JP2014037488A - 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材 - Google Patents

軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014037488A
JP2014037488A JP2012180674A JP2012180674A JP2014037488A JP 2014037488 A JP2014037488 A JP 2014037488A JP 2012180674 A JP2012180674 A JP 2012180674A JP 2012180674 A JP2012180674 A JP 2012180674A JP 2014037488 A JP2014037488 A JP 2014037488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
polyol
soft polyurethane
terminal
hydroxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012180674A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahito Mori
隆人 毛利
Hiroyuki Nakase
弘之 中瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
POLYSIS KK
Daiwa House Industry Co Ltd
Polysis Co Ltd
Original Assignee
POLYSIS KK
Daiwa House Industry Co Ltd
Polysis Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by POLYSIS KK, Daiwa House Industry Co Ltd, Polysis Co Ltd filed Critical POLYSIS KK
Priority to JP2012180674A priority Critical patent/JP2014037488A/ja
Publication of JP2014037488A publication Critical patent/JP2014037488A/ja
Priority to JP2017150195A priority patent/JP6932038B2/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】防振性、圧縮永久歪、圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂を提供すること。
【解決手段】
以下の(A)ポリオール成分と(B)ポリイソシアネート成分を反応させた組成物から製造されるゴム硬度50以下の圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂。
(A)ポリオール成分が、
(A−1)官能基数2.5〜3.5、分子量4,000〜7,000の末端に活性ヒドロキシル基を有するポリオールと、
(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマーと、
の混合物からなり、
(B)ポリイソシアネート成分が、
官能基数2.3〜3.5のポリオキシポリプロピレンポリオールとポリイソシアネート化合物との反応から得られる末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーからなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム硬度50以下でありながら圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れている軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材に関する。
従来、低いゴム硬度の軟質ポリウレタン樹脂を得てこれらの防振性・衝撃吸収性を利用した防振材料,制振材料,衝撃吸収材料等が知られている(特許文献1、2)。
しかし、ゴム硬度を低くすることは同時に圧縮永久歪と圧縮クリープ特性が低下するという問題があった。
ところで、ゴム硬度50以下の防振性のある軟質ポリウレタン樹脂で、圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂は、現在までのところ提案されておらず、高機能化エラストマー,ゴム代替用材料,緩衝用新材料等として、各産業分野からこれらの軟質ポリウレタン樹脂の出現が強く期待されていた。
特開2001−316448号公報 特開平5−310878号公報
防振部材として用いられているポリウレタン樹脂は荷重を受けると変形し、時間の経過とともにその変形量は大きくなる。
そこで、本発明の目的は、圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂を長時間にわたって荷重を受けて使用される場所に用いれば緩衝用材料として甚だ都合がよいという知見に基づき、防振性、衝撃吸収性及び防振性に優れた軟質ポリウレタン樹脂を提供することである。
また、本発明の他の目的は、従来の問題点を解消し、ゴム硬度が50以下でありながらも従来品と同等の防振特性を有し、かつ圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、上記の軟質ポリウレタン樹脂を用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材を提供することである。
本発明者等は叙上の点に鑑みて鋭意研究を重ねたところ、特定のポリオールオリゴマーとポリイソシアネート化合物との反応から得られる末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーに、特定のポリオールを反応させたウレタン樹脂は、ゴム硬度50以下の低硬度で防振性に優れ、且つ圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂となることを見出し本発明に至った。すなわち、
(1)本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、
以下の(A)ポリオール成分と(B)ポリイソシアネート成分を反応させた組成物から製造されるゴム硬度50以下の圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂であって、
(A)ポリオール成分が、
(A−1)官能基数2.5〜3.5、分子量4,000〜7,000の末端に活性ヒドロキシル基を有するポリオールと、
(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマーと、
の混合物からなり、
(B)ポリイソシアネート成分が、
官能基数2.3〜3.5のポリオキシポリプロピレンポリオールとポリイソシアネート化合物との反応から得られる末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーからなる、ことを特徴とする。
(2)本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、前記(1)において、
前記(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマーが、
ジーメタノールー脂肪酸の自己縮合による化合物であることを特徴とする。
(3)本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、前記(1)又は(2)において、
前記(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマーが、
ジイソシアネートを{(Σ2)−1}モルとトリオール(Σ2)モルを反応した化合物(n=1,2,3・・・)であることを特徴とする。
(4)本発明の軟質ポリウレタン樹脂部材は、前記(1)〜(3)の何れかの軟質ポリウレタン樹脂を用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れたものであることを特徴とする。
本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、荷重を受けると変形し、時間の経過とともにその変形量は大きくなるため、圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れている。そして、長時間にわたって荷重を受けて使用される場所等に用いれば緩衝用部材として優れており、衝撃吸収部材,防振部材等に利用することができる。
また、例えば、2階建て以上の住宅において、床を支える梁上と床下の間に緩衝材として本発明の軟質ポリウレタン樹脂を置けば、床振動や床への衝撃を抑えることができるために騒音抑制部材としても優れた効果を発揮する。
前述した目的を達成するために、本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、
(A)ポリオール成分と(B)ポリイソシアネート成分を反応させたポリウレタン樹脂から構成されたゴム硬度50以下の圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れていることを特徴とする。
ここで、(A)ポリオール成分は、
(A−1)官能基数2.5〜3.5、分子量4,000〜7,000の末端に活性ヒドロキシル基を有するポリオールと、
(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマー(多分岐ポリマー:HBP)との混合物とからなり、
(B)ポリイソシアネート成分は、
官能基数2.3〜3.5のポリオキシポリプロピレンポリオールとポリイソシアネート化合物との反応から得られる末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーからなる。
本発明に用いる(A)ポリオール成分の内の一つ(A−1)のポリオールは、
官能基数2.5〜3.5、分子量4,000〜7,000で末端に活性ヒドロキシル基を有することが必要である。
官能基数が2.5未満の場合は、未硬化組成物樹脂になりやすく、官能基数が3.5より大きい場合は、ゴム硬度が50より大きくなり好ましくない。
分子量が4,000未満の場合は、ゴム硬度が50より大きくなり好ましくなく、分子量が7,000より大きい場合は、ポリオール末端の不飽和度が高くなり反応阻害をもたらすので好ましくない。
ポリオールの末端の種類は、特に制限はないが、ポリウレタンの樹脂化を確実に進めるためには1級ヒドロキシル基又は1級ヒドロキシル基を少なくとも部分的に有することが好ましい。
前述した目的を達成するために、本実施形態に用いるポリオール(A−1)の具体的な例示としては、液粘度、価格、分子量と官能基数の調整のしやすさ等から、公知のポリオキシポリアルキレンポリオールが好ましい。
ポリオキシポリアルキレンポリオールとしては、低分子量の活性水素化合物を開始剤としてアルキレンオキサイドを開環付加重合させた公知の化合物を用いることができる。
