JP2001207047A - 伸縮性フィルム - Google Patents

伸縮性フィルム

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JP2001207047A
JP2001207047A JP2000019797A JP2000019797A JP2001207047A JP 2001207047 A JP2001207047 A JP 2001207047A JP 2000019797 A JP2000019797 A JP 2000019797A JP 2000019797 A JP2000019797 A JP 2000019797A JP 2001207047 A JP2001207047 A JP 2001207047A
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Japan
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film
block copolymer
glycol
ester
dicarboxylic acid
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JP2000019797A
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English (en)
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Tetsuo Masubuchi
徹夫 増渕
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、リサイクルが可能で、有害物
質を発生させないで焼却が可能な、伸縮性が要求される
各種部材に使用可能な、伸縮後の戻り性に優れる弾性フ
ィルムおよび該弾性フィルムをスリットした弾性ひもを
提供することを目的とする。 【解決手段】 次の(a)、 (b)及び(c)成分と
を共重合してなるポリエーテルエステルブロック共重合
体からなる伸縮性フィルム。 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び
/又はそのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成
分 (b)短鎖ジオール成分が脂肪族ジオール及び/又はそ
のエステル形成性誘導体である短鎖ジオール成分 (c)長鎖ジオール成分がネオペンチレンオキシド構造
単位とテトラメチレンオキシド構造単位よりなるポリエ
ーテルであって、両末端がアルコール性水酸基であり、
数平均分子量が400〜6,000であるポリエーテル
グリコール

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性フィルムに
関し、より詳しくは衣料用部材、生活用品や衛生用品、
例えば使い捨ておむつ、ナプキン等の伸縮部材(ウエス
トギャザーやサイドギャザーの部材)等に使用する伸縮
性フィルムおよび上記伸縮性フィルムをスリットした弾
性ひもに関する。
【0002】
【従来の技術】衣料用部材、生活用品や、衛生用品(例
えば使い捨ておむつ、ナプキン)等のギャザー等の伸縮
性が要求されるの部材として、ポリウレタンフォーム、
ポリウレタンフィルム、スチレン系エラストマー系フィ
ルム等の合成ゴムや天然ゴム等が使われている。
【0003】しかし、ポリウレタンフォームは、強度が
弱い、価格が高い、各種不織布等と熱接着できない等の
問題があり、また、ポリウレタンフィルムは、ホットメ
ルト接着性が悪い、熱接着できない等の問題がある。一
方、天然ゴムは、価格面での優位性があるものの、ホッ
トメルト接着性が極めて悪い、熱接着できない、アレル
ギーの原因となる等の問題がある。更に、これら伸縮部
材に共通した欠点として、リサイクルができない、有害
物質発生のために焼却できないという問題がある。ま
た、スチレン系エラストマー系フィルムはリサイクルが
可能であり、低モジュラスで伸びが大きく、天然ゴムに
近い特性を有するが、耐熱性が悪く、体温でのへたりが
問題になる。
【0004】一方、特開平11−222724号公報に
はポリエーテルエステルブロック共重合体を使用ポリエ
ステルエラストマー組成物を用いた弾性部材が提案され
ている。この組成物は耐熱性に優れ、ブロッキングしに
くいという特徴を有するものの、引張り応力が大きく伸
びにくいばかりではなく、永久伸びが大きいため、伸縮
後の戻り性が悪いという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リサイクル
が可能で、有害物質を発生させないで焼却が可能な、伸
縮性が要求される各種部材に使用可能な伸縮後の戻り性
に優れる弾性フィルムおよび該弾性フィルムをスリット
した弾性ひもを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、特殊な構造を有するポリエーテルエステル
ブロック共重合体である熱可塑性エラストマーからなる
伸縮性フィルムが、前記課題を解決するものであること
を見い出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は次の(a)、(b)及
び(c)成分とを共重合してなるポリエーテルエステル
ブロック共重合体からなる伸縮性フィルムに関する。 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び
/又はそのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成
分 (b)短鎖ジオール成分が脂肪族ジオール及び/又はそ
のエステル形成性誘導体である短鎖ジオール成分 (c)長鎖ジオール成分が下式(1)に示すネオペンチ
レンオキシド構造単位(以下Nと略す)と下式(2)に
示すテトラメチレンオキシド構造単位(以下Tと略す)
よりなり、Nの比率が5〜50モル%であるポリエーテ
ルであって、両末端がアルコール性水酸基であり、数平
均分子量が400〜6,000であるポリエーテルグリ
コール
