JPH0721096B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0721096B2
JPH0721096B2 JP62320966A JP32096687A JPH0721096B2 JP H0721096 B2 JPH0721096 B2 JP H0721096B2 JP 62320966 A JP62320966 A JP 62320966A JP 32096687 A JP32096687 A JP 32096687A JP H0721096 B2 JPH0721096 B2 JP H0721096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は耐薬品性および耐衝撃性の優れた熱可塑性樹脂
組成物に係り、特に芳香族ポリエステルが配合され、か
つ共重合したエポキシ基含有ビニル単量体を特定量含有
する耐薬品性および耐衝撃性の優れた熱可塑性樹脂組成
物に関する。
b.従来の技術 従来、芳香族ビニル化合物系熱可塑性樹脂、特にゴム変
性スチレン系熱可塑性樹脂は軽量で成形加工性に優れて
いることから、自動車用部品、電気製品など種々の分野
に利用されている。
c.発明が解決しようとする問題点 しかしながら、該ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂は有
機溶剤などに対して必ずしも安定でなく、特に応力が介
在したり、あるいは変形状態に保たれている状況で使用
される場合などには、著しく耐薬品性が低下することが
多い。このことは、ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂を
さらに広い分野で利用するための大きな障害となってい
る。
特に自動車部品においては、ゴム変性スチレン系熱可塑
性樹脂と可塑剤が配合されるポリ塩化ビニルとが接触し
ている場合、あるいはゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂
にブレーキフルードが付着する場合には、これら可塑剤
およびブレーキフルードの接触によって、いわゆる環境
応力亀裂が生じると云ったことがあり、問題となってい
る。
そこで、これらの問題を解決し、耐薬品性を向上するた
めの手段として、従来よりゴム変性熱可塑性樹脂の分子
量を向上させる方法、あるいはビニルシアン化合物、
(メタ)アクリル酸エステルなどの極性基を有する単量
体を重合体中に導入する方法などが知られているが、こ
れらの方法では未だ十分な耐薬品性を得ることができな
い。
また、従来のゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂は耐衝撃
性において十分ではなく、その利用分野で制限を受けて
いた。
d.問題を解決するための手段 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結
果、特定量のエポキシ基含有ビニル単量体を共重合させ
たゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂に特定量の芳香族ポ
リエステルを配合することにより、耐薬品性および耐衝
撃性の著しく優れたゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂が
得られることを見い出し、本発明を完成したものであ
る。
すなわち、本発明は(A)ゴム変性スチレン系熱可塑性
樹脂51〜90重量%と(B)芳香族ポリエステル10〜49重
量%よりなり、かつ、該(A)成分が下記の(イ)〜
(ホ)の条件を全て満たすゴム変性スチレン系熱可塑性
樹脂であることを特徴とする耐薬品性および耐衝撃性の
優れたゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂組成物を提供す
るものである。
(イ)共重合しているエポキシ基含有ビニル単量体の
(A)成分中の含有量が0.05〜3重量%であり、 (ロ)ゴム質重合体の含有量が5〜40重量%、他の成分
が芳香族ビニル化合物(M−1)とシアン化ビニル化合
物(M−2)からなり、(M−1)/(M−2)の組成
割合が60〜85/15〜40重量%であり、 (ハ)ゴム質重合体の存在下で、上記(M−1)と(M
−2)をグラフト重合して得られるゴム変性スチレン系
熱可塑性樹脂(A−1)または、(A−1)と(M−
1)と(M−2)の共重合体とからなるブレンド型ゴム
変性スチレン系熱可塑性樹脂(A−2)であり、 (ニ)(A)成分中に共重合しているエポキシ基含有ビ
ニル単量体は(A−1)または(A−2)あるいは(A
−1)と(A−2)とに共重合しており、 (ホ)(A)成分のグラフト率が10〜150重量%、メチ
ルエチルケトン可溶成分の極限粘度(メチルエチルケト
ン、30℃)が0.3〜1.0であるゴム変性スチレン系熱可塑
性樹脂。
e.発明の具体的説明 本発明の熱可塑性樹脂組成物で使用される成分につい
て、以下に詳述する。
(A)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂成分 本発明において使用されるゴム変性スチレン系熱可塑性
樹脂である(A)成分としては、ゴム質重合体の存在下
で、芳香族ビニル化合物(M−1)と、シアン化ビニル
化合物(M−2)をグラフト重合して得られるゴム変性
