JPH07216072A - ポリエーテルエステルブロック共重合体 - Google Patents
ポリエーテルエステルブロック共重合体Info
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- JPH07216072A JPH07216072A JP2732394A JP2732394A JPH07216072A JP H07216072 A JPH07216072 A JP H07216072A JP 2732394 A JP2732394 A JP 2732394A JP 2732394 A JP2732394 A JP 2732394A JP H07216072 A JPH07216072 A JP H07216072A
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Abstract
度変化に伴う曲げ弾性率および表面硬度の変化が小さい
ポリエーテルエステルブロック共重合体を提供する。 【構成】芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性
誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘
導体と、ポリオキシアルキレングリコールとを共重合し
てなるものであって、粘弾性挙動におけるβ分散のta
nδが極大となる温度T(β)と、損失正接(tan
δ)の極大値と25℃での損失正接の値との差を特定
し、さらにメルトフローレートも特定する。
Description
変化が少ないゴム状弾性を有するポリエーテルエステル
ブロック共重合体に関し、より詳しくは、耐熱性、成形
性、低温弾性回復性、低温c−set(Compression se
t:圧縮永久歪み)性、および低温制振性等の低温物性に
格段に優れ、かつ−50〜100℃での温度変化に伴
う、曲げ弾性率および表面硬度の変化が少ないポリエー
テルエステルブロック共重合体に関する。
ードセグメントとし、ポリオキシアルキレングリコール
をソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体において、ソフトセグメントの割合が多いも
のは、ゴム状弾性を有するポリエステルエラストマーと
して、電気・電子部品、自動車部品、繊維、フィルム等
に用途を拡大しつつあり、熱可塑性エラストマ−の中で
も市場の伸びが大きいものである。また、ハードセグメ
ントの割合が多いものは、高剛性と耐衝撃性のバランス
に優れた軟質エンジニアリング樹脂として、自動車部
品、ギア、ホ−ス等の工業部品、電気・電子部品等に広
く使われている。
合体のソフトセグメントとしてポリ(テトラメチレンオ
キシ)グリコールが広く使用されているが、ポリエーテ
ルエステルブロック共重合体中のポリ(テトラメチレン
オキシ)グリコール成分が低温度領域において固化し、
低温度領域においてゴム特性、弾性回復性(残留歪が小
さい性質)、耐衝撃性等の物性が不十分となるため、低
温下で使用される部品等の材料としては適当でないとい
う問題点がある。
ルエステルブロック共重合体を低温下で使用される部品
等の材料として使用できるようにするために、ポリ(テ
トラメチレンオキシ)グリコールをソフトセグメントと
したポリエーテルエステルブロック共重合体に、低温性
能の良いスチレン系ジエン型ブロック共重合体をブレン
ドする方法(特開昭50−82162号公報)、水添ジ
エン系共重合体(含スチレン系飽和型熱可塑性エラスト
マー)をブレンドする方法(特開平3−43433号公
報、特開平4−108838号公報、特開平4−323
250号公報)等が既に公開されている。また、ポリエ
ーテルグリコールの結晶化を防ぐ目的で、側鎖にアルキ
ル基のついたポリエーテル、例えばポリ(2−メチル−
1,3−プロピレンオキシ)グリコールをソフトセグメ
ントに用いたポリエステルエラストマーも公知である
(特公平3−80170号公報)。
来技術のうち、低温特性の良い共重合体をブレンドする
方法では、軟質性が付与されて低温性能等が改善される
が、同時に、ポリエステルエラストマーが本来有する優
れた物性(良成形性・耐油・耐摩耗・機械強度等)が失
われるため、反対に用途が限定されてしまうことにな
る。
キル基のついたポリエーテルグリコールを使用する方法
では、前記ユニットを分子鎖中に比較的多く備えていな
いと低温性能を良くする効果が小さいことや、前記ユニ
ットを分子鎖中に多く備えることによりソフトセグメン
トの分子間凝集力が低下して耐摩耗性が失われること、
また、側鎖が増えるとガラス転移温度が上昇し、低温性
能が逆に悪化する場合があること等の問題があるため、
これらの方法は、工業的には殆ど利用されていないのが
現状である。
は成形性やリサイクル性が良いことが特徴であるが、ポ
リエーテルエステルエラストマーには、良好な成形性や
リサイクル性を持ちながら単独で低温性能にも優れるも
のは少ないため、通常は、他の熱可塑性樹脂等とブレン
ドして用いられる。その結果、ポリエステルエラストマ
ーが本来有する優れた物性が失われるため、ポリエーテ
ルエステルエラストマーの用途は限定される。
解決の問題点を解決するためのものであり、ポリエステ
ルエラストマーが本来有する良成形性、耐熱性、耐油性
等を保持しながら、低温下における弾性回復性(残留歪
が小さい性質)、低温制振性等が格段に優れ、かつ−5
0℃から100℃での温度変化に伴う、曲げ弾性率およ
び表面硬度の変化の少ないポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体を提供することを目的とする。
テルブロック共重合体には、粘弾性挙動として特徴的
に、0℃以上の温度でハードセグメントの運動に起因す
るα分散が、−100℃以上0℃以下の温度でソフトセ
