JP4329254B2 - ウレタン系硬質被覆用樹脂組成物および被覆材 - Google Patents

ウレタン系硬質被覆用樹脂組成物および被覆材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なウレタン系硬質被覆用樹脂組成物および被覆材に関する。さらに詳細には、本発明は、高温多湿下においても塗膜表面の発泡がなく、十分な可使時間等良好な作業性を備え、しかも、硬質の樹脂硬化物を与えるため、アミン等有害な成分を含有するエポキシ樹脂の代替品となりうるウレタン系硬質被覆用樹脂組成物および被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン系硬質被覆材は、伸び性、冬場の硬化性に優れ、一般に使用されるエポキシ系材料の脆さ、アミンの有害性等の欠点がない被覆材として注目されている。
【0003】
たとえば、ウレタン系の硬質被覆剤の一例としては、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物をポリオール成分とするポリウレタン組成物が開示されている。(特公平1−27109号公報)。
【0004】
しかし、この技術は確かに硬質の床材として有用であるが、特に夏期即ち高温、多湿の条件下で発泡現象が生じやすく四季を通じて使用できない欠点がある。高温、多湿の夏期の施工においては、空気中及び下地、或いは系中の水分とイソシアナート基の反応により二酸化炭素を発生しながら硬化するため、美しい塗面を得るには重大な障害となる。特に塗布厚の薄い部分では、この現象が顕著である。
【0005】
さらに、一般のウレタン被覆材では尿素結合の生成による硬度発現を行っている場合が多く、有害物質であるポリアミンを用いる必要があるうえ、硬質タイプになると多量のポリアミンが必要となり、可使時間が確保できないなどの欠点がある。
【0006】
可使時間が短くなると、スプレー塗装などの塗布が短時間で完了する方法では使用できるものの、コテ塗りおよび刷毛塗り等の塗布に時間の要する手塗り作業では使用しずらくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高温多湿下での発泡が抑制され、十分な可使時間を有するウレタン系硬質被覆用樹脂組成物および被覆材を提供することを目的する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物の如き吸湿性の高い成分を用いないことにより、上記欠点を改良し、環境を選ばず、四季を通じて常に美しい塗面が得られるウレタン系硬質被覆用組成物および被覆材を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は、(A)二級水酸基を二個以上有する液状のビスフェノール系エポキシエステル変性ポリオール(a−1)と、天然油もしくはその誘導体(a−2)からなり、(a−1)と(a−2)の水酸基当量%の比が、4/6〜6/4となることを特徴とする化合物、(B)ポリイソシアネート化合物、を必須成分とするウレタン系硬質被覆用樹脂組成物であって、
前記ビスフェノール系エポキシエステル変性ポリオール(a−1)が、エポキシ当量が160〜188であるビスフェノール系エポキシ樹脂と少なくとも一個以上のエチレン性不飽和基を持つ炭素数10〜25の高級脂肪酸とを、該ビスフェノール系エポキシ樹脂中ののエポキシ基と高級脂肪酸中のカルボン酸基との当量比〔(エポキシ基)/(カルボン酸基)〕が1/0.95〜1/0.90で反応したものあることを特徴とするウレタン系硬質被覆用樹脂組成物および被覆材に関するものである。
【0010】
とりわけ、本発明は、(A)ビスフェノール系エポキシ化合物と不飽和高級脂肪酸を反応させてなる二級水酸基を二個以上有する液状のエポキシエステル変性ポリオール(a−1)と天然油もしくはその誘導体(a−2)を水酸基当量%の比が4/6〜6/4となるよう混合して得られるポリオール、および、(B)ポリイソシアネート化合物を必須の成分とするウレタン系硬質被覆用樹脂組成物および被覆材を提供しようとするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
前記(a−1)成分たる液状のエポキシエステル変性ポリオールとは、好ましくはエポキシ当量が160〜700のビスフェノール型エポキシ樹脂と高級脂肪酸とを反応させて得られるものを指称し、エポキシ樹脂のエポキシ基と高級脂肪酸のカルボン酸基との反応により、二級水酸基を優先的に生成する。
【0012】
上記反応の特質上、(a−1)成分には一級水酸基を有する化合物も含み得るが、本発明の効果を妨げるものではない。
【0013】
