JPH07218711A - ホログラフィック回折格子およびその製造方法並びに光ピックアップ - Google Patents

ホログラフィック回折格子およびその製造方法並びに光ピックアップ

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JPH07218711A
JPH07218711A JP6014314A JP1431494A JPH07218711A JP H07218711 A JPH07218711 A JP H07218711A JP 6014314 A JP6014314 A JP 6014314A JP 1431494 A JP1431494 A JP 1431494A JP H07218711 A JPH07218711 A JP H07218711A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 +1次回折光と−1次回折光との強度差をつ
けることができるホログラフィック回折格子を短時間で
作製できる製造方法を提供する。 【構成】 透明基板1の表面に、一方向に延びる縞状パ
ターンをなし、矩形状の凹凸をなす断面を持つ格子3を
形成する。コーティング材蒸発源8に対して基板1を所
定距離離間させて配置して、基板1に対するコーティン
グ材の蒸着方向が実質的に平行となるようにする。基板
1は、蒸着方向に対して基板表面1aが斜めに傾斜し、
かつ蒸着方向に対して格子3が延びる方向が垂直をなす
状態とする。上記コーティング材を基板表面1aに蒸着
して、基板表面1aに格子3の各凸部3tの両側での厚
さが異なるコーティング膜2を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はホログラフィック回折
格子の製造方法に関する。また、ホログラフィック回折
格子と、ホログラフィック回折格子を構成要素として有
する光ピックアップに関する。このような光ピックアッ
プは、例えばCD(コンパクト・オーディオ・ディス
ク)再生装置の一部を構成するのに用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のホログラフィック回折格
子を作製する場合、図8(a)に示すように、ガラス基板
101の表面にフォトリソグラフィによって0.1〜5
μmピッチのマスク102を形成し、このガラス基板1
01をイオン源103に対して斜めにセットする。そし
て、同図(b)に示すように、イオンミリングによって、
ガラス基板101の表面に、基板表面に対して傾斜した
ブレーズド格子101aを形成する。上記マスク102
を除去した後、格子面101aにコーティング材として
Al23,ZrO2,MgF2を順に蒸着して、一様な厚
さで格子面101aを覆い反射防止機能を持つコーティ
ング膜(図示せず)を形成する(作製完了)。なお、こ
のホログラフィック回折格子の全体を参照数字110で
示している。
【0003】このホログラフィック回折格子110で
は、図7(簡単のため、格子101aを断面凹状に表し
ている)に示すように、+1次回折光の強度を、−1次
回折光の強度よりも大きくすることができる(逆も可
能)。したがって、このホログラフィック回折格子11
0を光ピックアップの構成要素とした場合に、必要な信
号、例えばCDの記録情報を表すピット信号、記録面で
の焦点ずれを表すフォーカス誤差信号、トラッキングの
ずれを表すラジアル誤差信号の強度を高めることがで
き、記録情報を安定に再生することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法は、格子101aをイオンミリングによっ
て形成しているため、作製時間が長くかかり、生産性が
良くないという問題がある。例えば、市販のイオンミリ
ング装置を使用する場合、1回の処理枚数が1枚で、真
空排気からビーム引き出し、エッチング、ガラス基板取
り出しまでの1サイクルに1時間程度かかる。
【0005】そこで、この発明の目的は、+1次回折光
と−1次回折光との強度差をつけることができるホログ
ラフィック回折格子を短時間で作製できる製造方法を提
供することにある。また、そのようなホログラフィック
