JPH097507A - シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法 - Google Patents

シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法

Info

Publication number
JPH097507A
JPH097507A JP7153186A JP15318695A JPH097507A JP H097507 A JPH097507 A JP H097507A JP 7153186 A JP7153186 A JP 7153186A JP 15318695 A JP15318695 A JP 15318695A JP H097507 A JPH097507 A JP H097507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shadow mask
film
pattern
printing plate
scratch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7153186A
Other languages
English (en)
Inventor
Sachiko Muramatsu
祥子 村松
Yasuhisa Otake
康久 大竹
Mitsuaki Yamazaki
光明 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7153186A priority Critical patent/JPH097507A/ja
Publication of JPH097507A publication Critical patent/JPH097507A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐擦傷性を付与しかつシャドウマスク材に形
成された感光膜に短時間に良好に密着させることができ
るシャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法を得る
ことを目的とする。 【構成】 透明基板に形成された乳剤層にシャドウマス
クの開孔に対応する多数の不透光部からなるパターンを
形成し、このパターンの形成された乳剤層上に変性アル
キルシリケートを主成分とする液を塗布し乾燥して耐擦
傷膜を形成し、この耐擦傷膜を上向きにし、かつ変性ア
ルキルシリケートを主成分とする液の噴霧粒子の雰囲気
を形成し、その噴霧粒子を上向きの耐擦傷膜上の降下さ
せて付着させて耐擦傷膜上に微小凹凸膜を形成するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラーブラウン管の
シャドウマスクの製造に用いられるシャドウマスク用パ
ターン焼付け版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にシャドウマスク型カラーブラウン
管は、図4に示すように、パネル1およびファンネル2
からなる外囲器を有し、そのファンネル2のネック3内
に配設された電子銃4から放出される3電子ビーム5B
,5G ,5R をファンネル2の外側に装着された偏向
装置6により偏向し、かつシャドウマスク7により選別
して、パネル1の内面に形成された青、緑、赤に発光す
る3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン8を水平、垂
直走査することにより、カラー画像を表示する構造に形
成されている。そのシャドウマスク7は、蛍光体スクリ
ーン8と対向する面に多数の開孔が所定の配列で形成さ
れたマスク本体10と、このマスク本体10の周辺部に
取付けられたマスクフレーム11とからなる。
【0003】従来より上記シャドウマスク7の開孔は、
フォトエッチング法により形成されている。すなわち、
長尺帯状のシャドウマスク材を洗浄したのち、図5
(a)示すように、その両面に感光膜14を形成する。
ついで同(b)に示すように、その両面の感光膜14
に、シャドウマスク7の開孔に対応する不透光部15a
,15b 、これら不透光部15a ,15b 間を透光部
とするパターンが形成され、かつその不透光部15a ,
