JPH07215846A - 抗アレルギー剤 - Google Patents

抗アレルギー剤

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JPH07215846A
JPH07215846A JP2635194A JP2635194A JPH07215846A JP H07215846 A JPH07215846 A JP H07215846A JP 2635194 A JP2635194 A JP 2635194A JP 2635194 A JP2635194 A JP 2635194A JP H07215846 A JPH07215846 A JP H07215846A
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JP
Japan
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caryophyllene
antiallergic
antiallergic agent
agent
allergic
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JP2635194A
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Mamoru Tabata
守 田端
Shigeo Tanaka
重雄 田中
Yasumasa Ikeshiro
安正 池城
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い抗アレルギー作用を示すと共に、安全性
に優れた抗アレルギー剤を得る。 【構成】 抗アレルギー剤は、α−カリオフィレン、β
−カリオフィレン等のカリオフィレンを配合してなる。
カリオフィレンは、例えば、チョウジなどの植物から抽
出、蒸溜等により得ることができる。この抗アレルギー
剤は、特にアトピー性皮膚炎治療薬などとして有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アトピー性皮膚炎など
のアレルギー疾患に対して有効な抗アレルギー剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、大気汚染、新規化合物の創製、食
生活の変化など、生活環境の著しい変化により、アトピ
ー性皮膚炎、喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻
疹、湿疹、胃腸アレルギー等のアレルギー疾患が増加し
ている。
【0003】これらのアレルギー疾患に対して、従来よ
り、例えば、副腎皮質ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、
狭義の抗アレルギー剤、抗コリン剤、抗セロトニン剤、
抗PAF剤など数多くの抗アレルギー剤が開発されてい
る。そして、これらの抗アレルギー剤のほとんどが、化
学的に合成された化合物であり、天然物を起源とする薬
物であっても、通常、何らかの化学的な修飾が施されて
いる場合が多い。そのため、これらの薬剤は、特に副作
用などの安全性の点で十分であるとはいえない。
【0004】一方、安全性の高い薬効成分として、植物
からの抽出成分が知られている。セスキテルペン炭化水
素に属するカリオフィレンは、チョウジなどの植物から
抽出され、従来より、香料またはその原料として使用さ
れている。特開平4−139125号公報には、上記カ
リオフィレンが抗菌作用を有し、尋常性座瘡(にきび)
の治療に有用であることが開示されている。また、特表
平4−501245号公報には、テルペン類のオゾニド
が皮膚炎の治療に用いられることが開示されている。し
かし、カリオフィレンが抗アレルギー活性を有すること
は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
抗アレルギー作用を示し、かつ安全性に優れた抗アレル
ギー剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、安全性の高いことが予測される植物か
らの抽出成分に着目して鋭意検討した結果、チョウジな
どの植物に含まれているカリオフィレンが強い抗アレル
ギー活性を有することを見出だし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、カリオフィレンを配
合してなる抗アレルギー剤を提供する。この抗アレルギ
ー剤は、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ラット、マウスなど
の哺乳動物に対して、優れた抗アレルギー作用を示す。
そのため、例えば、アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支
喘息、蕁麻疹、湿疹、胃腸アレルギー、アトピー性皮膚
炎などのアレルギー症状の優れた治療薬として使用でき
る。
【0008】前記カリオフィレンには、α−カリオフィ
レン(α−フムレン;2,6,6,9−テトラメチル−
1,4,8−シクロウンデカトリエン)、β−カリオフ
ィレン(4,11,11−トリメチル−8−メチレンビ
シクロ[7.2.0]ウンデス−4−エン)およびγ−
カリオフィレン(イソカリオフィレン)が含まれる。
【0009】本発明の抗アレルギー剤は、カリオフィレ
ンを一種または二種以上使用できる。好ましいカリオフ
ィレンには、α−カリオフィレンおよびβ−カリオフィ
レンが含まれる。
【0010】α−カリオフィレンは、例えば、クワ科の
カンナビス・インディカ(Cannabisindica)、ホップ
Humulus lupulus L.)、チョウジ油、イワタバコ
科のジディモカルプス・ペディセラタ(Didymocarpus
pedicellata )、アオノクマタケラン(Alpinia chin
