JPH08314135A - 感光性組成物及び感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性組成物及び感光性平版印刷版

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JPH08314135A
JPH08314135A JP13851995A JP13851995A JPH08314135A JP H08314135 A JPH08314135 A JP H08314135A JP 13851995 A JP13851995 A JP 13851995A JP 13851995 A JP13851995 A JP 13851995A JP H08314135 A JPH08314135 A JP H08314135A
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JP
Japan
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acid
photosensitive
cresol
photosensitive composition
printing plate
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Application number
JP13851995A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Tono
克彦 東野
Tomohisa Ota
智久 太田
Shinichi Matsubara
真一 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、経時安定性が良好な感光性組成物及
び感光性平版印刷版を提供する。 【構成】本発明は、(a)m−クレゾールとp−クレゾ
ールよりなる分子量4500以上のノボラック樹脂、
(b)感光性組成物中に占める割合が30%以上である
o−キノンジアジド化合物を含有することを特徴とする
感光性組成物、及び該感光性組成物を有することを特徴
とする感光性平版印刷版である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性組成物及び感光性
平版印刷版に関し、特に塗布面の均一なポジ型感光性組
成物及び感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、ポジ型感光性平版印刷版の感光性
組成物としては、一般にアルカリ可溶性樹脂と感光物と
してのナフトキノンジアジド化合物とを含む組成物が用
いられている。例えば、ノボラック型フェノール樹脂/
ナフトキノンジアジド置換化合分として米国特許第3,
666,473号、同第4,115,128号及び同第
4,173,470号公報等に、また最も典型的な組成
物としてクレゾール−ホルムアルデヒドよりなるノボラ
ック樹脂/トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナ
フトキノンジアジドスルホン酸エステルの例がトンプソ
ン「イントロダクション・トゥー・マイクロリソグラフ
ィー」(ACS出版、No.219号、p112〜12
1)に記載されている。上記のようなノボラック樹脂と
ナフトキノンジアジド系感光物を含有するポジ型感光性
平版印刷版が数多く開発、実用化されている。しかし、
上記技術では、経時安定性の点で問題が発生していた。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、経時安定性が良好な感
光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、 1.(a)m−クレゾールとp−クレゾールよりなる分
子量4500以上のノボラック樹脂、(b)感光性組成
物中に占める割合が30%以上であるo−キノンジアジ
ド化合物を含有することを特徴とする感光性組成物、 2.前記1記載の感光性組成物を沸点110℃以下の有
機溶剤と沸点120℃以上の有機溶剤との混合溶剤に溶
解することを特徴とする感光性組成物、 3.前記1又は2記載の感光性組成物を有することを特
徴とする感光性平版印刷版、 の各々により達成される。
【0005】
【作用】本発明は、ノボラック樹脂とナフトキノンジア
ジド系感光物を含有するポジ型感光性平版印刷版におい
て、ノボラック樹脂としてm−クレゾールとp−クレゾ
ールからなり分子量が4500以上のものを使用し、且
つo−キノンジアジド化合物が感光層中に占める割合が
30%以上とすることにより、経時安定性が良好にな
る。また、感光層素材を溶解する溶剤を、110℃以下
のものと120℃以上のものとの混合溶剤とすることに
より、更に経時安定性が良好になる。
【0006】
【発明の具体的説明】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明に使用されるアルミニウム支持体には、純ア
ルミニウムおよびアルミニウム合金よりなる支持体が含
まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用で
き、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニ
ウムの合金が用いられる。
【0007】アルミニウム支持体は、粗面化に先立って
アルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を
施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、
シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロンとトリエ
タノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処
理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソーダ等
のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に
苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いた場合、上記脱
脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去する
ことができる。
【0008】感光層との密着性を良好にし、かつ保水性
を改善するために行われる砂目立て処理方法としては、
機械的に表面を粗面化する、いわゆる機械的粗面化法
と、電気化学的に表面を粗面化する、いわゆる電気化学
的粗面化法がある。機械的粗面化法には、例えば、ボー
ル研磨、ブラシ研磨、ブラスト研磨、バフ研磨等の方法
がある。また電気化学的粗面化法には、例えば、塩酸ま
たは硝酸等を含む電解液中で交流あるいは直流によって
支持体を電解処理する方法等がある。この内いずれか1
つ、もしくは2つ以上の方法を併用することにより、支
持体を砂目立てすることができる。
【0009】前述のような砂目立て処理して得られた支
持体の表面には、スマットが生成しているので、このス
マットを除去するために適宜水洗あるいはアルカリエッ
チング等の処理を行うことが一般に好ましい。このよう
な処理としては、例えば特公昭48−28123号公報
に記載されているアルカリエッチング法や特開昭53−
12739号公報に記載されている硫酸デスマット法等
の処理方法が挙げられる。
【0010】支持体には、通常、耐摩耗性、耐薬品性、
保水性を向上させるために、陽極酸化によって酸化被膜
を形成させる。この陽極酸化では一般的に、硫酸および
/またはリン酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を
電解液として電流密度1〜10A/dmで電解する方
法が好ましく用いられるが、他に米国特許第1,41
2,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密
度で電解する方法や米国特許第3,511,661号明
細書に記載されている燐酸を用いて電解する方法等があ
る。
【0011】支持体は、陽極酸化処理の後、封孔処理を
施してもよい。封孔処理としては、沸騰水処理、水蒸気
処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝
酸塩処理、酢酸アンモン処理等が挙げられる。
【0012】更に支持体は、親水性下塗層を設けてもよ
い。親水性下塗層としては、米国特許第3,181,4
61号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国特許第
1,860,426号明細書に記載の親水性セルロー
ス、特開昭60−149491号公報、同63−165
183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特開昭60
−232998号公報に記載の水酸基を有するアミン類
及びその塩、特開昭62−19494号公報に記載の燐
酸塩、特開昭59−101651号公報に記載のスルホ
基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等が挙げら
れる。
【0013】更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感
光層への擦れ傷を防ぐために、また、現像時、現像液中
へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50
−151136号、同57−63293号、同60−7
3538号、同61−67863号、特開平6−351
74号等に記載されている、支持体裏面に保護層を設け
る処理を行うことができる。
【0014】次に、上記表面処理された支持体上に、下
記する本発明の感光性組成物(請求項1又は2)を含む
感光層を塗布し、乾燥することにより本発明の感光性平
版印刷版(請求項3)が得られる。この感光層中に用い
られる感光性物質としては30%以上のo−キノンジア
ジド化合物を用いる他、特に限定されるものはなく、通
常、感光性平版印刷版に用いられている種々のものを用
いることができる。以下、この点について説明する。
【0015】(感光層) (o−キノンジアジド化合物を含む感光性組成物)本発
明のポジ型感光性組成物層に使用されるo−キノンジア
ジド化合物とは、分子中にo−キノンジアジド化合物を
有する化合物であって、本発明で使用することができる
o−キノンジアジド化合物は特に限定されるものではな
く、例えば、o−キノンジアジド基を有する重縮合樹
脂、例えば、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸と、
フェノール類及びアルデヒドまたはケトンの重縮合樹脂
とのエステル化合物が挙げられる。
【0016】前記フェノール類としては、例えば、フェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモー
ル等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒド
ロキノン等の二価フェノール、ピロガロール、フロログ
ルシン等の三価フェノール等が挙げられる。前記アルデ
ヒドとしてはホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、ア
セトアルデヒド、クロトンアルデヒド、フラフラール等
が挙げられる。これらのうち好ましいものはホルムアル
デヒド及びベンズアルデヒドである。前記ケトンとして
はアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
【0017】前記重縮合樹脂の具体的な例としては、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m−、p−混合クレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹
脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が挙げられる。前記
o−ナフトキノンジアジド化合物のフェノール類のOH
基に対するo−ナフトキノンジアジドスルホン酸の縮合
率(OH基1個に対する反応率)は、15〜80%が好
ましく、より好ましいのは20〜45%である。
【0018】更に本発明に用いられるo−キノンジアジ
ド化合物としては特開昭58−43451号公報に記載
のある以下の化合物も使用できる。即ち、例えば1,2
−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ベ
ンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフト
キノンジアジドスルホン酸アミドなどの公知の1,2−
キノンジアジド化合物、更に具体的にはジェイ・コサー
ル(J.Kosar)著「ライト−センシティブ・シス
テムズ」(Light−Sensitive Syst
ems)第339〜352頁(1965年)、ジョン・
ウィリー・アンド・サンズ(JohnWilley &
Sons)社(ニューヨーク)やダブリュ・エス・デ
ィ・フォレスト(W.S.De Forest)著「フ
ォトレジスト」(Photoresist)第50巻
(1975年)、マックローヒル(Mc Graw H
ill)社(ニューヨーク)に記載されている1,2−
ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸フェニルエステ
ル、1,2,1´,2´−ジ−(ベンゾキノンジアジド
−4−スルホニル)−ジヒドロキシビフェニル、1,2
−ベンゾキノンジアジド−4−(N−エチル−M−β−
ナフチル)−スルホンアミド、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸シクロヘキシルエステル、1−
(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−
3,5−ジメチルピラゾール、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン−4´−ヒドロキシジフェニル−
4´−アゾ−β−ナフトール−エステル、N,N−ジ−
(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−
アニリン、2´−(1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホニルオキシ)−1−ヒドロキシ−アントラキノ
ン、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン−
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2
−ナフトキノノジアジド−5−スルホン酸−2,3,4
−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと
4,4´−ジアミノベンゾフェノン1モルとの縮合物、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリ
ド2モルと4,4´−ジヒドロキシ−1,1´−ジフェ
ニルスルホン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホン酸クロリド1モルとプルプロガ
リン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド
−5−(N−ジヒドロアビエチル)−スルホンアミド等
の1,2−キノンジアジド化合物を例示することができ
る。また、特公昭37−1953号、同37−3627
号、同37−13109号、同40−26126号、同
40−3801号、同45−5604号、同45−27
345号、同51−13013号、特開昭48−965
75号、同48−63802号、同48−63803号
各公報に記載された1,2−キノンジアジド化合物も挙
げることができる。
【0019】上記o−キノンジアジド化合物のうち、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホニルクロリド又は
1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドをピ
ロガロール・アセトン縮合樹脂又は2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノンと反応させて得られるo−キノ
ンジアジドエステル化合物が特に好ましい。本発明に用
いられるo−キノンジアジド化合物としては上記化合物
を各々単独で用いてもよいし、2種以上組合せて用いて
もよい。o−キノンジアジド化合物の感光性組成物中に
占める割合は、30%以上であり、好ましくは30〜6
0%である。
【0020】(アルカリ可溶性樹脂)本発明の感光性組
成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、請求項
1である本発明のノボラック樹脂が用いられる。その
他、本発明の効果を損なわない範囲でフェノール性水酸
基を有するビニル系重合体、特開昭55−57841号
公報に記載されている多価フェノールとアルデヒド又は
ケトンとの縮合樹脂等が用いられてもよい。
【0021】本発明に使用されるノボラック樹脂として
は、m−クレゾールとp−クレゾールよりなる分子量4
500以上のノボラック樹脂である。m−クレゾールと
p−クレゾールの組成比は、m−クレゾール/p−クレ
ゾール=100/5〜20/80、より好ましくはm−
クレゾール/p−クレゾール=100/5〜40/60
である。前記ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレン標
準)は、好ましくは数平均分子量Mnが5.00×10
〜9.50×10、重量平均分子量Mwが4.50
×10以上、より好ましくはMnが1.00×10
