JPH07214476A - 電動スクリュドライバのサイレントクラッチ - Google Patents

電動スクリュドライバのサイレントクラッチ

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JPH07214476A
JPH07214476A JP6011813A JP1181394A JPH07214476A JP H07214476 A JPH07214476 A JP H07214476A JP 6011813 A JP6011813 A JP 6011813A JP 1181394 A JP1181394 A JP 1181394A JP H07214476 A JPH07214476 A JP H07214476A
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clutch tooth
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克彦 佐々木
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    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D43/00Automatic clutches
    • F16D43/02Automatic clutches actuated entirely mechanically
    • F16D43/20Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure
    • F16D43/202Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure of the ratchet type
    • F16D43/2022Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure of the ratchet type with at least one part moving axially between engagement and disengagement

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動スクリュドライバにおけるサイレントク
ラッチにおいて、従来必須の構成部材であった中間クラ
ッチエレメントをなくして、当該スクリュドライバの軽
量化、機長の短縮化さらには低コスト化を図る。 【構成】 モータにより回転する駆動ギヤ11と、ハウ
ジングに回転可能かつ軸方向に移動可能に支持されたス
ピンドル5と、このスピンドル5に対して前記駆動ギヤ
11の回転力を伝達または遮断するサイレントクラッチ
4とを備えた電動スクリュドライバにおける前記サイレ
ントクラッチ4であって、前記駆動ギヤ11は、前記ス
ピンドル5に設けられた第2クラッチ歯14aとの回転
方向についての係合により当該駆動ギヤ11を前記第2
クラッチ歯14aに接近する方向に移動させ、前記第2
クラッチ歯14aとの係合が解除された時点で当該駆動
ギヤ11を前記第2クラッチ歯14aから遠ざかる方向
に移動させるための軸方向変位手段12を備えた構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじの締め付け作業に
用いられる電動スクリュドライバのクラッチ機構に関
し、詳しくはねじを所定深さまで締付けた時にモータか
らの回転力を遮断してねじ締めを停止するとともに、そ
の後モータが回転し続けても静かに空転して騒音を発し
ないクラッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような機能を有するサイレ
ントクラッチ機構としては、例えば特公平3−5952
号公報に開示されているものが知られている。この従来
のクラッチ機構の構成を、同公報の図2aを援用した図
14に基づいて説明すると、このクラッチ機構50は、
第1および第2のクラッチエレメント51,52と、中
間クラッチエレメント53を有している。第1クラッチ
エレメント51はスピンドル54に回転可能に支持さ
れ、スピンドル54は第1クラッチエレメント51に対
して軸方向へ移動可能に支持され、中間クラッチエレメ
ント53はスピンドル54に軸方向移動可能に支持さ
れ、第2クラッチエレメント52はスピンドル54に固
定されている。
【0003】第1クラッチエレメント51の外周面には
駆動ギヤ部51aが形成されて、図示省略されたモータ
のピニオンギヤが噛み合わされている。また、この第1
クラッチエレメント51の図示下面にはクラッチ歯とし
てのカムメンバ51bが形成されている。中間クラッチ
エレメント53の図示上面には、このカムメンバ51b
に噛み合うカムメンバ53aが形成され、図示下面には
係合メンバ53bが形成されている。第2クラッチエレ
メント52の図示上面には、この係合メンバ53bに噛
み合う係合メンバ52aが形成されている。
【0004】なお、第1クラッチエレメント51と中間
クラッチエレメント53との間には圧縮コイルバネ(図
示省略)が介装されているため、中間クラッチエレメン
ト53は第1クラッチエレメント51から離れる方向す
なわち第2クラッチエレメント52に近づく方向に付勢
されている。
【0005】このような構成により、ストッパスリーブ
55の先端が被締付材Wに当接するまでの過程において
は、第1クラッチエレメント51と中間クラッチエレメ
ント53および中間クラッチエレメント53と第2クラ
ッチエレメント52とは図示するように噛み合っている
ため、このクラッチ機構50を経てモータの回転力がス
ピンドル54に伝達されてねじ類Sが被締付材Wに締め
込まれていく。ストッパスリーブ55の先端が被締付材
Wに当接した後、さらにスピンドル54が回転してねじ
類Sの締め込みが進行すると、中間クラッチエレメント
53および第2クラッチエレメント52がスピンドル5
4と一体となって図示下方に移動するが第1クラッチエ
レメント51は移動しないので、第1クラッチエレメン
ト51と中間クラッチエレメント53は徐々に相互に離
れていく。そして、ねじ類Sが所定の深さまで締め込ま
れると第1クラッチエレメント51と中間クラッチエレ
メント53との噛合いが外れ、この瞬間に中間クラッチ
エレメント53への回転力の伝達が遮断され、スピンド
ル54の回転が停止される。そして、中間クラッチエレ
メント53に対して駆動力が遮断されると、これと同時
に中間クラッチエレメント53は圧縮コイルバネにより
第1クラッチエレメント51から離れる方向すなわち第
2クラッチエレメント52に近づく方向に移動し、従っ
て第1クラッチエレメント51と中間クラッチエレメン
ト53との間に適正な隙間が確保されて、第1クラッチ
エレメント51は空転し、これによりクラッチ機構50
の静かな空転状態が実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のクラッチ機構50にあっては、第1クラッチエ
レメント51の空転状態を得るためには中間クラッチエ
レメント53を不可欠の要素とする構成であるので、そ