前記の液状のエポキシエステル変性ポリオールとは室温で液状の該化合物のことを指し、(a−1)成分として液状であれば、液状と固体状のエポキシエステル変性ポリオールの混合物であっても良い。
【0014】
(a−1)成分の原料のビスフェノール型エポキシ樹脂として特に代表的なもののみを例示するに止めれば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの各種ビスフェノール類の化合物に、エピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物で、公知慣用のものであり、それらを単独で用いても、二種以上併用してもよい。
【0015】
一方、かかるビスフェノール型エポキシ樹脂に反応せしめるべき高級脂肪酸としては、エチレン性不飽和結合を有する炭素数10〜25の高級脂肪酸が好適であり、その具体例としては、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などのひまし油脂肪酸、大豆油脂肪酸等が挙げられるが、さらに好ましくは、水酸基を有する高級脂肪酸であり、リシノール酸がそれにあたることから、ひまし油脂肪酸の使用が望ましい。
【0016】
該脂肪酸の炭素数が10より小さいとポリオール成分の疎水性が損なわれ、塗膜表面の発泡改善に対する効果が低減するし、炭素数が25より多くなるとポリオール成分の粘度が高くなり、作業性を著しく損なう。
【0017】
高級脂肪酸がエチレン性不飽和結合を有すれば、ポリオールの粘度が低減されて、被覆剤としても使用しやすくなるが、本発明の効果を損なわない範囲においては、ラウリン酸、パルミチン酸、デカン酸等のやし油脂肪酸のような飽和高級脂肪酸を用いてもよい。
【0018】
さらに、上記の高級脂肪酸が水酸基を有するものであれば、得られるポリオールの官能基数が多くなり、ウレタン樹脂としての硬質化に効果がある。
【0019】
ここでいう水酸基は二級水酸基が好ましく、一級水酸基に比べ反応性の遅い二級水酸基がポリオールに導入されるため、官能基数を多くしても被覆材として十分な可使時間を保つことができる。
【0020】
なお、本反応ではエポキシ基とカルボン酸基との反応比率は、1/1〜1/0.7の範囲が好ましく、さらに好ましくは1/0.95〜1/0.9の範囲である。エポキシ基に対するカルボン酸基の比率が1より大きくなると、カルボン酸基が残存し、発泡したり可使時間が短くなったりするし、また、0.7より小さくなると、エポキシ基とカルボン酸基との反応により生じる水酸基の数が少なくなるので、硬化物の硬度発現に影響する場合があり好ましくない。
【0021】
本反応の終点は反応混合物の酸価が、0.5(KOHmg/g)以下となったところが好ましく、酸価が0.5より大きい場合は、被覆材としての可使時間が短くなったり、塗膜が発泡したりする原因となるので好ましくない。
【0022】
(a−2)成分たる、天然油もしくはその誘導体とは、ひまし油、大豆油、やし油等の天然油およびそれらの誘導体を指称するものであり、なかでも、二級水酸基を有するひまし油およびその誘導体が好ましい。
【0023】
ここでいう天然油の誘導体とは、例えば、天然油と多価アルコール(グリセロール等)とのエステル交換反応物、天然油の重合体、天然油のジシクロペンタジエン付加物などが挙げられる。好ましくはひまし油の誘導体であり、例えば、ひまし油と多価アルコールとのエステル交換反応物、ひまし油の重合体、ひまし油のジシクロペンタジエン付加物などが挙げられる。
【0024】
(A)成分における水酸基当量%の比とは、下式で示される比のことをいう。
式 (x/X)/(y/Y)
x:(a−1)成分の重量部、X:(a−1)成分の水酸基当量
y:(a−2)成分の重量部、Y:(a−2)成分の水酸基当量
【0025】
ここでいう、水酸基当量とは各成分におけるすべての水酸基から算出し、二級水酸基以外に一級あるいは三級の水酸基などを含む場合には、これらも合算する。
【0026】
本発明において用いられる(a−1)成分たるエポキシエステル変性ポリオールと(a−2)成分の天然油もしくはその誘導体の混合量としては、(a−1)と(a−2)の水酸基当量%の比が4/6〜6/4となる範囲であり、かかる範囲内での使用によって、塗膜表面の発泡が起こらず、硬化物の物性こそ向上するものの、(a−1)成分が多くなりすぎると、樹脂の粘度が上昇するために作業性に支障を来たすばかりでなく、塗膜表面が発泡するので好ましくなく、また、(a−2)成分が多くなりすぎると、硬度および物性の低下を来たすので好ましくない。
【0027】
他方、本発明の組成物を構成する前記した(B)成分たるポリイソシアネート化合物として特に代表的なもののみを例示するに止めれば、脂肪族系、脂環式系または芳香族系の各種のポリイソシアネート、あるいはそれらの混合物などである。
