JP2000089460A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

Info

Publication number
JP2000089460A
JP2000089460A JP25378898A JP25378898A JP2000089460A JP 2000089460 A JP2000089460 A JP 2000089460A JP 25378898 A JP25378898 A JP 25378898A JP 25378898 A JP25378898 A JP 25378898A JP 2000089460 A JP2000089460 A JP 2000089460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
printing plate
lithographic printing
photosensitive
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25378898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3743174B2 (ja
Inventor
Toshitsugu Suzuki
利継 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP25378898A priority Critical patent/JP3743174B2/ja
Publication of JP2000089460A publication Critical patent/JP2000089460A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3743174B2 publication Critical patent/JP3743174B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度及び消去性を低下することなく耐刷力が
向上した感光性平版印刷版を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)、(2)又は(3)
で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つの構造
単位を含むビニル共重合体を含有する感光性組成物を支
持体上に塗設した感光層を有することをことを特徴とす
る感光性平版印刷版。 【化14】 1、R2、R3:水素原子又はフェニル基;X:−O
−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO2O−
又は−OSO2−;Y1、Y2、Y3、Y4,Y5:水素原子
又は置換基,Y1〜Y5のいずれか1つ以上がカルボキシ
ル基又はカルボキシル基を有する基;n:1以上の整数

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポジ型感光層を有
する感光性平版印刷版に関し、詳しくは、該感光性平版
印刷版を用いて作製された平版印刷版の耐刷力を改良す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は、水と油とが本質的に混じり
合わない性質を巧みに利用した印刷方式である。ポジ型
感光性平版印刷版は、感光層に画像露光を施し、次いで
現像すると、露光部のインキ受容性である感光層は除去
されて親水性支持体の表面が露出する一方、露光されな
い部分のインキ受容性である感光層は支持体上に残留し
てインキ受容部を形成する。
【0003】このポジ型感光性平版印刷版に求められる
性能の1つとして耐刷力がある。通常、耐刷力を向上さ
せる技術としては、感光層中のバインダーの分子量を
上げる、感光層中の感光体の分子量を上げる、感光
層皮膜の硬度が高いバインダー樹脂を使用する、等の方
法が知られているが、これら公知の方法では、アルカリ
現像性が劣化し、感度が低下したり、中間露光部で感光
体と光分解した感光体とのカップリングが起こり高分子
化し、消去液による消去が困難になる等の問題が生じて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
問題を解決することを課題とし、感度及び消去性を低下
することなく耐刷力が向上した感光性平版印刷版を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
(1)〜(10)に示す構成によって達成される。
【0006】(1)下記一般式(1)で示される構造単
位から選ばれる少なくとも1つの構造単位を含むビニル
共重合体を含有する感光層を支持体上に有することをこ
とを特徴とする感光性平版印刷版。
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子
又はフェニル基を表し、Xは−O−、−CO−、−CO
O−、−OCO−、−SO2O−又は−OSO2−を表
し、Y1、Y2、Y3、Y4及びY5は各々水素原子、カル
ボキシル基又はカルボキシル基を有する基を表し、Y1
〜Y5の少なくとも1つはカルボキシル基又はカルボキ
シル基を有する基である。nは1以上の整数を表す。〕 (2)ビニル共重合体に含まれる上記一般式(1)で示
される構造単位が15mol%以上35mol%以下で
あることを特徴とする上記(1)に記載の感光性平版印
刷版。
【0009】(3)上記一般式(1)のnが2以上であ
ることを特徴とする上記(1)に記載の感光性平版印刷
版。
【0010】(4)下記一般式(2)で示される構造単
位から選ばれる少なくとも1つの構造単位を含むビニル
共重合体を含有する感光層を支持体上に有することをこ
とを特徴とする感光性平版印刷版。
【0011】
【化5】
【0012】〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子
又はフェニル基を表し、Xは−O−、−CO−、−CO
O−、−OCO−、−SO2O−又は−OSO2−を表
し、Y1、Y2、Y3、Y4及びY5は各々水素原子、カル
ボキシル基又はカルボキシル基を有する基を表し、Y1
〜Y5の少なくとも1つはカルボキシル基又はカルボキ
シル基を有する基である。nは1以上の整数を表す。〕 (5)ビニル共重合体に含まれる上記一般式(2)で示
される構造単位が15mol%以上35mol%以下で
あることを特徴とする上記(4)に記載の感光性平版印
刷版。
【0013】(6)上記一般式(2)のnが2以上であ
ることを特徴とする上記(4)に記載の感光性平版印刷
版。
【0014】(7)下記一般式(3)で示される構造単
位から選ばれる少なくとも1つの構造単位を含むビニル
共重合体を含有する感光層を支持体上に有することをこ
とを特徴とする感光性平版印刷版。
【0015】
【化6】
【0016】〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子
又はフェニル基を表し、Xは−O−、−CO−、−CO
O−、−OCO−、−SO2O−又は−OSO2−を表
し、nは1以上の整数を表す。〕 (8)ビニル共重合体に含まれる上記一般式(3)で示
される構造単位が15mol%以上35mol%以下で
あることを特徴とする上記(5)に記載の感光性平版印
刷版。
【0017】(9)上記一般式(3)のnが2以上であ
ることを特徴とする上記(7)に記載の感光性平版印刷
版。
【0018】(10)ビニル共重合体の重量平均分子量
が6000以上であることを特徴とする上記(1)〜
(9)のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版。
【0019】以下、本発明について詳述する。
【0020】請求項1、2、3又は10に係る発明の感
光性平版印刷版の感光層が含有するビニル系共重合体
(以下「ビニル系共重合体(1)」という)が有する一
般式(1)で表される構造単位(以下「構造単位
(1)」ともいう)の代表的具体例を次に挙げる。
【0021】構造単位(1)
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】請求項4、5、6又は10に係る発明の感
光性平版印刷版の感光層が含有するビニル系共重合体
(以下「ビニル系共重合体(2)」という)が有する一
般式(2)で表される構造単位(以下「構造単位
(2)」ともいう)の代表的具体例を次に挙げる。
【0025】構造単位(2)
【0026】
【化9】
【0027】請求項7、8、9又は10に係る発明の感
光性平版印刷版の感光層が含有するビニル系共重合体
(以下「ビニル系共重合体(3)」という)が有する一
般式(3)で表される構造単位(以下「構造単位
(3)」ともいう)の代表的具体例を次に挙げる。
【0028】構造単位(3)
【0029】
【化10】
【0030】ビニル系共重合体(1)は、構造単位
(1)が15mol%以上35mol%以下であること
及び一般式(1)のnが2以上であることが本発明の目
的をより高度に達成し得る点から好ましく、nが3〜1
0であることがさらに好ましい。
【0031】ビニル系共重合体(2)は、構造単位
(2)が15mol%以上35mol%以下であること
及び一般式(2)のnが2以上であることが本発明の目
的をより高度に達成し得る点から好ましく、nが3〜1
0であることがさらに好ましい。
【0032】ビニル系共重合体(3)は、構造単位
(3)が15mol%以上35mol%以下であること
及び一般式(3)のnが2以上であることが本発明の目
的をより高度に達成し得る点から好ましく、nが3〜1
0であることがさらに好ましい。
【0033】ビニル系共重合体(1)は、構造単位
(1)以外のビニル系モノマーから形成される構造単位
を有することができ、ビニル系共重合体(2)は構造単
位(2)以外のビニル系モノマーから形成される構造単
位を有することができ、ビニル系共重合体(3)は構造
単位(3)以外のビニル系モノマーから形成される構造
単位を有することができる。
【0034】即ち、ビニル系共重合体(1)は構造単位
(2)及び/又は構造単位(3)を有していてもよく、
ビニル系共重合体(2)は構造単位(1)及び/又は構
造単位(3)を有していてもよく、ビニル系共重合体
(3)は構造単位(1)及び/又は構造単位(2)を有
していてもよい。
【0035】更に、ビニル系共重合体(1)〜(3)
は、それぞれ共重合可能な上記以外の構造単位を有する
ことができる。そのような構造単位を形成するモノマー
の例としては、(1)脂肪族ヒドロキシル基を有するア
クリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、例え
ば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(2)
