JPH07216200A - 2軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

2軸配向ポリエステルフィルム

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JPH07216200A
JPH07216200A JP1001894A JP1001894A JPH07216200A JP H07216200 A JPH07216200 A JP H07216200A JP 1001894 A JP1001894 A JP 1001894A JP 1001894 A JP1001894 A JP 1001894A JP H07216200 A JPH07216200 A JP H07216200A
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JP
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oxide
composite oxide
film
polyester
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JP1001894A
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English (en)
Inventor
Juji Konagaya
重次 小長谷
Hideto Ohashi
英人 大橋
Yasuhiro Nishino
泰弘 西野
Katsuhiko Nose
克彦 野瀬
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐擦傷性に優れ、それゆえ、磁気テープ用ベ
ースフィルムとして用いた場合に、高速ダビング工程に
おけるテープ表面の傷の発生等が非常に少ない2軸配向
ポリエステルフィルムを提供する。 【構成】 平均一次粒子径が0.005μm以上0.1
μm未満である、異なる2種以上の金属元素及び酸素元
素からなる複合酸化物(A)粒子と、平均一次粒子径が
0.005μm以上0.1μm未満である、二酸化チタ
ン、アルミナ、二酸化ケイ素および酸化ジルコニウムか
らなる群から選ばれる酸化物(B)の粒子とを、それぞ
れ100重量ppm以上20000重量ppm以下含有
する2軸配向ポリエステルフィルム。複合酸化物(A)
としては、Al2 3 /SiO2 、SiO2 /Fe2
3 、TiO2 /Fe2 3 、TiO2 /SiO2 など。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば磁気テープ用ベ
ースフィルムとして用いられる2軸配向ポリエステルフ
ィルムに関し、より詳しくは、耐スクラッチ性に優れる
2軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは優れた物理的、化学的特性を有し、さらにポ
リエステルに滑剤粒子と呼ばれる無機化合物または有機
化合物の微粒子が添加された2軸配向ポリエステルフィ
ルムは、磁気テープ用フィルムとして広く一般的に使用
されている。
【0003】最近では、磁気テープ用ベースフィルムに
は、耐スクラッチ性(耐擦傷性)の要求が高まってい
る。スクラッチとは、磁気テープが接触する部分につけ
られる擦傷(例えば高速スプリンターでのダビング時の
金属製またはプラスチック製のカセットピンによるテー
プの擦傷)や、テープデッキ内の走行系で発生した摩耗
粉によりつけられる擦傷のことである。耐スクラッチ性
が悪いベースフィルムを使用して磁気テープを製造する
と、その製造工程において製造装置内部が摩耗により発
生した粉末で汚染され、得られる磁気テープにドロップ
アウトが発生する。
【0004】従って、上記の耐スクラッチ性の改善は磁
気テープの品質向上につながるので非常に重要なことで
ある。
【0005】耐擦傷性を改善する方法としては、ポリエ
ステルフィルム内に滑剤として、ある特定硬度を有する
不活性微粒子(例えば、モース硬度6以上の不活性微粒
子)または特定の結晶型を有するアルミナ微粒子(例え
ば、δ−アルミナまたはγ−アルミナ)を添加する方法
が知られている(例えば、特開平1−311131号公
報、特開平3−6238号公報、特開平3−6239号
公報、および特公平4−40375号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、プラスチック製のカセットピンに対する
フィルムの耐擦傷性は向上するが、高速ダビング時の金
属製のカセットピンに対する耐擦傷性は充分ではない。
すなわち、耐擦傷性を高くするには、不活性粒子を使用
すること、あるいは上記特定のタイプの結晶型を有する
アルミナを使用することのみでは充分ではないことが判
明した。
【0007】本発明の目的は、上記従来の問題点を解決
し、耐擦傷性に優れ、それゆえ、磁気テープ用ベースフ
ィルムとして用いた場合に、高速ダビング工程における
テープ表面の傷の発生等が非常に少ない2軸配向ポリエ
ステルフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テルフィルムに含有される滑剤または充填剤(フィラ
ー)の観点から上記問題への対策を鋭意検討した結果、
本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明の2軸配向ポリエステル
フィルムは、平均一次粒子径が0.005μm以上0.
