JPH0721913A - ディスペンサー及びそれを用いた陰極線管の蛍光面の形成方法 - Google Patents

ディスペンサー及びそれを用いた陰極線管の蛍光面の形成方法

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JPH0721913A
JPH0721913A JP18924693A JP18924693A JPH0721913A JP H0721913 A JPH0721913 A JP H0721913A JP 18924693 A JP18924693 A JP 18924693A JP 18924693 A JP18924693 A JP 18924693A JP H0721913 A JPH0721913 A JP H0721913A
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coating material
nozzle
curing
intermediate film
dispenser
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JP18924693A
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Shinichi Kodaira
真一 小平
Katsutoshi Ono
勝利 大野
Masaru Ihara
優 井原
Osamu Dobashi
修 土橋
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Sony Corp
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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノズルから塗布した塗布材料を、恒温槽を使
用することなく被塗布物に速やかに固着させることので
きるディスペンサーを得る。また、陰極線管のパネル内
面の形成工程を容易にする。 【構成】 ディスペンサー10が、塗布材料を吐出する
ノズル14、ノズル14から吐出された塗布材料の硬化
を促進する硬化促進手段15、及びノズル14と硬化促
進手段15との間に設けられ、硬化促進手段15による
塗布材料の硬化促進作用がノズル内の塗布材料に及ばな
いようにする硬化促進作用遮蔽手段17、塗布材料の硬
化状態を検出する硬化状態検出手段16を有する。陰極
線管の蛍光面の形成方法としては、上記のディスペンサ
ー10を使用して中間膜形成用塗布材料を蛍光体層2
R、2G、2B上に選択的に塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塗布材料を被塗布物
に速やかに固着させることができるディスペンサー及び
そのディスペンサーを用いて中間膜を形成する陰極線管
の蛍光面の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管として使用される陰極線管
のパネル内面には、一般に図3に示したように、パネル
1上に赤、緑及び青の各色の蛍光体層2がストライプ状
またはドット状に形成され、各蛍光体層2の間にカーボ
ンブラック等からなる光吸収層3が形成され、その上に
メタルバック層4が形成された構造を有している。
【0003】ここで、メタルバック層4は、蛍光体層2
が電子ビームにより励起されて発した蛍光のうち背面に
向かった成分を前方に反射させて画面の輝度を向上させ
るなどのために設けられており、通常、このメタルバッ
ク層4としては電子ビームの透過率が高く、且つ反射率
も高いアルミニウム薄膜が形成される。
【0004】このような機能を担うメタルバック層4は
蛍光体層2上に平滑性高く形成することが重要となる。
そこでパネル内面の形成方法としては、例えば図4に示
したように、パネル1内面にストライプ状に光吸収層3
を形成し(同図a)、各光吸収層3で隔てられた間に各
色の蛍光体層2R、2G、2Bを形成し(同図b)、こ
の光吸収層3及び各蛍光体層2R、2G、2B上に直接
メタルバック層を形成することなく、まず、これらの表
