納する凹所２を設け、先端部にフック掛合凹所３を設
けて、掛合凹所３の壁面にフック掛合突起４が設けられ
ている。

５は容器本体１の後端壁にバネ６を介してピン7,7で開
閉自在に枢着された蓋体で、バネ６によって常時開放付
勢されている。

８は蓋体５の先端部に設けられた空所で、両側壁9,9の
下方に一対のストッパ10,10が突設され、蓋体５の空所
内先端壁を下方および前方に屈曲しさらに上方に屈曲し
て受棚11が空所８内に形成されている。

12は空所８内に内設された解錠ボタンで、蓋体５の天面
と同一平面の上面を有する水平壁13と、蓋体５の前面と
同一平面の側面を有する下垂壁14とを直交させて連接
し、下垂壁14の内面にフック15を設けて構成されてい
る。そして、この解錠ボタン12は、左右両側壁16,16の
先端上方隅角部に突設された一対の枢支軸17,17を、空
所８の両側壁9,9の先端上方隅角部に穿設された嵌挿孔1
8,18に嵌入して傾動自在に枢支され、下垂壁14の内面に
段部を形成して設けたストッパ面19を、両側壁9,9の下
方に突設された一対のストッパ10に当接させて、前方へ
の傾動が阻止されるようにしている。20は水平壁13と蓋
体５の受棚11との間に介在させた弾性部材で、ゴム、ゴ
ム管、発泡体などで形成され、解錠ボタン12の水平壁13
がこの弾性部材20に抗する力を、フック解錠時のバネ６
による蓋体５の開放力より弱くしている。

しかして、解錠ボタン12の水平壁13後部を下方に押圧す
ると、第３図に示すように、解錠ボタン12がの枢支軸1
7,17を支点として傾動して、水平壁13後部が弾性部材20
を押圧しながら下方に回動し、下垂壁14内面のフック15
と、容器本体１のフック掛合突起４との掛合が解除され
る。そして、このフック15とフック掛合突起４との掛合
解除により、バネ６により常時開放付勢されている蓋体
５は、第４図に示すように開かれる。このとき、解錠ボ
タン12の水平壁13が弾性部材20に抗する力が、フック解
錠時のバネ６の力による蓋体５の開放力より強いと、蓋
体５が開かれないが、解錠ボタン12の水平壁13が弾性部
材20に抗する力を、フック解錠時のバネ６の力による蓋
体５の開放力より弱くしているため蓋体５は容易に開か
れる。

蓋体５を閉じるときは、蓋体５とともに解錠ボタン12を
閉じれば、解錠ボタン12の下垂壁14に設けられたフック
15が、容器本体１のフック掛合部４に掛合され、容器本
体１に蓋体５が掛合閉蓋される。

21は、蓋体５の内面に取りつけられた鏡である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案のコンパクト容器にあって
は、容器本体に常時開放付勢して取りつけられた蓋体の
先端部に空所を設け、この空所に、蓋体の天面および前
面とそれぞれ同一平面の上面および側面を有する水平壁
と下垂壁とを有し、下垂壁内面にフックを設けた解錠ボ
タンを傾動可能に枢支させ、解錠ボタンの水平壁下面
と、蓋体の空所内先端壁を下方および前方に屈曲させて
空所内に延設した受棚との間に弾性部材を介在させて、
解錠ボタンの水平壁後部の押圧により解錠ボタンを傾動
して、解錠ボタンのフックと容器本体のフック掛合部と
の掛合を解除するようにしているため、上方から解錠ボ
タンを押圧するだけで蓋体を開くことができ、蓋体の開
放が極めて容易に行える。特に、解錠ボタンの水平壁後
部を下方に押圧し、水平壁後部を弾性部材を押圧して下
方に回動するだけで、蓋体の開放が行えるようにしてい
るため、解錠ボタンを押圧するときのストロークが小さ
くてよく、このため小さなストロークと小さな押圧力で
もって、蓋体を極めて容易に開くことができ、蓋体のフ
ックと容器本体の掛合突起との摩擦も小さく摩耗も少な
い。また、解錠ボタンを上から操作することができるよ
うにしたため、手にとってはもちろんのことテーブルな
どの上においた状態でも操作することができる。さら
に、蓋体を閉じるときは、蓋体の空所に枢支させた解錠
ボタンが自動的に揺動されて、容器本体に蓋体が掛合閉
蓋される。また蓋の厚みを小さくすることができて、コ
ンパクト容器全体を薄くすることができ、さらに解錠ボ
タンの上面を蓋体の天面と同一平面で露出し、解錠ボタ
ンの前面を蓋体の前面と同一平面で露出することができ
るため、外観がよく、包装も容易である。また構造が極
めて簡単であるため、安価なコストで容易に製造するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案コンパクト容器の一実施例を示す分解斜
視図、第２図は同蓋体を閉じたときの断面図、第３図は
同蓋体を開ける際の断面図、第４図は同蓋体を開けた状
態の断面図である。 １……容器本体、３……フック掛合凹所、４……掛合突
起、５……蓋体、６……バネ、８……空所、９……側
壁、10……ストッパ、11……受棚、12……解錠ボタン、
13……水平壁、14……下垂壁、15……フック、20……弾
性部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端部にフック掛合部を設けた容器本体の
   後端部に、蓋体をバネを介し常時開放付勢して開閉自在
   に取りつけ、蓋体の先端部に設けた空所に、蓋体の天面
   および前面とそれぞれ同一平面の上面および側面を有す
   る水平壁と下垂壁とを有し、下垂壁内面にフックを設け
   た解錠ボタンを、傾動可能に枢支させるとともに、蓋体
   の空所両側面に解錠ボタンの内方への回動を阻止するス
   トッパを付設し、解錠ボタンの水平壁下面と、蓋体の空
   所内先端壁を下方および前方に屈曲させて空所内に延設
   した受棚との間に弾性部材を介在させて、解錠ボタンの
   水平壁が弾性部材に抗する力を、フック解錠時のバネ力
   による蓋体開放力より弱くし、解錠ボタンの水平壁後部
   の押圧により解錠ボタンを傾動して、解錠ボタンのフッ
   クと容器本体のフック掛合部との掛合を解除することを
   特徴とするコンパクト容器。