JP2831737B2 - シャドウマスク用パターン焼付け版及びその製造方法 - Google Patents

シャドウマスク用パターン焼付け版及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、カラーブラウン管用シャドウマスクの製造
に用いるシャドウマスク用パターン焼付け版およびその
製造方法に関する。
(従来の技術) カラーブラウン管用シャドウマスクは、多数の開孔を
有し、電子銃から発射された赤・緑・青用の3電子ビー
ムがシャドウマスクの開孔を通過し、それぞれ対応する
蛍光体を各色に発光させるものである。
このようなシャドウマスクは、一般的に、フォトエッ
チング技術によって製造される。すなわち、まず、連続
帯状金属板からなるシャドウマスク材を洗浄した後、両
主面に目的とする膜厚の感光膜を形成する。ついで、こ
の感光膜が形成されたシャドウマスク材の表裏の両主面
にシャドウマスクパターンの焼付け版、すなわち、シャ
ドウマスク開孔部に相当する部分が不透光で他の部分は
透光な、かつ、不透光部の寸法が異なるシャドウマスク
パターンを有する一対の焼付け版を配置し、完全密着
後、紫外線によって露光する。その後、温水スプレーに
よってシャドウマスク開孔部に相当する未露光の感光膜
を溶解除去し、乾燥ベーキングを施し、開孔部以外の部
分に耐エッチング性を有する感光膜を残存させる。つい
で、塩化第二鉄エッチング液をシャドウマスク材の両面
からスプレーし、目的とする寸法の開孔を穿設後、水洗
・感光膜除去・水洗・乾燥を施すことによりシャドウマ
スクを得る。
上記の露光工程で用いられる焼付け版は、一般に、第
2図に示すように、平板状のガラス基材1上に下引き層
2が形成され、この上にハロゲン化鉄とゼラチンとの懸
濁液である乳剤を塗布してなる平滑な乳剤層3が形成さ
れ、この乳剤層3は、シャドウマスク開孔部に相当する
部分が不透光乳剤部4で、他の部分が透光乳剤部5であ
る。また、下引き層2は、塗布される乳剤の塗布性およ
び接着性を向上させる。
なお、乳剤層3の不透光乳剤部4と透光乳剤部5との
シャドウマスクパターンは、次のようにして形成され
る。まず、原版をフォトプロッターと呼ばれるパターン
ジェネレータによって作成し、この原版と未感光のガラ
ス感光板とを密着し、露光することにより原版が反転し
たパターンを作製し、これをマスターパターンとする。
このマスターパターンにおいて、未感光時に既に有して
いたガラス感光板自体が持つ欠陥、または、密着反転時
の異物付着などによるパターン欠陥を有していた場合
は、手修整を加えて欠陥のないパターンにする。つい
で、暗室において、マスターパターンと未感光の乳剤層
3を有するガラス基材1とを真空密着後、200Wの水銀ラ
ンプを用いて数秒露光する。ついで、現像・水洗・定着
・水洗・乾燥など一般の一連の現像処理を施すことによ
り、原版と同じパターンを有する焼付け版を作製する。
この作製した焼付け版に欠陥がある場合は、マスターパ
ターンと同様に手修整する。
このようにして、作成された焼付け版を、たとえば特
公昭56−13298号公報に示されているような露光装置に
取り付け、感光膜7が形成されたシャドウマスク材8に
シャドウマスクパターンを焼き付けるとき、焼付けパタ
ーンの乳剤層3面を感光膜7に真空系を用いて完全密着
させる。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように、未露光シャドウマスク材の送り・密着
・露光・露光済シャドウマスク材の巻取りの一連の流れ
を繰り返す中で、焼付け版の支持枠のクリアランスなど
の機械的組立誤差や露光光源の熱による支持枠および焼
付け版の不均一熱膨張などにより、密着時において焼付
け版がわずかに動くことは避けられず、これにより、焼
付け版と感光膜とがこすれあう。また、露光工程は防塵