面を平滑化するために中間膜形成用塗布材料を塗布して
中間膜5を形成し(同図c)、その後中間膜5上にメタ
ルバック層4を形成する(同図d)。次いで中間膜5を
焼成により熱分解除去し、光吸収層3及び各色の蛍光体
層2R、2G、2B上にメタルバック層4が形成される
ようにする(同図e)。
【0005】なおこの場合、光吸収層3や各蛍光体層2
R、2G、2Bをストライプ状に形成する方法として
は、通常、光吸収層形成用塗布材料や蛍光体層形成用塗
布材料を全面に塗布する工程を含む所謂スラリー法が用
いられている。例えば、ストライプ状に形成すべき光吸
収層の形成に先立ってパネル上に感光性樹脂層を形成
し、この感光性樹脂層を露光、現像することによりパタ
ーニングし、その上に光吸収層を形成し、次いでリフト
オフすることにより光吸収層をパターニングする。ま
た、ストライプ状に形成すべき蛍光体層自体に感光性を
もたせ、光吸収層を形成したパネル上に蛍光体層形成用
塗布材料を塗布後、露光、現像してパターニングする
(特開昭61−68827号等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなパネル内面の形成方法によると、近年、陰極線管
に高い解像度が要求され、各蛍光体層2R、2G、2B
のストライプのピッチが狭まるに従って次のような問題
が生じていた。即ち、各蛍光体層2R、2G、2Bの表
面を平滑化するために十分な量の中間膜形成用塗布材料
を塗布すると、結果的に光吸収層3上を覆う中間膜の量
が多くなり、後に行う中間膜5の焼成時に中間膜5から
多量の分解ガスが発生してメタルバック層4を押上げ、
メタルバック層4に浮きや剥がれを生じさせる。これに
対して、中間膜5の分解ガス量を低減させるために中間
膜形成用塗布材料の塗布量を減らすと、各蛍光体層2
R、2G、2B上を十分に平滑化できず、メタルバック
層4の反射率が低下する。
【0007】そこで、中間膜形成用塗布材料自体に感光
性をもたせ、中間膜形成用塗布材料を塗布後、露光、現
像することにより、中間膜5を各蛍光体層2R、2G、
2B上に選択的に形成するという試みもなされている。
しかしながら、この方法によればアパーチャグリルやシ
ャドウマスクの着脱を要する露光工程や現像工程が必要
となり、作業工程が複雑になるという問題が生じる。
【0008】また、中間膜5をストライプ状の各蛍光体
層2R、2G、2B上に選択的に形成するためにディス
ペンサーを使用し、ディスペンサーのノズルから中間膜
形成用塗布材料を各蛍光体層2R、2G、2B上に選択
的に吐出することも考えられる。しかしこの場合、ノズ
ルから吐出させた中間膜形成用塗布材料を蛍光体層上に
固着させるためにノズルから吐出した中間膜形成用塗布
材料を自然乾燥させると長時間を要し、作業効率が大き
く低下するという問題がある。これに対して、ノズルか
ら吐出した中間膜形成用塗布材料の蛍光体層への固着を
促進するために恒温槽を使用するとパネル1全体を恒温
槽に入れることとなるので、この場合にはパネル1の熱
容量が大きいために恒温槽の温度管理が難しく、またパ
ネルに不要な熱歪みが生じるという問題が生じる。さら
に、ディスペンサーの他に恒温槽も設けることは生産設
備の床面積が大きく増大することとなるので好ましくな
い。
【0009】この発明は以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、陰極線管のパネル内面の
形成に際して、メタルバック層4の反射率が高くなるよ
うに中間膜を蛍光体層上に十分な厚さで形成してもメタ
ルバック層4に浮きや剥がれが生じないようにするため
に中間膜形成用塗布材料を蛍光体層2R、2G、2B上
に選択的に形成するにあたり、ディスペンサーを使用し
て簡便な操作で生産性高く中間膜を形成できるようにす
ることを目的としており、また、そのような中間膜の形
成に利用できるようなディスペンサーを得ることを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明者は、一つのデ
ィスペンサー内に、塗布材料を塗布するノズルと、ノズ
ルから吐出された塗布材料の硬化を促進する硬化促進手
段とを近接して設けてノズルから吐出された塗布材料が
