JPH0244304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電子写真複写機、静電記録装置等の
静電潜像担持体表面に付着している現像剤粒子
（一成分磁性トナー）を除去するクリーニング装
置に関するものである。

（従来の技術） 従来から転写後感光体上に残留する現像剤粒子
（トナー）を除去するためのクリーニング装置と
して種々の方式のものが知られている。例えばそ
の代表的なものとして、フアーブラシクリーニン
グ方式、ブレードクリーニング方式、ローラーク
リーニング方式、磁気ブラシクリーニング方式が
あつた。フアーブラシクリーニング方式は、表面
にフアーブラシが植設された円筒を高速で回転さ
せて感光体上のトナーを除去し、さらに、フアー
ブラシに付着したトナーをフアーブラシと係合す
る叩き棒によつて叩くことにより除去し、除去さ
れたトナーは空気吸引装置によつて搬送されトナ
ーフイルタバツグに回収されるという方式であつ
た。この方式は、クリーニング装置のケーシング
からトナーが飛散することが多く、周囲の部品等
を汚したり、フアーブラシの毛足が７〜10mmと長
いために長時間使用すると毛倒れしてクリーニン
グ効果が低下してしまい装置も大型化する等の欠
点があつた。ブレードクリーニング方式は、ポリ
ウレタンゴムのような角ばつたエツジをもつ弾性
ブレードを感光体表面に圧接するので感光体表面
を傷つけ易く、また一旦傷つけてしまうと画像品
質が極端に低下してしまつたり、高価な感光体を
交換しなければならなくなつてしまうという欠点
があつた。さらに、そのため摩擦に強い感光体を
使用する場合、感光体の種類・構成が限定され自
由度がなくなるという欠点もあつた。ローラーク
リーニング方式は、例えば特開昭49−91651号に
開示されているように10⁸Ωcm以下の抵抗率を有
する柔らかい層をもつ弾性ローラーを感光体に圧
接してトナーを除去するものであるが、感光体表
面に磁性キヤリヤが付着していたりするとそれを
確実に除去することが出来ず、また上述したブレ
ードクリーニング方式のように感光体を傷付ける
可能性が大きいという欠点があつた。磁気ブラシ
クリーニング方式は、上記のように感光体を傷付
ける畏れはほとんどないが、感光体表面の機械的
摺擦力が弱く、充分なクリーニングを行うことが
出来ないし、長時間使用すると、磁気ブラシ中の
トナー濃度が上昇し、そのトナーを除去しないと
クリーニング性能が極端に低下するという欠点が
あつた。また、クリーニングローラーとして、ス
リーブの表面に７〜10mmの長さを有するブラシを
植毛したものを使用し、その内部に磁石を内蔵す
ることが考えられたが、そのスリーブの回転数が
高くなると、駆動モータの騒音がひどく、かつト
ルクも大となり、さらに遠心力によつてかえつて
周囲にトナーが飛散するという欠点やブラシ内部
に捕捉されたトナーの除去が困難であるという欠
点があつた。

以上のように、何れのクリーニング方式も長所
もあれば短所もあり、最適なクリーニング方式が
なく、小型であり、クリーニング効果も高く、経
時変化によりその性能がそれほど低下せず、感光
体も傷つけないようなクリーニング装置が望まれ
ている。

（目的） 本考案は上述した点に鑑みなされたもので、従
来の欠点を解消すると共に、出来るだけ長所を多
くもつ改良された複写機におけるクリーニング装
置を提供することを目的とする。

（実施例） 以下、本考案の実施例について添付図面を参照
しながら詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すクリーニング
装置の断面図である。符号１は静電潜像担持体と
しての感光体ドラムを示し、反時計方向へ一定速
度で回転している。感光体ドラム１は例えばセレ
ン、酸化亜鉛、有機光導電体等の感光体が使用さ
れており、電子写真的にその表面に静電潜像が形
成される。静電潜像は図示しない現像装置によつ
て可視像化される。現像剤としては一成分磁性ト
ナーが使用されている。こうして形成されたトナ
ー像は転写紙に静電的に転写されるが、全てのト
ナーが転写されるわけではなく、一部のトナーが
感光体ドラム１の表面に残留する。この残留トナ
ーを除去するクリーニング装置２が、感光体ドラ
ム１の表面が上方へ移動する部分に配置されてい
る。