1μm未満である、異なる2種以上の金属元素及び酸素
元素からなる少なくとも1種の複合酸化物(A)の粒子
と、平均一次粒子径が0.005μm以上0.1μm未
満である、二酸化チタン(TiO2 )、アルミナ(Al
2 3 )、二酸化ケイ素(SiO2 )および酸化ジルコ
ニウム(ZrO2 )からなる群から選ばれる少なくとも
1種の酸化物(B)の粒子とを、それぞれ100重量p
pm以上20000重量ppm以下含有することを特徴
とするものである。
【0010】本発明において、ポリエステルは、主とし
て芳香族ジカルボン酸よりなる少なくとも1種の酸成分
と、少なくとも1種のグリコール成分とからなることが
好ましい。
【0011】本発明において、前記複合酸化物(A)を
構成する2種以上の金属元素はそれぞれ、Al、B、S
i、Ti、Zr、WおよびFeからなる群から選ばれる
ことが好ましい。また、本発明において、前記複合酸化
物(A)を構成する2種以上の金属元素のうちの1種が
Alであり、前記複合酸化物(A)を構成する全金属元
素に対するAl含量が20モル%以上90モル%以下で
あることが好ましい。さらに、本発明において、前記複
合酸化物(A)を構成する2種以上の金属元素の組み合
わせが、Al−Si、Al−Ti、Al−Zr、Al−
Fe、Al−Si−Ti、Al−Ti−Zr、Al−S
i−Zr、Al−Si−Fe、およびAl−Ti−Fe
からなる群から少なくとも1組選ばれることが好まし
い。
【0012】本発明において、前記複合酸化物(A)
が、0.01重量%以上5重量%以下の塩素元素を含む
ことが好ましい。
【0013】また、本発明において、前記複合酸化物
(A)粒子が、Al、SiおよびOを主構成元素とする
実質的に非晶性の化合物で構成され、該化合物のAl含
有率(Al/(Al+Si)モル比)が0.3以上0.
9以下であることがさらに好ましい。
【0014】また、本発明においては、前記複合酸化物
(A)粒子と前記酸化物(B)粒子の他に、さらに、平
均粒子径0.1μm以上5.0μm以下の不活性無機化
合物または有機化合物粒子からなる少なくとも1種の滑
剤を500重量ppm以上10000重量ppm以下含
有することが好ましい。
【0015】次に本発明を詳しく説明する。本発明の2
軸配向ポリエステルフィルムはポリエステルを主成分と
する。このポリエステルは、主として芳香族ジカルボン
酸よりなる少なくとも1種の酸成分と、少なくとも1種
のグリコール成分との重縮合により得られるものである
が、その構成単位の95モル%以上がエチレンテレフタ
レート単位(テレフタル酸およびエチレングリコールか
ら構成される)であることが好ましい。
【0016】テレフタル酸以外の酸成分としては、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'
−ジカルボキシビフェニル、4,4' −ジカルボキシル
ベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタ
ン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等
のジカルボン酸;およびp−オキシ安息香酸などのオキ
シカルボン酸が挙げられる。また、エチレングリコール
以外のグリコール成分としては、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール等が挙げられる。このほか少量のアミ
ド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結
合等を含むグリコール成分の使用も可能である。
【0017】本発明において用いられる複合酸化物
(A)は、種々の方法により製造できる。例えば、複合
酸化物(A)を構成する2種以上の金属の塩(例えばア
ルミニウムの塩およびケイ素の塩)の混合水溶液をアン
モニア水で加水分解して調製する不均一共沈澱法、前記
方法においてアンモニア水の代わりに尿素を用いて調製
する均一沈澱法、2種以上の金属の水酸化物(例えばア
ルミニウムの水酸化物およびケイ素の水酸化物)を混練
する方法、2種以上の金属のうちいずれか一の塩の溶液
に他の酸化物を浸漬させたもの(例えばアルミニウムま
たはケイ素のいずれか一方の塩の溶液に他方の酸化物を
浸漬させたもの)、またはそれにアンモニア水を加えた
ものを焼成して調製する方法、2種以上の金属の共有結
合性の塩化物(例えばAlCl3 、SiCl4 などの塩
化物)を水素および酸素の存在下で焼成する方法などが
ある。これらの方法のうち、本発明においては、所定の
平均一次粒径の確保、および生成粒子の分散性の点か
ら、上記燃焼法が最適である。
【0018】上記種々の方法で得られた複合酸化物