グメントの運動に起因するβ分散が、−100℃前後の
温度で、ハードセグメント非晶部内の短鎖グリコールユ
ニットのトランス/ゴ−シュコンフォメ−ションに結合
したカルボニル基の運動に基づくγ分散がそれぞれ見ら
れることが分かっている(Journalof App
liedPolymer Science、21、54
3ー554(1977)参照)が、本発明者等は、この
うちのソフトセグメントの運動に起因するβ分散に着目
して、その損失正接(tanδ)が極大となる温度T
(β)、および損失正接の極大値δ2 と25℃での損失
正接値δ1 との差を限定することにより、ポリエーテル
エステルブロック共重合体の低温弾性が改善されるする
ものであることを見いだして本発明を完成させた。
発明のポリエーテルエステルブロック共重合体は、
(a)芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
導体からなるジカルボン酸成分と、(b)脂肪族ジオー
ルまたはそのエステル形成性誘導体からなる短鎖ジオー
ル成分と、(c)数平均分子量が400〜6000でで
あるポリオキシアルキレングリコールからなる長鎖ジオ
ール成分とを共重合して得られるポリエーテルエステル
ブロック共重合体であって、粘弾性挙動に関する下記
(1)式および(2)式を満足し、かつ直径2.090
mm長さ8mmのオリフィスにより230℃、2.16
kg荷重で測定されたメルトフローレート(MFR)が
0.1〜30g/10min.であることを特徴とする
ものである。
トの運動に起因するβ分散における損失正接(tan
δ)が極大となる温度を示し、(2)式におけるδ2 は
前記損失正接の極大値を、δ1 は25℃での損失正接の
値をそれぞれ示す。)なお、損失正接(tanδ)は動
的弾性率(G”)に対する損失弾性率(G’)の割合を
示すものであり、δは、粘弾性体に振動ひずみ(正弦波
的に振動するひずみ)を与えたときの応答応力とひずみ
との位相差を示すものである。
香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル
酸、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられ
る。
ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体の他に、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、シュ
ウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマ
−酸等の、脂環式または脂肪族のジカルボン酸、および
これらのエステル形成性誘導体を含有していても良い。
しくは2種以上組み合わせて使用しても構わない。好適
には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導
体が用いられる。本発明において短鎖ジオール成分をな
す脂肪族ジオールおよびそのエステル形成性誘導体とし
ては、通常、分子量が300以下のジオールが用いられ
る。
チレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,
4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカ
メチレングリコール、およびこれらのエステル形成性誘
導体が挙げられる。また、1,3−シクロヘキサンジメ
タノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリ
シクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール、及びこ
れらのエステル形成性誘導体、キシリレングリコール、
ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4(2
−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサ
ン等、およびこれらのエステル形成性誘導体が挙げられ
る。
以上組み合わせて使用しても良く、好適にはエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール及びこれらのエステ
ル形成性誘導体が挙げられる。上記の芳香族ジカルボン
酸またはこれらのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオ
ールまたはこれらのエステル形成性誘導体との組合せに
より、ポリエーテルエステルブロック共重合体のハード
セグメント、すなわち、短鎖ポリエステルが構成される
が、好ましい組合せは、テレフタル酸もしくはテレフタ
ル酸ジエステルとエチレングリコールもしくは1,4−
ブタンジオールとの組合せ(この組合せでポリエチレン
テレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートが
構成される。)、またはナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸もしくはナフタレン−2,6−ジカルボン酸エステ
ルとエチレングリコールもしくは1,4−ブタンジオー
ルとの組合せ(この組合せでポリエチレンナフタレート
もしくはポリブチレンナフタレートが構成される。)で
ある。
レートがハードセグメントとして使用されることが良
い。この理由は、ポリブチレンテレフタレートは結晶化
速度が大きく成形性が優れること、得られるポリエーテ
ルエステルブロック共重合体に、ゴム弾性、機械的性
質、耐熱性、耐化学薬品性、耐衝撃性等の物性がバラン
スよく備わっていること等による。
ック共重合体においてハードセグメントをなす、芳香族
ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体と、
脂肪族ジオールまたはこれらのエステル形成性誘導体と
の組合せに、他のジカルボン酸またはそのエステル形成
性誘導体を15モルパーセント以内で、および他の短鎖
ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を15モルパ
ーセント以内で加えてもよい。
オキシアルキレングリコールは、本発明のポリエーテル
エステルブロック共重合体においてソフトセグメント、
すなわち長鎖ポリエステルを構成するものであるが、そ
の具体例としては、ポリ(エチレンオキシ)グリコー
ル、ポリ(プロピレンオキシ)グリコール、ポリ(テト
ラメチレンオキシ)グリコール、ポリ(1,2−プロピ
レンオキシ)グリコール、エチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドのブロック又はランダム共重合体、エチレン
オキシドとTHFのブロック又はランダム共重合体、T
HFと3−メチルTHFのランダム共重合体、ポリ(2
−メチル−1,3−プロピレンオキシ)グリコール、ポ
リ(プロピレンオキシ)ジイミドジ酸等が挙げられる。
合わせて使用できるが、前記ジカルボン酸と短鎖ジオー
ル成分とともに共重合して最終的に得られるポリエーテ
ルエステル共重合体の粘弾性特性が、前述の(1)式
(2)式を満たすものとなるように選択される。このよ
うなポリオキシアルキレングリコールとしては、特に、
ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール、またはテト
ラメチレンオキシド構造単位を主成分とするポリオキシ
アルキレングリコール共重合体が好ましい。
とするポリオキシアルキレングリコール共重合体の具体
例としては、下記(3)式で示されるテトラメチレンオ
キシド構造単位(以下「T」と略す)と、下記(4)式
で示されるネオペンチレンオキシド構造単位(以下
「N」と略す)とで構成され、Nの比率が5〜50モル
パーセントであり、両末端がアルコール性水酸基である
ものと、
ル)テトラメチレンオキシド構造単位(以下「MT」と
略す)とで構成され、MTの比率が10〜70モルパー
セントであるものとが挙げられる。
なすポリオキシアルキレングリコールとしては、数平均
分子量が400〜6000のものが使用される。この数
平均分子量が400未満になると、重合する最終ポリエ
ーテルエステルブロック共重合体のハード/ソフト比に
もよるが、通常は短鎖ポリエステル(ハードセグメン
ト)の平均連鎖長が小さくなり、融点降下が激しくなっ
て耐熱性に劣るため、ポリエーテルエステルブロック共
重合体、特にポリエーテルエステルエラストマ−として
そのまま材料に使用する場合には好ましくない。また、
6000を越えると、単位重量当りのポリエーテルグリ
コール中の末端基濃度が低くなり、重合しにくくなるの
で好ましくない。この重合しやすさと融点のバランスを
考慮すると数平均分子量は800〜4000が好まし
く、1000〜2500がさらに好ましい。
法によって測定されるが、本発明における数平均分子量
の前記範囲は、末端を無水酢酸でアセチル化し、未反応
の無水酢酸を酢酸に分解後、アルカリで逆滴定(末端基
滴定法)することにより水酸基価を算出する方法で求め
られた値で設定されている。特に、本発明の長鎖ジオー
ル成分に使用されるポリオキシアルキレングリコールと
して好ましいポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール
については、数平均分子量(Mn)が1800を越えた
場合、分子量分布(Mv /Mn)によっては結晶化が起
こって低温性能に好ましくない結果を与える。したがっ
て、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールを長鎖ジ
オール成分とする場合には、分子量分布(Mv /Mn)
の値が1.6以下と小さいものを用いるほうが好まし
い。更に好ましくは1.5以下とする。
末端水酸基価より求めた数平均分子量(Mn)の、下記
(6)式で規定される粘度平均分子量(Mv )に対する
比で示される値である。 Mv =antilog(0.493logη+3.064
6)……(6) (但し、前記(6)式におけるηは、40℃における溶
融粘度をポアズで示したものである。)本発明の長鎖ジ
オール成分として好ましい、テトラメチレンオキシド構
造単位を主成分とするポリオキシアルキレングリコール
共重合体は、3,3−DMOとテトラヒドロフラン(T
HF)とのカチオン共重合、3,3−DMOとNPGと
THFとのカチオン三元共重合、THFと3ーメチルT
HFとのカチオン重合、またはネオペンチルグリコール
とテトラヒドロフランとを原料として、アルコール性水
酸基の存在下で活性を示す触媒の存在下、純テトラメチ
レングリコールの解重合が進行する反応条件下において
製造することができる。
ック共重合体の粘弾性特性は、下記(1)式および
(2)式を満足するものである。 T(β)≦−25℃ ……(1) (δ2 −δ1 )≧0.18 ……(2) (但し、(1)式におけるT(β)は、ソフトセグメン
トの運動に起因するβ分散における損失正接(tan
δ)が極大となる温度を示し、(2)式におけるδ2 は
前記損失正接の極大値を、δ1 は25℃での損失正接の
値をそれぞれ示す。)前記温度T(β)が−25℃より
高温になると、ソフトセグメントのガラス転移温度(T
g)が高くなり、特に低温でのゴム弾性に劣るので好ま
しくない。また、(δ2 −δ1 )が0.18より小さく
なると、0℃以下の弾性回復性や、−50℃〜100℃
での温度変化に伴う曲げ弾性率および表面硬度の変化が
著しくなり用途が制限される為に好ましくない。(δ2