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のα,β
−不飽和カルボン酸、(3)アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル等の(置換)アルキルアクリレート、(4)
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート(置換)
アルキルメタクリレート、(5)アクリルアミド、メタ
クリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルア
ミド類、(6)エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニル
エーテル類、(7)ビニルアセテート、ビニルクロロア
セテート等のビニルエステル類、(8)スチレン、メチ
ルスチレン等のスチレン類、(9)メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトン等のビニルケトン類、(10)
エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類、
(11)芳香族性ヒドロキシル基を有するビニル単量体
等が挙げられる。
【0036】請求項1〜9に係る発明において、ビニル
系共重合体の重量平均分子量はそれぞれ6000以上で
あることが本発明の目的をより高度に達成し得る点から
好ましい。該重量平均分子量は好ましくは20万以下で
ある。
【0037】ビニル系共重合体(1)〜(3)は、それ
ぞれ、感光層中に0.5〜70重量%の範囲で含有させ
ることが好ましく、更に好ましくは3〜20重量%であ
る。
【0038】ビニル系共重合体(1)又は(2)を含有
する感光層を有する感光性平版印刷版は、pHが12.
5以下の現像液にも現像性の良い感光性平版印刷版とす
ることが可能である。
【0039】次に、ビニル系共重合体(1)〜(3)の
具体例を挙げる。ただし、下記具体例において、a〜j
は前記構造単位の具体例であり、(v)は
【0040】
【化11】
【0041】(w)はメチルメタクリレート、(x)は
アクリロニトリル、(y)はベンジルメタクリレート、
(z)はメタクリロニトリルから形成される構造単位を
表し、比はmol比を表す。
【0042】 ビニル系共重合体の例示化合物 (1) (a)/(v)/(w)/(x)/(y) =10/40/30/10/10 Mw=60000 (2) (b)/(v)/(w)/(z)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=40000 (3) (c)/(v)/(w)/(x)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=40000 (4) (d)/(v)/(w)/(z)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=55000 (5) (e)/(v)/(w)/(x)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=40000 (6) (f)/(v)/(w)/(z)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=50000 (7) (g)/(v)/(w)/(x)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=50000 (8) (a)/(v)/(w)/(z)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=70000 (9) (b)/(v)/(w)/(x)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=45000 (10)(c)/(v)/(p)/(z)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=45000 (11)(d)/(v)/(p)/(x)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=60000 (12)(e)/(v)/(p)/(z)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=45000 (13)(f)/(v)/(p)/(x)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=55000 (14)(g)/(v)/(p)/(z)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=55000 (15)(a)/(v)/(p)/(x)/(y) =40/30/10/10/10 Mw=55000 (16)(d)/(v)/(p)/(z)/(y) =20/10/40/20/10 Mw=40000 請求項1〜10に係る発明の感光性平版印刷版の感光層
を形成する感光性組成物は、感光性平版印刷版のポジ型
感光層として通常使用されるものであればよい。そのよ
うな感光性組成物として例えばo−キノンジアジド化合
物を感光性成分とする感光性組成物が挙げられる。
【0043】o−キノンジアジド化合物は、分子中にo
−キノンジアジド基を有する化合物であって、特に限定
されるものではなく、例えばo−キノンジアジド基を有
する重縮合樹脂(o−ナフトキノンジアジドスルホン酸
とフェノール類およびアルデヒドまたはケトンとの重縮
合樹脂とのエステル化合物)等が挙げられる。上記フェ
ノール類及びアルデヒドまたはケトンとの重縮合樹脂に
おけるフェノール類としては、例えばフェノール、o
−,m−,p−クレゾール、3,5−キシレノール、カ
ルバクロール、チモール等の1価フェノール、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン等の2価フェノール、ピ
ロガロール、フロログルシン等の3価フェノール等が挙
げられる。アルデヒドとしては、例えばホルムアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンア
ルデヒドフルフラール等が挙げられる。これらのうちで
好ましいのはホルムアルデヒドおよびベンズアルデヒド
である。ケトンとしては例えばアセトン、メチルエチル
ケトン等が挙げられる。フェノール類およびアルデヒド
またはケトンとの重縮合樹脂の具体的な例としては、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m−,p−混合クレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹
脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が挙げられる。
【0044】前記o−ナフトキノンジアジド化合物にお
いて、フェノール類のOH基に対するo−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応
率)は15〜80%が好ましく、より好ましくは20〜
45%である。さらに本発明に用いられるo−キノンジ
アジド化合物としては特開昭58−43451号記載の
以下の化合物も挙げることができる。1,2−ベンゾキ
ノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ナフトキノ
ンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ベンゾキノン
ジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジア
ジドスルホン酸アミド等の公知の1,2−キノンジアジ
ド化合物、さらに具体的にはJ.Kosar著「Lig
ht−Sensitive Systems」(196
5年)339頁〜352頁、John Willey
& Sons社(New York)やW.S.De
Forest著「Photoresist」第50巻
(1975年)、McGraw Hill社(New
York)に記載されている1,2−ベンゾキノンジア
ジド−4−スルホン酸フェニルエステル、1,2,
1′,2′−ジ−(ベンゾキノンジアジド−4−スルホ
ニル)−ジヒドロキシビフェニル、1,2−ベンゾキノ
ンジアジド−4−(N−エチル−N−β−ナフチル)−
スルホンアミド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホン酸シクロヘキシルエステル、1−(1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホニル)−3,5−ジメ
チルピラゾール、1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホン酸−4′−ヒドロキシジフェニル−4′−アゾ
−β−ナフトールエステル、N,N−ジ−(1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホニル)−アニリン、
2′−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニ
ルオキシ)−1−ヒドロキシアントラキノン、1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノ
ンジアジド−5−スルホン酸−2,3,4−トリヒドロ
キシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸クロリド2モルと4,4′−ジ
アミノベンゾフェノン1モルとの縮合物、1,2−ナフ
トキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと
4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ジフェニルスルホ
ン酸1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド
−5−スルホン酸クロリド1モルとプルプロガリン1モ
ルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5−
(N−ジヒドロアビエチル)スルホンアミドなどの1,
2−ナフトキノンジアジド化合物を例示することができ
る。また、特公昭37−1953号、同37−3627
号、同37−13109号、同40−26126号、同
40−3801号、同45−5604号、同45−27
345号、同51−13013号、特開昭48−965
75号、同48−63802号、同48−63803号