クリーニング装置２は、表面に多数のブラシを
植設された円筒４と、該円筒４内部の固定部材
（図示せず）に固設された磁石５，６，７，８，
９とから構成されたクリーニングローラー１０を
有している。円筒４は、非磁性のスリーブで反時
計方向に回転しており、その表面のブラシ３は感
光体ドラム１の表面と所定圧力で接触するように
その位置関係が決められている。ブラシ３は、ポ
リエステル，ナイロン，カーボン繊維等の合成樹
脂材料を繊維状に形成したものであつて、0.2〜
0.8mmと毛足が短いため毛倒れは少ない。毛倒れ
せずしかも感光体表面に付着したトナーを移動さ
せるブラシの長さは約0.5mmが適当である。磁石
８，９はともに同極性のものが配置されている
が、これ以外の磁石は隣接する他の磁石とその極
性が互いに異極性となるようにその極性が決めら
れている。円筒４が図示のように回転すると、そ
のブラシ３によつて感光体ドラム１上に付着して
いるトナーがまず摺擦されて除去し易くなり、ト
ナーはブラシ（繊維）に付着して運ばれる。一
方、クリーニングローラー１０の内部の固定部材
に固定して配置された磁石５〜８は、上記クリー
ニングローラー１０のブラシ３によつて除去され
なかつたトナーを磁石５〜８の相隣る磁石同士で
形成される磁界の磁力によつて感光体表面からス
リーブ４へ吸引するように機能している。そし
て、磁石５〜８は、ブラシ３内部に捕捉したトナ
ーを保持するが、磁石８，９は互いの磁極が同じ
であるから、円筒４上のトナーを該円筒表面から
離間させるように作用する。なお、クリーニング
を２段階に分けて説明したが、ブラシ３への付着
力及び磁気的吸引力によつて同時に感光体上の残
留トナーが除去される現象も生じていることは当
然である。

クリーニングローラー１０の感光体ドラム１と
接触する位置と反対側の位置（図では右方部分）
には、補助クリーニングローラー１１が上記クリ
ーニングローラー１０のブラシ３と係合するよう
に配置されている。補助クリーニングローラー１
１は、反時計方向に回転しており、回転する非磁
性のスリーブ１２と、その内部に固定して配設さ
れた磁石１３，１４とから構成されている。な
お、補助クリーニングローラー１１の回転方向は
時計方向に回転しても構わない。磁石１３，１４
は共に同極性であり且つクリーニングローラー１
０の磁石８，９とは逆の極性である。従つて、磁
石５〜８相互の作用によりクリーニングローラー
１０によつて運ばれて来たトナーは、互いに逆極
性の磁石８−１４，９−１３の磁界に従い補助ク
リーニングローラー１１に磁気的に転移させられ
る。次に、このスリーブ１２に付着した一成分磁
性トナーを掻き落とすために、その表面にドクタ
ーブレードのようなトナー除去部材１５が圧接さ
れている。このトナー除去部材はポリウレタンゴ
ム等のような非磁性材料で構成されている。該除
去部材１５によつて掻き落とされたトナーは下方
に落下しトナー回収装置１６により運ばれる。ト
ナー回収装置１６は落下して来るトナーを受け取
る容器１７とその底部に配置されていて、トナー
をその回転軸方向に搬送するスクリユー１８とか
ら構成されている。スクリユー１８によつて運ば
れるトナーは図示しない装置により現像装置又は
トナー補給装置に戻される。もちろん、廃棄のた
め機内に取り付けられた専用の容器に入れるよう
にしてもよい。また、トナー回収装置１６とし
て、単に落下するトナーを受け取る容器だけに
し、これを着脱自在にしておいてもよい。

ところで、感光体ドラム１に付着したトナーを
効率良く除去してクリーニング性能を向上させる
ために、第１図において仮想線で示しているよう
にクリーニング装置２の前方に除電装置１９を配
置し、そこで残留電荷を充分消去してトナーと感
光体ドラム１との間の静電的吸引力を弱めるよう
にすることが出来る。この除電装置１９としては
除電ランプ、除電コロナ及び両者を結合したもの
など公知の装置を利用出来る。この除電装置１９
と本考案との有機的関連について説明しておく。
クリーニング前に除電作用を行つても、トナー粒
子が付着している感光体表面部分の電荷は完全に
は除去されていない。そのため、磁気的吸引力や
静電的吸引力でそのトナーを除去しようとしても
大きな力が必要で効率が悪い。しかし、本実施例
のように予め除電していればそのトナーの周辺に
は電荷がなくなり、クリーニング時にブラシ３で
トナーを摺擦してその位置を移動させることによ
つてトナーと感光体ドラム１との静電的吸引力を
なくすようにする機会が大幅に増大することにな
る。それと同時又はその後で、ブラシ３による機
械的クリーニングや磁石５，６による磁気的クリ
ーニングを行うと極めて容易にそのトナーを除去
することが出来る。