〜7.50×10、Mwが4.50×10〜1.0
0×10である。上記ノボラック樹脂は単独で用いて
もよいし、2種以上組合せて用いてもよい。上記ノボラ
ック樹脂の感光性組成物中に占める割合は5〜95重量
%が好ましい。又、本発明に併用されてもよいフェノー
ル性水酸基を有するビニル系共重合体としては、該フェ
ノール性水酸基を有する単位を分子構造中に有する重合
体であり、下記一般式[I]〜[V]の少なくとも1つ
の構造単位を含む重合体が好ましい。
【0022】
【化1】
【0023】[式中、RおよびRはそれぞれ水素原
子、アルキル基又はカルボキシル基、好ましくは水素原
子を表わす。Rは水素原子、ハロゲン原子又はアルキ
ル基を表わし、好ましくは水素原子又はメチル基、エチ
ル基等のアルキル基を表わす。Rは水素原子、アルキ
ル基、アリール基又はアラルキル基を表わし、好ましく
は水素原子を表わす。Aは窒素原子又は酸素原子と芳香
族炭素原子とを連結する、置換基を有していてもよいア
ルキレン基を表わし、mは0〜10の整数を表わし、B
は置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を
有してもよいナフチレン基を表わす。]
【0024】本発明に用いられる重合体としては共重合
体型の構造を有するものが好ましく、前記一般式[I]
〜一般式[V]でそれぞれ示される構造単位と組合せて
用いることができる単量体単位としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレ
ン等のエチレン系不飽和オフィレン類、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン等のスチレン類、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸等のアクリル酸類、例えばイタコン、マレイン
酸、無水マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸フ
ェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のα
−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル類、例えば
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル
類、例えばアクリルアミド等のアミド類、例えばアクリ
ルアニリド、p−クロロアクリルアニリド、m−ニトロ
アクリルアニリド、m−メトキシアクリルアニリド等の
アニリド類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ベンゾエ酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、
例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、ビニリデン
クロライド、ビニリデンシアナイド、例えば1−メチル
−1−メトキシエチレン、1,1−ジメトキシエチレ
ン、1,2−ジメトキシエチレン、1,1−ジメトキシ
カルボニルエチレン、1−メチル−1−ニトロエチレン
等のエチレン誘導体類、例えばN−ビニルピロール、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビ
ニルピロリデン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル
系単量体がある。これらのビニル系単量体は、不飽和二
重結合が開裂した構造で高分子化合物中に存在する。
【0025】上記の単量体のうち脂肪族モノカルボン酸
のエステル類、ニトリル類が本発明の目的に対して優れ
た性能を示し、好ましい。これらの単量体は、本発明に
用いられる重合体中にブロックまたはランダムのいずれ
かの状態で結合していてもよい。
【0026】本発明に用いられるビニル系重合体の感光
性組成物中に占める割合は0.5〜70重量%であるこ
とが好ましい。ビニル系重合体は、上記重合体を単独で
用いてもよいし、又2種以上組合せて用いてもよい。
又、他の高分子化合物等と組合せて用いることもでき
る。
【0027】(有機酸・無機酸・酸無水物)本発明の感
光性組成物には、有機酸・無機酸・酸無水物が含有され
てもよい。本発明に使用される酸としては、例えば特開
昭60−88942号、特願昭63−293107号に
記載の有機酸と、日本化学会編「化学便覧新版」(丸善
出版)第92〜158頁に記載の無機酸が挙げられる。
有機酸の例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、メタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼルスルホン酸、
m−ベンゼンジスルホン酸等のスルホン酸、p−トルエ
ンスルフィン酸、ベンジルスルフィン酸、メタンスルフ
ィン酸等のスルフィン酸、フェニルホスホン酸、メチル
ホスホン酸、クロルメチルホスホン酸等のホスホン酸、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン
酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸等の脂肪族モノカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン
酸、安息香酸、o−、m−、p−ヒドロキシ安息香酸、
o−、m−、p−メトキシ安息香酸、o−、m−、p−
メチル安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、フロ
ログリシンカルボン酸、没食子酸、3,5−ジメチル安
息香酸等の芳香族モノカルボン酸が挙げられる。また、
マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、リンゴ酸