各公報に記載の1,2−キノンジアジド化合物も挙げる
ことができる。上記o−キノンジアジド化合物のうち、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホニルクロリドまた
は1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドを
ピロガロール・アセトン縮合樹脂または2,3,4−ト
リヒドロキシベンゾフェノンと反応させて得られるo−
キノンジアジドエステル化合物が特に好ましい。上記化
合物は各々単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせ
て用いてもよい。感光性組成物中に占める割合は5〜6
0重量%が好ましく、特に好ましいのは10〜50重量
%である。
【0045】前記感光性組成物にはバインダーとしてア
ルカリ可溶性樹脂を含有させることができる。該アルカ
リ可溶性樹脂は特に限定されるものではなく、例えばノ
ボラック樹脂、フェノール性水酸基を有するビニル系重
合体、特開昭55−57841号記載の多価フェノール
とアルデヒドまたはケトンとの縮合樹脂等を挙げること
ができる。使用できるノボラック樹脂としては、例えば
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841号記載のフ
ェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重合体樹
脂、特開昭55−127553号記載のp−置換フェノ
ールとフェノールもしくはクレゾールとホルムアルデヒ
ドとの共重合体樹脂等が挙げられる。ノボラック樹脂の
分子量(ポリスチレン標準)は、好ましくは数平均分子
量Mnが3.00×102〜7.50×103、重量平均
分子量Mwが1.00×103〜3.00×104より好
ましくはMnが5.00×102〜4.00×103、M
wが3.00×103〜2.00×104である。上記ノ
ボラック樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。ノボラック樹脂は感光性組成物
中に5〜95重量%含有させるのが好ましい。また、フ
ェノール性水酸基を有するビニル系重合体とは、該フェ
ノール性水酸基を有する単位を分子構造中に有する共重
合体であり、下記一般式(B1)〜(B5)で表される
構造単位を少なくとも1つ含む重合体が好ましい。
【0046】
【化12】
【0047】一般式(B1)〜(B5)において、R1
およびR2はそれぞれ水素原子、アルキル基またはカル
ボキシル基を表し、好ましくは水素原子である。R3
水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、好ま
しくは水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基で
ある。R4は水素原子、アルキル基、アリール基または
アラルキル基を表し、好ましくは水素原子である。Aは
窒素原子または酸素原子と芳香族炭素原子とを連結す
る、置換基を有してもよいアルキレン基を表し、mは0
〜10の整数を表し、Bは置換基を有してもよいフェニ
レン基または置換基を有してもよいナフチレン基を表
す。本発明に用いる上記フェノール性水酸基を有するビ
ニル系重合体は、前記一般式(B1)〜(B5)で表さ
れる構造単位を有する共重合体型の構造を有するものが
好ましく、共重合させる単量体としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレ
ン等のエチレン系不飽和オレフィン類、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン等のスチレン類、アクリル酸メタクリル酸
等のアクリル酸類、例えばイタコン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸フェニ
ル、ベンジルメタアクリレート、α−クロロアクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、エ
タクリル酸エチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン
酸のエステル類、例えばアクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリル等のニトリル類、例えばアクリルアミド、メ
タクリルアミド等のアミド類、例えばアクリルアニリ
ド、p−クロロアクリルアニリド、m−ニトロアクリル
アニリド、m−メトキシアクリルアニリド等のアニリド
類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、例えばメ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエーテル等
のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビ
ニリデンシアナイド、例えば1−メチル−1−メトキシ
エチレン、1,1−ジメトキシエチレン、1,2−ジメ
トキシエチレン、1,1−ジメトキシカルボニルエチレ
ン、1−メチル−1−ニトロエチレン等のエチレン誘導
体類、例えばN−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾ
ール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン、
N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量体がある。
これらの単量体は不飽和二重結合が開裂した構造で高分
子化合物中に存在する。上記の単量体のうち脂肪族モノ
カルボン酸のエステル類、ニトリル類が優れた性能を示
し、好ましい。
【0048】これらの単量体は、重合体中にブロックま
たはランダムのいずれかの状態で結合していてもよい。
フェノール性水酸基を有するビニル系重合体は感光性組
成物中に0.5〜70重量%含有させることが好まし
い。フェノール性水酸基を有するビニル系重合体は上記
重合体を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
てもよい。また、他の高分子化合物等と組み合わせて用
いることもできる。
【0049】感光性組成物は上記の他に次のような添加
剤を含有することができる。
【0050】(1)酸:例えば特開昭60−88942
号、特願昭63−293107号各公報に記載の有機酸
と、日本化学会編「化学便覧新版」(丸善出版)92頁
〜158頁記載の無機酸が挙げられる。有機酸の例とし
てはp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、m−ベンゼンジス
ルホン酸等のスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、
ベンジルスルフィン酸、メタンスルフィン酸等のスルフ
ィン酸、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、クロ
ロメチルホスホン酸等のホスホン酸、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、
ヘプタン酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサン
カルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、o
−,m−,p−ヒドロキシ安息香酸、o−,m−,p−
メトキシ安息香酸、o−,m−,p−メチル安息香酸、
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、フロログリシンカルボ
ン酸、没食子酸、3,5−ジメチル安息香酸等の芳香族
モノカルボン酸が挙げられる。またマロン酸、メチルマ
ロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、イタコン酸、リンゴ酸等の飽和または不飽和
脂肪族ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、1,1−
シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジ
カルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、
1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸等の脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等を挙げるこ
とができる。上記有機酸のうちより好ましいものはp−
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メ
シチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン
酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シリンギン
酸である。
【0051】無機酸の例としては硝酸、硫酸、塩酸、ケ
イ酸、リン酸等が挙げられ、さらに好ましくは硫酸、リ
ン酸である。
【0052】酸無水物を用いる場合の酸無水物の種類も
任意であり、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香
酸など、脂肪族・芳香族モノカルボン酸から誘導される
もの、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水フタル酸など脂肪族・芳香族ジカルボン酸から
誘導されるもの等を挙げることができる。好ましくは無
水グルタル酸、無水フタル酸である。これらの酸の含有
量は、全感光性組成物の全固型分に対して、一般的に
0.05〜5重量%であって、好ましくは0.1〜3重
量%の範囲である。これらの化合物は、単独で用いても
よいし、2種以上混合して使用してもよい。
【0053】(2)界面活性剤:界面活性剤としては、
両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界
面活性剤、ノニオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤
等を挙げることができる。上記両性界面活性剤としては
ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルカルボキシ
メチルヒドロキシエチル、イミダゾリニウムベタイン等
