JPH07219238A - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

Info

Publication number
JPH07219238A
JPH07219238A JP3410294A JP3410294A JPH07219238A JP H07219238 A JPH07219238 A JP H07219238A JP 3410294 A JP3410294 A JP 3410294A JP 3410294 A JP3410294 A JP 3410294A JP H07219238 A JPH07219238 A JP H07219238A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
photosensitive
printing plate
resin
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3410294A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Matsubara
真一 松原
Ryoji Hattori
良司 服部
Hideyuki Nakai
英之 中井
Mitsuru Sasaki
充 佐々木
Katsuko Ota
勝子 太田
Fumiyuki Matsuo
史之 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Konica Minolta Inc filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP3410294A priority Critical patent/JPH07219238A/ja
Publication of JPH07219238A publication Critical patent/JPH07219238A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、現像処理時における手の腐食
や失明等の取扱い時の危険性と、廃棄時・廃液処理性が
改善された感光性平版印刷版の処理方法を提供すること
にある。 【構成】本発明は、カルボキシル基を含有する芳香族
化合物を構造単位中に含む縮合樹脂を含有する感光層を
支持体上に有すると共に該感光層表面にマット層が形成
されている感光性平版印刷版、又はフェノール性OH
基を2つ以上含有する芳香族化合物を構造単位中に含む
縮合樹脂を含有する感光層を支持体上に有すると共に該
感光層表面にマット層が形成されている感光性平版印刷
版、を実質的に溶剤を含有しないpH12以下の水系ア
ルカリ現像液で現像することを特徴とする感光性平版印
刷版の処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版の処理
方法に関するものであり、詳しくは、現像処理時におけ
る手の腐食や失明等の取扱い時の危険性と、廃棄時の廃
液処理性が改善されたポジ型の感光性平版印刷版の処理
方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】従来、ポジ型感光性平版印刷版(以下ポ
ジ型PS版)の現像処理には、珪酸塩を含有するアルカ
リ水溶液が使用されており、そのpHはポジ型PS版の
バインダー樹脂(一般にはクレゾールノボラック)の性
質から12.5以上の高pHの現像液が用いられてい
る。しかしながら、高pHの現像液を用いると、仕込み
や廃棄時に手に触れたり目に入ったりする危険性等、作
業安全性上の問題があり、また廃液処理も困難であると
いう問題があった。更に、現像液のpHが高いため支持
体のアルミニウムを腐食し易く、そのため長時間に亘る
多数枚処理時に沈澱が発生しやすいという欠点があっ
た。
【0003】尚、バインダー樹脂としては、多価フェノ
ール且つカルボキシル基含有バインダー(特開昭58−
134631号)と多価フェノールバインダー(特開昭
57−101833号、同57−101834号)が公
知だが、現像性、耐薬性、感度、階調性が悪いものであ
り、高pH現像液での現像しか知られていなかった。
【0004】一方、従来、露光時の真空密着性を高める
ために感光性平版印刷版の表面に、現像時に溶解するマ
ット層を設ける(特開昭50−125805号)、固体
粉末をパウダリングして熱融着させる(特開昭55−1
2974号)、樹脂の水溶液又は分散液をスプレーし乾
燥させる(特開昭57−34558号)等の方法により
マット層を設けることが行われている。
【0005】そこで、前記した環境に対する社会の要求
から溶剤を含有していないpH12以下の現像液でこれ
らのマット層を設けた従来技術を現像することを試みた
ところ、感度が低くなり、点減りが小さいという問題が
あった(点減りが小さいと印刷時にインキを盛ることが
できず高品質な印刷物を得ることができない)。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明は現像処理時における手
の腐食や失明等の取扱い時の危険性と、廃棄時・廃液処
理性が改善された感光性平版印刷版の処理方法を提供す
ることを第1の目的とする。本発明の第2の目的は、点
減りが良好で且つ感度の高い感光性平版印刷版の処理方
法を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】本発明の上記目的は、 1.カルボキシル基を含有する芳香族化合物を構造単位
中に含む縮合樹脂を含有する感光層を支持体上に有する
と共に該感光層表面にマット層が形成されている感光性
平版印刷版を、実質的に溶剤を含有しないpH12以下
の水系アルカリ現像液で現像することを特徴とする感光
性平版印刷版の処理方法、 2.フェノール性OH基を2つ以上含有する芳香族化合
物を構造単位中に含む縮合樹脂を含有する感光層を支持
体上に有すると共に該感光層表面にマット層が形成され
ている感光性平版印刷版を、実質的に溶剤を含有しない
pH12以下の水系アルカリ現像液で現像することを特
徴とする感光性平版印刷版の処理方法、により各々達成
される。
【0008】
【発明の具体的構成】以下、本発明について詳説する。
従来、珪酸塩を含有するpH12.5以上の現像液が使
われているポジ型PS版の現像処理には、仕込みや廃棄
時に手に触れたり、目に入ったりする作業安全上の問題
や廃棄処理もしにくいといった問題があり、また、現像
液が高pHであり珪酸塩を含むために、支持体のアルミ
ニウムを腐食し易く、長時間多数枚使用時に沈澱が発生
しやすいという欠点があり、且つ従来のポジ型PS版を
低pHの現像液で現像すると、感光層の低アルカリ現像
液に対する溶解性が低いため、現像性に劣るという欠点
があったが、本発明では、これら欠点ないし不都合を解
消した。
【0009】特に、本発明のバインダーを用いた感光層
表面に水溶性のマット層を設けると、ハレーション効果
により点減りが大きくなり、また感度が高くなる。ま
た、水溶性の樹脂が現像液にとけ込んでいくことによ
り、現像で溶け出した感光層成分の不溶化による沈殿が
小さくなることが判明した(従来pH12以下の現像液
で現像させていくと沈殿が生じ印刷時に汚れが生じるこ
とが多かった。)。
【0010】以下に本発明の感光性平版印刷版を更に詳
細に説明する。本発明において用いられる支持体として
は、通常の平版印刷版にセットできるたわみ性と印刷時
に加わる荷重に耐えるものが好ましく、例えばアルミニ
ウム、マグネシウム、亜鉛、クロム、鉄、銅、ニッケル
等の金属板、及びこれらの金属の合金板等が挙げられ、
更にはクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム及び
鉄等がメッキまたは蒸着によって被覆されている金属板
でもよい。これらのうち好ましい支持体は、アルミニウ
ムまたはその合金である。
【0011】本発明に用いられる支持体には、この技術
分野において通常使用されている脱脂処理、砂目立て処