効率良く被塗布物に固着するようにし、且つノズルと硬
化促進手段との間に硬化促進作用遮蔽手段を設けて硬化
促進手段による塗布材料の硬化促進作用がノズル内の塗
布材料に及ばないようにすると、上記の目的に有効なデ
ィスペンサーとなることを見出し、この発明を完成させ
るに至った。
【0011】即ち、この発明は、塗布材料を吐出するノ
ズル、ノズルから吐出された塗布材料の硬化を促進する
硬化促進手段、及びノズルと硬化促進手段との間に設け
られ、硬化促進手段による塗布材料の硬化促進作用がノ
ズル内の塗布材料に及ばないようにする硬化促進作用遮
蔽手段を有することを特徴とするディスペンサーを提供
する。
【0012】また、この発明は、陰極線管のパネル面に
光吸収層及び蛍光体層を形成し、蛍光体層上に中間膜を
形成し、中間膜上にメタルバック層を形成し、その後中
間膜を熱分解除去する陰極線管の蛍光面の形成方法にお
いて、上述のディスペンサーを使用して中間膜形成用塗
布材料を蛍光体層上に塗布することにより中間膜を形成
することを特徴とする陰極線管の蛍光面の形成方法を提
供する。
【0013】以下、この発明を図面に基づいて詳細に説
明する。
【0014】図1はこの発明のディスペンサーの一態様
の全体図であり、図2はそのノズル付近の拡大図であ
る。
【0015】同図のディスペンサー10は、ベーステー
ブル11に、ノズル搭載用XY直交型ロボット12と硬
化促進手段搭載用XY直交型ロボット13が設けられて
いる。このノズル搭載用XY直交型ロボット12には、
塗布材料溜め(図示せず)に繋がったノズル14が取り
付けられている。また、硬化促進手段搭載用XY直交型
ロボット13には、ノズル14から吐出された塗布材料
の硬化を促進する硬化促進手段15、ノズル14から吐
出された塗布材料の硬化状態を検出する硬化状態検出手
段16、硬化状態検出手段16により検出された塗布材
料の硬化状態に基づき硬化促進手段15の動作を制御す
る制御手段(図示せず)及び硬化促進手段15による塗
布材料の硬化促進作用がノズル14内の塗布材料に及ば
ないようにする硬化促進作用遮蔽手段17が取り付けら
れている。また、このディスペンサー10において、被
塗布物18はベーステーブル11上に載置される。
【0016】被塗布物18へ塗布材料を塗布するときに
は、被塗布物18上に塗布材料の所定のパターンが描け
るように、ノズル搭載用XY直交型ロボット12が被塗
布物18上の所定の位置を所定の速度で動き、またノズ
ル14が所定量の塗布材料を吐出する。また硬化促進手
段搭載用XY直交型ロボット13がノズル搭載用XY直
交型ロボット12の軌跡に沿うように動き、そこに取り
付けられている硬化促進手段15がノズル14から吐出
された塗布材料の硬化を促進させ、塗布材料の被塗布物
18への固着が効率的に行われるようにする。
【0017】このようなディスペンサー10において、
ベーステーブル11、ノズル搭載用XY直交型ロボット
12及び硬化促進手段搭載用XY直交型ロボット13と
しては、ロボットのアームをテーブル上の任意のXYZ
位置に動かすことができる限り、従来のロボットを使用
することができる。ノズル14の具体的構成は、このノ
ズル14から吐出させる塗布材料の粘度、塗布材料中に
含まれる粒子径等に応じて適宜定めることができる。例
えば、陰極線管のパネル内面に形成されるカラーフィル
ター用の塗料を吐出させる場合には、孔径100μm程
度あるいはそれ以下のルビー製のノズルを設けることが
できる。
【0018】また、硬化促進手段15及び硬化促進作用
遮蔽手段17の具体的構成も、塗布材料の硬化形態に応
じて適宜選択することができる。例えば、塗布材料が加
熱硬化型である場合には、硬化促進手段15としては、
ヒータ、温風送風器、赤外線照射装置等を設けることが
好ましく、この場合の硬化促進作用遮蔽手段17として
は、硬質ゴム製の温熱遮蔽板等を設けることができる。
また、塗布材料が乾燥型である場合にも、硬化促進手段
15としては、ヒータ、温風送風器、赤外線照射装置等
を設けることが好ましく、この場合の硬化促進作用遮蔽
手段17としては、ノズル14を覆うドーム状の保湿機
構等を設けることができる。また、塗布材料が光照射型
である場合には、硬化促進手段15としては、赤外線照
