JP3117806B2 - ポリエーテルエステルエラストマーの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルエステルエラストマーの製造方法

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JP3117806B2
JP3117806B2 JP04238706A JP23870692A JP3117806B2 JP 3117806 B2 JP3117806 B2 JP 3117806B2 JP 04238706 A JP04238706 A JP 04238706A JP 23870692 A JP23870692 A JP 23870692A JP 3117806 B2 JP3117806 B2 JP 3117806B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温特性、耐屈曲性、耐
摩耗性及び弾性回復性の優れたゴム状弾性を有する新規
なポリエステルエラストマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】主としてポリブチレンテレフタレートを
ハードセグメントとし、ポリエーテルグリコールをソフ
トセグメントとしてなるポリエーテルエステルブロック
共重合体は、ゴム状弾性を有するポリエステルエラスト
マーとして、電気・電子部品、自動車部品、繊維、フィ
ルム等に用途を拡大しつつあり、熱可塑性エラストマー
の中でも市場の伸びも大きい。
【0003】通常、ポリエステルエラストマーのソフト
セグメントとしてポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ
ールが広く使用されているが、その分子量や分子量分布
によってポリエステルエラストマー中のポリ(テトラメ
チレンオキシ)グリコール成分がその線状構造に由来し
て低温度領域において結晶化を起こし、使用条件によっ
ては低温特性、耐屈曲摩耗性及び弾性回復性等の物性が
不十分となる。
【0004】このような問題を解決する為に、原料のポ
リ(テトラメチレンオキシ)グリコールの分子量分布
(Mv/Mn)を狭く(Mv/Mn≦1.60)し、数
平均分子量(Mn)を比較的小さくする試みがなされて
いる(特公平3−40732号公報)。ここで、分子量
分布(Mv/Mn)は、末端水酸基価より求めた数平均
分子量(Mn)の、式Mv=antilog(0.493l
ogη+3.0646)で規定される粘度平均分子量
(Mv)に対する比で示される値である。但し、ηは4
0゜Cの温度における溶融粘度をポアズで示したもので
ある。
【0005】また、ポリエーテルグリコールの結晶性を
防ぐ目的で、側鎖にアルキル基のついたもの、例えばポ
リ(2−メチル−1,3−プロピレンオキシ)グリコー
ルをソフトセグメントとして使用する発明等(特公平3
−80170号公報)が公知である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ
(テトラメチレンオキシ)グリコールの分子量分布(M
v/Mn)を狭くしても、使用できるポリ(テトラメチ
レンオキシ)グリコールの数平均分子量(Mn)は限ら
れており、特に融点を高く設定したいときは、耐熱性と
低温特性、耐屈曲摩耗性及び弾性回復性等との物性バラ
ンスに劣る欠点を有する。
【0007】また、ソフトセグメントとして側鎖にアル
キル基のついたポリエーテルグリコールを使用する場合
には、比較的多量の側鎖にアルキル基のついたポリオキ
シアルキレンユニットを有さないと効果が発現しないこ
とや、原料の環状エーテル(例えばメチルテトラヒドロ
フラン、メチルオキセタン)が高価であることなどか
ら、この方法は工業的には殆ど利用されていないのが現
状である。
【0008】本発明はこのような不具合を解決するため
のものであり、ソフトセグメント成分となるポリエーテ
ルグリコールを適切に選定することにより、低温特性、
耐屈曲性、耐摩耗性及び弾性回復性の優れたゴム状弾性
を有する新規なポリエーテルエステルエラストマーの製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の方法は、芳香族ジカルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体からなるジカルボン酸成分と、脂肪
族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体からなる短
鎖ジオール成分と、ポリエーテルグリコールからなる長
鎖ジオール成分とを共重合してなるポリエーテルエステ
ルエラストマーの製造方法において、前記長鎖ジオール
成分として、下記〔化4〕式で表される数平均分子量4
00〜6000のポリエーテルグリコールと、数平均分
子量400〜6000のポリ(テトラメチレンオキシ)
グリコールとの混合物を用い、この混合物における前記
ポリエーテルグリコールの割合を10〜90重量パーセ
ントとしたことを特徴とする。
【0010】
【化4】
【0011】(但し、aは0以上の整数、bは0より大
きい整数であって、b/(a+b)=0.05〜1を満
たす数字、nはa、bとの相関により数平均分子量40
0〜6000を達成し得る数を表す。)前記長鎖ジオー
ル成分として使用する混合物におけるポリエーテルグリ
コールが、前記〔化4〕式におけるネオペンチレンオキ
シド構造単位(下記〔化5〕式)をNとし、テトラメチ
レンオキシド構造単位(下記〔化6〕式)をTとしたと
きに、前記ポリエーテルグリコールは、このポリエーテ
ルグリコールの末端にないNについては、Nを挟んで隣
接する構造単位が必ずTであり、Nが末端にある場合に
は、末端にあってアルコール性水酸基に結合されている
Nについては、アルコール性水酸基の反対側でNに隣接
する構造単位が必ずTである構造を有し、かつb/(a
+b)=0.05〜0.5であると好適である。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】本発明において使用できる芳香族ジカルボ
ン酸及びそのエステル形成性誘導体としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−
ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジ
フェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸及びこれらの
エステル形成性誘導体等が挙げられる。
【0015】また、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ド
デカンジ酸、ダイマー酸等の脂環式、脂肪族のジカルボ
ン酸及びこれらのエステル形成性誘導体を用いてもよ
い。これらは、単独、もしくは2種以上組み合わせて使
用しても構わない。好適にはテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸が用いられる。
【0016】本発明において使用できる短鎖ジオール成
分としては、通常、分子量が300以下の脂肪族ジオー
ル及びそのエステル形成性誘導体が用いられる。例えば
エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、
1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
デカメチレングリコール及びこれらのエステル形成性誘
導体が挙げられる。
【0017】また、1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ
デカンジメタノール等の脂環式ジオール及びこれらのエ
ステル形成性誘導体、キシリレングリコール、ビス(p
−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4(2−ヒドロ
キシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン等、及
びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0018】好適には、エチレングリコール、1,4−
ブタンジオール及びこれらのエステル形成性誘導体が挙
げられる。上記の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエス
テル形成性誘導体と、脂肪族ジオール及びこれらのエス
テル形成性誘導体との組合せにより、ポリエステルエラ
ストマーのハードセグメント即ち短鎖ポリエステルが構
成される。芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル形
成性誘導体と脂肪族ジオール及びこれらのエステル形成
性誘導体との仕込みのモル比は1:1.2〜1:2.