理及び陽極酸化処理等が施されるが、少なくとも砂目立
て処理及び陽極酸化処理がこの順で行われた支持体を用
いることが好ましい。
【0012】尚、上記陽極酸化処理後に、親水性を高め
るための後処理を行うことが好ましい。この後処理とし
ては、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ア
ラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルホスホ
ン酸、フィチン酸、アミノ酸等の親水性化合物の水溶液
や熱水による親水化処理が施されることが好ましい。
【0013】アルミニウム表面の圧延油を除去するため
の脱脂処理としてはトリクレン、シンナー等による溶剤
脱脂、ケロシンとトリエタノール等によるエマルジョン
脱脂等がある。また、脱脂のみでは除去できない汚れや
自然酸化皮膜を除去するために、濃度1〜10%の苛性
ソーダ等のアルカリ溶液に、20〜70℃で5秒〜10
分浸漬し、次いで濃度10〜20%の硝酸または硫酸等
の酸性溶液に10〜50℃で5秒〜5分浸漬し、アルカ
リエッチング後の中和及びスマットの除去を行う方法等
が挙げられる。
【0014】感光層との密着性を良好にし、かつ保水性
を改善するために行われる砂目立て処理方法としては、
機械的に表面を粗面化する、いわゆる機械的粗面化法
と、電気化学的に表面を粗面化する、いわゆる電気化学
的粗面化法がある。機械的粗面化法には例えばボール研
磨、ブラシ研磨、ブラスト研磨、バフ研磨等の方法があ
る。また電気化学的粗面化法には、例えば塩酸または硝
酸等を含む電解液中で交流或いは直流によって支持体を
電解処理する方法等がある。この内のいずれか1つ、も
しくは2つ以上の方法を併用することにより、支持体を
砂目立てすることができる。
【0015】前述のような砂目立て処理して得られた支
持体の表面には、スマットが生成しているので、このス
マットを除去するために適宜水洗あるいはアルカリエッ
チング等の処理を行うことが一般に好ましい。このよう
な処理としては、例えば特公昭48−28123号公報
に記載されているアルカリエッチング法や特開昭53−
12739号公報に記載されている硫酸デスマット法等
の処理方法が挙げられる。
【0016】本発明に用いられる支持体には、通常、耐
摩耗性、耐薬品性、保水性を向上させるために、陽極酸
化によって酸化被膜を形成させる。この陽極酸化では一
般的に、硫酸および/またはリン酸等を10〜50%の
濃度で含む水溶液を電解液として電流密度1〜10A/
dmで電解する方法が好ましく用いられるが、他に米
国特許第1,412,768号明細書に記載されている
硫酸中で高電流密度で電解する方法や米国特許第3,5
11,661号明細書に記載されている燐酸を用いて電
解する方法等がある。
【0017】上記支持体上に感光性組成物からなる感光
層を塗布することにより本発明処理に用いられる感光性
平版印刷版が得られる。そこで、本発明に好ましく用い
られる感光性組成物について説明する。本発明のカルボ
キシル基を含有する芳香族化合物は、少なくとも1つの
カルボキシル基を置換した芳香族環を分子中に含むもの
である。そして上記の芳香族環としては好ましくはアリ
ール基例えばフェニル基、ナフチル基を挙げることがで
きる。また前記のカルボキシル基は芳香族間に直接結合
してもよく、ジョイントを介して結合してもよい。本発
明においては、芳香族化合物中に含まれるカルボキシル
基の数としては、より好ましくは1または2である。さ
らに前記のジョイントしては例えば炭素数1〜4のアル
キレン基を挙げることができる。
【0018】前記の芳香族化合物はアルデヒド類または
ケトン類と縮合するためには、少なくとも1つのヒドロ
キシル基で置換された1つ以上のアリール基の芳香族環
上に少なくとも2つの非置換部位を有することが必要で
ある。
【0019】本発明に利用される分子中にカルボキシル
基を有する芳香族化合物の例としては、サリチル酸、4
−メチルサリチル酸、6−メチルサリチル酸、4−エチ
ルサリチル酸、6−プロピルサリチル酸、6−ラウリル
サリチル酸、6−ステアリルサリチル酸、4,6−ジメ
チルサリチル酸、p−オキシ安息香酸、6−メチル−4
−オキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−オキシ安息
香酸、2,4−ジオキシ安息香酸、2,4−ジオキシ−
6−メチル安息香酸、2,6−ジオキシ安息香酸、2,
6−ジオキシ−4−メチル安息香酸、4−クロロ−2,
6−ジオキシ安息香酸、4−メトキシ−2,6−ジオキ
シ安息香酸、没食子酸、フロログルシンカルボン酸、
2,4,5−トリオキシ安息香酸、m−ガロイル没食子
酸、タンニン酸、m−ベンゾイル没食子酸、m−(p
−)トルイル没食子酸、プロトカテクオイル−没食子
酸、4,6−ジオキシフタル酸、(2,4−ジオキシフ
ェニル)酢酸、(2,6−ジオキシフェニル)酢酸、
(3,4,5−トリオキシフェニル)酢酸等であり、こ
の内特に好ましくは、没食子酸タンニン類、m−ガロイ
ル没食子酸およびフロログルシンカルボン酸である。
【0020】アルデヒド類又はケトン類としては、アセ
トアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトン、ベンズアルデヒド、4−
メチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒ
ド、4−tert−ブチルベンズアルデヒド、アセトフ
ェノン、4−メチルアセトフェノン、ベンゾフェノン、
4−メチルベンゾフェノン、4,4′−ジメチルベンゾ
フェノン等であり、この内特に好ましくはアセトアルデ
ヒド、アセトン及びベンズアルデヒドである。
【0021】またこれら分子中にカルボキシル基を有す
る芳香族化合物及びアルデヒド類またはケトン類は相互
に組み合わせ自由であり、更に2種以上を混ぜて共縮合
することも可能である。またカルボキシル基を有しない
共縮合可能なフェノール類と共縮合してもよく、その例
としてはm−クレゾール、p−クレゾールの如き置換フ
ェノール、レゾルシン、ピロガロール等が挙げられる。
この場合カルボキシル基を有する芳香族化合物とアルデ
ヒド類またはケトン類との縮合単位の仕込み比は、全組
成の10モル%以上が適当であり、好ましくは30モル
%以上含まれるのがよい。
【0022】本発明に使用されるカルボキシル基含有の
芳香族化合物とアルデヒド類またはケトン類との縮合単
位を含む縮合型樹脂の例としては、サリチル酸−ホルム
アルデヒド樹脂、サリチル酸−m−クレゾール−ホルム
アルデヒド樹脂、4−メチルサリチル酸−ホルムアルデ
ヒド樹脂、6−プロピルサリチル酸−フェノールホルム
アルデヒド樹脂、4,6−ジメチルサリチル酸−アセト
アルデヒド樹脂、p−オキシ安息香酸−レゾルシン−ベ
ンズアルデヒド樹脂、2−メチル−4−オキシ安息香酸
−ホルムアルデヒド樹脂、2,6−ジメチル−4−オキ
シ安息香酸−アセトアルデヒド樹脂、2,4−ジオキシ
安息香酸−p−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、
2,6−ジオキシ安息香酸−ブチルアルデヒド樹脂、4
−クロロ−2,6−ジオキシ安息香酸−m−クレゾール
−ホルムアルデヒド樹脂、4−メトキシ−2,6−ジオ
キシ安息香酸−ホルムアルデヒド樹脂、没食子酸−ホル
ムアルデヒド樹脂、没食子酸−レゾルシン−ホルムアル
デヒド樹脂、フロログルシンカルボン酸−ベンズアルデ
ヒド樹脂、フロログルシンカルボン酸−アセトン樹脂、
フロログルシンカルボン酸−レゾルシン−ベンゾフェノ
ン樹脂、2,4,5−トリオキシ安息香酸−フルフラー
ル樹脂、ガロイル没食子酸−ピロガロール−p−ニトロ
ベンズアルデヒド樹脂、タンニン酸−レゾルシン−アル
デヒド樹脂、タンニン酸−m−クレゾール−アルデヒド
樹脂、タンニン酸−p−オキシ安息香酸−レゾルシン−
ホルムアルデヒド樹脂、4,6−ジオキシフタル酸−レ
ゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、(2,4−ジオキシ