等の飽和または、不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラヒ
ドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、
1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0028】上記有機酸の内、より好ましいものは、p
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ベンゼルスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン
酸等のスルホン酸、またはcis−1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸、シリンガ酸等がある。無機酸の例と
しては、硝酸、硫酸、塩酸、ケイ酸、リン酸等が挙げら
れ、さらに好ましくは、硫酸、リン酸である。
【0029】酸無水物を用いる場合の、酸無水物の種類
も任意であり、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息
香酸等、脂肪族・芳香族モノカルボン酸から誘導される
もの、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水フタル酸等、脂肪族・芳香族ジカルボン酸から
誘導されるもの等を挙げることができる。好ましい酸無
水物は、無水グルタル酸、無水フタル酸である。これら
の化合物は、単独あるいは2種以上混合して使用でき
る。これらの酸の含有量は、全感光性組成物の全固形分
に対して、一般的に0.05〜5重量%であって、好ま
しくは、0.1〜3重量%の範囲である。
【0030】(界面活性剤)本発明の感光性組成物は界
面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、両性界
面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を挙げるこ
とができる。
【0031】上記両性界面活性剤としては、ラウリルジ
メチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒ
ドロキシエチル、イミダゾリニウムベタイン等がある。
アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸
エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル
塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキ
シエチレンアルキルリン酸エステル等がある。カチオン
界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモ
ニウム塩、アルキルベタイン等がある。ノニオン界面活
性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレン
ブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノール
アミド等がある。
【0032】フッ素系界面活性剤としては、フルオロ脂
肪族基を含むアクリレートまたはメタアクリレートおよ
び(ポリオキシアルキレン)アクリレートまたは(ポリ
オキシアルキレン)メタアクリレートの共重合体等があ
る。例えば、特開昭62−170950号、同62−2
26143号、米国特許3,787,351号等に記載
のもの(例えば、メガファックF−171,173,1
77、ディフェンサMCF300,312,313(以
上、大日本インキ化学工業社製)、モディパーF−10
0,102,110(日本油脂社製)などが挙げられ
る。これらの化合物は、単独あるいは2種以上混合して
使用することができる。感光性組成物中に占める割合
は、0.01〜10重量%であることが好ましく、さら
に好ましくは0.01〜5重量%で使用される。
【0033】(プリントアウト材料)感光性組成物に
は、露光により可視画像を形成させるプリントアウト材
料を添加することができる。プリントアウト材料は露光
により酸もしくは遊離基を生成する化合物と相互作用す
ることによってその色調を変える有機染料よりなるもの
で、露光により酸もしくは遊離基を生成する化合物とし
ては、例えば特開昭50−36209号公報に記載のo
−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニド、
特開昭53−36223号公報に記載されているo−ナ
フトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドと電子
吸引性置換基を有するフェノール類、またはアニリン酸
とのエステル化合物またはアミド化合物、特開昭55−
77742号公報、特開昭57−148784号公報等
に記載のハロメチルビニルオキサジアゾール化合物及び
ジアゾニウム塩等が挙げられる。
【0034】(露光により酸または遊離基を生成する化
合物)本発明の感光性組成物に用いることができる、露
光により酸または遊離基を生成する化合物としては、例
えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物、ハロメチル
−s−トリアジン化合物等が用いられる。ハロメチルオ
キサジアゾール化合物とは、オキサジアゾール類にハロ
メチル基、好ましくはトリクロロメチル基を有する化合
物である。
【0035】これらの化合物は公知であり、例えば特公
昭57−6096号公報、同61−51788号公報、
特公平1−28369号公報、特開昭60−13853
9号公報、同60−177340号公報、同60−24
1049号公報等に記載されている。また、ハロメチル
−s−トリアジン化合物とは、s−トリアジン環に1以
上のハロメチル基、好ましくはトリクロロメチル基を有
する化合物である。
【0036】本発明の感光性組成物中における前記露光
により酸又は遊離基を生成する化合物の添加量は、0.