室で行なわれるが、感光膜を形成したシャドウマスク材
に付着している金属ばりやレジストかす、露光装置から
脱落する塗料や金属粉または作業者が歩くことにより床
から舞い上るごみやほこりなどの異物が焼付け版や感光
膜に付着したり、密着時に両者の間に挟るのを完全に回
避することはできない。そして、通常、シャドウマスク
材の感光膜は、200℃程度のベーキングが施されること
により、鉛筆硬度で5H〜6Hの硬度を有するのに対し、焼
付け版の乳剤層の膜はB〜1Hと軟らかい。したがって、
真空密着時に焼付け版と感光膜がこすれあったり、圧着
された際、焼付け版の乳剤層面の方に傷がつきやすい。
上記の露光は帯状のシャドウマスク材に対し連続するの
で、ある時点で焼付け版の乳剤層に傷がついた場合、パ
ターン欠陥発生によりそれ以後に焼付けられたものは全
て開孔不良となる。
この問題を解決するため、たとえば第3図に示すよう
に、焼付け版の乳剤層3面上に、透明な焼付けアクリル
樹脂やアミノアルキド樹脂からなる表面膜9を形成する
ことが考えられている。
しかし、感光膜と同等またはそれ以上の膜硬度を有す
ることによる傷発生防止効果およびピンホールが発生し
ない表面膜9を形成するためには、少なくとも10μm程
度の膜厚が必要である。そのため、第3図のように、ガ
ラス基材1上に形成された乳剤層3とシャドウマスク材
8上に形成された感光膜7との間が表面膜9の厚さ分離
れ、その間隔分、光の拡散現象によって感光膜7に焼き
付けられるパターン潜像10は焼付け版のパターン寸法と
異なってしまう。特に、膜面同士の完全な密着焼付けで
ないため、光源の配光分布や露光時間の変動によって、
パターン潜像10の寸法はばらつきやすい。さらに、近
時、カラーブラウン管の大型化に伴い焼付け版上のパタ
ーン面積も拡大し、表面膜9を目的とする膜厚で均一に
形成するのが極めて難しく、膜厚変動を起しやすい。こ
の結果、最終的なシャドウマスク開孔寸法のばらつきに
よるマスクむらを起し、カラーブラウン管の品位低下を
生じる。
また、表面膜9の膜硬度が高く、異物の圧着に対する
抵抗力が強くても、その表面が帯電していたり、粘性を
有している場合は異物が付着しやすい。もし、乳剤層
3、表面膜9および感光膜7を合せた膜厚以上の大きな
異物が付着した場合、パターンに傷が入るのが避けられ
ない。そこで、乳剤層の表面に薄い帯電防止膜を形成
し、ごみやほこりなどが静電気力で付着しないようにす
る方法もあるが、帯電防止膜自体膜硬度が弱く、感光膜
が形成されたシャドウマスク材に付着している異物に対
する耐擦性に劣しく、結果として、パターンに傷が入る
のは避けられない。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、シャド
ウマスク材の両主面に形成された感光膜にシャドウマス
クパターンを焼付ける露光工程や取扱い時において、表
面にごみやほこりなどの異物が付着しにくく、しかも、
ごみやほこりなどの異物が付着した場合でも真空密着時
の圧着によってパターン欠陥が発生せず、かつ、感光膜
に焼付けられたパターン潜像寸法にばらつきが生じない
ようにするシャドウマスク用パターン焼付け版およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明のシャドウマスク用パターン焼付け版は、シャ
ドウマスク材の両主面に形成された感光膜にシャドウマ
スクパターンを焼付ける露光工程で用いられる焼付け版
であって、ガラス基材上に形成されシャドウマスク開孔
部に相当する部分が不透光で他の部分は透光な乳剤層
と、この乳剤層上に形成されたゼラチンを有する保護膜
と、この保護膜上の表面に形成され金属アルコラートよ
り形成されたアモルファスの透明なガラス質の膜厚0.3
μm〜1.5μmの傷発生防止膜と、この傷発生防止膜上