15b の寸法が異なる一対の焼付け版16a ,16b を
密着して露光し、両面の感光膜14に各焼付け版15a
,15b のパターンを焼付ける。ついでこのパターン
の焼付けられた両面の感光膜14を現像して未感光部を
除去し乾燥して、同(c)に示すように、シャドウマス
クの開孔形成部分に開孔17a ,17b をもつレジスト
18a ,18b を形成する。さらにそのレジスト18a
,18b をベーキングして、耐エッチング性を高めた
のち、このレジスト18a ,18b の形成されたシャド
ウマスク材13の両面に、塩化第2鉄溶液をスプレーし
て、上記開孔17a ,17b 部分に、同(d)に示すよ
うに、シャドウマスクの開孔19を形成する。その後、
この開孔19の形成されたシャドウマスク材13を水洗
し、さらに両面に残存するレジスト18a ,18b を除
去し、水洗、乾燥して、同(e)に示すように、平板状
のフラットマスク20を形成する。マスク本体は、その
後、上記フラットマスク20を所定形状に成形すること
により得られる。
【0004】上記露光に用いられる従来のシャドウマス
ク用パターン焼付け版16(16a,16b )は、図6
に示すように、ガラスからなる平坦な透明基板22の一
方の面に形成された下引き層23を介して、ハロゲン化
銀とゼラチンとからなる平滑な乳剤層24が形成され、
この乳剤層24に不透光部15(15a ,15b )、こ
の不透光部15間を透光部とするパターンが形成された
ものである。さらにこの乳剤層24上に、ゼラチンに硬
膜剤の添加された平滑な保護膜25が形成されたものも
ある。なお、下引き層23は、ハロゲン化銀とゼラチン
とからなる乳剤の塗布性および形成される乳剤層24の
接着性を向上させるためのものである。
【0005】上記シャドウマスク用パターン焼付け版1
6は、フォトプロッター(商品名)により所定パターン
の原版を作製し、この原版に、ガラスからなる平坦な透
明基板に乳剤層が形成されたネガ型の乾板を密着して露
光し、原版パターンを反転したパターンからなるマスタ
ーパターンを製作する。つぎにこのマスターパターンに
同じくガラスからなる平坦な透明基板に乳剤層が形成さ
れたネガ型の乾板を密着して露光し、原版と同じパター
ンを得、これをシャドウマスク用パターン焼付け版16
とすることにより製造される。
【0006】ところで、上記シャドウマスクの製造工程
でおこなわれるシャドウマスク材の両面の感光膜に対す
るシャドウマスク用パターン焼付け版のパターンの密着
焼付けは、露光装置の真空焼付け枠に、両面に感光膜が
形成されたシャドウマスク材を挟んで一対のシャドウマ
スク用パターン焼付け版を対向して配置し、真空焼付け
枠内を真空吸引して両面の感光膜に一対のシャドウマス
ク用パターン焼付け版を密着させることによりおこなわ
れる。
【0007】この場合、真空焼付け枠の組立て精度、露
光光源の発熱による真空焼付け枠やシャドウマスク用パ
ターン焼付け版の熱膨張などにより、シャドウマスク材
の両面の感光膜に対してシャドウマスク用パターン焼付
け版が相対的に動くことは避けられず、感光膜とシャド
ウマスク用パターン焼付け版とが擦れ合う。またシャド
ウマスク用パターン焼付け版のパターンの焼付けは、防
塵室でおこなわれるが、シャドウマスク材に発生してい
るバリや感光剤の塗布かす、露光装置からの塗料剥がれ
や金属粉の発生、作業者の歩行により床などから舞上る
塵埃などの異物が、感光膜やシャドウマスク用パターン
焼付け版に付着、あるいは密着時それらの間に挟まるこ
とが避けられない。
【0008】このように感光膜とシャドウマスク用パタ
ーン焼付け版とが擦れ合ったり、あるいはそれらの間に
異物が挟まると、感光膜は、鉛筆硬度で5〜6H程度で
あるが、シャドウマスク用パターン焼付け版の乳剤層お
よびその上に形成された保護膜は、B〜1H程度と、硬
度が低いため、乳剤層がより強く傷付く。一方、シャド
ウマスク材の両面の感光膜に対するシャドウマスク用パ
ターン焼付け版のパターンの焼付けは、長尺帯状のシャ
ドウマスク材の全面に形成された感光膜に対して、連続
的に露光を繰返しておこなわれるため、一旦シャドウマ
スク用パターン焼付け版が傷付くと、以後焼付けられる
パターンにその傷欠点が現れ、シャドウマスクを不良に
する。
【0009】また、上記従来のシャドウマスク用パター
