JPH0521006A - シヤドウマスクのパターン焼付け版 - Google Patents

シヤドウマスクのパターン焼付け版

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JPH0521006A
JPH0521006A JP17485691A JP17485691A JPH0521006A JP H0521006 A JPH0521006 A JP H0521006A JP 17485691 A JP17485691 A JP 17485691A JP 17485691 A JP17485691 A JP 17485691A JP H0521006 A JPH0521006 A JP H0521006A
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JP17485691A
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Yasuhisa Otake
康久 大竹
Yasushi Kiyokuki
安志 曲木
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シャドウマスク素材に塗布形成された感光膜
に密着してシャドウマスクの開孔に相当するパターンを
焼付けるためのパターン焼付け版において、そのパター
ン焼付け版を、透明基板10と、シャドウマスクの開孔に
相当する部分を不透光部13としこの不透光部以外の部分
を透光部14として透明基板の一方の面に形成された乳剤
層11上に、ポリエステルフィルムを基材22としてこの基
材の一方の面に粘着層23が形成され、他方の面に微細凹
凸面を形成する艶消し層24と異物付着防止層25とが形成
された厚さ10μm 以下の保護フィルム20を、その粘着
層により乳剤層に貼着した。 【効果】 異物の付着、乳剤層の損傷を防止するととも
に、感光膜に対するパターン焼付け版の密着を迅速かつ
確実にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フォトエッチング法
によるカラーブラウン管用シャドウマスクを製造に用い
られるシャドウマスクのパターン焼付け版に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラーブラウン管は、青、緑、赤
に発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーンに対
向してシャドウマスクが配置され、このシャドウマスク
により電子銃から放出された3電子ビームを選別して3
色蛍光体層に入射させることにより、カラー画像を表示
する構造に形成されている。
【0003】そのシャドウマスクは、上記3電子ビーム
が通過する多数の開孔が上記3色蛍光体層に対応して所
定ピッチで配列形成されており、図2に示すように、そ
の開孔1は、低炭素鋼板などの金属板からなるシャドウ
マスク素材の一方の面(蛍光体スクリーンとの対向面)
側から形成された大孔2と他方の面側から形成された小
孔3とが同軸に連通した形状に形成されている。
【0004】従来よりこのシャドウマスクの開孔1は、
フォトエッチング法により形成されている。すなわち、
図3(a)に示すように、長尺帯板状のシャドウマスク
素材4の両面に感光膜5を塗布形成する。ついで真空密
着焼枠を使用して、同(b)に示すように、その両面に
感光膜5にシャドウマスクの開孔に相当するパターンの
形成された一対のパターン焼付け版6a,6bを密着して、
各パターン焼付け版6a,6bを介して感光膜5に紫外線を
照射(露光)することにより、両面の感光膜5にパター
ン焼付け版6a,6bのパターンを焼付ける。ついで現像に
より未感光部分を除去して、同(c)に示すように、シ
ャドウマスク素材4の両面に一対のパターン焼付け版6
a,6bのパターンに相当するパターンからなるレジスト
膜7を形成する。その後、必要に応じてバーニングによ
る硬膜処理を施し、同(d)に示すように、そのレジス
ト膜7の形成されたシャドウマスク素材4の両面にエッ
チング液をスプレーして腐蝕することにより、所定形
状、寸法の開孔1を形成する。
【0005】上記シャドウマスク素材4の両面の感光膜
5の露光に使用される一対のパターン焼付け版6a,6b