の表面にジメチルシリコーン重合体のシリコーン膜の膜
厚0.005μm〜0.1μmの付着防止膜とを具備したもので
ある。
また、本発明のシャドウマスク用パターン焼付け版の
製造方法は、シャドウマスク開孔部に相当する部分が不
透光で他の部分は透光な乳剤層のシャドウマスクパター
ンおよびこの乳剤層上のゼラチンを有する保護膜を有す
るガラス基材における上記保護膜上の表面に、金属アル
コラートをアルコールで希釈した液を塗布後乾燥および
加熱硬化させてアモルファスの透明なガラス質膜の傷発
生防止膜を形成し、この傷発生防止膜上の表面に、ジメ
チルシリコーン重合体のシリコーン油を塗布後乾燥およ
び硬化させてシリコーン膜の付着防止膜を形成するもの
である。
(作用) 本発明のシャドウマスク用パターン焼付け版は、乳剤
層の表面に透明なガラス質の傷発生防止膜を有すること
により、表面の硬度を感光膜の硬度と同等か、それ以上
に高める、耐水性および耐薬品性を向上するとともに、
この傷発生防止膜の表面に膜厚0.005〜0.1μmの極めて
薄いシリコーン膜による付着防止膜を形成して、表面自
由エネルギを22mJ/m2以下にし、水との接触角を100度以
上にすることにより、臨界表面張力は20〜32dyne/cm程
となり、異物が付着しにくい表面となるとともに、シリ
コーン膜は潤滑剤の役目をして摩擦係数を下げることに
より、シャドウマスク材に形成された感光膜との粘り付
きが発生しないため、表面にすり傷が発生しにくく処理
時間を短時間にでき、表面へのごみやほこりなどの異物
付着が防止され、乳剤層および傷発生防止膜の間にゼラ
チンの保護層を設けたことにより傷発生防止膜および付
着防止膜の形成時に乳剤層を形成することを防止でき、
焼付け版上のパターン自体への欠陥発生が低減できる。
また、本発明のシャドウマスク用パターン焼付け版の
製造方法は、金属アルコラートをアルコールで希釈した
液を塗布後乾燥および加熱硬化させてアモルファスの透
明なガラス質膜の傷発生防止膜を形成することにより、
膜厚の薄い傷発生防止膜を形成し、表面の硬度を感光膜
の硬度と同等か、それ以上に高め、耐水性および耐薬品
性を向上して、乳剤層の傷を防止するとともに、ジメチ
ルシリコーン重合体のシリコーン油を塗布後乾燥してシ
リコーン膜を形成することにより、膜厚の薄いシリコー
ン膜による付着防止膜を形成でき、表面自由エネルギを
22mJ/m2以下にし、水との接触角を100度以上にすること
により、臨界表面張力は20〜32dyne/cm程となり、異物
が付着しにくい表面となるとともに、シリコーン膜は潤
滑剤の役目をして摩擦係数を下げることにより、シャド
ウマスク材に形成された感光膜との粘り付きが発生しな
いため、表面にすり傷が発生しにくく処理を短時間でで
き、表面へのごみやほこりなどの異物付着が防止され、
乳剤層上のゼラチンの保護層に傷発生防止膜を設けるこ
とにより傷発生防止膜および付着防止膜の形成時に乳剤
層を損傷することを防止でき、焼付け版上のパターン自
体への欠陥発生が低減できる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
焼付け版は、第1図に示すように、平板状のガラス基
材1上に下引き層2が形成され、この上にハロゲン化鉄
とゼラチンとの懸濁液である乳剤を塗布してなる平滑な
厚さ5〜7μmの乳剤層3が形成され、この乳剤層3
は、シャドウマスク開孔部に相当する部分が不透明な不
透光乳剤部4で、この乳剤層3以外の他の部分が透明な
透光乳剤部5である。そして、さらに乳剤層3の上にゼ
ラチンに硬膜材を添加した厚さ1μm以下の保護膜6が
形成されている。なお、不透光乳剤部4と透光乳剤部5
とは、原版から密着反転を繰り返して作製される。
そして、保護膜6上の表面に金属アルコラートより形
成されたアモルファスの透明なガラス質からなる膜厚0.