の分だけ部品点数が増えかつ重量が増加し、またこの中
間クラッチエレメント53を介在させるためのスペース
を必要とするため電動スクリュドライバの機長が長くな
ってしまう問題があった。さらに、中間クラッチエレメ
ント53の両側面には第1および第2クラッチエレメン
ト51,52に対する噛合い歯としてのカムメンバ53
aおよび係合メンバ53bを設ける必要があり、この点
で、この中間クラッチエレメント53の耐久性、耐摩耗
性あるいは加工精度等について一定以上のレベルを確保
する必要があるためコスト高となる問題があった。
【0007】そこで、本発明は、上記従来の中間クラッ
チエレメントに相当する部材を排除して、重量増加、機
長の増加さらにはコストアップを招くことなく静かな空
転状態を実現できる、電動スクリュドライバのサイレン
トクラッチを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本出願人は以
下の発明を創出した。請求項1記載の発明は、モータに
より回転する駆動ギヤと、ハウジングに回転可能かつ軸
方向に移動可能に支持されたスピンドルと、このスピン
ドルに対して前記駆動ギヤの回転力を伝達または遮断す
るサイレントクラッチとを備えた電動スクリュドライバ
における前記サイレントクラッチであって、前記駆動ギ
ヤは、前記スピンドルに設けられた第2クラッチ歯との
回転方向についての係合により当該駆動ギヤを前記第2
クラッチ歯に接近する方向に移動させ、前記第2クラッ
チ歯との係合が解除された時点で当該駆動ギヤを前記第
2クラッチ歯から遠ざかる方向に移動させるための軸方
向変位手段を備えた構成としたことを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のサイレントクラッチであって、駆動ギヤには軸方向
変位手段として、スピンドルに設けられた第2クラッチ
歯に向けてピンを設け、該ピンは当該駆動ギヤの軸心に
沿った直立位置と、当該駆動ギヤの回転方向後ろ側に傾
斜した傾斜位置との間を傾動可能に保持し、該ピンが、
前記第2クラッチ歯との係合により前記直立位置から前
記傾斜位置に傾動されると当該駆動ギヤが前記第2クラ
ッチ歯に接近する方向に移動して当該ピンと前記第2ク
ラッチ歯が噛み合って前記回転力の伝達が行われる一
方、当該ピンと前記第2クラッチ歯との噛合いが外れる
と該ピンは前記傾斜位置から前記直立位置に戻されて当
該駆動ギヤが前記スピンドルとの間に介装された弾性部
材により前記第2クラッチ歯から遠ざかる方向に移動
し、前記ピンと前記第2クラッチ歯との間に軸方向の隙
間が形成される構成としたことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載のサ
イレントクラッチであって、駆動ギヤに、後端に鍔部を
有するピンの先端側を第2クラッチ歯に向けて前面から
突出した状態に設け、かつこのピンは当該駆動ギヤの軸
心に沿った直立位置と、前記第2クラッチ歯との係合に
より当該駆動ギヤの回転方向後ろ側に一定の角度で傾斜
した傾斜位置との間を傾動可能に保持され、当該ピン
が、前記鍔部の一端角部を支点として直立位置から傾斜
位置に傾動することにより前記鍔部の他端角部が当該駆
動ギヤの後方へ変位し、その反動により当該駆動ギヤが
前記第2クラッチ歯に接近する方向に移動される一方、
当該ピンが、前記鍔部の一端角部を支点として傾斜位置
から直立位置に戻された時には、前記鍔部の他端角部が
前方に戻されて当該駆動ギヤが前記スピンドルとの間に
介装された弾性部材により前記第2クラッチ歯から遠ざ
かる方向に移動する構成としたことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2記載のサ
イレントクラッチであって、駆動ギヤに、後端に半球体
をなす頭部を有し、この頭部の周面を当該駆動ギヤに摺
接した状態で当該駆動ギヤに保持されたピンの先端側を
第2クラッチ歯に向けて前面から突出した状態に設け、
かつこのピンは当該駆動ギヤの軸心に沿った直立位置
と、前記第2クラッチ歯との係合により当該駆動ギヤの
回転方向後ろ側に一定の角度で傾斜した傾斜位置との間
を傾動可能に保持され、当該ピンが、直立位置から傾斜
位置に傾動することにより前記頭部が回転して後端角部
が当該駆動ギヤの後方へ変位し、その反動により当該駆
動ギヤが前記第2クラッチ歯に接近する方向に移動され
る一方、当該ピンが、前記頭部の回転により傾斜位置か
ら直立位置に戻された時には、前記頭部の後端角部が前
方に戻されて当該駆動ギヤが前記スピンドルとの間に介
装された弾性部材により前記第2クラッチ歯から遠ざか
る方向に移動する構成としたことを特徴とする。
【0012】さらに、請求項5記載の発明は、請求項
2、3または4記載のサイレントクラッチであって、駆
動ギヤにはピンに加えて第1クラッチ歯を設け、当該駆
動ギヤが第2クラッチ歯に接近する方向に移動すると前
記ピンと前記第1クラッチ歯の双方が前記第2クラッチ
歯に噛み合い、当該駆動ギヤが前記第2クラッチ歯から
遠ざかる方向に移動すると前記ピンと前記第2クラッチ
歯との間および前記第1クラッチ歯と前記第2クラッチ
歯との間の双方に軸方向の隙間が形成される構成とした
ことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1記載の構成によれば、駆動ギヤに設け
られた軸方向変位手段が、当該駆動ギヤの回転方向につ
いて第2クラッチ歯に係合されることにより当該駆動ギ
ヤの回転力がスピンドルに伝達される。これとともに、
軸方向変位手段が第2クラッチ歯に係合されると、当該
駆動ギヤそのものが第2クラッチ歯に接近する方向に移
動し、この状態でサイレントクラッチの噛合い状態が保
持される。ねじ締めが完了して、軸方向変位手段に対す
る第2クラッチ歯の係合が解除されると当該駆動ギヤは
第2クラッチ歯から遠ざかる方向に戻され、これにより
駆動ギヤと第2クラッチ歯との間に適正な隙間が発生す
る。このことから、従来の中間クラッチエレメントに相
当する部材を用いることなく駆動ギヤの静かな空転状態
を得ることができる。
【0014】請求項2記載の構成によれば、軸方向変位
手段としてのピンが直立位置と傾斜位置との間を傾動す
ることにより駆動ギヤが軸方向に移動する。すなわち、
駆動ギヤの前面からは第2クラッチ歯に向けてピンが設
けられ、このピンは、当該スクリュドライバが押し付け
られてスピンドルが相対的に後退すると、第2クラッチ
歯が当該ピンの先端部に係合され、これによりこのピン
は直立位置から回転方向後ろ側に傾動して傾斜位置に至
る。ピンが傾斜位置に至ると駆動ギヤは前方すなわち第
2クラッチ歯に向けて移動し、この時点でピンが第2ク
ラッチ歯に噛み合って回転力の伝達がなされる。
【0015】ねじ締めの進行により第2クラッチ歯とピ
ンの噛合いは徐々に浅くなり、ねじ締めが完了した時点
で第2クラッチ歯とピンの噛合いが外れる。すると、ピ
ンは駆動ギヤとスピンドルとの間に介装された弾性部材
により傾斜位置から直立位置に戻され、これにより駆動
ギヤは後退可能となり上記弾性部材により第2クラッチ
歯から遠ざかる方向に移動する。このように、ピンと第
2クラッチ歯との噛合いが外れた位置から駆動ギヤがさ
らに第2クラッチ歯から遠ざかる方向に移動するので、