−δ1 )のより好ましい値は0.2以上である。
ック共重合体は、直径2.090mm長さ8mmのオリ
フィスにより230℃、2.16kg荷重で測定された
メルトフローレート(MFR)が0.1〜30g/10
min.のものである。なお、前記メルトフローレート
(MFR)測定条件を、以下においては必要に応じて
「L条件」と称する。
件でのMFRが30以下であると、物性、特に機械強度
・耐屈曲疲労性が良くなり、前記MFRが30を越える
と分子量が十分に大きくなっていないため、特に、機械
物性(破断強度、破断伸び等)やc−set等に劣るこ
とになって、用途が制限される。また、MFRが小さい
ほどこれらの物性は良好となるが、0.1未満となるほ
ど小さいと、溶融粘度が上がりすぎてリアクタ−から払
い出しが出来にくく、かつ成形性・加工性に困難が生じ
るため現実的ではない。物性とリアクタ−からの払い出
し易さとのバランスを考慮すれば、より好ましいMFR
はL条件で5〜25g/10min.である。
重合体は、公知の方法で合成することができる。例え
ば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステルと、過剰
量の低分子量グリコールと、ポリエーテルグリコールと
を触媒の存在下でエステル交換反応させ、続いて得られ
る反応生成物を減圧下重縮合する方法、あるいはジカル
ボン酸とグリコールとポリエーテルグリコールとを触媒
の存在下でエステル化反応させ、ついで得られる生成物
を減圧下で重縮合する方法、また予め短鎖ポリエステル
(例えばポリブチレンテレフタレート)を作っておき、
これに他のジカルボン酸やジオールもしくはポリオキシ
アルキレングリコールを加えたり、もしくは他の共重合
ポリエステルを添加してエステル交換によりランダム化
させる方法など何れの方法も採用される。
重縮合反応とに共通の触媒としては、テトラ(イソプロ
ポキシ)チタネート、テトラ(n−ブトキシ)チタネー
トに代表されるテトラアルキルチタネート、これらテト
ラアルキルチタネートとアルキレングリコールとの反応
生成物、テトラアルキルチタネートの部分加水分解物、
チタニウムヘキサアルコキサイドの金属塩、チタンのカ
ルボン酸塩、チタニル化合物等のTi系触媒が好ましい
他、モノn−ブチルモノヒドロキシスズオキサイド、モ
ノn−ブチルスズトリアセテート、モノn−ブチルスズ
モノオクチレート、モノn−ブチルスズモノアセテート
等のモノアルキルスズ化合物、ジn−ブチルスズオキサ
イド、ジn−ブチルスズジアセテート、ジフェニルスズ
オキサイド、ジフェニルスズジアセテート、ジn−ブチ
ルスズジオクチレート等のジアルキル(またはジアリー
ル)スズ化合物等が挙げられる。この他、Mg、Pb、
Zr、Zn、Sb等の金属、金属酸化物、金属塩触媒も
有用である。
組み合わせて使用しても良い。特に、単独で使用する場
合にはテトラアルキルチタネートまたは三酸化アンチモ
ンが好適であり、組み合わせて使う場合にはテトラアル
キルチタネートと酢酸マグネシウムとの組合せが好適で
ある。エステル化反応またはエステル交換反応および重
縮合用の触媒添加量は、生成ポリマ−に対して0.00
5〜0.5重量パーセントであることが好ましく、特
に、0.03〜0.2重量パーセントであることが好ま
しい。これらの触媒は、エステル交換またはエステル化
反応開始時に添加し、重縮合反応時には、再び添加して
もしなくても良い。
ック共重合体には、ジカルボン酸やポリオキシアルキレ
ングリコールの一部として、ポリカルボン酸や多官能ヒ
ドロキシ化合物、オキシ酸等が共重合されていても良
い。特に、多官能成分は、高粘度化成分として有効に作
用するため共重合されていることが好ましいが、得られ
るポリエーテルエステルブロック共重合体の3モルパー
セント以下の割合で存在させる。このような多官能成分
として用いることができるものには、トリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、およびそれらのエステル、酸無水
物等を挙げることができる。
重合体を製造する際には、重合中または重合後の任意の
時期に酸化防止剤を加えることができるが、特に、ポリ
オキシアルキレングリコールが高温に曝される時点、例
えば重縮合反応に入る時点で、重縮合反応を阻害せず触
媒の機能を損なわない酸化防止剤を加えることにより、
ポリオキシアルキレングリコールの酸化劣化を防止する
ことが望ましい。
燐酸の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステ
ルや、次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニル
ホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネー
ト、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、
ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化
合物、フェノール系誘導体(特にヒンダ−ドフェノール
化合物)、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプト
ベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプ
ロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物、スズマレ
ート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用
いることができる。これらは単独で用いても2種以上組
み合わせて用いても構わない。
ーテルエステルエラストマー100重量部に対し、0.