3μm〜1.5μmの傷発生防止膜11が形成され、この傷発
生防止膜11上の表面にジメチルシリコーン重合体のシリ
コーン膜の膜厚0.005μm〜0.1μmの付着防止膜12が形
成されている。
また、傷発生防止膜11は、次のように形成される。た
とえば鉄、チタン、ジルコニア等の金属とケイ酸(Si
O2)の金属アルコラートをイソプロピルアルコールやn
−ブチルアルコールなどのアルコール類で希釈した液
に、乳剤層3および保護膜6を形成したガラス基材1を
浸漬する。その後、ゆっくりと引上げて室温で乾燥して
アモルファスの透明なガラス質膜を形成する。このガラ
ス質膜の表面が乾燥した後、60℃〜180℃の温度範囲で1
5分〜60分加熱ベーキング処理を施す。これらの処理に
より、加水分解と重縮合反応とが起り、ガラス質膜を完
全に硬化させて硬度を高め、乳剤層3上の保護膜6の表
面にアモルファスの透明なガラス質からなる傷発生防止
膜11を形成する。この傷発生防止膜11の厚さは、用いる
液の濃度または塗膜回数にもよるが、0.3μm〜1.5μm
で、好ましくは0.5μm〜1.0μmの極めて薄い膜であ
る。この場合、金属アルコラートは、一回の塗膜厚を厚
くした場合、割れまたは膜むらを生じやすく、そのた
め、一回の膜厚は0.3μm〜0.5μm程がよく、そして、
0.3μm以下の場合にはピンホールが生じることがあ
り、したがって、傷発生防止効果上支障のない0.3μm
〜1.5μmがよい。また、この傷発生防止膜11の硬度
は、シャドウマスク材上の感光膜の硬度と同等か、それ
以上が必要で、高ければ高い程よく、液組成やベーキン
グ条件によって膜硬度が変化するが、鉛筆硬度で6H〜9H
程度が望ましい。なお、傷発生防止膜11は、浸漬以外に
スプレー塗布またはスピン塗布などで形成してもよい。
さらに、付着防止膜12は、次のようにして形成する。
シロキサン結合を有するシロキサン誘導体、たとえばジ
メチルジクロルシランからの重合体であるジメチルジシ
ロキサンやジメチルトリシロキサンのSi原子の一部をア
ルキル基やアリル基などと結合させ、半無機−半有機的
な構造としたジメチルシリコーン重合体の特殊低粘度シ
リコーン油をフレオンまたはトリクレンで1%以下、好
ましくは0.1%〜0.5%に希釈した液に、乳剤層3、保護
膜6および傷発生防止膜11を形成したガラス基材1を浸
漬する。その後、ゆっくりと引上げて室温で乾燥してシ
リコーン膜を形成する。このシリコーン膜の表面が乾燥
した後、50℃〜150℃の温度範囲で15分〜60分加熱ベー
キング処理を施すことにより、シリコーン膜を完全に硬
化させて傷発生防止膜11の表面に付着防止膜12を形成す
る。この付着防止膜12の厚さは、用いる液の濃度または
塗膜回数にもよるが、付着防止効果上支障のない0.005
μm〜0.1μmの極めて薄い膜である。なお、シリコー
ンの付着防止膜12は、浸漬以外にスプレー塗布またはス
ピン塗布などで形成してもよい。また、付着防止膜12の
硬化は、熱処理を施さずに室温で長時間、たとえば1日
程放置してもよい。
上記の焼付け版は、表面に極めて薄いシリコーン膜に
よる付着防止膜12を形成することにより、表面自由エネ
ルギをフッ素化合物表面処理を施したと同じ程度の22mJ
/m2以下にし、水との接触角を100度以上にする。これに
より臨界表面張力は20〜32dyne/cm程とポリエチレンに
類似の値になり、非常に接着しにくい表面、言い換える
と異物が付着しにくい表面となる。また、シリコーン膜
は潤滑剤の役目をし、シリコーン膜のないものに比較し
摩擦係数を下げる。これにより、露光工程でのシャドウ
マスク材に形成された感光膜との粘り付きが発生しない
ため、真空密着時に表面にすり傷が発生しにくく、空気
抜きを短時間ででき、表面へのごみやほこりなどの異物
付着が防止されるため、焼付け版上のパターン自体への
欠陥発生が低減できる。また、真空密着時間の短縮が可
能で焼付け版の使用寿命が延び、パターン欠陥によるシ
ャドウマスク不良発生が減少し、生産性が向上する。
また、乳剤層3の表面に透明なガラス質からなる傷発
生防止膜11を有することにより、表面の硬度を感光膜の
硬度と同等か、それ以上に高めると共に、耐水性および
耐薬品性を向上させる。これにより、露光工程で用いら
れた際に異物などが付着しても表面に傷が入らず、焼付
けパターン欠陥によるシャドウマスク開孔欠陥の発生が
なくなり、歩留が向上する。
なお、第1図に示すものでは、片面に傷発生防止膜11
と付着防止膜12を形成しているが、製造時に、目的とす
る面の反対面に同様の膜が形成されても何ら実用上弊害
はない。
次に、第1図に示す実施例による焼付け版と、第2図