回折格子と、そのようなホログラフィック回折格子を備
えた光ピックアップを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の回折格子の製造方法は、透明基板
の表面に、一方向に延びる縞状パターンをなし、矩形状
の凹凸をなす断面を持つ格子を形成する工程と、コーテ
ィング材蒸発源に対して上記基板を所定距離離間させて
配置して、上記基板に対するコーティング材の蒸着方向
が互いに実質的に平行になるようにし、上記蒸着方向に
対して上記基板表面が斜めに傾斜し、かつ上記蒸着方向
に対して上記格子が延びる方向が垂直をなす状態で、上
記コーティング材を上記基板表面に蒸着して、上記基板
表面に上記格子の各凸部の両側での厚さが異なるコーテ
ィング膜を形成する工程を有することを特徴としてい
る。
【0007】また、請求項2に記載のホログラフィック
回折格子の製造方法は、請求項1に記載のホログラフィ
ック回折格子の製造方法において、下方に向かって開い
た円錐面の形状を持つホルダ支持部材の内壁に沿って、
上記基板を保持するためのホルダを周方向に複数並べ、
かつ上記ホルダを上下方向に複数段に配置し、上記蒸発
源を上記ホルダ支持部材の円錐の中心軸上に配置し、上
記ホルダ支持部材の上段側および下段側のホルダに、そ
れぞれ上記基板を上記格子が延びる方向が水平になる向
きに保持して、上記コーティング膜を、上記上段側のホ
ルダに保持した基板の格子の各凸部の上側よりも下側に
厚く形成する一方、上記下段側のホルダに保持した基板
の格子の各凸部の下側よりも上側に厚く形成するように
したことを特徴としている。
【0008】また、請求項3に記載のホログラフィック
回折格子は、表面に、一方向に延びる縞状パターンをな
し、矩形状の凹凸をなす断面を持つ格子が形成された透
明基板を備え、上記基板表面に上記格子の各凸部の両側
での厚さが異なるコーティング膜が設けられていること
を特徴としている。
【0009】また、請求項4に記載の光ピックアップ
は、記録担体と、上記記録担体の記録面へ向けてコヒー
レント光を発する光源と、上記光源と記録担体との間に
設けられ、上記記録担体によって反射されたコヒーレン
ト光を回折させるホログラフィック回折格子と、上記ホ
ログラフィック回折格子が回折させた光を受けて、この
光に応じて上記記録面の記録情報を表す電気信号を出力
する受光素子を有する光ピックアップにおいて、上記ホ
ログラフィック回折格子は、表面に、一方向に延びる縞
状パターンをなし、矩形状の凹凸をなす断面を持つ格子
が形成された透明基板を備え、上記基板表面に上記格子
の各凸部の両側での厚さが異なるコーティング膜が設け
られていることを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1に記載の回折格子の製造方法によれ
ば、表面に、一方向に延びる縞状パターンをなし、矩形
状の凹凸をなす断面を持つ格子が形成された透明基板を
備え、この基板表面に上記格子の各凸部の両側での厚さ
が異なるコーティング膜を有するホログラフィック回折
格子が作製される。このホログラフィック回折格子は、
格子の各凸部の両側でのコーティング膜の厚さの違いに
応じて、+1次回折光の強度が、−1次回折光の強度よ
りも大きくなる(逆も可能)。つまり、実質的にブレー
ズド格子を持つホログラフィック回折格子を作製するこ
とができる。この製造方法では、イオンミリングによっ
てブレーズド格子を形成する従来法と異なり、矩形状の
凹凸をなす断面を持つ格子を形成しているので、例えば
リアクティブ・イオン・エッチング法などを採用するこ
とによって短時間で格子を形成することができる。この
後、コーティング膜形成に要する時間は従来と同じであ
る。したがって、全体として、上記ホログラフィック回
折格子が短時間で作製される。
【0011】請求項2の如く、ホルダを、下方に向かっ
て開いた円錐面の形状を持つホルダ支持部材の内壁に沿
って、上記基板を保持するためのホルダを周方向に複数
並べ、かつ上記ホルダを上下方向に複数段に配置した場
合、1回のサイクルで多数の基板にコーティング膜を形
成することが可能となる。したがって、基板1枚当たり
の作製時間がさらに短縮される。
【0012】なお、上記コーティング膜を、上段側のホ