(A)は、該複合酸化物(A)を構成する2種以上の各
金属単独の酸化物(例えば酸化アルミニウムおよび酸化
ケイ素)の混合物とは、その構造がかなり異なる。すな
わち、該複合酸化物(A)は、異種元素が酸素を介して
結合された構造(例えば、Al−O−Si)を主として
有するものであり、元素の存在比にもよるが、各金属単
独の酸化物の構造的特徴(例えば、結晶形態)が極めて
小さい非晶性の酸化物がほとんどである。本明細書にお
いては、このような複合酸化物(A)を、例えばAl2
3 /SiO2 のように示す。複合酸化物(A)として
は、Al2 3 /SiO2 、SiO2 /ZrO2 、Si
2 /Fe2 3 、TiO2 /Fe2 3 、TiO2
SiO2 、Al2 3 /TiO2 、Al2 3 /ZrO
2 、Al2 3 /Fe2 3 、Al23 /WO3 、S
iO2 /WO3 、B2 3 /SiO2 、B2 3 /Ti
2 等の2元複合酸化物;Al2 3 /SiO2 /Fe
2 3 、Al2 3 /SiO2/TiO2 、Al2 3
/TiO2 /ZrO2 、Al2 3 /SiO2 /ZrO
2 等の3元複合酸化物;およびそれ以上の多元系の複合
酸化物が挙げられる。
【0019】上記の内Alを一構成金属として有するA
2 3 /SiO2 、Al2 3 /TiO2 、Al2
3 /ZrO2 等の2元複合酸化物、およびAl2 3
SiO2 /TiO2 、Al2 3 /TiO2 /Zr
2 、Al2 3 /SiO2 /ZrO2 等の3元複合化
合物が、耐擦傷性の改善効果の点で好ましく、中でもA
2 3 /SiO2 が耐擦傷性の改善効果が著しく大き
いため、特に好ましい。このように複合酸化物(A)を
構成する2種以上の金属元素のうちの1種がAlである
場合には、複合酸化物(A)を構成する全金属元素に対
するAl含量が20モル%以上90モル%以下であるこ
とが、耐擦傷性の改善効果、およびスリット性の向上の
点から好ましい。特に好ましいAl含量は40モル%以
上80モル%以下である。さらには、複合酸化物(A)
がAl2 3 /SiO2 の場合には、Al含有率(Al
/(Al+Si)モル比)が0.3以上0.9以下であ
る、非晶性のものであることが、耐擦傷性の改善、およ
びスリット性の向上の点から好ましい。特に好ましいA
l/(Al+Si)モル比は0.50以上0.75以下
である。
【0020】上記「非晶性」については、複合酸化物
(A)粒子のX線回折において、2θ=10度から45
度の範囲に現われるブロードなピークの面積(Pam
と、2θ=65度から70度の範囲に現われるシャープ
なピークの面積(Pcr)とから以下の式により得られる
面積比(図1を参照)の値が0.7以上である時に、
「非晶性である」という。上記面積を算出する際には、
図1に示すように各ピークに対して基線を設定し、ピー
クと基線との間の面積をそれぞれPamおよびPcrとす
る。 非晶性度=Pam/(Pcr+Pam)。
【0021】上記複合酸化物(A)粒子は、いかなる形
状の粒子でも用いることが可能である。
【0022】また、上記複合酸化物(A)粒子中に、製
造上の副生成物として、該複合酸化物(A)構成金属単
一の酸化物、例えば、Al2 3 、SiO2 、B
2 3 、TiO2 、ZrO2 、WO3 、Fe2 3 など
が含まれることは、それらの平均一次粒子径が0.1μ
m未満であるならば可能である。これらの結晶形態は特
に限定されない。
【0023】本発明に用いられる複合酸化物(A)粒子
は、さらに塩素イオンを0.01〜5重量%含有するこ
とが好ましい。これにより、ポリエステル中での該複合
酸化物(A)粒子の分散性が向上し、その結果得られる
ポリエステルの耐摩耗性および耐擦傷性が向上する。塩
素イオンが0.01重量%未満の場合には、フィルム作
成の際に該複合酸化物(A)粒子のグリコール成分中ま
たはポリエステル中での分散性が悪く、得られるポリエ
ステルフィルムの耐摩耗性および耐擦傷性が低下する傾
向がある。一方、5重量%を超える場合には、ポリエス
テル重合時および製膜時において、ポリエステルの熱分
解が顕著となり好ましくない。ポリエステルフィルムの
回収等の点を考えると、熱安定性確保の面から0.01
重量%以上0.5重量%以下の塩素イオン量が好まし
い。さらに好ましい塩素イオン量は、0.05重量%以
上0.30重量%以下である。上記出発原料、および燃
焼条件を適宜選択することにより、所定の割合で塩素イ
オンを含有する複合酸化物(A)が得られる。
【0024】本発明に用いられる複合酸化物(A)粒子
の平均一次粒子径は、0.005以上0.1μm未満で
あり、好ましくは0.005μm以上0.05μm以下
である。複合酸化物粒子(A)の平均一次粒子径が0.
