JPH0721688B2 - トナー回収装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は画像記録装置において、像担持体より除去した
残留トナーを回収する、トナー回収容器内の残留トナー
の収容効率を増すことができる残留トナー回収装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

一般に、電子写真プロセスを用いた画像記録装置、例え
ば電子写真複写機、プリンタ等にあっては、原稿の内容
を光学的に読み取って像担持体である感光体の表面に露
光し、これによって形成された静電潜像を現像装置によ
って可視像を形成し、この像を用紙に転写し、さらに転
写した像を用紙に定着させて排出するようになってい
る。

この場合、転写を行なった際に用紙に付着しなかったト
ナーが感光体の表面に残留するが、このような残留トナ
ーはクリーニング装置によって除去され、トナー回収装
置によってトナー回収容器上部開口に搬送され、主に重
力によりトナーを落下させトナー回収容器に回収してい
た。

また、該容器を振動させて、トナー回収容量を増大させ
る工夫もなされていた。

従来からトナー回収容器の設置場所は制約され、複写プ
ロセスに必要な各ユニットの配置スペース以外（デッド
スペース）に設けられていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

電子写真複写機においては、装置を小型化し、且つデッ
ドスペースにトナー回収装置を設置する際、トナー回収
装置からトナーが排出されるトナー容器内の部分には排
出されたトナーが溜まってゆく。やがてトナー回収装置
のトナー排出力がトナー容器内のトナーによる圧力以下
になるとトナー回収装置内にトナーが充満し始め、トナ
ーの搬送が出来なくなる。即ち、トナー回収容器内の隅
には充分トナーを収納できる空間があるにもかかわら
ず、トナーが回収できなくなるという状態が生じ、トナ
ー回収容器の収納効率が低かった。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために本発明は、像担持体にト
ナーにより形成された後に、クリーニング装置によっ
て、前記像担持体より除去された残留トナーを回収する
トナー回収容器を有するトナー回収装置において、残留
トナーを搬送するコイル状搬送体からなる搬送装置が設
けられていると共に、搬送された残留トナーを前記トナ
ー回収容器内に拡散させるため、前記コイル状搬送体の
回転軸方向に長い板状の拡散部材が、前記コイル状搬送
体の先端部に、一体的に取り付けられていることを特徴
とするものである。

〔作 用〕

本発明は前記の構成であるので、トナー回収装置からト
ナーが排出されるトナー回収容器内の部分、即ち案内部
33のトナー排出口付近には拡散部材により常に空洞がで
き、トナーがこの部分に溜まることを防ぎ、トナー回収
装置からトナーの排出を容易にすると共に、トナー回収
容器内にトナーを押し出して拡散する。この押し出し力
によりトナー回収容器の隅々まで残留トナーを効率よく
収納できる。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて本実施例について詳細に説明す
る。

第１図は本発明のトナー回収装置が設けられている電子
写真複写機の概略図である。

第１図の本体１の上面には水平方向（図において左右方
向）に往復移動する原稿台が設けられていると共に、そ
の上面を開放・被覆可能なプラテンカバー３が設けられ
ている。

前記本体１の図中右下部には用紙の束が収納された給紙
カセット４が着脱可能に配設され、又、図中左下部には
排紙トレイ５が設けられている。

一方、前記本体１の内部中央部には像担持体である感光
体ドラム６が回転可能に配設され、この感光体ドラム６
の上方には収束性光伝送体７が位置し、この収束性光伝
送体７よりも前記感光体ドラム６の回転方向上流側には
帯電装置８が、又、前記感光体ドラム６の回転方向下流
側には現像装置９、転写極10及びクリーニング装置11が
順次配設されている。そして２図に示すように、クリー
ニング装置11内にはクリーニングされた廃棄トナーを順
次落下口11aに送るためのスクリュー11bが設けられてい
る。

そして、前記収束性光伝送体７の側方には前記原稿台２
に光を照射する露光ランプ12が設けられていると共に、
前記収束性光伝送体７の上方であって、前記露光ランプ
12から収束性光伝送体７に到る光路を妨げない位置には
前記原稿台２の下面を支持している支持ローラー13が配
設されている。

前記給紙カセット４の上方には半月ローラー14が設けら
れ、又、前記給紙カセット４の前方には用紙の搬送域に
位置して給紙カセット４から供給されたのを検知する検
知部材15のアクチュエータ16が設けられている。用紙の
搬送方向前方の搬送域には上下一対の給紙ローラー17
a、17bが設けられている。又、給紙ローラー17a、17bよ
りも前方には用紙の先端と係止して用紙の搬送を停止す
る係止部材18が設けられている。

