JPH07216996A - インサートナット取付具及びコンクリート型枠のインサートナット取付部の構造 - Google Patents
インサートナット取付具及びコンクリート型枠のインサートナット取付部の構造Info
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- JPH07216996A JPH07216996A JP2353094A JP2353094A JPH07216996A JP H07216996 A JPH07216996 A JP H07216996A JP 2353094 A JP2353094 A JP 2353094A JP 2353094 A JP2353094 A JP 2353094A JP H07216996 A JPH07216996 A JP H07216996A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 インサートナットの取り付け及び型枠の脱型
が容易で、インサートナット内部にコンクリートのトロ
が侵入しないインサートナット取付具及びコンクリート
型枠のインサートナット取付部の構造を得る。 【構成】 先端を開口した円筒形状のプラスチック製ボ
ス2の基端部にボルト3頭部をインサート成形により一
体的に埋め込み、後方にボルト3足部を突出させたこと
を特徴とするインサートナット取付具1、及び、型枠1
0に設けたボルト孔11に、ボス2の外径がインサート
ナット13のネジの山径とほぼ等しいインサートナット
取付具1のボルト3足部を挿通し、型枠10背面からナ
ットで締め付け固定し、型枠内面にボスを突出させたこ
とを特徴とする型枠のインサートナット取付部1の構造
である。連続使用に耐える強度、及び耐久性を有する。
が容易で、インサートナット内部にコンクリートのトロ
が侵入しないインサートナット取付具及びコンクリート
型枠のインサートナット取付部の構造を得る。 【構成】 先端を開口した円筒形状のプラスチック製ボ
ス2の基端部にボルト3頭部をインサート成形により一
体的に埋め込み、後方にボルト3足部を突出させたこと
を特徴とするインサートナット取付具1、及び、型枠1
0に設けたボルト孔11に、ボス2の外径がインサート
ナット13のネジの山径とほぼ等しいインサートナット
取付具1のボルト3足部を挿通し、型枠10背面からナ
ットで締め付け固定し、型枠内面にボスを突出させたこ
とを特徴とする型枠のインサートナット取付部1の構造
である。連続使用に耐える強度、及び耐久性を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インサートナットをコ
ンクリート製品に埋込むためにコンクリート型枠に装着
するインサートナット取付具、及びコンクリート型枠の
インサートナット取付部の構造に関する。
ンクリート製品に埋込むためにコンクリート型枠に装着
するインサートナット取付具、及びコンクリート型枠の
インサートナット取付部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】インサートナットは、コンクリート製品
を吊り上げるため、又コンクリート製品どうしを繋げる
ため等種々の目的でコンクリート製品に埋込まれる。こ
のようなインサートナットは、型枠内面にあらかじめ装
着された状態で型枠にコンクリートを流しこみ硬化させ
ることにより埋込まれる。
を吊り上げるため、又コンクリート製品どうしを繋げる
ため等種々の目的でコンクリート製品に埋込まれる。こ
のようなインサートナットは、型枠内面にあらかじめ装
着された状態で型枠にコンクリートを流しこみ硬化させ
ることにより埋込まれる。
【0003】図8、9は、従来のコンクリート型枠のナ
ット埋込部の構造を示す説明図である。型枠20にはイ
ンサートナット21を埋込む位置に型枠孔22を開けて
おき、図5に示すごとく、その型枠孔22に外側からボ
ルト23を通し、内側からインサートナット21を螺着
して固定する。コンクリートを流し込み、硬化した後ボ
ルト23をインパクトレンチ等で外し、図8に示すごと
く型枠を脱型するのである。
ット埋込部の構造を示す説明図である。型枠20にはイ
ンサートナット21を埋込む位置に型枠孔22を開けて
おき、図5に示すごとく、その型枠孔22に外側からボ