1μm以上の場合には、得られるフィルムを切断しにく
くなり(スリット性が悪くなり)、ドロップアウトの原
因となり好ましくない(以下、切断のし易さのことを
「スリット性」という)。一方、複合酸化物粒子(A)
の平均一次粒子径が0.005μmより小さい場合に
は、ポリエステル重合時に複合酸化物(A)粒子の凝集
が激しくなり、得られるフィルムの耐擦傷性の改善に効
果が見られない。さらに、上記複合酸化物(A)粒子の
凝集により、得られるフィルムに粗大突起が生じる。こ
のようなフィルムを磁気テープとして用いると、粗大突
起によりテープ面に傷が生じたり、あるいはドロップア
ウトが起こる。特に好ましい平均一次粒子径は0.01
μm以上0.05μm以下で、その比表面積は40m2
/g以上150m2 /g以下である。上記の「平均一次
粒子径」とは、凝集していない最小単位の形での複合酸
化物(A)粒子の平均粒子径であり、その粒子の凝集に
より形成される二次凝集体の粒子径を意味するものでは
ない。一次粒子の平均粒子径は電子顕微鏡で観察される
粒子径の算術平均である。上記複合酸化物粒子(A)の
粒径分布は、耐擦傷性の効果の点から、単分散に近い方
が好ましい。
【0025】本発明に使用される酸化物(B)は、二酸
化チタン(TiO2 )、アルミナ(Al2 3 )、二酸
化ケイ素(SiO2 )および酸化ジルコニウム(ZrO
2 )からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、そ
の結晶形態は特に限定されない。アルミナに関しては
ρ、η、γ、χ、κ、δ、θ型などの中間活性型アルミ
ナが好ましい。
【0026】本発明において用いられる酸化物(B)は
種々の方法により製造できる。例えば、アルミニウム、
ケイ素、チタン、ジルコニウムのうちの少なくとも1種
の塩の水溶液をアンモニア水で加水分解して調製する不
均一共沈澱法、前記方法においてアンモニア水の代わり
に尿素を用いて調製する均一沈澱法、上記金属の塩化
物、例えばAlCl3 、SiCl4 、TiCl4 、Zr
Cl4 を水素及び酸素の存在下で燃焼する燃焼法、また
所定の塩(例えば明ばん、NH4 Al(SO4 2 )を
熱分解する方法などがある。これらの方法のうち、本発
明においては、上記燃焼法が最適である。燃焼法により
得られる酸化物(B)は塩素イオンを必然的に含むた
め、スラリー中及びポリマー中への分散性が非常に優れ
る。許容される塩素イオン量は5重量%以下で、5重量
%を超える場合には、ポリエステル重合時及び製膜時に
おいて、ポリエステルの熱分解が顕著となり好ましくな
い。
【0027】本発明に用いられる酸化物(B)粒子の平
均一次粒子径は、0.005μm以上0.1μm未満で
あり、好ましくは0.005〜0.05μmである。酸
化物(B)粒子の平均一次粒子径が0.1μm以上の場
合には、得られるフィルムのスリット性が悪くなり、ド
ロップアウトの原因となり好ましくない。一方、酸化物
(B)粒子の平均一次粒子径が0.005μmより小さ
い場合には、ポリエステル重合時に酸化物(B)粒子の
凝集が激しくなり、得られるフィルムの耐擦傷性の改善
に効果が見られない。さらに、上記酸化物(B)粒子の
凝集により、得られるフィルムに粗大突起が生じる。こ
のようなフィルムを磁気テープとして用いると、粗大突
起によりテープ面に傷が生じたり、あるいはドロップア
ウトが起こる。上記の「平均一次粒子径」とは、複合酸
化物(A)粒子の場合と同様に、凝集していない最小単
位の形での酸化物(B)粒子の平均粒子径であり、その
粒子の凝集により形成される二次凝集体の粒子径を意味
するものではない。一次粒子の平均粒子径は電子顕微鏡
で観察される粒子径の算術平均である。上記酸化物粒子
(B)の粒径分布は、耐擦傷性の効果の点から、単分散
に近い方が好ましい。
【0028】本発明の2軸配向ポリエステルフィルム中
の上記複合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒子の含
有量は、それぞれ100〜20000重量ppmである
ことが必要であり、好ましくは1000〜5000重量
ppmである。上記複合酸化物(A)粒子及び酸化物
(B)粒子のいずれか一方の含有量が100重量ppm
未満の場合には、得られるポリエステルフィルムが充分
な耐擦傷性を有しない。また、上記複合酸化物(A)粒
子及び酸化物(B)粒子のいずれか一方の含有量が20
000重量ppmを超える場合には、得られるフィルム
に含まれる複合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒子
が、該フィルムを走行させた時に脱落する割合が多く、
脱落した該粒子はポリエステルフィルムより高硬度であ
るためにフィルム表面を傷つける。さらにポリエステル
フィルムの耐熱性をも低下させる。本発明のフィルムに
他のフィルムを積層して多層構造のフィルムとする場合
には、上記含有量は本発明のフィルム層における含有量
を意味し、多層全体における含有量を意味しない。
【0029】本発明において、上記複合酸化物(A)粒
子及び酸化物(B)粒子の表面は、それぞれ各種の表面
処理剤により変性されていてもよい。粒子の凝集をでき
るだけ抑制する目的、もしくはグリコール成分またはポ
リエステルとの親和性を向上させる目的で使用される表
面処理剤としては、リン酸およびその誘導体(例えば、
リン酸エステル、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のア