射装置、紫外線照射装置、電子線照射装置等を設けるこ
とが好ましく、この場合の硬化促進作用遮蔽手段17と
しては、照射光源からの光が所定の照射箇所に集光する
ようにし、照射光が所定の箇所以外は照射しないように
する集光用レンズ系、あるいは遮光板等を設けることが
できる。
【0019】硬化状態検出手段16の具体的構成は、塗
布材料の硬化状態に応じて適宜選択することができる。
例えば、硬化前後で塗布材料の収縮状態が変化する場合
には硬化状態検出手段16としてCCDからなる撮像装
置を設けることができる。この場合には、予め収縮の程
度と硬化状態との関連情報をコンピュータに記憶させて
おき、当該塗布材料の収縮状態に関する情報を撮像装置
からコンピュータに送り、コンピュータが硬化促進手段
15の動作を制御するようにすればよい。また、硬化時
に塗布材料がガスを発生する場合には、硬化状態検出手
段16としてガスセンサを設けることができる。この場
合にもガスセンサが検出したガス量に基づいてコンピュ
ータが硬化促進手段15の動作を制御するようにすれば
よい。
【0020】以上、図1及び図2に示したディスペンサ
ー10について説明したが、この発明のディスペンサー
は図示した態様に限らず種々の態様をとることができ
る。例えば、ノズルと、硬化促進手段、硬化状態検出手
段及び硬化促進作用遮蔽手段とを図示したように二つの
直交型ロボットに取り付けることなく、ノズルと硬化促
進手段との間に硬化促進作用遮蔽手段が位置するように
してこれらを一のロボットに取り付けてもよい。また、
ノズルと硬化促進手段とを別個の直交型ロボットに取り
付けた場合に、硬化促進作用遮蔽手段は、図示したよう
に硬化促進手段側の直交型ロボットに取り付けてもよ
く、あるいはノズル側の直交型ロボットに取り付けても
よく、あるいはそれら双方の直交型ロボットに取り付け
てもよい。また、硬化促進手段の動作を硬化状態に応じ
て精密に制御することが必ずしも必要ない場合には、硬
化状態検出手段は取り付けなくともよい。
【0021】このディスペンサーにより塗布する塗布材
料に特に限定はない。したがって、このディスペンサー
を、陰極線管のパネル内面を構成するカラーフィルタ
ー、光吸収層、蛍光体層等を形成するために使用するこ
とができる。また、ディスペンサーが塗布対象とする被
塗布物についても特に限定はなく、例えば、陰極線管の
パネルのように塗布材料に対して浸透性のない基材も塗
布対象とすることができる。
【0022】この発明の陰極線管の蛍光面の形成方法
は、陰極線管のパネル面に光吸収層及び蛍光体層を形成
し、蛍光体層上に中間膜を形成し、中間膜上にメタルバ
ック層を形成し、その後中間膜を熱分解除去して陰極線
管の蛍光面を形成するにあたり、上記に説明したこの発
明のディスペンサーを使用して中間膜形成用塗布材料を
蛍光体層上に選択的に塗布し、中間膜を形成することを
特徴としており、このような中間膜の形成以外の点につ
いては従来例と同様にすることができる。
【0023】例えば、特開昭61−68827号に記載
されているような所謂スラリー法によりパネル内面にス
トライプ状の光吸収層を形成し、ストライプ状の各光吸
収層の間に赤、緑、青の各色の蛍光体層を形成する。次
いで、この発明のディスペンサーを使用して、ストライ
プ状の各蛍光体層上に中間膜形成用塗布材料を選択的に
塗布する。
【0024】この場合、使用する中間膜形成用塗布材料
としては従来より中間膜の形成に使用されている樹脂の
エマルジョンや溶液を使用することができ、例えば、水
分散性ビニル重合体エマルジョン、アクリル酸エステル
及びメタクリル酸エステルの水溶性エマルジョン、アク
リル酸エステル及びメタクリル酸エステルのラッカー溶
液、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの高
沸点芳香族溶剤(沸点190〜210℃)溶液等の粘度
430〜750cpsの塗布材料をあげることができ
る。
【0025】また、ディスペンサーにより塗布する中間
膜形成用塗布材料の幅は、蛍光体層の幅よりも僅かに細
くすることが好ましい。これにより、後に中間膜を焼成
により熱分解除去する時に、蛍光体層上の中間膜が実質