ン焼付け版のように表面が平坦であると、一般にシャド
ウマスク材に形成された感光膜の表面も平坦であるた
め、このシャドウマスク材の感光膜にシャドウマスク用
パターン焼付け版を真空密着する場合、空気の逃げ道が
形成されにくくなり、短時間に感光膜とシャドウマスク
用パターン焼付け版の全面を均一良好に密着させること
が困難となる。このように感光膜とシャドウマスク用パ
ターン焼付け版の全面が密着せず、一部に浮いた部分が
できると、この浮いた部分では、密着部分にくらべて光
の拡散が大きくなるため、感光膜に焼付けられるパター
ンの大きさが変化し、形成されるシャドウマスクの開孔
寸法のばらつきによるマスクむらが生じ、カラーブラウ
ン管の画像品位を劣化させる。
【0010】このような問題を解決するために、シャド
ウマスク用パターン焼付け版の乳剤層またはその上の保
護膜上に乳剤層の損傷を防止する耐擦傷膜を形成しかつ
この耐擦傷膜を微小凹凸膜として、感光膜とシャドウマ
スク用パターン焼付け版の密着を向上させる方法が、特
開平6−251696号公報に示されている。この耐擦
傷膜は、図7に示すように、所定のパターンの形成され
た乳剤層あるいはその上の保護膜を上向きにしたシャド
ウマスク用パターン焼付け版16に、スプレーノズル2
7から変性アルキルシリケート溶液を直接スプレーする
ことにより形成され、シャドウマスク材に形成される感
光膜よりも硬度の高い膜となっている。なお、この耐擦
傷膜は、上記スプレー法のほか、スピンコート法、浸漬
法などの方法で形成してもよい。
【0011】また他の方法として、シャドウマスク用パ
ターン焼付け版のパターンの焼付けに影響を与えない部
分の乳剤層を取除いて、真空密着時の空気通路としたも
のが、特公昭53−23273号公報に示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、シャド
ウマスク用パターン焼付け版の乳剤層またはその上の保
護膜上に乳剤層の損傷を防止する耐擦傷膜を形成し、か
つこの耐擦傷膜を微小凹凸膜として、感光膜とシャドウ
マスク用パターン焼付け版の密着を向上させる方法が知
られている。その耐擦傷膜としては、シャドウマスク材
に形成される感光膜よりも硬度が高く、透明でピンホー
ルなどの欠陥がなく、かつ感光膜に投影されるパターン
の解像度の劣化を抑制するため、10μm 以下の膜厚が
望まれ、従来は、シャドウマスクの開孔に対応するパタ
ーンの形成された乳剤層あるいはその上の保護膜上に、
スプレー法、スピンコート法、浸漬法などの方法によ
り、変性アルキルシリケート溶液を塗布することにより
形成されている。
【0013】しかし上記耐擦傷膜の形成方法では、耐擦
傷膜上に微小凹凸膜を形成すること自体容易でなく、シ
ャドウマスク用パターン焼付け版の全面に真空密着時の
空気通路となる所望の微小凹凸を形成することが困難で
ある。たとえばゼラチンに炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、チタン酸カリウム、コロイダルシリカなどの微粒子
を添加した液を塗布して、微小凹凸膜を形成すると、液
中での微粒子の均一分散がむつかしく、均一な空気通路
が得られず、感光膜に対するシャドウマスク用パターン
焼付け版の密着状態が不均一となり、転写パターンにむ
らが生ずる。また空気通路を確実に形成するためには、
添加微粒子の径を大きくするか、添加量を増やせばよい
が、粒子径が大きくなると、パターンの輪郭部に固着し
た粒子が感光膜に転写されるパターンの欠陥原因とな
る。また添加量を増やすと、転写パターンの解像度の劣
化やむらが発生しやすくなる。一方、シャドウマスク用
パターン焼付け版の大きさは、最大で長辺が43イン
チ、短辺が32インチとなり、微粒子を添加しない液を
スプレーして微小凹凸膜を形成しようとすると、図7
(a)に示すように、1つのスプレーガン27を用いる
場合は、同(b)に示すように、往復移動させることに
なり、焼付け版16には、スプレーの移動方向と平行な
塗布むらが生ずる。また同(c)に示すように、スプレ
ーパターンとシャドウマスク用パターン焼付け版の大き
さを考慮して、複数のスプレーガン27を用いる場合
は、同(d)に示すように、1回の移動で塗布可能とな
るが、やはり噴霧粒子相互の干渉により、スプレーの移
動方向と平行な塗布むらが生ずる。