がある。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、ア
ルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫
酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸
エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、
ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等がある。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩、第4
級アンモニウム塩、アルキルベタイン等がある。ノニオ
ン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、
ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプ
ロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアル
カノールアミド等がある。フッ素系界面活性剤として
は、フルオロ脂肪族基を含むアクリレート、メタクリレ
ートおよび(ポリオキシアルキレン)アクリレートまた
は(ポリオキシアルキレン)メタクリレートの共重合
体、特開昭62−170950号、特開昭62−226
143号、米国特許第3,787,351号の各公報記
載のものが挙げられる。例えばメガファックF−17
1,173,177、ディフェンサMCF300,31
2,313(大日本インキ化学工業株製)、モディパー
F−100,102,110(日本油脂株製)等であ
る。これらの化合物は単独あるいは2種以上混合して使
用することができる。これらの感光性組成物中に占める
割合は0.01〜10重量%が好ましく、さらに好まし
くは0.01〜5重量%である。
【0054】(3)可視画剤:露光により酸または遊離
基を生成する化合物としては、例えばハロメチルオキサ
ジアゾール化合物、ハロメチル−s−トリアジン化合物
等が挙げられる。ハロメチルオキサジアゾール化合物と
は、オキサジアゾール環にハロメチル基、好ましくはト
リクロロメチル基を有する化合物である。これらの化合
物は公知であり、例えば特公昭57−6096号、同6
1−51788号、特公平1−28369号、特開昭6
0−138539号、同60−177340号、同60
−241049号公報に記載されている。また、ハロメ
チル−s−トリアジン化合物とは、s−トリアジン環に
1つ以上のハロメチル基、好ましくはトリクロロメチル
基を有する化合物である。これらの化合物は単独あるい
は2種以上混合して使用することができる。これらの感
光性組成物中に占める割合は0.01〜30重量%が好
ましく、より好ましくは0.1〜10重量%であり、特
に好ましくは0.2〜3重量%である。
【0055】(4)色素:色素としてはフリーラジカル
または酸と反応して色調を変化させるものが好ましく使
用できる。ここに「色調が変化する」とは無色から有色
への変化、有色から無色あるいは異なる有色の色調への
変化のいずれをも包含する。好ましい色素とは酸と塩を
形成して色調を変化するものである。例えば、ビクトリ
アピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学株製)、オイルブ
ルー#603(オリエント化学工業社製)、パテントピ
ュアブルー(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレ
ット、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メ
チルバイオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、
ベイシックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッ
ド、m−クレゾールパープル、ローダミンB、オーラミ
ン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノ
ン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリ
ド等に代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメ
タン系、オオキサジン系、キサンテン系、イミノナフト
キノン系、アゾメチン系またはアントラキノン系の色素
が有色から無色あるいは異なる有色の色調へ変化する変
色剤の例として挙げられる。一方、無色から有色に変化
する変色剤としては、ロイコ色素、及び例えばトリフェ
ニルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、
1,2,3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメ
チルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチ
レン、p,p′,p″−トリス−ジメチルアミノトリフ
ェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−
メチルトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチル
アミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,
p′,p″−トリアミノトリフェニルメタンに代表され
る第1級または第2級アリールアミン系色素が挙げられ
る。これらの化合物は単独あるいは2種以上混合して使
用することができる。これらの感光性組成物中に占める
割合は0.01〜10重量%が好ましく、より好ましく
は0.02〜5重量%である。これらのうちで特に好ま
しいのはビクトリアピュアブルーBOHまたはオイルブ
ルー#603である。
【0056】(5)感脂化剤:画像部の感脂性を向上さ
せるものとしては、特開昭55−527号公報記載のス
チレン−無水マレイン酸共重合体のアルコールによるハ
ーフエステル化物、p−t−ブチルフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂などのノボラック樹脂あるいはこれらの
樹脂とo−キノンジアジド化合物との部分エステル化
物、フッ素系界面活性剤、p−ヒドロキシスチレンの5
0%脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの添加量は
感光性組成物の全固型分の0.01〜30重量%であ
る。
【0057】(6)マット剤:マット層の目的は密着露
光における画像フィルムと感光性平版印刷版との真空密
着性を改良することにより、真空引き時間を短縮し、更
に密着不良による露光時の微小網点のつぶれを防止する
ことである。マット層の塗布方法としては、特開昭55
−12974号記載のパウダリングされた固体粉末を熱
融着する方法、特開昭58−182636号記載のポリ
マー含有水をスプレーして乾燥させる方法、特開昭56
−9739号記載のものを感光層中に添加し同時に塗布
する方法などがあり、どの方法でも良いが、マット層自
体がアルカリ現像液に溶解するか、あるいはこれにより
除去できるものが好ましい。
【0058】(7)包接化合物:特開平5−17333
3号公報に記載された包接化合物。
【0059】感光性平版印刷版は、感光層の表面には、
真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短
縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設けること
ができる。具体的には、特開昭50−125805号、
特公昭57−6582号、同61−28986号に記載
されているようなマット層を設ける方法、特公昭62−
62337号に記載されているような固体粉末を熱融着
させる方法等が挙げられる。
【0060】請求項1〜10に係る発明の感光性平版印
刷版の支持体は感光性平版印刷版の支持体として通常使
用されるものを使用することができる。そのような支持
体には、純アルミニウムおよびアルミニウム合金からな
る支持体が含まれる。アルミニウム合金としては種々の
ものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシ
ウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタ
ン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金を用
いることができる。
【0061】アルミニウム支持体は粗面化に先立ってア
ルミニウム表面の油脂、錆、ごみなどを除去するために
脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、ト
リクレン等のシンナーによる溶剤脱脂、ケロシン、トリ
エタノール等のエマルジョンを用いたよるエマルジョン
脱脂処理等が用いられる。また、上記脱脂処理のみでは
除去されない汚れや自然酸化皮膜を除去するために、苛
性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いることもできる。
【0062】脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液
を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するの
で、この場合には燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、
あるいはそれらの混酸に浸漬してデスマット処理を施す
ことが好ましい。
【0063】粗面化方法としては、機械的に表面を粗面
化する方法、電気化学的に粗面化する方法、アルカリま
たは酸あるいはそれらの混合物からなるエッチング剤で
表面を粗面化する化学的粗面化方法を用いることがで
き、また、これらを組み合わせた方法も利用することが
できる。
【0064】機械的粗面化法には、例えばボール研磨、
ブラシ研磨、ブラスト研磨、バフ研磨、ホーニング研磨
等の方法を用いることができる。これらの中でも、ブラ
シ研磨及びホーニング研磨が好ましい。さらに、あらか
じめ粗面化されたシートを支持体表面に張り合わせ、圧
力をかけて粗面パターンを転写することにより粗面化を
行うこともできる。
【0065】また電気化学的粗面化法には、例えば塩酸
または硝酸等を含む酸性電解液中で交流または直流によ
って表面を電解処理する方法があるが、これらの内の1
つ、もしくは2つ以上の方法を併用することにより支持