ルト23を通し、内側からインサートナット21を螺着
して固定する。コンクリートを流し込み、硬化した後ボ
ルト23をインパクトレンチ等で外し、図8に示すごと
く型枠を脱型するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のコンクリート型
枠のインサートナット埋込部の構造には次のような欠点
がある。インサートナットの固定に際してボルトを螺
着する作業及び脱型に際してインパクトレンチ等でボル
トを取り外す作業が煩雑で作業能率も悪い。型枠が大
型の場合、インサートナットの固定には、型枠外でボル
トを螺着する人と型枠内側でインサートナットを抑えて
いる人と2人の作業員が必要である。インサートナッ
トの固定に際して、型枠の下側からボルトで固定する場
合は、作業員が型枠の下側に潜り込まなければならず危
険である。本発明はこのような課題を解決するもので、
簡単な作業で危険も少ないコンクリート製品のインサー
トナット埋込部の構造を提供するものである。
枠のインサートナット埋込部の構造には次のような欠点
がある。インサートナットの固定に際してボルトを螺
着する作業及び脱型に際してインパクトレンチ等でボル
トを取り外す作業が煩雑で作業能率も悪い。型枠が大
型の場合、インサートナットの固定には、型枠外でボル
トを螺着する人と型枠内側でインサートナットを抑えて
いる人と2人の作業員が必要である。インサートナッ
トの固定に際して、型枠の下側からボルトで固定する場
合は、作業員が型枠の下側に潜り込まなければならず危
険である。本発明はこのような課題を解決するもので、
簡単な作業で危険も少ないコンクリート製品のインサー
トナット埋込部の構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、先端を開口し
た円筒形状のプラスチック製ボスの基端部にボルト頭部
をインサート成形により一体的に埋め込み、後方にボル
ト足部を突出させたことを特徴とするインサートナット
取付具、及び、型枠に設けたボルト孔に、ボスの外径が
インサートナットのネジの山径とほぼ等しい請求項1の
インサートナット取付具のボルト足部を挿通し、型枠背
面からナットで締め付け固定し、型枠内面にボスを突出
させたことを特徴とする型枠のインサートナット取付部
の構造である。
た円筒形状のプラスチック製ボスの基端部にボルト頭部
をインサート成形により一体的に埋め込み、後方にボル
ト足部を突出させたことを特徴とするインサートナット
取付具、及び、型枠に設けたボルト孔に、ボスの外径が
インサートナットのネジの山径とほぼ等しい請求項1の
インサートナット取付具のボルト足部を挿通し、型枠背
面からナットで締め付け固定し、型枠内面にボスを突出
させたことを特徴とする型枠のインサートナット取付部
の構造である。
【0006】
【作用】本発明は上記の構成で、プラスチック製ボスを
型枠内面に突出させて装着しておくことにより、コンク
リート製造ラインにおけるインサートナットの型枠への
取り付けは、インサートナットをその口部を型枠内面に
突出するボスに嵌着させるように押し込むことにより簡
単に行うことができる。ボスはプラスチック製で先端を
開口した薄肉円筒状をなすので、その弾性によりインサ
ートナットの嵌着を容易に行なうことができ、ネジ山を
傷めない。また、コンクリート流し込み時やバイブレー
タによる締め固め時の衝撃でもインサートナットが外れ
にくく、インサートナット内へのコンクリート漏れも少
ない。
型枠内面に突出させて装着しておくことにより、コンク
リート製造ラインにおけるインサートナットの型枠への
取り付けは、インサートナットをその口部を型枠内面に
突出するボスに嵌着させるように押し込むことにより簡
単に行うことができる。ボスはプラスチック製で先端を
開口した薄肉円筒状をなすので、その弾性によりインサ
ートナットの嵌着を容易に行なうことができ、ネジ山を
傷めない。また、コンクリート流し込み時やバイブレー
タによる締め固め時の衝撃でもインサートナットが外れ
にくく、インサートナット内へのコンクリート漏れも少
ない。
【0007】プラスチック製のボスの基端部にはボルト
頭部がインサート成形により一体的に埋め込まれてい
る。インサート成形とは、ボスを成形する金型内にボル
ト頭部をセットしておき、これにプラスチック原料を注