【0014】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、シャドウマスク材に形成された感光膜のパ
ターン焼付けに用いられるシャドウマスク用パターン焼
付け版に耐擦傷性を付与し、かつ感光膜に短時間かつ均
一良好に密着させることができるシャドウマスク用パタ
ーン焼付け版の製造方法を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】シャドウマスク用パター
ン焼付け版の製造方法において、透明基板の板面に形成
された乳剤層にシャドウマスクの開孔に対応する多数の
不透光部からなるパターンを形成し、このパターンの形
成された乳剤層上に変性アルキルシリケートを主成分と
する液を塗布し乾燥して耐擦傷膜を形成し、この耐擦傷
膜を上向きにし、かつ変性アルキルシリケートを主成分
とする液の噴霧粒子の雰囲気を形成して、この噴霧粒子
を上向きの耐擦傷膜上の降下させて付着させることによ
り擦傷膜上に微小凹凸膜を形成するようにした。
【0016】また、上記シャドウマスク用パターン焼付
け版の製造方法において、変性アルキルシリケートを主
成分とする液の噴霧粒子を自然落下させて耐擦傷膜に付
着させるようにした。
【0017】また、耐擦傷膜を上向きにして透明基板を
等速度で移動させながら耐擦傷膜上に変性アルキルシリ
ケートを主成分とする液の噴霧粒子を付着させるように
した。
【0018】また、上記各シャドウマスク用パターン焼
付け版の製造方法において、耐擦傷膜を40〜200℃
に加熱してこの耐擦傷膜上に変性アルキルシリケートを
主成分とする液の噴霧粒子を付着させるようにした。
【0019】さらに、ノズルを上向きにして変性アルキ
ルシリケートを主成分とする液の噴霧することにより噴
霧粒子の雰囲気を形成するようにした。
【0020】さらに、シャドウマスク用パターン焼付け
版の製造方法において、透明基板の板面に形成された乳
剤層にシャドウマスクの開孔に対応する多数の不透光部
からなるパターンを形成し、このパターンの形成された
乳剤層を上向きにし、かつ変性アルキルシリケートを主
成分とする液の噴霧粒子の雰囲気をを形成して、この噴
霧粒子を上向きの乳剤層上の降下させて付着させること
により乳剤層上に微小凹凸膜を形成するようにした。
【0021】
【作用】上記方法によりシャドウマスク用パターン焼付
け版を製造すると、変性アルキルシリケートを主成分と
する液の塗布により、乳剤層を膜硬度の高い耐擦傷膜で
保護することができ、さらにこの耐擦傷膜上に変性アル
キルシリケートを主成分とする液の噴霧粒子の雰囲気を
形成し、その噴霧粒子を降下、自然落下などの方法によ
り付着させると、ノズルの移動がなくなるので、膜硬度
の高い耐擦傷性の微小凹凸膜を均一に形成することがで
きる。その結果、このシャドウマスク用パターン焼付け
版をシャドウマスク材の感光膜に真空密着するとき、そ
の均一に形成された微小凹凸膜の凹凸が空気通路を構成
して、シャドウマスク材の感光膜にシャドウマスク用パ
ターン焼付け版を短時間に均一良好に密着させることが
できる。
【0022】また、乳剤層上に直接微小凹凸膜を形成し
ても、耐擦傷性をもち、同様に短時間に均一に密着させ
ることができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0024】図1にその一実施例に係るシャドウマスク
用パターン焼付け版を示す。このシャドウマスク用パタ
ーン焼付け版は、ガラスからなる平坦な透明基板22
と、この透明基板22の一方の面に形成された下引き層
23と、この下引き層23を介してその上に形成された
ハロゲン化銀とゼラチンとからなる膜厚5〜7μm の平
滑な乳剤層24と、この乳剤層24上に形成された硬膜
剤の添加されたゼラチンからなる平滑な膜厚1μm 以下
の保護膜25と、この保護膜25上に形成された後述す
る膜厚1〜9μm 、好ましくは2〜7μm の耐擦傷膜3
0と、この耐擦傷膜30上に形成された後述する膜厚2
μm 以下の微小凹凸膜31とからなる。その乳剤層24
には、シャドウマスクの開孔に対応する多数の不透光部
15、この不透光部15間を透光部とするパターンが形
成されている。また、微小凹凸膜31は、中心線平均粗
さRa が0.05〜0.15μm 、最大高さRt が0.