ピンと第2クラッチ歯との間には軸方向の隙間が発生
し、従って駆動ギヤは静かに空転する。
【0016】請求項3記載の構成によれば、軸方向変位
手段としての、後端に鍔部を有するピンの動作によって
駆動ギヤの移動が行われる。すなわち、駆動ギヤの前面
からはピンの先端部が突き出され、当該スクリュドライ
バが押し付けられてスピンドルが相対的に後退すると、
第2クラッチ歯がピンの先端部に係合され、これにより
ピンは鍔部の一端角部を支点として直立位置から回転方
向後ろ側に傾動して傾斜位置に至る。このような状態で
ピンと第2クラッチ歯が係合することにより駆動ギヤの
回転力がスピンドルに伝達される。一方、ピンが傾斜位
置に至るとその後端部に形成された鍔部の他端角部が駆
動ギヤの後端面から突き出され、例えば当該駆動ギヤを
支持するためにハウジングに固定されたスラスト軸受に
当接され、その反動で当該駆動ギヤは前方すなわち第2
クラッチ歯に接近する方向に移動する。駆動ギヤが前方
に移動した状態で回転力の伝達がなされ、ねじ締めが進
行する。
【0017】ねじ締めの進行に伴って第2クラッチ歯と
ピンの噛合いは徐々に浅くなり、ねじ締めが完了した時
点で第2クラッチ歯とピンの噛合いが外れる。すると、
駆動ギヤはスピンドルとの間に介装された弾性部材によ
り後方へ戻される方向に付勢されているので、その間接
的作用によりピンは直立位置に戻され、このため当該駆
動ギヤは第2クラッチ歯から遠ざかる方向に移動する。
【0018】ここで、駆動ギヤを前方に移動させる作用
をなす鍔部の径は、当該駆動ギヤの前面から突き出され
た部分の径よりも大きいので、駆動ギヤの移動距離は、
ピンの傾斜位置と直立位置との突出し寸法の差よりも大
きい。このため、ピンが直立位置に戻るとピンの先端部
は傾斜位置にある時よりもさらに前方すなわち第2クラ
ッチ歯により近い側に変位するのであるが、その変位量
よりも駆動ギヤの後退距離の方が大きいので、結果的に
直立位置にあるピンと第2クラッチ歯との間には両寸法
の差に相当する距離の隙間が発生する。この隙間によ
り、ピンひいては駆動ギヤは第2クラッチ歯に干渉する
ことなく静かに空転する。
【0019】請求項4記載の構成によれば、ピンの後端
部には上記鍔部に代えて半球体をなす頭部が形成されて
おり、この頭部の周面を駆動ギヤに摺接させた状態での
ピンは駆動ギヤの保持されている。換言すれば、ピンは
頭部の周面を駆動ギヤに対して面当たりさせた状態で保
持されているので、当該ピンに加わる荷重は頭部の周面
で分散して受けられる。この点、上記鍔部の一端角部で
受けられる場合には、ピンに加えられる荷重が当該一端
角部に集中する。このことから、ピンあるいは駆動ギヤ
の、鍔部の一端角部を受ける部分の耐久性が改善され
る。
【0020】請求項5記載の構成によれば、回転力の伝
達は、ピンと第2クラッチ歯との噛合いおよび第1クラ
ッチ歯と第2クラッチ歯の噛合いによってなされるの
で、ピンと第2クラッチ歯との噛合いにのみによる場合
よりも強固な回転力の伝達が実現される。また、第1ク
ラッチ歯によっても回転力が伝達されるので、ピンある
いはその保持部周辺の耐久性が高まる。なお、この場合
にあっても駆動ギヤが第2クラッチ歯から遠ざかる方向
に移動するとピンと第2クラッチ歯との間および第1ク
ラッチ歯と第2クラッチ歯との間の双方に軸方向の隙間
が形成されるので、駆動ギヤは静かに空転する。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1〜図13に基づ
いて説明する。先ず、請求項3記載の発明のうちの特に
請求項5記載の発明についての第1実施例を説明する。
図1は本例のクラッチ機構4が適用された電動スクリュ
ドライバ1の全体を示している。図中2は、この電動ス
クリュドライバ1のハウジングであり、このハウジング
2の中央にはモータ3が収容されている。このモータ3
はトリガ8を押し操作している間起動し、トリガ8から
指を離して押し操作を止めると停止する。このモータ3
の出力軸にはピニオンギヤ部3aが形成されており、こ
のピニオンギヤ部3aはスピンドル5の後端寄り(図示
右端部寄り)に支持された駆動ギヤ11に噛み合ってい
る。
【0022】スピンドル5は、軸受9a,9bを介して
ハウジング2に回転可能かつ軸方向に移動可能に支承さ
れている。上記した駆動ギヤ11は、このスピンドル5
の後端部寄りにおいて当該スピンドル5とは独立して回
転自在かつ軸方向へ移動可能に支持されており、モータ
3が起動するとこの駆動ギヤ11はスピンドル5のまわ
りを回転する。駆動ギヤ11の後面側(図示右側面側)
はスピンドル5に遊嵌されたスラスト軸受10により支
持されており、このスラスト軸受10は後述の圧縮コイ
ルバネ19によって常にハウジング2に対して位置固定
されている。
【0023】上記駆動ギヤ11の前面(図示左面)には
第1クラッチ歯11b〜11bが突出形成されている。
この第1クラッチ歯11bは、図2に示すように周方向
三等分位置の三箇所に放射状に形成されている。隣接す
る第1クラッチ歯11b,11b間には保持孔13が一
箇所づつ合計三箇所に形成されており、各保持孔13に
はピン12が一つづつ保持されている。このピン12
は、図3によく示されているように鍔付きピンであり、
鍔部12aとこの鍔部12aよりも小径かつ同心の円柱
体をなす本体部12bとを有している。
【0024】一方、各保持孔13は、ピン12の本体部
12bを挿入するのに必要かつ十分な径で、駆動ギヤ1
1を板厚方向に貫通して形成された孔本体13aと、こ
の孔本体13aの図示上側(駆動ギヤ11の後面側)に
は同心かつ段付き状に形成された、ピン12の鍔部12
aを嵌込み可能な径の受け孔13cと、ピン12が図中
二点鎖線で示す位置(以下、「傾斜位置」という)にま
で傾動することを許容するための逃がし凹部13bとか
ら構成されている。逃がし凹部13bは、孔本体13a
の、駆動ギヤ11の回転方向(図中矢印で示した方向)
の後ろ側に連続して、かつその側壁は孔本体13aの図
示上端から下端に到って一定の角度θ2で傾斜して図示
下方へ開拡状に形成されている。
【0025】受け孔13cの深さは、ピン12の鍔部1
2aの板厚と同一寸法に設定されているため、ピン12
が図中実線で示す位置(以下、「直立位置」という)に
ある状態において駆動ギヤ11の後面(図示上面)と鍔
部12aの後面(図示上面)とはほぼ面一に揃ってい
る。また、この受け孔13cの側壁13dは図示するよ
うに一定の角度θ1 で図示上方へ開拡する方向に傾斜し
ており、これによりピン12が傾斜位置に傾動する際の
鍔部12aに対する逃げが確保されている。この側壁1
3dの傾斜角度θ1 と上記逃がし凹部13bの側壁の傾
斜角度θ2 は同じ角度に設定されており(θ1 =θ2 =
θ)、この傾斜角度θがピン12の最大傾斜角度となっ
ている。従って、ピン12が、鍔部12aの図示左側の
下角部12cを支点として直立位置から傾斜位置に傾動
すると、鍔部12aの周面がそのほぼ半周にわたって受
け孔13cの側壁13dに当接されると同時に、本体部
12bのほぼ半周にわたる周面が逃がし凹部13bの側
壁に当接される。この傾斜位置にある状態においてピン
12は駆動側のクラッチ歯として機能するのであり、従
って上記傾斜角度θは第1クラッチ歯11bの歯面の傾