入するもので、ボスの成形時にボルト頭部を埋め込んで
しまう成形方法である。ボスとボルトは強力に一体化さ
れるので、連続使用に耐える強度を有する。さらに、ボ
スに埋め込まれたボルト頭部が、コンクリートの硬化熱
等によりプラスチックが変形して永久歪みとなるのを防
ぎ、ボスの耐久性がさらに向上するのである。
頭部がインサート成形により一体的に埋め込まれてい
る。インサート成形とは、ボスを成形する金型内にボル
ト頭部をセットしておき、これにプラスチック原料を注
入するもので、ボスの成形時にボルト頭部を埋め込んで
しまう成形方法である。ボスとボルトは強力に一体化さ
れるので、連続使用に耐える強度を有する。さらに、ボ
スに埋め込まれたボルト頭部が、コンクリートの硬化熱
等によりプラスチックが変形して永久歪みとなるのを防
ぎ、ボスの耐久性がさらに向上するのである。
【0008】脱型時は、型枠をコンクリート面から引き
離すのみで、取付具が型枠と共に引き離され、インサー
トナットのみがコンクリートに残存し埋め込まれる。
離すのみで、取付具が型枠と共に引き離され、インサー
トナットのみがコンクリートに残存し埋め込まれる。
【0009】特に、図5に示すように、型枠をヒンジを
中心に型開きさせて脱型する場合でも、ボスは基端部で
はしっかりとボルトと一体化されているが先端部ほど弾
性変形しやすい構成であるので、取付具を型枠から取り
外すことなく脱型することも可能である。
中心に型開きさせて脱型する場合でも、ボスは基端部で
はしっかりとボルトと一体化されているが先端部ほど弾
性変形しやすい構成であるので、取付具を型枠から取り
外すことなく脱型することも可能である。
【0010】請求項3、4に示すように、台座を使用す
ることで、既に孔が設けられた既存の型枠(既存の型枠
には、図8、9に示すように、インサートナットの径よ
りもやや大きな径の孔が既に設けられている)にも本発
明のインサートナット取付具を装着することができる。
また、台座を使用すると、図2又は図3のようにインサ
ートナットの導入部を台座で、奥のねじ部分をボスで支
持する2点支持となるので、コンクリート流し込み時や
バイブレータによる締め固め時の衝撃でもインサートナ
ットは更に外れにくくなる。同図の場合、インサートの
導入部にはねじが無いから、台座と嵌合することでイン
サートナット内へのコンクリートの侵入を完全に防ぐこ
とができる。また、インサートナットを型枠の内面に突
出したボス及び台座に圧入する場合、ボスをインサート
ナットのネジ部分に嵌着させると、手を放してもインサ
ートナットは落下することなく、さらにインサートナッ
トの芯は台座の芯と一致するので、圧入作業は簡単であ
る。
ることで、既に孔が設けられた既存の型枠(既存の型枠
には、図8、9に示すように、インサートナットの径よ
りもやや大きな径の孔が既に設けられている)にも本発
明のインサートナット取付具を装着することができる。
また、台座を使用すると、図2又は図3のようにインサ
ートナットの導入部を台座で、奥のねじ部分をボスで支
持する2点支持となるので、コンクリート流し込み時や
バイブレータによる締め固め時の衝撃でもインサートナ
ットは更に外れにくくなる。同図の場合、インサートの
導入部にはねじが無いから、台座と嵌合することでイン
サートナット内へのコンクリートの侵入を完全に防ぐこ
とができる。また、インサートナットを型枠の内面に突
出したボス及び台座に圧入する場合、ボスをインサート
ナットのネジ部分に嵌着させると、手を放してもインサ
ートナットは落下することなく、さらにインサートナッ
トの芯は台座の芯と一致するので、圧入作業は簡単であ
る。
【0011】段部で大径部と小径部に分かれ大径部はイ
ンサートナット導入部の内径にほぼ等しく小径部はイン
サートナットのネジの山径にほぼ等しい台座を使用する
と、従来型枠の既設の大きな穴に本発明のインサートナ
ット取付具を装着するのに便利である。すなわち、台座
をその小径部が後方、すなわち図3の右側を向いた状態
で取り付けると、インサートナットのネジの山径にほぼ
等しい径を有する小径部4bが型枠のボルト孔12に嵌
着し、型枠のボルト孔12と台座4のボルト孔4cの中
心が一致し、インサートナットを正確に所定の位置に取
り付けることができるのである。
ンサートナット導入部の内径にほぼ等しく小径部はイン