5、好ましくは1:1.5〜1:2.2である。
【0019】好ましい組合せは、テレフタル酸またはテ
レフタル酸ジエステルと、エチレングリコールまたは
1,4−ブタンジオールとの組合せ(すなわち、ポリエ
チレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレー
ト)である。そして、ポリブチレンテレフタレートをハ
ードセグメントに使用することがより好ましい。この理
由は、ポリブチレンテレフタレートは結晶化速度が大き
く成型性が優れること、ポリエーテルエステルエラスト
マーとしてもゴム弾性、機械的性質、耐熱性、耐化学薬
品性等の物性バランスがよく備わっていること等によ
る。
【0020】この組合せに、他のジカルボン酸及びその
エステル形成性誘導体を15モルパーセント以内、また
は他のジオール及びそのエステル形成性誘導体を15モ
ルパーセント以内加えて使用することもできる。本発明
の方法では、長鎖ジオール成分として、数平均分子量が
400〜6000であって、下記〔化7〕式で表される
ポリエーテルグリコールと、ポリ(テトラメチレンオキ
シ)グリコールとの混合物を用いる。そして、この混合
物が、得られるポリエーテルエステルエラストマーのソ
フトセグメントを構成する。
【0021】
【化7】
【0022】(但し、aは0以上の整数、bは0より大
きい整数であって、b/(a+b)=0.05〜1を満
たす数字、nはa、bとの相関により分子量400〜6
000を達成し得る数を表す。)このようなポリエーテ
ルグリコールは、3,3−ジメチルオキセタン(3,3
−DMO)の単独カチオン重合、3,3−DMOとネオ
ペンチルグリコール(NPG)とのカチオン共重合、
3,3−DMOとテトラヒドロフラン(THF)のカチ
オン共重合、3,3−DMOとNPGとTHFのカチオ
ン三元共重合またはネオペンチルグリコールとテトラヒ
ドロフランを原料として、アルコール性水酸基の存在下
で活性を示す触媒の存在下、純テトラメチレングリコー
ルの解重合が進行する反応条件下において製造すること
が出来る。
【0023】また、本発明の方法では、前記混合物を構
成するポリエーテルグリコールとして、前記〔化7〕式
におけるネオペンチレンオキシド構造単位(下記〔化
8〕式)をNとし、テトラメチレンオキシド構造単位
(下記〔化9〕式)をTとしたときに、前記ポリエーテ
ルグリコールは、このポリエーテルグリコールの末端に
ないNについては、Nを挟んで隣接する構造単位が必ず
Tであり、Nが末端にある場合には、末端にあってアル
コール性水酸基に結合されているNについては、アルコ
ール性水酸基の反対側でNに隣接する構造単位が必ずT
である構造を有し、かつb/(a+b)=0.05〜
0.5であるものが好適である。
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】このようなポリエーテルグリコールでは、
b/(a+b)の値は必ず0.5以下になる。〔化1〕
式のb/(a+b)が0.05未満、即ちこのポリエー
テルグリコール中のNが5モルパーセントに満たない共
重合組成では、これをポリエステルエラストマーにした
場合に満足な物性が得られない為好ましくない。
【0027】ポリエーテルエステルエラストマーにおけ
る長鎖ポリエステル、即ちソフトセグメントの含量が比
較的少ない場合(10〜50wtパーセント)には、b
/(a+b)の値が0.15〜0.5とポリエーテルグ
リコール中のNの含量が多い(15〜50molパーセ
ント)ことが性能発現上好ましい。一方、ソフトセグメ
ントの含量が比較的多い(50〜90wtパーセント)
場合には、b/(a+b)の値が0.05〜0.15と
ポリエーテルグリコール中のNの含量が少なくても(5
〜15molパーセント)、低温性能等の物性を十分良
好にすることができる。特に好ましいNの割合は、10
〜50molパーセントである。
【0028】本発明に用いられる好ましいポリエーテル
グリコールは、アルコール性水酸基の存在化で活性を示
す触媒の存在下、多量のネオペンチルグリコールを仕込
み、純テトラメチレングリコールの解重合が進む高い温
度と、低いTHF濃度即ち高いポリマー濃度とからなる
反応条件で製造される。アルコール性水酸基の存在下で
活性を示す触媒としては、特開昭60−20366号公
報にヘテロポリ酸が、特開昭61−120830号公報
にヘテロポリ酸の塩が記述されているがこれらを用いる
ことができる。この際、触媒に対する水またはジオール
のモル比が10以下であるという要件は、本発明のポリ
エーテルグリコールを与える反応条件では不要である。
【0029】なお、アルコール性水酸基の存在下で活性
を示す触媒は、特にヘテロポリ酸に限定されるものでは
なく、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸なども
用いられる。本発明に使用される好ましいポリエーテル
グリコールは、前述の特殊な反応条件によって与えられ
る。すなわち、ネオペンチルグリコールの共重合比率を
高めることができるのは、触媒に対するジオールのモル
比が30であっても重合を進めることが出来るので、多
量のネオペンチルグリコールを仕込むことが出来ること
による。また、純ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ
ールの解重合条件で重合を進める為に、THFのみが連
なるポリマー分子鎖の形成が抑制される。
【0030】このようなポリエーテルグリコールにおい
て、ネオペンチルグリコールの共重合比率が50mol
パーセント以下であること、すなわち、NとNが直接連
結される構造が無いことは13C−NMRの解析から証明
できる。その他、この本発明に使用される好ましいポリ
エーテルグリコールに関しては特願平3−38582号
に詳しく記述されている。
【0031】本発明に使用されるポリエーテルグリコー
ルとしては、数平均分子量が400〜6000のものが
使用される。この数平均分子量はGPC法等の種々の方
法によって測定されるが、通常は末端を無水酢酸でアセ
チル化させ、未反応の無水酢酸を酢酸に分解後、アルカ
リで逆滴定(末端基滴定法)することにより水酸基価を
求め、その値から求めることが出来る。
【0032】この数平均分子量が400未満になると、
重合する最終ポリエーテルエステルのハード/ソフト比
にもよるが、通常は短鎖ポリエステル(ハードセグメン
ト)の平均連鎖長が小さくなり、融点降下が激しくなっ
て耐熱性に劣るため、ポリエステルエラストマーとして
そのまま材料に使用する場合には好ましくない。また、
数平均分子量が6000を越えると、単位重量当りのポ
リエーテルグリコール中の末端基濃度が低くなり、重合
しにくくなるので好ましくない。この重合しやすさと融
点のバランスを考慮すると、数平均分子量は800〜4
000が好ましく、1000〜2500がさらに好まし
い。
【0033】本発明のポリエーテルエステルエラストマ
ー全体に占める全ポリエーテルグリコールユニット(ソ
フトセグメント)の量は10〜90重量パーセントであ
り、この値はポリエーテルエステルエラストマーを用い
た目的とする最終成型品の要求物性による。この場合の
ポリエーテルグリコールユニットの量とは、ソフトセグ
メントの重量比のことであって、仕込のポリエーテルグ
リコールの全モノマー中に占める重量比のことではな
い。
【0034】一般に、ポリエーテルエステルエラストマ
ーのハードセグメントは短鎖エステルであり、ソフトセ
グメントは長鎖エステルからなるが、ポリエーテル部分
の末端はジカルボン酸成分とエステル結合にて連結し、
ハードセグメントと連なっている。ここでは、ポリエー
テル部分の片末端のエステル結合を構成するユニットも
含めたものを便宜上ソフトセグメントとした。
【0035】即ち、通常良く知られているポリエーテル
エステルエラストマー〔ハードセグメント:ポリブチレ
ンテレフタレート、ソフトセグメント:ポリ(テトラメ
チレンオキシ)グリコール〕を例にとれば、ハードセグ
メントおよびソフトセグメントは、以下に示す〔化1
0〕式、〔化11〕式でそれぞれ定義される。ハードセ
グメント:
【0036】
【化10】
【0037】ソフトセグメント:
【0038】
【化11】
【0039】このハード/ソフトセグメントの比率は 1
H−NMRにて正確に定量することが可能である。ソフ
トセグメントの量が10重量パーセントより小さいと軟
質性に劣り、エラストマーとしての満足のいく物性は期
待できない。また、この量が90重量パーセントを越え
ると軟質性は相当付与されるが、同時にハードセグメン
トの平均連鎖長が短くなり、物理的架橋点であるハード
ブロックが外力に対して抵抗できずに機械強度が著しく
低下して、もはやエラストマー材料としては用途がなく
なってしまう。また、融点も相当低下するため耐熱性に
も劣り、好ましくない。より好ましいソフトセグメント
の量は25〜75重量パーセントである。
【0040】本発明により得られたポリエーテルエステ
ルエラストマーがさらに他のポリエステル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等の改質剤として使用
される場合は、50重量パーセント以上のソフトセグメ
ント成分が含まれるポリエーテルエステルエラストマー
を使用することが出来る。このようなポリエーテルエス
テルエラストマーは、以下に示す公知の方法で製造でき
る。
【0041】例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジ
エステル、過剰量の低分子量グリコールおよびポリエー
テルグリコール(前述の〔化7〕式のものとポリ(テト
ラメチレンオキシ)グリコールとの混合物)を触媒の存
在下エステル交換反応させ、続いて得られる反応生成物
を減圧下重縮合する方法、あるいはジカルボン酸とグリ
コール及びポリエーテルグリコールを触媒の存在下エス
テル化反応させ、ついで得られる生成物を重縮合する方
法、また予め短鎖ポリエステル(例えばポリブチレンテ
レフタレート)を作っておき、これに他のジカルボン酸
やジオールもしくはポリエーテルグリコールを加えた
り、もしくは他の共重合ポリエステルを添加してエステ
ル交換によりランダム化させる方法など、何れの方法を
とっても良い。
【0042】エステル交換反応またはエステル化反応と
重縮合反応に共通の触媒として、テトラ(イソプロポキ
シ)チタネート、テトラ(n−ブトキシ)チタネートに
代表されるテトラアルキルチタネート、これらテトラア
ルキルチタネートとアルキレングリコールとの反応生成
物、テトラアルキルチタネートの部分加水分解物、チタ
ニウムヘキサアルコキサイドの金属塩、チタニウムヘキ
サアルコキサイドの金属塩、チタンのカルボン酸塩、チ
タニル化合物等のTi系触媒が好ましい他、モノn−ブ
チルモノヒドロキシスズオキサイド、モノn−ブチルス
ズトリアセテート、モノn−ブチルスズモノオクチレー
ト、モノn−ブチルスズモノアセテート等のモノアルキ
ルスズ化合物、ジn−ブチルスズオキサイド、ジn−ブ
チルスズジアセテート、ジフェニルスズオキサイド、ジ
フェニルスズジアセテート、ジn−ブチルスズジオクチ
レート等のジアルキル(またはジアリール)スズ化合物
等が挙げられる。この他Mg、Pb、Zr、Zn等の金
属または金属酸化物触媒が有用である。これらの触媒は
単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用しても良
い。
【0043】エステル化あるいは重縮合触媒の添加量は
生成ポリマーに対して0.005〜0.5重量パーセン
トが好ましく、特に0.03〜0.2重量パーセントが
好ましい。これら触媒はエステル交換またはエステル化
反応開始時に添加した後、重縮合反応時に再び添加して
もしなくても良い。また、ジカルボン酸やグリコールの
一部としてポリカルボン酸や他官能ヒドロキシ化合物、
オキシ酸等が共重合されていても良い。他官能成分は高
粘度化成分として有効に作用し、その共重合し得る範囲
は3モルパーセント以下である。
【0044】かかる他官能成分として用いることが出来
るものにはトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ブタンテトラ
カルボン酸、グリセリン、ペンタエリスリトールおよび
それらのエステル、酸無水物等を挙げることができる。
このようにして重合したポリエーテルエステルエラスト
マーの分子量は、一般には相対溶液粘度(ηrel )や固
有粘度([η])にて表現される。本発明におけるポリ
エーテルエステルエラストマー0.5gを、o−クロロ
フェノール100mlに溶解し、キャノン・フェンスケ
粘度計を用いて25゜Cにて測定した相対溶液粘度(η
rel )にて評価したところ、ηrel が1.4から2.5
の範囲であると、ポリエーテルエステルエラストマーの
物性に良い影響を与えることが分かっている。
【0045】ηrel が1.4未満であると、分子量が十
分上がっていないため機械物性が弱く、またリアクター
より払い出す際にストランドの強度が弱くてペレット化
するのが困難であって好ましくない。また、ηrel
2.5を越えると、溶融粘度が上がりすぎて、リアクタ
ーから払い出しが出来にくくなるために好ましくない。
機械物性とリアクターからの払い出しとのバランスを考
慮すれば、より好ましいηrel は1.5〜2.3であ
る。
【0046】また、酸化防止剤をポリエーテルエステル
エラストマーの製造中または製造後の任意の時期に加え
ることが出来るが、特にポリエーテルグリコールが高温
に曝される時点、例えば重縮合反応に入る時点でポリエ
ーテルグリコールの酸化劣化を防止する為重縮合反応を
阻害せず、また触媒の機能を損なわない酸化防止剤を加
えることが望ましい。
【0047】これらの酸化防止剤としては燐酸、亜燐酸
の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステル
や、次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネー
ト、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、
ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化
合物、フェノール系誘導体特にヒンダードフェノール化
合物、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベン
ズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピ
オン酸エステル等のイオウを含む化合物、スズマレー
ト、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用い
ることができる。これらは単独で用いても2種以上組み
合わせて用いても構わない。
【0048】これら安定剤の添加量は、ポリエーテルエ
ステルエラストマー100重量部に対し、0.01〜2
重量部であることが望ましい。また、必要に応じて本発
明におけるポリエーテルグリコールを、それ以外のポリ
エーテルグリコールで一部置換しても良い。かかる置換
に用いられるポリエーテルグリコールとしてポリ(エチ
レンオキシ)グリコール、ポリ(プロピレンオキシ)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール、
ポリ(1,2−プロピレンオキシ)グリコール、エチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドのブロック又はランダ
ム共重合体、エチレンオキシドとTHFのブロック又は
ランダム共重合体、ポリ(2−メチル−1,3−プロピ
レンオキシ)グリコール、ポリ(プロピレンオキシ)ジ
イミドジ酸等が挙げられる。
【0049】これら置換のポリエーテルグリコールは、
本発明におけるポリエーテルグリコールの90重量パー
セント以下の範囲で用いられる。この値が90重量パー
セントを越えると本発明に用いられるポリエーテルグリ
コール中のネオペンチルオキシドユニットの含量にもよ
るが一般的に低温性能等の物性に満足な結果が得られな
い場合があるので好ましくない。これら置換に用いられ
るポリエーテルグリコールの好ましい数平均分子量は4
00〜6000であり、特に1000〜3000が好適
である。好ましい置換ポリエーテルグリコールとしては
ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールが挙げられ
る。
【0050】ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール
を置換に用いた場合、数平均分子量(Mn)が1800
を越えると、分子量分布(前述のMv/Mn)によって
は結晶化が起こって低温性能に好ましくない結果を与え
る場合がある。ここでは、このMv/Mn値が1.6以
下である、分子量分布の狭いものを用いることが好まし
い。特に好ましくは1.5以下である。
【0051】最終的には、得られたポリエーテルエステ
ルエラストマーに対し、必要に応じて更に酸化防止剤、
カオリン、シリカ、マイカ、二酸化チタン、アルミナ、
ガラス繊維、炭素繊維等の充填剤や補強材、ステアリン
酸亜鉛やステアリン酸ビスアマイドのような滑剤ないし
は離型剤、着色の為の染顔料、オクタブロモジフェニ
ル、テトラブロモビスフェノールポリカーボネート等の
難燃化剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収
剤、発泡剤、エポキシ化合物やイソシアネート化合物等
の増粘剤、シリコーンオイルやシリコーン樹脂等、公知
の各種添加剤を用いることが出来る。
【0052】
【作用】本発明の方法では、長鎖ジオール成分としてポ
リ(テトラメチレンオキシ)グリコールに前述の〔化
4〕式で表されるポリエーテルグリコールを加えること
により、得られたポリエーテルエステルエラストマー
は、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールの線状構
造に基づく結晶化が、ネオペンチレンオキシドユニット
がランダムに入ることで阻害されるため、ソフトセグメ
ントのガラス転移温度以上でソフトセグメントの分子運
動性が活発になることにより、特に低温性能において優
れたものとなる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。はじ
めに、ホモポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールと
ホモポリ(ネオペンチレンオキシ)グリコールとについ
1H−NMR、13C−NMRを測定し、その結果を参
考にして、本発明に使用される長鎖ジオール成分の混合
物を構成するポリエーテルグリコールについて、Nの連
鎖分布を調べる。この時の試料の調製方法と解析結果と
を、参考例1及び参考例2として以下に詳しく説明す
る。なお、NMRの測定条件は、下記の表1に示したと
おりである。
【0054】
【表1】
【0055】(参考例1)攪拌機及び還流コンデンサー
を取り付けた500cc3つ口フラスコを60゜Cの湯
浴にセットし、これに200gのテトラヒドロフラン
(THF)と300gの燐タングステン酸6水和物を仕
込み、6時間攪拌を続けた後攪拌を止めて静置した。二
層に分離した上層を取り出し、これに1gの消石灰を加
え、ろ過した後、含まれるTHFを減圧留去し、ポリ
(テトラメチレンオキシ)グリコールを得た。
【0056】得られたポリ(テトラメチレンオキシ)グ
リコールの 1H−NMRスペクトルを図1に示し、シグ
ナルa〜dを帰属した結果を下記の〔化12〕式に示
す。
【0057】
【化12】
【0058】同様に13C−NMRスペクトルを図2に示
し、シグナルa〜fを帰属した結果を下記の〔化13〕
式に示す。
【0059】
【化13】
【0060】この結果、ホモポリ(テトラメチレンオキ
シ)グリコールの主鎖と末端基の 1H及び13C−NMR
スペクトルのケミカルシフトが確認された。 (参考例2)攪拌機及び還流コンデンサーを取り付けた
100cc3つ口フラスコを20゜Cの水浴にセット
し、これに20gのネオペンチルグリコールと20gの
3,3−ジメチルオキセタンを仕込んだ。これに、攪拌
しつつ0.1gの燐タングステン酸6水和物を加える。
しばらくすると急激な反応がみられ、おさまる。これに
1gの炭酸ナトリウムを加え、ろ過してポリ(ネオペン
チレンオキシ)グリコールオリゴマーを得た。
【0061】得られたポリ(ネオペンチレンオキシ)グ
リコールオリゴマーの 1H−NMRスペクトルを図3に
示し、シグナルa〜gを帰属した結果を下記の〔化1
4〕式に示す。
【0062】
【化14】
【0063】同様に13C−NMRスペクトルを図4に示
し、シグナルa〜hを帰属した結果を下記の〔化15〕
式に示す。
【0064】
【化15】
【0065】この結果、ホモポリ(ネオペンチレンオキ
シ)グリコールの主鎖と、末端基の 1H及び13C−NM
Rスペクトルのケミカルシフトが確認された。そして、
本発明における長鎖ジオール成分として好適なポリエー
テルグリコール二種類を以下のようにして製造し、これ
らが実質的にNN連鎖を含まないことを前記参考例1,
2のNMRの帰属から確認する(製造例1,2)。
【0066】ここで、前記ポリエーテルグリコールにお
ける、〔化2〕式で表されるネオペンチレンオキシド構
造単位(N)と、〔化3〕式で表されるテトラメチレン
オキシド構造単位(T)との比率は、該ポリエーテルグ
リコールを重クロロホルム溶液にし、 1H−NMR(4
00MHz)(日本電子製GX−400 FT−NM
R)にて測定した。また、NとTの連鎖分布を調べるの
1H−NMRと同じ溶媒を用いて、同装置にて13C−
NMR測定を行った。測定条件は前述の表1と同じであ
る。
【0067】(製造例1)分留塔、コンデンサー、還流
バルブ等一式よりなる分留装置とアンカー羽根を有する
電磁攪拌機とTHF供給口を備えたステンレス板の蓋
と、熱媒の循環するジャケット付きの10リットルステ
ンレス釜が組合わされた反応器に1200gのネオペン
チルグリコールと1000gのTHFを仕込み、攪拌し
均一に溶解してからも攪拌しつつ3000gの燐タング
ステン酸6水和物を仕込む。
【0068】循環する熱媒の温度を95゜C一定とし、
反応液の温度が85゜Cに達した時を反応開始時間と
し、以降THFの供給により反応液の温度を85゜Cに
コントロールする。反応開始20分後、分留登頂温度を
約63゜Cに設定し、含水THFを留出し始める。この
まま10時間反応を続行すると、反応の途中から触媒層
が分離し始め、触媒層は液滴の分散状態に変化して粘度
が増していく。反応終了時、攪拌を止め、15分経過
後、上の液層3180gを取り出す。約2000ccの
触媒層が残る。
【0069】取り出した液層3180gを分析した結
果、ポリマー70wt%、触媒を灰分として0.3wt
%含んでいた。ポリマー、即ちネオペンチルグリコール
共重合のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールの水
酸基価を定量し、これより数平均分子量を求めると18
73であり、 1H−NMRより求めたネオペンチレンオ
キシド構造単位(N)の共重合比率は38モル%であっ
た。
【0070】得られたポリマーの 1H−NMRスペクト
ルを図5に示し、参考例1,2を参考にして、シグナル
a〜iを帰属した結果を下記の〔化16〕式に示す。
【0071】
【化16】
【0072】図5に示すように、このポリマーでは、N
のOCH2 基のシグナルeが、参考例2のホモポリ(ネ
オペンチレンオキシ)グリコールの3.11ppm(図
3のシグナルc)に対して3.14ppmと僅かに低磁
場側に観測されており、N連鎖によるケミカルシフトと
異なることがわかった。更に、このものの13C−NMR
スペクトルを図6に示し、参考例1,2を参考にして、
シグナルa〜lを帰属した結果を下記の〔化17〕式に
示す。
【0073】
【化17】
【0074】図6に示すように、このポリマーでは、N
のOCH2 基のシグナルkには多重線が認められず、ま
たそのケミカルシフトは77.19ppmで、参考例2
のホモポリ(ネオペンチレンオキシ)グリコールのN連
鎖に由来するシグナルf(77.87ppm)と明らか
に異なっている。これらの情報を明確にする為、図6の
スペクトルを拡大したグラフにより解析した。主鎖のN
に関連するシグナルの13C−NMRスペクトル拡大図を
図7に示す。NのCH3 基がb、 >C< 基がf1、OC
2 基がk1に帰属される。
【0075】これらの情報から、Nに関連する連鎖分布
をトリアッド構造で解析した結果について以下に述べ
る。
【0076】