01〜2重量部であることが望ましい。また、必要に応
じ、前記と同様な方法で紫外線吸収剤や光安定剤を加え
てもよい。そして、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリ
アゾール系、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダ−ドアミン化合物のようなラ
ジカル捕捉型光安定剤が好適に用いられる。
ロック共重合体に対し、粘弾性特性が前記(1)式およ
び(2)式を満たす範囲であれば、必要に応じ、更なる
前記酸化防止剤や、カオリン、シリカ、マイカ、二酸化
チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、
クレー、カオリン、ケイソウ土、アスベスト、硫酸バリ
ウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸
マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラ
ス繊維、炭素繊維等の充填剤や補強材、ステアリン酸亜
鉛やステアリン酸ビスアマイドのような滑剤ないしは離
型剤、着色のためのカーボンブラック、群青、チタンホ
ワイト、亜鉛華、べんがら、紺青、アゾ顔料、ニトロ顔
料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料等の染顔料、オク
タブロモジフェニル、テトラブロモビスフェノールポリ
カーボネート等の難燃化剤、ヒンダードアミン系光安定
剤、紫外線吸収剤、発泡剤、エポキシ化合物やイソシア
ネート化合物等の増粘剤、シリコーンオイルやシリコー
ン樹脂等、公知の各種添加剤を用いることができる。
ルブロック共重合体は、必要に応じて他の樹脂やエラス
トマ−とブレンドすることも可能である。ブレンド可能
なエラストマ−としては、非ハロゲンジエン系ゴム、非
ハロゲンジエン系ゴムの水添物、アクリルゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、オレフィン系ゴム、ハロゲン系ゴ
ム、シリコ−ンゴム等が挙げられる。
天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエン共
重合体ゴム、スチレンブタジエンブロック共重合体ゴ
ム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエン
共重合体ゴム、アクリル酸エステルブタジエン共重合体
ゴム等を挙げることができる。上記非ハロゲンジエン系
ゴムの水添物としては、例えば、水素化ポリブタジエ
ン、水素化ポリイソプレン、水素化スチレンブタジエン
ブロック共重合体ゴム、水素化スチレンブタジエンラン
ダム共重合体ゴム、水素化アクリル酸エステルブタジエ
ン共重合体ゴム、水素化アクリルニトリルブタジエン共
重合体ゴム等を挙げることができる。
重合体と上記の各エラストマ−とのブレンドを得るため
には、単純に混合するだけではなく、より高い性能を出
すために動的加硫を施すことが好ましい。本発明のポリ
エーテルエステルブロック共重合体と上記の各エラスト
マ−とのブレンドに、必要に応じて可塑剤を添加しても
よい。この場合の可塑剤の例としては、ジオクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブ
チルベンジルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレ
ート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステル
類、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシ
ルホスフェート、トリメチルヘキシルホスフェート、ト
リス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプ
ロピルホスフェート等の燐酸エステル類、トリメリット
酸オクチルエステル、トリメリット酸イソデシルエステ
ル、トリメリット酸エステル類、ジペンタエリスリトー
ルエステル類、ジオクチルアジペート、ジメチルアジペ
ート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジオクチル
アゼレート、ジオクチルセバケート、ジ−2−エチルヘ
キシルセバケート、メチルアセチルリシノケート等の脂
肪酸エステル類、ピロメリット酸オクチルエステル等の
ピロメリット酸エステル、エポキシ化大豆油、エポキシ
化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等のエ
ポキシ系可塑剤、アジピン酸エーテルエステル、ポリエ
ーテル等のポリエーテル系可塑剤等が挙げられる。これ
ら可塑剤は、本発明のブロック共重合体の好ましい性質
を損なわない限り、単独、あるいは二種類以上組み合わ
せて使用することもできる。
体は、粘弾性挙動に関する下記(1)式および(2)式
を満足するものであるため、低温弾性回復性、低温制振
性等の低温物性に格段に優れ、かつ−50〜100℃で
の温度変化に伴う、曲げ弾性率および表面硬度の変化が
少ないものとなる。
トの運動に起因するβ分散における損失正接(tan
δ)が極大となる温度を示し、(2)式におけるδ2 は
前記損失正接の極大値を、δ1 は25℃での損失正接の
値をそれぞれ示す。)また、直径2.090mm長さ8
mmのオリフィスにより230℃、2.1kg荷重で測
定されたメルトフローレート(MFR)が0.1〜30
g/10min.であるため、機械強度、成形性、耐熱
性等のポリエーテルエステルブロック共重合体が本来有
する特長が保持される。
よるものか、あるいはハードセグメントとソフトセグメ
ントとのミクロ相分離状態の変化によるものなのか、明
かではない。
が、本発明はこれにより限定されるものではない。 <評価方法>はじめに、本実施例で得られた各ポリエー
テルエステルブロック共重合体の物性評価項目と、その
評価方法について以下に説明する。 《メルトフローレート(MFR)》各ポリエーテルエス
テルブロック共重合体のペレット約5gを、真空乾燥器
にて70℃で約12時間真空乾燥させた後、直ちに、直
径2.090mm長さ8mmのオリフィスにより、荷重
2.16kg、測定温度230℃のL条件でメルトフロ
ーレートを測定した。 《融点》ポリエーテルエステルブロック共重合体約10
mgを、SEIKO電子工業社製の示差熱量計(DSC
−200)にかけ、昇温速度10℃/min、窒素雰囲
気下(10cc/min)の条件で、標準物質との温度
差ΔTの変化を調べて、得られた温度−温度差(ΔT)
曲線から吸熱ピ−クのトップの温度を融点とした。 《破断強度(Tb)、破断伸び(El)》JIS K6
301に従って、長さ20mm×幅3mm×厚さ2mm
の射出成形試験片を用い、25℃で、ヘッドスピ−ド2
0mm/minの条件で引張試験を行うことにより測定
した。 《表面硬度》ショアD硬度を−25℃と25℃とで測定
した。 《残留歪》長さ20mm×幅3mm×厚さ2mmの射出
成形試験片を用い、ヘッドスピ−ド20mm/min.
