JPH07215849A - 抗骨粗鬆症剤 - Google Patents
抗骨粗鬆症剤Info
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- JPH07215849A JPH07215849A JP2495694A JP2495694A JPH07215849A JP H07215849 A JPH07215849 A JP H07215849A JP 2495694 A JP2495694 A JP 2495694A JP 2495694 A JP2495694 A JP 2495694A JP H07215849 A JPH07215849 A JP H07215849A
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Abstract
提供する。 【構成】 正常の骨ではカルシウムの吸収と形成が交互
にバランスよく行われているが、これが崩れて吸収が促
進すると、骨量が減少して骨折しやすく、疼痛も伴い骨
粗鬆症と呼ばれる。特に閉経後の女性に多く、有用性の
高い治療薬が求められている。さらに治療は長期に亘る
ため高い安全性も必要である。従来骨粗鬆症の治療に
は、女性ホルモン、カルシトニン、活性ビタミンD3、
イプリフラボンが用いられてきた。しかし女性ホルモン
には乳癌・子宮内膜癌等の重篤な副作用発現の恐れがあ
り、カルシトニンは注射でしか投与できず、活性ビタミ
ンD3は高カルシウム血症を引き起こしやすく、イプリ
フラボンは長期投与した際の有効性・安全性が十分確認
されていない等の問題点があった。しかし本発明にかか
るゲラニルゲラニオールは、意外にも骨芽細胞と脾細胞
の共存系において破骨細胞の形成を抑制する作用を有し
ており、安全性も高く、臨床上有用な抗骨粗鬆症剤とな
り得る。
Description
導体の破骨細胞形成抑制作用に基づく、抗骨粗鬆症剤に
関する。
解)と骨形成が交互にバランスよく行われて、代謝回転
しつつも一定の骨量に保たれている。ところがこのバラ
ンスが崩れて、吸収が促進すると骨量が減少し、骨が細
くなって骨折しやすくなり、また疼痛を伴う場合もあ
る。このような状態を骨粗鬆症と呼んでおり、特に閉経
後の女性に多いことが特徴である。統計によっても異な
るが、この年代の女性においては約1/4に認められると
の報告もあり、有用性の高い治療薬が求められている。
さらに治療は長期に亘るため、高い安全性も必要であ
る。
明らかにはなっていないが、治療にあたっては、骨吸収
を抑制するか、または骨形成を促進することが必要と考
えられている。
症の治療には、女性ホルモン(エストロゲン)、カルシ
トニン、活性ビタミンD3、イプリフラボンが臨床導入
されてきた。
ストロゲン)は、骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を合
わせ持ち、骨粗鬆症の進行を抑制する。しかし長期投与
にあたっては、腹部膨満・悪心等の消化器症状に加え、
乳癌・子宮内膜癌の発生を始め、子宮内膜出血・帯下の
増加・乳房痛など、女性ホルモンに特有の重篤な副作用
が発現する恐れがあり、さらに糖代謝・脂質代謝異常、
静脈血栓等の副作用も認められている。したがって長期
投与した際の安全性に問題がある。
・レセプターに結合して、破骨細胞の骨吸収を阻害する
ため、強力な治療効果を有する。また中枢神経系におい
て他のホルモン等との相互作用を介して鎮痛作用を発現
すると考えられており、骨粗鬆症における疼痛改善の承
認も得られている。しかしカルシトニンはペプチドであ
るため経口投与することができず、週2回、筋肉内注射
しなければならない。筋肉内注射は特に痛みが強く、長
期に亘って治療を続けることには無理がある。さらに注
射に伴なってショックを起こす恐れがあり、慎重な投与
が必要である上に、悪心・嘔吐・食欲不振等の消化器症
状、顔面紅潮・灼熱感等の循環器症状などの副作用発現
頻度が高い、耐薬性が生じる等の問題もあった。
収および腎臓におけるカルシウム再吸収を促進し、骨に
おける骨吸収・ 骨形成バランスを改善すると考えられ
ている。しかし前破骨細胞から破骨細胞に分化させる作
用も有しており、骨粗鬆症の治療においては逆に悪化さ
せるケースもあり得る。さらにその作用機序から投与量
が過剰になると高カルシウム血症を起こしやすく、石灰
沈着に起因する腎臓障害や消化器障害をもたらすことが
知られている。したがって治療にあたっては定期的に血
清カルシウム濃度をチェックする必要があり、臨床上、
非常に使いにくかった。
制し、また間接的に破骨細胞の活性も抑制する。さらに
骨芽細胞の増殖も促進することにより、骨量減少抑制作
用を発現する。しかし臨床応用されて間もないため、長
期投与した際の有効性・安全性に関しては十分に確認さ
れていない。
た有効性と安全性を兼ね備えた薬剤はないのが現状であ
り、臨床で有用性の高い医薬品の開発が強く望まれてい
た。
骨粗鬆症剤が有する上記問題点を改善し、臨床で有用性
の高い新規医薬品を目指して永年検討を続けてきた。そ
の結果、意外にも本発明にかかるポリイソプレノイド誘
導体が骨芽細胞と脾細胞の共存系において破骨細胞の形
成を抑制する作用を有しており、抗骨粗鬆症剤として所
期の目的を達成できることを見い出し本発明を完成し
た。
ド誘導体は下記化学式で表される。
水酸基、下記化学構造式で表される基、
する。
は、分子内に二重結合を4カ所有しており8種類の幾何
異性体が存在するが、本発明においてはいずれかの1種
類を用いてもよく、また2種類以上の混合物でもよく限
定されないが、中でも(2E,6E,10E)−3,
7,11,15−テトラメチル−2,6,10,14−
ヘキサデカテトラエン−1−オール、(2E,6E,1
0E)−2−メチル−3−(3,7,11,15−テト
ラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエニ
ル)−1,4−ナフトキノン、(2E,6E,10E)
−2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−(3,7,1
1,15−テトラメチル−2,6,10,14−ヘキサ
デカテトラエニル)−1,4−ベンゾキノンがより好ま
しい。
体について、3,7,11,15−テトラメチル−2,
6,10,14−ヘキサデカテトラエン−1−オール
(一般名;ゲラニルゲラニオール)を例にとってさらに