体を粗面化することができる。電解粗面化処理について
は、例えば、特公昭48−28123号公報、英国特許
第896,563号明細書、特開昭53−67507号
公報に記載されており、本発明においては、これらの方
法を用いることができる。
【0066】電気化学的粗面化において印加される電圧
は、1〜50ボルトが好ましく、5〜30ボルトが更に
好ましい。電流密度は、10〜200A/dm2が好ま
しく、20〜150A/dm2が更に好ましい。電気量
は、100〜2000クーロン/dm2、好ましくは2
00〜1500クーロン/dm2、より好ましくは20
0〜1000クーロン/dm2である。温度は、10〜
50℃が好ましく、15〜45℃が更に好ましい。塩酸
または硝酸濃度は0.1〜5重量%が好ましい。
【0067】電解溶液には、必要に応じて硝酸塩、塩化
物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ
酸、酢酸、蓚酸等を加えることが出来る。
【0068】粗面化処理を2つ以上組み合わせる場合
は、各処理の間に酸またはアルカリの水溶液に浸漬する
化学的エッチング処理を行うことが好ましい。酸として
は、例えば硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が
含まれ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等が含まれる。これらの中でもアルカリの
水溶液を用いるのが好ましい。これらの酸またはアルカ
リの0.05〜40重量%水溶液を用い40〜100℃
の液温において5〜300秒処理する方法を適用でき
る。
【0069】上記の処理をアルカリの水溶液で浸漬処理
を行った場合、支持体の表面にはスマットが生成するの
で、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の
酸、あるいはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施
すことが好ましい。
【0070】粗面化処理されたアルミニウム支持体は次
いで陽極酸化処理を施すことができる。陽極酸化処理に
用いられる電解液としては多孔質酸化皮膜を形成するも
のならばいかなるものでも使用でき、一般には硫酸、燐
酸、蓚酸、クロム酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホ
ン酸等あるいはこれらの2種類以上を組み合わせた混酸
が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液に
より種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的に
は、電解液の濃度が1〜80重量%、温度5〜70℃、
電流密度1〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解
時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましいのは硫
酸法で、通常直流電流で処理が行われるが、交流を用い
ることもできる。硫酸の濃度は10〜50重量%、温度
20〜50℃、電流密度1〜20A/dm2で20〜2
50秒間電解処理されるのが好ましい。電解液中にはア
ルミニウムイオンが含まれている方が好ましい。
【0071】陽極酸化処理されたアルミニウム支持体は
次いで封孔処理が施される。封孔処理は、熱水処理、沸
騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩
水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム塩処理等
の公知の方法を用いて行うことができる。
【0072】封孔処理されたアルミニウム支持体には、
次いで親水性層を設けてもよい。親水性層の形成には、
米国特許第3,181,461号明細書に記載のアルカ
リ金属珪酸塩、米国特許第1,860,426号明細書
に記載の親水性セルロース、特公平6−94234号公
報、特公平6−2436号公報に記載のアミノ酸および
その塩、特開昭60−232998号公報に記載の水酸
基を有するアミン類およびその塩、特開昭62−194
94号公報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651
号公報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高
分子化合物等を用いることができる。
【0073】更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感
光層への擦れ傷を防ぐために、また、現像時、現像液中
へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50
−151136号、特開昭57−63293号、特開昭
60−73538号、特開昭61−67863号、特開
平6−35174号等に記載されている、支持体裏面に
保護層を設ける処理を行うことができる。
【0074】請求項1〜10に係る発明の感光性平版印
刷版は、前記のような感光性組成物を溶剤に溶解させ、
これを支持体の表面に塗布し乾燥して感光層を形成させ
て感光性平版印刷版が得られる。
【0075】使用し得る溶媒としては、メチルセロソル
ブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、
エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
イソプロピルエーテル、プロピレングリコール、プロピ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジ
カルボン酸メチルエーテル、ジプロピレングリコールメ
チルエチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸
ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン
酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロ
ヘキサノン、ジアセトンアルコール、アセチルアセト
ン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒
は、単独あるいは2種以上混合して使用することができ
る。
【0076】塗布方法としては、従来公知の回転塗布、
ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、
ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を用いる
ことができる。
【0077】塗布液の濃度は1〜50重量%の範囲とす
ることが望ましい。この場合、塗布液の塗布量は、通
常、固形分として0.2〜10g/m2程度が適当であ
る。
【0078】請求項1〜10に係る発明の感光性平版印
刷版の現像処理は、感光層の現像処理に適した公知の手
段を適用することができる。o−キノンジアジド化合物
を感光成分とする感光層を有する感光性平版印刷版の現
像に用いる現像液としては、水を主たる溶媒とする(現
像液の溶媒の50重量%以上が水である)アルカリ性の
現像液が好ましい。該現像液の組成は、o−キノンジア
ジド化合物を感光成分とする感光性平版印刷版の現像に
通常用いられる現像液の組成であることができ、アルカ
リ剤の他に、例えば有機カルボン酸及びその塩、アニオ
ン型、ノニオン型、カチオン型各界面活性剤、有機溶媒
等を含有することができる。
【0079】上記現像液が含有するアルカリ剤として
は、例えば珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸
ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウ
ム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第
二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモ
ニウムなどのような無機アルカリ剤、モノ−、ジ−また
はトリエタノールアミンおよび水酸化テトラアルキルア
ンモニウムのような有機アルカリ剤および有機珪酸アン
モニウム等が有用である。アルカリ剤の現像液中におけ
る含有量は少なくとも0.05〜20重量%の範囲であ
ることができる。
【0080】上記現像液には、水溶性又はアルカリ可浴
性の有機および無機の還元剤を含有させることができ
る。
【0081】有機の還元剤としては、例えばハイドロキ
ノン、メトール、メトキシキノン等のフェノール化合
物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン等のアミ
ン化合物があり、無機の還元剤としては、例えば亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜
硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸
塩、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸
水素ナトリウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸二水
素ナトリウム、亜リン酸水素二カリウム等のリン酸塩、
ヒドラジン、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリ
ウム等を挙げることができる。これら水溶性又はアルカ
リ可溶性還元剤は少なくとも0.1〜10重量%を含有
させることができる。
【0082】前記有機カルボン酸には、炭素原子数6〜
20の脂肪族カルボン酸、およびベンゼン環またはナフ
タレン環にカルボキシル基が置換した芳香族カルボン酸
が包含される。
【0083】脂肪族カルボン酸としては炭素数6〜20
のアルカン酸が好ましく、具体的な例としては、カプロ
ン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸等があり、特に好ましいのは炭素数6〜12
のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する
脂肪酸でも、枝分れした炭素鎖のものでもよい。上記脂
肪族カルボン酸はナトリウムやカリウムの塩またはアン
モニウム塩として用いてもよい。
【0084】芳香族カルボン酸の具体的な化合物として
は、安息香酸、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香
酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−tert−ブチル安息香酸、o−アミノ安息香
酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香
酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロ
キシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2
−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−
ナフトエ酸等がある。
【0085】上記芳香族カルボン酸はナトリウムやカリ
ウムの塩またはアンモニウム塩として用いてもよい。
【0086】脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸の含
有量は少なくとも0〜30重量%を含有させることがで
きる。
【0087】上記現像液は、下記のようなノニオン型、
カチオン型、アニオン型及び両性型の各界面活性剤及び
有機溶媒を含有することができる。
【0088】ノニオン界面活性剤にはポリエチレングリ
コール型と多価アルコール型があるが、どちらも使用で
きる。現像性能の点からはポリエチレングリコール型の
ノニオン界面活性剤が好ましく、その中でもエチレンオ
キシ基(−CH2CH2O−)を3以上有し、かつHLB
値(HLBはHydrophile−Lipophil
e Balanceの略)が5以上(より好ましくは8
〜20、更に好ましくは15〜20)のノニオン界面活
性剤がより好ましい。
【0089】また、ノニオン界面活性剤のうち、エチレ
ンオキシ基とプロピレンオキシ基の両者を有するものが
特に好ましく、そのなかでHLB値が8以上のものがよ
り好ましい。ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポ
リエチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミ
ン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキ
シエチレンオレイン酸アミド、ポリオキシエチレンヒマ
シ油、ポリオキシエチレンアビエチルエーテル、ポリオ
キシエチレンラノリンエーテル、ポリオキシエチレンモ
ノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、
ポリオキシエチレングリセリルモノオレート、ポリオキ
シエチレングリセルモノステアレート、ポリオキシエチ
レンプロピレングリコールモノステアレート、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックポリマー、ジスチレン
化フェノールポリエチレンオキシド付加物、トリベンジ
ルフェノールポリエチレンオキシド付加物、オクチルフ
ェノールポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加
物、グリセロールモノステアレート、ソルビタンモノラ
ウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト等が挙げられる。
【0090】ノニオン界面活性剤の重量平均分子量は3
00〜10000の範囲が好ましく、500〜5000
の範囲が特に好ましい。ノニオン型界面活性剤は1種を
単独で含有させても、また2種以上を併用してもよい。
【0091】カチオン界面活性剤はアミン型と第四アン
モニウム塩型に大別されるが、これらの何れをも用いる
ことができる。
【0092】アミン型の例としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン、N−アルキルプロピレンアミン、N
−アルキルポリエチレンポリアミン、N−アルキルポリ
エチレンポリアミンジメチル硫酸塩、アルキルビグアニ
ド、長鎖アミンオキシド、アルキルイミダゾリン、1−
ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−ア
セチルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、2−
アルキル−4−メチル−4−ヒドロキシメチルオキサゾ
リン等がある。
【0093】また、第四アンモニウム塩型の例として
は、長鎖第1アミン塩、アルキルトリメチルアンモニウ
ム塩、ジアルキルジメチルエチルアンモニウム塩、アル
キルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジ
ルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル
キノリニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、アルキ
ルピリジニウム硫酸塩、ステアラミドメチルピリジニウ
ム塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、アシルア
ミノエチルメチルジエチルアンモニウム塩、アルキルア
ミドプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、脂肪酸
ポリエチレンポリアミド、アシルアミノエチルビリジニ
ウム塩、アシルコラミノホルミルメチルピリジニウム
塩、ステアロオキシメチルピリジニウム塩、脂肪酸トリ
エタノールアミン、脂肪酸トリエタノールアミンギ酸
塩、トリオキシエチレン脂肪酸トリエタノールアミン、
脂肪酸ジブチルアミノエタノール、セチルオキシメチル
ピリジニウム塩、p−イソオクチルフェノキシエトキシ
エチルジメチルベンジルアンモニウム塩等がある。(上
記化合物の例の中の「アルキル」とは炭素数6〜20
の、直鎖または一部置換されたアルキルを示し、具体的
には、ヘキシル、オクチル、セチル、ステアリル等の直
鎖アルキルが好ましく用いられる。)これらの中では、
特に水溶性の第四アンモニウム塩型のカチオン界面活性
剤が有効で、その中でも、アルキルトリメチルアンモニ
ウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、エ
チレンオキシド付加アンモニウム塩等が好適である。ま
た、カチオン成分をくり返し単位として有する重合体も
広い意味ではカチオン界面活性剤であり、本発明のカチ
オン界面活性剤に含包される。特に、親油性モノマーと
共重合して得られた第四アンモニウム塩を含む重合体は
好適に用いることができる。
【0094】該重合体の重量平均分子量は300〜50
000の範囲であり、特に好ましくは500〜5000
の範囲である。これらのカチオン界面活性剤は単独で使
用するほか、2種以上を併用してもよい。
【0095】アニオン型界面活性剤としては、高級アル
コール(C8〜C22)硫酸エステル塩類〔例えば、ラウ
リルアルコールサルフェートのナトリウム塩、オクテル
アルコールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルアル
コールサルフェートのアンモニウム塩、「Teepol
−81」(商品名・シエル化学製)、第二ナトリウムア
ルキルサルフェートなど〕、脂肪族アルコールリン酸エ
ステル塩類(例えば、セチルアルコールリン酸エステル
のナトリウム塩など)、アルキルアリールスルホン酸塩
類(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム
塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム
塩、ジナフタリンジスルホン酸のナリトウム塩、メタニ
トロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩など)、アルキ
ルアミドのスルホン酸塩類(例えば、C1733CON
(CH3)CH2SO3Naなど)、二塩基性脂肪酸エス
テルのスルホン酸塩類(例えば、ナトリウムスルホコハ
ク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハク酸ジ
ヘキシルエステルなど)がある。これらの中で特にスル
ホン酸塩類が好適に用いられる。
【0096】両性界面活性剤としては、例えばN−メチ
ル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウムのような化
合物を用いることができる。
【0097】界面活性剤は、現像液に0.01〜10重
量%の範囲の濃度で含有させるのが好ましい。
【0098】有機溶媒としては20℃おける水に対する
溶解度が10重量%以下のものが挙げられ、例えば酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、エ
チレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、
レプリン酸ブチルのようなカルボン酸エステル;エチル
ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンのようなケトン類;エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコ
ール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコ
ール、メチルアミルアルコールのようなアルコール類;
キシレンのようなアルキル置換芳香族炭化水素;メチレ
ンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベ
ンゼンのようなハロゲン化炭化水素などがある。これら
の有機溶媒は一種以上を用いてもよい。
【0099】上記現像液には現像性能を高めるために以
下のような添加剤を加えることができる。例えば特開昭
58−75152号公報記載のNaCl、KCl、KB
r等の中性塩、特開昭59−190952号公報記載の
EDTA,NTA等のキレート剤、特開昭59−121
336号公報記載の〔Co(NH3)〕6Cl3等の錯
体、特開昭56−142528号公報記載のビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸ナ
トリウムの共重合体等の両性高分子電解質、特開昭58
−59444号公報記載の塩化リチウム等の無機リチウ
ム化合物、特公昭50−34442号公報記載の安息香
酸リチウム等の有機リチウム化合物、特開昭59−75
255号公報記載のSi,Ti等を含む有機金属界面活
性剤、特開昭59−84241号公報記載の有機硼素化
合物が挙げられる。
【0100】ビニル系共重合体(1)又は(2)を含有
する感光層を有する感光性平版印刷版は、pHが12.