サートナットのネジの山径にほぼ等しい台座を使用する
と、従来型枠の既設の大きな穴に本発明のインサートナ
ット取付具を装着するのに便利である。すなわち、台座
をその小径部が後方、すなわち図3の右側を向いた状態
で取り付けると、インサートナットのネジの山径にほぼ
等しい径を有する小径部4bが型枠のボルト孔12に嵌
着し、型枠のボルト孔12と台座4のボルト孔4cの中
心が一致し、インサートナットを正確に所定の位置に取
り付けることができるのである。
【0012】新規型枠の小さな穴に本発明のインサート
ナット取付具を装着する場合は、図2のように、台座を
逆向きにして装着することで対応できる。図3の場合は
台座の小径部が型枠の孔に入り込んでいるので、調整リ
ング6をボスと台座の間に介在させることでボスの型枠
からの突出量を図2の場合と等しくしている。
ナット取付具を装着する場合は、図2のように、台座を
逆向きにして装着することで対応できる。図3の場合は
台座の小径部が型枠の孔に入り込んでいるので、調整リ
ング6をボスと台座の間に介在させることでボスの型枠
からの突出量を図2の場合と等しくしている。
【0013】本発明は、上記の構成とすることにより、
既存型枠と新規型枠とにおいて、インサートナット取付
具、台座、インサートナットを共通の部材とし、台座の
向きと調整リングの有無の相違のみで、双方に対応でき
るのである。
既存型枠と新規型枠とにおいて、インサートナット取付
具、台座、インサートナットを共通の部材とし、台座の
向きと調整リングの有無の相違のみで、双方に対応でき
るのである。
【0014】インサート取付具をナットで型枠に装着す
る場合、型枠背面に軟質樹脂等の弾性体でなるワッシャ
ーを介在させると、ワッシャーの弾性により、ある程度
取付具が型枠に対して相対的に変位することができるの
で、図5に示すように、型枠をヒンジを中心に型開きさ
せて脱型する場合でも取付具自体の弾性と相俟って、取
付具を型枠から取り外すことなく容易に脱型することが
できる。
る場合、型枠背面に軟質樹脂等の弾性体でなるワッシャ
ーを介在させると、ワッシャーの弾性により、ある程度
取付具が型枠に対して相対的に変位することができるの
で、図5に示すように、型枠をヒンジを中心に型開きさ
せて脱型する場合でも取付具自体の弾性と相俟って、取
付具を型枠から取り外すことなく容易に脱型することが
できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を表した図面を参照しつつ、本
発明を詳細に説明する。図1は、本発明の1実施例たる
インサートナット取付具1の1部切欠側面図、図2は、
本発明の1実施例たるコンクリート型枠のインサートナ
ット取付部の構造を表した断面図、図3は他の実施例の
インサートナット取付部の構造を表した断面図、図4は
インサートナット取り付け時の説明図、図5は脱型時の
説明図、図6はインサートナットの断面図、図7は防振
カバー7の斜視図である。
発明を詳細に説明する。図1は、本発明の1実施例たる
インサートナット取付具1の1部切欠側面図、図2は、
本発明の1実施例たるコンクリート型枠のインサートナ
ット取付部の構造を表した断面図、図3は他の実施例の
インサートナット取付部の構造を表した断面図、図4は
インサートナット取り付け時の説明図、図5は脱型時の
説明図、図6はインサートナットの断面図、図7は防振
カバー7の斜視図である。
【0016】取付具1は本発明の1実施例で、ナイロン
樹脂製のボス2とボルト3からなる。ボス2は先端に開
口2aが形成された円筒状をなし、基端部2bにはボル
ト3の頭部がインサート成形により一体的に埋め込ま
れ、後方に向かってボルト3の足部が突出している。取
付具1は、型枠に設けたボルト孔にボルト足部を挿通
し、型枠背面からナットで締め付け固定し、型枠内面に
ボスを突出させた状態で型枠に装着される。インサート
ナットは、型枠内面に突出したボスに、その口部を嵌着
して取り付けられる。取付具1のボス2の外周は先端付
近がやや先細りとなっており、最先端は使用するインサ
ートナットのねじの山径(螺条の内法)よりもやや細
く、径の呼び込み部となっており、中央付近から後端付
近にかけてはインサートナットの内径よりやや太く、イ
ンサートナットのねじが食い込んでしっかり嵌着できる