は、図4に示すように、平板状のガラス基板10の一方の
面にハロゲン化銀とゼラチンからなる乳剤層11が形成さ
れたものである。通常この乳剤層11は、塗布性、接着省
などを良好にする下引き層12を介して形成されている。
そしてこの一対のパターン焼付け版6a,6bのパターン
は、その乳剤層11にシャドウマスクの開孔に相当する部
分を不透光部13とし、その他の部分を透光部14として形
成されている。
【0006】ところで、上記方法によりシャドウマスク
の開孔1を形成すると、シャドウマスク素材4の両面に
塗布形成された感光膜5に対してパターン焼付け版6a,
6bを密着するための真空密着焼枠のクリアランスやその
組立て誤差、露光光源からの輻射熱による真空密着焼枠
やパターン焼付け版6a,6bの不均一な熱膨張などによ
り、密着時、シャドウマスク素材4に塗布形成された感
光膜5とパターン焼付け版6a,6bとの擦り合いがおこ
る。また一般にシャドウマスクの露光は、防塵室でおこ
なわれるが、シャドウマスク素材4に発生しているバリ
やレジストかす、真空密着焼枠からの塗料などの脱落
物、人体から発生する塵埃などの異物が、パターン焼付
け版6a,6bや感光膜5に付着して、密着時、それら間に
挟み込まれることがある。このような擦り合いや異物の
挟み込みがおこると、通常シャドウマスク素材4に塗布
形成された感光膜5の硬度は、鉛筆硬度で5H〜6Hで
あるのに対し、パターン焼付け版6a,6bの乳剤層11の硬
度は、B〜1Hと軟らかいため、パターン焼付け版6a,
6bの乳剤層11の方が傷付く。その結果、長尺帯板状のシ
ャドウマスク素材4に対して繰返し連続的におこなわれ
る露光では、乳剤層11が傷付いた時点から以後の感光膜
5に焼付けられるパターンに欠陥が生じ、形成されるシ
ャドウマスクのすべてが不良となる。
【0007】また、パターン焼付け版6a,6bの乳剤層11
およびシャドウマスク素材4の感光膜5がともに平滑な
場合は、真空密着焼枠による密着時にそれら間に介在す
る空気の抜け道が形成されにくく、特にパターン焼付け
版6a,6bの中央部に対して、周辺部が先に密着しやすい
ために、パターン焼付け版6a,6bの中央部に空気がとり
残され、パターン焼付け版6a,6bの全面を十分に密着す
ることが困難となる。このように感光膜5に対して密着
しない部分が生ずると、結果的に感光膜5に焼付けられ
るパターンがむらとなり、形成されるシャドウマスマ
は、開孔寸法のばらつきによるむらが生じ、カラーブラ
ウン管の画像品位を劣化させる。
【0008】この露光工程でのシャドウマスク素材4の
感光膜5に対するパターン焼付け版6a,6bの密着時に生
ずる問題を解決する一方法として、図5に示すように、
パターン焼付け版6a,6bの乳剤層11上に透明なアクリル
樹脂やアミノアルキド樹脂を焼付けて保護膜15を形成す
ることが考えられている。
【0009】しかし、上記のように樹脂膜により乳剤層
11を保護しかつピンホールなどを発生しない保護膜15と
するためには、10μm 以上の膜厚が必要である。その
ため、このような保護膜15の設けられたパターン焼付け
版6a,6bを用いてパターンの焼付けをおこなうと、図6
に示すように、密着時でも、シャドウマスク素材4の感
光膜5に対してパターン焼付け版6a,6bの乳剤層11から
10μm 以上ある保護膜15の膜厚分だけ隔離され、その
保護膜15中を通るときの光の拡散により、感光膜5に焼
付けられるパターンの寸法が所望の寸法からずれるよう
になる。
【0010】この場合、保護膜15の膜厚が均一のとき
は、所望の寸法からずれても、露光量の調整あるいはパ
ターン焼付け版6a,6bのパターンの寸法を変更すること
により補正可能であるので、実用上は問題とならない。
しかし保護膜15の膜厚が不均一であると、感光膜5と乳
剤層11との間に保護膜15が介在するために、前記シャド
ウマスク素材4の感光膜5に対してパターン焼付け版6
a,6bの全面が十分に密着しないために生ずる焼付けパ
ターンのむらが助長されるようになる。この問題は、特
にカラーブラウン管の大形化によりシャドウマスクが大
形化し、それにともなってパターン焼付け版6a,6bのパ
ターン形成部分の面積が拡大すると、その大きな面積の
全面にわたり保護膜15を均一に形成することがいちじる
しく困難となり、結果的に形成されるシャドウマスマの