5以下の現像液にも現像性が良好である。
【0101】ビニル系共重合体(1)〜(3)は一般的
に知られている種々の方法で合成することができる。次
に、合成例を示す。
【0102】ビニル系共重合体(1)の例示化合物aの
合成例 撹拌機、冷却管、滴下ロートを備えた200ml三つ口
フラスコに、下記モノマーAを4.0g、下記モノマー
Vを8.9g、メチルメタクリレート3.8g、アクリ
ルニトリル0.66g、ベンジルメタクリレート2.2
g及びN,N−ジメチルホルムアミド50mlを加え、
湯水浴により64℃に加熱しながら撹拌した。この混合
物にα,α−アゾビスイソブチロニトリル0.30gを
加え温水浴により64℃に保ちながら窒素気流下で5時
間撹拌した。反応終了後、この反応物を水2リットルに
撹拌滴下投入し、30分撹拌した後、濾過乾燥すること
により白色固体を得た。ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより、この高分子化合物の重量平均分子量
(ポリスチレン基準)を測定したところ60000であ
った。
【0103】
【化13】
【0104】他のビニル系共重合体(1)〜(3)も同
様の方法で合成可能である。
【0105】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0106】支持体の作製 厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質
H16)を、65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水
溶液中で1分間脱脂処理を行った後、水洗し、25℃に
保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸漬し、中和し、
更に水洗した。このアルミニウム板を1.0wt%の塩
酸水溶液中において、温度25℃、電流密度100A/
dm2、処理時間60秒の条件で交流電流により電解粗
面化を行った。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液中
で60℃、10秒間のデスマット処理を行い、その後、
20%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度3A/dm
2、処理時間1分間の条件で陽極酸化処理を行った。そ
の後、80℃に保たれた1%酢酸アンモン水溶液中に3
0秒間浸漬し後、水洗後80℃で5分間乾燥し、支持体
を作製した。
【0107】感光層用塗布液の作製 下記組成の感光層用塗布液を作製した。
【0108】 感光層用塗布液A ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール/のモル比 が10/54/36、重量平均分子量4000) 6.7g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノン ジアジド−5−スルホニルクロライドの縮合物(エステル化率30%) 1.5g ビクトリアプュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s− トリアジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g メチルエチルケトン/乳酸メチル=5/5(重量比) 100ml ビニル系共重合体の例示化合物(1) 0.2g 感光層用塗布液B〜R 感光層用塗布液Aの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(1)を下記表1に記載のビニル系共重合体の例示
化合物(2)〜(16)又は下記比較用ビニル系共重合
体に変えた以外は感光層用塗布液Aと同じ組成の感光層
用塗布液B〜Rを作製した。
【0109】比較用ビニル系共重合体は下記の通りであ
る。
【0110】 (17)(v)/(p)/(x)/(y) =40/30/20/10 Mw=35000 (18)(v)/(p)/(z)/(y)/(a) =30/30/10/10/20 Mw=5000 (注)v、p、x、y及びaは前述した通りの構成単位を意味する。
【0111】感光層用塗布液S 感光層用塗布液Aの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(1)0.2gを上記比較用ビニル系共重合体(1
7)0.6gに、かつノボラック樹脂の量6.7gを
6.5gに変えた以外は感光層用塗布液Aと同じ組成の
感光層用塗布液Sを作製した。
【0112】感光性平版印刷版試料の作製 上記支持体上に感光層用塗布液A〜Sをそれぞれワイヤ
ーバーを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥し、感光性
平版印刷版試料1〜19を作製した。乾燥後の感光層の
膜厚を16mg/dm2とした。
【0113】これらの感光性平版印刷版試料について、
感度、耐刷力及び消去性を下記の方法で試験した。該試
験に使用した現像液は下記である。
【0114】 現像液 Aケイ酸カリウム(SiO2:26wt%、K2O:13wt%) 100重量部 水酸化カリウム 92重量部 p−t−ブチル安息香酸 17重量部 エチレンジアミン4酢酸 17重量部 水 1506重量部 感度 感光性平版印刷版試料に感度測定用ステップタブレット
(イーストマンコダック社製No.2、濃度差0.15
ずつで21段階のグレースケール)を密着して、4kW
メタルハライドランプ(大日本スクリーン(株)製vi
o Quick)を光源にして90cmの距離から露光
した。次に、この試料を上記現像液Aで27℃で20秒
間現像する。上記ステップタブレットの3.0段が完全
にクリアになる露光時間を感度とした。
【0115】耐刷力 感光性平版印刷版試料に感度測定用ステップタブレット
(イーストマンコダック社製No.2、濃度差0.15
ずつで21段階のグレースケール)を密着して、4kW
メタルハライドランプ(大日本スクリーン(株)製vi
o Quick)を光源にして90cmの距離から露光
する。次に、この試料を上記現像液30℃で12秒間現
像する。
【0116】得られた平版印刷版をハイデルベルグ
(株)製印刷機GTOにかけ、コート紙、印刷インキ
(東洋インキ製造(株)製HYECOO紅)及び湿し水
(コニカ(株)製SEU−3、2.5%)を使用して印
刷を行い、印刷物の画像のベタ部に着肉不良が現れるか
又は非画像部にインキが着肉するまで印刷を続け、その
時の印刷枚数で評価した。
【0117】消去性 感光性平版印刷版試料を上述の露光条件で露光した後、
上記現像液を使用した現像条件で得た平版印刷版の画像
部を消去液(SIR−15、コニカ(株)製)により消
去後30秒で水洗し、現像インキ(SPO−1、コニカ
(株)製)盛り後、消去性を目視で評価した。下記表1
中の記号の意味は下記である。
【0118】○:消去されている △:僅かに消え残りが見られる ×:消去されていない 以上の結果を下記表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
【発明の効果】本発明によれば、感度及び消去性を低下
することなく耐刷力が向上した感光性平版印刷版を提供
することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される構造単位か
    ら選ばれる少なくとも1つの構造単位を含むビニル共重
    合体を含有する感光層を支持体上に有することをことを
    特徴とする感光性平版印刷版。 【化1】 〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子又はフェニル
    基を表し、Xは−O−、−CO−、−COO−、−OC
    O−、−SO2O−又は−OSO2−を表し、Y1、Y2
    3、Y4及びY5は各々水素原子、カルボキシル基又は
    カルボキシル基を有する基を表し、Y1〜Y5の少なくと
    も1つはカルボキシル基又はカルボキシル基を有する基
    である。nは1以上の整数を表す。〕
  2. 【請求項2】 ビニル共重合体に含まれる一般式(1)
    で示される構造単位が15mol%以上35mol%以
    下であることを特徴とする請求項1記載の感光性平版印
    刷版。
  3. 【請求項3】 一般式(1)のnが2以上であることを
    特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版。
  4. 【請求項4】 下記一般式(2)で示される構造単位か
    ら選ばれる少なくとも1つの構造単位を含むビニル共重
    合体を含有する感光層を支持体上に有することをことを
    特徴とする感光性平版印刷版。 【化2】 〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子又はフェニル
    基を表し、Xは−O−、−CO−、−COO−、−OC
    O−、−SO2O−又は−OSO2−を表し、Y1、Y2
    3、Y4及びY5は各々水素原子、カルボキシル基又は
    カルボキシル基を有する基を表し、Y1〜Y5の少なくと
    も1つはカルボキシル基又はカルボキシル基を有する基
    である。nは1以上の整数を表す。〕
  5. 【請求項5】 ビニル共重合体に含まれる一般式(2)