【0028】
それらのうち、まず、脂肪族系ポリイソシアネートとして特に代表的なもののみを例示すれば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などであり、脂環式系ポリイソシアネートとして特に代表的なもののみを例示するに止めれば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)や水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)などであり、芳香族系ポリイソシアネートとして特に代表的なもののみを例示すれば、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)などであり、あるいは、上掲した如き各種のジイソシアネートの二量体化合物、ビューレットまたはイソシアヌレート構造を有する三量体化合物や、上掲した各種ジイソシアネートとポリオールとの付加反応化合物や、さらには、既知の方法により得られる種々の変性体などである。
【0029】
特別に耐黄変性を重視しない場合には、価格、塗装作業性、硬化性ならびに硬化塗膜の物性などの面で、クルードMDIや変性MDIなどの芳香族系のポリイソシアネートの使用が望ましい。
【0030】
ポリオール成分(A)には、前述した(a−1)および(a−2)以外にも、粘度低減等の目的で必要に応じ、他のポリオールを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することも、一向に差し支えない。
【0031】
上記の他のポリオールの水酸基は、本発明の効果を損なわなければ、二級水酸基でなくても良い。
【0032】
使用する他のポリオールとしては、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂の如き疎水性ポリオールなどが挙げらる。
【0033】
ここでいう他のポリオールに、エチレングリコール、プロピレングリコール等の短鎖ポリオール類、および、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキレンオキサイド重合体は含まれない。
【0034】
また、前記ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂とは、メタキシレンが、アルキレン、アセタールまたはエーテル結合により結ばれ、末端にキシレン核及びメチロール基やメトキシメチル基を含有する多分子構造のものである。このポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂は、メタキシレンとホルマリンとを強酸触媒下で反応させて得られるキシレンホルムアルデヒド樹脂の末端にメチロール基またはメトキシメチル基等を導入することにより得られる。またさらにこのキシレンホルムアルデヒド樹脂中の反応性に富んだ上記の結合基や末端基に、フェノール類、カルボン酸、アミン、アルコール、あるいは芳香族炭化水素など活性水素を有する化合物を1種類もしくは2種以上を含有するものであってもよい。このように本発明のポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂とはキシレン核に複合的に第三成分を導入し変性して得られるものである。
【0035】
ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂の使用量としては、(a−1)および(a−2)の合計量100重量部に対して、0〜30重量部、好ましくは、0〜20重量部なる範囲内が適切であり、かかる範囲内で、可使時間が確保できた上で、最終硬化物の高硬度化に効果を発揮し、更には、発泡抑制に効果がある。
【0036】
他方、当該ポリオール(A)の硬化剤成分である(B)成分のポリイソシアネートは、該ポリイソシアネートのイソシアネート当量と、化合物(A)の水酸基当量との比が0.7〜1.5なる量だけ好ましく使用されるが、これが0.7未満である場合には、硬化不十分となるし、一方、1.5を超える場合には、塗膜が脆くなり易く、物性の低下も著しくなり易く、いずれの場合にも、物性などに悪影響を及ぼすことになる。
【0037】
本発明でいう被覆材とは、上記のようにして得られる本発明のウレタン系硬質被覆用樹脂組成物に、充填材を必須成分として各種の添加剤成分を加えてなるものである。
【0038】
充填材としては、炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、クレー、シリカ、タルクなどが挙げられる。好ましくは、酸化アルミニウムである。
【0039】
