JPH07216049A - 防振処理用組成物 - Google Patents

防振処理用組成物

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JPH07216049A
JPH07216049A JP6009678A JP967894A JPH07216049A JP H07216049 A JPH07216049 A JP H07216049A JP 6009678 A JP6009678 A JP 6009678A JP 967894 A JP967894 A JP 967894A JP H07216049 A JPH07216049 A JP H07216049A
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JP
Japan
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castor oil
polyol
vibration
cured film
coating
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JP6009678A
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Toshimi Mori
利 俊 甫 毛
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HAMAMATSU PURATETSUKU KK
Optec Dai Ichi Denko Co Ltd
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HAMAMATSU PURATETSUKU KK
Optec Dai Ichi Denko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の防振塗料などに比べて生活温度域にお
ける振動吸収特性が格段に優れ、塗料として用いても塗
装品質や塗装作業性を損なうおそれのない防振処理用組
成物を提供する。 【構成】 ヒマシ油又はヒマシ油誘導体からなるポリオ
ールと、ポリイソシアネート化合物とを混合させて振動
吸収特性を有した硬化膜を形成するもので、ポリオール
を、官能基数 2.5〜 3.5、分子量400〜1500のも
のに選定すると共に、ポリオールとポリイソシアネート
化合物の反応当量比を1:1.15〜 1.8に選定して、0〜
80℃の温度範囲内にガラス転移点を有する硬化膜が得
られるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防振又は制振用の塗
料、接着剤、樹脂成形品材料として、自動車、電気洗濯
機、共同住宅の床板などの振動騒音対策に利用できる防
振処理用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車にはエンジンの振動騒音が発生
し、電気洗濯機にはモータの回転に伴う振動騒音が発生
する。また、マンションなどの共同住宅においてはフロ
ーリングの床面をスリッパなどで歩く足音が階下に響い
て振動騒音を生ずることがある。このような振動騒音対
策には、振動が発生する物体の表面に防振塗料や制振塗
料と称する機能性塗料をコーティングする方法が用いら
れており、そのコーティング塗膜が物体の振動数を減少
させて耳障りな高い音を消したり、あるいは人間の可聴
域(20〜20000ヘルツ)から外れた他の周波数の
音に変えて騒音を和らげる効果を防振効果と言い、振動
を吸収して初めの音を小さくし、振動の持続時間も短く
する効果を制振効果又はダンピング効果と言う。この種
の機能性塗料は,ビヒクルとしてエポキシ系(1液形と
2液形)、アルキド系、エマルジョン系、塩化ビニル系
などの合成樹脂や瀝青質が用いられており、その塗膜の
ダンピング効果は、ビヒクルの種類、特にビヒクルのガ
ラス転移点(Tg)に大きく依存している。エポキシ塗
膜のように硬い塗膜は高温域で最大の効果を示し、瀝青
質系のように柔らかい材料は常温付近に最大の効果が現
れる。広く一般に用いられているのは、瀝青質系やアル
キド系である。
【0003】また、この種の塗料にとっては、力学的エ
ネルギーの熱エネルギーへの変換及び散逸が本質であ
り、例えば、塗料ビヒクル中にマイカ等の無機物を混入
してコーティングする従来タイプのものは、硬い無機物
と柔らかい塗料樹脂の界面で変位がかかった時に、変形
の大きな樹脂と変形の少ない無機物との変位差により生