斜角度さらには後述する第2クラッチ歯14aの歯面の
傾斜角度にほぼ一致している。なお、図3ではθ1 =θ
2 =θ=約23°に設定されたものが例示されている。
【0026】ところで、ピン12が図中実線で示した直
立位置にある状態において、鍔部12aの後面(図示上
面)は駆動ギヤ11の図示上面に面一に揃っていること
は上記したとおりであるが、このピン12が傾斜位置に
まで傾動されると鍔部12aの図示右側の上角部12d
は寸法L1 だけ図示上方へ変位する。例えば、鍔部12
aの直径をa、板厚をtとすると、ピン12が直立位置
からθ=23°傾動して傾斜位置に至ると、鍔部12a
の上記上角部12dは、 L1 =aSinθ−t+tCosθ =0.39a−0.08t だけ駆動ギヤ11の図示上面から突き出た位置に変位す
る。すなわち、a=7mm、t=2mmとすると上記上
角部12dはL1 =約2.6mmだけ上方へ変位する。
【0027】また、ピン12が直立位置にある時には、
その本体部12bは駆動ギヤ11の前面(図示下面)か
ら寸法L2 だけ突出され、この寸法L2 は上記した第1
クラッチ歯11bの高さと一致している(図4の分図
(a) 、図5の分図(a)(b)、図6の分図(e) 参照)。一
方、ピン12が鍔部12aの下角部12cを支点として
角度θだけ傾動されてその傾斜位置に至った状態におい
ては、本体部12bは駆動ギヤ11の図示下面から寸法
L3 だけ突出され、この寸法L3 は、図からも明らかな
ように上記寸法L2 よりも小さく(L2 >L3 )、従っ
てクラッチ歯11bの高さよりも小さくなる(図5の分
図(c) 、図6の分図(d) 参照)。しかも、鍔部12aの
径は本体部12bの径よりも大きいことから、L1 >L
2 −L3 となる。
【0028】次に、図1に戻って上記説明した駆動ギヤ
11の前方(図示左方)であって、スピンドル5の軸方
向ほぼ中央にはフランジ部14が一体に形成され、この
フランジ部14の後面(図示右側面)には、上記第1ク
ラッチ歯11bに噛み合う第2クラッチ歯14a〜14
aが形成されている。なお、このフランジ部14と上記
駆動ギヤ11との間に前記した圧縮コイルバネ19が装
着されている。
【0029】上記第2クラッチ歯14aは、図2におい
て二点鎖線で示したように周方向六等分位置に放射状に
配置されている。また、この第2クラッチ歯14aのフ
ランジ部14からの突出高さは、第1クラッチ歯11b
と同じ寸法L2 となっている。ここで、この第2クラッ
チ歯14a〜14aの、第1クラッチ歯11b〜11b
およびピン12〜12に対する位置関係について説明す
る。図5の各分図には駆動ギヤ11およびフランジ部1
4の展開図が示されているが、同図の分図(b)に示す状
態は、当該スクリュドライバ1をねじSの締め込み方向
に押し付けることによりスピンドル5ひいてはフランジ
部14が駆動ギヤ11に押し付けられているが、ピン1
2は未だ直立位置にあってクラッチ機構4が接続されて
いない状態であり、この時には各第2クラッチ歯14a
は第1クラッチ歯11bとピン12との間にそれぞれ一
つづつ入り込み、第1クラッチ歯11bと第2クラッチ
歯14aは噛み合っていない。ところが、分図(c) に示
す状態は上記状態から、駆動ギヤ11がフランジ部14
に対して回転方向(図中矢印で示した方向)に相対的に
変位して第2クラッチ歯14aによりピン12が直立位
置から傾斜位置に傾動され、これにより駆動ギヤ11の
回転力がピン12と第2クラッチ歯14aとの噛合いを
経てスピンドル5に伝達されている状態であり、しかも
ピン12を傾動させている第2クラッチ歯14aに隣接
する第2クラッチ歯14aと駆動側の第1クラッチ歯1
1bが噛み合った状態が示されている。このように、従
動側の第2クラッチ歯14a〜14aは、駆動ギヤ11
側のピン12を傾動させて回転力が伝達される状態にお
いて、同時に第1クラッチ歯11bと噛み合うよう、第
1クラッチ歯11bおよびピン12に対する位置関係が
設定されている。
【0030】以上説明した第1クラッチ歯11b〜11
b、ピン12〜12と第2クラッチ歯14により当該ス
クリュドライバ1におけるサイレントクラッチ機構4が
構成されており、これは後述するように作動する。
【0031】次に、スピンドル5の先端側には軸孔15
が形成されており、この軸孔15にドライバビット16
の後端部が挿入されてこのドライバビット16が当該ス
クリュドライバ1の先端に装着される。装着されたドラ
イバビット16は、ストッパスリーブ6に支持されつつ
スピンドル5と一体に回転し、かつ軸方向に移動する。
一方、ハウジング2の先端には、ねじ部2aを経てアジ
ャストスリーブ7が取付けられており、このアジャスト
スリーブ7の先端に上記したストッパスリーブ6が着脱
可能に取付けられている。このため、アジャストスリー
ブ7を回転させることによりこのストッパスリーブ6は
ハウジング2に対して軸方向の位置を調整可能でありか
つ任意の位置で固定できるようになっている。なお、ア
ジャストスリーブ7の後部とハウジング2との間には圧
縮コイルバネ7aが装着されているため、ストッパスリ
ーブ6が振動等により位置ズレすることなく、またスム
ーズな位置調整がなされるようになっている。また、ス
ピンドル5の先端部には、スチールボール17aとリー
フスプリング17bを主体とするストッパ機構17が設
けられて、ドライバビット16の抜け止めがなされるよ
うになっている。さらに、図中18は防塵リングであ
り、アジャストスリーブ7内に侵入したゴミ等の異物が
機器内(ハウジング2の内部)に侵入しないようになっ
ている。
【0032】以上のように構成された電動スクリュドラ
イバ1におけるクラッチ機構4は次のように作動する。
なお、以下図4、図5および図6に基づいて説明する
が、図4の各分図(a) 〜(d) はそれぞれ図5の分図(a)
〜(c) および図6の分図(d) に対応している。
【0033】さて、図4には、実際のねじ締め作業に伴
うクラッチ機構4の動作が順に示されている。先ず、分
図(a) はドライバビット16にねじSをセットし、この
ねじSを被締付材Wのねじ込み位置にあてがった状態で
あるが未だスクリュドライバ1は締め込み方向に押し付
けられていない状態を示している。この状態において
は、スピンドル5ひいてはフランジ部14は圧縮コイル
バネ19の付勢力により駆動ギヤ11から離れているた
め、第1クラッチ歯11bと第2クラッチ歯14aは噛
み合っておらず、かつピン12は直立位置にあって当該
クラッチ機構4は遮断された状態にある。この遮断状態
におけるクラッチ機構4が図5の分図(a)に展開図で示
されている。
【0034】この状態から当該スクリュドライバ1を圧
縮コイルバネ19に抗してねじSの締め込み方向に押し
付けると、分図(b) に示すようにハウジング2とともに
ストッパスリーブ6は前方(図示左方)に移動するが、
ドライバビット16ひいてはスピンドル5は移動せず、
従って相対的に後退すなわち図示右方に移動し、これに
よりフランジ部14は駆動ギヤ11に押し付けられる。
この状態において、各第2クラッチ歯14aは図5の分
図(b) に示すように駆動側である第1クラッチ歯11b
とピン12の間にそれぞれ入り込んだ状態となってい
る。この状態においては、ピン12は未だ直立位置にあ