5〜1.5μm 、10点平均高さRz が0.3〜1.2
μm 、中心線山高さRp が0.15〜0.7μm 、平均
山間隔Sm が20〜100μm となっている。
【0025】つぎに、上記シャドウマスク用パターン焼
付け版の製造方法について説明する。
【0026】まず、図2(a)に示すように、フォトプ
ロッター(商品名)により、平坦な透明基板33の一方
の面に形成された下引き層34を介して乳剤層35、さ
らにこの乳剤層35上に保護膜36が形成されたネガ型
の乾板を用いて、その乳剤層35にシャドウマスクの開
孔に対応する多数の不透光部37をプロットし、この不
透光部37間を透光部とするパターンからなる原版38
を製作する。つぎにこの原版38に、同(b)に示すよ
うに、平坦な透明基板39に下引き層40を介して乳剤
層41、さらにこの乳剤層41上に保護膜42が形成さ
れたネガ型の乾板を密着して露光し、乳剤層41に原版
の反転パターン43からなるマスターパターン44を製
作する。つぎにこのマスターパターン44に、同(c)
に示すように、ガラスからなる平坦な透明基板22の一
方の面に下引き層23を介して形成された乳剤層24、
さらにこの乳剤層24上に保護膜25が形成されたネガ
型の乾板を密着して露光し、原版と同じ、シャドウマス
クの開孔に対応する多数の不透光部15、この不透光部
15間を透光部とするパターンからなるシャドウマスク
用パターン焼付け版46を形成する。
【0027】その後、同(d)に示すように、上記シャ
ドウマスク用パターン焼付け版46保護膜25上に、変
性アルキルシリケート溶液、たとえばエチルシリケート
あるいはn−ブチルシリケートあるいはそれらの混合物
をイソプロピルアルコールに溶解した溶液、またはこの
溶液にリン酸触媒、ジリコニウム触媒、チタン触媒など
を添加して、低温焼成により高硬度のガラス質を形成す
ることが可能な変性アルキルシリケート溶液を、スプレ
ー法、スピンコート法、浸漬法などの任意方法により塗
布し、乾燥焼成して、耐擦傷性にすぐれ、透明、平滑か
つピンホールのない膜厚1〜9μm 、好ましくは2〜7
μm の耐擦傷膜30を形成する。この場合、焼成温度が
高いと、乳剤層24や保護膜25を形成するゼラチンが
熱分解して着色するので、塗布溶液は、できるだけ低温
焼成で硬化する材料を選択する必要がある。またゼラチ
ンは、吸湿性があるため、全体の膜硬度を維持するため
には、耐擦傷膜30にスチームバリア効果をもたせるこ
とが重要である。
【0028】ついで、同(e)に示すように、上記のよ
うに形成された耐擦傷膜30上に、変性アルキルシリケ
ート溶液、たとえばエチルシリケートのイソプロピルア
ルコール溶液にチタン触媒を添加してなる固形分30%
の溶液を塗布する。この変性アルキルシリケート溶液の
塗布は、図3に示すように、ベルトコンベヤなどの搬送
装置48により、一点鎖線で示したように耐擦傷膜を上
向きにしてシャドウマスク用パターン焼付け版46をチ
ャンバー49内に搬入し、チャンバー49内に設置され
たスプレーノズル50(たとえば、いけうち製ノズルA
K175)から変性アルキルシリケート溶液を上向きに
噴霧して噴霧粒子の雰囲気を形成し、その噴霧粒子の自
然落下により耐擦傷膜に付着させることによりおこなわ
れる。その後、この耐擦傷膜に付着した噴霧粒子を乾燥
焼成する。それにより中心線平均粗さRa が0.05〜
0.15μm 、最大高さRt が0.5〜1.5μm 、1
0点平均高さRz が0.3〜1.2μm 、中心線山高さ
Rp が0.15〜0.7μm 、平均山間隔Sm が20〜
100μm 、全体の平均膜厚2μm 以下の透明な微小凹
凸膜31となる。
【0029】また、上記微小凹凸膜31を形成する他の
塗布方法として、耐擦傷膜を上向きにして配置されたシ
ャドウマスク用パターン焼付け版を、図3に示したベル
トコンベヤなどの搬送装置48により等速度で移動しな
がら、耐擦傷膜に付着させるようにしてもよい。さらに
搬送装置48にたとえば熱風で加熱する加熱装置51を
取付け、この加熱装置51に耐擦傷膜を上向きにしてシ
ャドウマスク用パターン焼付け版を配置し、あらかじめ
40〜100℃に加熱したのち、搬送装置48によりチ
ャンバー49内に搬入、あるいは加熱装置51とともに
等速度で移動しながら、耐擦傷膜に付着させるようにし