01〜30重量%が好ましく、より好ましくは、0.1
〜10重量%であり、特に好ましくは、0.2〜3重量
%である。これらの化合物は、単独あるいは2種以上混
合して使用できる。
【0037】(色素)本発明の感光性組成物には、さら
に色素を用いることができる。該色素は、露光による可
視画像(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ること
を目的として使用される。
【0038】該色素としては、フリーラジカルまたは酸
と反応して色調を変化するものが好ましく使用できる。
ここに「色調が変化する」とは、無色から有色の色調へ
の変化、有色から無色あるいは異なる有色の色調への変
化のいずれをも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成
して色調を変化するものである。例えば、ビクトリアピ
ュアブルーBOH(保土谷化学社製)、オイルブルー#
603(オリエント化学工業社製)、パテントピュアブ
ルー(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット、
ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバ
イオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、ペイシ
ックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m
−クレゾールパープル、、ローダミンB、オーラミン、
4−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン、シ
アノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に
代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン
系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン
系、アゾメチン系またはアントラキノン系の色素が有色
から無色あるいは異なる有色の色調へ変化する変色剤の
例として挙げられる。
【0039】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素及び、例えばトリフェニルアミン、ジ
フェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−ト
リフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′,
p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、
p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミ
ン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェ
ニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニ
ル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−ト
リアミノトリフェニルメタンに代表される第1級または
第2級アリールアミン系色素が挙げられる。上記の変色
剤の感光性組成物中に占める割合は、0.01〜10重
量%であることが好ましく、更に好ましくは0.02〜
5重量%で使用される。これらの化合物は、単独あるい
は2種以上混合して使用できる。尚、特に好ましい色素
は、ビクトリアピュアブルーBOH、オイルブルー#6
03である。
【0040】(感脂化剤)画像部の感脂性を向上させる
ための感脂化剤(例えば、特開昭55−527号公報記
載のスチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコールに
よるハーフエステル化物、p−t−ブチルフェノール−
ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂、あるいはこ
れらとo−キノンジアジド化合物との部分エステル化
物、フッ素系界面活性剤、p−ヒドロキシスチレンの5
0%脂肪酸エステル等)、等が好ましく用いられる。こ
れらの添加剤の添加量はその使用対象、目的によって異
なるが、一般には全固形分に対して、0.01〜30重
量%である。これらの各成分を下記の溶媒に溶解させ、
前記支持体表面に塗布し乾燥させることにより、感光層
を設けて、本発明の感光性平版印刷版を製造することが
できる。尚、溶剤の用法については特別の制限はない。
【0041】(塗布溶剤)請求項2における本発明で
は、溶剤として下記に挙げるような沸点110℃以下の
有機溶剤と沸点120℃以上の有機溶剤との混合溶剤に
前記感光性組成物を溶解することが経時安定性をより向
上させる点で好ましい。また、沸点110℃以下の有機
溶剤と沸点120℃以上の有機溶剤との混合比率は、好
ましくは95:5〜30:70、より好ましくは90:
10〜35:65、更に好ましくは80:20〜40:
60である。
【0042】沸点110℃以下の溶剤例 アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が挙
げられる。 沸点120℃以上の溶剤例 メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、メチルカルビトール、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルDPG
E、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコ
ール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、4−ヒド
ロキシ−2−ブタノン、乳酸メチル、ペンタノール、ヘ
キサノールなどが挙げられる。
【0043】尚、本発明においては、本発明の効果を損
なわない範囲で、沸点110℃超〜120℃未満の有機
溶剤を用いてもよい。
【0044】(被覆層)本発明に係る感光性平版印刷版
は、上記感光層上に皮膜形成能を有する水不溶性で有機
溶媒可溶性の高分子化合物から成る被覆層を形成するこ
とができる。
【0045】上記のようにして設けられた感光層の表面
には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時