ルダに保持した基板の格子の各凸部の上側よりも下側に
厚く形成する一方、下段側のホルダに保持した基板の格
子の各凸部の下側よりも上側に厚く形成するようにして
いるので、上段側と下段側の両方のホルダを利用するこ
とができる。
【0013】請求項3のホログラフィック回折格子は、
基板表面に、格子の各凸部の両側での厚さが異なるコー
ティング膜が設けられているので、このコーティング膜
の厚さの違いに応じて、+1次回折光の強度を、−1次
回折光の強度よりも大きくすることができる(逆も可
能)。したがって、このホログラフィック回折格子を光
ピックアップの構成要素とした場合に、必要な信号、例
えば+1次回折光として取り出すCDの記録情報を表す
ピット信号、記録面での焦点ずれを表すフォーカス誤差
信号、トラッキングのずれを表すラジアル誤差信号の強
度を高めることができる。したがって、記録情報が安定
に再生される。
【0014】請求項4の光ピックアップは、基板表面
に、格子の各凸部の両側での厚さが異なるコーティング
膜が設けられたホログラフィック回折格子を備えている
ので、このコーティング膜の厚さの違いに応じて、+1
次回折光の強度を、−1次回折光の強度よりも大きくす
ることができる(逆も可能)。したがって、例えば+1
次回折光として取り出すCDの記録情報を表すピット信
号、記録面での焦点ずれを表すフォーカス誤差信号、ト
ラッキングのずれを表すラジアル誤差信号の強度を高め
ることができる。したがって、記録情報が安定に再生さ
れる。
【0015】
【実施例】以下、この発明のホログラフィック回折格子
およびその製造方法並びに光ピックアップを実施例によ
り詳細に説明する。
【0016】図1は一実施例のホログラフィック回折格
子の製造過程を模式的に示している。
【0017】まず、同図(a)に示すように、公知の手
法によって、透明なガラス基板1の表面1aに、一方向
に延びる縞状パターンをなし、矩形状の凹凸をなす断面
を持つ格子3を形成する。例えば、ガラス基板1の表面
1aにフォトリソグラフィによって0.1〜5μmピッ
チのマスク(図示せず)を形成し、リアクティブ・イオ
ン・エッチングを行えば良い。
【0018】次に、真空チャンバ9内で、コーティン
グ材蒸発源8に対して上記格子3を形成したガラス基板
1を離間させて、ガラス基板1に対するコーティング材
の蒸着方向が実質的に平行となる距離に配置する。詳し
くは、ガラス基板1を保持するためのホルダ4を、基板
受け面が蒸発源8に対して斜めに傾斜した状態に設け
る。そして、ガラス基板1を、蒸着方向に対して上記格
子3が延びる方向が垂直をなす向きにセットする。この
状態で上記コーティング材を基板表面1aに蒸着する。
これにより、基板表面1aに格子3の各凸部3tの両側
での厚さが異なるコーティング膜2を形成する。コーテ
ィング膜2は、Al23,ZrO2,MgF2を順に積層
したものとし、波長785μmのレーザ光を透過率95
%以上で透過させるために、厚い部分の厚さを4000
〜5000Åに設定する。
【0019】このようにして作製したホログラフィック
回折格子10は、格子3の各凸部3tの両側でのコーテ
ィング膜の厚さの違いに応じて、+1次回折光の強度
が、−1次回折光の強度よりも大きくなる(逆も可
能)。つまり、実質的にブレーズド格子を持つホログラ
フィック回折格子を作製することができる。
【0020】この例では、イオンミリングによってブレ
ーズド格子を形成する従来法と異なり、矩形状の凹凸を
なす断面を持つ格子3をリアクティブ・イオン・エッチ
ング法で形成している(上記)ので、従来に比して短
時間で格子を形成することができる。この後、コーティ
ング膜形成(上記)に要する時間は従来と同じであ
る。したがって、全体として、実質的にブレーズド格子
を持つホログラフィック回折格子を短時間で作製するこ
とができる。
【0021】本発明者は、図2(a),(b)に示すような試
料ホルダ30を用いて作製実験を行った。同図(a),(b)
はそれぞれ試料ホルダ30を側方,下方から見たところ
を示している。この試料ホルダ30は、下方に向かって
開いた円錐面の形状を持つホルダ支持部材40を有して
いる。ホルダ支持部材40の内壁に沿って、ガラス基板
1を保持するためのホルダ41,42,43を周方向に