ずる力学的エネルギーが熱エネルギーとして消去される
エネルギー吸収機構を利用して物体の振動を吸収するも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機物
を混入した塗料で形成される塗膜の動的粘弾性試験によ
る損失係数(tan δ)は概ね0.05〜0.15の範囲であり、
必ずしも十分なダンピング効果を期待できないという欠
点があった。また、自動車などは高品質の塗装が要求さ
れるが、無機物を混入した塗料は、比重が重いので塗膜
の垂れを生じやすく、塗膜のレベリング性も良くない
し、無機物の混入によって塗膜の強度が低下し、塗装機
のノズルに詰まりが生じやすいので、塗装品質や塗装作
業性が悪いという欠点があった。そこで本発明は、無機
物を混入せずに十分なダンピンク効果を有した硬化膜が
形成できる防振処理用組成物を提供することを技術的課
題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の防振処理用組成物は、末端に2個以上の
活性水素基を有するヒマシ油又はヒマシ油誘導体からな
るポリオールと、そのポリオールの活性水素基に対する
反応性イソシアネート基を1分子中に2個以上有するポ
リイソシアネート化合物とを混合させて振動吸収特性を
有した硬化膜を形成するものであって、前記ポリオール
が、平均官能基数 2.5〜 3.5、数平均分子量400〜1
500のものに選定されると共に、前記ポリオールとポ
リイソシアネート化合物の反応比率が、ポリオールの末
端水酸基に対するポリイソシアネート化合物の末端イソ
シアネート基の当量比1: 1.15 〜 1.8に選定されてい
ることを特徴とする。
【0006】
【作用】主剤のポリオールと硬化剤のポリイソシアネー
ト化合物とを混合して反応硬化させる2液型のウレタン
塗料は公知なものであるが、それが振動吸収特性を有し
た塗膜を形成する防振(制振)用塗料として有効である
と言うようなことは未だかつて明らかにされていない。
ましてや、そのウレタン塗料に無機物を混入しなくても
振動吸収特性の優れた塗膜が得られるなどと言うことは
全く知られていなかった。しかし、ポリオールの種類や
官能基数、分子量などを選定することによって、無機物
の混入無しで優れた振動吸収特性を有する硬化膜が得ら
れるのである。すなわち、ポリオールとして、平均官能
基数 2.5〜 3.5、数平均分子量400〜1500のヒマ
シ油又はヒマシ油誘導体を用い、そのポリオールとポリ
イソシアネート化合物とを所定の反応比率で混合させる
と、0〜80℃の温度範囲内にダンピング効果が極大と
なるガラス転移点を有する硬化膜が得られ、その硬化膜
のガラス転移点における動的粘弾性試験による損失係数
(tan δ)が 0.5以上と極めて高い値を示す。
【0007】この損失係数(tan δ)は、エネルギー吸
収性の大きさを表し、その数値が高いほど振動のダンピ
ング効果が大きい。一般に、0.05以上であればエネルギ
ー吸収材料として扱われている。例えば、最も普遍的な
エネルギー吸収材料はゴムであるが、天然ゴムは−70
℃近辺にガラス転移点を有し、生活温度である−20℃
〜80℃の範囲における損失係数(tan δ)は0.05〜0.
15であるから、それと比較しても、本発明の組成物によ
って得られる硬化膜のダンピング効果は著しく大きい。
【0008】なお、ヒマシ油又はヒマシ油誘導体の平均
官能基数が 3.5を超えると、硬化膜が硬くなりすぎて非
常に脆いので実用に適さない。一方、平均官能基数が2.
5 未満の場合は、ガラス転移点が0℃以下になり、生活
温度の高温域では十分なダンピング効果が得られない
し、硬化膜が柔らかくなりすぎて信頼性に乏しい。ま
た、ヒマシ油又はヒマシ油誘導体の数平均分子量が15
00を超えると、ポリイソシアネート化合物との反応活
性が低くなって均質な硬化膜を得ることが困難になるの
で塗料などには適さない。一方、分子量が400未満の
場合は、ポリイソシアネート化合物との反応活性が高く
なりすぎて塗装機から噴霧される前に硬化するので、2
液混合式塗装装置による塗装が困難になる。
【0009】また、ヒマシ油又はヒマシ油誘導体とポリ
イソシアネート化合物の反応比率が当量比1: 1.8を超
えると、硬化膜が硬くすぎて非常に脆くなるので強靭性
が乏しくなると同時に、その反応硬化中に過剰なポリイ
ソシアネート化合物が空気中の水分と反応して塗装品質
を損なう発泡が生ずるので好ましくない。一方、反応比
率が当量比1:1.15未満の場合は、硬化膜が柔らかすぎ