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】 T: −CH2CH2CH2CH2O− (2)
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するポリエーテルエステルブロック共重合体は、
(a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び
そのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成分と、
(b)短鎖ジオール成分が脂肪族ジオール及びそのエス
テル形成性誘導体である短鎖ジオール成分と、(c)長
鎖ジオール成分が下式(1)に示すNと下式(2)に示
すTよりなり、Nの比率が5〜50モル%であるポリエ
ーテルであって、両末端がアルコール性水酸基であり、
数平均分子量が400〜6,000であるポリエーテル
グリコールとを共重合して得られるブロック共重合体で
ある。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】 T: −CH2CH2CH2CH2O− (2)
【0013】本発明に使用するポリエーテルエステルブ
ロック共重合体の重合に用いる(a)成分、即ち、芳香
族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレ
ン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカ
ルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸
及びこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
【0014】また、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ド
デカンジ酸、ダイマー酸等の脂環式、脂肪族のジカルボ
ン酸及びこれらのエステル形成性誘導体を用いてもよ
い。これらは単独、もしくは2種以上組み合わせて使用
しても構わない。好適にはテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸が用いられる。
【0015】また、(b)成分、即ち、脂肪族ジオール
及びそのエステル形成性誘導体としては通常、分子量が
300以下のジオールが用いられる。例えば、エチレン
グリコール、1,3−プロピレンジオール、1,4−ブ
タンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレ
ングリコール及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げ
られる。
【0016】また、1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ
デカンジメタノール等の脂環式ジオール、及びこれらの
エステル形成性誘導体;キシリレングリコール、ビス
(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4(2−ヒ
ドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン
等、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
好適には、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0017】上記の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエ
ステル形成性誘導体と脂肪族ジオール及びこれらのエス
テル形成性誘導体との組合せによりポリエーテルエステ
ルブロック共重合体のハードセグメント即ち短鎖ポリエ
ステルが構成されるが、好ましい組合せはテレフタル酸
またはテレフタル酸ジエステルとエチレングリコール若
しくは1,4−ブタンジオールとの組合せ(ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)であ
る。さらに好ましくはポリブチレンテレフタレートがハ
ードセグメントに使用されることが良い。
【0018】この理由はポリブチレンテレフタレートは
結晶化速度が大きく成型性が優れること、ポリエーテル
エステルブロック共重合体にした場合もゴム弾性、機械
的性質、耐熱性、耐化学薬品性等の物性バランスがよく
備わっていること等による。この組合せに他のジカルボ
ン酸及びそのエステル形成性誘導体を15モル%以内、
または他のジオール及びそのエステル形成性誘導体を1
5モル%以内加えて使用することも出来る。
【0019】本発明に用いられるポリエーテルエステル
ブロック共重合体の(c)成分、即ち、長鎖ポリエステ
ルを構成するポリエーテルグリコールはNとTよりな
り、Nの比率が5〜50モル%、好ましくは10〜30
モル%、さらに好ましくは15〜25モル%であるポリ
エーテルであって、両末端がアルコール性水酸基であ
り、数平均分子量が400〜6,000、好ましくは8
00〜3,000、さらに好ましくは1,000〜2,
000であるポリエーテルグリコールである。
【0020】本発明に使用されるポリエーテルエステル
ブロック共重合体の製造に用いられるポリエーテルグリ
コールは3,3−ジメチルオキセタン(3,3−DM
O)の単独カチオン重合、3,3−DMOとネオペンチ
ルグリコール(NPG)とのカチオン共重合、3,3−
DMOとテトラヒドロフラン(THF)のカチオン共重
合、3,3−DMOとNPGとTHFのカチオン三元共
重合またはネオペンチルグリコールとテトラヒドロフラ
ンを原料として、アルコール性水酸基の存在下で活性を
示す触媒の存在下、純テトラメチレングリコールの解重
合が進行する反応条件下において製造することが出来
る。
【0021】このポリエーテルグリコール中のNが5モ
ル%に満たない共重合組成ではこれをポリエーテルエス
テルブロック共重合体にした場合、特に永久伸び、弾性
回復に満足な物性が得られない場合があるために好まし
