JP2001294523A - ビタミンk欠乏症用組成物 - Google Patents

ビタミンk欠乏症用組成物

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JP2001294523A
JP2001294523A JP2000110383A JP2000110383A JP2001294523A JP 2001294523 A JP2001294523 A JP 2001294523A JP 2000110383 A JP2000110383 A JP 2000110383A JP 2000110383 A JP2000110383 A JP 2000110383A JP 2001294523 A JP2001294523 A JP 2001294523A
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vitamin
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egg yolk
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absorption
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Kazuhiro Hatano
和広 波多野
Nobuyuki Arai
信行 荒井
Hiroyuki Suzuki
宏幸 鈴木
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Nisshin Seifun Group Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吸収性を有するビタミンK欠乏症用組
成物を提供することにある。 【解決手段】 鳥体から移行されたビタミンKを含有す
る卵黄を有効成分とする、優れた吸収性を有するビタミ
ンK欠乏症用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鳥体から移行され
たビタミンKを含む卵黄を有効成分とするビタミンK欠
乏症用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンKは、1930年代の初めに無
脂肪食を与えられた鶏が出血症を起こしたことから、デ
ンマークのダム(Dam)により発見された。その後一
連の研究により、アルファルファに含まれるこのビタミ
ンは2−メチル−3−フィチル−1,4−ナフトキノン
と同定され、現在ビタミンK1またはフィロキノンと呼
ばれている。また微生物に存在するメナキノンはビタミ
ンK1に続いて発見されビタミンK2と呼ばれているが、
側鎖に不飽和基を持った一連のマルチプレニルメナキノ
ンと同定された。
【0003】食事性ビタミンKの不足による出血症状は
初め単に血漿プロトロンピン(第II因子)の濃度が減少
することによるものと考えられたが、後に血液凝固に関
係する第VII、第IX、第X因子の合成もまたビタミンK
の欠乏状態において抑制されることが知られるようにな
った。
【0004】フィロキノンの腸からの吸収はリンパ管で
行われ、脂質吸収が全般的に低下した条件ではビタミン
Kの吸収も影響される。ビタミンKは直ちに肝に濃縮さ
れるが、他の脂溶性ビタミンとは違って肝での代謝回転
は大変速い。
【0005】フィロキノンの排出は胆汁経由の糞便が主
であるが、尿からも排出される。食事性のフィロキノン
は、ほとんどが、その代謝物質として排出され、その主
なものは、3位の側鎖がさまざまに酸化され、グルクロ
ン酸抱合される。またビタミンKは、肝ミクロゾームの
γ−グルタミルカルボキシラーゼの基質となり、代謝さ
れてビタミンKの2,3−エポキシドを産生する。この
代謝物も元のビタミンKと同じように酸化分解を受けや
すい。
【0006】ヒト腸にもバクテリアが産生するメナキノ
ンが多量に含まれているが、この潜在的ビタミンKの栄
養上の重要性は未だ明らかにされていない。肝にはメナ
キノンがかなり含まれていることが証明されているが、
腸の下部からのメナキノンの吸収の程度は明らかではな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来より、ビタミンK
の欠乏症としては、新生児あるいは乳児でのビタミンK
欠乏性出血症等が知られている。これは、胎盤を通して
のビタミンKの輸送が乏しいことや新生児の腸管が無菌
状態のためメナキノンが合成されないこと等の理由によ
り生ずるとされている。そのため、妊娠期間中ないし摂
乳期間中の母親には特にビタミンKを多量に与えること
が必要とされている。
【0008】更に近年、ビタミンKと骨粗鬆症との関わ
りが広く研究されるようになり、骨粗鬆症例では健常人
と比較してビタミンKの血中濃度が低下していること、
ビタミンKの給与により骨量の改善を認めるなど、ビタ
ミンKと骨粗鬆症との関連が解明されるにつれて、ビタ
ミンKが骨粗鬆症の予防ないし治療薬として期待される
ようになってきた。高齢化が進行して、骨粗鬆症患者あ
るいはその予備群が増加している現代では、骨粗鬆症の
予防または治療の目的の上でも、ビタミンKをより効率
良く摂取させる方法の開発が切に望まれる。
【0009】従来ビタミンKを補う食品としては納豆、
パセリ、シソ、牛肝等が知られているが品物によっては
含有量が相違すると共に、これらを大量に摂取すること
は極めて困難である。従って、ビタミンKの欠乏を補う
ための方法としては、ビタミンKを注射する方法、ビタ
ミンK含有シロップを与える方法等が考えられる。しか
しながら、注射による場合はショック等の問題があり、
またシロップによる方法は、安定性等の問題があり、新
生児のビタミンK給与等ごく限られた範囲での方法であ
った。そこで、本発明者らは、ビタミンKの吸収効率を
高めることにより少量のビタミンKの服用で、骨粗鬆症
や出血症等のビタミンK欠乏症を治療あいるは予防でき
る物質について鋭意研究を行った結果、卵黄に優れたビ
タミンKの吸収促進効果があることを見出し本発明を完
成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、鳥
体から移行されたビタミンKを含む卵黄を有効成分とす
るビタミンK欠乏症用組成物に関する。本発明者等は鋭
意研究を行った結果、卵黄にビタミンKを添加混合して
人体に投与しても吸収促進効果は得られないが、驚くべ
きことに予めビタミンKを飼料に添加し、給餌すること
によって鳥体を通して卵黄中にビタミンKを含有させた
状態で人体に投与すると優れた吸収促進効果を有するこ