スチレン系熱可塑性樹脂(A−1)または、(A−1)
と上記(M−1)と(M−2)の共重合体を混合してな
るブレンド型ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂(A−
2)が挙げられる。
(A)成分中に共重合しているエポキシ基含有ビニル単
量体は(A−1)または(A−2)あるいは(A−1)
と(A−2)に共重合している。(A−1)および(A
−2)に、エポキシ基含有ビニル単量体を共重合させる
方法は(A−1)および(A−2)の重合時に、エポキ
シ基含有ビニル単量体を上記(M−1)および(M−
2)の単量体と一緒に用いて共重合させればよい。
前記ゴム質重合体として用いられるものの種類として
は、ポリブタジエン、スチレンブタジエン共重合体、ア
クリル系共重合体、エチレン・プロピレン系共重合体、
塩素化ポリエチレン、ポリウレタンなどが挙げられる
が、中でもポリブタジエンを用いることが好ましいもの
である。
前記芳香族ビニル化合物(M−1)としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ブロモスチレンなどがある
が、これらの中でもスチレンおよび、またはα−メチル
スチレンを用いることが最適である。
前記シアン化ビニル化合物(M−2)としては、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルである。
また、前記エポキシ基含有ビニル単量体としては、例え
ば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリ
シジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)ア
クリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネ
ートなどが挙げられ、これらの中でもグリシジルメタク
リレートを用いることが好ましい。
前記エポキシ基含有ビニル単量体は、ゴム変性スチレン
系熱可塑性樹脂中に0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜
2重量%含有させることが重要である。該含有量が0.05
重量%未満の場合には芳香族ポリエステル樹脂成分との
相溶性が低下し、結果として耐衝撃性が低下するため好
ましくない。また、その量が3重量%を越える場合は耐
衝撃性・成形加工性が低下するため好ましくない。該含
有量が0.1〜0.8重量%であると成形品の表面が美麗で、
かつ光沢を有し、一方0.8重量%を超えて2重量%であ
ると成形品の表面が美麗で、かつツヤ消し性を有する。
さらに、必要に応じてこれら芳香族ビニル化合物と共重
合可能な前記シアン化ビニル化合物およびエポキシ基含
有ビニル単量体以外の共単量体を用いて共重合すること
が可能である。このような共単量体としては、メチルメ
タクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミドなどが列記される。
一般にスチレン系単量体単独では耐衝撃性が発現しにく
いので、アクリロニトリルを共重合させるのが好まし
い。この場合の芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化
合物との組成割合は60〜90/10〜40重量%であり、好ま
しくは65〜85/15〜35重量%である。
ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂にエポキシ基含有ビニ
ル単量体を共重合させる場合に存在させてグラフト共重
合させる基材としては、1)グラフト重合体のフラフト
層、または2)非グラフトスチレン系重合体などが挙げ
らけるが、これらの中で3)が好ましい。
このようにして得られるゴム変性スチレン系熱可塑性樹
脂を具体的に示せば、従来のアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−
エチレンプロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)、アク
リロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸メチル−スチ
レン樹脂、アクリロニトリル−n−ブチルアクリレート
−スチレン樹脂(AAS樹脂)等が挙げられる。、 製造方法 上記のゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂は、乳化重合、
溶液重合、塊状重合、懸濁重合などによって製造され
る。また、該重合に用いられる重合開始剤、分子量調節
剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとしては、通常これら重
合法で用いられているものをそのまま用いることが可能
である。前記製造方法の好ましい方法としては、乳化重
合により得られたゴム質重合体の存在下に単量体および
追加の乳化剤、単量体、重合開始剤を用いて一般に重合
温度30〜150℃、重合時間1〜15時間、重合圧力−1.0〜
5.0kg/cm2の条件下でグラフト共重合して得られるグラ
フト共重合体(但し未グラフトのスチレン系重合体を含
む)と、乳化重合もしくは溶液重合により得られたスチ