くない。また、ポリエーテルグリコール中のNが50モ
ル%を越えると、TPEEのガラス転移温度が上がり、
永久伸びが悪化するので好ましくない。
【0022】本発明に使用されるポリエーテルエステル
ブロック共重合体の製造に用いられる好ましいポリエー
テルグリコールの製造方法は、アルコール性水酸基の存
在化で活性を示す触媒の存在下、多量のネオペンチルグ
リコールを仕込み、純テトラメチレングリコールの解重
合が進む高い温度と、低いTHF濃度、即ち高いポリマ
ー濃度での反応条件で行われる。アルコール性水酸基の
存在下で活性を示す触媒としては、特開昭60−203
66号公報にヘテロポリ酸が、特開昭61−12083
0号公報にヘテロポリ酸の塩が記述されているがこれら
を用いることが出来る。この際、触媒に対する水または
ジオールのモル比が10以下であるという要件は本発明
のポリエーテルグリコールを与える反応条件では不要で
ある。
【0023】なお、アルコール性水酸基の存在下で活性
を示す触媒は特にヘテロポリ酸に限定されるものではな
く、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸なども用
いられる。本発明に使用されるポリエーテルエステルブ
ロック共重合体の製造に用いられる好ましいポリエーテ
ルグリコールを与える特殊な反応条件方法に於てネオペ
ンチルグリコールの共重合比率を高めることができる理
由は、触媒に対するジオールのモル比が30であっても
重合を進めることが出来るので、多量のネオペンチルグ
リコールを仕込むことが出来ることによる。また、TH
Fのみが連なるポリマー分子鎖の形成が純ポリ(テトラ
メチレンオキシ)グリコールの解重合条件で重合を進め
るために抑制されている。
【0024】本発明に用いられるポリエーテルエステル
ブロック共重合体に用いられるポリエーテルグリコール
を好ましく製造する必要要件をまとめると3要件有り、
第一にアルコール性水酸基の存在下で活性を示す触媒、
例えばヘテロポリ酸やスルホン酸等を用いること、第二
に共重合グリコールとして解重合の伝搬を阻止するグリ
コール、すなわちNPGを使用すること、第三に共重合
比率が高くなる重縮合を主反応とするために、純PTM
Gの解重合が進む温度、ポリマー濃度で反応を進めるこ
とである。
【0025】この重縮合反応を好ましい速度で進めるた
め、反応温度は70℃以上、好ましくは75℃以上の条
件を採ることになる。但し、反応温度を上げすぎると反
応液や触媒の着色が強くなり好ましくない。例えば燐タ
ングステン酸を触媒として用いた場合、通常110℃を
越えると着色がひどくなる。
【0026】先に本発明で使用する触媒を挙げたが、こ
れらのうち好ましい触媒としては、市販されており、高
温度における安定性が良く、反応活性も高い燐タングス
テン酸を挙げることができる。そして、燐タングステン
酸等のヘテロポリ酸を触媒として使用する場合、反応が
進むに従い反応液は触媒濃度が高い触媒層と、触媒を1
%以下の低濃度に含む液層とに分離し、二層の分散状態
で反応が行なわれるようになる。反応終了時に撹拌を止
めて静置すれば、重い触媒層は下に、軽い液層は上に分
かれる。上の液層を取り出し、THF、オリゴマー、溶
存触媒を除去して目的であるポリマーを得る。下に残さ
れた触媒層に新しくNPG、THFを供給し、新しいバ
ッチの反応を開始する。このようにして、触媒を繰り返
し使用しながら本発明の原料となるポリエーテルエステ
エルブロック共重合体を得ることが出来る。
【0027】また、スルフォン酸を触媒として使用する
場合、ナフィオンのように反応液に溶解しない触媒が、
触媒の分離が簡単で好ましい。触媒である燐タングステ
ン酸、或いはスルフォン酸の使用量に対しNPGの仕込
量は、触媒1当量に対し2〜10モルのNPGを仕込む
のが適当である。NPGの量が少ないと反応終了時に採
取すべきポリマー量が少なくなるし、NPGの量が多い
と重縮合反応が遅くポリマーの重合度が上昇するのに長
時間を要するようになる。
【0028】重縮合によって生成する水は、反応系の気
相水分として取り出し、除くことが出来る。気相の組成
は大部分THFであり、気相水分は0.4〜2.0wt
%含まれているのが通常である。従って、水分を除去す
る際にTHFも共に取り出すことになり新しいTHFを
その分多く補給する必要がある。このように反応系の気
相を取り出す必要があるため、反応液は沸騰温度であ
る。沸騰温度、即ち反応温度を所定にコントロールする
にはTHFの濃度をコントロールするのが容易な方法で
ある。具体的な操作として液温を所定に保つようにTH
Fの補給速度をコントロールすることにすれば、気相水
分と共に取り出されたTHF、反応の進行に伴う組成変
化及び重合によるTHFの消費、これら全ての変化に対
応できる基準操作をTHFに関して定め得たことにな
る。
【0029】反応液にあるTHF濃度は、反応圧力と反
応温度、即ち沸騰圧力、温度で変わる。従って、THF
濃度は反応温度を与件として反応圧力によってコントロ
ール出来る。反応液にある水濃度は、反応系の気相の水
濃度と動的平衡にある。従って反応液にある水濃度は、
反応系の気相の水濃度によってコントロール出来る。
【0030】本発明に使用されるポリエーテルエステル
ブロック共重合体の製造に用いられるポリエーテルグリ
コールの数平均分子量は400〜6,000のものが使
用される。400未満になると重合する最終ポリエーテ
ルエステルブロック共重合体のハード/ソフトセグメン
ト比にもよるが通常は短鎖ポリエステル(ハードセグメ
ント)の平均連鎖長が小さくなり、融点降下が激しくな
って耐熱性に劣るため、ポリエーテルエステルブロック
共重合体としてそのまま材料に使用する場合、或いは組
成物にした場合共に好ましくない。また、6,000を
越えると、単位重量当りのポリエーテルグリコール中の
末端基濃度が低くなり、重合しにくくなるので好ましく
ない。
【0031】このポリエーテルエステルブロック共重合
体に占める全ポリエーテルグリコールユニット(ソフト
セグメント)の量は15〜50重量%、好ましくは20
〜40重量%、さらに好ましくは25〜35重量%であ
る。この値は本発明の用途の要求硬度(ショアD硬度で
20〜70)を満たす範囲である必要がある。この場合