フェニル)酢酸−プロピオンアルデヒド樹脂、(3,
4,5−トリオキシフェニル)酢酸−m−クレゾール−
ホルムアルデヒド樹脂、ピロガロールアセトン樹脂等が
あり、この内特に好ましくは、没食子酸−ホルムアルデ
ヒド樹脂、タンニン酸−レゾルシン−ホルムアルデヒド
樹脂、及びフロログルシンカルボン酸−ベンズアルデヒ
ド樹脂である。
【0023】本発明に使用される上記樹脂は一般に次の
ようにして合成される。すなわち、上記カルボキシル基
含有芳香族化合物と上記アルデヒド類またはケトン類を
無溶媒、もしくはアルコール、ジオキサン等の溶媒に溶
解し、塩酸、シュウ酸等の酸または水酸化ナトリウム、
アンモニア水等のアルカリを触媒として、アルデヒド類
またはケトン類の量を、カルボキシル基含有芳香族化合
物1モル部に対し、0.50〜2.0モル部を用いて縮
合させることにより目的の樹脂が得られる。この際、各
単量体の仕込みモル比及び縮合条件を種々変えることに
よりその分子量は任意の値として得ることができるが、
本発明の目的とする使途に有効に供するためには分子量
が約400〜10000のものが使用されるが、好まし
くは、600〜4000のものが適当である。次に本発
明に係る縮合型樹脂の代表的な合成例を示す。
【0024】合成例1 没食子酸128g(0.75モル)及びレゾルシン2
7.5g(0.25モル)をエタノール500mlに溶
解し、次にホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶
液)122g(1.5モル)、触媒として35%濃塩酸
0.5mlを加えた。混合物を攪拌しながら油浴中で加
熱し、反応混合物が反応熱による発熱で沸騰還流を始め
たら、加熱を少し弱め、そのまま更に2時間半加熱還流
を続けた。反応後、反応混合物を攪拌しながら冷水2リ
ットル中に注入すると、淡褐色の粉末状の没食子酸−レ
ゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂が得られた。収量15
0g、分子量約1600。
【0025】合成例2 没食子酸170g(1モル)をエタノール300ml及
びホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)162
g(2モル)に加熱溶解した後に、混合物に触媒として
35%濃塩酸0.5mlを加え、加熱攪拌下4時間半沸
騰還流を続けた。反応後、反応混合物を攪拌しながら冷
水2リットル中に注入すると、白色の粉末状の没食子酸
−ホルムアルデヒド樹脂が得られた。収量110g、分
子量約1200。
【0026】合成例3 m−ガロイル没食子酸215g(0.67モル)及びレ
ゾルシン37g(0.33モル)を、ジオキサン1リッ
トル及びホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)
122g(1.5モル)に攪拌溶解した後に、触媒とし
て35%濃塩酸0.5mlを加え、135〜145℃の
油浴中で攪拌下2.5時間加熱還流を続けた。反応後、
反応混合物を攪拌しながら冷水2リットル中に注入する
と、淡褐色の粉末状のm−ガロイル没食子酸−レゾルシ
ン−ホルムアルデヒド樹脂が得られた。収量237g、
分子量約2100。
【0027】合成例4 フロログルシンカルボン酸170g(1モル)及びベン
ズアルデヒド106g(1モル)をジオキサン500m
lに攪拌溶解し、次に触媒としてオキシ塩化燐15gを
加え、室温にて24時間攪拌した。反応後、混合物を冷
水2リットル中に攪拌しながら注入すると、淡褐色の粉
末状のフロログルシンカルボン酸−ベンズアルデヒド樹
脂が得られた。収量248g、分子量約1800。
【0028】合成例5 2,4−ジオキシ安息香酸116g(0.75モル)及
びレゾルシン27.5g(0.25モル)を、アセトン
500mlに溶解し、次いで触媒として35%濃塩酸1
mlを加えた。混合物を攪拌しながら油浴中で15時間
沸騰還流を続けた。反応後、反応混合物を攪拌しながら
冷水2リットル中に注入すると、淡褐色の粉末状の2,
4−ジオキシ安息香酸−レゾルシン樹脂が得られた。収
量146g、分子量約1700。
【0029】なお、他の縮合型樹脂もこれらの合成例と
同様にして合成される。
【0030】本発明の縮合型樹脂をo−キノンジアジド
化合物と混合して使用する際は、樹脂は全感光性組成物
に対し約30〜95重量%が適当であり、より好ましく
は50〜90重量%である。
【0031】次に、2つ以上のフェノール性ヒドロキシ
ル基を含有する芳香族化合物とアルデヒド類またはケト
ン類との縮合単位を含む縮合型樹脂について説明する。
2つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を含有する芳香
族化合物としては、レゾルシン、2−メチルレゾルシ
ン、5−メチルレゾルシン、2−エチルレゾルシン、5
−エチルレゾルシン、2−プロピルレゾルシン、2−イ
ソプロピルレゾルシン、2−t−ブチルレゾルシン、5
−t−ブチルレゾルシン、2−ペンチルレゾルシン、2
−ヘキシルレゾルシン、2−オクチルレゾルシン、5−
クロルレゾルシン、5−メトキシレゾルシン、2−メチ
ル−5−クロルレゾルシン、2−エチル−5−クロルレ
ゾルシン、2,5−ジメチルレゾルシン、2−メチル−
5−エチルレゾルシン、2−メチル−5−メトキシレゾ
ルシン、2,5−ジエチルレゾルシン、2−t−ブチル
−メチルレゾルシン、ピロガロール、5−クロルピロガ
ロール、5−メトキシピロガロール、5−メチルピロガ
ロール、5−エチルピロガロールおよび5−t−ブチル
−ピロガロール等であり、このうち特に好ましくはレゾ
ルシン、2−メチルレゾルシンおよび2−エチルレゾル
シンである。
【0032】アルデヒド類またはケトン類としては、ア
セトアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン、ベンズアルデヒド、4
−メチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒ
ド、4−t−ブチルベンズアルデヒド、アセトフェノ
ン、4−メチルアセトフェノン、ベンゾフェノン、4−
メチルベンゾフェノン、4,4´−ジメチルベンゾフェ
ノン等であり、このうち特に好ましくはアセトアルデヒ
ド、アセトン、およびベンズアルデヒドである。
【0033】これらの2つ以上のフェノール性ヒドロキ
シル基を含有する芳香族化合物類及びアルデヒド・ケト
ン類は相互に組み合わせ自由であり、さらに2種以上混
ぜて共重縮合することも可能である。また、フェノー
ル、p−置換フェノール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール等との共重縮合も可能であり、この場合、本発明の
前記縮合単位の仕込みモル比は全組成の20モル%以上
が適当であり、好ましく40モル%以上含まれるのがよ
い。さらに本発明の縮合型樹脂を2種以上混合して使用
することも可能である。
【0034】本発明の縮合型樹脂の合成法は、特公昭6
3−13528号、同63−325号に記載されてい
る。すなわち、上記2つ以上のフェノール性ヒドロキシ
ル基を含有する芳香族化合物と上記アルデヒドまたはケ
トン類を単独、もしくはアルコール等の溶媒に溶解し、
塩酸・蓚酸等の酸または水酸化ナトリウム・アンモニア
水等のアルカリを触媒として、アルデヒドまたはケトン
類の量を2つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を含有
する芳香族化合物1モル部に対し0.85〜1.0モル
部を用いて縮合させることにより目的の縮合型樹脂が得
られる。この際、各単量体の仕込みモル比及び縮合条件
を種々変えることによりその分子量は任意の値として得
ることができるが、本発明の目的とする用途に有効に供
するためには分子量が約600から10000のものが
使用可能であるが、好ましくは約800から4000の
ものが適当である。
【0035】本発明に使用する縮合型樹脂の代表的な合
