JPH0721917Y2 - ポンプ羽根車の固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、主軸にポンプ羽根車を袋ナット状の羽根車ナ
ットにより固定しているポンプ羽根車の固定構造の改良
に関する。

［従来の技術］ 従来のかかる構造においては羽根車ナットの緩み止めを
防止するため、第２図に示すように回り止めビス8Aで羽
根車ナット6Aを羽根車５に固定し、その回り止めビス8A
を羽根車ナット6Aに埋め込んでポンチによるかしめ部10
を形成していた。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の構造においては、回り止めビス8Aの羽根車５のね
じ穴5a及び羽根車ナット6Aの取付穴7Aの相互の位置は、
羽根車ナット6Aを主軸1Aにねじ込まないと分らないの
で、あらかじめこれらの穴5a、7Aを加工しておくのがで
きなくて、現合作業によっていた。したがって、羽根車
５を主軸1Aに固定する作業性がわるかった。

その他の従来技術として、例えば実開昭56−60000号公
報には、ポンプ羽根車を固定する主軸の軸線上にねじ穴
を形成し、そのねじ穴に螺合し頭部が軸頂ブッシュに埋
め込まれるボルトを設けた技術が示されている。しか
し、この技術では、軸頂ブッシュの凹部に止メビスを挿
入し羽根車に螺合させることによって該軸頂ブッシュの
ゆるみ止めを行っているので、止メビスによる締結作業
の分だけ固定作業が煩雑とな。また、止メビスと軸頂ブ
ッシュの該止メビス用の凹部との整合が非常に難しい。

本考案は、上述した本考案の従来技術の問題点に鑑みて
提案されたもので、ポンプ羽根車を主軸に固定する作業
の作業効率を向上することが出来る様なポンプ羽根車の
固定構造の提供を目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案のポンプ羽根車の固定構造は、主軸にポンプ羽根
車を袋ナット状の羽根車ナットにより固定しているポン
プ羽根車の固定構造において、前記主軸の軸線上に前記
羽根車ナットと逆方向のねじ穴を形成し、該ねじ穴に螺
合し、頭部が前記羽根車ナットに埋め込まれ、該羽根車
ナットと固定される六角穴付きボルト、を設けている。

本考案の実施に際して、上記六角穴付きボルトは、ねじ
込んだ後に、羽根車ナットにポンチによりかしめて固定
するのが好ましい。

［作用］ 上記のように構成された本考案のポンプ羽根車の固定構
造によれば、予め主軸にねじ穴をボルト穴として穿設し
ておき、羽根車を主軸に取付け、羽根車ナットを主軸に
ねじ込んだのち、六角穴付きボルトをボルト穴に挿入
し、ねじ穴にねじ込み、頭部を羽根車ナットに埋め込
み、ポンチによりかしめて羽根車ナットに固定する。こ
の様に、本考案によれば、羽根車ナットと六角穴付きボ
ルトの僅か２点の部品により羽根車、主軸の固定及び緩
み止めを行うことが出来るので、固定作業の作業効率が
飛躍的に向上するのである。

また、主軸の軸線上のねじ穴は、前記羽根車ナットと逆
方向のねじ穴（羽根車ナットの雌ねじ部とは逆向きのね
じ山を有する雌ねじ部）を形成しているので、羽根車ナ
ットが緩む方向に動く（螺合が解除する方向に回動す
る）場合には、六角穴付きボルトと主軸の軸線上のねじ
穴とはより強固に締結し合うので、羽根車ナットが主軸
から外れてしまうことは無い。一方、六角穴付きボルト
と主軸の軸線上のねじ穴とが、その螺合が解除する方向
に相対移動（回動）すれば、その方向は羽根車ナットが
より強固に締結される方向に異ならない。この様に、本
考案によれば、いずれの方向に回動しても、確実に緩み
止め作用が行われるのである。

さらに、本考案のポンプ羽根車の固定構造は、その部材
が全て金属材料で構成されているので、腐食性流体や高
温流体等に対しても使用可能である。すなわち、本考案
を適用した産業用ポンプは、取扱い流体による制限が存
在せず、あらゆる用途に使用可能である。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図において、主軸１には、ポンプ羽根車５が取付け
られ、キー４により回り止めされている。その主軸１の
端部には、右ねじのねじ部２が形成され、また、軸線上
には、左ねじのねじ穴３が形成されている。

そのねじ部２には、羽根車ナット６がねじ込まれてお
り、このナット６の軸線上には、ボルト穴７が穿設され
ている。そのボルト穴７に挿入された六角穴付きボルト
８は、主軸１のねじ穴３にねじ込まれ、頭部９はボルト
穴７の大径部7aに埋め込まれている。そして、ボルト８
とナット６との間には、ポンチによるかしめ部10が形成
されている。

したがって、ねじ穴３及びボルト穴７は、あらかじめ主
軸１及び羽根車ナット６に、それぞれ加工しておくこと
ができ、羽根車５を主軸１に固定するときは、羽根車ナ
ット６を主軸１にねじ込んだあと、六角穴付きボルト８
をボルト穴７に挿入し、ねじ穴３にねじ込むだけで、現
合作業なく作業性良く行うことができる。

［考案の効果］ 以上説明した通り、本考案によれば、僅か２点の部品に
より羽根車或いは主軸の固定及び緩み止めを行うことが
出来るので、ポンプ羽根車を主軸に固定する作業性を向
上することができる。

また、主軸の軸線上のねじ穴は、前記羽根車ナットと逆
方向のねじ穴を構成しているので、羽根車と主軸とが相
対的にどの様な方向へ回動しても、確実に緩み止め作用
が行われる。

さらに、本考案を適用した産業用ポンプは、取扱い流体
による制限が存在せず、あらゆる用途に使用出来るので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側断面図、第２図は従
来構造を示す側断面図である。 １……主軸、３……ねじ穴、５……ポンプ羽根車、６…
…羽根車ナット、７……ボルト穴、7a……大径部、８…
…六角穴付きボルト、９……頭部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主軸にポンプ羽根車を袋ナット状の羽根車
   ナットにより固定しているポンプ羽根車の固定構造にお
   いて、前記主軸の軸線上に前記羽根車ナットと逆方向の
   ねじ穴を形成し、該ねじ穴に螺合し、頭部が前記羽根車
   ナットに埋め込まれ、該羽根車ナットと固定される六角
   穴付きボルト、を設けたことを特徴とするポンプ羽根車
   の固定構造。