のポリエーテルグリコールユニットの量とはソフトセグ
メントの重量比のことであって仕込のポリエーテルグリ
コールの全モノマー中に占める重量比のことではない。
【0032】一般に、ポリエーテルエステルブロック共
重合体のハードセグメントは短鎖エステルであり、ソフ
トセグメントは長鎖エステルからなるが、ポリエーテル
部分の末端はジカルボン酸成分とエステル結合にて連結
し、ハードセグメントと連なっている。ポリエーテル部
分の片末端のエステル結合を構成するユニットも含めた
ものを便宜上ソフトセグメントとした。
【0033】このハード/ソフトセグメントの比率は1
H−NMRにて正確に定量することが可能である。ソフ
トセグメントの量が15重量%より小さいと軟質性に劣
り、特に本発明の熱可塑性エラストマー組成物成形体の
低温(−40℃)での展開性が良くないため好ましくな
い。また、この量が50重量%を越えると柔らかくなり
すぎて、展開時にリテーナーから脱着してしまうので好
ましくない。またカバーを薄肉にした場合、形状を保持
できないので好ましくない。また、ショアD硬度で70
を越えると高温下での展開性は良好であるが低温下では
逆に硬くなりすぎて展開性能が悪くなるので好ましくな
い。
【0034】本発明のポリエーテルエステルブロック共
重合体は、ショアD硬度が20〜70好ましくは25〜
60、さらに好ましくは30〜50の範囲に入るように
すれば良く、ソフトセグメント量は適宜選択される。
【0035】本発明のポリエーテルエステルブロック共
重合体は公知の方法で製造できる。例えば、ジカルボン
酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリ
コールおよびポリエーテルグリコールを触媒の存在下エ
ステル交換反応させ、続いて得られる反応生成物を減圧
下重縮合する方法、あるいはジカルボン酸とグリコール
及びポリエーテルグリコールを触媒の存在下エステル化
反応させ、ついで得られる生成物を重縮合する方法、ま
た予め短鎖ポリエステル(例えばポリブチレンテレフタ
レート)を作っておき、これに他のジカルボン酸やジオ
ールもしくはポリエーテルグリコールを加えたり、もし
くは他の共重合ポリエステルを添加してエステル交換に
よりランダム化させる方法など何れの方法をとっても良
い。
【0036】ポリエーテルエステルブロック共重合体を
製造するのに利用するエステル交換反応またはエステル
化反応と重縮合反応に共通の触媒としては、テトラ(イ
ソプロポキシ)チタネート、テトラ(n−ブトキシ)チ
タネートに代表されるテトラアルキルチタネート、これ
らテトラアルキルチタネートとアルキレングリコールと
の反応生成物、テトラアルキルチタネートの部分加水分
解物、チタニウムヘキサアルコキサイドの金属塩、チタ
ンのカルボン酸塩、チタニル化合物等のチタン系触媒が
好ましい。また、モノn−ブチルモノヒドロキシスズオ
キサイド、モノn−ブチルスズトリアセテート、モノn
−ブチルスズモノオクチレート、モノn−ブチルスズモ
ノアセテート等のモノアルキルスズ化合物、ジn−ブチ
ルスズオキサイド、ジn−ブチルスズジアセテート、ジ
フェニルスズオキサイド、ジフェニルスズジアセテー
ト、ジn−ブチルスズジオクチレート等のジアルキル
(またはジアリール)スズ化合物等も用いることができ
る。
【0037】この他、Mg、Pb、Zr、Zn等の金
属、金属酸化物、金属塩触媒が有用である。これらの触
媒は単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用しても
良い。
【0038】エステル化あるいは重縮合触媒の添加量は
生成ポリマーに対して0.005〜0.5重量%が好ま
しく、特に0.03〜0.2重量%が好ましい。これら
触媒はエステル交換またはエステル化反応開始時に添加
した後、重縮合反応時に再び添加してもしなくても良
い。
【0039】また、ジカルボン酸やグリコールの一部と
してポリカルボン酸や多官能ヒドロキシ化合物、オキシ
酸等が共重合されていても良い。多官能成分は高粘度化
成分として有効に作用し、その共重合し得る範囲は3モ
ル%以下である。かかる多官能成分として用いることが
出来るものには、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロ
メリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ブタン
テトラカルボン酸、グリセリン、ペンタエリスリトール
およびそれらのエステル、酸無水物等を挙げることがで
きる。
【0040】またさらに必要に応じて本発明に用いられ
るポリエーテルグリコールをそれ以外のポリエーテルグ
リコールで一部置換しても良い。かかる置換に用いられ
るポリエーテルグリコールとしては、ポリ(エチレンオ
キシ)グリコール、ポリ(プロピレンオキシ)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール、ポリ
(1,2−プロピレンオキシ)グリコール、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共
重合体、THFと3−メチルTHFのランダム共重合
体、エチレンオキシドとTHFのブロック又はランダム
共重合体、ポリ(2−メチル−1,3−プロピレンオキ
シ)グリコール、ポリ(プロピレンオキシ)ジイミドジ
酸等が挙げられる。
【0041】これら置換に用いられるポリエーテルグリ
コールの好ましい数平均分子量は400〜6,000で
あり、特に1,000〜3,000が好適である。好ま
しい置換ポリエーテルグリコールとしてはポリ(テトラ
メチレンオキシ)グリコールが挙げられる。ポリ(テト
ラメチレンオキシ)グリコールを置換に用いた場合、数
平均分子量(Mn)が1,800を越えると分子量分布
[Mv/Mn:Mnは末端水酸基価より求めた数平均分
子量、Mvは式 Mv=anti log(0.493
log η+3.0646)で規定される粘度平均分子
量である。但しηは40℃の温度における溶融粘度をポ
アズで示したもの]によっては結晶化が起こって低温性
能に好ましくない結果を与える場合がある。
【0042】この分子量分布(Mv/Mn)の値が1.