開孔寸法のばらつきによるむらが一層発生しやすく、カ
ラーブラウン管の画像品位を劣化させることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、カラー
ブラウン管のシャドウマスマの開孔は、フォトエッチン
グ法により形成され、その露光工程では、シャドウマス
ク素材に塗布形成された感光膜にシャドウマスマの開孔
に相当するパターンを焼付けるパターン焼付け版が用い
られる。このパターン焼付け版は、平板状のガラス基板
の一方の面に形成された乳剤層にシャドウマスクの開孔
に相当するパターンを形成したものであり、シャドウマ
スク素材に塗布形成された感光膜に対するパターンの焼
付けは、通常真空密着焼枠を使用し、その感光膜にパタ
ーン焼付け版の乳剤層を密着しておこなわれる。
【0012】そのため、真空密着焼枠のクリアランスや
その組立て誤差、露光光源からの輻射熱による真空密着
焼枠やパターン焼付け版の不均一な熱膨張などにより、
感光膜とパターン焼付け版との擦り合いがおこる。また
シャドウマスク素材に発生しているバリやレジストか
す、真空密着焼枠からの脱落物、人体から発生する塵埃
などの異物がパターン焼付け版や感光膜に付着して、密
着時それら間に挟み込まれることがある。その結果、そ
れにより一般に感光膜よりも硬度の低いパターン焼付け
版の乳剤層が傷付く。このようにパターン焼付け版の乳
剤層が傷付くと、特に長尺帯状のシャドウマスク素材に
対する露光のようの繰返し連続的におこなわれる場合
は、乳剤層が傷付いた時点から以後の感光膜に焼付けら
れるパターンに欠陥が生じ、形成されるシャドウマスク
のすべてが不良となる。
【0013】また、パターン焼付け版の乳剤層およびシ
ャドウマスク素材の感光膜がともに平滑であると、真空
密着焼枠による密着時にそれら間に介在する空気の抜け
道が形成されにくく、パターン焼付け版の全面を十分に
密着することが困難となる。この場合、感光膜に焼付け
られるパターンがむらとなり、形成されるシャドウマス
マに開孔寸法のばらつきによるむらが生じ、カラーブラ
ウン管の画像品位を劣化させる。
【0014】この感光膜に対するパターン焼付け版の密
着時に生ずる問題を解決する一方法として、パターン焼
付け版の乳剤層上に透明なアクリル樹脂やアミノアルキ
ド樹脂を焼付けて保護膜を形成することが考えられてい
る。しかしこのような保護膜により乳剤層を保護するた
めには、10μm 以上の膜厚が必要である。そのため、
この保護膜の設けられたパターン焼付け版を用いると、
密着時でもシャドウマスク素材の感光膜に対してパター
ン焼付け版の乳剤層が保護膜の膜厚分だけ隔離され、そ
の保護膜中を通るときの光の拡散がおこり、そのため
に、特にこの保護膜の膜厚が不均一のときは、感光膜に
対してパターン焼付け版の全面が十分に密着しないため
に生ずる焼付けパターンのむらが助長されるようにな
る。この問題は、特にカラーブラウン管の大形化により
シャドウマスクが大形化し、それにともなってパターン
焼付け版のパターン形成部分の面積が拡大すると、その
大きな面積の全面にわたり保護膜を均一に形成すること
がいちじるしく困難となり、形成されるシャドウマスマ
に開孔寸法のばらつきによるむらが一層発生しやすく、
カラーブラウン管の画像品位を劣化させるようになる。
【0015】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、シャドウマスク素材に塗布形成さ
れた感光膜に密着してシャドウマスクの開孔に相当する
パターンを焼付けるために用いられるパターン焼付け版
を、塵埃などの異物が付着しにくく、また異物が付着し
た場合でも乳剤層を傷付けることなく、しかも真空密着
時に、感光膜とパターン焼付け版との間に介在する空気
を確実に除去して、パターン焼付け版の全面を感光膜に
十分に密着させることができるパターン焼付け版を構成
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】シャドウマスク素材に塗
布形成された感光膜に密着してシャドウマスクの開孔に
相当するパターンを焼付けるためのパターン焼付け版に
おいて、そのパターン焼付け版を、透明基板と、シャド
ウマスクの開孔に相当する部分を不透光部としこの不透
光部以外の部分を透光部として、透明基板の一方の面に