成例を示す。 合成例6 レゾルシン550gをエタノール1リットルに溶解し、
次にベンズアルデヒド530g、触媒として35%濃塩
酸0.5mlを加えた。混合物をかき混ぜながら90分
間加熱還流し、反応後、反応混合物を冷水5リットル中
に注入すると、淡褐色の粉末状の樹脂が得られた。収量
945g、分子量約1400。
【0036】合成例7 2−メチルレゾルシン621gをアセトン1リットルに
溶解し、次に触媒としてオキシ塩化燐30gを加え、室
温にて24時間攪拌した。反応後、混合物を冷水10リ
ットル中に注入し、淡褐色粉末状の樹脂が得られた。収
量656g、分子量約2000。
【0037】合成例8 2−エチルレゾルシン629gをジオキサン1リットル
に溶解し、次にベンズアルデヒド530g、触媒として
オキシ塩化燐30gを加えた。混合物は室温にて24時
間攪拌した後、冷水5リットル中に攪拌しながら注入し
た。淡褐色の粉末状の樹脂が得られた。収量1073
g、分子量約2000。
【0038】合成例9 レゾルシン550gをジオキサン1リットルに溶解し、
次にアセトフェノン600g、触媒として35%濃塩酸
0.5mlを加えた。混合物を3時間加熱攪拌、冷水5
リットル中に攪拌しながら注入する。淡褐色粉末状の樹
脂が得られた。収量671g、分子量約2100。上記
の分子量は重量平均分子量である。なお、他の縮合型樹
脂も、これらの合成例と同様にして得られる。
【0039】本発明のフェノール樹脂をo−キノンジア
ジド化合物と混合して使用する際は、樹脂は全感光性組
成物に対し約1〜80重量%が適当であり、より好まし
くは2〜50重量%である。本発明の感光層中に用いら
れる感光性物質は、上記の他は特に限定されるものでは
なく、通常、感光性平版印刷版に用いられている、例え
ば下記のような各種のものが使用される。
【0040】o−キノンジアジド化合物を含む感光性組
成物 本発明において使用されるo−キノンジアジド化合物を
含む感光性組成物においては、o−キノンジアジド化合
物とアルカリ可溶性樹脂を併用することが好ましい。o
−キノンジアジド化合物としては、前記の通り、例えば
o−ナフトキノンジアジドスルホン酸と、フェノール類
及びアルデヒドまたはケトンの重縮合樹脂とのエステル
化合物が挙げられる。
【0041】前記フェノール類としては、前記のものが
挙げられる。
【0042】前記重縮合樹脂の具体的な例としては、前
記の他、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレ
ゾール・ホルムアルデヒド樹脂、m−、p−混合クレゾ
ール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアル
デヒド樹脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が挙げられ
る。更にo−キノンジアジド化合物としては特開昭58
−43451号公報に記載のある以下の化合物も使用で
きる。即ち、例えば1,2−ベンゾキノンジアジドスル
ホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジドスルホ
ン酸エステル、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン
酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ア
ミドなどの公知の1,2−キノンジアジド化合物、更に
具体的にはジェイ・コサール(J.Kosar)著「ラ
イト−センシティブ・システムズ」(Light−Se
nsitive Systems)第339〜352頁
(1965年)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ
(John Willey &Sons)社(ニューヨ
ーク)やダブリュ・エス・ディ・フォレスト(W.S.
De Forest)著「フォトレジスト」(Phot
oresist)第50巻(1975年)、マックロー
ヒル(Mc Graw Hill)社(ニューヨーク)
に記載されている1,2−ベンゾキノンジアジド−4−
スルホン酸フェニルエステル、1,2,1´,2´−ジ
−(ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル)−ジヒド
ロキシビフェニル、1,2−ベンゾキノンジアジド−4
−(N−エチル−M−β−ナフチル)−スルホンアミ
ド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸シ
クロヘキシルエステル、1−(1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホニル)−3,5−ジメチルピラゾー
ル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン−4
´−ヒドロキシジフェニル−4´−アゾ−β−ナフトー
ル−エステル、N,N−ジ−(1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホニル)−アニリン、2´−(1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルオキシ)−1
−ヒドロキシ−アントラキノン、1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホン−2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノンエステル、1,2−ナフトキノノジアジド−5
−スルホン酸−2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェ
ノンエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホン酸クロリド2モルと4,4´−ジアミノベンゾフ
ェノン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホン酸クロリド2モルと4,4´−ジヒド
ロキシ−1,1´−ジフェニルスルホン1モルとの縮合
物、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸ク
ロリド1モルとプルプロガリン1モルとの縮合物、1,
2−ナフトキノンジアジド−5−(N−ジヒドロアビエ
チル)−スルホンアミド等の1,2−キノンジアジド化
合物を例示することができる。また、特公昭37−19
53号、同37−3627号、同37−13109号、
同40−26126号、同40−3801号、同45−
5604号、同45−27345号、同51−1301
3号、特開昭48−96575号、同48−63802
号、同48−63803号各公報に記載された1,2−
キノンジアジド化合物も挙げることができる。
【0043】上記o−キノンジアジド化合物の感光性組
成物中に占める割合は、6〜60重量%が好ましく、特
に好ましいのは、10〜50重量%である。アルカリ可
溶性樹脂としては、前記の他、ノボラック樹脂、フェノ
ール性水酸基を有するビニル系重合体、特開昭55−5
7841号公報に記載されている多価フェノールとアル
デヒド又はケトンとの縮合樹脂等が挙げられる。
【0044】本発明に使用されるノボラック樹脂として
は、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾ
ール・ホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841
号公報に記載されているようなフェノール・クレゾール
・ホルムアルデヒド共重合体樹脂、特開昭55−127
553号公報に記載されているようなp−置換フェノー
ルとフェノールもしくは、クレゾールとホルムアルデヒ
ドとの共重合体樹脂等が挙げられる。
【0045】感光性組成物には、露光より可視画像を形
成させるプリントアウト材料を添加することができる。