第２図は本考案の別の実施例を示すものであ
る。なお、本実施例において上述した実施例と同
様の構成については同一符号を用いて説明し、そ
の詳細な説明は省略する。クリーニングローラー
２０は円筒４内に３つの磁石２１，２２，２３を
有している。磁石２２は感光体ドラム１と対向す
る位置にあり、磁石２１，２３はその両側に配置
され、上記３つの磁石は順に異なる磁極にされて
いる。従つて、円筒４内の補助クリーニングロー
ラー２４に対向する位置には磁石は配置されてい
ない。この補助クリーニングローラー２４は、上
述した第１実施例と同様に回転自在の非磁性のス
リーブ２５と、その内部に固定して配設された磁
石２６で構成されている。円筒４のブラシ３に付
着した磁性トナーの回収は上記磁石２６の磁気的
吸引力によつて行われている。ところで、スリー
ブ２５は図示しない軸に自由に回転し得るように
軸支されており、クリーニングローラー２０が反
時計方向に回転すると、その円筒４のブラシ３と
スリーブ２５が摩擦結合しているので、それによ
つて従動回転させられ、時計方向に回転するよう
構成されている。

ところで、上述した第１実施例において、補助
クリーニングローラー１１として、磁性体材料か
ら成るローラーを使用すれば、磁石を使用するこ
となく、ブラシに付着したトナーを磁気的に吸引
することが可能である。これは、上記補助クリー
ニングローラー１１にクリーニングローラー１０
の内の磁石８，９が対向して配置されているため
磁力線の閉ループが形成されることによつて可能
であると考えられる。

また、静電潜像担持体としては、感光体ドラム
に限定されるものではなく、ベルト状の感光体で
も良いし、感光体に代わつて繰り返し使用される
誘電体であつても良いこと当然である。

（考案の効果） 以上のように、本考案によれば、ブラシによつ
て残留磁性トナー粒子と静電潜像担持体との相対
位置を変化させて、両者関の静電吸引力が低下し
たところでブラシへの付着力及び磁気的吸引力に
よつてトナーを静電潜像担持体から除去するの
で、クリーニング効果を高めることが出来る。し
かも、クリーニング用ブラシは毛足が約0.5mmと
短いので毛倒れし難く、長時間に亘つて安定した
クリーニングを行うことが出来る。そして、クリ
ーニング用のブラシに付着した粒子は、ブラシの
毛足が短いためにブラシ内部であつても磁界発生
手段の磁力が効果的に作用して磁気的に除去され
るので、クリーニング性能を永く且つ高く維持出
来る。クリーニング装置も簡単で済み且つ小型化
出来るので好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すクリーニング
装置の断面図、第２図は本考案の別の実施例を示
すクリーニング装置の断面図である。 １……感光体ドラム、２……クリーニング装
置、３……ブラシ、５〜９，２１〜２３……磁石
（磁界発生手段）、１０，２０……クリーニングロ
ーラー、１１，２４……補助クリーニングローラ
ー、１５……トナー除去部材、１６……トナー回
収装置、１９……除電装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一成分磁性トナーを静電潜像担持体表面から除
   去するクリーニング装置において、 約0.5mmの長さのブラシを植毛された移動表面
   を有し、その内部に磁界発生手段を配設されてい
   て、上記ブラシを上記静電潜像担持体表面に接触
   させて該担持体表面から一成分磁性トナーを除去
   するクリーニングローラーと、 該クリーニングローラーから一成分磁性トナー
   を取り除くように上記クリーニングローラーと係
   合して回転する補助クリーニングローラーと、 該補助クリーニングローラーの表面に圧接さ
   れ、上記補助クリーニングローラーから一成分磁
   性トナーを除去するトナー除去部材とから構成さ
   れていることを特徴とする複写機におけるクリー
   ニング装置。