で−25℃にて300%まで伸長し、同温度で応力が0
になるまで緩和し、その時の残留伸度を測定して計算し
た。 《曲げ弾性率》JIS K7203に従って、長さ12
5mm×幅12.5mm×厚さ3mmの射出成形試験片
を用い、曲げ速度2mm/min.の条件で、−50
℃、−25℃、0℃、100℃の各温度において曲げ弾
性率を測定した。 《粘弾性挙動》長さ17.7mm×幅12.5mm×厚
さ3mmの射出成形試験片を、真空乾燥器にて70℃で
約46時間真空乾燥させたものを、粘弾性スペクトロメ
−タ−(DMA)により、共鳴周波数モ−ドにて以下の
表1の条件で評価した。
しては、以下に示す三種類を使用した。 (a)ネオペンチルグリコール共重合ポリ(テトラメチ
レンオキシ)グリコール(TとNとの共重合体で両末端
がアルコール性水酸基であるもの) :旭化成工業(株)製、Mn=1825、Mv /Mn=
1.75、 N含率=10.8モルパーセント (b)ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール :旭化成工業(株)製、Mn=1815、Mv /Mn=
1.45 (c)ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール :保土ヶ谷化学(株)製、PTG−1800、Mn=1
828、 Mv /Mn=2.11 <実施例1>15リットルの三菱重工業(株)製リアク
ター(VCR)に、ジメチルテレフタレート(三菱化成
(株)製、以下同じ)1520g、1,4−ブタンジオ
ール(和光純薬製試薬特級、以下同じ)1062g、
(b)のポリオキシアルキレングリコール(ポリ(テト
ラメチレンオキシ)グリコール)3201g、イルガノ
ックス1010(チバガイギ−製)15gを仕込み、窒
素置換後、窒素雰囲気下で200℃まで昇温した。次い
でテトライソプロポキシチタネート(東京化成製試薬1
級、以下同じ)を1.5g添加した。そして、200℃
に30分間保持した後に230℃まで昇温し、回転数1
50rpmで撹拌しながら2時間かけてエステル交換反
応を行った。留出してきたメタノール量は理論量の95
%であった。ついで温度を250℃にし、回転数50r
pmで撹拌しながら30分かけて0.5mmHgまで減
圧し、その後約3時間かけて、トルク上昇が起こらなく
なるまで縮合反応を行った。
ところ、ポリエーテルエステルブロック共重合体が透明
な粘ちょう重合体として得られた。これを押出機により
ストランド状に押し出し、冷却後に切断することでペレ
ットに形成した。このペレットを用いて前記方法により
MFRを測定したところ、このポリエーテルエステルブ
ロック共重合体のMFRは12であり、 1H−NMRか
ら求めたソフト量は62.0wt%であった。また、前
述の方法により融点を測定したところ185℃であっ
た。
ットにより、融点(この場合185℃)よりも30℃高
い温度で、各評価試験用の試験片を射出成形により作製
し、前述の方法に従って各種物性試験を行った。測定し
た粘弾性挙動及び諸物性の結果を下記の表2に示す。ま
た、得られたDMAチャートを図1に示す。 <実施例2>仕込のジメチルテレフタレートを1370
g、1,4−ブタンジオールを951g、ポリオキシア
ルキレングリコールを上記(a)原料とし、これを34
50g用いた以外は実施例1と同様にして、エステル交
換反応と縮合反応を行った。なお、トルク上昇が起こら
なくなるまでに要した縮合反応時間は約4時間であっ
た。
であり、 1H−NMRから求めたソフト量は71.1w
t%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性の結果を
下記の表2に示す。また、得られたDMAチャートを図
2に示す。 <実施例3>仕込のジメチルテレフタレートを2072
g、1,4−ブタンジオールを1442g、ポリオキシ
アルキレングリコールを上記(a)原料とし、これを2
650gにした以外は実施例1と同様にして、エステル
交換反応と縮合反応を行った。なお、トルク上昇が起こ
らなくなるまで要した縮合反応時間は約3時間であっ
た。
であり、 1H−NMRから求めたソフト量は53.1w
t%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性の結果を
下記の表2に示す。また、得られたDMAチャートを図
3に示す。 <実施例4>仕込のポリオキシアルキレングリコールを
上記(a)原料にした以外は実施例1と同様にして、エ
ステル交換反応と縮合反応を行った。トルク上昇が起こ
らなくなるまで要した縮合反応時間は3時間15分であ
った。
2.5であり、 1H−NMRから求めたソフト量は6
2.5wt%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性
の結果を下記の表2に示す。また、得られたDMAチャ
ートを図4に示す。 <実施例5>仕込のポリオキシアルキレングリコールを
上記(b)原料にした以外は実施例2と同様にして、エ
ステル交換反応と縮合反応を行った。トルク上昇が起こ
らなくなるまで要した縮合反応時間は約3時間30分で
あった。
5であり、 1H−NMRから求めたソフト量は71.5
wt%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性の結果
を下記の表2に示す。また、得られたDMAチャートを
図5に示す。 <比較例1>仕込量をそれぞれ、ジメチルテレフタレー
ト2470g,1,4−ブタンジオール1718g、上
記(b)のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール2
200gとした以外は実施例1と同様にして、エステル
交換反応と縮合反応を行った。トルク上昇が起こらなく
なるまで要した縮合反応時間は約2時間30分であっ
た。
5であり、 1H−NMRから求めたソフト量は43.0