て強さに欠ける。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明に用いるポリオールは、末端に2個以上の活性水素
基を有するヒマシ油又はヒマシ油誘導体である。ヒマシ
油は、リシノール酸を主成分とする脂肪酸トリグリセラ
イドであり、その構成脂肪酸の約90%はリシノール酸
であって、残りの脂肪酸の殆どはヒドロキシル基を持た
ないものであるため、1分子内に約 2.7個のヒドロキシ
ル基を有している。本発明のヒマシ油には、部分脱水ヒ
マシ油や、部分アシル化ヒマシ油、部分有機過酸化物架
橋ヒマシ油、ヒマシ油と天然油脂とのエステル交換反応
物などが含まれる。また、これらヒマシ油は、単独で用
いても良いし、2種以上の混合物であっても良いし、こ
れらヒマシ油に加えて、ポリエーテルポリオールやポリ
エステルポリオール、アクリルポリオールなどを部分的
に併用しても良い。なお、防振(制振)用の塗料は、そ
の効果を得るために厚塗りすることが必要であるから、
1回のコーティングで膜厚の大きい塗膜が得られる無溶
剤塗料であることが好ましい。したがって、例えば増粘
剤として用いられる水添ヒマシ油のように使用に際して
溶剤が必要な常温固形のヒマシ油よりも、無溶剤で使え
る常温液状のヒマシ油が好ましい。
【0011】ヒマシ油誘導体は、ヒマシ油脂肪酸と多価
アルコールのエステル化によって得られ、例えばヒマシ
油と低分子量多価アルコールとのエステル化物、ヒマシ
油脂肪酸又はそのアルキルエステルと低分子量多価アル
コールとのエステル化などが挙げられる。多価アルコー
ルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,4ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6ヘキサングリコール、
ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、多
官能ポリエーテルポリオール、あるいはこれら多価アル
コールのアルキレンオキサイド付加物などがある。ま
た、これらエステル化物にアルキレンオキサイドを付加
した化合物が挙げられる。これらヒマシ油誘導体は、単
独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良
い。
【0012】そして、ポリオール成分としてのヒマシ油
又はヒマシ油誘導体は、平均官能基数 2.5〜3.5 (好ま
しくは 2.7〜 3.2)、数平均分子量400〜1500
(好ましくは500〜1000)の化合物を用いる。官
能基数が高くなれば、硬化膜は硬くなってガラス転移点
は高くなる傾向を示すが、3.5 を超えると硬化膜が硬く
なりすぎて非常に脆くなるので実用に適さない。一方、
官能基数が低くなれば、硬化膜は柔らかくなってガラス
転移点は低くなる傾向を示すが、 2.5未満になると硬化
膜が柔らかくなりすぎて強度がなくなるし、ガラス転移
点が0℃以下になって生活温度の高温域では十分なダン
ピング効果が得られなくなる。また、分子量が高くなれ
ば、硬化膜は柔らかくなってガラス転移点は低くなる傾
向を示すが、1500を超えるとポリイソシアネート化
合物との反応活性が低くなって均一な硬化膜が得られな
くなる。一方、分子量が低くなれば、硬化膜は硬くなっ
てガラス転移点は高くなる傾向を示すが、400未満に
なると反応活性が高くなりすぎて塗装などに適さない。
【0013】次に、ポリイソシアネート化合物は、1分
子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機化合物
であって、ポリオール成分となるヒマシ油又はヒマシ油
誘導体の活性水素含有官能基に対する反応性イソシアネ
ート基を有するものが用いられ、例えば、トリレンジイ
ソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HDI)、三量化変成HDI、ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、液状変成MDI、キシリ
レンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ポリフェニルポリメ
チレンポリイソシアネート(PAPI)などがあり、こ
れらは単独で用いても良いし、2種以上を混合して用い
ても良い。また、理論量より少ない2個以上の活性水素
基を有するポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネー
ト化合物を反応せしめ、末端に活性イソシアネート基を
有するプレポリマーを用いることができる。なお、プレ