ンモニウム塩など)、ポリアクリル酸のアンモニウム
塩、ポリメタクリル酸のアンモニウム塩、アルカリ金属
水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)、シランカップリング剤、チタンカップリング剤
等が挙げられる。これらのうち水酸化ナトリウムが、粒
子の分散性の向上の点から特に好ましい。上記の表面処
理剤は、一般に、上記処理すべき複合酸化物(A)粒子
及び酸化物(B)粒子それぞれに対して5重量%以下の
量が使用される。
【0030】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムに
は、上記複合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒子以
外にさらに、滑り性の向上を目的として、平均粒子径
0.1μm以上5.0μm以下の炭酸カルシウム(Ca
CO3 )、硫酸バリウム(BaSO4 )、フッ化カルシ
ウム(CaF2 )、タルク、カオリン、二酸化チタン、
二酸化珪素(SiO2 )、アルミナなどの不活性無機化
合物粒子;架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸エ
ステル、架橋ポリアクリル酸エステルなどの有機化合物
粒子等を滑剤として含むことも可能である。これらの滑
剤を単独で用いても良いが、併用することもできる。こ
れらのうち、走行性の面からは二酸化珪素(粒子形が球
状であるもの)、あるいは炭酸カルシウム製の粒子が好
ましく、耐擦傷性の面からはカオリンが特に好ましい。
また、これら粒子の好ましい平均粒子径は0.1μm以
上1.5μm以下である。
【0031】上記炭酸カルシウム粒子は、その結晶構造
により三方または六方晶系に分類されるカルサイト、斜
方晶系に分類されるアラゴナイト、六方または擬六方晶
系に分類されるバテライトの3つの結晶型に分類される
が、本発明においては、いかなる結晶型でもよく、その
形状も、連球状、立方体状、紡錘状、柱状、針状、球
形、卵形等任意に選択できる。
【0032】また、上記カオリン粒子は、天然カオリ
ン、合成カオリン、焼性、未焼性を問わずいかなるタイ
プでもよく、またその形状も、板状、柱状、球形、紡錘
状、卵形等任意に選択できる。
【0033】本発明の2軸配向ポリエステルフィルム中
に上記不活性無機化合物粒子および/または有機化合物
粒子が含有される場合には、これらの粒子の含有量は、
その合計量が500〜10000重量ppmであること
が好ましく、より好ましくは1500〜7000重量p
pmである。上記不活性無機化合物粒子および/または
有機粒子の含有量が500重量ppm未満の場合には、
得られるポリエステルフィルムが充分な滑り性を有しな
い場合がある。一方、上記不活性無機化合物粒子および
/または有機粒子の含有量が10000重量ppmを超
える場合には、これら粒子によってフィルム表面に粗大
突起が生じるためフィルムの耐摩耗性が低下しやすい。
本発明のフィルムに他のフィルムを積層して多層構造の
フィルムとする場合には、上記含有量は本発明のフィル
ム層における含有量を意味し、多層全体における含有量
を意味しない。
【0034】本発明のポリエステルを製造する場合に
は、滑剤(すなわち、複合酸化物(A)粒子、酸化物
(B)粒子、不活性無機化合物粒子および/または有機
化合物粒子)の分散性の改善、および得られるフィルム
の靜電密着性の改善等の目的で、ナトリウムやカリウム
などのアルカリ金属の水酸化物または塩、およびマグネ
シウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の少なく
とも一方と;リン酸、リン酸アルキルエステル、または
それらの誘導体等とを添加することが可能である。これ
らの具体例としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
酢酸リチウム、水酸化ナトリウム、酢酸マグネシウム、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、リン酸、リン酸ト
リメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等が挙げ
られる。この場合、下式で表される上記添加物のモル比
は、0.4〜1.0であることが好ましい。
【0035】
【数1】
【0036】上記のモル比が0.4未満または1.0を
超える場合には、添加された複合酸化物(A)粒子およ
び炭酸カルシウムなどの不活性無機化合物粒子の凝集が
起こり易くなるため、ポリエステル内に粗大粒子が発生
し、従って、このようなポリエステルを用いた磁気テー
プは、ドロップアウトを起こし易い。
【0037】複合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒
子のポリエステルとの混合方法は、ポリエステル重縮合
反応系中に該複合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒
子を同時または別々に添加し重縮合を完結させる方法
と、溶融ポリエステル中に該複合酸化物(A)粒子及び
酸化物(B)粒子を添加して混練する方法とがあり、ど
ちらの方法も採用することができる。通常は、前者の方