【化18】
【0077】参考例2のホモポリ(ネオペンチレンオキ
シ)グリコールの解析結果から、上記の〔化18〕式に
相当する〜NNN〜があれば、図4に示すようにb=2
2.56ppm(CH3 基)、d=37.09ppm
( >C< 基)、f=77.87ppm(−CH2 −基)
にシグナルが観察されるが、図7にはこのケミカルシフ
トは観測されず、このポリマー(製造例1で得られたポ
リエーテルグリコール)には〜NNN〜結合が無いこと
がわかる。
【0078】
【化19】
【0079】また、上記の〔化19〕式に相当する〜N
NT〜があれば、Nユニットの2個のOCH2 基はN側
とT側で非等価となり、OCH2 基に基づく同じ大きさ
のシグナルが2本観測されるはずである。しかし、図7
におけるOCH2 基に基づくシグナルk1は単一であ
り、このポリマー(製造例1で得られたポリエーテルグ
リコール)には〜NNT〜の存在が否定される。
【0080】したがって、図7の各シグナル(b:2
2.49ppm、f1:36.57ppm、k1:7
7.19ppm)は下記の〔化20〕式のように帰属さ
れる。
【0081】
【化20】
【0082】以上の結果から、製造例1で得られたポリ
エーテルグリコールのNに関連する連鎖分布としては、
〜TNT〜のみが存在することが分かる。 (製造例2)製造例1に記述した反応器に、450gの
ネオペンチルグリコールと1300gのTHFを仕込
み、攪拌し均一に溶解してからも攪拌しつつ3000g
の燐タングステン酸6水和物を仕込む。
【0083】循環する熱媒の温度を80゜C一定とし、
反応液の温度が71゜Cに達した時を反応開始時間と
し、以降THFの供給により反応液の温度を71゜Cに
コントロールする。反応時間40分後、分留塔下部温度
を約69.5゜Cに設定し、含水THFを留出し始め
る。この分留塔下部の含水THFは0.8%前後の水を
含んでいた。かくして24時間反応を続行すると、反応
の途中から触媒層が分離し始め、液滴の分散状態に変化
し、粘度が増していく。反応終了時に攪拌を止め、20
分経過後、上の液層5550gを取り出すと、約200
0ccの触媒層が残る。
【0084】取り出した液層5550gを分析した結
果、ポリマーを45wt%、触媒を灰分として0.4w
t%含んでいた。ポリマー即ちネオペンチルグリコール
共重合のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールの水
酸基価を定量し、これより数平均分子量を求めると17
33であり、 1H−NMRよりネオペンチレンオキシド
構造単位(N)の共重合比率は11モル%であった。
【0085】(比較製造例1)製造例1に記述した反応
器に、250gのネオペンチルグリコールと1500g
のTHFとを仕込み、製造例2と同じ条件にて反応を行
った。反応終了後、上層の液5210gを取り出した。
この中にはポリマーを62wt%、触媒を灰分として
0.6wt%含んでいた。ポリマー即ちネオペンチルグ
リコール共重合のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ
ールの水酸基価を定量し、これより数平均分子量を求め
ると1810であり、 1H−NMRから求めたネオペン
チレンオキシド構造単位(N)の共重合比率は4モル%
であった。
【0086】上記の製造例1,2で得られた新規なポリ
エーテルグリコールとポリ(テトラメチレンオキシ)グ
リコールとの混合物を長鎖ジオール成分として用い、下
記の実施例1〜10において、本発明の方法によりポリ
エーテルエステルエラストマーを製造した。また、従来
のポリエーテルグリコールおよび上記の比較製造例1で
得られたものを長鎖ジオール成分として用い、比較例1
〜5において、従来のポリエーテルエステルエラストマ
ーを製造した。そして、各実施例、比較例で得られたポ
リエーテルエステルエラストマーの物性を、以下の項目
で評価した。
【0087】〔相対溶液粘度〕ポリエーテルエステルエ
ラストマー0.5gをo−クロロフェノール(和光純薬
製試薬特級)100mlに溶解し、キャノン・フェンス
ケ粘度計を用いて、25゜Cにおける相対溶液粘度(η
rel )を測定した。 〔融点〕SEIKO電子工業社製示差熱量計(DSC−
200)を用い、ポリエーテルエステルエラストマー約
10mgを用い、昇温速度10゜C/min、窒素雰囲
気下(10cc/min)にて吸熱ピークを測定して、
そのトップの温度を調べた。
【0088】〔破断強度(Tb)及び破断伸び(E
l)〕JIS K6301に従って25゜Cで測定し
た。 〔硬度〕ショアD硬度を測定した。
【0089】〔10%モジュラス〕長さ20mm×幅3
mm×厚み2mmの試験片を用い、ヘッドスピード20
mm/minにて−25゜Cで測定した。 〔弾性回復率〕長さ20mm×幅3mm×厚み2mmの
試験片を用い、ヘッドスピード20mm/minで−2
5゜Cにて200%まで引張り、同温度にて5分間保持
し、1分間緩和後の伸度を測定して計算した。
【0090】さらに、ポリエーテルエステルエラストマ
ーのハード/ソフト含量は、得られたエラストマーを重
クロロホルム/トリフルオロ酢酸(TFA)=2/1
(体積比)に溶解し、 1H−NMRにて測定した(20
0MHz、ブルッカー製AC−200T FT−NM
R)。また、ポリエーテルエステルエラストマー中のソ
フトセグメント中のNとTの連鎖は、得られたエラスト
マーを重クロロホルム/トリフルオロ酢酸(TFA)=
2/1(体積比)に溶解し、13C−NMR( 1H完全デ
カップリング)にて測定した(50MHz、ブルッカー
製AC−200T FT−NMR)。 1H−NMRおよ
13C−NMRの測定条件を表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】(実施例1)1リットルの縮合用リアクタ
ーにジメチルテレフタレート(和光純薬製試薬特級、以
下同じ)133g、1,4−ブタンジオール(和光純薬
製試薬特級、以下同じ)148g、製造例1で調製した
ポリエーテルグリコール62g、数平均分子量(Mn)
=1830、分子量分布(Mv/Mn)=1.42のポ
リ(テトラメチレンオキシ)グリコール(旭化成工業