てもよい。特にこのようにあらかじめシャドウマスク用
パターン焼付け版を加熱して変性アルキルシリケート溶
液の噴霧粒子を付着させると、噴霧粒子の保持力が増
し、所望の微小凹凸膜31を容易に形成することができ
る。
【0030】なお、いずれの塗布方法でも、形成される
微小凹凸膜31の凹凸状態および全体の平均膜厚は、変
性アルキルシリケート溶液中の固形分濃度、スプレーノ
ズルからの噴霧量、搬送装置によるシャドウマスク用パ
ターン焼付け版の搬送速度、塗布前および塗布後のシャ
ドウマスク用パターン焼付け版の温度により調整するこ
とができる。
【0031】上記微小凹凸膜31の形成方法の具体例と
して、縦30インチ、横43インチ(30×43イン
チ)の矩形状のシャドウマスク用パターン焼付け版につ
いて、スプレーノズル46からチタン触媒の添加された
固形分30%を含有するエチルシリケートのイソプロピ
ルアルコール溶液を5kg/ cm2 の空気圧で噴霧したの
ち、その噴霧粒子を自然落下させ、80℃に加熱したシ
ャドウマスク用パターン焼付け版を5cm/secの速度で移
動しながら耐擦傷膜に付着させ、その後、このシャドウ
マスク用パターン焼付け版を3℃/minの速度で170℃
まで昇温して乾燥し、引続き170℃に30分保持して
焼成したのち、10℃/minの速度で室温まで冷却して微
小凹凸膜31を形成した場合の凹凸膜の凹凸特性を表1
に示す。
【表1】
【0032】比較のため、同じく30×43インチのシ
ャドウマスク用パターン焼付け版について、チタン触媒
の添加された固形分30%を含有するエチルシリケート
のイソプロピルアルコール溶液を図7に示したように、
シャドウマスク用パターン焼付け版に直接スプレーした
のち、同じ条件で乾燥焼成して凹凸膜を形成した場合
(従来方法)の凹凸膜の凹凸特性を表2に示す。この場
合、スプレーノズルから噴霧される噴霧粒子の平均粒径
は300μm である。
【表2】
【0033】この表2に示されているように、シャドウ
マスク用パターン焼付け版に直接スプレーして凹凸膜を
形成する従来方法では、あらかじめシャドウマスク用パ
ターン焼付け版を加熱することなく、室温(20℃)で
スプレーすると、凹凸の平均山間隔Sm がいちじるしく
大きくなる。また80℃に加熱してスプレーすると、凹
凸が高くなる。
【0034】このような従来方法による凹凸膜に対し
て、この例の方法により形成される微小凹凸膜は、表1
に示したように、中心線平均粗さRa 、最大高さRt 、
10点平均高さRz 、中心線山高さRp 、平均山間隔S
m がそれぞれ小さく、概して均一な凹凸膜となる。
【0035】その結果、この例の方法により微小凹凸膜
の形成されたシャドウマスク用パターン焼付け版を63
0mm幅の長尺帯状金属板の両面に形成された感光膜に真
空密着してシャドウマスクを製造したところ、表3に示
すように、上記従来方法により凹凸膜の形成されたシャ
ドウマスク用パターン焼付け版を用いた場合と比較し
て、密着に要する時間(真空密着時間)を大幅に低減す
ることができ、かつ製造されたシャドウマスクのむら発
生率も大幅に低減することができた。
【表3】
【0036】なお、上記実施例では、パターンの形成さ
れた乳剤層上に耐擦傷膜を形成し、この耐擦傷膜上に凹
凸膜を形成する場合について説明したが、この発明は、
パターンの形成された乳剤層上に耐擦傷膜を形成するこ
となく、乳剤層上に直接凹凸膜を形成する場合にも有効
である。
【0037】
【発明の効果】上述のように、変性アルキルシリケート
を主成分とする液の塗布により、乳剤層を膜硬度の高い
耐擦傷膜で保護することができ、さらにこの耐擦傷膜上
に変性アルキルシリケートを主成分とする液の噴霧粒子
を降下、自然落下などの方法により付着させることによ
り、膜硬度の高い耐擦傷性の微小凹凸膜を均一に形成す
ることができる。それにより、このシャドウマスク用パ
ターン焼付け版をシャドウマスク材の感光膜に真空密着
されるとき、その均一に形成された微小凹凸膜の凹凸が
空気通路を構成して、シャドウマスク材の感光膜に対し
てシャドウマスク用パターン焼付け版を短時間に均一良
好に密着させることができるシャドウマスク用パターン
焼付け版を製造することができる。
【0038】また、乳剤層上に直接微小凹凸膜を形成す
る場合でも、耐擦傷性をもち、同様に短時間に均一に密