ポリマーの活性イソシアネート基残量は10重量%(好
ましくは15重量%)以上を有するものが良い。活性イ
ソシアネート基残量が10重量%未満の場合は、プレポ
リマーの粘度が高くなりすぎて塗料等のコーティング作
業に支障を来すからである。
【0014】次に、上記のヒマシ油又はヒマシ油誘導体
とポリイソシアネート化合物の反応比率は、ヒマシ油又
はヒマシ油誘導体の末端水酸基(OH)に対するポリイ
ソシアネート化合物の末端イソシアネート基(NCO)
の当量比、すなわちNCO/OHが1.15〜 1.8(好まし
くは 1.3〜 1.6)に選定される。当量比が 1.8を超える
と、硬化膜が硬くなりすぎて強靭性が乏しくなると同時
に、その硬化膜が発泡物となりやすい。一方、当量比が
1.15未満の場合は、硬化膜が柔らかくなりすぎて強度に
欠ける。なお、ヒマシ油又はヒマシ油誘導体とポリイソ
シアネート化合物の反応物は単体として用いることもで
きるが、その反応物の合計量100重量部当たり10重
量部未満に限って可塑剤を添加することができる。可塑
剤を添加すれば、その添加量が増加するに従って硬化膜
の硬度、ガラス転移点は低下するので、硬度やガラス転
移点の調節が可能になる。ただし、添加量が多すぎると
ブリードを起こしやすくなる。なお、使用可能な可塑剤
としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、トリス−クロロプロピルフォスフェート、トリス−
クロロエチルフォスフェートなどが挙げられる。
【0015】上述の条件で調製されたヒマシ油又はヒマ
シ油誘導体とポリイソシアネート化合物の混合液をコー
ティングして得られた硬化膜は、Hs硬度(JIS K6301)
60〜100(ショアD硬度30〜60)、引張伸び率
(JIS K6301)30〜250%のしなやかで強靭な膜を形
成すると同時に、0〜80℃の温度範囲内に融点や沸点
以外の2次転移点であるガラス転移点を有し、そのガラ
ス転移点近辺においては動的粘弾性試験による損失係数
(tan δ)が 0.5〜 1.5にも達する非常に高い極大値ピ
ーク点を形成した。
【0016】以下、表1及び表2により、本発明の組成
物に係る個々具体的な実施例を比較例と対比しながら説
明する。ヒマシ油又はヒマシ油系ポリオール成分とポリ
イソシアネート成分とを表1に示す処方分量(単位:重
量部)に従って混合する11種類の組成物A〜Kを調製
した。これら組成物のうち、A〜Fが本発明の実施例に
該当し、G〜Kは本発明との比較例である。各組成物A
〜Kは、シリコーン製オープン型に厚さ2mmの硬化膜シ
ートが形成される分量だけ流し込み、硬化後脱型して7
日間の養生期間を経た後、表1に示すように硬化膜の外
観と硬化状況を評価すると共に、それを物性試験に供し
た。なお、物性試験は、硬度(単位:Hs硬さ)、引張
強さ(単位:Kg/cm2 )、引張伸び(単位:%)、ガ
ラス転移点(単位:℃)で評価した。
【0017】
【表1】
【0018】そして、本発明の組成物A〜Fで形成され
た厚さ2mmの硬化膜シートと、公知のエネルギー吸収材
料X〜Zで同じ厚さに形成されたシートとを、夫々50
mm×10mmの試験片として、動的曲げ試験(Rheometric
社製の粘弾性アナライザーRSA−II:測定周波数11
Hz)を行い、ガラス転移点における損失弾性率÷貯蔵
弾性率=損失係数(tan δ)を測定してそれを表2に示
した。
【0019】
【表2】
【0020】表1によれば、比較例の組成物Gは、ポリ
オール成分としてヒマシ油やヒマシ油誘導体に比べて疎
水性が劣るポリオキシポリプロピレングリコールを用い
たために、硬化膜が発泡物となるので好ましくない。ま
た、組成物H及びIは、ポリオール成分の官能基数が低
すぎるために、十分な架橋構造を作ることができず、硬
化膜が柔らかすぎて脆弱であり、また、ガラス転移点の
温度も低すぎるので振動(エネルギー)吸収有効温度範
囲が生活温度(−20℃〜80℃)からずれてしまうの
で好ましくない。また、組成物Jは、ポリオール成分と
ポリイソシアネート成分の反応当量比(NCO/OH)
が低すぎるため、つまりポリイソシアネート含量が少な
いために十分な架橋構造を作ることができず、硬化不完
全なものとなる。逆に、組成物Kは、NCO/OH当量
比が高すぎるため、つまりポリイソシアネート含量が過
剰なために空気中水分との反応によって発泡物となる。
【0021】これに対し、実施例の組成物A〜Fは何れ
も、ポリオール成分として、極めて疎水性が強いピマシ
油又はヒマシ油誘導体を用いており、その官能基数や分
子量も本発明の範囲内に選定されている。また、NCO