wt%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性の結果
を下記の表2に示す。また、得られたDMAチャートを
図6に示す。 <比較例2>ポリオキシアルキレングリコールとして上
記(b)原料を使用した以外は実施例3と同様にして、
エステル交換反応と縮合反応を行った。トルク上昇が起
こらなくなるまで要した縮合反応時間は約2時間30分
であった。
0.5であり、 1H−NMRから求めたソフト量は5
3.0wt%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性
の結果を下記の表2に示す。また、得られたDMAチャ
ートを図7に示す。 <比較例3>ポリオキシアルキレングリコールとして上
記(c)を使用した以外は実施例2と同様にして、エス
テル交換反応と縮合反応を行った。トルク上昇が起こら
なくなるまで要した縮合反応時間は約2時間30分であ
った。
5であり、 1H−NMRから求めたソフト量は70.5
wt%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性の結果
を下記の表2に示す。また、得られたDMAチャートを
図8に示す。 <比較例4>ポリオキシアルキレングリコールとして上
記(a)を使用した以外は比較例1と同様にして、エス
テル交換反応と縮合反応を行った。トルク上昇が起こら
なくなるまで要した縮合反応時間は約3時間15分であ
った。
であり、 1H−NMRから求めたソフト量は43.4w
t%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性の結果を
下記の表2に示す。また、得られたDMAチャートを図
9に示す。 <比較例5>実施例2の縮合反応において、反応開始後
3時間でリアクターからブロック共重合体の一部を取り
出し、同じ条件でMFRを測定したところ39であり、
1H−NMRから求めたソフト量は実施例2と同じく7
1.1wt%であった。測定した粘弾性挙動及び諸物性
の結果を下記の表2に示す。また、得られたDMAチャ
ートは、図2に示す実施例2と全く同じであった。 <比較例6>GE(ゼネラルエレクトリック)社製のポ
リエーテルエステルブロック共重合体、ロモド(登録商
標)B0220について 1H−NMRを測定したとこ
ろ、ソフトセグメントはポリ(オキシプロピレングリコ
ール)ジイミドジ酸であり、ソフト量は43.0wt%
であった。このブロック共重合体について、実施例1と
同様にして測定した粘弾性挙動及び諸物性の結果を下記
の表2に示す。また、得られたDMAチャートを図10
に示す。 <比較例7>東洋紡(株)製のポリエーテルエステルブ
ロック共重合体、ヘルプレン(登録商標)P−40Bに
ついて 1H−NMRを測定したところ、ソフトセグメン
トはポリ(オキシテトラメチレングリコール)であり、
ソフト量は69.1wt%であった。このブロック共重
合体について、実施例1と同様にして測定した粘弾性挙
動及び諸物性の結果を下記の表2に示す。また、得られ
たDMAチャートを図11に示す。 <比較例8>東レ・デュポン(株)製のポリエーテルエ
ステルブロック共重合体、ハイトレル(登録商標)47
67について 1H−NMRを測定したところ、ソフトセ
グメントはポリ(オキシテトラメチレングリコール)で
あり、ソフト量は46.4wt%であった。このブロッ
ク共重合体について、実施例1と同様にして測定した粘
弾性挙動及び諸物性の結果を下記の表2に示す。また、
得られたDMAチャートを図12に示す。
実施例5のポリエーテルエステルブロック共重合体につ
いては、粘弾性挙動に関する前記(1)式および(2)
式を満足しているため、比較例1〜比較例4,比較例6
〜8と比較して、温度が−50℃から100℃に変化し
たときの曲げ弾性率の変化が著しく小さい。また、実施
例1〜実施例5については、−25℃における残留歪も
比較例1〜比較例4,比較例6〜8と比較して小さく、
ショアD硬度の温度変化による変化量も同様に小さい。
なお、比較例5に関しては、L条件で測定されたメルト
フローレートの値が本発明の範囲外であるため、破断強
度(Tb)および破断伸び(El)が他と比べて著しく
小さく、機械強度に劣るものであることが分かる。
エーテルエステルブロック共重合体は、従来のポリエー
テルエステルブロック共重合体の優れた物性を保持しな
がら、従来のものに比べて、低温弾性回復性、低温制振
性等の低温性能に格段に優れ、かつ−50〜100℃で
の温度変化に伴う、曲げ弾性率および表面硬度の変化が
少ないため、特に今まで使用範囲が限られていたポリエ
ーテルエステルブロック共重合体の用途範囲を大幅に広
げることができる。
ルブロック共重合体は、広い温度領域でゴム状物性が要
求される用途、例えば自動車部品(エンジン周り、エア
バックカバ−、シフトレバ−ブ−ツ等)、また、低温領
域でゴム弾性が必要である用途、例えば冷凍ベルト、冷
凍パッキング、冷凍チュ−ブ、低温下で用いる制振材料
等として、シリコ−ンゴム、NBR、水添NBR、アク
リルゴム等の架橋ゴム代替用途に応用することができる
ため、本発明は産業界に寄与するところ大であると言え
る。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
合体のDMAチャート(tanδの温度変化)を示すグ
ラフである。
重合体(ロモドB0220)のDMAチャート(tan
δの温度変化)を示すグラフである。
重合体(パルプレンP40B)のDMAチャート(ta
nδの温度変化)を示すグラフである。
重合体(ハイトレル4767)のDMAチャート(ta
nδの温度変化)を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)芳香族ジカルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体からなるジカルボン酸成分と、
(b)脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体