法が複合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒子のポリ
エステル内への分散性の面から好ましい。この場合、複
合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒子は、通常、グ
リコール成分に加えてスラリーとして反応系中へ添加さ
れる。その添加時期は、使用する複合酸化物(A)粒子
及び酸化物(B)粒子の種類、粒子径、および塩素イオ
ン濃度、さらに該粒子をスラリーとしたときのスラリー
濃度、スラリーの温度などに依存する。通常、その添加
時期は、重縮合反応開始前が好ましい。
【0038】一般的に、上記表面処理剤は、ポリエステ
ル調製時に、上記複合酸化物(A)粒子及び/または酸
化物(B)粒子とグリコール成分とからなるスラリー中
に添加され、このことにより、得られるポリエステル中
での該粒子の分散性は一層増大する。このとき、スラリ
ーをグリコール成分の沸点まで加熱することにより、ポ
リエステル中で該粒子の分散性はさらに向上する。
【0039】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムを
製造する方法は、任意の方法が採用され、特に制限され
るものではないが、例えば以下の製造方法がある。まず
上記複合酸化物(A)粒子と酸化物(B)粒子、必要に
応じて、フィルム表面に突起を形成させるなどの理由に
より、上記不活性無機および/または有機化合物粒子を
添加して調製したポリエステルフィルムを、常法によ
り、縦および横方向に2軸延伸する。延伸順序は縦横、
横縦、同時2軸のいずれでもよい。あるいは、横延伸と
縦延伸および同時2軸延伸を適宜組み合わせた3段階以
上の延伸を行なってもよい。
【0040】ポリエステルフィルムを2軸延伸した後、
通常テンター中で熱処理を行う。熱処理は、190〜2
30℃で2〜10秒間行うのが好適であり、熱処理と同
時に横方向または縦方向に2〜30%の再延伸を行うこ
とが好ましい。
【0041】熱処理後には、横方向及び縦方向に緩和処
理を行ってもよい。横方向への緩和は、130〜170
℃のテンター中で行うのが好ましい。縦方向への緩和
は、80〜150℃の温度の加熱ロール上で行うことが
好ましい。
【0042】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムに
他のフィルムを積層した多層フィルムもまた有用であ
る。
【0043】
【作用】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムは、平
均一次粒子径が0.005μm以上0.1μm未満の複
合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)粒子を含んでいる
ので、ポリエステルとの親和性に優れ、スリット性が損
われない。さらに、これをベースフィルムとして磁気テ
ープを調製した場合、このテープのプラスチック製のカ
セットピンに対する耐擦傷性、および金属製のカセット
ピンに対する耐擦傷性が大幅に改善される。
【0044】
【実施例】次に実施例および比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0045】まず、実施例および比較例で得られたフィ
ルムの物性および特性の測定方法を示す。
【0046】(1) 複合酸化物(A)粒子、酸化物(B)
粒子およびそれ以外の無機化合物粒子(滑剤)の平均一
次粒子径 日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡を用いて10万倍
の倍率で各粒子を観察し、その写真から粒子径を測定し
た。粒子径の測定は、定方向径(Feret径)法を用
いて行った。すなわち、図2を参照すると、任意に決め
た一定の方向(図中の矢印の方向に垂直な方向)に平行
な2本の直線で、測定すべき粒子像の両端を挟んで、こ
れら直線間の距離(D)を粒子径とし、これらの粒子の
100個以上の測定値(D)の平均を算出し、平均一次
粒子径とした。
【0047】(2) 複合酸化物(A)粒子、酸化物(B)
粒子中の塩素量 所定量の複合酸化物(A)粒子または酸化物(B)粒子
を純水中に一日、室温下浸漬した後、0.1μフィルタ
ーにて濾過した。得られた濾液中のClイオンをイオン
クロマトグラフィー(横河北振電気(株)製IC−10
0)にて定量した。
【0048】(3) 複合酸化物(A)粒子の非晶性度 理学電気(株)製高強力X線回折装置で反射法を用いて
複合酸化物(A)の非晶質性を判定した。 測定条件:ニッケルフィルターしたCu−Kα線 測定角度2θ=10〜90度 45kV、150mA スキャン速度=2度/分 非晶性度は、SiO2 /Al2 3 を成分とした複合酸
化物(A)粒子のX線回折において、2θ=10度〜4
5度の範囲に現われるブロードなピークの面積(Pam
と、2θ=65度〜70度の範囲に現われるシャープな
ピークの面積(Pcr)とから以下の式により算出した
(図1を参照)。面積を算出する際には、図1に示すよ
うに各ピークに対して基線を設定し、ピークと基線との
間の面積をそれぞれPamおよびPcrとした。 非晶性度=Pam/(Pcr+Pam)。
【0049】(4) フィルムの平均表面粗さ サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用
い、針径1μm、加重0.07g、測定基準長0.8m