    で示される構造単位が15mol%以上35mol%以
    下であることを特徴とする請求項4記載の感光性平版印
    刷版。
  6. 【請求項6】 一般式(2)のnが2以上であることを
    特徴とする請求項4記載の感光性平版印刷版。
  7. 【請求項7】 下記一般式(3)で示される構造単位か
    ら選ばれる少なくとも1つの構造単位を含むビニル共重
    合体を含有する感光層を支持体上に有することをことを
    特徴とする感光性平版印刷版。 【化3】 〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子又はフェニル
    基を表し、Xは−O−、−CO−、−COO−、−OC
    O−、−SO2O−又は−OSO2−を表し、nは1以上
    の整数を表す。〕
  8. 【請求項8】 ビニル共重合体に含まれる一般式(3)
    で示される構造単位が15mol%以上35mol%以
    下であることを特徴とする請求項5記載の感光性平版印
    刷版。
  9. 【請求項9】 一般式(3)のnが2以上であることを
    特徴とする請求項7記載の感光性平版印刷版。
  10. 【請求項10】 ビニル共重合体の重量平均分子量が6
    000以上であることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れか1項に記載の感光性平版印刷版。
JP25378898A 1998-09-08 1998-09-08 感光性平版印刷版 Expired - Fee Related JP3743174B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25378898A JP3743174B2 (ja) 1998-09-08 1998-09-08 感光性平版印刷版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25378898A JP3743174B2 (ja) 1998-09-08 1998-09-08 感光性平版印刷版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000089460A true JP2000089460A (ja) 2000-03-31
JP3743174B2 JP3743174B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=17256168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25378898A Expired - Fee Related JP3743174B2 (ja) 1998-09-08 1998-09-08 感光性平版印刷版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3743174B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1176467A1 (en) 2000-07-28 2002-01-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Negative working photosensitive lithographic printing plate
US6641975B2 (en) 2000-08-14 2003-11-04 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Resist composition and patterning process
EP1505441A2 (en) * 2003-07-29 2005-02-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. Alkali-soluble polymer and polymerizable composition thereof
US7851133B2 (en) * 2004-03-19 2010-12-14 Fujifilm Corporation Lithographic printing process

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1176467A1 (en) 2000-07-28 2002-01-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Negative working photosensitive lithographic printing plate
US6861200B2 (en) 2000-07-28 2005-03-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Negative working photosensitive lithographic printing plate
US6641975B2 (en) 2000-08-14 2003-11-04 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Resist composition and patterning process
EP1505441A2 (en) * 2003-07-29 2005-02-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. Alkali-soluble polymer and polymerizable composition thereof
EP1505441A3 (en) * 2003-07-29 2010-04-28 FUJIFILM Corporation Alkali-soluble polymer and polymerizable composition thereof
EP3051349A1 (en) * 2003-07-29 2016-08-03 FUJIFILM Corporation Alkali-soluble polymer and polymerizable composition thereof
US7851133B2 (en) * 2004-03-19 2010-12-14 Fujifilm Corporation Lithographic printing process

Also Published As

Publication number Publication date
JP3743174B2 (ja) 2006-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3743174B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP3494749B2 (ja) ポジ型感光性平版印刷版及びその処理方法
JP3537536B2 (ja) 感光性平版印刷版の製造方法
JPH1020497A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH08320559A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH09319076A (ja) 感光性平版印刷版
JPH08320557A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JP3644771B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP3497005B2 (ja) 平版印刷版用支持体の製造方法
JPH09319077A (ja) 感光性平版印刷版
JP3423949B2 (ja) 感光性平版印刷版及びその支持体並びに製版方法
JPH10239849A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH0627646A (ja) 感光性平版印刷版
JPH08314135A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH09311454A (ja) 感光性平版印刷版
JPH0798500A (ja) 感光性平版印刷版
JPH09311437A (ja) 感光性平版印刷版
JPH08314133A (ja) 感光性平版印刷版及びその製造方法
EP0345016A2 (en) Photosensitive composition and photosensitive lithographic printing plate
JPH10213900A (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JPH08320556A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH08160611A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH09311442A (ja) 感光性平版印刷版
JPH07333831A (ja) 感光性平版印刷版
JPH10207051A (ja) 感光性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees