JP3914373B2 - ポリウレタン組成物及び軟質ポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粘着材料,防振材料,制振材料,衝撃吸収材料及び緩衝材料等に有用な粘着性の軟質組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン樹脂からなる軟質組成物は、低硬度、即ち低弾性であるため部材の変化に応じて低応力で伸縮でき、また硬度が低い程動的粘弾性の損失係数は大きくなる傾向にあることから衝撃吸収材,防振・制振材料,免振材料,緩衝材料および軟質素材等に多方面で使用されている。
【0003】
ところで、これらの材料の各用途上の使用に際しては、軟質組成物を固定する場合が多々あるが、接着剤による固定は位置の変更,修復などの融通性に欠け、従来の粘着剤による固定は、粘着剤の経時劣化と、剥がした時の糊残りによる被着体の汚染等の欠陥があった。ここで軟質組成物自体が粘着を持つものであれば、接着または粘着剤を利用する固定工程を省略でき、粘着性能の経時劣化は少なく甚だ都合がよい場合がある。また、より低硬度の組成物であれば、衝撃吸収,防振・制振性能の向上に加えて、凹凸の多い被着体に対しても固定性が優れて都合がよい場合がある。
【0004】
一般のウレタンエラストマーは、ポリオールオリゴマーと官能基数2のイソシアネート化合物との反応によって得られる末端に活性なイソシアネート基を有するプレポリマーを主剤とし、低分子量ポリオールおよび/またはポリアミン類を硬化剤とし、必要に応じて各種材料を配合したものが用いられている。このような原材料を反応して得られるエラストマーは、強さ,伸びに優れた特性を示すが、粘着性は持たず、またゴム硬度55未満のものを得ることができなかった。
【0005】
従来、ウレタン樹脂からなる軟質組成物を得ようとする場合、上記プレポリマーを主剤とし、官能基2または3の分子量の大きいポリオールを硬化剤として反応させることもできるが、粘着性は持たず、またゴム硬度45未満のものを得ることができなかった。
【0006】
また、上記組成中に可塑剤を多量に処方することによってゴム硬度の低い軟質組成物を得る方法はよく知られている。しかしながら、かかる方法は得られる組成物の若干の粘着性を与えることは出来るが、同時に機械的特性を著しく損ない、加えて可塑剤によるブリージングを発生し易く被着体を汚すか侵すと言う点が欠点であった。
【0007】
また、官能基2または3の分子量の大きいポリオールを硬化剤として、理論量より少ない上記プレポリマーを主剤として反応させることによって軟質組成物を得る方法が知られている。しかしながら、かかる方法は得られる組成物に強い粘着性を付与でき、また機械的特性は優れているが、耐久性,特に耐熱性を損ない、例えば80℃の高温下では数時間で分解してしまうと言う点が欠点であった。
【0008】
例えば、車のダッシュボード上に飲料缶,芳香剤のビン,文具または用紙等を転倒防止,仮固定または防振の目的で粘着性軟質組成物を使用する場合がある。この時の車内は、80℃の高温と直射日光(紫外線)に曝される時があり、上記組成物を用いた場合に分解によりダッシュボードを汚染するという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる欠点を解消し、ゴム硬度が30以下でありながらも形状安定性と耐熱性に優れている粘着性の軟質組成物を提供することである。即ち、可塑剤によるブリージングの発生がなく、常用80℃以上の耐熱性に優れたゴム硬度が30以下の粘着性を持つ軟質組成物を提供することである。
【0010】
ところで、可塑剤等の二次的手段を用いずに、ゴム硬度30以下の粘着性の軟質で常用80℃以上の耐熱性を持つ組成物は、現在までのところ提案されておらず、防振・制振,衝撃吸収,緩衝材等の新材料等として、各産業分野からこれら組成物の出現は強く期待されている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は叙上の点鑑みて鋭意研究を重ねたところ、請求項1及び3に記載するように、アルコール成分と有機ポリイソシアネートとを化学反応させてポリウレタン樹脂を合成する際に、前記アルコール成分の合計量を100重量部とした時、官能基数2.4〜3.0,分子量3,000〜6,000のポリオールを99.5〜90重量部と、二級若しくは三級の高級モノアルコールを0.5〜10重量部含有させることにより得られたポリウレタン樹脂が、ゴム硬度が30以下の軟質組成物でありながら粘着性を有し、しかも耐熱性に優れていることを見出し本発明に至った。