り、かつ第1クラッチ歯11bと第2クラッチ歯14a
は回転方向(図示左方)について噛み合っていない。
【0035】上記状態に至った後、トリガ8を押し操作
してモータ3を起動すると駆動ギヤ11が回転し、この
回転力がクラッチ機構4を経てスピンドル5に伝達さ
れ、ねじ締めが進行する。ここで、この段階におけるク
ラッチ機構4の状態を考えると、図5の分図(c) に示す
ように駆動ギヤ11はフランジ部14に対して回転方向
(図示矢印方向)に変位している。このため、ピン12
の図面に向かって左側に入り込んでいた第2クラッチ歯
14aが相対的に図示右方(逆転方向)に移動し、これ
によりピン12の下端部が図示右方に押され、従ってピ
ン12はその鍔部12aの下角部12cを支点として図
面に向かって反時計回り方向に傾動され、最終的にその
傾斜位置に到っている。この傾斜位置に位置する状態に
おいては、前記したように鍔部12aの周面のほぼ半周
が受け孔13cの側壁13dに押し付けられ、かつ本体
部12bの周面のほぼ半周が逃がし凹部13bの側壁に
押し当てられている。この状態は、従動側である第2ク
ラッチ歯14aと駆動側であるピン12が言わば噛み合
った状態であり、この時点で始めて、クラッチ機構4が
連結された状態となり、よって駆動ギヤ11の回転力が
スピンドルに伝達される。
【0036】しかも、上記のようにしてピン12が傾斜
位置に至ると、前記したようにその鍔部12aの上角部
12dが寸法L1 だけ駆動ギヤ11の後面から突き出す
方向に変位するので、軸方向に移動しないスラスト軸受
10との間には寸法L1 の隙間が発生し、従って駆動ギ
ヤ11はその反動によってフランジ部14ひいてはスピ
ンドル5と一体となって同寸法L1 だけ前方に押し出さ
れる(実際には、当該スクリュドライバ1が持ち上が
る)。
【0037】さらに、駆動ギヤ11とフランジ部14が
周方向に変位することにより、上記したようにピン12
と第2クラッチ歯14aが噛み合う他、ピン12の図面
に向かって右側に位置していた第2クラッチ歯14aが
第1クラッチ歯11bと噛み合う。こうして、モータ3
が起動されることにより駆動ギヤが回転し、回転し始め
た直後において駆動ギヤ11に押し付けられていたフラ
ンジ部14が相対的に逆転方向に変位することで、ピン
12、第1クラッチ歯11bと第2クラッチ歯14aと
の噛合い状態が実現される。
【0038】以上のようにしてクラッチ機構4が連結さ
れた状態が保持されてねじ締めが進行していくと、スト
ッパスリーブ6が被締付材Wに当接する。当接したま
ま、残り僅かな締め込み量をさらに締込んでいくことに
より、ねじSの締め込みが完了する。この完了した状態
が分図(d) に示されている。ここで、ストッパスリーブ
6が被締付材Wに当接した後においてねじ締めをさらに
進行していくと、ストッパスリーブ6ひいては当該スク
リュドライバ1はもはや移動しないのであるが、スピン
ドル5は第1クラッチ歯11bからの回転トルクによっ
て第2クラッチ歯14aの斜面に沿って前方に押し出さ
れて、締め込まれるねじSに追従してその軸方向に移動
する。このため、フランジ部14は駆動ギヤ11から徐
々に離れていくこととなり、従ってピン12および第1
クラッチ歯11bに対する第2クラッチ歯14aの噛合
いは徐々に浅くなっていく。そして、図4および図6の
両分図(d) に示すようにねじSの締め込みが完了した時
点で、先ずピン12と第2クラッチ歯14aの噛合いが
外れる。ところが、図6の分図(d) によく示されている
ようにこの時点で、第1クラッチ歯11bは未だ第2ク
ラッチ歯14aと噛み合っている。これは、前記したよ
うに傾斜位置にあるピン12の、駆動ギヤ11の前面か
らの突出寸法L3 は直立位置にあるときの突出寸法L2
よりも小さく、かつこの突出寸法L2 は第1クラッチ歯
11bの突出高さに一致しているため、第1クラッチ歯
11bの突出高さよりも低い状態にあることによる。従
って、この時点における第1クラッチ歯11bと第2ク
ラッチ歯14aとの噛合い深さは、同図に示したように
寸法(L2 −L3 )となる。
【0039】このように、第2クラッチ歯14aがピン
12から外れる一方、第1クラッチ歯11bとは噛み合
っている状態が瞬間的に現れるのであるが、ピン12が
第2クラッチ歯14aから外れると、このピン12は傾
斜位置から直立位置すなわち軸方向に沿った位置に瞬時
に戻される。この現象は、駆動ギヤ11が圧縮コイルバ
ネ19によりスラスト軸受10側に押し付けられている
ため、両者11,10間の隙間(寸法L1 )がゼロにな
る方向、すなわちピン12の鍔部12aの上角部12d
が受け孔13c内に戻される方向に付勢されていること
による。このため、第2クラッチ歯14aによる押し付
けが解除されるとこのピン12は間接的に圧縮コイルバ
ネ19の付勢力によって傾斜位置から直立位置に戻され
るのである。
【0040】ピン12が直立位置に戻されると同時に、
駆動ギヤ11はスラスト軸受10に押し付けられ、従っ
てフランジ部14から遠ざかる方向に寸法L1 だけ後退
する。この時点で第2クラッチ歯14aと第1クラッチ
歯11bの噛合いが外れる。この状態が、図6の分図
(e) に示されている。ここで、駆動ギヤ11がL1 だけ
後退すると同時にピン12の突出し寸法はL2 −L3 だ
け大きくなるのであるが、前記したようにL1 >L2 −
L3 の関係にあることから駆動ギヤ11が後退するとピ
ン12の先端と第2クラッチ歯14aとの間にL1 −
(L2 −L3 )に相当する隙間L4 が発生する。また、
第1クラッチ歯11bと第2クラッチ歯14aとの間に
も同じ距離の隙間L4 が発生する。このように、駆動ギ
ヤ11が距離L1 だけ後退すると、第1クラッチ歯11
bと第2クラッチ歯14aの噛合いが外れるばかりでな
く、第1クラッチ歯11b、ピン12と第2クラッチ歯
14aとの間には図示するように適正な隙間L4 が発生
し、これにより駆動ギヤ11が回転していても第1クラ
ッチ歯11b、ピン12と第2クラッチ歯14aとの干
渉は発生せず、よってクラッチ機構4の静かな空転状態
が実現される。
【0041】以上説明したように、本例のクラッチ機構
4によれば、従来サイレントクラッチ機構に必須の部材
であった中間クラッチエレメント53に相当する部材を
用いることなく静かな空転状態を実現できるので、その
ためのスペースを必要とすることなく従って機長を長く
することなくサイレントクラッチ機構4を備えた電動ス
クリュドライバ1を提供できる。また、第1クラッチ歯
11bあるいは第2クラッチ歯14aは、それぞれ駆動
ギヤ11あるいはフランジ部14の片面にのみ形成して
おけば足りるので、従来の中間クラッチエレメント53
のように両面に形成する場合に比して耐久性、耐摩耗性
あるいは加工精度等の点について簡略化を図り、これに
よりコストダウンを図ることができる。
【0042】さらに、ピン12が摩耗等した場合にはこ
のピン12だけを交換することができ、駆動ギヤ11等
はそのまま使用できるのでメンテナンスコストが低下す
る。この点、従来であれば、例えば片面のクラッチ歯が
摩耗した場合であっても中間クラッチエレメント53を
一体で交換する必要があったため、メンテナンスコスト
が割高になっていた。
【0043】また、後述する第2実施例とは違って、ピ
ン12および第1クラッチ歯11bの双方が第2クラッ
チ歯14aに噛み合って回転力が伝達される構成である
ので、ピン12と第2クラッチ歯14aとの噛合いのみ
によって回転力を伝達する構成(第2実施例)に比して
より強固な回転力の伝達を行うことができ、かつピン1
2の負担を低減してその耐久性を高めることができる。
従って、これらの点を改善することを目的とする場合に
は、以上説明した第1実施例を採用することが望まし
い。
【0044】なお、本例ではピン12は三本の場合を例
示したが、ピン12の数については二本あるいはスペー
スが許すならば四本以上であってもよく、任意に設定す
ればよい。ただし、第2クラッチ歯14aはピン12の
数に対応して設け、全てのピン12が同時に傾動される
構成とすることがクラッチ機構の強度あるいは伝達効率
の点で望ましい。
【0045】次に、請求項2記載の発明のうち特に請求
項3記載の発明に係る第2実施例を説明する。前記第1
実施例における第1クラッチ歯11bは必ずしも必要な
ものではなく、ピン12と第2クラッチ歯14aとの噛
合いのみによって回転力を伝達することが可能である。
そこで、第2実施例におけるクラッチ機構20は、図7
に示すように前記第1実施例における駆動ギヤ11側の
第1クラッチ歯11bをなくした構成であり、その他に
ついては同様である。従って変更を要しない点について
は説明を省略するとともに同位の符号を用いる。
【0046】駆動ギヤ21の前面(図示下面)には三本
のピン12〜12のみが突き出されており、前記第1ク
ラッチ歯11bに相当するものは設けられていない。一
方、スピンドル5に一体形成されたフランジ部14の後
面(図示上面)には第2クラッチ歯14a〜14aが全
く同様に形成されている。このような構成によってもク
ラッチ機構20はほぼ同様に機能する。
【0047】すなわち、図7の分図(a) に示すようにス
ピンドル5ひいてはフランジ部14が駆動ギヤ21に押
し付けられていない状態においては、各ピン12は直立
位置にあり、スクリュドライバを押し付けてフランジ部
14が駆動ギヤ21に押し付けられると第2クラッチ歯
14aがピン12,12間に入り込む。然る後、モータ
3を起動して駆動ギヤ21を回転すると駆動ギヤ21
は、分図(b) に示すようにフランジ部14に対して回転
方向(図示左方)に変位し、このためピン12はその本
体部12bの先端部(図示下端部)を第2クラッチ歯1
4aに押されて直立位置から傾斜位置に傾動される。そ
して、本例の場合、駆動ギヤ21に伝達された回転力は
三本のピン12〜12と三つの第2クラッチ歯14a〜
14aとの噛合いのみによってスピンドルに伝達され
る。
【0048】ねじ締めが進行して第2クラッチ歯14a
とピン12の噛合いが外れると、その瞬間ピン12は圧
縮コイルバネ19の間接的作用により直立位置に戻さ
れ、これと同時に駆動ギヤ21が圧縮コイルバネ19に
より寸法L1 だけ後退してスラスト軸受10に押し付け
られ、従ってフランジ部14から遠ざけられる。ピン1
2が外れるとともに、駆動ギヤ21がさらに寸法L1 だ
け遠ざけられるのでピン12と第2クラッチ歯14aと
の間には第1実施例と同様に適正な隙間L4 (図5の分
図(e) 参照)が発生し、よってクラッチ機構20の静か
な空転状態を実現できる。
【0049】このように第2実施例に係るクラッチ機構
20によっても前記第1実施例と同様に、従来の中間ク
ラッチエレメントに相当する部材を用いることなくねじ
締め完了後におけるクラッチの静かな空転状態を得るこ
とができ、しかも本例の場合第1クラッチ歯11bを設
ける構成ではないので、第1実施例に比してより簡易か
つ低コストのサイレントクラッチを備えた電動スクリュ
ドライバを提供できる。従って、サイレントクラッチを
より簡易かつ低コストとする場合には、本例の構成を適
用することが有用である。
【0050】なお、図では第2クラッチ歯14aを6箇
所に設けた場合を例示したが、周方向3等分の合計3箇
所に設けておけば、駆動力の伝達というクラッチ本来の
機能は果たせる。
【0051】次に、本発明の第3実施例を説明する。本
例は、図8に示すように前記第2実施例における保持孔
13の逃がし凹部13bを、駆動ギヤ31の回転方向の
前側(図示左側)および後ろ側(図示右側)の双方に形
成した実施例であり、その他については第2実施例と同
様である。すなわち、本例の保持孔32は、ピン12の
鍔部12aが収容される受け孔32aと、この受け孔3
2aの軸心に対して駆動ギヤ31の回転方向の前側と後
ろ側の双方に相互に連続して形成された二つの逃がし凹
部32b,32bから構成されている。この点、前記第
1および第2実施例では、逃がし凹部13bは各保持孔
13において、駆動ギヤ11の回転方向の後ろ側の一方
にのみ形成されていた。両逃がし凹部32b,32bは
受け孔32aの軸心に対して前後(図示左右)対称に形
成されており、それぞれフランジ部14側の第2クラッ
チ歯14aの歯面の傾斜角度と同じ角度で傾斜して図示
下方へ開拡状に形成されている。なお、本例の場合、回
転方向の前後双方に逃がし凹部32bが相互に連続して
形成されているので、第1および第2実施例における孔
本体13aに相当する孔はない。
【0052】このような保持孔32によれば、ピン12
は駆動ギヤ31の回転方向の前後双方に傾動可能であ
り、従って正転・逆転の両方向に回転力を伝達すること
ができる。図8の分図(a) はピン12が直立位置にある
状態を、分図(b) は回転方向後ろ側の傾斜位置(正転用
の傾斜位置)に傾動した状態を、分図(c) は回転方向前
側の傾斜位置(逆転用の傾斜位置)に傾動した状態を示
している。
【0053】すなわち、分図(a) に示すようにドライバ
ビット、スピンドルを経てフランジ部14が駆動ギヤ3
1に押し付けられていない状態にあっては、各ピン12
は直立位置に位置しているが、ドライバビット16の先
端にねじSをセットして当該スクリュドライバ1をねじ
Sの締め込み方向に押し付けると、フランジ部14は駆
動ギヤ31に押し付けられ、この時点で第2クラッチ歯
14a,14a間にピン12が入り込んだ状態となる
(図5分図(b) 参照)。この状態からトリガ8を押し操
作してモータ3を正転方向に起動すると、駆動ギヤ31
は図示左方の正転方向に回転するのであるが、この回転
開始直後において駆動ギヤ31が正転方向へ変位するこ
とによりピン12の図示左側に位置している第2クラッ
チ歯14aが相対的に図示右方に変位し、これにより当
該ピン12が図示右方に傾動されて図示右側の逃がし凹
部32bの壁面に押し付けられ、傾斜位置に至る。以上
の点については前記第1および第2実施例と同様であ
る。
【0054】ここで、スクリュドライバ1を逆転操作し
ていわゆる逆ねじS′を締め込む場合を考える。例えば
正逆切換えスイッチを逆転側に切り換えた上で、トリガ
8を押し操作してモータ3を起動すると駆動ギヤ31は
上記とは反対の逆転方向(図示右方)に回転する。従っ
て、この場合には分図(c) に示すようにピン12の図示
右側に位置している第2クラッチ歯14aが相対的に図
示左方に変位し、これにより当該ピン12は押されて図
示左方に傾動され、然る後、図示左側の逃がし凹部32
bの壁面に押し付けられて当該ピン12が上記とは反対