形成された乳剤層と、ポリエステルフィルムを基材とし
て、この基材の一方の面に粘着層が形成され、他方の面
に微細凹凸面を形成する艶消し層と異物付着防止層とが
形成され、その粘着層により乳剤層に貼着される厚さ1
0μm 以下の保護フィルムとからなる構造とした。
【0017】
【作用】上記のように、乳剤層に、ポリエステルフィル
ムを基材としてその一方の面に粘着層が、他方の面に微
細凹凸面を形成する艶消し層と異物付着防止層とが形成
された保護フィルムをその粘着層により貼着すると、パ
ターン焼付け版に対する異物の付着を大幅に低減でき、
またシャドウマスク素材に塗布形成された感光膜とパタ
ーン焼付け版との密着により、付着した異物がパターン
焼付け版に圧着しても、また感光膜とパターン焼付け版
とが擦り合っても、保護フィルムが緩衝膜となって、乳
剤層の損傷を防止し、乳剤層の損傷により生ずる焼付け
パターンの欠陥が原因で発生するシャドウマスクの開孔
欠陥を防止できる。さらに保護フィルムに設けられた艶
消し層の形成する微細凹凸面により、感光膜にパターン
焼付け版を密着するとき、それら間に介在する空気を確
実に排除でき、感光膜に対してパターン焼付け版の全面
を十分に密着させることができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0019】図1(a)にその一実施例であるシャドウ
マスクのパターン焼付け版の概略構成を、また図1
(b)にその保護フィルムの構成を示す。このパターン
焼付け版は、板厚4〜6mm程度の平板状のガラス透明基
板10と、この透明基板10の一方の面に下引き層12を介し
て形成された乳剤層11と、この乳剤層11上に貼着された
保護フィルム20とから構成されている。
【0020】上記下引き層12は、基板10上に形成される
乳剤層11の塗布性、接着性などを良好にするためのもの
である。乳剤層11は、その下引き層12上にハロゲン化銀
とゼラチンとの懸濁液からなる乳剤を塗布して厚さ5〜
7μm の平滑膜としたものであり、この乳剤層11の表面
には、ゼラチンに硬膜剤を添加してなる保護膜21が設け
られている。そしてこの乳剤層11に、シャドウマスクの
開孔に相当する部分を不透明部13とし、その他の部分を
透明部14とするパターンが形成されている。
【0021】保護フィルム20は、図1(b)に示したよ
うに、厚さ4〜6μm のポリエステルフィルムを基材22
とし、この基材22の一方の面に厚さ約2μm のポリアク
リル酸エステル系の粘着層23を設け、他方の面に微細凹
凸面を構成する艶消し層24が、さらにこの艶消し層24上
に異物付着防止層25の形成されたものである。その艶消
し層24は、固形分としてコロイダルシリカあるいは硫酸
バリウムを含有する膜厚1μm 以下のゼラチン膜からな
る。また異物付着防止層25は、膜厚5〜100mμm の
ジメチルシリコーン重合体の薄膜からなる。
【0022】この保護フィルム20における艶消し層24の
艶消し効果は、コロイダルシリカや硫酸バリウムの粒子
径とそれらのゼラチンに対する添加量により変化する
が、その艶消し効果に大きく関与する微細凹凸面の表面
粗さを、Ra=0.05〜0.1μm 、最大表面粗さR
max を1μm未満(Rmax <1μm )とするのが適切で
ある。表面粗さが上記値よりも大きいと、シャドウマス
ク素材に塗布形成された感光膜に焼付けられるパターン
の解像度が劣化し、形成されるシャドウマスクの開孔寸
法のばらつきによるむらが生ずる。また逆に上記値より
も小さいと、シャドウマスク素材に塗布形成された感光
膜にパターン焼付け版を真空密着焼枠を使用して密着す
るとき、感光膜とパターン焼付け版との間の空気を十分
に排除する抜け道が形成されず、形成されるシャドウマ
スクの開孔に密着が不十分なためのむらが生ずる。
【0023】また上記異物付着防止層25の効果は、膜厚
5〜100 mμm のジメチルシリコーン重合体で構成す
ることにより、表面自由エネルギをフッ素化合物で表面
処理を施したと同程度の22J/m 以下、水との接触角を
100°以上とすることができ、異物の付着しにくい表
面とすることができる。
【0024】このような保護フィルム20の製作は、ナト
リウムなどのアルカリ金属またはアンモニアにて凝集し
ないように安定化した直径5〜20コロイダルシリカ、