6以下と狭いものを用いるほうが好ましい。更に好まし
くは1.5以下である。しかし好適には置換のポリエー
テルグリコールは本発明に用いられるポリエーテルグリ
コールの90重量%以下の範囲で用いられる。この値が
90重量%を越えると、本発明に用いられるポリエーテ
ルグリコール中のネオペンチルオキシドユニットの含量
にもよるが一般的に耐水性や低温性能等の物性に満足な
結果が得られない場合があるので用途に応じた選定が必
要である。
【0043】このように重合したポリエーテルエステル
ブロック共重合体の重合度は一般には相対溶液粘度(η
rel)や固有粘度([η])、メルトフローレート
(MFR)にて表現されるが、本発明ではMFRにて表
現される。本発明ではMFRが好ましくは0.1〜50
g/10分(荷重2.16kg、230℃)、さらに好
ましくは1〜30g/10分のポリエーテルエステルブ
ロック共重合体が用いられる。MFRが50を越えると
分子量が十分上がっていないため特に機械物性(破断強
度、破断伸び等)や永久伸び等に劣るため用途が制限さ
れる。また、MFRが0.1より小さいと製膜時にトル
クが増大して、極端なメルトフラクチャーが発生しフィ
ルムの製膜安定性が悪化するので好ましくない。
【0044】本発明に用いられる添加剤としては少なく
とも酸化防止剤、光安定剤及び熱安定剤が用いられるこ
とが望ましい。酸化防止剤はポリエーテルエステルブロ
ック共重合体の製造中または製造後の任意の時期に加え
ることが出来るが、特にポリエーテルグリコールが高温
に曝される時点、例えば重縮合反応に入る時点でポリエ
ーテルグリコールの酸化劣化を防止するため重縮合反応
を阻害せず、また触媒の機能を損なわない酸化防止剤を
加えることが望ましい。
【0045】これらの酸化防止剤としては燐酸、亜燐
酸、の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステ
ルや次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネー
ト、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、
ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化
合物;フェノール系誘導体特にヒンダードフェノール化
合物、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベン
ズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピ
オン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレー
ト、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用い
ることができる。
【0046】これらはこれらは単独で用いても2種以上
組み合わせて用いても構わない。これら安定剤の添加量
はポリエーテルエステルブロック共重合体100重量部
に対し、0.01〜2重量部が望ましい。通常、酸化防
止剤は一次、二次、三次老化防止剤に分けることが出来
る。特に一次老化防止剤としてのヒンダードフェノール
化合物としてはIrganox1010(商品名:チバ
ガイギー社製)、Irganox1520(商品名:チ
バガイギー社製)等が好ましい。二次老化防止剤として
の燐系化合物はPEP−36、PEP−24G、HP−
10(いずれも商品名:旭電化(株)製)Irgafo
s168(商品名:チバガイギー社製)が好ましい。さ
らに三次老化防止剤としての硫黄化合物としてはジラウ
リルチオプロピオネート(DLTP)、ジステアリルチ
オプロピオネート(DSTP)等のチオエーテル化合物
が好ましい。
【0047】また必要に応じ、同様な方法で紫外線吸収
剤・光安定剤を加えてもよい。これらの紫外線吸収剤と
してはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系化合物
等が挙げられる。光安定剤としてはヒンダードアミン化
合物のようなラジカル捕捉型光安定剤が好適に用いられ
る。
【0048】また、本発明のポリエーテルエステルブロ
ック共重合体には必要に応じて可塑剤の添加を行なって
も良い。かかる可塑剤の例としてジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチル
ベンジルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレー
ト、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステル類:
トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、
トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホ
スフェート、トリメチルヘキシルホスフェート、トリス
−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピ
ルホスフェート等の燐酸エステル類:トリメリット酸オ
クチルエステル、トリメリット酸イソデシルエステル、
トリメリット酸エステル類、ジペンタエリスリトールエ
ステル類、ジオクチルアジペート、ジメチルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルア
ゼレート、ジオクチルセバケート、ジ−2−エチルヘキ
シルセバケート、メチルアセチルリシノケート等の脂肪
酸エステル類:ピロメリット酸オクチルエステル等のピ
ロメリット酸エステル:エポキシ化大豆油、エポキシ化
アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等のエポ
キシ系可塑剤:アジピン酸エーテルエステル、ポリエー
テル等のポリエーテル系可塑剤:液状NBR、液状アク
リルゴム、液状ポリブタジエン等の液状ゴム:プロセス
オイル等を挙げることが出来る。
【0049】これら可塑剤は単独、あるいは2種以上組
み合わせて使用することが出来る。可塑剤の添加量は要
求される硬度、物性に応じて適宜選択されるが、ポリエ
ーテルエステルブロック共重合体100重量部当り1〜
50重量部が好ましい。
【0050】また、物性を損なわない範囲でカオリン、
シリカ、マイカ、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、ケイソウ
土、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫
酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブ
デン、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等の充填剤
や補強材:ステアリン酸亜鉛やステアリン酸ビスアマイ
ドのような滑剤ないしは離型剤:着色のためのカーボン
ブラック、群青、チタンホワイト、亜鉛華、べんがら、
紺青、アゾ顔料、ニトロ顔料、レーキ顔料、フタロシア
ニン顔料等の染顔料:オクタブロモジフェニル、テトラ
ブロモビスフェノールポリカーボネート等の難燃化剤:
発泡剤:エポキシ化合物やイソシアネート化合物等の増
粘剤:シリコーンオイルやシリコーン樹脂等、公知の各
種添加剤を用いることが出来る。
【0051】本発明のポリエーテルエステルブロック共
重合体は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロール、さらにこれらを組み合わせたもの等によ
り、溶融混練後、造粒することにより容易にペレットの
形態で得られる。上記ポリエーテルエステルブロック共
重合体をフィルムにする方法は、通常のプラスチックフ
ィルムの成形方法に従えば良く、例えば、多く行われて
いるT−ダイ押出機を用いる成形方法によってフラット
なフィルムを成形することができる。T−ダイ押出機の
場合、通常の単軸押出機や二軸押出機を用い、樹脂温度
を160〜220℃にてT−ダイより押出し、引き取り
ロールで冷却、延伸しながら巻き取る方法が用いられ
る。
【0052】また、フィルムの縦と横の強度バランス及
び薄膜の高速成形性(生産性の向上)の良好な、チュー
ブ状のフィルムを成形する空冷インフレーション成形法
を用いることもできる。空冷インフレーション成形法の
場合は、樹脂温度150〜200℃で、ブロー比2.0
〜5.0で行うのが望ましい。フィルムの厚さは、用途
により適宜選択されるが、通常は10〜300μm、好
ましくは20〜200μmである。
【0053】また本発明のフィルムは、上記押出しフィ
ルムを更に延伸してなる使用することもできる。該フィ
ルムの延伸は、縦一軸方向(MD)、横一軸方向 (T
D)の他、縦横二軸方向のいずれでも良い。延伸倍率は
任意であるが、いずれの方向とも通常1.5〜10倍程
度、特に好ましくは2.5〜4.5倍である。延伸は加
熱下で行っても良い。又、延伸後、延伸時の温度以上の
温度でアニーリングするのが好ましい。フィルムを延伸
することにより、特に低応力下での伸縮性、伸縮歪を向
上することができる。
【0054】更に、本発明は、伸縮性フィルムを、その
まま若しくは延伸した後スリットするか、又はスリット
した後延伸してなる弾性ひもに関する。本発明の弾性ひ
もは、上記伸縮性複合フィルムを、そのまま若しくは延
伸した後スリットするか、又はスリットした後延伸した
ものである。弾性ひもは、その幅が1〜15mm、好ま
しくは1.5〜10mm程度の細ひもであり、そのよう
な幅になるように、上記伸縮性フィルムを、そのまま又
はその延伸前若しくは延伸後にスリットする。該フィル
ムの延伸は、縦一軸方向(MD)に行われる。延伸倍率
は任意であるが、通常1.5〜10倍程度、特に望まし
くは2.5〜4.5倍程度である。延伸は加熱下で行っ
ても良い。又、延伸後、延伸時の温度よりも高い温度で
アニーリングするのが好ましい。本発明の弾性ひもは、
上記伸縮性フィルムが用いることができる上記各部材の
ひもに用いることができる。
【0055】
【実施例】以下に実施例、比較例に基づき本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。 <評価方法>はじめに実施例及び比較例において用いら
れた物性評価項目と、その評価方法について以下に説明
する。
【0056】[メルトフローレート(MFR)]ペレッ
ト約5gを、真空乾燥器にて70℃で約12時間真空乾
燥させた後、直ちに、直径2.090mm、長さ8mm
のオリフィスにより、荷重2.16kg、測定温度23
0℃のL条件でMFRを測定した。
【0057】[表面硬度]各種ポリエーテルエステルブ
ロック共重合体のペレット30gを100×100×2
mmの圧縮成型用金型に入れ、熱プレスにて200℃の
温度にて5分予熱した後、100kg/cm2Gの圧力
にて圧縮した。冷却プレスに移し、5分間冷却し、シー
トを作成した。このシートのショアD硬度を25℃で測
定した。
【0058】[フィルム物性] <製膜装置> ・押出機;プラコー社製 40mm径(L/D=25) ・押出し温度;180−200−220−220(ホッ
パー側からダイ) ・ダイ;300mm巾、T−ダイ ・引取速度;6m/分
【0059】<フィルムの物性の測定方法> 50、100%伸長時強度:JIS L1096に準拠
し、下記の機器及び条件で測定した。 ・使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) ・試料フィルムサイズ:25mm×150mm ・チャック間隔:100mm ・引張速度:300mm/分 ・測定雰囲気:23℃,50%RH 破断時強度及び伸度:JIS L1096に準拠し、チ
ャック間隔が50mmの機器を用いた以外は伸張時強度
の方法と同条件で測定した。 永久伸び:JIS K6301に準じ、上記フィルムを
23℃,50%RHにて100%伸張し1時間放置した
後の永久伸びを測定した。
【0060】[ポリエーテルエステルブロック共重合
体]ポリエーテルエステルブロック共重合体のソフトセ
グメントに用いるポリオキシアルキレングリコールとし
ては、以下に示す二種類を使用した。 (a)ネオペンチルグリコール共重合ポリ(テトラメチ
レンオキシ)グリコール(TとNとの共重合体で両末端
がアルコール性水酸基であるもの):旭化成工業(株)
製、Mn=1480、Mv/Mn=1.73、N含率=
18.3モル% (b)ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール:保土
ヶ谷化学(株)製、PTG−1,800、Mn=182
8、Mv/Mn=2.11
【0061】実施例1 15リットルの三菱重工業(株)製円錐型リアクター
(VCR)に、ジメチルテレフタレート(三菱化成
(株)製、以下同じ)1520g、1,4−ブタンジオ
ール(和光純薬(株)製、試薬特級、以下同じ)106
0g、前記(a)のポリオキシアルキレングリコールを
3200g、イルガノックス1010(チバガイギー社
製)15gを仕込み、窒素置換後、窒素雰囲気下で20
0℃まで昇温した。ついでテトライソプロポキシチタネ
ート(東京化成製試薬1級、以下同じ)を1.5g添加
した。そして、200℃に30分間保持した後に230
℃まで昇温し、回転数150rpmで撹拌しながら2時
間かけてエステル交換反応を行った。留出してきたメタ
ノール量は理論量の94%であった。ついで温度を25
0℃にし、回転数50rpmで撹拌しながら30分かけ
て0.5mmHgまで減圧し、その後約3時間かけて、
トルク上昇が起こらなくなるまで縮合反応を行った。
【0062】リアクターの内容物を下部より抜きだした
ところ、ポリエーテルエステルブロック共重合体が透明
な粘調重合体として得られた。ポリエーテルエステルブ
ロック共重合体100重量部に対し、Irganox1
010を0.1重量部、ジラウリルチオプロピオネート
(DLTP、吉富製薬(株)製)を0.15重量部、及
びTINUVIN327(チバガイギー社製)を0.1
重量部を加え、210℃の温度にて押出機ストランドカ
ッティングすることでペレット化し、70℃で12時間
真空乾燥した。このポリエーテルエステルブロック共重
合体のショアD硬さは32、MFRは23g/10分で
あった。このペレットを用い、前記方法にてフィルムを
作り、物性測定を行った。評価一覧を表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】実施例2 実施例1で、仕込のジメチルテレフタレート2070
g、1,4−ブタンジオール1440g、前記(a)の
ポリオキシアルキレングリコールを2750g仕込んだ
以外は同様にして、エステル交換反応と縮合反応を行っ
た。添加剤の種類及び調合比率も同様に行った。得られ
たポリエーテルエステルブロック共重合体のショアD硬
度は40、MFRは21g/10分であった。得られた
ポリエーテルエステルブロック共重合体ペレットを実施
例1と同様にフィルムにして物性を測定した。結果一覧
を表1に示した。
【0065】実施例3 実施例1で仕込のジメチルテレフタレート2490g、
1,4−ブタンジオール1730g、前記(a)のポリ
オキシアルキレングリコールを2050gとした以外は
同様に、エステル交換反応と縮合反応を行った。添加剤
の種類及び調合比率も同様に行った。得られたポリエー
テルエステルブロック共重合体のショアD硬度で56、
MFRは21g/10分であった。得られたポリエーテ
ルエステルブロック共重合体ペレットを実施例1と同様
にフィルムにして物性を測定した。結果一覧を表1に示
した。
【0066】比較例1 実施例1で仕込の前記(a)のポリオキシアルキレング
リコールの代わりに前記(b)のポリオキシアルキレン
グリコールを2500gとした以外は同様に、エステル
交換反応と縮合反応を行った。添加剤の種類及び調合比
率も同様に行った。得られたポリエーテルエステルブロ
ック共重合体のショアD硬度で45、MFRは22g/
10分であった。得られたポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体ペレットを実施例1と同様にフィルムを作成
し物性を測定した。結果一覧を表2に示した。
【0067】比較例2 東洋紡績社製のポリエーテルエステルブロック共重合体
であるペルプレン(登録商標)P−150U(ソフトセ
グメント:ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール)
を用い、実施例1と同様の方法にてフィルムを作成し、
物性を測定した。結果一覧を表2に示した。
【0068】比較例3 GE(ゼネラルエレクトリック)社製のポリエーテルエ
ステルブロック共重合体であるLOMOD(登録商標)B
0320(ソフトセグメント:ポリ(プロピレンオキ
シ)グリコールジイミドジ酸)を用い、実施例1と同様
の方法にてフィルムを作成し、物性を測定した。結果一
覧を表2に示した。
【0069】
【表2】
【0070】実施例4 実施例1で得られた弾性フィルムをレザー刃で25mm
幅にスリット加工した後、熱板延伸機(萩原工業(株)
製、MD600SH)を用いて、第1の熱板にてフィル
ム押出し方向(以下MD方向)に95℃の温度にて4.
0倍に延伸し、次いで第2の熱板にて115℃の温度に
て1時間アニール処理を行い試料フィルムを得た。得ら
れた試料フィルムの物性を実施例1と同様にして測定
し、それらの結果を表3に示した。
【0071】実施例5 実施例1で用いたポリエーテルエステルブロック共重合
体を用い、実施例1と同様にして弾性フィルムを得た
(但しフィルム厚み約200μm)。このフィルムを用
い、第1の熱板にてMD方向に95℃の温度にて3.2
倍に延伸した。次いで、この延伸フィルムを幅3.5m
mにスリットし、第2の熱板にて115℃にて1時間ア
ニール処理を行って元の状態に戻して細ひもを得た。得
られた細ひもの物性を実施例1と同様にして測定し、そ
れらの結果を表3に示した。
【0072】
【表3】
【0073】比較例4 比較例1で用いたポリエーテルエステルブロック共重合
体を用いた以外は、実施例4と同様に延伸フィルムを得
た。得られた試料フィルムの物性を実施例1と同様にし
て測定し、それらの結果を表4に示した。
【0074】比較例5 比較例1で用いたポリエーテルエステルブロック共重合
体を用いた以外は、実施例5と同様にして細ひも得た。
得られた細ひもの物性を実施例1と同様にして測定し、
それらの結果を表4に示した。
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】本発明の弾性フィルム、弾性ひも、およ
び弾性糸は、衛生用品、例えば使い捨ておむつ等のギャ
ザーやギャザー付きナプキン等、伸縮性湿布材用基材、
衣料用等の部材に要求される物性を保持しているのでこ
れらの用途に好適に使用することができる。これ以外に
生活用品、例えばスリッパ、サンダル等の滑り止め材、
指パッチ材、テープ等にも使用できる。さらに、ブロッ
キング度が小さいことから、製品を一定の環境下で長期
間保管することができる。本発明のフィルムはリサイク
ルが可能であり、また有害物質を発生せずに焼却するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(a)、 (b)及び(c)成分と
    を共重合してなるポリエーテルエステルブロック共重合
    体からなる伸縮性フィルム。 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び
    /又はそのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成
    分 (b)短鎖ジオール成分が脂肪族ジオール及び/又はそ
    のエステル形成性誘導体である短鎖ジオール成分 (c)長鎖ジオール成分が下式(1)に示すネオペンチ
    レンオキシド構造単位(以下Nと略す)と下式(2)に
    示すテトラメチレンオキシド構造単位(以下Tと略す)
    よりなり、Nの比率が5〜50モル%であるポリエーテ
    ルであって、両末端がアルコール性水酸基であり、数平
    均分子量が400〜6,000であるポリエーテルグリ
    コール 【化1】 【化2】 T: −CH2CH2CH2CH2O− (2)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の伸縮性フィルムを延伸
    してなる伸縮性フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の伸縮性フィルムを、そ
    のまま若しくは延伸した後スリットするか、又はスリッ
    トした後延伸してなる弾性ひも。
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