プリントアウト材料は露光により酸もしくは遊離基を生
成する化合物と相互作用することによってその色調を変
える有機染料よりなるもので、露光により酸もしくは遊
離基を生成する化合物としては、例えば特開昭50−3
6209号公報に記載のo−ナフトキノンジアジド−4
−スルホン酸ハロゲニド、特開昭53−36223号公
報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−ス
ルホン酸クロライドと電子吸引性置換基を有するフェノ
ール類、またはアニリン酸とのエステル化合物またはア
ミド化合物、特開昭55−77742号公報、特開昭5
7−148784号公報等に記載のハロメチルビニルオ
キサジアゾール化合物及びジアゾニウム塩等が挙げられ
る。
【0046】また前記の有機染料としては、ビクトリア
ピュアーブルーBOH(保土谷化学社製)、パテントピ
ュアーブルー(住友三国化学社製)、オイルブルー#6
03(オリエント化学工業社製)、スーダンブルーII
(BASF社製)、クリスタルバイオレット、マラカイ
トグリーン、フクシン、メチルバイオレット、エチルバ
イオレット、メチルオレンジ、ブリリアントグリーン、
コンゴーレッド、エオシン、ローダミン66等を挙げる
ことができる。また感光性組成物には、上記の素材の
他、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、有機酸、酸無水
物などを添加することができる。
【0047】更に本発明に用いられる感光性組成物に
は、該感光性組成物の感脂性を向上するために例えば、
p−tert−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂
やp−n−オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂
や、あるいはこれらの樹脂がo−キノンジアジド化合物
で部分的にエステル化されている樹脂などを添加するこ
ともできる。
【0048】上記感光性成組成物の各成分を下記の溶媒
に溶解させ、支持体表面に塗布乾燥させることにより、
感光層を設けて、本発明の感光性平版印刷版を製造する
ことができる。
【0049】本発明に用いられる感光性組成物を溶解す
る際に使用し得る溶媒としては、メチルセロソルブ、メ
チルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチル
セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル、プロピレングリコール、プロピレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジカル
ボン酸メチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル
エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチ
ル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エ
チル、酪酸メチル、酪酸エチル、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘ
キサノン、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、
γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒は、
単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0050】感光性組成物を支持体表面に塗布する際に
用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回
転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイ
フ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等
が用いられる。この際塗布量は用途により異なるが、例
えば固形分として0.05〜5.0g/mの塗布量が
好ましい。
【0051】上述した感光層表面に形成するマット層の
マット剤について説明する。本発明で用いられるマット
剤(固体粒子)としては、ポリエチレン粒子、ポリプロ
ピレン粒子、エチレン−プロピレン共重合粒子、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合粒子、ポリエチレンテレフタレー
ト粒子、架橋されたビニル重合体粒子、二酸化ケイ素
(例えばコロイダルシリカ)、ケイソウ土、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化ジルコニウム、ガラス、アルミナ、デ
キストリン、デンプン(例えばライススターチ)、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、多糖脂肪酸エ
ステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニリデンクロリド、ポ
リエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アルキ
ルエステル、ポリスチレンおよびポリスチレン誘導体な
らびにこれらの重合体の単量体を用いた共重合体、ポリ
ビニルメチルエーテル、エポキシ樹脂、可融性フェノー
ル樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール等が挙げら
れる。
【0052】本発明では、上記固体粒子から適宜選択し
て用いられ、これらの粒子は、単独でも2種以上混合さ
れて用いられてもよい。
【0053】上記固体粒子を水溶性樹脂、ゼラチン等の
水溶性物質からなるマット層に固着させる方法として
は、特に限定されず、例えば、固体粒子をマット層塗布
液に混入させてもよいし、粉体塗布法、流動浸漬法、静
電粉体吹き付け法、静電流動浸漬法等の方法によりマッ
ト層に均一にパウダリングし、熱風または赤外線ヒータ
ー等の熱源を用いて50〜130℃に加温された炉内に
入れるか、加熱ロールを介して粒子を融解させる方法等
を採用してもよい。このとき一部の粒子同士は一体化す
ることもあるが、マット層に固着された粒子は感光性平
版印刷版には何ら悪影響を及ぼすことはない。
【0054】尚、熱融着法については特開昭55−12
974号を、分散液スプレー法については特開昭57−
34558号を各々参照できる。
【0055】上記マット剤は種々の方法で感光層表面に
設けた際に、1mm当り1〜500個程度あるのが好
ましく、5〜200個あるのがさらに好ましい。また個
々のマット粒子は高さ0.5〜20μm、径が20〜3
00μmのものが好ましい。
【0056】コロイダルシリカ等の固体粒子を含むマッ
ト層を設ける方法としては、前記の中でも、コロイダル
シリカ等の固体粒子の液滴を静電的に付着乾燥させる方
法が最適な例として挙げられる。
【0057】コロイダルシリカ等の固体粒子の液中に水
溶性バインダー(結着剤)、例えば、アクリル酸エステ
ルとアクリル酸またはメタクリル酸の共重合体;スチレ
ン、アクリル酸エステル、アクリル酸またはメタクリル
酸の共重合体;アクリル酸エステル、スチレン、アクリ
ロニトリルなどとアクリル酸またはメタクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸などの共重合体;ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドンなどのビ
ニル系ポリマー等の水溶性樹脂を混合させ、かかる樹脂
バインダーを含む塗布液によってマット層を塗設でき
る。塗設方法は、前記感光層の塗布方法を参照できる。
【0058】本発明におけるコロイダルシリカ等の固体
粒子を有するマット層の厚みは、限定的ではないが、
0.0005〜2μmが好ましく、より好ましくは0.