複数並べ、かつ上記ホルダを上下方向に複数段に配置し
ている。なお、41,42,43はそれぞれ上段,中
段,下段のホルダを示しており、いずれも基板受け面が
円錐の内壁に沿って設けられている。
【0022】コーティング対象のガラス基板1は、図3
に示すように、表面1aに円形領域に形成されたの回折
格子3を行列状に配置したものである。各回折格子3
は、凹凸ピッチが小さい領域3aと凹凸ピッチが大きい
領域3bとに2分割されている。ガラス基板1には向き
を表すためのマーク1bが設けられている。マーク1b
が延びる向きは縞状の格子が延びる向きと一致してい
る。
【0023】図5に示すように、上記のようなガラス基
板10枚をそれぞれ特定のホルダ(No.1〜10)
に、それぞれ向きを特定してセットした。つまり、各ガ
ラス基板のマーク1bから分かるように、蒸着時に、N
o.1,2,3,10のホルダには縞状の格子が上下に
傾斜して延びる向き、No.4,5,6,7,8,9の
ホルダには縞状の格子が水平に延びる向きにセットし
た。なお、No.4〜6とNo.7〜9とでは、ガラス
基板のマーク1bが上下逆になっている。この状態で、
図4に示すように、各ガラス基板1の表面にコーティン
グ膜2を形成した。コーティングの再現性を見るため、
蒸着は3回行い、計30枚のホログラフィック回折格子
を作製した。ここで、図4および図5から分かるよう
に、ガラス基板1の表面に対するコーティング材の蒸着
角度は、上段のホルダ41(No.3,6,9)にセッ
トしたガラス基板1ではθ1≒120°、中段のホルダ
42(No.2,5,8,10)にセットしたガラス基
板ではθ2≒90°、下段のホルダ43(No.1,
4,7)にセットしたガラス基板ではθ3≒60°とな
っている。
【0024】このようにして作製したホログラフィック
回折格子の光学特性は、表1のような結果となった。表
1は、第1回目〜第3回目の蒸着について、各ホルダに
セットしたガラス基板毎に、+1次回折光の強度と−1
次回折光の強度との比(−1次回折光の強度/+1次回
折光の強度)を示している。分かるように、縞状の格子
が上下に傾斜して延びる向きにセットしたもの(No.
1,2,3,10)では、+1次回折光の強度と−1次
回折光の強度との比が略1となっている。これは、蒸着
時に縞上の格子が上下方向に延びた状態にあるため、蒸
発源に対して格子の各凸部が陰をつくらないからであ
る。同様に、縞状の格子が水平に延びる向きにセットし
たものであっても、中段のホルダ42にセットしたした
もの(No.5,8)は、+1次回折光の強度と−1次
回折光の強度との比が1に近い値となっている。これ
は、図4に示したように、ガラス基板1の表面が蒸着方
向に略垂直になっているため、蒸発源8に対して格子の
各凸部3tが陰をつくらないからである。これに対し
て、縞状の格子が水平に延びる向きで、かつ上段または
下段のホルダ41,43にセットしたもの(No.4,
6,7,9)は、+1次回折光の強度と−1次回折光の
強度との比が1から離れた値となっている。これは、上
段側のホルダ41(No.6,9)にセットしたガラス
基板の格子の各凸部3tの上側よりも下側にコーティン
グ膜が厚く形成され、また、下段側のホルダ43(4,
7)にセットしたガラス基板の格子の各凸部3tの下側
よりも上側にコーティング膜が厚く形成されたからであ
る。
【表1】 この結果から、実質的にブレーズド格子を持つホログラ
フィック回折格子を作製するために、上段側と下段側の
両方のホルダを利用できることが分かる。このように、
1回の蒸着サイクルで同時に多数のホルダを用いること
により、基板1枚当たりの作製時間をさらに短縮するこ
とができる。
【0025】図6は、上述の手順で作製した実質的にブ
レーズド格子を持つホログラフィック回折格子13を構
成要素として有する光ピックアップを示している。
【0026】この光ピックアップ装置は、半導体レーザ
11,グレーティング12,ホログラフィック回折格子1
3,コリメートレンズ14および対物レンズ15を記録
担体16の記録面16aに垂直な1つの直線上に並べて
配置している。また、半導体レーザ11を含み記録面1
6aに平行な面内で半導体レーザ11のラジアル方向R