または炭酸バリウムと硫酸との反応により生成した硫酸
バリウムを25〜40重量%をゼラチンに均一に分散し
てなる懸濁液をリバースロール、キスコータあるいはナ
イフコータなどにより、基材22の他方の面に塗布し乾燥
して、膜厚1μm 以下の艶消し層24を形成し、この艶消
し層24上にジメチルシリコーン重合体の特殊低粘度のシ
リコーン油をフレオンまたはトリクレンで1重量%以
下、好ましくは0.1〜0.5重量%に希釈した液をス
ポンジローラで塗布し乾燥して異物付着防止層25を形成
する。その後、この艶消し層24および異物付着防止層25
の形成された基材22の一方の面に剥離可能な粘着層23を
形成することにより製作される。
【0025】つぎに、この例のパターン焼付け版の製造
方法について述べる。
【0026】この例のパターン焼付け版は、あらかじめ
乳剤層11にシャドウマスクの開孔に相当する部分に不透
明部13を形成しておき、この不透明部13の形成された乳
剤層11上に、別途上記方法により製作された保護フィル
ム20をその一方の面に設けられた粘着層23により貼着す
ることにより製造される。その乳剤層11の不透明部13の
形成は、従来のパターン焼付け版と同様に形成される。
【0027】すなわち、フォトプロッター(パターンジ
ェネレータ)によりシャドウマスクの開孔に相当するパ
ターンをもつ原板を作製し、この原板を乳剤層をもつ未
感光の感光板に密着して露光することにより、感光板に
原板のパターンを反転転写し、これをマスターパターン
とする。このマスターパターンについては、未感光の感
光板のもつ欠陥や密着反転時の異物付着などによりパタ
ーンに欠陥が生じた場合は、手修正によりその欠陥を修
正する。ついで、このマスターパターンを平板状のガラ
ス透明基板10の一方の面に乳剤層11の形成された未感光
の感光板に真空密着し、たとえば200Wの水銀ランプ
を用いて数秒露光する。その後、現像、水洗、定着、水
洗、乾燥などの一般におこなわれる一連の現像処理を施
して、原板と同じパターンをもつ焼付け版、すなわち、
シャドウマスクの開孔に相当する部分を不透明部13とす
るパターンをもつ焼付け版を作製する。なお作製された
焼付け版に欠陥がある場合は、マスターパターンの場合
と同様に手修正によりその欠陥を修正する。
【0028】その後、この焼付け版に保護フィルム20を
その一方の面に設けられた粘着層23により貼着する。
【0029】ところで、上記のようにパターン焼付け版
の乳剤層11上に艶消し層24と異物付着防止層25の形成さ
れた厚さ10μm 以下の保護フィルム20を設けると、シ
ャドウマスク素材に塗布形成された感光膜にパターン焼
付け版を密着して、このパターン焼付け版のパターンを
焼付けるとき、パターン焼付け版に対して塵埃などの異
物が付着しにくくなる。また仮に異物が付着し、その異
物のためにパターン焼付け版が擦られたり、あるいは感
光膜との密着により圧着されても、保護フィルム20が緩
衝膜となって、乳剤層11の損傷を防止し、乳剤層11の損
傷に基づく焼付けパターンの欠陥が原因で生ずるシャド
ウマスクの開孔欠陥の発生を大幅に低減でき、シャドウ
マスクの製造歩留りを向上することができる。またこの
パターン焼付け版の保護フィルム20は、表面が微細凹凸
面となっているので、感光膜にパターン焼付け版を密着
するとき、これら感光膜とパターン焼付け版との間に介
在する空気を、その全面にわたり迅速かつ確実に排除す
ることができ、密着が不十分なために生ずるシャドウマ
スクの開孔のばらつきによるむらのない高品位シャドウ
マスクを製造することができる。
【0030】さらにこの例のパターン焼付け版は、感光
膜と擦りや異物の付着などにより、保護フィルム20が損
傷した場合は、この保護フィルム20を剥離して、新たに
保護フィルム20を貼換えることにより再生できるという
利点がある。
【0031】一例として表1にこの例の保護フィルムを
設けたパターン焼付け版を用いて感光膜にパターンを焼
付けた場合の欠陥発生状況を、保護フィルムのない従来
のパターン焼付け版のそれと比較して示す。
【0032】
【表1】
【0033】この表1に示したように、この例のパター
ン焼付け版は、従来のパターン焼付け版に比較して、密
着に要する時間が短く、かつ欠陥の発生を低減すること
ができ、連続して焼付けられるパターン数を大幅に増加
させることができるばかりでなく、欠陥が発生した場合
におこなわれるパターン焼付け版の修理に要する時間を
少なくすることができる。
【0034】なお、上記実施例では、乳剤層上に保護膜
の形成されたパターン焼付け版に保護フィルムを設けた
ものについて説明したが、この発明は、保護膜をもたな
いパターン焼付け版に対しても適用可能である。
【0035】
【発明の効果】シャドウマスク素材に塗布形成された感
光膜に密着してシャドウマスクの開孔に相当するパター
ンを焼付けるためのパターン焼付け版において、透明基
板の一方の面に形成された乳剤層に、ポリエステルフィ
ルムを基材として、これに微細凹凸面を形成する艶消し
層と異物付着防止層とが形成された厚さ10μm 以下の
保護フィルムを貼着すると、保護フィルムが薄いため、
感光膜に焼付けられるパターンの寸法変動への影響がほ
とんどなく、かつ感光膜との密着による乳剤層の擦られ
を防止できる。また塵埃などの異物が付着しにくく、仮
にに異物が付着しても、その異物のために感光膜との密
着時にパターン焼付け版が擦られたりあるいは圧着され
ても、保護フィルムが緩衝膜として乳剤層の損傷を防止
するため、感光膜に焼付けられるパターンの欠陥の発生
が少なく、その結果生ずるシャドウマスクの開孔欠陥の
発生を大幅に防止でき、かつパターン焼付け版の連続使
用回数が延び、焼付け枚数を大幅に増加させることがで
きる。しかも真空密着時、表面の微細凹凸により感光膜
とパターン焼付け版との間の空気を迅速かつ確実に排除
して、感光膜に対してパターン焼付け版を十分に密着す
ることができ、感光膜とパターン焼付け版との密着が不
十分なために生ずるシャドウマスクの開孔寸法のばらつ
きに起因するむらをなくして、高品位のシャドウマスク
を製造することができる。さらにパターン焼付け版の損
傷による交換、修理の回数がすくなく、また感光膜に対
してパターン焼付け版を短時間に密着できるため、真空
密着焼枠の稼働率が向上する。
【0036】しかもこのパターン焼付け版は、従来のパ
ターン焼付け版に保護フィルムを貼着すればよく、また
保護フィルムが損傷した場合は、その保護フィルムを剥
がし、あらたに保護フィルム貼着することにより、容易
に再生することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるシャド
ウマスクのパターン焼付け版の構成を断面で示す概略構
成図、図1(b)はその保護フィルムの構成を示す断面
図である。
【図2】シャドウマスクの開孔形状を示す断面図であ
る。
【図3】図3(a)ないし(d)はそれぞれシャドウマ
スクの製造方法を説明するための図である。
【図4】従来のシャドウマスクのパターン焼付け版の構
成を示す断面図である。
【図5】上記従来のシャドウマスクのパターン焼付け版
とは異なるパターン焼付け版の構成を示す断面図であ
る。
【図6】図5に示したパターン焼付け版の問題点を説明
するための図である。
【符号の説明】
10…透明基板 11…乳剤層 12…下引き層 20…保護フィルム 21…保護層 22…基材 23…粘着層 24…艶消し層 25…異物付着防止層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 透明基板と、 シャドウマスクの開孔に相当する部分を不透光部としこ
    の不透光部以外の部分を透光部として上記透明基板の一
    方の面に形成された乳剤層と、 ポリエステルフィルムを基材としてこの基材の一方の面
    に粘着層が形成され、他方の面に微細凹凸面を構成する
    艶消し層と異物付着防止層とが形成され、上記粘着層に
    より上記乳剤層上に貼着される厚さ10μm 以下の保護
    フィルムとを有することを特徴とするシャドウマスクの
    パターン焼付け版。
JP17485691A 1991-07-16 1991-07-16 シヤドウマスクのパターン焼付け版 Pending JPH0521006A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105510180A (zh) * 2015-11-25 2016-04-20 中国神华能源股份有限公司 一种石灰石浆液密度测量方法

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