また、請求項2に記載するように、前記二級若しくは三級の高級モノアルコールが、 sec- ステアリルアルコールであることが好ましい。
【0012】
即ち、本発明のポリウレタン組成物及び軟質ポリウレタン樹脂は、
一部に2級若しくは3級の高級モノアルコールを粘着付与剤として用いたポリオールブレンドと有機ポリイソシアネートを定量的に反応させることによって得られる耐熱性に優れる粘着性の軟質ポリウレタン樹脂及び、そのポリウレタン樹脂を形成するための組成物であることを特徴とするものである。
その素材となる主成分のポリオール,高級モノアルコール及び/若しくは有機ポリイソシアネートを無数の候補の中から適宜に選択することによって、例えば、得られる樹脂の硬度,機械的強さおよび粘着強さ等を調整していろいろな特性の粘着性を有する軟質ポリウレタン樹脂を得ることが出来る。なお、本発明における2級若しくは3級の高級モノアルコールが、何故軟質ポリウレタン樹脂の粘着性付与効果を有するのかは、定かではない。
【0013】
【作用】
本発明によれば、可塑剤等の二次的手段を用いずに、ゴム硬度30以下の軟質で常用80℃以上の耐熱性を持つ粘着性の組成物を提供できるため、防振・制振,衝撃吸収,緩衝材等の新材料等として各産業分野に利用出来る。
しかも本発明の組成物の粘着性能は、経時劣化の少ない新粘着材料としても利用出来る。
【0014】
前述した目的を達成するために、本発明に用いる主成分としてのポリオールとしては、ポリオキシポリアルキレンポリオールを挙げることができるが、支障のない限りその他のポリオール、例えば公知のポリエステル系ポリオール,ポリテトラメチレンポリオキシグリコール,ひまし油系ポリオール,ε−カプロラクトン系ポリオール,β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリオール、カーボネート系ポリオール等を用いてもよく、これらの2種以上を併用することが出来る。
【0015】
本発明に用いる主成分のポリオールは、官能基数2.4〜3.0、分子量3,000〜6,000であることが必要である。官能基数が2.4未満の場合は未硬化組成物になりやすく、この分子量範囲で官能基数が3より大きい場合は、ゴム硬度が30より大きくなり、しかも粘着性が欠けるために好ましくない。官能基数が2.4〜3.0の間であれば特に問題はないが、高いほど組成物のゴム硬度は高くなり、同時に粘着性も低下する。また官能基数が低い程組成物の硬度は低くなる。
また、平均分子量が3,000未満の場合は、ゴム硬度が30より大きくなり、同時に粘着性能は低下するために好ましくなく、分子量が6,000より大きい場合は、反応が十分に進まないためか、得られた組成物は耐熱性に欠け好ましくない。平均分子量は3,000〜6,000の間であれば特に問題はないが、低い程組成物のゴム硬度は高くなり、粘着性も低下する。また、平均分子量が高いほど組成物の硬度は低くなり、粘着性は増加する。
【0016】
前述のポリオキシポリアルキレンポリオールとしては、低分子量の活性水素化合物を開始剤としてアルキレンオキサイドを開環附加重合させた公知の化合物を用いることが出来る。ここで言う低分子量の活性水素化合物とは、水,エチレングリコール,プロピレングリコール,ジエチレングルコール,ブタンジオール,ヘキサンジオール,グリセリン,若しくはトリメチロールプロパン等の官能基数2〜3の多価アルコールを挙げることができる。また、これらの2種類以上の混合物を使用することも可能である。
【0017】
本発明における組成物に粘着性を付与するためにポリオールの一部成分として、2級若しくは3級の高級モノアルコールを用いることが必要である。これらのモノアルコールとしては、主成分のポリオールに可溶性であることが好ましい。これらに該当するポリオールとしては、例えば、2−エチルヘキシルアルコール,sec−ステアリルアルコール,α−テルピネオール,ジアセトンアルコール及びカプリルアルコール等を挙げることができる。
【0018】