ようになっている。
樹脂製のボス2とボルト3からなる。ボス2は先端に開
口2aが形成された円筒状をなし、基端部2bにはボル
ト3の頭部がインサート成形により一体的に埋め込ま
れ、後方に向かってボルト3の足部が突出している。取
付具1は、型枠に設けたボルト孔にボルト足部を挿通
し、型枠背面からナットで締め付け固定し、型枠内面に
ボスを突出させた状態で型枠に装着される。インサート
ナットは、型枠内面に突出したボスに、その口部を嵌着
して取り付けられる。取付具1のボス2の外周は先端付
近がやや先細りとなっており、最先端は使用するインサ
ートナットのねじの山径(螺条の内法)よりもやや細
く、径の呼び込み部となっており、中央付近から後端付
近にかけてはインサートナットの内径よりやや太く、イ
ンサートナットのねじが食い込んでしっかり嵌着できる
ようになっている。
【0017】取付具1は、例えば図2や図3に示すよう
に型枠に装着されて使用される。まず図2から説明す
る。型枠10には、ボルト3の径よりもやや大きな径の
ボルト孔11が穿孔されている。取付具1のボルト3に
は台座4が挿通されている。台座4は硝子繊維を混入し
たナイロン樹脂製で、中央にボルト孔4cを有する円盤
状をなし、段部で大径部4aと小径部4bに分かれ大径
部4aはインサートナット13の導入部14の内径にほ
ぼ等しく小径部4bはインサートナット13のネジ15
の山径にほぼ等しくなっており、小径部4bが前方、す
なわち図2の左側を向いた状態で取り付けられる。取付
具1のボルト3は型枠10のボルト孔11に挿通され、
型枠背面でナット5で締め付け固定される。ナット5と
型枠10の間には防振カバー7と吸振盤8が配されてい
る。防振カバー7は、図7に示すごとく、プラスチック
で蜘蛛の足のような形状に形成されている。吸振盤8は
エラストマー製の円盤である。防振カバー7及び吸振盤
8は、いずれも弾性体のワッシャーとして働くもので、
図5に示すように、型枠を型開きして脱型する場合に、
これらが変形することで取付具1が型枠に対して相対的
に変位し、脱型を容易にしている。また、これらはコン
クリート締め固めのためのバイブレータの振動をボルト
3に伝達させない作用も有する。型枠10の内面には、
ボス2と台座4が突出した状態となっている。
に型枠に装着されて使用される。まず図2から説明す
る。型枠10には、ボルト3の径よりもやや大きな径の
ボルト孔11が穿孔されている。取付具1のボルト3に
は台座4が挿通されている。台座4は硝子繊維を混入し
たナイロン樹脂製で、中央にボルト孔4cを有する円盤
状をなし、段部で大径部4aと小径部4bに分かれ大径
部4aはインサートナット13の導入部14の内径にほ
ぼ等しく小径部4bはインサートナット13のネジ15
の山径にほぼ等しくなっており、小径部4bが前方、す
なわち図2の左側を向いた状態で取り付けられる。取付
具1のボルト3は型枠10のボルト孔11に挿通され、
型枠背面でナット5で締め付け固定される。ナット5と
型枠10の間には防振カバー7と吸振盤8が配されてい
る。防振カバー7は、図7に示すごとく、プラスチック
で蜘蛛の足のような形状に形成されている。吸振盤8は
エラストマー製の円盤である。防振カバー7及び吸振盤
8は、いずれも弾性体のワッシャーとして働くもので、
図5に示すように、型枠を型開きして脱型する場合に、
これらが変形することで取付具1が型枠に対して相対的
に変位し、脱型を容易にしている。また、これらはコン
クリート締め固めのためのバイブレータの振動をボルト
3に伝達させない作用も有する。型枠10の内面には、
ボス2と台座4が突出した状態となっている。
【0018】図2に示す実施例の場合、型枠10にはボ
ルト3が通過する孔を穿孔すればよいので、図3と比較
して明らかなように、従来よりも遙かに小さな孔を開け
ればよく、型枠の強度上有利である。
ルト3が通過する孔を穿孔すればよいので、図3と比較
して明らかなように、従来よりも遙かに小さな孔を開け
ればよく、型枠の強度上有利である。
【0019】図5に示すのは、図2の型枠10をヒンジ
16を中心に型開きさせて脱型する場合である。この実
施例の場合は、脱型に際してボス2のみならず、型枠背
面の防振カバー7及び吸振盤8も変形するので、ヒンジ
16とインサートナット取付部の距離が10センチメー