詳しく例示すると、以下の通りである。 (1) (2E,6E,10E)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (2) (2E,6Z,10E)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (3) (2E,6E,10Z)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (4) (2E,6Z,10Z)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (5) (2Z,6E,10E)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (6) (2Z,6Z,10E)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (7) (2Z,6E,10Z)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (8) (2Z,6Z,10Z)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール
合成的に得ることもできる。[テトラヘドロン・レター
ズ,2,189-198,1967.、アンゲバンテ・ケミー(Angew.Che
m.),17,53-90(1959).、EP-243849号公報]
いてポリイソプレノイド、コレステロール、ステロイ
ド、ユビキノン、ドリコール等の多くの生理活性物質を
生合成する際の前駆体(基質)であり、LD50値は実験的
に測定できない程高く、安全性の極めて高い化合物であ
る。
ル−3−(3,7,11,15−テトラメチル−2,
6,10,14−ヘキサデカテトラエニル)−1,4−
ナフトキノン(一般名;メナテトレノン)は、胆道閉塞
・胆汁分泌不全による低プロトロンビン血症、新生児低
プロトロンビン血症、分娩時出血、抗生物質投与中に起
こる低プロトロンビン血症、クマリン系抗凝固薬投与中
に起こる低プロトロンビン血症の治療薬として、すでに
臨床で広く用いられており、その安全性は確認されてい
る。(2E,6E,10E)−2−メチル−3−(3,
7,11,15−テトラメチル−2,6,10,14−
ヘキサデカテトラエニル)−1,4−ナフトキノンの急
性毒性値を以下に示す。
キシ−5−メチル−6−(3,7,11,15−テトラ
メチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエニ
ル)−1,4−ベンゾキノン(一般名;ユビキノン4)
も生体内物質であり、LD50値は実験的に測定できない程
高く、安全性の極めて高い化合物である。
顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤などの経口製剤、
軟膏、貼付剤等の外用剤および注射製剤が挙げられる。
製剤化の際には、通常の製剤担体を用いて常法により製
造することができる。
にかかるポリイソプレノイド誘導体と賦形剤、さらに必
要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭
剤などを加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、
錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等とする。
ーチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結
晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤としては、
例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メ
チルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ト
ラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリ
オキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミンなど
が、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、
結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カ
ルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤と
しては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポ
リエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色
剤としては医薬品に添加することが許可されているもの
が、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香
散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。これらの
錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティ
ングすることはもちろん差支えない。
にかかるポリイソプレノイド誘導体いずれか1種類以上
に、pH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応じて
溶解補助剤、安定化剤などを加えて、常法により製剤化
する。
常法により製造することができる。すなわち製剤化にあ
たり使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、
化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能
である。
ば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級ア
ルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン
脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分
子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さら
に必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐
防黴剤、着色料、香料などを添加することができるが、
本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれらに限定されな
い。また必要に応じて他の分化誘導作用を有する成分、
血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン
類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合する
こともできる。なお上記基剤原料の添加量は、通常外用
剤の製造にあたり設定される濃度になる量である。
の臨床投与量は、症状、重症度、年齢、合併症、併用薬
などによって異なり限定されず、また投与経路などによ
っても異なるが、通常成人1日あたり100mg〜3000mgで
あり、好ましくは300mg〜2000mgであり、さらに好まし
くは500mg〜1500mgであり、これを経口、静脈内または
経皮投与する。
に実施例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないこ
とは言うまでもない。
ド誘導体の抗骨粗鬆症剤としての有用性を示すため、骨
芽細胞と脾細胞の共存系において、破骨細胞の形成を抑
制作用を確認した効果実験例を挙げる。
りである。
−3−(3,7,11,15−テトラメチル−2,6,
10,14−ヘキサデカテトラエニル)−1,4−ナフ
トキノン (本発明化合物、一般名;メナテトレノンま
たはビタミンK2) (2) 3−メチル−2−ブテン−1−オール (3) ゲラニオール (4) ファルネソール (5) (2E,6E,10E)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール (本発明化合物、一般名;ゲラニルゲ
ラニオール) (6) ゲラニルファルネソール (7) ファルネシルファルネソール (8) ゲラニルゲラニルファルネソール (9) ソラネソール (10) デカプレノール (11) ファルネシルアセトン (12) ゲラニルゲラニルアセトン (13) (2E,6E,10E)−2,3−ジメトキシ−
5−メチル−6−(3,7,11,15−テトラメチル
−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエニル)−
1,4−ベンゾキノン (本発明化合物、一般名;ユビ
キノン4)
ノールに溶解し、被験化合物溶液とした。
を、0.05%-トリプシン溶液で剥離し、10%-ウシ胎児血清
(以下、FCS)含有・培養基礎液(以下、α-MEM)[商
品名;ギブコ(Gibco)社製、ミニマム・エッセンシャル
・メディウム]で、細胞数が 5×103個/mlになるように
調整した。
菌的に脾臓を取り出した。針を使って、10%-FCS含有・
α-MEM液中に、脾臓から細胞をほぐし出し、よく攪拌し
た。5分間放置後、組織片を沈めた上清を、フィコール
液:ウログラフィン液(6:2)混和液 3ml上に加
え、20℃、1200回転にて15分間遠心分離した。混和液と
培養液の境界に集まった細胞を、コマゴメピペットで集
め、よく攪拌した後、細胞数が 5×105個/mlになるよう
に調整した。
合物溶液を10-5M濃度となるように添加した10%-FCS含有
・α-MEM液を用い(コントロールには被験化合物溶液を
無添加)、5%-CO2:95%-空気中にて、37℃で行った。
24穴シャーレを用い、4穴に(2)で採取・調整した骨芽
細胞 5×103個/ml/穴をまき、1日後、その上に(3)で採
取・調整した脾細胞 5×105個/ml/穴をまいた。脾細胞
をまいた日を第0日として7日間培養した。(すべての
被験化合物とも n=4) また培養液を3日ごとに交換し
た。7日後に、破骨細胞数を表すパラメーターである、
細胞層中の酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(以下、TR
ACP)活性を測定した。
キットを用いた。24穴シャーレの培養液を取り除き、そ
こに基質を直接入れ、37℃で1時間インキュベーション
した。その後インキュベーションした基質の一定量をス
ピッツに分取し、発色液を加えて、500nmで吸光度を測
定した。なお測定値は、カインド・キング(kind-king)
法単位を用い、(KA-U/穴)で示した。
て、各被験化合物が破骨細胞の形成に与える影響を、破
骨細胞数を表すパラメーターであるTRACP活性で、表5
および図1に示す。
明にかかるポリイソプレノイド誘導体は破骨細胞の形成
を有意に抑制したが、これ以外の化合物は逆に促進して
おり、本発明にかかるゲラニルゲラニオール、メナテト
レノンあるいはユビキノン4が、破骨細胞の形成を特異
的に抑制する作用を有していることが明らかである。
イソプレノイド誘導体は高い安全性も有しており、抗骨
粗鬆症剤として、臨床にて極めて高い有用性が期待でき
る。
験化合物の破骨細胞の形成抑制作用を示した図である。
(平均±標準誤差で示す)
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式で表されるポリイソプレノイ
ド誘導体を有効成分とする抗骨粗鬆症剤。 【化1】 [式中、下記化学式で表される結合 【化2】 はE型二重結合またはZ型二重結合を、Rは水酸基、下
記化学構造式で表される基、 【化3】 または下記化学構造式で表される基 【化4】 を意味する。] - 【請求項2】 ポリイソプレノイド誘導体が(2E,6
E,10E)−3,7,11,15−テトラメチル−
2,6,10,14−ヘキサデカテトラエン−1−オー
ル、(2E,6Z,10E)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール、(2E,6E,10Z)−3,7,1
1,15−テトラメチル−2,6,10,14−ヘキサ
デカテトラエン−1−オール、(2E,6Z,10Z)
−3,7,11,15−テトラメチル−2,6,10,
14−ヘキサデカテトラエン−1−オール、(2Z,6
E,10E)−3,7,11,15−テトラメチル−
2,6,10,14−ヘキサデカテトラエン−1−オー
ル、(2Z,6Z,10E)−3,7,11,15−テ
トラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエ
ン−1−オール、(2Z,6E,10Z)−3,7,1
1,15−テトラメチル−2,6,10,14−ヘキサ
デカテトラエン−1−オール、(2Z,6Z,10Z)
−3,7,11,15−テトラメチル−2,6,10,
14−ヘキサデカテトラエン−1−オール、2−メチル
−3−(3,7,11,15−テトラメチル−2,6,
10,14−ヘキサデカテトラエニル)−1,4−ナフ
トキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−
(3,7,11,15−テトラメチル−2,6,10,
14−ヘキサデカテトラエニル)−1,4−ベンゾキノ
ンから選ばれた1種である請求項1記載の抗骨粗鬆症
剤。
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