そして、前記給紙ローラー17a、17bよりも用紙の搬送方
向前方の搬送路の上方には、前記現像装置９、感光体ド
ラム６及びクリーニング装置11が設けられており、下方
にはトナー回収容器19が設けられている。前記転写極10
は空間を有効に利用するため、トナー回収容器19の上面
の凹部20内に設けられ、且つ前記上面は転写紙搬送ガイ
ド面を兼ねている。

前記トナー回収容器19は、前記スリーニング装置11の奥
側に位置している落下口から回収トナーを受け取る回収
口を有している。

このトナー回収容器19の前記給紙カセット４と反対側に
は定着装置21が隣接して設けられている。

なお、22は前記クリーニング装置11の下部に設けられて
いる分離爪、23は駆動源、24は前記給紙カセット４の内
部の中板を上昇するためと付勢部材、25は前記現像装置
９の上部に位置するトナーホッパーである。

前記のように構成されている電子写真複写機を作動させ
るには、まず、原稿台２の上面に原稿を載置した後にプ
ラテンカバー３で被覆し、操作パネルで所定の操作を行
う。

複写動作が開始すると、原稿の画像は露光ランプ12で照
射されると共に、原稿台２はプラテンカバー３で被覆さ
れた原稿を載置した状態で水平方向に往復移動を開始す
るので露光ランプ12で照射された原稿画像は収束性光伝
送体７を介して感光体ドラム６に結像する。一方、感光
体ドラム６は帯電装置８によって帯電が施されているの
で感光体ドラム６の表面には原稿画像に対応した静電潜
像が形成される。この後、感光体ドラム６の回転に応じ
て現像装置９により現像されてトナー像となる。

一方、給紙カセット４内の最上位の用紙は半月ローラー
14で順次送り出されて検知部材15のアクチュエーター16
を通過し、そして、上下一対の給紙ローラー17a、17bを
通過して搬送路内に位置している係止部材18で係止され
て一時待機する。

この後、所定のタイミングで給紙されて、感光体ドラム
６の表面のトナー像がトナー回収容器19の凹部20内に設
けられた転写極10の作用によって用紙の上面に転写され
た後、転写された用紙は分離爪22で感光体ドラム６から
分離されて定着装置21に搬送される。

そして、この定着装置21で圧力と熱とによって定着され
て、排紙トレイ５の上面に排出されるようになってい
る。

一方、用紙が分離された後の感光体ドラム６はクリーニ
ング装置11でクリーニングされて、次の複写に備える。
又、クリーニング装置11において、クリーニング時に掻
き落とされたトナーはクリーニング装置11の落下口から
トナー回収容器19内に落下して貯留されるようになって
いる。

前記のように構成された電子写真複写機に用いられてい
るトナー回収容器19は、第３図に示すようにその上面に
残留トナーの落下口30が、又その側面には第４図で示す
ように、トナー回収容器19内に残留トナーを搬送する搬
送装置の駆動部36が設けられている。

第４図において、前記駆動部36は駆動源たるモータ（図
示せず）からの回転力を、ベルト29、ギア31、カップリ
ング32を介して、案内部33内に設けられているコイル状
搬送体34に伝達し、コイル状搬送体34を回転させるよう
に構成されている。

このコイル状搬送体34の先端部には第５図、第６図、お
よび第７図に示すように板状拡散部材35が取り付けられ
ている。前記コイル状搬送体34はトナー回収容器内に延
長配設されている。

前記コイル状搬送体34の構成としてはトナーの搬送を円
滑に行うため、板部材をらせん状に巻いてあり、又、弯
曲可能なばね部材で構成されている。

前記コイル状搬送体34の材料としては例えばステンレス
材その他の金属材料が適切であるが、樹脂で形成しても
よい。

以上のように構成されたトナー回収装置において、感光
体ドラム６からクリーニング装置11によって掻き落とさ
れた残留トナーは第２図に示すようにスクリュー11bに
より落下口11aに順次送られ、残留トナーを排出する。
排出されたトナーは第２図及び第４図に示すように回転
するコイル状搬送体34状に重力の作用により落下する。