001〜1μmである。
【0059】本発明における固体粒子のマット層におけ
る付量は、好ましくは0.001〜2g/m、特に好
ましくは0.01〜1.5g/mである。
【0060】また、感光層への適性を付与するために、
アニオン活性剤、有機カルボン酸類、亜硫酸塩等を添加
することもできる。
【0061】こうして得られた感光性平版印刷版の使用
に際しては、従来から常用されている方法を適用するこ
とができ、例えば線画像、網点画像などを有する透明原
画を感光面に密着して露光し、次いでこれを適当な現像
液を用いて非画像部の感光性層を除去することによりレ
リーフ像が得られる。露光に好適な光源としては、水銀
灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカル
ランプ、カーボンアーク灯などが使用され、そして現像
に使用される現像液としては、以下のものがある。
【0062】次に、本発明の処理方法に用いる水系アル
カリ現像液について説明する。
【0063】本発明に用いられる水系アルカリ現像液と
は、水を主たる溶媒とするアルカリ性の現像液である。
【0064】本発明に用いられる現像液はアルカリ剤と
してケイ酸アルカリを含有する。ケイ酸アルカリとして
は例えばケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ
酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、ケイ酸アンモニウ
ム等が挙げられる。ケイ酸アルカリの現像液中の含有量
は酸化ケイ素(SiO)濃度として使用時の現像液の
総重量に対して0.1〜5重量%が好適であり、好まし
くは0.3〜2重量%である。本発明に用いられる現像
液にはケイ酸アルカリ特にケイ酸カリウム等のカリウム
塩を用いることが現像液中に沈澱物を生じにくいという
点から好ましい。
【0065】本発明に用いられる現像液にはケイ酸アル
カリ以外のアルカリ剤を併用することができ、例えば水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、第三リン酸ナトリウ
ム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第二
リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸
アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸アンモニウムなどのような無機アルカ
リ剤、モノ、ジ又はトリエタノールアミン及び水酸化テ
トラアルキルのような有機アルカリ剤を併用することが
できる。
【0066】本発明に用いられる現像液のpHは12以
下であり、より好ましくは10以上12以下、更に好ま
しくは11以上12以下である。pHが12を越えると
アルミニウム支持体裏面のヤラレ、PS版の画像部が侵
される、沈殿が生じる等の問題がある。
【0067】本発明に用いられる現像液には、必要に応
じて界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性
剤としては、ノニオン、カチオン、アニオン、両性のい
ずれでもよいが、好ましくはノニオン界面活性剤又はア
ニオン界面活性剤であり、より好ましくはノニオン界面
活性剤である。
【0068】ノニオン界面活性剤には、ポリエチレング
リコール型と多価アルコール型があるが、どちらも使用
できる。現像性能の点からはポリエチレングリコール型
のノニオン界面活性剤が好ましく、その中でもエチレン
オキシ基(−CHCHO−)を3以上有し、かつH
LB値(HLBはHydrophile−Lipoph
ile Balanceの略)が5以上(より好ましく
は8〜20、更に好ましくは15〜20)のノニオン界
面活性剤がより好ましい。また、ノニオン界面活性剤の
うち、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の両者を
有するものが特に好ましく、そのなかでHLB値が8以
上のものがより好ましい。
【0069】ノニオン界面活性剤の好ましい例として下
記一般式[1]〜[8]で表される化合物が挙げられ
る。 [1]R−O−(CHCHO)nH
【0070】
【化1】
【0071】[6]HO(CO)a−(C
O)b−(CO)cH
【0072】
【化2】
【0073】[8]HO−(CHCHO)nH
【0074】[1]〜[8]式において、Rは水素原子
又は1価の有機基を表す。該有機基としては、例えば直
鎖もしくは分岐の炭素数1〜30の、置換基{例えばア
リール基(フェニル等)}を有していてもよりアルキル
基、アルキル部分が上記アルキル基であるアルキルカル
ボニル基、置換基(例えばヒドロキシル基、上記のよう
なアルキル基等)を有していてもよいフェニル基等が挙
げられる。a、b、c、m、n、x及びyは各々1〜4
0の整数を表す。
【0075】次に、ノニオン界面活性剤の具体例を示
す。 (具体例)ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニル
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレ
ンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリン酸ア
ミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、ポリオキ
シエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアビエチルエ
ーテル、ポリオキシエチレンラノリンエーテル、ポリオ
キシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノ
ステアレート、ポリオキシエチレングリセリルモノオレ
ート、ポリオキシエチレングリセリルモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノステ
アレート、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポ
リマー、ジスチレン化フェノールポリエチレンオキシド
付加物、トリベンジルフェノールポリエチレンオキシド
付加物、オクチルフェノールポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレン付加物、グリセロールモノステアレー
ト、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート等。ノニオン界面活性剤の重量
平均分子量は300〜10000の範囲が好ましく、5
00〜5000の範囲が特に好ましい。ノニオン型界面
活性剤は1種を単独で含有させても、又2種以上を併用
してもよい。
【0076】アニオン型界面活性剤としては、高級アル
コール(C〜C22)硫酸エステル塩類[例えば、ラ
ウリルアルコールサルフェートのナトリウム塩、オクチ
ルアルコールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルア
ルコールサルフェートのアンモニウム塩、「Teepo
l−81」(商品名・シェル化学社製)、第二ナトリウ
ムアルキルサルフェートなど]、脂肪族アルコールリン
酸エステル塩類(例えば、セチルアルコールリン酸エス
テルのナトリウム塩など)、アルキルアリールスルホン
酸塩類(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリ
ウム塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウ
ム塩、ジナフタレンジスルホン酸のナトリウム塩、メタ
ニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩など)、アル
キルアミドのスルホン酸塩類(例えば、C1733
ON(CH)CHSONaなど)、二塩基性脂肪
酸エステルのスルホン酸塩類(例えば、ナトリウムスル
ホコハク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハ
ク酸ジヘキシルエステルなど)がある。これらの中で特
にスルホン酸塩類が好適に用いられる。
【0077】界面活性剤は、現像液に0.01〜10重
量%の範囲の濃度で含有させるのが好ましい。
【0078】本発明に用いられる現像液は有機溶剤を実
質的に含まず、含まれても1重量%以下である。その
他、有機カルボン酸、キレート剤、消泡剤、水溶性の無
機塩(亜硫酸カリ等)等を含んでもよい。尚、ネガPS
版適性をも付与するために、アニオン活性剤、有機カル
ボン酸類、亜硫酸塩等を添加することはできるが、有機
カルボン酸類は1重量%以下とされる。
【0079】本発明に用いられる現像液には、必要に応
じて亜硫酸塩を含有させることができる。亜硫酸塩とし
ては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモ
ニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等
が挙げられる。亜硫酸塩の含有量は使用時の現像液の総
重量に対して0.1〜10重量%が好適であり、より好