着させることができるシャドウマスク用パターン焼付け
版とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るシャドウマスク用パ
ターン焼付け版の構成を示す図である。
【図2】図2(a)ないし(e)はそれぞれ上記シャド
ウマスク用パターン焼付け版の製造方法を説明するため
の図である。
【図3】上記シャドウマスク用パターン焼付け版の製造
方法における微小凹凸膜を形成方法を説明するための図
である。
【図4】シャドウマスク型カラーブラウン管の構成を示
す図である。
【図5】図5(a)ないし(e)はそれぞれシャドウマ
スクの製造方法を説明するための図である。
【図6】シャドウマスクの製造に用いられる従来のシャ
ドウマスク用パターン焼付け版の構成を示す図である。
【図7】図7(a)ないし(d)はそれぞれ従来のシャ
ドウマスク用パターン焼付け版の製造方法における凹凸
膜を形成方法を説明するための図である。
【符号の説明】
15…不透光部 22…透明基板 24…乳剤層 25…保護膜 30…耐擦傷膜 31…微小凹凸膜 38…原版 44…マスターパターン 46…シャドウマスク用パターン焼付け版

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の板面に形成された乳剤層にシ
    ャドウマスクの開孔に対応する多数の不透光部からなる
    パターンを形成する工程と、 上記パターンの形成された乳剤層上に変性アルキルシリ
    ケートを主成分とする液を塗布し乾燥して耐擦傷膜を形
    成する工程と、 上記耐擦傷膜を上向きにし、かつ変性アルキルシリケー
    トを主成分とする液の噴霧粒子の雰囲気を形成し、この
    噴霧粒子を上記上向きの耐擦傷膜上に降下させて付着さ
    せる工程とを有することを特徴とするシャドウマスク用
    パターン焼付け版の製造方法。
  2. 【請求項2】 変性アルキルシリケートを主成分とする
    液の噴霧粒子を自然落下させて耐擦傷膜に付着させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のシャドウマスク用パター
    ン焼付け版の製造方法。
  3. 【請求項3】 耐擦傷膜を上向きにして透明基板を等速
    度で移動させながら上記耐擦傷膜上に変性アルキルシリ
    ケートを主成分とする液の噴霧粒子を付着させることを
    特徴とする請求項1記載のシャドウマスク用パターン焼
    付け版の製造方法。
  4. 【請求項4】 耐擦傷膜を40〜200℃に加熱してこ
    の耐擦傷膜上に変性アルキルシリケートを主成分とする
    液の噴霧粒子を付着させることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載のシャドウマスク用パターン焼
    付け版の製造方法。
  5. 【請求項5】 ノズルを上向きにして変性アルキルシリ
    ケートを主成分とする液を噴霧することにより噴霧粒子
    の雰囲気を形成することを特徴とする請求項1記載のシ
    ャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法。
  6. 【請求項6】 透明基板の板面に形成された乳剤層にシ
    ャドウマスクの開孔に対応する多数の不透光部からなる
    パターンを形成する工程と、 上記パターンの形成された乳剤層を上向きにし、かつ変
    性アルキルシリケートを主成分とする液の噴霧粒子の雰
    囲気を形成し、この噴霧粒子を上記上向きの乳剤層上に
    降下させて付着させる工程とを有することを特徴とする
    シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法。
JP7153186A 1995-06-20 1995-06-20 シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法 Pending JPH097507A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7153186A JPH097507A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7153186A JPH097507A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH097507A true JPH097507A (ja) 1997-01-10