トル以下のきわめて悪い条件でもそのまま脱型すること
が可能である。
16を中心に型開きさせて脱型する場合である。この実
施例の場合は、脱型に際してボス2のみならず、型枠背
面の防振カバー7及び吸振盤8も変形するので、ヒンジ
16とインサートナット取付部の距離が10センチメー
トル以下のきわめて悪い条件でもそのまま脱型すること
が可能である。
【0020】図3に示すのは、型枠に既設のボルト孔1
2が穿孔されている場合である。図8、9に示すよう
に、従来使用していた型枠にはすでにインサートナット
の径よりもやや大きな径のボルト孔が穿設されている。
この場合は、図3に示すように、台座4を図2の場合と
は反転し、小径部4bが後方、すなわち図2の右側を向
いた状態で取り付けられる。するとインサートナットの
ネジの山径にほぼ等しい径を有する小径部4bが型枠の
ボルト孔12に嵌着し、型枠のボルト孔12と台座4の
ボルト孔4cの中心が一致し、インサートナットを正確
に所定の位置に取り付けることができるのである。ボス
2と台座4との間には型枠面からの突出量を調整するた
めの調整リング6が配される。調整リング6は中央にボ
ルト孔6aを有しボス2の基端部とほぼ同じ径の円盤形
で、硝子繊維を混入したナイロン樹脂で作られている。
2が穿孔されている場合である。図8、9に示すよう
に、従来使用していた型枠にはすでにインサートナット
の径よりもやや大きな径のボルト孔が穿設されている。
この場合は、図3に示すように、台座4を図2の場合と
は反転し、小径部4bが後方、すなわち図2の右側を向
いた状態で取り付けられる。するとインサートナットの
ネジの山径にほぼ等しい径を有する小径部4bが型枠の
ボルト孔12に嵌着し、型枠のボルト孔12と台座4の
ボルト孔4cの中心が一致し、インサートナットを正確
に所定の位置に取り付けることができるのである。ボス
2と台座4との間には型枠面からの突出量を調整するた
めの調整リング6が配される。調整リング6は中央にボ
ルト孔6aを有しボス2の基端部とほぼ同じ径の円盤形
で、硝子繊維を混入したナイロン樹脂で作られている。
【0021】取り付けるインサートナット13は、図6
に示すもので、ネジ15の形成された開口を有し、その
口部はネジのない導入部14となっている。
に示すもので、ネジ15の形成された開口を有し、その
口部はネジのない導入部14となっている。
【0022】インサートナット13を型枠に取り付ける
には、インサートナット13を手に持って型枠の内面に
突出したボスに圧入する。すると、図4に示すように、
ボス2外周とインサートナットのネジ15が接触し、手
を放してもインサートは落下することなく、さらにイン
サートナットの芯は台座の芯と一致する。さらに、イン
サートナットの導入部が台座の大径部に完全に嵌着する
まで圧入し、図2又は図3の状態に至る。
には、インサートナット13を手に持って型枠の内面に
突出したボスに圧入する。すると、図4に示すように、
ボス2外周とインサートナットのネジ15が接触し、手
を放してもインサートは落下することなく、さらにイン
サートナットの芯は台座の芯と一致する。さらに、イン
サートナットの導入部が台座の大径部に完全に嵌着する
まで圧入し、図2又は図3の状態に至る。
【0023】図2及び図3の実施例においては、インサ
ートナットの保持がボス2と台座4の2部材で行われる
ので、バイブレータの振動に対して強く、抜け落ちるこ
とがない。また、台座4の大径部4aとインサートナッ
ト13の導入部14が嵌合しているので、この部分がシ
ールとなってコンクリートのトロがインサートナット内
に侵入するのを完全に防ぐことができる。
ートナットの保持がボス2と台座4の2部材で行われる
ので、バイブレータの振動に対して強く、抜け落ちるこ
とがない。また、台座4の大径部4aとインサートナッ
ト13の導入部14が嵌合しているので、この部分がシ
ールとなってコンクリートのトロがインサートナット内
に侵入するのを完全に防ぐことができる。
【0024】ボスの材料は、実施例のナイロン樹脂に限
らず、適当な強度を弾性を有するプラスチックであれば
よい。台座及び調整リングの材料も実施例に限るもので
はなく、鋼製とすることもできる。ただし、台座をプラ
スチック製とすると、鋼製と比較してインサートナット
の圧入が容易である。