とを見出したのである。しかしながら、この吸収促進効
果の機構については未だ不明である。
【0011】卵黄中にビタミンKを移行させる方法とし
ては、鳥の飼料中にビタミンKを添加して給餌すればよ
い。使用されるビタミンKとしては主な目的とするビタ
ミンK2を添加してもよいが高価であるため、通常は安
価なビタミンK3あるいはビタミンK1を用いることが好
ましい。またビタミンDと併用すると好適である。鳥に
ビタミンK3あるいはビタミンK1を給餌しても鳥体内で
そのままあるいは代謝されて、卵黄内に移行しビタミン
2あるいはビタミンK1として蓄積される。
【0012】卵黄中のビタミンKの含量は、飼料に添加
するビタミンKの種類、添加量、飼育期間等によっても
異なるが、一般的には卵黄(生)中に、21日間飼育で
ビタミンK150〜2000μg/100g程度であ
る。前記のように生卵黄中のビタミンK含量は、ビタミ
ンK2単独の場合は100〜500μg/100g、好
ましくは150〜400μg/100g、さらに好まし
くは200〜400μg/100gの範囲に、ビタミン
2とビタミンK1の合計の場合は100〜2000μg
/100g、好ましくは150〜1500μg/100
g、さらに好ましくは200〜1800μg/100g
の範囲に調整することができる。
【0013】本発明において使用し得る卵黄としては例
えば鶏、ウズラ、アヒル、ダチョウ等のものが挙げられ
るがなかでも鶏が好ましい。
【0014】ビタミンK入りの飼料で飼育され、産卵さ
れた卵は卵白と卵黄に分別する。分別された卵黄は一旦
加熱して固化させた後加熱乾燥、凍結乾燥等の公知の方
法によって水分を除去し粉末化する。粉末状にしたビタ
ミンKを含む卵黄は、そのまま経口投与することもでき
るが、その他の種々の形態の製剤としても用いることが
できる。
【0015】製剤化する際に使用する原料としては、乳
糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール等の糖類、馬鈴薯澱
粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉等の澱粉類、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナ
トリウム等の無機物、結晶セルロースおよびカンゾウ
末、ゲンチアナ末等の植物末のような賦形剤;澱粉のり
液、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、
メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセ
ルロースおよびカルボキシメチルセルロースのような結
合剤;澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム塩、炭酸カルシウム、炭酸水素
ナトリウムおよびアルギン酸ナトリウムのような崩壊
剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物
油、マクロゴールおよびシリコーン油のような滑沢剤;
その他着色料、矯味剤、矯臭剤、可塑剤等を挙げること
ができる。
【0016】本発明は、ビタミンKを含む卵黄を前記の
各製剤原料を適宜用いて公知の方法により散剤、顆粒
剤、カプセル剤、丸剤、錠剤等の経口投与製剤に調製す
ることができる。
【0017】一般に健常な成人が正常な血液凝固因子の
合成を維持するためには、ビタミンKを約1μg/kg/
日摂取することが好ましいとされている。従って本発明
のビタミンK欠乏症用組成物は成人1日当り、例えば卵
黄中にビタミンK2190μg/100gのビタミンK
を含有している卵黄を用いれば0.53g/kg服用すれ
ば必要量が満たされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
【実施例】次に本発明を試験例および実施例を挙げて具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0019】試験例1 下記表1に示す基礎飼料をベースとして8週令のFisher
系ラットの雌を各区5〜6匹用いて20週間飼育した。
試験区1は飼料100g中ビタミンK288μg、ビタ
ミンD3260IUを含有する飼料で飼育し、試験区2
は試験区1で用いた基礎飼料中の卵黄粉末に代えてビタ
ミンK2とD3製剤を添加し、かつコーンスターチを10
重量部増量した(飼料100g中ビタミンK288μ
g、ビタミンD3260IU)で飼育した。その試験結
果を示せば表2のとおりである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】試験例2 試験例1において卵巣を摘出し、座骨神経を切除した雌
のラットを用いた以外は試験例1と同様にして試験し
た。その試験結果を示せば表3のとおりである。
【0023】
【表3】
【0024】表2および表3の試験結果より明らかなと
おり血漿中と頸骨中のビタミンK2濃度でパラレルな動
きがみられたが、頸骨中および血漿中のビタミンK
2は、ビタミンK2とD3を強化した餌を食べた鶏卵の卵
黄粉末を用いた試験区1の方がビタミンK2とD3製剤を
添加した試験区2に比べて約3倍もの増加がみられた。
【0025】実施例1 ビタミンK2300μgを含む卵黄粉末50重量部とブ
ドウ糖50重量部とを均一に混合して散剤を得た。
【0026】
【発明の効果】本発明のビタミンK欠乏症用組成物を用
いれば従来のビタミンK製剤として投与する場合に比べ
て吸収が良好なために約1/3の量で同等の効果が得ら
れるので極めて経済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 宏幸 栃木県那須郡西那須野町大字井口1242−5 日清製粉株式会社那須研究所内 Fターム(参考) 4C087 AA01 AA02 BB61 MA52 NA05 ZC29 4C206 AA01 AA02 CB28 MA72 NA05 ZC29

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鳥体から移行されたビタミンKを含有す
    る卵黄を有効成分とすることを特徴とする、優れた吸収
    性を有するビタミンK欠乏症用組成物。
JP2000110383A 2000-04-12 2000-04-12 ビタミンk欠乏症用組成物 Pending JP2001294523A (ja)

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