他の添加剤成分としては、アゾ系、銅フタロシアニン系、弁柄、黄鉛、酸化チタン、亜鉛華またはカーボンブラックの如き有機ないしは無機系の着色顔料、および、鉛丹、鉛白、塩基性クロム酸塩、塩基性硫酸鉛、ジンククロメート、亜鉛末またはMIOの如き防錆顔料、さらには、チキソ付与剤、レベリング剤、吸湿剤、シランあるいはチタネート系カップリング剤などの各種助剤をも、必要に応じて、添加することができる。さらに必要に応じ、ジブチルチンジラウレートまたはジブチルチンジアセテートの如き有機金属化合物や各種アミン類などの硬化触媒を始め、ジオクチルフタレート、アスファルト、またはタールの如き可塑剤成分や、A重油または芳香族炭化水素の如き石油系希釈剤成分などを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することも、一向に、差し支えない。
【0040】
上記の充填材、添加物等は、主に(A)成分に常法の混合機器によりあらかじめ練り合わせて使用される。
【0041】
かくして得られる本発明のウレタン系硬質被覆用樹脂組成物は、塗り床材、防食材、防水材などをはじめとする各種の工業的原材料として有用なものであるが、とくにエポキシ樹脂に替わる高硬度の被覆材として効果を発揮するものである。
【0042】
本発明の組成物を用いて得られる被覆材の使用にあたっては、(A)および(B)成分を所定の混合比で混合(常温)し、可使時間内に下地、例えばコンクリート、金属、プラスチック、FRP、木質物等に塗布して硬化させるが、本発明では、スプレー塗装のみならず、コテ塗りまたは刷毛塗り等の手塗りによっても塗布できる十分な可使時間を有している。
【0043】
【実施例】
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下において、部および%は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0044】
参考例1〔ポリオール成分(A)の調製例〕
エポキシ当量が188なるビスフェノールA型エポキシ樹脂の40重量部と、ひまし油脂肪酸の60重量部とを、トリフェニルフォスフィンの0.2重量部の存在下に、窒素バブリングしながら110℃で15時間反応させて得られる酸価0.1、水酸基当量265のエポキシエステル〔以下、エポキシエステル(a−1−1)と略記する。〕の48重量部と、水酸基当量350のひまし油(a−2)の52重量部をブレンドして、水酸基当量が309のポリオール成分(A)を得た。ここに、成分(a−1−1)と(a−2)の水酸基当量%の比は、5.5/4.5となる。
【0045】
参考例2〔同上〕
参考例1のエポキシエステル(a−1−1)の38重量部と、ひまし油(a−2)の62重量部をブレンドして、水酸基価当量が318なる目的化合物を得た。ここに、成分(a−1−1)と(a−2)の水酸基当量%の比は、ほぼ4.5/5.5となる。
【0046】
参考例3〔同上〕
エポキシ当量が188なるビスフェノールA型エポキシ樹脂の20重量部、エポキシ当量が171なるビスフェノールF型エポキシ樹脂の20重量部、ひまし油脂肪酸の60重量部を、トリフェニルフォスフィンの0.2重量部の存在下に、窒素バブリングしながら110℃で24時間反応させて得られた酸価0.2、水酸基当量270のエポキシエステル〔以下、エポキシエステル(a−1−2)と略記する。〕の49重量部と、水酸基当量350のひまし油(a−2)の51重量部をブレンドして、水酸基価が312なる目的化合物を得た。ここに、成分(a−1−2)と(a−2)の水酸基当量%の比は、5.5/4.5なる。
【0047】
実施例1
参考例1で得られたポリオール成分100部、炭酸カルシウム40部、アルミナ50部、顔料10部をプラネタリーミキサーを用い真空脱泡しながら均一混合したコンパウンドとクルードMDIをイソシアネート当量と水酸基の比率1.15として十分に均一混合させ、硬化物を用いて性能試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0048】
塗面の表面発泡性の評価については、スレート板上に湿気硬化型ウレタン系プライマー〔プライアデックT−150−35(大日本インキ化学工業製)〕を塗布し温度35℃、湿度80%の条件下で硬化させてその表面に発生する気泡の有無の評価を行った。なお、物性試験の結果については、(A)成分を含む上記コンパウンドと(B)成分混合後、25℃×7日間養生後の値である。(JIS−K−6301)に準拠。
【0049】
実施例2,3
実施例2,3はそれぞれ参考例2,3のポリオール成分を用いて、実施例1と同様に実施した。それらの結果も表1に示した。
【0050】
【表1】
Figure 0004329254
Figure 0004329254