/OH当量比も 1.3で、1.15〜 1.8の範囲内にあるか
ら、外観も強度も良好な硬化膜が得られると同時に、そ
の硬化膜のガラス転移点も19〜68℃で、0〜80℃
の温度範囲内にある。しかも、そのガラス転移点におけ
る損失係数(tan δ)は、表2に示すように0.68〜1.25
であり、比較例として示す公知のエネルギー吸収材料X
〜Zよりも著しく大きい。つまり、表2に示す公知のエ
ネルギー吸収材料は、Xが天然ゴム(硬度Hs=8
5)、YがMDI(ジフェニルメタンジイソシアネー
ト)−PPG(ポリオキシポリプロピレングリコール)
系ウレタンエラストマー(硬度Hs=90)、ZがTD
I(トリレンジイソシアネート)−PPG系ウレタンエ
ラストマー(硬度Hs=90)であるが、それらのガラ
ス転移点は−73℃〜−33℃の低温域にあり、そのガ
ラス転移点における損失係数(tan δ)も実施例の組成
物A〜Fより著しく低い0.35〜0.59にとどまっている。
【0022】また、表2には、実施例の組成物A〜Fと
公知のエネルギー吸収材料X〜Zについて夫々測定した
損失係数(tan δ) 0.1以上の温度範囲と、 0.5以上の
温度範囲も示している。この測定結果によれば、公知の
エネルギー吸収材料X〜Zのうちで、エネルギー吸収性
が著しく大きい損失係数(tan δ) 0.5以上の温度範囲
を有するのはXの天然ゴムだけであり、しかも、その温
度範囲は生活温度(−20℃〜80℃)から大きく外れ
た−65℃以下の低温域である。また、X〜Zは、エネ
ルギー吸収性が十分に大きいと言い得る損失係数(tan
δ) 0.1以上の温度範囲を有しているが、その範囲の上
限温度は−5℃〜22℃であり、生活温度とのずれが大
きいので実用性に乏しい。これに対し、実施例の組成物
A〜Fは、生活温度の範囲内において損失係数(tan
δ) 0.5以上の極めて優れたエネルギー吸収性を有して
おり、また、損失係数 0.1以上のエネルギー吸収性を有
する温度範囲も著しく広いので、常温使用の物体に防振
処理を施す塗料や接着剤として最適であると言える。
【0023】また、本発明の組成物は、ポリオールとし
て疎水性の強いヒマシ油又はヒマシ油誘導体を用いてい
るから、ポリイソシアネート化合物が空気中の水分と反
応して生ずる発泡化を抑制して、平滑で耐水性や耐熱性
も優れた硬化膜を得ることができる。また、マイカ等の
無機物を添加しなくても十分な防振・制振効果が得られ
るので、塗料として用いた場合は、塗膜のレベリング性
が非常に良く、塗膜の垂れや塗装機のノズルの詰まりな
どを生ずるおそれもない。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の防振処理用組成
物は、生活温度の範囲内におけるエネルギー吸収性(振
動のダンピング効果)が従来公知の防振・制振塗料やエ
ネルギー吸収材料に比べて格段に優れており、また、塗
料として用いた場合も塗装品質や塗装作業性を損なうお
それがないという大変優れた効果がある。したがって、
特に高品質塗装が要求される自動車や電気洗濯機などの
防振処理に最適である。また、耐水性にも優れているの
で床用塗料としても最適である。更に、鋼板同士を貼り
合わせる接着剤として用いれば、種々の産業分野で利用
可能な防振・制振効果を有した積層鋼板を得ることがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端に2個以上の活性水素基を有するヒ
    マシ油又はヒマシ油誘導体からなるポリオールと、その
    ポリオールの活性水素基に対する反応性イソシアネート
    基を1分子中に2個以上有するポリイソシアネート化合
    物とを混合させて振動吸収特性を有した硬化膜を形成す
    る防振処理用組成物であって、前記ポリオールが、平均
    官能基数 2.5〜 3.5、数平均分子量400〜1500の
    ものに選定されると共に、前記ポリオールとポリイソシ
    アネート化合物の反応比率が、ポリオールの末端水酸基
    に対するポリイソシアネート化合物の末端イソシアネー
    ト基の当量比1: 1.15 〜 1.8に選定されていることを
    特徴とする防振処理用組成物。
JP6009678A 1994-01-31 1994-01-31 防振処理用組成物 Pending JPH07216049A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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