これらのモノオールの使用量は、ポリオール成分の合計量を100重量部とした時、主成分のポリオール99.5〜90重量部に対して上記モノオールを0.5〜10重量部の範囲が好ましい。モノオールの使用量が0.5重量部未満の時には、得られる組成物の粘着性増加は乏しく、また10重量部を越える時にはポリオールの平均官能基数の低下をもたらし、耐熱性に欠けるために好ましくない。モノオールの使用量は、0.5〜10重量部の範囲であれば特に問題はないが、使用量が少ない程組成物の硬度は高く、同時に粘着性は低くなる。また、使用量が高いほど硬度は低く、粘着性は強くなる。
なお、これらのモノオールの使用によって組成物に粘着性を付与できることについては、その正確な理論的裏付けを挙げることができないが、これらの2級若しくは3級の高級モノアルコール替えて1級の高級モノアルコールを用いた場合は、自己粘着性の付与はできず、耐熱性の乏しい組成物となり好ましくない。
【0019】
本発明に用いるポリオール混合物の平均官能基数は、2.4以上であることが必要である。平均官能基数が2.4に満たない場合は、硬化不良になりやすく、組成物が得られても耐熱性に乏しいために好ましくない。
【0020】
本発明に用いる有機ポリイソシアネートは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する有機化合物であって、前記ポリオールの水酸基に対して反応性のイソシアネート基を有するものが用いられる。有機ポリイソシアネートの例としては、一般的な芳香族,脂肪族及び脂環族の化合物を用いることが出来る。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI),ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),液状変性MDI,キシリデンジイソシアネート(XDI),ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI),シクロヘキシルジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等があり、とりわけTDI,MDIが好ましい。これら有機ポリイソシアネートは単独で用いることができるし、または2種以上を混合して用いることもできる。
【0021】
更にまた、有機ポリイソシアネートを理論量より少ない前記ポリオール類と公知の技術を用いて反応せしめ、末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーとして用いることもできる。プレポリマーとして用いる場合は、ポリオール化合物と有機ポリイソシアネートとの反応が確実に進行しやすくなり、均質な組成物が得やすいために好ましい。
これらのプレポリマーは、末端に活性イソシアネート基残量2重量%以上、好ましくは2.5〜15重量%を有するものがよい。末端活性イソシアネート基残量が2重量%未満の場合にはプレポリマーの液粘度が高くなり、組成物の製造に際して支障を来す。末端活性イソシアネート基残量が2重量%以上ならば特に支障はないが、15重量%を越えるとプレポリマーとして用いる効果が少なくなる。
【0022】
本発明においては、ポリオール混合物と有機ポリイソシアネートとを化学反応させるに際して、ポリオールの水酸基(OH)に対するイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比、即ちNCO/OHは0.95〜1.05が好ましい。この当量比が1.05を越える場合は、得られる組成物の粘着性が乏しくなり、また安定したゴム硬度の組成物を得がたく、0.95未満の場合は、得られる組成物の耐熱性に欠けるために好ましくない。
【0023】
ここで、有機ポリイソシアネートとポリオールとの間のウレタン化反応を行わせるに当たって、適宜のウレタン化触媒を用いることができる。このウレタン化触媒としては、第3級アミン化合物や有機金属化合物等の公知の触媒を用いることが可能である。例えば、トリエチレンジアミン,N,N‘−ジメチルヘキサメチレンジアミン,N,N‘−ジメチルブタンジアミン,オクチル酸鉛,ラウリル酸ジブチル錫等が好適である。ただし、このウレタン化触媒を用いることは本発明の必須の要件ではない。
【0024】