製)50g、イルガノックス1010(チバガイギー
製)1.0gを仕込み、窒素置換後、窒素雰囲気下で2
00゜Cまで昇温した。
【0093】次いでテトライソプロポキシチタネート
(東京化成製試薬1級、以下同じ)を0.1g添加し
た。同温度で30分間ホールドさせた後に、230゜C
に昇温させ、2時間30分エステル交換反応を行った。
留出してきたメタノール量は理論量の95%であった。
ついで温度を250゜Cにし、30分かけて0.3mm
Hgまで減圧し、その後2時間30分かけて縮合反応を
行ったところ透明な粘ちょう重合体が得られた。
【0094】得られたエラストマーの相対溶液粘度(η
rel )は1.73であり、 1H−NMRから求めたソフ
ト量は43.4wt%であった。得られたエラストマー
は融点(この場合206゜C)よりも30゜C高い温度
で圧縮成形し、各種物性試験に供した。 (実施例2)実施例1で仕込のジメチルテレフタレート
を91g、1,4−ブタンジオールを102g、製造例
1で得られたポリエーテルグリコールを127g、実施
例1と同様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール
を103g用いた以外は同様に行った。得られたエラス
トマーの相対溶液粘度(ηrel )は2.10であり、 1
H−NMRから求めたソフト量は71.8wt%であっ
た。
【0095】(実施例3)ポリエーテルグリコールとし
て製造例2で得られたものを用いた以外は実施例1と同
様に行った。得られたエラストマーの相対溶液粘度(η
rel )は1.75であり、 1H−NMRから求めたソフ
ト量は41.9wt%であった。 (実施例4)仕込のジメチルテレフタレートを110
g、1,4−ブタンジオールを122g、製造例2で得
られたポリエーテルグリコールを74g、実施例1と同
様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールを61g
用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたエラ
ストマーの相対溶液粘度(ηrel )は1.75であり、
1H−NMRから求めたソフト量は53.1wt%であ
った。
【0096】(実施例5)仕込のジメチルテレフタレー
トを91g、1,4−ブタンジオールを102gに、製
造例2で得られたポリエーテルグリコールを87g、実
施例1と同様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコー
ルを71gにした以外は、実施例1と同様に行った。得
られたエラストマーの相対溶液粘度(ηrel )は1.9
9であり、 1H−NMRから求めたソフト量は63.1
wt%であった。
【0097】(実施例6)仕込のジメチルテレフタレー
トを91g、1,4−ブタンジオールを101gに、製
造例2で得られたポリエーテルグリコールを127g、
実施例1と同様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ
ールを103gにした以外は、実施例3と同様に行っ
た。得られたエラストマーの相対溶液粘度(ηrel )は
2.08であり、 1H−NMRから求めたソフト量は7
2.2wt%であった。
【0098】(実施例7)仕込のポリエーテルグリコー
ルとして、製造例1で得られたもの30gと実施例1と
同様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール200
gとを用いた以外は、実施例6と同様に行った。得られ
たエラストマーの相対溶液粘度(ηrel )は2.12で
あり、 1H−NMRから求めたソフト量は70.9wt
%であった。
【0099】(実施例8)仕込のポリエーテルグリコー
ルとして、製造例1で得られたもの60gと実施例1と
同様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール170
gとを用いた以外は、実施例7と同様に行った。得られ
たエラストマーの相対溶液粘度(ηrel )は2.12で
あり、 1H−NMRから求めたソフト量は71.5wt
%であった。
【0100】(実施例9)仕込のテレフタル酸(和光純
薬製試薬特級)を94g、1,4−ブタンジオールを1
22g、製造例1で得られたポリエーテルグリコールを
35g、実施例1と同様のポリ(テトラメチレンオキ
シ)グリコールを100g、イルガノックス1010
(チバガイギー製)1.0gを仕込み、窒素置換後、窒
素雰囲気下で200゜Cまで昇温した。次いでテトライ
ソプロポキシチタネートを0.1g添加した。同温度で
30分間ホールドさせた後に230゜Cに昇温させ、1
時間30分エステル化反応させた。
【0101】ついで温度を250゜Cにし、30分かけ
て0.3mmHgまで減圧し、その後2時間30分かけ
て縮合反応を行ったところ、透明な粘ちょう重合体が得
られた。得られたエラストマーの相対溶液粘度
(ηrel )は1.75であり、 1H−NMRから求めた
ソフト量は40.9wt%であった。 (実施例10)仕込のポリエーテルグリコールとして製
造例1で得られたもの60g、ポリ(テトラメチレンオ
キシ)グリコールとして数平均分子量(Mn)=125
0、分子量分布(Mv/Mn)=1.40のポリ(テト
ラメチレンオキシ)グリコール(旭化成工業製)170
gを用いた以外は実施例6と同様に行った。
【0102】得られたエラストマーの相対溶液粘度(η
rel )は2.12であり、 1H−NMRから求めたソフ
ト量は71.5wt%であった。 (比較例1)ポリエーテルグリコールとして、実施例1
で用いたポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールのみ
を用い、実施例1と全く同じ条件で重合を行った。得ら
れたエラストマーの相対溶液粘度(ηrel )は1.68
であり、 1H−NMRから求めたソフト量は42.4w
t%であった。
【0103】(比較例2)ポリエーテルグリコールとし
て、保土ヶ谷化学製のポリ(テトラメチレンオキシ)グ
リコール〔PTG−1800:Mn=1818、Mv/
Mn=2.11〕を用い、実施例1と同様に重合を行っ