からなる短鎖ジオール成分と、(c)数平均分子量が4
00〜6000でであるポリオキシアルキレングリコー
ルからなる長鎖ジオール成分とを共重合して得られるポ
リエーテルエステルブロック共重合体であって、粘弾性
挙動に関する下記(1)式および(2)式を満足し、か
つ直径2.090mm長さ8mmのオリフィスにより2
30℃、2.16kg荷重で測定されたメルトフローレ
ート(MFR)が0.1〜30g/10min.である
ことを特徴とするポリエーテルエステルブロック共重合
体。 T(β)≦−25℃ ……(1) (δ2 −δ1 )≧0.18 ……(2) (但し、(1)式におけるT(β)は、ソフトセグメン
トの運動に起因するβ分散における損失正接(tan
δ)が極大となる温度を示し、(2)式におけるδ2 は
前記損失正接の極大値を、δ1 は25℃での損失正接の
値をそれぞれ示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02732394A JP3419531B2 (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | ポリエーテルエステルブロック共重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02732394A JP3419531B2 (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | ポリエーテルエステルブロック共重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07216072A true JPH07216072A (ja) | 1995-08-15 |
JP3419531B2 JP3419531B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=12217872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02732394A Expired - Lifetime JP3419531B2 (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | ポリエーテルエステルブロック共重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3419531B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001002768A (ja) * | 1999-04-23 | 2001-01-09 | Du Pont Toray Co Ltd | ポリエステルエラストマ樹脂および樹脂組成物 |
JP2001207047A (ja) * | 2000-01-28 | 2001-07-31 | Asahi Kasei Corp | 伸縮性フィルム |
JP2001240663A (ja) * | 2000-03-01 | 2001-09-04 | Toyobo Co Ltd | 熱可塑性ポリエステルエラストマー |
KR100830105B1 (ko) * | 2002-04-01 | 2008-05-20 | 주식회사 코오롱 | 폴리에테르에스테르 블록 공중합체 수지 조성물 |
US8051947B2 (en) | 2009-03-12 | 2011-11-08 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Energy absorbing thermoplastic elastomer |
WO2017189974A1 (en) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | Sabic Global Technologies B.V. | Methods of forming dynamic cross-linked polymer compositions using functional monomeric chain extenders under batch process |
-
1994
- 1994-01-31 JP JP02732394A patent/JP3419531B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2001002768A (ja) * | 1999-04-23 | 2001-01-09 | Du Pont Toray Co Ltd | ポリエステルエラストマ樹脂および樹脂組成物 |
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US8051947B2 (en) | 2009-03-12 | 2011-11-08 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Energy absorbing thermoplastic elastomer |
WO2017189974A1 (en) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | Sabic Global Technologies B.V. | Methods of forming dynamic cross-linked polymer compositions using functional monomeric chain extenders under batch process |
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---|---|
JP3419531B2 (ja) | 2003-06-23 |
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