に示す従来例の焼付け版とを用い、シャドウマスク材の
両主面に形成された感光膜にシャドウマスクパターンを
焼付ける露光工程で用い、欠陥の発生を比較した結果を
次表に示す。
この結果のように、実施例の焼付け版では、欠陥を発
生させずに連続パターン焼付けが可能な枚数は大幅に増
加する。また、欠陥発生数も少なく、再修整に要する時
間が少なくてすむ。さらに、感光膜との付着が発生しな
いため、シャドウマスク材と焼付け版との真空密着時の
空気抜けがよく、焼付け版およびパターンの大きさによ
るが従来50秒〜80秒程度必要であった真空密着時間が平
均して20秒程短縮され、生産性が向上した。
また、露光工程の部屋のクリーン度を従来の1000クラ
スから10000クラスに落しても、パターン欠陥の発生に
は影響を与えないことがわかり、空調設備の費用の削減
を図ることができた。
〔発明の効果〕
本発明のシャドウマスク用パターン焼付け版によれ
ば、乳剤層の表面に透明なガラス質の傷発生防止膜を有
することにより、表面の硬度を感光膜の硬度と同等か、
それ以上に高め、耐水性および耐薬品性を向上するとと
もに、この傷発生防止膜上に、臨界表面張力および摩擦
係数の低い膜厚が0.5μm以下のシリコーン膜の付着防
止膜を形成することにより、表面を化学的に不活性に
し、表面は粘性を有さず耐擦性に優れ、ごみやほこりな
どの異物が付着しないため、すり傷の発生が減少し、か
つ、異物付着によるパターン欠陥発生を軽減でき、ま
た、乳剤および傷発生防止膜の間にゼラチンの保護層を
設けたことにより傷発生防止膜および付着防止膜の形成
時に乳剤層を形成することを防止でき、単位時間当りの
焼付け枚数が増加し、生産性を向上できる。
また、本発明のシャドウマスク用パターン焼付け版の
製造方法によれば、金属アルコラートをアルコールで希
釈した液を塗布後乾燥および加熱硬化させてアモルファ
スの透明なガラス質膜の傷発生防止膜を形成することに
より、膜厚の薄い傷発生防止膜を形成し、表面の硬度を
感光膜の硬度と同等か、それ以上に高め、耐水性および
耐薬品性を向上して、乳剤層の傷を防止するとともに、
ジメチルシリコーン重合体のシリコーン油を塗布後乾燥
してシリコーン膜を形成することにより、膜厚が極めて
薄く、臨界表面張力および摩擦係数の低いシリコーン膜
の付着防止膜を容易にかつ安定して形成できるととも
に、乳剤層上のゼラチンの保護層に傷発生防止膜を設け
ることにより傷発生防止膜および付着防止膜の形成時に
乳剤層を損傷することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の焼付け版の一実施例を示す断面図、第
2図および第3図は従来の焼付け版を示す断面図であ
る。 1……ガラス基材、3……乳剤層、6……保護膜、11…
…傷発生防止膜、12……付着防止膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 1/00 - 1/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャドウマスク材の両主面に形成された感
    光膜にシャドウマスクパターンを焼付ける露光工程で用
    いられる焼付け版であって、 ガラス基材上に形成されシャドウマスク開孔部に相当す
    る部分が不透光で他の部分は透光な乳剤層と、 この乳剤層上に形成されたゼラチンを有する保護膜と、 この保護膜上の表面に形成され金属アルコラートより形
    成されたアモルファスの透明なガラス質の膜厚0.3μm
    〜1.5μmの傷発生防止膜と、 この傷発生防止膜上の表面にジメチルシリコーン重合体
    のシリコーン膜の膜厚0.005μm〜0.1μmの付着防止膜
    と を具備したことを特徴とするシャドウマスク用パターン
    焼付け版。
  2. 【請求項2】シャドウマスク開孔部に相当する部分が不
    透光で他の部分は透光な乳剤層のシャドウマスクパター
    ンおよびこの乳剤層上のゼラチンを有する保護膜を有す
    るガラス基材における上記保護膜上の表面に、金属アル
    コラートをアルコールで希釈した液を塗布後乾燥および
    加熱硬化させてアモルファスの透明なガラス質膜の傷発
    生防止膜を形成し、 この傷発生防止膜上の表面に、ジメチルシリコーン重合
    体のシリコーン油を塗布後乾燥および硬化させてシリコ
    ーン膜の付着防止膜を形成する ことを特徴とするシャドウマスク用パターン焼付け版の
    製造方法。
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