ましくは0.5〜5重量%である。
【0080】本発明に用いられる現像液には現像性能を
高めるために前記の他に以下のような添加剤を加えるこ
とができる。例えば特開昭58−75152号公報記載
のNaCl、KCl、KBr等の中性塩、特開昭59−
190952号公報記載のEDTA、 NTA等のキレ
ート剤、特開昭59−121336号公報記載の[Co
(NH)]Cl等の錯体、特開昭56−1422
58号公報記載のビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライドとアクリル酸ナトリウムの共重合体等の両
性高分子電解質、特開昭59−75255号公報記載の
Si、Ti等を含む有機金属界面活性剤、特開昭59−
84241号公報記載の有機硼素化合物等、特願平1−
332267号記載のリチウム塩が挙げられる。
【0081】PS版上に現像液を供給する方法として
は、例えば、浸漬法、シャワーパイプやノズルを使って
液を版面に噴射、噴霧又は滴下する方法、或いは版面に
接触または非接触の位置に置いた現像液供給部材から現
像液を版面に塗布するような形で供給する方法等があ
る。
【0082】現像液供給部材とPS版を接触させ現像液
をPS版上に供給する方法には、例えばスポンジあるい
は布などのような吸水性の部材でPS版を擦ることによ
り供給する方法あるいはゴムなどのような非吸水性の部
材、前記スポンジあるいは布などのような吸水性の部材
にかかわらず、これらの部材をローラー状にし、搬送さ
れる感光性平版印刷版とローラーの回転を同調させなが
ら供給する方法、例えばフィルムベースのような可撓性
のある板材を用い、2枚の上記板材により形成されたス
リットの先端をPS版に接触させ、該スリットの間隙か
らPS版上に現像液を供給する方法などが挙げられる。
【0083】また現像液供給部材とPS版を非接触で現
像液をPS版上に供給する方法には、例えば細い間隙に
現像液をためておき、その中を印刷版を通過させること
により供給する方法あるいは、現像液供給部材に表面張
力により雫状に垂れ下がる現像液にPS版を接触させ供
給する方法、あるいは筒状の物に現像液を貯めておき、
該筒状の物の側面に細い間隙を作り、その間隙にPS版
を通過させることにより、供給する方法などが挙げられ
る。
【0084】また、これらの現像液供給方法において、
現像液は液状のみならず泡状としてPS版上に供給する
ことができる。さらに現像を噴射方式により供給する方
法では、現像液を霧状で供給することもできる。その他
の現像液供給方法としてはフィルムベースなどに現像液
を付着させそれをPS版上にラミネートすることにより
供給する方法や、ワックス状の現像液を印刷版と接触さ
せて供給する方法などが挙げられる。前記現像液の供給
方法は、1つの方法のみを用いても良いし、2つ以上の
方法を組み合わせて用いても良い。
【0085】これらの方法によって版面上に供給される
現像液の量は、限定されないが、印刷版1m2当り70
ml〜700mlが好ましい。使用時の現像液の温度は
5℃乃至60℃が好ましく、より好ましくは10℃乃至
45℃、最も好ましくは25℃乃至35℃の範囲であ
る。
【0086】現像液は使用液に仕上げられたものを貯蔵
槽に貯えておき処理時にPS版上に供給してもよく、ま
た原液と稀釈液、又は組成を異する複数の液に分けて貯
蔵槽に貯え、各液を版面上に供給し、或いは供給時自動
的に混合して使用液に仕上げて供給してもよいが、自動
的に混合し均一状態として版面に供給する方が好まし
い。
【0087】版面に供給される現像液は実質的に未使用
の現像液であることが好ましく、ここに「実質的に」と
は原則として全量未使用の新液であるが、一部一度使用
した液を混合して使用してもよいことを意味する。
【0088】現像液供給部には、PS版の有無を検出す
るセンサー等の検出機構に連動した制御機構を有してい
て、PS版が現像部に搬入される前及び通過後は停止機
構が働くようになっていることが望ましい。
【0089】本発明の方法においては現像処理時、現像
を促進する何らかの操作を付加することが好ましい。現
像促進操作には、現像促進する物理的、化学的、電気
的、機械的などのすべての手段を利用することができ
る。機械的促進手段としては、版面を擦る方法、例えば
回転するローラ状の擦り部材を用いて擦る方法、平板状
の擦り部材を回転することにより擦る方法、平板状の擦
り部材を前後および/または左右に移動させることによ
り擦り方法、またはローラー状の擦り部材あるいは平板
状の擦り部材を回転しながら前後および/または左右に
移動させることにより擦る方法などが挙げられる。尚こ
れらの擦り部材は複数個組み合わせて使用しても良い、
これらの擦り部材は例えばブラシ、スポンジ、或いは布
等を用いて作成することができる。
【0090】その他の現像促進手段には例えば高圧空気
を吹きつける方法、超音波を照射する方法、PS版に振
動を与える方法、特開昭58−42042号公報に記載
されているような電気化学的に現像する方法、あるいは
マイクロウェーブの照射により瞬時にPS版上の現像液
を加熱する方法、あるいは研磨剤粉末を含む処理液でホ
ーニングする方法などが挙げられる。現像促進手段を付
加する時期は、現像液を供給する前あるいは供給中ある
いは供給後のいずれの時期でも良いが現像液の供給中あ
るいは供給後に付加することが好ましい。また、前記の
現像液供給手段と現像促進手段とは一体化されていても
良く、例えば現像促進手段が円盤状のブラシであり、現
像液供給手段がノズルである場合、円盤状ブラシの回転
軸の中心にノズルを設置することもできる。本発明にお
いて現像ゾーンをPS版が通過する時間は10秒〜60
秒であることが好ましい。
【0091】本発明の方法の実施に好ましく用いられる
自動現像機はPS版を自動的に搬送処理するもので、処
理時PS版1枚毎にその版面上に予め定められた量の水
系アルカリ性現像液を供給する手段及び現像を促進する
手段を備えたものである。但し、自動現像機の形状、構
成、構造等は特に限定されない。搬送形式は例えば搬送
ローラやエンドレスベルト等を用いたものが好ましい。
【0092】また本発明の現像処理方法は前記現像処理
工程の他に必要ならば、現像処理工程後、現像停止処理
工程(停止処理液は使い捨て方式や循環使用の方式を含
む)、不感脂化処理工程の各々個々の処理工程、現像停
止処理工程とそれに引続く不感脂化処理工程、現像処理
工程と不感脂化処理と組合せた処理工程、或いは現像停
止処理工程と不感脂化処理工程とを組合せた例えば特開
昭54−8002号公報記載の処理工程等を含んでいて
もよい。また、現像処理工程および他の工程は各々複数
あっても良く、例えば現像処理工程を第1の現像処理工
程および第2の現像処理工程に分けても良い。
【0093】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明する。尚、%は断りのない限り、重量%を示す。
【0094】実施例1 〔支持体の作成〕厚さ0.3mmのアルミニウム板(材
質1050、調質H16)を5%水酸化ナトリウム水溶
液中で65℃で1分間脱脂処理を行った後、水洗し、1
0%硝酸水溶液中で、25℃、1分間浸漬し、中和した
後水洗した。このアルミニウム板を1.0重量%の塩酸
水溶液中、25℃で交流電流密度100A/dmで6
0秒間電解粗面化を行った後、5%水酸化ナトリウム水
溶液中で60℃、10秒間のデスマット処理を行う。そ
の後20%硫酸溶液中で温度20℃、電流密度3A/d
、処理時間1分の条件で陽極酸化処理を行う。次い
で、90℃、1%珪酸Na水溶液に浸漬した後、90
℃、0.5%カルボキシメチルセルロースに30秒間浸
漬し、水洗後80℃で5分間乾燥させて支持体を作成し
た。
【0095】この支持体に以下の組成の感光液をワイヤ
ーバーにて乾燥膜厚2.0g/mの厚みになる様に塗
布し乾燥させて感光性平版印刷版試料1〜5を作成し
た。
【0096】 〔感光液組成〕 バインダー樹脂(表1に記載) 6.7g o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドとピロガロールアセトン 樹脂(分子量3000)とのエステル(縮合率30%) 1.5g ポリエチレングリコール#2000 0.1g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学社製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.10g フッ素系界面活性剤FC−430(住友3M社製) 0.03g メチルセロソルブ 100ml
【0097】
【表1】
【0098】得られた感光性平版印刷版に次のA、Bの
2方法によりマット層を設けて感光性平版印刷版試料1
−A〜5−A、1−B〜5−Bを作成した。又、マット
層を設けない試料を1−C〜5−Cとした。
【0099】A法:スチレン/アクリル酸メチル/アク
リル酸(モル比で2/1/1、平均粒径20μm)の共
重合体の粉末を1mm当り100個つくようにスプレ
ーガンでパウダリングし、その後120℃で30秒間加
熱して感光層表面に融着させた。
【0100】B法:ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(2g)とシリカゲル(平均粒径10μm、0.2
g)を水100gに分散したものを1mm当り100