ここで云う低分子量の活性水素化合物としては、水,エチレングリコール,プロピレングリコール,ジエチレングルコール,ブタンジオール,ヘキサンジオール,グリセリン,トリメチロールプロパン、若しくはこれらの2種類以上の混合物を使用する多価アルコールを挙げることができる。
ポリオキシポリアルキレンポリオールの代表例としては、上記開始剤を使用したポリオキシポリアルキレンポリオールの他に、アクリルポリマーをブレンドしたポリオールも好ましく使用することができる。
上記ポリオキシポリアルキレンポリオールの具体的な商品名としては、例えば、エクセノール837,840,850、もしくはアクリルポリマーをブレンドしたポリオールのエクセノール911,910,940、プレミノールPML−7001,PML−7003,PML−7005等(いずれも旭硝子社製)等が挙げられる。また、これらの2種類以上の混合物を使用することも出来る
また、支障のない限りにおいて、公知のひまし油系ポリオール、ε−カプロラクトン系ポリオール、ポリテトラメチレンポリオキシグリコール、β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリオール、カーボネート系ポリオール等を用いてもよく、これらの2種以上を併用することもできる。
本発明に用いるもう一つの(A−2)のポリオールは、末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマー(多分岐ポリマー)であり、AB型モノマー の重縮合系としてジーメタノールー脂肪酸の自己縮合による化合物を挙げることができる。
また、A型モノマーの重付加系としてジイソシアネートとトリオールの重付加による化合物を挙げることができる。
重縮合系又は重付加系のハイパー・ブランチ・ポリマー(HBP)は、適当なモノマーの選択により1段階で合成され、分子内空孔がない球状ライクな分子形状の化合物となる(以下の参考文献1,2を参照)。
(参考文献1:Yang,G;M.Macromolecules,32,2215(1999))
(参考文献2:Jikei,M.;Chon,S.;Kakimoto,M.;Kawauchi,S.;Imase,T.;Watanabe,J.;Macromolecules,32,2061(1999))
前記AB型モノマー の重縮合系の末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマー(HBP)は、ジーメタノールー脂肪酸として、例えば、ジーメタノールプロピオン酸またはジメタノールブタン酸等の自己縮合による化合物である。
このハイパー・ブランチ・ポリマー(HBP)の具体的な商品名としては、例えば、Boltorn H311,P500(Perstorp社製)を挙げることができる。
前記A型モノマーの重付加系の末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマー(HBP)は、ジイソシアネート{(Σ2)−1}モルとトリオール(Σ2)モルを反応した化合物(n=1,2,3・・・)である。
この合成は、ジイソシアネート{(Σ2)−1}モルとトリオール(Σ2)モルの合計量を100質量部に、溶剤としてトルエンまたはメチルエチルケトンを100質量部を仕込み、常温下で4時間緩慢に還流反応を進め、次いで触媒にジブチル―錫―ラウレートを0.0025質量部を反応槽に仕込み、80℃で4時間還流反応させたのち、反応液をエバポレーターにて80℃,真空下で脱溶剤を行うことによって得られる。
本発明の軟質ポリウレタン樹脂においては、
(A)ポリオール成分を構成する(A−1)官能基数2.5〜3.5、分子量4,000〜7,000の末端に活性ヒドロキシル基を有するポリオールと、
(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマー(HBP)と、の混合の比率は、
(A−1)ポリオールと(A−2)ポリオールの合計量を100質量部としたとき、
即ち(A−1)ポリオール/(A−2)ポリオールを、95/5〜99.7/0.3とする。好ましくは99/1〜97/3とする。
この(A−2)ポリオール量が5を超える場合には、ゴム硬度が高くなるために好ましくなく、0.3未満の場合には圧縮永久歪と圧縮クリープ変形量への効果が見られない。
上記ジイソシアネートの例としては、イソホロン―ジイソシアネート(IPDI),ジフェニル―メタン―ジイソシアネート(MDI),トリレン―ジイソシアネート(TDI),水添MDI等を挙げることができ、好ましくは骨格がかたいIPDIとする。
上記トリオールの例としては、グリセリン,トリメチロール―プロパン等を挙げることができる。
本発明に用いる(B)ポリイソシアネート成分は、理論量より少ない官能基数2.3〜3.5のポリオキシポリプロピレンポリオールとポリイソシアネート化合物とを公知の技術を用いて反応せしめ、末端に活性イソシアネート基残量2〜15質量%,好ましくは2〜9質量%を有するものがよい。
活性イソシアネート基残量が15質量%を超えると、得られた軟質ポリウレタン樹脂の硬度が上がり、且つ伸びが低下するので好ましくなく、また2質量%未満の場合にはプレポリマーの粘度が高くなり、軟質ポリウレタン樹脂の製造に際して支障を来す。