側の傾斜位置に至る。ピン12が傾斜位置に至ると、こ
のピン12を経て上記とは逆方向の回転力がスピンドル
5に伝達され、従って逆ねじS′が締め込まれる。スト
ッパスリーブ6が被締付材Wに当接した後、逆ねじS′
の締め込みが完了するとピン12は第2クラッチ歯14
aから外れて傾斜位置から直立位置に戻されるので、駆
動ギヤ31が後退し、これによりピン12と第2クラッ
チ歯14aとの間に適正な隙間L4 が生じ、静かな空転
状態が得られる。
【0055】このように第3実施例の構成によれば、通
常の右ねじSのみならずいわゆる逆ねじS′を締め込む
場合にもサイレントクラッチ機構4を機能させることが
でき、従ってこの点を目的とする場合にはこの第3実施
例の構成を採用することが望ましい。
【0056】次に、本発明の第4実施例を説明する。こ
の実施例は、請求項4記載の発明のうちの特に請求項5
記載の発明に係る実施例である。図9は、本例のクラッ
チ機構40を適用した電動スクリュドライバ1の全体を
示している。本例は、図10および図11に示すように
ピン41およびこのピン41を駆動ギヤ43に所定の状
態に保持するための保持孔42の別実施例である。従っ
て、その他の点については前記第1ないし第3実施例と
同様であるので説明を省略するとともに以下の説明およ
び図では同位の符号を用いる。
【0057】図11に示すように本例のクラッチ機構4
0におけるピン41は、半球体をなす頭部41aとこの
頭部41aの頂部から図示下方に立設状に一体形成され
た、円柱体をなす本体部41bとから構成されている。
本体部41bの形状あるいは寸法は前記ピン12の本体
部12bと同じである。
【0058】保持孔42は、上記ピン41の頭部41a
を図示下方から受けるべく同一径の半球状の凹部をなす
受け孔42aと、この受け孔42aに貫通して形成さ
れ、ピン41の本体部41bが挿通される孔本体42c
と、この孔本体42cの図示右側すなわち駆動ギヤ43
の回転方向後ろ側に連続して形成された逃がし凹部42
bとから構成されている。逃がし凹部42bにより本体
部41bひいてはピン41は駆動ギヤ43の回転方向後
ろ側に傾動可能であり、傾動する際にはピン41の頭部
41aが受け孔42aの湾曲壁面に摺接される。すなわ
ち、ピン41の頭部41aはその側面のほぼ全面を受け
孔42aの湾曲壁面に当接した状態に保持され、この点
で頭部41aは保持孔42の受け孔42aに対して面当
たりで受けられるので、より大きな回転力を伝達する場
合のピン41および保持孔42の耐久性が高める点で有
用である。これに対して前記ピン12は、鍔部12aの
下角部12cを支点として傾動し、この状態で回転力を
受ける構成であるので、鍔部12aは受け孔13cに対
してほぼ点当たりで受けられる。このように、本例の構
成によればピン41および保持孔42の耐久性が高めら
れるので、第1〜第3実施例に比してピン41および保
持孔42の耐久性を高めることを目的とする場合にはこ
の第4実施例の構成を用いることが有利である。
【0059】図12および図13は本例のクラッチ機構
40の作動を示している。前記各実施例と大きな差異は
ないが以下簡単に説明する。図12の分図(a) はスクリ
ュドライバ1を押し付けていない状態であり、フランジ
部14と駆動ギヤ43は圧縮コイルバネ19によって離
れている。この時、ピン41は圧縮コイルバネ19の間
接的作用により直立位置に位置している。この状態から
当該スクリュドライバ1を押し付けると、分図(b) に示
すようにフランジ部14が駆動ギヤ43に押し付けら
れ、これにより第2クラッチ歯14a,14a間にピン
41が入り込む。然る後、トリガ8を押し操作してモー
タ3を起動すると駆動ギヤ43が回転し、回転し始めた
直後おいて駆動ギヤ43は分図(c) に示すようにフラン
ジ部14に対して回転方向に変位し、従って第2クラッ
チ歯14aは図示右方の回転方向後ろ側に相対的に変位
してピン41の先端部を同後ろ側に押し、最終的にピン
41が傾斜位置に傾動される。また、これと同時に第1
クラッチ歯43aと第2クラッチ歯14aが噛み合う。
この時点で、ピン41、第1クラッチ歯43aと第2ク
ラッチ歯14aとの噛合いを経て駆動ギヤ43からフラ
ンジ部14ひいてはスピンドル5に回転力が伝達され、
ねじ締めが行われる。
【0060】ねじ締めが進行してストッパスリーブ6が
被締付材Wに当接するとスピンドル5だけが軸方向に移
動し、従って第2クラッチ歯14aに対するピン41お
よび第1クラッチ歯43aの噛合い深さが徐々に浅くな
って、ねじ締めがほぼ完了した時点で図13の分図(d)
に示すようにピン41と第2クラッチ歯14aとの噛合
いが外れる。ピン41が第2クラッチ歯14aから外れ
ると、図13の分図(e) に示すようにこのピン41は圧
縮コイルバネ19の間接的作用により即座に直立位置に
戻され、従って駆動ギヤ43は圧縮コイルバネ19の付
勢力により距離L1 だけ後退してスラスト軸受10との
間の隙間L1 は零になる。このようにピン41が第2ク
ラッチ歯14aから外れるとその瞬間に駆動ギヤ43が
十分な距離L1 だけ後退してフランジ部14から十分に
遠ざかるので、ピン41、第1クラッチ歯43aと第2
クラッチ歯14aとの間に適正な隙間L4 が発生し、よ
って当該クラッチ機構40の静かな空転状態が実現され
る。
【0061】なお、本実施例においても前記したと同様
で、第1クラッチ歯43aは必ずしも必要ではなく、ま
た逃がし凹部42bは駆動ギヤ43の回転方向前側にも
設ける構成として逆ねじS′の締付けをも可能とするこ
とができる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、従来の中間クラッチエ
レメントに相当する部材を用いることなく駆動ギヤの静
かな空転状態を実現できるので、従来に比して機長を短
縮し、軽量化を図り、しかも低コストを実現した、サイ
レントクラッチを備えた電動スクリュドライバを提供で
きる。
【0063】特に、請求項4記載の発明によれば上記効
果に加えてピンあるいは保持孔の耐久性を高めることが
できる効果を奏する。
【0064】さらに、請求項5記載の発明によれば、上
記効果に加えて、より一層確実な回転力の伝達がなさ
れ、またピンあるいは保持孔の耐久性を向上させること
ができ、従ってより大きな回転力の伝達が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、電動スクリュドラ
イバの要部を破断して示した全体図である。
【図2】駆動ギヤの正面図である。
【図3】第1実施例におけるピンの保持状態を示した側
面図である。
【図4】サイレントクラッチの動作状態を示し、分図
(a) はスクリュドライバの非押付け状態におけるクラッ
チの状態、分図(b) は押付け状態におけるクラッチの状
態、分図(c) はねじ締め中におけるクラッチの噛合い状
態、分図(d) はねじ締め完了時におけるクラッチの状態
を示す。
【図5】サイレントクラッチの噛合い状態を示し、分図
(a) はスクリュドライバの非押付け時、分図(b) は押付
け時、分図(c) はねじ締め中における状態を示す。
【図6】同じく、サイレントクラッチの噛合い状態を示
し、分図(d) はねじ締め完了時における状態、分図(e)
は空転時における状態を示す。