間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設け
ることが好ましい。具体的には、特開昭50−1258
05号、特公昭57−6582号、同61−28986
号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方
法、特公昭62−62337号公報に記載されているよ
うな固体粉末を熱融着させる方法等が挙げられる。
【0046】(マット剤)マット層の目的は密着露光に
おける画像フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性
を改良することにより、真空引き時間を短縮し、さらに
密着不良による露光時の微小網点のつぶれを防止するこ
とである。マット層の塗布方法としては、特開昭55−
12974号に記載されているパウダリングされた固体
粉末を熱融着する方法、特開昭58−182636号に
記載されているポリマー含有水をスプレーし乾燥させる
方法等があり、どの方法でもよいが、マット層自体がア
ルカリ現像液に溶解するか、あるいはこれにより除去可
能な物が望ましい。
【0047】(塗布)感光性組成物や被覆層又はマット
層を支持体表面に塗布する際に用いる塗布方法として
は、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー
塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、
ブレード塗布及びカーテン塗布等が用いられる。
【0048】(露光)こうして得られた感光性平版印刷
版の使用に際しては、従来から常用されている方法を適
用することができ、例えば線画像、網点画像などを有す
る透明原画を感光面に密着して露光し、次いでこれを適
当な現像液を用いて非画像部の感光性層を除去すること
によりレリーフ像が得られる。露光に好適な光源として
は、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、
ケミカルランプ、カーボンアーク灯などが使用される。
【0049】(処理)本発明において、感光性平版印刷
版の現像処理に用いられる現像液、現像補充液は何れも
アルカリ金属珪酸塩を含むものである。アルカリ金属珪
酸塩のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、
カリウムが含まれるが、このうちカリウムが最も好まし
い。現像の際、感光性平版印刷版の現像処理量に合わせ
て、適当に現像補充液が補充されることが好ましい。
【0050】好ましい現像液、現像補充液は、〔SiO
〕/〔M〕(式中、〔SiO〕はSiOのモル濃
度を示し、〔M〕はアルカリ金属のモル濃度を示す)が
0.15〜1.0であり、SiO濃度が総重量に対し
て0.5〜5.0重量%であるアルカリ金属珪酸塩の水
溶液である。また、特に好ましくは、現像液の〔SiO
〕/〔M〕が0.25〜0.75であり、SiO
度が1.0〜4.0重量%、現像補充液の〔SiO
/〔M〕が0.15〜0.5であり、SiO濃度が
1.0〜3.0重量%である。
【0051】上記現像液、現像補充液には、水溶性又は
アルカリ可溶性の有機および無機の還元剤を含有させる
ことができる。有機の還元剤としては、例えば、ハイド
ロキノン、メトール、メトキシキノン等のフェノール化
合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン等のア
ミン化合物を挙げることができ、無機の還元剤として
は、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カ
リウム等の亜硫酸塩、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カ
リウム、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸水素カリウ
ム、亜リン酸二水素ナトリウム、亜リン酸二水素カリウ
ム等の亜リン酸塩、ヒドラジン、チオ硫酸ナトリウム、
亜ジチオン酸ナトリウム等を挙げることができる。これ
ら水溶性又はアルカリ可溶性還元剤は、現像液、現像補
充液に0.05〜10重量%を含有させることができ
る。また、現像液、現像補充液には、有機酸カルボン酸
を含有させることができる。
【0052】これら有機酸カルボン酸には、炭素原子数
6〜20の脂肪族カルボン酸、およびベンゼン環または
ナフタレン環にカルボキシル基が置換した芳香族カルボ
ン酸が包含される。
【0053】脂肪族カルボン酸としては、炭素数6〜2
0のアルカン酸が好ましく、具体的な例としては、カプ
ロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸等が挙げられ、特に好ましくは、炭素数6
〜12のアルカン酸である。また、脂肪族カルボン酸
は、炭素鎖中に二重結合を有する脂肪酸であっても、枝
分れした炭素鎖を有する脂肪酸であってもよい。上記脂
肪族カルボン酸はナトリウムやカリウムの塩またはアン
モニウム塩として用いてもよい。
【0054】芳香族カルボン酸の具体的な化合物として
は、安息香酸、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香
酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−tert−ブチル安息香酸、o−アミノ安息香
酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香
酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロ
キシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2
−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−
ナフトエ酸等が挙げられる。
【0055】上記芳香族カルボン酸はナトリウムやカリ
ウムの塩またはアンモニウム塩として用いてもよい。脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸の含有量は少なくと
も0.1〜30重量%を含有させることができる。ま
た、現像剤、現像補充剤には、各種アニオン型、ノニオ
ン型、カチオン型の各界面活性剤および有機溶媒を含有
させることができる。更に、現像液、現像補充液には、
公知の添加物を添加することができる。
【0056】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明する。 (支持体の作成)厚さ0.3mmのアルミニウム板(材