上記ポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個乃至それ以上のイソシアネート基を有する有機化合物であって、前記ポリオールの活性水素含有官能基に対する反応性イソシアネート基を有するものが用いられる。ポリイソシアネート化合物の例としては、一般的な芳香族,脂肪族および脂環族の化合物を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI),ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI).ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),液状変成MDI,キシリレンジイソシアネート,シクロヘキシルジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート等があり、とりわけTDI,MDIが好ましい。これらポリイソシアネート化合物は単独で用いることができるし、または2種以上を混合して用いることもできる。
本発明においては、上記の末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーからなる(B)イソシアネート成分と(A)ポリオール成分との反応比率は、ポリオールの水酸基(OH)に対するプレポリマーのイソシアネート基(NCO)の当量比、即ちNCO/OH比が0.9〜1.1、好ましくは1.03〜1.05である。
この当量比が1.1を超える場合には、反応過程で発泡しやすくなるために好ましくなく、また、0.9未満の場合には圧縮永久歪と圧縮クリープ変形量が大きくなるために好ましくない。
なお、当量比が小さくなるほど、得られる軟質ポリウレタン樹脂の硬度が低くなる。
ここで、前記(B)イソシアネート成分と(A)ポリオール成分との間のウレタン化反応を行わせるに当たって、適宜のウレタン化触媒を用いることができる。このウレタン化触媒としては、第3級アミン化合物や有機金属化合物等の公知の触媒を用いることが可能である。例えば、トリエチレンジアミン,N,N−ジメチルヘキサメチレンジアミン,N,N−ジメチルブタンジアミン,ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン―7(DBU)及びDBU塩,ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート),ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン,オクチル酸鉛,ラウリル酸ジブチル錫等が好適である。ただし、このウレタン化触媒を用いることは本発明の必須の要件ではない。
また、本発明による必須成分としてのポリウレタン樹脂は単体として用いることもできるが、以下に示す成分を添加することができる。
まず、可塑剤を添加することができる。この可塑剤は、主成分としての前記(B)イソシアネート成分および(A)ポリオール成分の合計量に対して24質量%未満に限って混合することができる(表1、2のDINP欄には30質量部と記載)。
この可塑剤を添加すると、その添加量が多くなるに応じて得られる軟質ポリウレタン樹脂の硬度は低下し、防振性(tanδ)が大きくなるために防振性能上では好ましい。従って、この可塑剤の添加によって組成物樹脂硬度をある程度制御することが可能になる。
ただし、可塑剤を24質量%以上添加すると、組成物樹脂の機械的特性を著しく損ない、硬度の低下と圧縮永久歪と圧縮クリープ変形量が大きくなる。また、可塑剤を原因とするブリードを起こしやすくなる。
適用可能な可塑剤の種類としては、通常のポリウレタン樹脂用の可塑剤、例えばジーエチルヘキシルフタレート,ジーイソノリルフタレート(DINP),ジブチルフタレート,トリスクロロエチルフォスフェート,トリスクロロプロピルフォスフェート(TMCPP),ヘキサモールディンチ(BASF社製)(DINCH)等が挙げられる。
また、樹脂の耐久性や安定性の向上を図るために、安定剤として、熱安定剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,紫外線安定剤,充填剤等を、支障のない限りにおいて、1種または2種以上混合して用いることもできる。さらに、前述したもの以外にも、顔料,染料,難燃剤,消泡剤,分散剤,表面改質剤,水分吸着剤等を適宜添加することも可能である。
而して、原料として用いられる(A)ポリオール成分および(B)ポリイソシアネート成分は、それぞれ常温、もしくは加温した状態で、これら2成分を混合する。
添加剤を混合する場合には、予めポリオールに混合させておくか、または主成分の混合時に添加してもよい。
前述の各成分を十分に混合したのち真空下で脱泡して、常温〜120℃の金型に流し込み、常温〜120℃で2日〜2時間ウレタン化反応を起こさせる。
しかる後に金型から取り出すことによって軟質ポリウレタン樹脂が得られる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[A型モノマーの重付加系ハイパー・ブランチ・ポリマー(HBP)合成]
攪拌羽根、還流装置、温度計を設置した加熱装置付き四つ口セパラブルフラスコに窒素ガス雰囲気下、メチルエチルケトン(MEK)を500g投入し、次いでイソホロン―ジイソシアネートを577g(2.6モル)を投入した。
次に、攪拌しながら常温下でグリセリン423g(5.2モル)とMEK500gとの溶液を滴化し、反応液の温度が40℃以下に維持したまま4時間反応させた。
次いで、反応触媒としてジブチル―錫―ラウレートを0.025質量部を反応槽に仕込み、80℃で4時間還流反応させた。
反応終了後、反応液をナス型フラスコに入れてからエバポレーターを用いて真空下、80℃で脱MEKを行った。得られたHBPは25℃で粘度56Pa.sの粘調な液体で官能基数は4、分子量は382であった。これを「AHBP」の記号で示す。
以下、本発明の実施例1〜9を表1〜表2に示す。比較例を表2によって具体的に説明する。なお,表1〜表2に示す各素材は次のとおりである。
表中において、ポリオール1は、ポリオキシポリプロピレン(末端部分エチレン)トリオールとアクリル系樹脂の混合物(官能基数3、平均分子量6,010)であり、