個つくようにスプレーガンで吹き付け80℃で30秒間
乾燥させた。
【0101】得られた感光性平版印刷版試料にステップ
ウェッジ(イーストマンコダック社製)及びFOGRA
チャート焼き付け(6kWメタルハライドランプで30
秒間、真空引き2分)した後、下記組成の現像液にて2
5℃で20秒間現像し、ステップウェッジのクリア段数
及びFOGRAチャートのマイクロラインを読み取っ
た。読み取った結果を表2に示す。
【0102】 [現像液](25℃でpH=11.5) A珪酸カリ(日本化学工業社製) 290重量部 KOH 15重量部 ペレックスNBL(花王社製アニオン界面活性剤) 50重量部 水 5000重量部
【0103】
【表2】
【0104】実施例2 合成例1の樹脂に代えて合成例6及び8の樹脂を用いた
以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版6、7を
作成し、得られた感光性平版印刷版を実施例1と同様に
前記A、Bの2方法によりマット層を設けて感光性平版
印刷版試料6−A、7−A、6−B、7−Bを作成し
た。又、マット層を設けない試料を6−C、7−Cとし
た。
【0105】得られた感光性平版印刷版試料に、実施例
1と同様に、ステップウェッジ(イーストマンコダック
社製)及びFOGRAチャート焼き付け(6kWメタル
ハライドランプで30秒間、真空引き2分)した後、前
記組成の現像液にて25℃で20秒間現像し、ステップ
ウェッジのクリア段数及びFOGRAチャートのマイク
ロラインを読み取った。読み取った結果を表3に示す。
【0106】
【表3】
【0107】実施例3 実施例1の現像液を5倍に希釈した後、炭酸ガスを吹き
込んでpHを10.5にした現像液を作り、実施例1及
び2の試料1−A〜7−A、1−B〜7−B、1−C〜
7−Cを現像した後、室温で20日間放置し、沈殿の発
生状況を目視にて観察したところ、1−C〜7−Cを現
像した液のみ沈殿が発生していたが、1−A〜7−A、
1−B〜7−Bでは沈殿の発生はなかった。
【0108】比較例 実施例1の現像液に通常用いられるアルカリ剤を加えて
pH12.5にした現像液を作り、実施例1及び2の試
料1−A〜7−A、1−B〜7−B、1−C〜7−Cを
現像した後、室温で20日間放置し、沈殿の発生状況を
目視にて観察したところ、全ての試料について沈殿が生
じており、印刷時に汚れが生じた。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、現像処理時における手
の腐食や失明等の取扱い時の危険性と、廃棄時・廃液処
理性が改善された感光性平版印刷版の処理方法を提供す
ることができる。
【0110】しかも本発明によれば、マット層によるハ
レーション効果によって点減りが大きくなると共に感度
が高くなった。
【0111】さらにマット層の水溶性樹脂が現像液に溶
け込んでいくことにより、現像で溶け出した感光層成分
の不溶化による沈殿が生じ難く、印刷時の汚れが著しく
改善された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 英之 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 佐々木 充 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 太田 勝子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 松尾 史之 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基を含有する芳香族化合物を
    構造単位中に含む縮合樹脂を含有する感光層を支持体上
    に有すると共に該感光層表面にマット層が形成されてい
    る感光性平版印刷版を、実質的に溶剤を含有しないpH
    12以下の水系アルカリ現像液で現像することを特徴と
    する感光性平版印刷版の処理方法。
  2. 【請求項2】フェノール性OH基を2つ以上含有する芳
    香族化合物を構造単位中に含む縮合樹脂を含有する感光
    層を支持体上に有すると共に該感光層表面にマット層が
    形成されている感光性平版印刷版を、実質的に溶剤を含
    有しないpH12以下の水系アルカリ現像液で現像する
    ことを特徴とする感光性平版印刷版の処理方法。
JP3410294A 1994-02-07 1994-02-07 感光性平版印刷版の処理方法 Pending JPH07219238A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3410294A JPH07219238A (ja) 1994-02-07 1994-02-07 感光性平版印刷版の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3410294A JPH07219238A (ja) 1994-02-07 1994-02-07 感光性平版印刷版の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07219238A true JPH07219238A (ja) 1995-08-18

Family

ID=12404919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3410294A Pending JPH07219238A (ja) 1994-02-07 1994-02-07 感光性平版印刷版の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07219238A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020085500A1 (ja) * 2018-10-25 2020-04-30 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版、平版印刷版原版積層体、及び、平版印刷版の作製方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020085500A1 (ja) * 2018-10-25 2020-04-30 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版、平版印刷版原版積層体、及び、平版印刷版の作製方法
CN112912249A (zh) * 2018-10-25 2021-06-04 富士胶片株式会社 平版印刷版原版、平版印刷版原版层叠体及平版印刷版的制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5238771A (en) Lithographic printing plate utilizing aluminum substrate with photosensitive layer containing o-naphthoquinonediazide sulfonic acid ester, alkali soluble resin and select additive
JPH07219238A (ja) 感光性平版印刷版の処理方法
JPH07128863A (ja) 感光性平版印刷版の処理方法
JP2579189B2 (ja) 感光性平版印刷版の現像液組成物
JPH07128843A (ja) 感光性平版印刷版の製造方法及び処理方法
JPH07128844A (ja) 感光性平版印刷版及びその処理方法
JPH07287392A (ja) 現像性が改良されたポジ型記録材料
JPS62109042A (ja) 感光性組成物およびポジ型感光性平版印刷版
JPH07104479A (ja) 感光性平版印刷版の処理方法
JP2000089460A (ja) 感光性平版印刷版
JPH08320559A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH07209858A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JP3359403B2 (ja) 感光性平版印刷版の処理方法
JPS6320326B2 (ja)
JP3423949B2 (ja) 感光性平版印刷版及びその支持体並びに製版方法
JPH07230172A (ja) 感光性平版印刷版の処理方法
JPH10207056A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JP2922249B2 (ja) 感光性組成物
JPH0772632A (ja) 感光性平版印刷版
JPH0798500A (ja) 感光性平版印刷版
JPS6320327B2 (ja)
EP0345016A2 (en) Photosensitive composition and photosensitive lithographic printing plate
JPH01291245A (ja) 感光性組成物
JPH0895256A (ja) ポジ型感光性平版印刷版用現像液・現像補充液及びポジ型感光性平版印刷版の現像方法
JPH07239556A (ja) 感光性平版印刷版の処理方法及び装置