また、本発明によるポリウレタン樹脂で構成された軟質組成物は単体として用いることもできるが,以下に示す成分を添加することが出来る。まず、可塑剤を添加することが出来る。この可塑剤は、主成分としての前記ポリオールとイソシアネートの合計量100重量部当たり15重量部未満に限って混合することが出来る。この可塑剤を添加すると、その添加量が多くなるに応じて得られる軟質組成物の硬度は低下する。従って、この可塑剤の添加によって組成者硬度をある程度制御することが可能になる。ただし、可塑剤を15重量部以上添加すると、組成物の機械的特性を損ない、耐熱温度が低下し、また、可塑剤を原因とするブリージングを起こしやすくなる。適用可能な可塑剤の種類としては、通常のポリウレタン樹脂用の可塑剤、例えばジオクチルフタレート,ジブチルフタレート,トリスクロロエチルフォスフェート,トリスクロロプロピルフォスフェート等が挙げられる。
【0025】
また、組成物の耐久性,安定性の向上を図るために、安定剤として、熱安定剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,紫外線安定剤,充填剤等を、支障のない限りにおいて、1種または2種以上混合して用いることも出来る。さらに、前述したもの以外にも、顔料,染料,難燃剤,消泡剤,分散剤,界面活性剤,水分吸着剤等を適宜添加することも可能である。
【0026】
而して、原料として用いられるポリオールおよび有機ポリイソシアネートはそれぞれ常温、もしくは加温した状態で、これら2成分を混合する。添加剤を混合する場合には、予めポリオールに混合させておくか、または主成分の混合時に添加してもよい。
【0027】
前述の各成分を十分に混合したのち真空下で脱泡して、常温〜120℃の金型に流し込み、常温〜120℃で2日〜2時間ウレタン化反応を起こさせる。しかる後に金型から取り出すことによってウレタン樹脂から構成された軟質組成物が得られる。
【0028】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。ポリオール混合物と有機ポリイソシアネートとの反応により得られるポリウレタン系の組成物を、表1,表2及び表3に示す処方量に従ってA〜Nの14種類調整し、表1,表2及び表3にそれらの試験結果を示している。これらの組成物のうち、B,C,D,G,H及びIが本発明の実施例に該当し、その他の組成物A,E,F,J,K,L,M及びNは本発明との比較例である。
なお,表1〜表3に示す各素材は次のとおりである。
【0029】
(1)ポリオール
表中番号1−1:ポリオキシポリプロピレントリオール(分子量4,000)
表中番号1−2:ポリオキシポリプロピレン(末端部分エチレン)トリオール(分子量6,500)
表中番号1−3:β−メチル−δ−バレロラクトン系ジオール(分子量1,000)
(2)モノオール
表中番号2−1:sec−ステアリルアルコール
(3)イソシアネート:
表中番号3−1:ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオキシポリプロピレントリオール(分子量5,000)を反応させたプレポリマー(末端活性イソシアネート基残量9.1重量%)
表中番号3−2:トリレンジイソシアネートとポリオキシポリプロピレンポリオール(官能基数2.5、分子量2,500)を反応させたプレポリマー(末端活性イソシアネート基残量2.67重量%)
(4)その他の添加剤:
表中番号4−1:触媒:ラウリル酸ジブチル錫
表中番号4−2:可塑剤:ジオクチルフタレート
表中番号4−3:消泡剤:商品名 シリコン消泡剤SAG471(日本ユニカ)
表中番号4−4:水分吸着剤;合成ゼオライト粉
【0030】
以上の素材を表に示す処方に従ってホモジナイザー(3000rpm/min)で60秒間混合することにより反応を開始させて、その混合物を真空中で脱泡し、更にその混合物を200×200mm,厚み5mmのシリコーン製オープン金型に注型して、表中の所定温度で所定時間反応を継続したのち脱型し、引き続き常温で7日間養生することによって、200×200mm,厚み5mmのシート状の組成物を得た。
【0031】
そして、このシートについて以下のような実験を行い、その結果を表1〜表3に示している。
【0032】
【表1】
Figure 0003914373
【0033】