Family

ID=15556932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7153186A Pending JPH097507A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH097507A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007193051A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Pentax Corp 光学膜の形成方法及び光学膜を有する光学物品
CN113954350A (zh) * 2021-11-18 2022-01-21 威海万丰奥威汽轮有限公司 一种轮毂涂装工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007193051A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Pentax Corp 光学膜の形成方法及び光学膜を有する光学物品
CN113954350A (zh) * 2021-11-18 2022-01-21 威海万丰奥威汽轮有限公司 一种轮毂涂装工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH097507A (ja) シャドウマスク用パターン焼付け版の製造方法
US4588676A (en) Photoexposing a photoresist-coated sheet in a vacuum printing frame
JPH01194232A (ja) シャドウマスクの製造方法
US4732828A (en) Method for forming a phosphor screen of a cathode ray tube
EP0422614B1 (en) Aperture pattern-printing plate for shadow mask and method for manufacturing the same
JP2831736B2 (ja) シャドウマスク用パターン焼付け版及びその製造方法
EP0025211B1 (en) Method of forming fluorescent screens of color picture tubes
JP2831735B2 (ja) シャドウマスク用パターン焼付け版及びその製造方法
JPS6019100B2 (ja) カラ−陰極線管の光吸収領域の形成方法
JPH03129348A (ja) シャドウマスク用パターン焼付け版及びその製造方法
JPS5868835A (ja) 陰極線管用螢光面の形成方法
KR910008016B1 (ko) 칼라음극선관의 형광막 제조방법
JP3033356B2 (ja) 陽極基板の製造方法
JPH0521006A (ja) シヤドウマスクのパターン焼付け版
JPS5857856B2 (ja) 色選別電極用露光機
JPS63303736A (ja) スクリ−ン印刷版の製造方法
JPS6275634A (ja) 黒色マトリツクス層をつくる方法
JPS61263023A (ja) 螢光面のフイルミング方法
JPH0963474A (ja) カラーブラウン管用シャドウマスクの製造方法
JPS6196085A (ja) シヤドウマスクの製造方法
JP2000208043A (ja) シャドウマスク用ハ―ドマスク
JP2000228144A (ja) 陰極線管の製造方法
JPS58198821A (ja) 陰極線管けい光面の形成方法およびその形成装置
JPH07192617A (ja) 真空密着露光用ワークパターンマスクの製造方法
JPH06283094A (ja) カラーブラウン管用シャドウマスクの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term