近傍に受光素子17を配置している。上記ホログラフィ
ック回折格子13は、図3に示した円形の回折格子3を
一つ持ち、上述の製造方法によって斜めからコーティン
グ材が蒸着されたものである。
【0027】図6の半導体レーザ11から出射したレー
ザ光Lはまずグレーティング12に入射する。グレーテ
ィング12によって、直進する0次回折光Lmと、この
0次回折光Lmの奥,手前を通る図示しない1対の±1次
回折光±Lsに分割される。この3つのビームLm,±Ls
は、ホログラフィック回折格子13,コリメートレンズ
14,対物レンズ15を順に通過して、記録担体16の
記録面16aに集光される。各ビームLm,±Lsは、記録
面16aによって反射され、対物レンズ15,コリメート
レンズ14を通過した後、ホログラフィック回折格子1
3で回折される。そして、上記各ビームLm,±Lsの+
1次回折光がグレーティング12の側方を通って受光素
子17に導かれる。
【0028】ここで、上記ホログラフィック回折格子
は、格子3の各凸部の両側でのコーティング膜の厚さの
違いに応じて、+1次回折光の強度が、−1次回折光の
強度よりも大きくなる。したがって、この+1次回折光
から取り出すCDの記録情報を表すピット信号、記録面
での焦点ずれを表すフォーカス誤差信号、トラッキング
のずれを表すラジアル誤差信号の強度を高めることがで
きる。したがって、記録情報を安定に再生することがで
きる。
【0029】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1のホ
ログラフィック回折格子の製造方法は、実質的にブレー
ズド格子を持つホログラフィック回折格子を作製するこ
とができる。つまり、格子の各凸部の両側でのコーティ
ング膜の厚さの違いに応じて、+1次回折光の強度が、
−1次回折光の強度よりも大きくなる(逆も可能)ホロ
グラフィック回折格子を作製することができる。この製
造方法では、イオンミリングによってブレーズド格子を
形成する従来法と異なり、矩形状の凹凸をなす断面を持
つ格子を形成しているので、例えばリアクティブ・イオ
ン・エッチング法などを採用することによって短時間で
格子を形成することができる。この後、コーティング膜
形成に要する時間は従来と同じである。したがって、全
体として、上記ホログラフィック回折格子を短時間で作
製できる。
【0030】請求項2の如く、ホルダを、下方に向かっ
て開いた円錐面の形状を持つホルダ支持部材の内壁に沿
って、上記基板を保持するためのホルダを周方向に複数
並べ、かつ上記ホルダを上下方向に複数段に配置した場
合、1回のサイクルで多数の基板にコーティング膜を形
成することができる。したがって、基板1枚当たりの作
製時間をさらに短縮できる。
【0031】請求項3のホログラフィック回折格子は、
基板表面に、格子の各凸部の両側での厚さが異なるコー
ティング膜が設けられているので、このコーティング膜
の厚さの違いに応じて、+1次回折光の強度を、−1次
回折光の強度よりも大きくすることができる(逆も可
能)。したがって、このホログラフィック回折格子を光
ピックアップの構成要素とした場合に、必要な信号、例
えば+1次回折光として取り出すCDの記録情報を表す
ピット信号、記録面での焦点ずれを表すフォーカス誤差
信号、トラッキングのずれを表すラジアル誤差信号の強
度を高めることができる。したがって、記録情報を安定
に再生できる。
【0032】請求項4の光ピックアップは、基板表面
に、格子の各凸部の両側での厚さが異なるコーティング
膜が設けられたホログラフィック回折格子を備えている
ので、このコーティング膜の厚さの違いに応じて、+1
次回折光の強度を、−1次回折光の強度よりも大きくす
ることができる(逆も可能)。したがって、例えば+1
次回折光として取り出すCDの記録情報を表すピット信
号、記録面での焦点ずれを表すフォーカス誤差信号、ト
ラッキングのずれを表すラジアル誤差信号の強度を高め
ることができる。したがって、記録情報を安定に再生で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例のホログラフィック回折
格子の製造過程を説明する図である。
【図2】 ホログラフィック回折格子を作製するのに用
いる試料ホルダを示す図である。