ここでコイル状搬送体34は前記駆動部36により回転して
いるので、残留トナーは搬送力が与えられ、第４図の矢
印37方向に搬送されことになる。

そして、残留トナーはトナー回収容器19内において、コ
イル状搬送体34に取り付けられている板状拡散部材35の
回転により、トナーは第６図に示すように板状拡散部材
35の面と略直角の方向に拡散される。

ここで、単にコイル状搬送体34のみで、コイル状搬送体
34に取り付けられている板状拡散部材35のような板状の
拡散部材がない場合には、コイル状搬送体34の先端部近
傍で排出されたトナーが溜まってゆくが、やがてコイル
状搬送体34のトナー排出力がトナー回収容器内のトナー
の集積による圧力以下になると、コイル状搬送体34内に
トナーが充満し始めトナーの搬送ができなくなる。

しかしながら、本発明の実施例のようにコイル状搬送体
34に板状拡散部材35を設けた場合には、その板状拡散部
材35の回転により、板状拡散部材35の周辺には常に空洞
を作り、排出されたトナーによる圧力がコイル状搬送体
34に働くのを防ぎ、トナーの排出を容易にすると同時に
トナー回収容器19内にトナーを押しだし、拡散してゆく
ことができる。従って、トナー回収容器19内のトナーは
四方八方に拡散されることになる。

トナー回収容器がコイル状搬送体先端部の上方に空間が
広がってある場合にも有効であり、押し上げる力を付与
することはいう迄もない。

なお、第７図のようにトナーはコイル状搬送体34により
同時に矢印Ａ方向にも押し出される。

そして、残留トナーをコイル状搬送体34により、落下口
30の下部から搬送することによって、落下口30の下部付
近には残留トナーの溜まり場所が形成されず、板状拡散
部材35の取り付け部まで搬送されてきた残留トナーを板
状拡散部材35で押し出し拡散することによって、トナー
回収容器の隅々まで残留トナーを収納することが可能と
なり、トナー回収容器19の容積とほぼ同量の残留トナー
を収納できる。

第１図に示すトナー回収容器19の容積を例えば従来のそ
れと同一にすれば、拡散部材のない従来のものよりはる
かに多く残留トナーを収納でき、又、トナー回収容器19
の形状の自由度が得られ、且つ小型にすることができる
ので、装置全体の小型化も容易に行える。

又、第１図において説明したように、このトナー回収容
器19は、従来ではデッドスペースとしてあまり利用され
ていない用紙の搬送路の下側、即ち電子写真複写機の中
央下部に設けられており、トナー回収容器19の上面を用
紙の搬送路として利用している。デッドスペースにトナ
ー回収容器19を設置することにより装置全体の小型化を
図ることができる。又、この場所は定着装置21及び露光
ランプ12等の熱の影響を受け難く、トナープロッキング
や固着による障害が少なくなるという利点がある。更
に、その上面を搬送路及び転写極10の支持部として利用
できるので、必要とする部材を少なくすることができ、
コストを安価にすることができる。

なお、本発明は以上説明した実施例に限るものでなく、
種々の変形が可能である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、以上詳細に説明したように、拡散部材
の使用によりトナー回収容器の上方部に空間が広がって
いる場合にも隅々まで残留トナーを収納することが可能
となり、この装置を使用した画像記録装置は従来のもの
より多量のトナーを収納することができる。また、形状
の自由度が得られると共に、デッドスペースを有効に利
用でき、装置を小型化にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子写真複写機の概略縦断面図、第２図はクリ
ーニング装置とトナー回収容器の縦断面図、第３図はト
ナー回収容器の一部斜視図、第４図はトナー回収容器の
部分横断面図、第５〜７図はコイル状搬送体先端と板状
拡散部材の拡大図である。 10……転写極 11……クリーニング装置 11a……落下口 11b……スクリュー 19……トナー回収容器 30……落下口 33……支持部 34……コイル状搬送体 35……板状拡散部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−96974（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−51876（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−143377（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−8972（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】像担持体にトナーにより形成された像が用
   紙に転写された後に、クリーニング装置によって、前記
   像担持体より除去された残留トナーを回収するトナー回
   収容器を有するトナー回収装置において、残留トナーを
   搬送するコイル状搬送体からなる搬送装置が設けられて
   いると共に、搬送された残留トナーを前記トナー回収容
   器内に拡散させるため、前記コイル状搬送体の回転軸方
   向に長い板状の拡散部材が、前記コイル状搬送体の先端
   部に、一体的に取り付けられていることを特徴とするト
   ナー回収装置。