的に塗布されていない部分のメタルバック層に穴があ
き、この穴から中間膜の分解ガスを抜くことができ、メ
タルバック層の浮きや剥がれを防止することができる。
【0026】蛍光体層上に塗布された中間膜形成用塗布
材料は、その蛍光体層に速やかに固着する。したがっ
て、塗布完了後はパネルを恒温槽に入れること無く、そ
の上にアルミニウムを蒸着することによりメタルバック
層を形成する。その後、焼成により中間膜を除去する。
【0027】
【作用】この発明のディスペンサーによれば、一のディ
スペンサー装置内に塗布材料を吐出するノズルと硬化促
進手段とが設けられているが、このノズルと硬化促進手
段との間には硬化促進作用遮蔽手段が設けられているの
で、硬化促進手段による塗布材料の硬化促進作用がノズ
ル内の塗布材料に及ばないようにしつつ、ノズルと硬化
促進手段とを十分に近接して設けることができる。した
がって、ノズルから吐出した塗布材料を被塗布物へタレ
等を生じさせること無く速やかに逐次固着させることが
可能となり、塗布材料を精密なパターンに正確に塗布す
ることや、多色塗り、重ね塗り等の多重塗布工程を効率
的に行うことが可能となる。また、被塗布物が塗布材料
の吸収性の低い基材からなる場合でも、ノズルから塗布
された塗布材料を被塗布物へ迅速に固着させることが可
能となり、生産タクトの短縮が可能となる。
【0028】また、被塗布物に塗布した塗布材料の硬化
促進のために被塗布物を加熱する手段として、被塗布物
を恒温槽へ入れるのではなく硬化促進手段により局所的
に加熱するので、被塗布物に生じる熱歪みを最小限に抑
制することが可能となる。
【0029】更に、この発明のディスペンサーにおい
て、塗布材料の硬化状態を検出する硬化状態検出手段を
設けると、塗布材料の被塗布物への固着状態を監視しつ
つ最適条件で塗布材料を被塗布物に迅速に固着させるこ
とが可能となる。
【0030】この発明の陰極線管の蛍光面の形成方法に
よれば、上述のようなこの発明のディスペンサーを使用
して中間膜を形成する。この場合、中間膜は蛍光体層上
に選択的に形成するので、メタルバック層が十分な平滑
性を有するように中間膜を厚く形成しても中間膜は光吸
収層上には形成されず、中間膜の総量は抑制される。し
たがって、中間膜の熱分解時に発生するガスを低減さ
せ、メタルバック層に浮きや剥がれが生じることを防止
できる。また、このような中間膜の選択的形成をこの発
明のディスペンサーを使用して行うので、中間膜形成用
塗布材料自体に感光性をもたせて中間膜を形成する場合
に比べ、著しく簡略化した作業工程で行うことが可能と
なる。
【0031】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0032】まず、陰極線管のパネル内面に、カーボン
ブラックからなるストライプ状の光吸収層(幅75μ
m、ピッチ215μm)と赤、緑、青の各色の蛍光体層
(幅140μm、ピッチ645μm)とをスラリー法に
より形成した。
【0033】次に、ディスペンサーとして、ソニー社製
ロボットSRX−450にキャドサービス社製精密線引
き用ディスペンサーのノズル、赤外線照射装置及びソニ
ー社製CCDカメラXC−77を取り付けたものを作製
した。この赤外線照射装置は、赤外線ランプとその赤外
線ランプから出射された赤外線を集光するレンズ系から
構成した。また、CCDカメラには、ソニー社製画像処
理システムSRX−VS40を接続した。そして、CC
Dカメラが検出した光吸収層の位置に基づいて、ノズル
の先端が蛍光体ストライプの上0.1〜1.0mmの位
置を走行するようにロボットを動作させ、またCCDカ
メラからの画像信号に基づいて、照射する赤外線の出力
が制御できるようにした。
【0034】このディスペンサーを用いて、先にパネル
内面に形成した蛍光体層上に中間膜形成用塗布材料を塗
布した。この場合、中間膜形成用塗布材料をインクテッ
ク社製の水分散性ビニル重合体エマルジョン、アクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステルの水溶性エマルジ
ョン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの
ラッカー溶液、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エ
ステルの高沸点芳香族溶剤(沸点190〜210℃)溶
液に変え、ノズル径を0.03、0.05、0.07
5、0.10mmに変え、またノズル走行スピードを3
0〜1200mm/secの範囲で調整し、各種中間膜
を形成した。その結果、線幅がノズル径の3/2〜2倍
の大きさの中間膜が形成された。
【0035】その後、真空度10−6torrでアルミ
ニウムを厚さ2800オングストローム蒸着してメタル
バック層を形成し、さらに焼成(440℃、2.5時
間)して中間膜を分解除去した。
【0036】このようにして蛍光体層上に形成したメタ
ルバック層は、蛍光体層だけでなく光吸収層上にも中間
膜を形成した従来例に対して反射率が50%向上してい
た。また、このパネルを使用したCRTの輝度は従来例
に対して30〜50%向上していた。
【0037】
【発明の効果】この発明のディスペンサーによれば、恒
温槽を使用することなく、ノズルから吐出した塗布材料
を迅速に被塗布物に固着させることが可能となる。した
がって、被塗布物に不要な熱歪みを生じさせることなく
塗布作業の効率を向上させることが可能となる。
【0038】また、この発明の陰極線管の蛍光面の形成
方法によれば、メタルバック層の反射率を向上させるた
めに中間膜を蛍光体層上に選択的に形成する工程が容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のディスペンサーの概略斜視図であ
る。
【図2】この発明のディスペンサーのノズル付近の拡大
図である。
【図3】陰極線管のパネル断面の説明図である。
【図4】陰極線管のパネル内面の形成方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 パネル 2、2R、2G、2B 蛍光体層 3 光吸収層 4 メタルバック層 5 中間膜 10 ディスペンサー 11 ベーステーブル 12 ノズル搭載用XY直交型ロボット 13 硬化促進手段搭載用XY直交型ロボット 14 ノズル 15 硬化促進手段 16 硬化状態検出手段 17 硬化促進作用遮蔽手段 18 被塗布物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土橋 修 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布材料を吐出するノズル、ノズルから
    吐出された塗布材料の硬化を促進する硬化促進手段、及
    びノズルと硬化促進手段との間に設けられ、硬化促進手
    段による塗布材料の硬化促進作用がノズル内の塗布材料
    に及ばないようにする硬化促進作用遮蔽手段を有するこ
    とを特徴とするディスペンサー。
  2. 【請求項2】 更に、ノズルから吐出した塗布材料の硬
    化状態を検出する硬化状態検出手段を有する請求項1記
    載のディスペンサー。
  3. 【請求項3】 陰極線管のパネル面に光吸収層及び蛍光
    体層を形成し、蛍光体層上に中間膜を形成し、中間膜上
    にメタルバック層を形成し、その後中間膜を熱分解除去
    する陰極線管の蛍光面の形成方法において、請求項1記
    載のディスペンサーを使用して中間膜形成用塗布材料を
    蛍光体層上に塗布することにより中間膜を形成すること
    を特徴とする陰極線管の蛍光面の形成方法。
JP18924693A 1993-06-30 1993-06-30 ディスペンサー及びそれを用いた陰極線管の蛍光面の形成方法 Pending JPH0721913A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0806786A1 (en) * 1996-05-09 1997-11-12 Fujitsu Limited Apparatus for and method of manufacturing fluorescent layers for plasma display panels
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