【表2】
Figure 0003914373
【0034】
【表3】
Figure 0003914373
【0035】
表中の「ポリオール」,「イソシアネート」,「触媒」,「可塑剤」,「消泡剤」欄における数値の単位は、重量部数を示す。
【0036】
また、「ゴム硬度」は、JIS K6301に準じてバネ式ゴム硬度計を用いて測定した結果の数値である。「スポンジ硬度」は、JIS S6050に準じてバネ式スポンジ硬度計を用いて測定した結果の数値である。
【0037】
「耐熱性」は、所定温度に暴露後、目視により7日以内に分解が発生したものを評価「D」、7日〜30日間に分解が発生したものを評価「C」,31日〜90日のものを評価「B」、そして90経過後も異常のなかったものを評価「A」の4段階で評価した。
【0038】
「粘着強さ(g/10mm)」は、ステンレス板を被着体とした180°ピール引張り試験にて測定した結果の数値である。
【0039】
表1〜表3の結果より、本開発の組成物はゴム硬度30以下の軟質組成物であり、80℃〜100℃の耐熱性に優れ、粘着強さは、180°ピール引張り強さで160〜740(g/10mm)(織布粘着テープの180°ピール引張り強さは約210(g/10mm))であり、組成物自体に粘着性を有するため経時劣化の少ない新しい粘着性材料といえる。
【0034】
そして、得られた軟質組成物のシートのB,C,D,G,H及びIについて、防振性,衝撃吸収性の測定を行い、その結果を表4に示している。
【0035】
【表4】
Figure 0003914373
【0036】
表中の「防振性(tanδ)」は、測定機「Dynamic Mechani−cal Thermal Analyzer:Polymer Laboratories社」で、30×5×2mmの試験片の曲げ試験にて測定した結果の数値である。
また、「衝撃吸収率」は、535gの鋼球を690mmの高さから5mmの鋼板上に自然落下させた時に鋼板下の1トンロードセルが受ける瞬間最大衝撃値(kg)を「x」とした時、同様の試験により厚み10mmの測定物が受けた衝撃値(「y」kgとする)から、その衝撃吸収率は〔=(1−y/x)×100%)〕とした数値である。
【0037】
表4の「防振性(tanδ)」の結果より、本開発の軟質組成物の「tanδ」は、周波数と温度に係わらず0.27以上(天然ゴムのtanδは、0.05〜0.1)であり、極めて優れた防振材料といえる。
【0038】
表4の「衝撃吸収率」の結果より、本開発の軟質組成物の衝撃吸収率は、91%以上(天然ゴムの衝撃吸収率は、約70%)であり、極めて優れた衝撃吸収材料といえる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる組成物は、ゴム硬度30以下の極めて軟質の組成物であり、組成物自体に粘着性を有するため経時劣化の少ない新しい粘着性材料でもある。
また、本発明の組成物は、極めて低応力で変形するために変位の激しい場所の固定や倒壊防止等に用いれば甚だ都合がよい材料となる。また、防振性,衝撃吸収性に優れている所から、防振材料,制振材料及び衝撃吸収材料等として広範な用途に用いることが出来る組成物である。
また、本発明の軟質組成物は、可塑剤等の二次的手段を用いないため、可塑剤が経時ブリージングして被着対象物を汚したり侵したりする心配はなく、しかも80℃以上の耐熱性を有し、より広範な用途に用いることが出来ると言う優れた効果を有する。

Claims (3)

  1. アルコール成分と有機ポリイソシアネートとを混合させたポリウレタン組成物であって、
    前記アルコール成分の合計量を100重量部とした時、
    官能基数2.4〜3.0,分子量3,000〜6,000のポリオールを99.5〜90重量部と、
    二級若しくは三級の高級モノアルコールを0.5〜10重量部含有することを特徴とする、ポリウレタン組成物。
  2. 前記二級若しくは三級の高級モノアルコールが、sec-ステアリルアルコールである請求項1記載のポリウレタン組成物。
  3. 請求項1に記載のポリウレタン組成物を硬化して得られる、ゴム硬度30以下の粘着性を有することを特徴とする軟質ポリウレタン樹脂。
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