JPH0721157Y2 - 自動車用シートのランバーサポート構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートのランバーサポート構造に関す
るものである。

（従来の技術） 従来の自動車用シートのバックシートは、シートフレー
ムの内側に、人の背部に適応した形状を有する板状のシ
ートバックサポータを配するとともに、このシートバッ
クサポータをシートフレームの上下にそれぞれ設けたア
ームにより弾性支持する構造になっている。そして、こ
の構造のものでは、人の背部を支持する強さは前記シー
トバックサポータ全体を公知の手段、例えば、カムを介
して前後させることにより調整可能になっている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、前述のようにシートバックサポータを前
後させて支持状態を変える構造では、腰椎のみの支持力
を強くすることは不可能であった。

本考案は前記問題点を解決するためになされたもので、
腰椎のみを強く支持することのできる自動車用シートの
ランバーサポート構造を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するために、シートフレームの
内側に人の背部に適応した形状を有するシートバックサ
ポータを配設した自動車用シートにおいて、シートバッ
クサポータの人の腰椎に対応する位置に、ランバーサポ
ートを蛇腹を介して取り付け、前記ランバーサポートの
背面に前記シートフレームに取り付けたトーションバー
の先端部を係合させて、前記ランバーサポートを左右に
回動自在に支持するとともに、シートバックサポータに
対する突出量を調整可能に設けたものである。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付図面にしたがって説明す
る。

第１図は、本考案に係るランバーサポート構造を備えた
自動車用バックシートを後ろに倒した状態で示してあ
る。

図において、１はシートバックフレームで、パイプ部材
からなる縦長四角形状をしており、その両側部には前方
に突出するサイドフレーム2,2が、前方上部にはサポー
トプレート３が、内側上部にはブリッジプレート４がそ
れぞれ設けられている。

10は背もたれ面を形成するシートバックサポータで、こ
のシートバックサポータ10は金属板あるいは合成樹脂板
により全体が人の背部に適した形状に形成され、人の腰
椎に対応する部分に矩形の取付孔11を有している。この
取付孔11の縁には、第３図に示すように、樹脂製の蛇腹
５の一端がリベット12により取り付けられている。

また、シートバックサポータ10の上部および下部はそれ
ぞれ金属製ワイヤーからなる略コ字形の第１支持アーム
15、第２支持アーム16によって揺動自在に吊支持されて
いる。

すなわち、前記第１支持アーム15は、その両端部が前記
サポートプレート３に、中央部がシートバックサポータ
10背面の軸受筒部13,13にそれぞれ取り付けられてお
り、前記第２支持アーム16は、両端部が前記シートバッ
クフレーム１の前方下部にかしめ固定され、中央部が前
記第１支持アーム15と同様、シートバックサポータ10の
背面に設けた軸受筒部14,14に取り付けられている。

20はランバーサポートで、略四角形状の板材からなり、
前面は人の腰椎に適した形状をしている。

このランバーサポート20は、第３図に示すように、リベ
ット21により前記蛇腹５の他端に取り付けられてシート
バックサポータ10の前方に位置し、この蛇腹５によって
シートバックサポータ10側に付勢されている。

また、前記ランバーサポート20は、シートバックフレー
ム１に取り付けられたトーションバー25によって支持さ
れている。

詳しく説明すると、前記トーションバー25は、軸部26
と、この軸部26の一端から直角に折曲して先端に突部28
を形成したアーム部27と、軸部26の他端から略コ字形に
折曲して中間に係合部29aを形成した操作部29とからな
り、操作部29がサイドフレーム２を貫通して外側に位置
するとともに、軸部26がサイドフレーム２に設けたブラ
ケット6,6に挿通されて、軸部26を中心に回動自在に取
り付けられている。

そして、ランバーサポート２は、その背面に設けた軸受
筒部22にトーションバー25の突部28が嵌合することによ
って左右に回動自在に支持されている。なお、23はトー
ションバー25の抜け止め用のストッパである。

また、前記操作部29の係合部29aには、カム30が係合し
ている。

このカム30は外周にその中心軸32からの距離が異なる複
数の凸部31を有するもので、その中心軸32が前記サイド
フレーム２に回転自在に取り付けられている。そして、
操作レバー33を回動させることにより、大きさの異なる
凸部31が、順次、前記係合部29に係合し、トーションバ
ー25は前記軸部26を中心として回動するようになってい
る。

したがって、この操作レバー33により、前記トーション
バー25を介してランバーサポート20をシートバックサポ
ータ10に対して前後に移動可能である。

前記構成からなる自動車用バックシートにおいては、通
常、ランバーサポート20は第４図に示す位置で人の腰椎
を支持している。そして、腰椎部分のみを強く支持した
い場合に、前記操作レバー33を操作することにより、ラ
ンバーサポート20を第３図に示すように前進させ、所望
の腰椎支持状態を得ることができる。

なお、本実施例ではトーションバー25をカム30を介して
手動で調節するようにしたが、モータ等により電動で調
節するようにしても良い。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案に係るランバー
サポート構造を備えた自動車用シートでは、人の腰椎の
みの支持を強くすることが可能となり、その結果、腰椎
をしっかと支持できるので、特に、長時間乗車する場合
に有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るランバーサポート構造を備えた自
動車用シートの斜視図、第２図はブラケットを有するサ
イドフレーム近傍の部分正面図、第３図および第４図は
ランバーサポートのそれぞれ突出時，突出前の一部断面
側面図である。 １……シートフレーム、10……シートバックサポータ、
20……ランバーサポート、25……トーションバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートフレームの内側に人の背部に適応し
   た形状を有するシートバックサポータを配設した自動車
   用シートにおいて、シートバックサポータの人の腰椎に
   対応する位置にランバーサポートを蛇腹を介して取り付
   け、前記ランバーサポートの背面に前記シートフレーム
   に取り付けたトーションバーの先端部を係合させて、前
   記ランバーサポートを左右に回動自在に支持するととも
   に、シートバックサポータに対する突出量を調整可能に
   設けたことを特徴とする自動車用シートのランバーサポ
   ート構造。