らず、適当な強度を弾性を有するプラスチックであれば
よい。台座及び調整リングの材料も実施例に限るもので
はなく、鋼製とすることもできる。ただし、台座をプラ
スチック製とすると、鋼製と比較してインサートナット
の圧入が容易である。
【0025】
【発明の効果】本発明は、コンクリート製品の製造ライ
ンにおけるインサートナットの取り付け作業において、
インサートナットを型枠内面に突出したボスに嵌着すれ
ばよいので、極めて簡単である。もちろん、取付ボルト
及びインパクトレンチ等の工具も不要で、大型の型枠で
あっても1人の作業員でよく、型枠の下側にもぐり込ん
で作業するような危険をおかす必要もない。ボスの基端
部にはボルト頭部がインサート成形により埋め込まれて
いるので、ボスとボルトは強力に一体化され、連続使用
に耐える強度、及び、コンクリート硬化熱による永久歪
みを生じない耐久性を有する。また、型枠をコンクリー
ト面と直角にまっすぐに取り除き脱型する場合だけでな
く、型開きさせて取り除く脱型方法にも適用することが
できる。型開きさせて脱型する場合、ボスが変形する
が、ボルト頭部が一体的に埋め込まれているので変形に
対して耐久性に優れ、くり返しの使用に十分耐えること
ができる。台座を用いると、インサートナットは2点支
持でしっかりと取り付けることができ、インサートナッ
ト内へのコンクリートのトロの進入も完全に防ぐことが
できる。新規型枠に用いる場合は、型枠に小さな孔を開
ければよいので、型枠の強度を低下させない。既存型枠
の大きな孔にも装着でき、しかも新規型枠と既存型枠で
ほとんどの部材が共通となる。
ンにおけるインサートナットの取り付け作業において、
インサートナットを型枠内面に突出したボスに嵌着すれ
ばよいので、極めて簡単である。もちろん、取付ボルト
及びインパクトレンチ等の工具も不要で、大型の型枠で
あっても1人の作業員でよく、型枠の下側にもぐり込ん
で作業するような危険をおかす必要もない。ボスの基端
部にはボルト頭部がインサート成形により埋め込まれて
いるので、ボスとボルトは強力に一体化され、連続使用
に耐える強度、及び、コンクリート硬化熱による永久歪
みを生じない耐久性を有する。また、型枠をコンクリー
ト面と直角にまっすぐに取り除き脱型する場合だけでな
く、型開きさせて取り除く脱型方法にも適用することが
できる。型開きさせて脱型する場合、ボスが変形する
が、ボルト頭部が一体的に埋め込まれているので変形に
対して耐久性に優れ、くり返しの使用に十分耐えること
ができる。台座を用いると、インサートナットは2点支
持でしっかりと取り付けることができ、インサートナッ
ト内へのコンクリートのトロの進入も完全に防ぐことが
できる。新規型枠に用いる場合は、型枠に小さな孔を開
ければよいので、型枠の強度を低下させない。既存型枠
の大きな孔にも装着でき、しかも新規型枠と既存型枠で
ほとんどの部材が共通となる。
【図1】本発明の1実施例たるインサート取付具1の1
部切欠側面図である。
部切欠側面図である。
【図2】本発明の1実施例たるコンクリート型枠のイン
サートナット取付部の構造を表した断面図である。
サートナット取付部の構造を表した断面図である。
【図3】他の実施例のインサートナット取付部の構造を
表した断面図である。
表した断面図である。
【図4】インサートナット取り付け時の説明図である。
【図5】脱型時の説明図である。
【図6】インサートナットの断面図である。
【図7】防振カバー7の斜視図である。
【図8】従来のコンクリート型枠のインサートナット取
付部の断面図である。
付部の断面図である。
【図9】図7の脱型状態の説明図である。
1 インサートナット取付具 2 ボス 3 ボルト 4 台座 5 ナット 6 調整リング 7 防振カバー 8 吸振盤 10 型枠 11 ボルト孔 12 ボルト孔 13 インサートナット 14 導入部 15 ネジ 16 ヒンジ
Claims (5)
- 【請求項1】 先端を開口した円筒形状のプラスチック
製ボスの基端部にボルト頭部をインサート成形により一
体的に埋め込み、後方にボルト足部を突出させたことを
特徴とするインサートナット取付具 - 【請求項2】 型枠に設けたボルト孔に、ボスの外径が
インサートナットのネジの山径とほぼ等しい請求項1の
インサートナット取付具のボルト足部を挿通し、型枠背
面からナットで締め付け固定し、型枠内面にボスを突出