また、ポリオール2は、ポリオキシポリプロピレン(末端部分エチレン)トリオール(官能基数3、分子量6,500)である。
そして、ABHBPは、末端に活性水素基を持つジメタノーループロピオン酸の自己縮合物であるハイパー・ブランチ・ポリマー(Boltorn P-500、Perstorp社製)であり、
HBPは、末端に活性水素基を持つイソホロンージイソシアネートとグリセリンの重付加物であるハイパー・ブランチ・ポリマー(官能基数4、分子量387)である。
DINPはジーイソノリルフタレート(可塑剤)である。
イソシアネート1は、官能基数は2.7の、液状ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオキシポリプロピレントリオール(分子量5,000)の反応させたプレポリマー(末端活性イソシアネート基残量9.1質量%)であり、
イソシアネート2は、官能基数は2.8の、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオキシポリプロピレントリオール(分子量5,000)の反応させたプレポリマー(末端活性イソシアネート基残量9.0質量%)である。
また、DBTLはラウリル酸ジブチル錫(触媒)である。
以上の素材を、表に示す処方に従ってホモジナイザー(3000rpm/min)で60秒間混合することにより反応を開始させて、その混合物を真空中で脱泡し、更にその混合物を200×200mm,厚み20mmのシリコーン製オープン金型に注型して、100℃の温度で2時間反応を継続したのち脱型し、引き続き常温で7日間養生することによって、200×200mm,厚み5mmのシート状の軟質ポリウレタン樹脂を得た。
そして、このシート状の軟質ポリウレタン樹脂について以下のような実験を行い、その結果を表1〜表2に示した。
なお、本発明の実施例1〜9は表1〜表2に示し、比較例1〜3は表2に示す。
表中の、「ポリオール1」、「ポリオール2」、「イソシアネート1」、「イソシアネート2」、「可塑剤(DINP)」、「触媒(DBTL)」の欄における数値の単位は、質量部数を示す。
また、表中のOH/NCO当量比は、(B)イソシアネート成分と(A)ポリオール成分との反応比率を示す。
また、「ゴム硬度」は、JIS K6301に準じて、バネ式ゴム硬度計(A型)を用いて測定した結果の数値である。
また、「圧縮永久歪(評価)」は、JIS K6301(圧縮率50%、70℃、24時間)に準じて測定し、圧縮変形長さに対する永久歪量(%)で表示したものである。
ここで圧縮永久歪の評価として示す◎、○、×、××の意味は、永久歪が5%以下であるものを◎とし、5%を超え10%以下の範囲のものを○とし、10%を超え20%以下の範囲のものを×とし、20%を超えるものを××とした。
なお、防振材用の天然ゴムは30〜50%(評価××)であった。
また、「防振性(tanδ)」は、得られた軟質ポリウレタン樹脂を50mm×10mm×2mm厚みの試験片として、動的曲げ試験(粘弾性アナライザーRSA−II,Rheometric,Inc.)で測定した23℃における測定結果の数値である。
防振性(tanδ)の評価として示す◎、○、×、××の意味は、この測定値が0.3以上であるものを◎とし、0.3未満0.2以上の範囲のものを○とし、0.2未満0.1以上の範囲のものを△とし、0.1未満であるものを×とした。
なお、防振材用の天然ゴムでは約0.1(評価△〜×)であった。
また、「15%歪圧縮強さ」は、JIS K6911に準じて圧縮試験を行い、15%歪時の応力(単位:kg/cm)の数値で示した。
そして、得られた「実施例1」、「実施例2」、「比較例1」の軟質ポリウレタン樹脂について、「圧縮クリープ試験」を、圧縮応力4.1kg/cm、雰囲気温度70℃の加速条件下で行い、その測定結果を表3に示した。
なお、圧縮クリープ試験に用いた圧縮応力4.1kg/cmの負荷は、試験に供する試験体が負荷の初期(瞬間弾性変形)に約20%変形する相当の応力とした。
表中の数値は、所定の時間経過後にクリープ変形したときの試験体の寸法厚み(mm)であり、(試験前)の数値が製品厚みであり、(瞬間弾性変形)の数値が負荷をかけた瞬間の試験体厚みである。
表1と表2の結果より、本発明に係る各実施例の軟質ポリウレタン樹脂は、硬度と圧縮強さの変化は少なく維持されて、防振性能(tanδ)に優れ(防振用ゴムの2〜3倍)、圧縮永久歪に極めて優れたものであることが分かる。
これに対して、ハイパー・ブランチ・ポリマー(HBP)を処方中に含まない比較例1〜3においては、防振性能(tanδ)に優れてはいるものの圧縮永久歪が劣ることが分かる。
表3の結果より、実施例1,2の軟質ポリウレタン樹脂は、比較例1の樹脂と比較して長時間にわたり圧縮クリープ特性が優れていることが分かる。
本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、防振特性に優れ、圧縮永久歪と圧縮クリープ性にも優れる防振部材、制振部材および衝撃吸収部材等として提供できる。
例えば、本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、荷重を受けて時間の経過とともにその変形量は大きくなるので防振部材用途として好適に用いられるとともに、長時間にわたって荷重を受けても圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れているので、そのような環境の場所に使用されて緩衝用部材として好適である。
また、他の用途として、例えば、2階建て以上の住宅において、床を支える梁上と床下の間に緩衝材として当該軟質ポリウレタン樹脂を置けば床振動や床への衝撃を抑えることができるために騒音抑制部材として好適に用いることができ、産業上の利用可能性が極めて高い。