た。得られたエラストマーの相対溶液粘度(ηrel )は
1.68であり、 1H−NMRから求めたソフト量は4
2.7wt%であった。
【0104】(比較例3)仕込のポリエーテルグリコー
ルとして製造例1で得られたもの10gと実施例1と同
様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールを220
g用い、実施例6と同様に行った。得られたエラストマ
ーの相対溶液粘度(ηrel )は2.05であり、 1H−
NMRから求めたソフト量は71.0wt%であった。
【0105】(比較例4)仕込のポリエーテルグリコー
ルとして、比較製造例1で得られたもの60g、実施例
1と同様のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールを
170g用いた以外は、実施例6と同様に行った。得ら
れたエラストマーの相対溶液粘度(ηrel)は2.12
であり、 1H−NMRから求めたソフト量は71.5w
t%であった。
【0106】(比較例5)仕込のジメチルテレフタレー
トを91g、1,4−ブタンジオール100g、ポリ
(テトラメチレンオキシ)グリコールとして比較製造例
1で得られたもの170g、実施例1と同様のポリ(テ
トラメチレンオキシ)グリコールを60gにした以外
は、実施例6と同様に行った。
【0107】得られたエラストマーの相対溶液粘度(η
rel )は1.98であり、 1H−NMRから求めたソフ
ト量は70.8wt%であった。各実施例および各比較
例の物性の測定結果を、実施例1〜10については表3
に、比較例1〜5については表4に示す。
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】表3,4の結果から、各実施例のエラスト
マーが比較例のものと比べて優れた物性を有しているこ
とが分かる。
【0111】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の方法
で得られたポリエーテルエステルエラストマーは、従来
のこの種のポリエステルエラストマー(ポリエーテルエ
ステルタイプ)に比べて、同一硬度で比較した場合、低
温特性、耐屈曲性、耐摩耗性及び弾性回復性の優れたゴ
ム状弾性を有する。
【0112】そのために、耐熱・耐油性が要求され、か
つゴムらしさの要求される熱可塑性エラストマーとして
自動車部品(特にエンジン周り、内装)や、チューブ、
ホース、ギア、電線被覆材等の工業用品、ポリエステル
やポリカーボネート樹脂の耐衝撃性改良材として好適に
使用される。また、本発明の方法では、長鎖ジオール成
分として、前記〔化4〕式で表される数平均分子量40
0〜6000のポリエーテルグリコールと、数平均分子
量400〜6000のポリ(テトラメチレンオキシ)グ
リコールとの混合物を用いることにより、前記ポリエー
テルグリコールのみを用いた場合と比べて原料コストを
低く抑えることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1のホモポリ(テトラメチレンオキシ)
グリコールの 1H−NMRスペクトル図である。
【図2】参考例1で得られたホモポリ(テトラメチレン
オキシ)グリコールの13C−NMRスペクトル図であ
る。
【図3】参考例2で得られたホモポリ(ネオペンチレン
オキシ)グリコールの 1H−NMRスペクトル図であ
る。
【図4】参考例2で得られたホモポリ(ネオペンチレン
オキシ)グリコールの13C−NMRスペクトル図であ
る。
【図5】製造例1で得られたポリエーテルグリコールの
1H−NMRスペクトル図である。
【図6】製造例1で得られたポリエーテルグリコールの
13C−NMRスペクトル図である。
【図7】製造例1で得られたポリエーテルグリコールの
13C−NMRスペクトルにおける各シグナルの拡大図で
ある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−203633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
    形成性誘導体からなるジカルボン酸成分と、脂肪族ジオ
    ールまたはそのエステル形成性誘導体からなる短鎖ジオ
    ール成分と、ポリエーテルグリコールからなる長鎖ジオ
    ール成分とを共重合してなるポリエーテルエステルエラ
    ストマーの製造方法において、前記長鎖ジオール成分と
    して、下記〔化1〕式で表される数平均分子量400〜
    6000のポリエーテルグリコールと、数平均分子量4
    00〜6000のポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ
    ールとの混合物を用い、この混合物における前記ポリエ
    ーテルグリコールの割合を10〜90重量パーセントと
    したことを特徴とするポリエーテルエステルエラストマ
    ーの製造方法。 【化1】 (但し、aは0以上の整数、bは0より大きい整数であ
    って、b/(a+b)=0.05〜1を満たす数字、n
    はa、bとの相関により数平均分子量400〜6000
    を達成し得る数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記〔化1〕式におけるネオペンチレン
    オキシド構造単位(下記〔化2〕式)をNとし、テトラ
    メチレンオキシド構造単位(下記〔化3〕式)をTとす
    ると、前記ポリエーテルグリコールは、このポリエーテ
    ルグリコールの末端にないNについては、Nを挟んで隣
    接する構造単位が必ずTであり、Nが末端にある場合に
    は、末端にあってアルコール性水酸基に結合されている
    Nについては、アルコール性水酸基の反対側でNに隣接
    する構造単位が必ずTである構造を有し、かつb/(a
    +b)=0.05〜0.5であることを特徴とする請求
    項1記載のポリエーテルエステルエラストマーの製造方
    法。 【化2】 【化3】
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