m、カットオフ0.08mmの条件でフィルム表面を測
定したときの中心線平均粗さ(Ra:μm)で表示し
た。
【0050】(5) フィルムの滑り性(摩擦係数) ASTM D−1894−63に準拠し、スレッド式ス
トリップテスターを用い、23℃、65RH%の環境条
件下で2枚のフィルム間の静摩擦係数を測定した。
【0051】(6) スリット性 2軸延伸フィルムをスリッターを用いて1/2インチ幅
にスリットした。この時、スリット箇所を観察し、ひげ
や粉の発生具合から次のようにランク付けをした。 1…ひげや粉の発生がない 2…少量のひげや粉の発生が認められる 3…多量のひげや粉の発生が認められる。
【0052】(7) 金属ピンに対するフィルムの耐擦傷性 幅10mmに裁断したポリエチレンフィルムをFe−C
r製ピンに張力100g、巻き付け角45度、走行速度
300m/分で1回摩擦させつつ走行させる。次いで、
実態顕微鏡写真で傷の量を目視判定し、以下のようにラ
ンク分けした。 1…傷がまったく認められない 2…かすかに傷が認められるが極めて微量である 3…少量の傷が認められる 4…多量の傷が認められる。
【0053】(8) プラスチックピンに対するフィルムの
耐擦傷性 幅10mmに裁断したポリエステルフィルムをプラスチ
ック製ピンに張力100g、巻き付け角90度、走行速
度150m/分で1回摩擦させつつ走行させる。次い
で、その摩擦面にアルミニウム蒸着を施し、該アルミニ
ウム蒸着面を実態顕微鏡写真で傷の量を目視判定し、以
下のようにランク分けした。 1…傷がまったく認められない 2…かすかに傷が認められるが極めて微量である 3…少量の傷が認められる 4…多量の傷が認められる。
【0054】以上の(6) 〜(8) については、得られたポ
リエステルフィルムがランク1または2であれば、実用
上差し支えない。
【0055】[実施例1] <ポリエステル組成物Iの調製>AlCl3 およびSi
Cl4 を出発原料として水素および酸素の気相下で燃焼
させる方法により、平均一次粒径0.015μm、A
l:Si(モル比)=58:42、塩素含有量0.33
重量%、非晶性度0.96の複合酸化物(A)粒子を得
た。表1においては、2元複合酸化物を一般式ax y
/bm n で示し、この2元複合酸化物中における金属
aと金属bのモル比をa:bとして示す。また、3元複
合酸化物については、一般式ax y /bm n /c
で示し、この3元複合酸化物中における金属aと金
属bと金属cのモル比をa:b:cとして示す。得られ
た複合酸化物(A)粒子をエチレングリコール中で湿式
粉砕処理し、平均粒子径0.05μmの20重量%スラ
リーを得た。
【0056】他方、テレフタル酸100重量部およびエ
チレングリコール70.7重量部に、三酸化アンチモン
0.0697重量部、トリエチレンアミン0.271重
量部および酢酸マグネシウム0.0931重量部を加
え、250℃、2.5kg/cm2 の圧力下でエステル
化を行った。
【0057】エステル化終了後、この溶液にトリメチル
ホスフェート0.0327重量部を加えて常圧下、26
0℃で攪拌を行った。30分後、生成したポリエステル
に対して上記複合酸化物(A)濃度が2重量%になるよ
うに、前記スラリーを所定量加えてさらに30分攪拌を
行った。その後真空下で重縮合反応を行い、極限粘度η
=0.60のポリエチレンテレフタレート組成物を得た
(ポリエステル組成物I)。
【0058】<ポリエステル組成物IIの調製>上記ポリ
エステル組成物Iの製造において、上記複合酸化物
(A)粒子の代わりに平均一次粒子径0.02μmのデ
ルタ−アルミナ(酸化物(B)粒子)を添加すること以
外は同様に重合を行い、デルタ−アルミナ濃度2重量
%、極限粒度η=0.60のポリエチレンテレフタレー
ト組成物を得た(ポリエステル組成物II)。
【0059】<ポリエステル組成物III の調製>上記ポ
リエステル組成物Iの製造において、上記複合酸化物
(A)粒子の代わりに平均一次粒子径0.45μmの炭
酸カルシウム(無機化合物粒子)を添加すること以外は
同様に重合を行い、炭酸カルシウム濃度2重量%、極限
粒度η=0.62のポリエチレンテレフタレート組成物
を得た(ポリエステル組成物III )。
【0060】<ポリエステル組成物IVの調製>上記ポリ
エステル組成物Iの製造において、上記複合酸化物
(A)粒子の代わりに平均一次粒子径0.4μmのカオ
リン(無機化合物粒子)を添加すること以外は同様に重
合を行い、カオリン濃度2重量%、極限粒度η=0.6
1のポリエチレンテレフタレート組成物を得た(ポリエ
ステル組成物IV)。
【0061】<ポリエステル組成物Vの調製>上記ポリ
エステル組成物Iの製造において、上記複合酸化物
(A)粒子を含まないこと以外は同様に重合を行い、極
限粒度η=0.62のポリエチレンテレフタレート組成
物を得た(ポリエステル組成物V)。
【0062】<ポリエステルフィルムの作成>得られた
ポリエステル組成物I、ポリエステル組成物II、ポリエ
ステル組成物III 、ポリエステル組成物IV及びポリエス
テル組成物Vを所定の重量比で混合し、乾燥後のフィル
ムに対する上記複合酸化物(A)粒子及び酸化物(B)
粒子ならびに炭酸カルシウムおよびカオリン粒子の濃度
がそれぞれ表1に示した濃度になるように設定した。該
混合物を乾燥した後、280℃で溶融し、30℃の冷却
ドラム上にキャスティングすることにより厚さ220μ
mの未延伸フィルムを得た。次いでこのフィルムを75