ensis Roscoe)の種子、ラベンダー油、マツ科のピヌ
ス・マリチマ(Pinus maritima)などに存在する。
【0011】β−カリオフィレンおよびγ−カリオフィ
レンは、例えば、フトモモ科のチョウジ(Eugenia ca
ryophyllata )の蕾から得られるクローブ油、チョウジ
の葉や小枝から得られるクローブ葉油、コパイバ油、ラ
ベンダー油などに含まれている。
【0012】これらのカリオフィレンは、カリオフィレ
ンを含有する植物から、慣用の分離精製手段、例えば、
蒸溜、水蒸気蒸溜、抽出、浸出、クロマトグラフィー
(カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフ
ィー、薄層クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィ
ー等)など、およびこれらを組み合わせることにより容
易に得ることができる。
【0013】カリオフィレンを含む植物としては、植物
体全体または植物体の一部、例えば、根、茎、葉、果
実、種子、果皮、樹皮、幹、枝、花、蕾などを使用で
き、また、必要に応じて乾燥、粉砕等の処理を施した処
理物を使用できる。さらに、植物から得られる生薬を使
用してもよい。
【0014】カリオフィレンは、より具体的には、前記
カリオフィレンを含む植物を、通常の蒸溜、または水蒸
気蒸溜に供し、カリオフィレンを含有する留分を、必要
に応じて精留したり、クロマトグラフィー等に供するこ
とにより、単離することができる。
【0015】また、前記カリオフィレンを含む植物を、
適当な溶媒により抽出し、得られた抽出液を、さらに、
濾過、溶媒による分配、濃縮、蒸溜、水蒸気蒸溜、クロ
マトグラフィー等の分離精製手段に供することにより、
カリオフィレンを単離することもできる。
【0016】抽出に用いる溶媒としては、植物から有効
成分などを抽出する際に通常用いられる溶媒が使用で
き、特に、低沸点溶媒が用いられる場合が多い。前記溶
媒として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロ
パノールなどのアルコール類;エチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル、ジメトキシエタン、環状エーテル(例
えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)などのエ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類;酢酸エチルなどのエステル類;四塩化炭素、クロロ
ホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;
ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘ
キサンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエンな
どの芳香族炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル
類等が挙げられる。これらの溶媒は一種または二種以上
混合して用いることができる。
【0017】抽出は、例えば、0℃〜溶媒の還流温度、
好ましくは15〜110℃程度で行うことができる。
【0018】カリオフィレンは、優れた抗アレルギー作
用を有しており、かつ毒性が低い(急性毒性:LD50
500mg/kg)。そのため、アトピー性皮膚炎、気
管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹、
胃腸アレルギー等のアレルギー性疾患に対する安全性の
高い抗アレルギー剤として使用できる。なかでも、アト
ピー性皮膚炎などに対して優れた効果を示す。
【0019】抗アレルギー剤の剤形としては、経口的ま
たは非経口的に投与可能な種々の剤形、例えば、錠剤、
顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤などの固形製剤;懸濁
剤、乳剤、注射剤、輸剤などの液状製剤;軟膏剤などの
半固形剤;エアゾール剤などが挙げられる。また、疾患
の種類に応じて、吸入剤、点鼻剤、点眼剤などとして使
用することもできる。カリオフィレンは揮発性であって
且つ芳香性が高いので、芳香水剤としても使用できる。
さらには、医薬部外品、例えば、浴用剤、石鹸、化粧品
として調製することもできる。
【0020】固形製剤の調製には、慣用の成分、例え
ば、デンプン、乳糖、ショ糖、マンニトールなどの糖
類、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ケイ酸などの賦形剤;ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエ
ーテル、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガン
ト、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、デキス
トリン、ペクチンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、ポリエチレングリコールなどの滑沢剤;
カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤;
崩壊助剤;安定剤;矯味剤、矯臭剤、着色剤等が使用で
きる。
【0021】液状製剤の調製には、慣用の成分、例え
ば、アラビアゴム、ゼラチン、トラガント、レシチン、
コレステロールなどの天然乳化剤;石鹸、アルキル硫酸
ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;モノオレイル
ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマ
シ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセ
リンモノステアレート、ソルビタンモノオレートなどの
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポ
リオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンオキ
シプロピレン共重合体(例えば、プルロニックなど)な
どのノニオン性界面活性剤;セチルトリメチルアンモニ
ウムクロライドなどのカチオン性界面活性剤;両性界面
活性剤;相溶化剤(例えば、エタノールなど);必要に
応じて、糖類、アルコール類、懸濁化剤や増粘剤、保存
剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤等が使用できる。注射用担
体としては、例えば、蒸溜水、生理食塩水、グルコース
溶液、輸液剤等が用いられる。
【0022】半固形剤の調製には、軟膏基剤として、油
性基剤または疎水性基剤、乳剤性基剤、親水性基剤また
は水溶性基剤、ゲル基剤などが用いられる。油性基剤ま
たは疎水性基剤の成分としては、例えば、ワセリン、流
動パラフィン、パラフィン、プラスチベース、シリコ
ン、植物油、ワックスなどが挙げられ、乳剤性基剤の成
分には、ワセリン、ラノリンなどの油性基剤、高級アル
コール、界面活性剤や乳化剤などが含まれる。また、親
水性基剤または水溶性基剤の成分としては、飽和脂肪酸
のグリセリンエステルなどの親水性脂肪酸エステル、ポ
リエチレングリコールなどの水溶性ポリマーなどが挙げ
られる。ゲル基剤の成分としては、例えば、親水性合成
高分子(例えば、カーボポールなど)、コロイド分散し
たデンプン、トラガント、アルギン酸塩、セルロース誘
導体などの有機性ヒドロゲル基剤、コロイド性粘土など
の無機性ハイドロゲル基剤等が挙げられる。
【0023】エアゾール剤には、前記の液状製剤の成分
と共に、噴射剤が使用され、必要に応じて、エタノー
ル、グリセリン、プロピレングリコールなどの溶媒、高
級脂肪酸エステル、界面活性剤等を使用できる。
【0024】本発明の抗アレルギー剤におけるカリオフ
ィレンの含有量は、特に制限されないが、通常、投与単
位当り、0.1〜2000mg程度である。カリオフィ
レンの投与量は、投与経路、年齢、アレルギー性疾患の
種類等により異なるが、通常、成人1日当り、約0.1
〜2000mg、好ましくは1〜500mg程度であ
る。投与回数は特に制限されず、1日当り1回または数
回に分けて投与できる。
【0025】
【発明の効果】カリオフィレンは、低濃度で抗アレルギ
ー活性を有すると共に、毒性が低く安全性が高い。その
ため、本発明の抗アレルギー剤は、アトピー性皮膚炎、
気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿
疹、胃腸アレルギーなどの各種アレルギー疾患の治療に
有用である。
【0026】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0027】実験例 [マウス耳受身皮膚アナフィラキシー(PCA:passiv
e cutaneous anaphy-laxis )反応(I型アレルギー)
に対する作用]マウス(ddY系マウス、オス、6週
齢、体重25〜30g)の耳の皮膚内に、抗卵白アルブ
ミン抗血清を注射し、48時間後に、1%Tween8
0含有生理食塩水に懸濁した試験薬物を、マウスの腹腔
内に投与した。試験薬物として、α−カリオフィレンお
よびβ−カリオフィレン[何れも、東京化成(株)製]
を用いた。試験は、α−カリオフィレン投与量50〜2
00mg/kg、β−カリオフィレン投与量4〜80m
g/kgで行った。
【0028】15分経過後、卵白アルブミンとエバンス
ブルー(染料)を静注して皮膚アナフィラキシー反応を
惹起させた。30分後、マウスの耳における漏出色素量
(μg/ear)を、波長620nmにおける吸光度に
より測定した。なお、対照として、抗アレルギー剤トラ
ニラスト(tranilast )を用いた。
【0029】結果を表1および表2に示す。表中の漏出
色素量の数値は、平均値±S.E.(標準誤差)の値を示
す。また、抑制率は、ブランク(薬物無投与)の場合の
漏出色素量と所定量の薬物を投与した場合の漏出色素量
との差を、ブランクの場合の漏出色素量で割った値
(%)を示す。なお、Studentの−テストによ
る有意水準pは、α−カリオフィレンを200mg/k
g投与した場合は0.01未満、β−カリオフィレンを
40mg/kg投与した場合は0.01未満、80mg
/kg投与した場合は0.001未満、トラニラストを
150mg/kg投与した場合は0.05未満であっ
た。また、β−カリオフィレンのID50は、48.4m
g/kg(i.p.)であった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】 表より、α−カリオフィレンおよびβ−カリオフィレン
が優れた抗アレルギー作用を有していることがわかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カリオフィレンを配合してなる抗アレル
    ギー剤。
  2. 【請求項2】 カリオフィレンがα−カリオフィレンで
    ある請求項1記載の抗アレルギー剤。
  3. 【請求項3】 カリオフィレンがβ−カリオフィレンで
    ある請求項1記載の抗アレルギー剤。
  4. 【請求項4】 アトピー性皮膚炎治療薬である請求項1
    記載の抗アレルギー剤。
JP2635194A 1994-01-28 1994-01-28 抗アレルギー剤 Withdrawn JPH07215846A (ja)

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