1 ポリオール成分(A)を含むコンパウンドの粘度
2 (A)成分を含むコンパウンドと(B)成分を混合した直後の粘度
3 (A)成分を含むコンパウンドと(B)成分を混合した後、50000
mPa・sに到達するまでの時間
【0051】
比較例1
参考例1のエポキシエステル(a−1−1)の30重量部と、ひまし油(a−2)の70重量部をブレンドして、水酸基当量が325なる化合物を得た。ここに、成分(a−1−1)と(a−2)の水酸基当量%の比は、ほぼ3.5/6.5となり、本発明の効果を損なう値となる。実施例1〜3と同様の評価を行った結果を表2に示す。表面発泡は見られないが、硬質ウレタンといえる程の硬度は発現できない。
【0052】
比較例2
参考例1のエポキシエステル(a−1−1)の58重量部と、ひまし油(a−2)の42重量部をブレンドして、水酸基当量が302なる化合物を得た。ここに、成分(a−1−1)とひまし油(a−2)の水酸基当量%の比は、ほぼ6.5/3.5となり、本発明の効果を損なう値となる。実施例1〜4と同様の評価を行った結果を表2に示す。硬質ウレタンといえる硬度は発現できるが、表面発泡が生じる。
【0053】
比較例3
エポキシエステルポリオール(a−1−1)のかわりにビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(a−1−3)を用い、ひまし油(a−2)とブレンドしてポリオール成分(A)を調製した。これを用いて実施例1と同様の評価を行った結果を表2にしめす。硬質ウレタンといえる硬度は発現できるが、吸湿性の高い原料を含むために表面発泡が生じる。
【0054】
比較例4
エポキシエステルポリオール(a−1−1)の半分をビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(a−1−3)に置き換えた(a−1)成分を用い、ひまし油(a−2)とブレンドしてポリオール成分(A)を調製した。これを用いて実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。(a−1)成分に吸湿性の高い原料を併用すると表面発泡が生じる。
【0055】
【表2】
Figure 0004329254
Figure 0004329254
1 (a-1-1)/(a-1-3)/(a-2)=3/3/4
2 ポリオール成分(A)を含むコンパウンドの粘度
3 (A)成分を含むコンパウンドと(B)成分を混合した直後の粘度
4 (A)成分を含むコンパウンドと(B)成分を混合した後、50000
mPa・sに到達するまでの時間
【0056】
比較例5
エポキシ当量が188なるビスフェノールA型エポキシ樹脂の40重量部と、エチレン性不飽和基を持たない脂肪酸である12−ヒドロキシステアリン酸の60重量部とを、トリフェニルフォスフィンの0.2重量部の存在下に、窒素バブリングしながら110℃で16時間反応させて得られる酸価0.2、水酸基当量280のエポキシエステルは、室温ではろう状となり、ひまし油とブレンドしても粘度が高く、使用し難いものであった。このように、室温で液状のビスフェノール系エポキシエステル変性ポリオールを含まない組成物は使用し難くなる。
【0057】
表1から明らかなように、本発明は二液型ウレタン樹脂組成物の発泡現象を改善したものであり、高温、高湿下での施工においても、気泡を含まない硬質塗面が得られる。
【0058】
【発明の効果】
本発明のウレタン系樹脂組成物は、高温多湿下においても極めて低発泡性であり、十分な可使時間を備え、しかも、硬質の樹脂硬化物を与えるため、アミン等有害な成分を含有するエポキシ樹脂の代替品となりうるウレタン系硬質被覆用樹脂組成物を得ることができる。

Claims (2)

  1. (A)二級水酸基を二個以上有する液状のビスフェノール系エポキシエステル変性ポリオール(a−1)と、天然油もしくはその誘導体(a−2)からなり、(a−1)と(a−2)の水酸基当量%の比が、4/6〜6/4となることを特徴とする化合物、(B)ポリイソシアネート化合物、を必須成分とするウレタン系硬質被覆用樹脂組成物であって、前記ビスフェノール系エポキシエステル変性ポリオール(a−1)が、エポキシ当量が160〜188であるビスフェノール系エポキシ樹脂と少なくとも一個以上のエチレン性不飽和基を持つ炭素数10〜25の高級脂肪酸とを、該ビスフェノール系エポキシ樹脂中ののエポキシ基と高級脂肪酸中のカルボン酸基との当量比〔(エポキシ基)/(カルボン酸基)〕が1/0.95〜1/0.90で反応したものあることを特徴とするウレタン系硬質被覆用樹脂組成物
  2. 請求項1記載の樹脂組成物からなるウレタン系硬質被覆材。
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