Claims (4)

  1. 以下の(A)ポリオール成分と(B)ポリイソシアネート成分を反応させた組成物から製造されるゴム硬度50以下の圧縮永久歪と圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタン樹脂。
    (A)ポリオール成分が、
    (A−1)官能基数2.5〜3.5、分子量4,000〜7,000の末端に活性ヒドロキシル基を有するポリオールと、
    (A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマーと、
    の混合物からなり、
    (B)ポリイソシアネート成分が、
    官能基数2.3〜3.5のポリオキシポリプロピレンポリオールとポリイソシアネート化合物との反応から得られる末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーからなる。
  2. 前記(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマーが、
    ジーメタノールー脂肪酸の自己縮合による化合物であることを特徴とする請求項1に記載の軟質ポリウレタン樹脂。
  3. 前記(A−2)末端に活性ヒドロキシル基を有するハイパー・ブランチ・ポリマーが、
    ジイソシアネートを{(Σ2)−1}モルとトリオール(Σ2)モルを反応した化合物(n=1,2,3・・・)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟質ポリウレタン樹脂。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の軟質ポリウレタン樹脂を用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材。
JP2012180674A 2012-08-16 2012-08-16 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材 Pending JP2014037488A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180674A JP2014037488A (ja) 2012-08-16 2012-08-16 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材
JP2017150195A JP6932038B2 (ja) 2012-08-16 2017-08-02 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180674A JP2014037488A (ja) 2012-08-16 2012-08-16 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017150195A Division JP6932038B2 (ja) 2012-08-16 2017-08-02 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014037488A true JP2014037488A (ja) 2014-02-27

Family

ID=50285877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012180674A Pending JP2014037488A (ja) 2012-08-16 2012-08-16 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014037488A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016216603A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 三洋Ud株式会社 建造物用支持脚及び二重床構造
JP2017197773A (ja) * 2012-08-16 2017-11-02 株式会社ポリシス 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材
JP2018076478A (ja) * 2016-11-01 2018-05-17 静岡県 ボーラスの製造方法及びボーラス
JP2018188509A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 第一工業製薬株式会社 ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料
CN114316198A (zh) * 2022-01-18 2022-04-12 中国铁道科学研究院集团有限公司金属及化学研究所 一种用于轨道交通的减振聚氨酯弹性体材料及其制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010512439A (ja) * 2006-12-11 2010-04-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 高弾性ポリウレタンフォーム