質1050、調質H16)を、65℃に保たれた5%水
酸化ナトリウム水溶液中で1分間脱脂処理を行った後、
水洗し、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1分間
浸漬し、中和し、更に水洗した。このアルミニウム板を
1.0wt%の塩酸水溶液中において、温度25℃、電
流密度100A/dm、処理時間60秒間の条件で交
流電流により電解粗面化を行った。次いで、5%水酸化
ナトリウム水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処
理を行い、その後、20%硫酸水溶液中で、温度20
℃、電流密度3A/dm、処理時間1分間の条件で陽
極酸化処理を行った。その後、80℃に保たれた1%亜
硝酸ナトリウム水溶液中に30秒間浸漬し、水洗後80
℃で3分間乾燥した。更に、85℃に保たれたカルボキ
シメチルセルロースの水溶液(濃度0.1wt%)に3
0秒間浸漬した後、80℃で5分間乾燥し、支持体を作
成した。
【0057】 (感光液A) ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が60/40、重 量平均分子量5700) 6.7g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノンジ アジド−5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%)4.0g ポリエチレングリコール#2000 0.2g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製、フッ素系界面活性剤) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.2g メチルエチルケトン/ジエチルカルビトール=50/50 100ml
【0058】 (感光液B) ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が60/40、重 量平均分子量5700) 6.7g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノンジ アジド−5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%)1.5g ポリエチレングリコール#2000 0.2g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製、フッ素系界面活性剤) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.2g メチルセロソルブ 100ml
【0059】 (感光液C) ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が60/40、重 量平均分子量4000) 6.7g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノンジ アジド−5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%)1.5g ポリエチレングリコール#2000 0.2g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製、フッ素系界面活性剤) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.2g メチルセロソルブ 100ml
【0060】(感光性平版印刷版試料の作成)上記支持
体上に塗布液Aをワイヤーバーを用いて塗布し、80℃
1分間乾燥し、感光性平版印刷版試料1を作成した。上
記支持体上に塗布液Bをワイヤーバーを用いて塗布し、
80℃1分間乾燥し、感光性平版印刷版試料2を作成し
た。上記支持体上に塗布液Cをワイヤーバーを用いて塗
布し、80℃1分間乾燥し、感光性平版印刷版試料3を
作成した。
【0061】(評価方法) =経時安定性= 作成した感光性平版印刷版を、(55℃、20%)、
(40℃、80%)の2条件下で、1週間、2週間、3
週間、1カ月保存した後の性能の変化(感度)を評価し
た。結果を表1に示す。 判定基準 ○:経時前に比べ、全く性能変化(感度の変化)がない △:経時前に比べ、感度変化が1/2段以内の範囲であ
る ×:経時前に比べ、感度変化が1/2段以上の範囲であ
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、経時安定性が良好な感
光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 真一 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)m−クレゾールとp−クレゾールよ
    りなる分子量4500以上のノボラック樹脂、(b)感
    光性組成物中に占める割合が30%以上であるo−キノ
    ンジアジド化合物を含有することを特徴とする感光性組
    成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の感光性組成物を沸点110
    ℃以下の有機溶剤と沸点120℃以上の有機溶剤との混
    合溶剤に溶解することを特徴とする感光性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の感光性組成物を有す
    ることを特徴とする感光性平版印刷版。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006119251A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Mitsubishi Paper Mills Ltd ネガ型感光性平版印刷版の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006119251A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Mitsubishi Paper Mills Ltd ネガ型感光性平版印刷版の製造方法
JP4679109B2 (ja) * 2004-10-20 2011-04-27 三菱製紙株式会社 ネガ型感光性平版印刷版の製造方法

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