【図7】第2実施例のサイレントクラッチの動作状態を
示し、分図(a) はスクリュドライバの非押付け時におけ
る状態、分図(b) はねじ締め中における状態を示す。
【図8】第3実施例のサイレントクラッチの動作状態を
示し、分図(a) はスクリュドライバの非押付け時におけ
る状態、分図(b)はねじ締め中における状態、分図(c)
は逆ねじの締付中における状態を示している。
【図9】第4実施例にかかるサイレントクラッチが装備
されたスクリュドライバの先端部の縦断面図である。
【図10】第4実施例のサイレントクラッチにおける駆
動ギヤの正面図である。
【図11】第4実施例のサイレントクラッチにおけるピ
ンの動作状態を示す側面図である。
【図12】第4実施例のサイレントクラッチの動作状態
を示し、分図(a) はスクリュドライバの非押付け時にお
ける状態、分図(b) は押付け時の状態、分図(c) はねじ
締め中の状態を示す。
【図13】第4実施例のサイレントクラッチの動作状態
を示し、分図(d) はねじ締め完了時点の状態、分図(e)
は空転時の状態を示す。
【図14】従来のサイレントクラッチを示し、特公平3
−5952号公報の図2aを援用した図である。
【符号の説明】
4…サイレントクラッチ(第1実施例) 5…スピンドル、6…ストッパスリーブ、7…アジャス
トスリーブ 11…駆動ギヤ 12…ピン、12a…鍔部、12b…本体部 13…保持孔、13b…逃がし凹部、13c…受け孔、
13d…受け孔の側壁 14a…第2クラッチ歯 16…ドライバビット、19…圧縮コイルバネ 20…サイレントクラッチ(第2実施例) 30…サイレントクラッチ(第3実施例) 40…サイレントクラッチ(第4実施例) L1 …駆動ギヤとスラスト軸受との隙間 L2 …直立位置にあるピンの突出し寸法 L3 …傾斜位置にあるピンの突出し寸法 L4 …クラッチ空転時におけるピンと第2クラッチ歯と
の隙間 S…ねじ、S′…逆ねじ W…被締付材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより回転する駆動ギヤと、ハウ
    ジングに回転可能かつ軸方向に移動可能に支持されたス
    ピンドルと、このスピンドルに対して前記駆動ギヤの回
    転力を伝達または遮断するサイレントクラッチとを備え
    た電動スクリュドライバにおける前記サイレントクラッ
    チであって、前記駆動ギヤは、前記スピンドルに設けら
    れた第2クラッチ歯との回転方向についての係合により
    当該駆動ギヤを前記第2クラッチ歯に接近する方向に移
    動させ、前記第2クラッチ歯との係合が解除された時点
    で当該駆動ギヤを前記第2クラッチ歯から遠ざかる方向
    に移動させるための軸方向変位手段を備えた構成とした
    ことを特徴とする電動スクリュドライバのサイレントク
    ラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のサイレントクラッチであ
    って、駆動ギヤには軸方向変位手段として、スピンドル
    に設けられた第2クラッチ歯に向けてピンを設け、該ピ
    ンは当該駆動ギヤの軸心に沿った直立位置と、当該駆動
    ギヤの回転方向後ろ側に傾斜した傾斜位置との間を傾動
    可能に保持し、該ピンが、前記第2クラッチ歯との係合
    により前記直立位置から前記傾斜位置に傾動されると当
    該駆動ギヤが前記第2クラッチ歯に接近する方向に移動
    して当該ピンと前記第2クラッチ歯が噛み合って前記回
    転力の伝達が行われる一方、当該ピンと前記第2クラッ
    チ歯との噛合いが外れると該ピンは前記傾斜位置から前
    記直立位置に戻されて当該駆動ギヤが前記スピンドルと
    の間に介装された弾性部材により前記第2クラッチ歯か
    ら遠ざかる方向に移動し、前記ピンと前記第2クラッチ
    歯との間に軸方向の隙間が形成される構成としたことを
    特徴とする電動スクリュドライバのサイレントクラッ
    チ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のサイレントクラッチであ
    って、駆動ギヤに、後端に鍔部を有するピンの先端側を
    第2クラッチ歯に向けて前面から突出した状態に設け、
    かつこのピンは当該駆動ギヤの軸心に沿った直立位置
    と、前記第2クラッチ歯との係合により当該駆動ギヤの
    回転方向後ろ側に一定の角度で傾斜した傾斜位置との間
    を傾動可能に保持され、当該ピンが、前記鍔部の一端角
    部を支点として直立位置から傾斜位置に傾動することに
    より前記鍔部の他端角部が当該駆動ギヤの後方へ変位
    し、その反動により当該駆動ギヤが前記第2クラッチ歯
    に接近する方向に移動される一方、当該ピンが、前記鍔
    部の一端角部を支点として傾斜位置から直立位置に戻さ
    れた時には、前記鍔部の他端角部が前方に戻されて当該
    駆動ギヤが前記スピンドルとの間に介装された弾性部材
    により前記第2クラッチ歯から遠ざかる方向に移動する
    構成としたことを特徴とする電動スクリュドライバのサ
    イレントクラッチ。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のサイレントクラッチであ
    って、駆動ギヤに、後端に半球体をなす頭部を有し、こ
    の頭部の周面を当該駆動ギヤに摺接した状態で当該駆動
    ギヤに保持されたピンの先端側を第2クラッチ歯に向け
    て前面から突出した状態に設け、かつこのピンは当該駆
    動ギヤの軸心に沿った直立位置と、前記第2クラッチ歯
    との係合により当該駆動ギヤの回転方向後ろ側に一定の
    角度で傾斜した傾斜位置との間を傾動可能に保持され、
    当該ピンが、直立位置から傾斜位置に傾動することによ
    り前記頭部が回転して後端角部が当該駆動ギヤの後方へ
    変位し、その反動により当該駆動ギヤが前記第2クラッ
    チ歯に接近する方向に移動される一方、当該ピンが、前
    記頭部の回転により傾斜位置から直立位置に戻された時
    には、前記頭部の後端角部が前方に戻されて当該駆動ギ
    ヤが前記スピンドルとの間に介装された弾性部材により
    前記第2クラッチ歯から遠ざかる方向に移動する構成と
    したことを特徴とする電動スクリュドライバのサイレン
    トクラッチ。
  5. 【請求項5】 請求項2、3または4記載のサイレント
    クラッチであって、駆動ギヤにはピンに加えて第1クラ
    ッチ歯を設け、当該駆動ギヤが第2クラッチ歯に接近す
    る方向に移動すると前記ピンと前記第1クラッチ歯の双
    方が前記第2クラッチ歯に噛み合い、当該駆動ギヤが前
    記第2クラッチ歯から遠ざかる方向に移動すると前記ピ
    ンと前記第2クラッチ歯との間および前記第1クラッチ
    歯と前記第2クラッチ歯との間の双方に軸方向の隙間が
    形成される構成としたことを特徴とする電動スクリュド
    ライバのサイレントクラッチ。
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