させたことを特徴とする型枠のインサートナット取付部
の構造 - 【請求項3】 ボスの外径がインサートナットのネジの
山径とほぼ等しい請求項1のインサートナット取付具の
後方に突出するボルト足部に、中央にボルト孔を有する
円盤状をなし段部で大径部と小径部に分かれ大径部はイ
ンサートナット導入部の内径にほぼ等しく小径部はイン
サートナットのネジの山径にほぼ等しい台座を、小径部
を前方に向けた状態で挿通し、さらに該ボルト足部を型
枠に設けたボルト孔に挿通し、型枠背面からナットで締
め付け固定し、型枠内面に台座及びボスを突出させたこ
とを特徴とするコンクリート型枠のインサートナット取
付部の構造 - 【請求項4】 ボスの外径がインサートナットのネジの
山径とほぼ等しい請求項1のインサートナット取付具の
後方に突出するボルト足部に、中央にボルト孔を有する
円盤状でインサートナット内に進入可能な外径と台座の
小径部とほぼ同じ厚さを有する調整リング、及び、中央
にボルト孔を有する円盤状をなし段部で大径部と小径部
に分かれ大径部はインサートナット導入部の内径にほぼ
等しく小径部はインサートナットのネジの山径にほぼ等
しい台座を、小径部を後方に向けた状態で順次挿通し、
さらに、ボルト足部及び台座小径部を型枠に設けたボル
ト孔に挿通し、型枠背面からナットで締め付け固定し、
型枠内面に台座大径部、調整リング及びボスを突出させ
たことを特徴とするコンクリート型枠のインサートナッ
ト取付部の構造 - 【請求項5】 請求項2のインサートナット取付部の構
造において、型枠背面のナットと型枠の間に弾性体のワ
ッシャーを介在させたインサートナット取付部の構造
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2353094A JP2648741B2 (ja) | 1994-01-27 | 1994-01-27 | インサートナット取付具及びコンクリート型枠のインサートナット取付部の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2353094A JP2648741B2 (ja) | 1994-01-27 | 1994-01-27 | インサートナット取付具及びコンクリート型枠のインサートナット取付部の構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07216996A true JPH07216996A (ja) | 1995-08-15 |
JP2648741B2 JP2648741B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=12113012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2353094A Expired - Lifetime JP2648741B2 (ja) | 1994-01-27 | 1994-01-27 | インサートナット取付具及びコンクリート型枠のインサートナット取付部の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2648741B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008101441A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Japan Life Kk | セラミック製インサート |
-
1994
- 1994-01-27 JP JP2353094A patent/JP2648741B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008101441A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Japan Life Kk | セラミック製インサート |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2648741B2 (ja) | 1997-09-03 |
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