JP2012515227A (ja) * 2009-01-12 2012-07-05 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 高弾性軟質ポリウレタンフォーム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010512439A (ja) * 2006-12-11 2010-04-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 高弾性ポリウレタンフォーム
JP2012515227A (ja) * 2009-01-12 2012-07-05 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 高弾性軟質ポリウレタンフォーム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017197773A (ja) * 2012-08-16 2017-11-02 株式会社ポリシス 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材
JP2016216603A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 三洋Ud株式会社 建造物用支持脚及び二重床構造
JP2018076478A (ja) * 2016-11-01 2018-05-17 静岡県 ボーラスの製造方法及びボーラス
JP2018188509A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 第一工業製薬株式会社 ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料
CN114316198A (zh) * 2022-01-18 2022-04-12 中国铁道科学研究院集团有限公司金属及化学研究所 一种用于轨道交通的减振聚氨酯弹性体材料及其制备方法
CN114316198B (zh) * 2022-01-18 2023-09-15 中国铁道科学研究院集团有限公司金属及化学研究所 一种用于轨道交通的减振聚氨酯弹性体材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016041824A (ja) 芳香族カルボン酸のテトラアルキルグアニジン塩を有する組成物、製品及び方法
KR101204125B1 (ko) 폴리에스터 폴리올, 폴리우레탄용 조성물, 폴리우레탄 폼용 조성물, 폴리우레탄 수지 및 폴리우레탄 폼
JP5328154B2 (ja) ポリオール組成物および低反発性ポリウレタンフォーム
JP2015503653A (ja) 微小多孔質ポリウレタンエラストマーの製造方法
JP4783696B2 (ja) 自動車用座席用ウレタンフォーム
JP2014037488A (ja) 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材
TWI769139B (zh) 發泡聚胺基甲酸酯材料、成形品及發泡聚胺基甲酸酯材料之製造方法
JP5540093B2 (ja) ポリエステルポリオールを含む第2級ヒドロキシル末端基を有するポリウレタンポリマーの製造方法
JP2006348099A (ja) ポリウレタン発泡原液及び低密度ポリウレタン断熱材
JP6932038B2 (ja) 軟質ポリウレタン樹脂、それを用いた防振性、制振性及び衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂部材
EP2287227B1 (en) Chlorinated polyether and polyurethane obtained from the same
KR101362010B1 (ko) 이소시아네이트와 알코올 사이의 반응을 위한 신규한 촉매
JP6635711B2 (ja) 圧縮永久歪、防振性及び圧縮クリープ性に優れた軟質ポリウレタンフォーム
JP6543595B2 (ja) 圧縮クリープ性に優れた発泡ウレタン部材用組成物及び発泡ウレタン部材
JP2012097200A (ja) ポリウレタン樹脂組成物
WO2022071258A1 (ja) ポリウレタン樹脂組成物
KR101842529B1 (ko) 폴리우레탄 제조용 폴리올 자가촉매 및 이의 개시제
JP3914373B2 (ja) ポリウレタン組成物及び軟質ポリウレタン樹脂
KR101832380B1 (ko) 신규한 3차 아민계 폴리올 및 이의 이용
JP2009280658A (ja) 低密度軟質ポリウレタン発泡体成形用組成物
WO2009104354A1 (ja) 耐水性軟質ポリウレタンフォームの製造方法
KR101037493B1 (ko) 폴리우레탄 및 불포화폴리에스터수지, 불포화폴리우레탄 제조용 말레인산 폴리에스터 폴리올 혼합물 및 그의 제조방법
TWI486499B (zh) A reinforcing agent for a synthetic polyurethane resin for a leather, and a polyol composition using the polyol composition and a polyurethane resin
JP5865537B1 (ja) 電気絶縁用ポリウレタン樹脂組成物
KR101803063B1 (ko) 3차 아민계 폴리올, 이를 포함하는 3차 아민 촉매 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150722

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170404

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171114