【図3】 格子を形成したガラス基板を示す図である。
【図4】 格子を形成したガラス基板にコーティング材
を蒸着する状態を示す図である。
【図5】 試料ホルダにガラス基板をセットした状態を
示す図である。
【図6】 この発明の一実施例の光ピックアップの構成
を示す図である。
【図7】 ホログラフィック回折格子が光を回折する様
子を示す図である。
【図8】 従来のホログラフィック回折格子の製造方法
を説明する図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 コーティ
ング材 3 格子 3t 凸部 4 ホルダ 30 試料ホ
ルダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の表面に、一方向に延びる縞状
    パターンをなし、矩形状の凹凸をなす断面を持つ格子を
    形成する工程と、 コーティング材蒸発源に対して上記基板を所定距離離間
    させて配置して、上記基板に対するコーティング材の蒸
    着方向が互いに実質的に平行になるようにし、上記蒸着
    方向に対して上記基板表面が斜めに傾斜し、かつ上記蒸
    着方向に対して上記格子が延びる方向が垂直をなす状態
    で、上記コーティング材を上記基板表面に蒸着して、上
    記基板表面に上記格子の各凸部の両側での厚さが異なる
    コーティング膜を形成する工程を有することを特徴とす
    るホログラフィック回折格子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のホログラフィック回折
    格子の製造方法において、 下方に向かって開いた円錐面の形状を持つホルダ支持部
    材の内壁に沿って、上記基板を保持するためのホルダを
    周方向に複数並べ、かつ上記ホルダを上下方向に複数段
    に配置し、 上記蒸発源を上記ホルダ支持部材の円錐の中心軸上に配
    置し、 上記ホルダ支持部材の上段側および下段側のホルダに、
    それぞれ上記基板を上記格子が延びる方向が水平になる
    向きに保持して、 上記コーティング膜を、上記上段側のホルダに保持した
    基板の格子の各凸部の上側よりも下側に厚く形成する一
    方、上記下段側のホルダに保持した基板の格子の各凸部
    の下側よりも上側に厚く形成するようにしたことを特徴
    とするホログラフィック回折格子の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面に、一方向に延びる縞状パターンを
    なし、矩形状の凹凸をなす断面を持つ格子が形成された
    透明基板を備え、 上記基板表面に上記格子の各凸部の両側での厚さが異な
    るコーティング膜が設けられていることを特徴とするホ
    ログラフィック回折格子。
  4. 【請求項4】 記録担体と、上記記録担体の記録面へ向
    けてコヒーレント光を発する光源と、上記光源と記録担
    体との間に設けられ、上記記録担体によって反射された
    コヒーレント光を回折させるホログラフィック回折格子
    と、上記ホログラフィック回折格子が回折させた光を受
    けて、この光に応じて上記記録面の記録情報を表す電気
    信号を出力する受光素子を有する光ピックアップにおい
    て、 上記ホログラフィック回折格子は、表面に、一方向に延
    びる縞状パターンをなし、矩形状の凹凸をなす断面を持
    つ格子が形成された透明基板を備え、上記基板表面に上
    記格子の各凸部の両側での厚さが異なるコーティング膜
    が設けられていることを特徴とする光ピックアップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103376485A (zh) * 2012-04-12 2013-10-30 福州高意光学有限公司 一种采用镀膜技术制作光栅的方法
CN107797337A (zh) * 2017-09-27 2018-03-13 联想(北京)有限公司 一种背光模组以及电子设备

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