℃に加熱したロール、および表面温度600℃の赤外線
ヒーター(フィルムから20mm離れた位置に設置)を
用いて加熱した後、低速ロールと高速ロールとの間で縦
方向に3.3倍延伸した。更にこのフィルムをテンター
中で100℃で横方向に4.4倍延伸した。テンター中
では、横延伸に引き続いて熱処理・再横延伸および横方
向への緩和を行った。次いで120℃に加熱したロール
にフィルムを接触させ、加熱ロールとその前後のロール
との間の張力をコントロールすることによって縦方向へ
の緩和を行い、厚さ15μmの2軸配向ポリエステルフ
ィルムを得た。このようにして得られたフィルムの特性
を表1に示す。
【0063】[実施例2〜8]ポリエステル組成物Iに
含有される複合酸化物(A)粒子、ポリエステル組成物
IIに含有される酸化物(B)粒子およびポリエステル組
成物III 、IVに含有される無機化合物粒子の種類、各々
の平均粒子径、および各々の含有量を、それぞれ表1に
示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして2
軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム
の特性を表1に示す。
【0064】[比較例1〜3]ポリエステル組成物Iに
複合酸化物(A)粒子を含有せず、かつポリエステル組
成物IIに含有される酸化物(B)粒子およびポリエステ
ル組成物III 、IVに含有される無機化合物粒子の種類、
各々の平均粒子径、および各々の含有量を、それぞれ表
1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にし
て2軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィ
ルムの特性を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1より、実施例1〜8で得られた本発明
の2軸配向ポリエステルフィルムは、スリット性に優
れ、金属ピンおよびプラスチックピンに対する耐擦傷性
に非常に優れていることが明らかである。これに対して
比較例1〜3で得られた2軸配向ポリエステルフィルム
は、スリット性、金属ピンおよびプラスチックピンに対
する耐擦傷性にやや劣っている。
【0067】
【発明の効果】本発明の2軸配向ポリエステルフィルム
は、以上述べたように、スリット性、金属製およびプラ
スチック製のカセットピンに対する耐擦傷性に非常に優
れているので、磁気テープ用ベースフィルムとして非常
に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、複合酸化物(A)粒子の非晶
性度を測定するためのX線回折図(2θ VS.強度)であ
る。
【図2】本発明において、各粒子の平均一次粒子径の測
定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
(D)…粒子径に相当する直線間の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 (72)発明者 野瀬 克彦 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均一次粒子径が0.005μm以上
    0.1μm未満である、異なる2種以上の金属元素及び
    酸素元素からなる少なくとも1種の複合酸化物(A)の
    粒子と、平均一次粒子径が0.005μm以上0.1μ
    m未満である、二酸化チタン、アルミナ、二酸化ケイ素
    および酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なく
    とも1種の酸化物(B)の粒子とを、それぞれ100重
    量ppm以上20000重量ppm以下含有することを
    特徴とする2軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 前記複合酸化物(A)を構成する2種以
    上の金属元素がそれぞれ、Al、B、Si、Ti、Z
    r、WおよびFeからなる群から選ばれることを特徴と
    する、請求項1記載の2軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記複合酸化物(A)を構成する2種以
    上の金属元素のうちの1種がAlであり、前記複合酸化
    物(A)を構成する全金属元素に対するAl含量が20
    モル%以上90モル%以下であることを特徴とする、請
    求項1または2記載の2軸配向ポリエステルフィルム。
JP1001894A 1994-01-31 1994-01-31 2軸配向ポリエステルフィルム Withdrawn JPH07216200A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103834149A (zh) * 2014-03-06 2014-06-04 扬州三星塑胶有限公司 一种表面易分离pet薄膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103834149A (zh) * 2014-03-06 2014-06-04 扬州三星塑胶有限公司 一种表面易分离pet薄膜

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