レン系重合体とを混合することによって製造する方法で
ある。ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂中のゴム含有率
としては、5〜40重量%が好ましくは10〜30重量%であ
る。
また、ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂のメチルエチル
ケトン可溶成分のメチルエチルケトン中30℃で測定した
極限粘度 は、0.3〜1.0である。
ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂中のグラフト重合体の
ゴム成分のアセトンなどを用いた溶剤分別によって測定
されるグラフト率は、10〜150%が好ましく、さらに好
ましくは20〜100%である。
(B)芳香族ポリエステル 芳香族ポリエステルの例としては、芳香族ジカルボン
酸、エステルまたはそのエステル形成誘導体と、ジオー
ルとを公知方法により縮合させて得られたものなどが挙
げられる。
前記芳香族ジカルボン酸の例としては、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ア
ジピン酸およびセバシン酸、ならびにそれらのエステル
形成誘導体が挙げられる。
前記ジオールの例としては、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの2〜
6個の炭素原子を有するポリメチレングリコール、また
は1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAお
よびそれらのエステル形成誘導体が挙げられる。
このようにして得られる芳香族ポリエステルの具体例と
しては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)、ビスフェノールAイソ
フタレートなどが挙げられ、中でもPBTが好ましい。
かかる芳香族ポリエステルとしては、テトラクロルエタ
ン/フェノールの等量混合溶媒中における25℃での極限
粘度 が、0.4〜2.0のものが好ましく、さらに好ましくは0.6
〜1.5のものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ゴム変性スチレ
ン系熱可塑性樹脂および(B)芳香族ポリエステルを混
合することにより製造するものであるが、その具体的な
方法は以下のとおりである。
組成 ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂は、当該組成物中に51
〜90重量%、好ましくは55〜90重量%、さらに好ましく
は60〜85重量%含有するように配合される。51重量%未
満の場合には、得られた樹脂の耐衝撃性が低下するので
好ましくない。また90重量%を越える場合には、耐薬品
性が低下するので好ましくない。芳香族ポリエステル
は、前記組成物中に10〜49重量%、好ましくは10〜45重
量%、さらに好ましくは15〜40重量%含有するように配
合される。10重量%未満の場合には、得られた樹脂の耐
薬品性が低下するので好ましくない。また49重量%を越
える場合には、耐衝撃性が低下するので好ましくない。
混合 ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂、芳香族ポリエステル
の混合には、バンバリーミキサー、ブラベンダー、プラ
ストミル、ニーダー、ベント付き押出機など、一般に熱
可塑性樹脂の混合に用いられている各種の混合装置およ
び方法を用いることができるが、これらの中でもベント
付き押出機を用いる方法が好ましい。
また、混合する前の各成分樹脂の形態は特に限定される
ものではなく、例えば、ペレット、ビーズ、粉末、フレ
ークなどいずれの形態のものでも混合可能であるが、混
合する温度は混合する芳香族ポリエステルの融点以上で
あることが必要であり、一方、ゴム変性熱可塑性樹脂は
300℃を超える温度では熱的に不安定であるため、混合
温度は230〜300℃であることが好ましい。
なお、ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂をグラフト−ブ
レンド法によって製造すると、グラフト重合体、スチレ
ン系重合体、芳香族ポリエステルの三者を同時に混合す
ることが可能であるため、便利である。
f.作用 上記のごとき方法により製造される本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、耐薬品性および耐衝撃性が著しく優れ、成
形性、成形品外観などのゴム変性スチレン系熱可塑性樹
脂に特有の諸物性も優れたものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の特徴は、エポキシ基含有
ビニル単量体を共重合したゴム変性スチレン系熱可塑性
樹脂に芳香族ポリエステルを配合することにある。
芳香族ポリエステルの作用は、以下のように考えられ
る。すなわち、ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂は非結
晶性の樹脂であるが、これに結晶性樹脂である芳香族ポ
リエステルを配合した場合、緻密な結晶構造の寄与によ
り薬品の樹脂中への侵入が防止され、耐薬品性が向上す
ると考えられる。
次に、エポキシ基含有ビニル単量体を共重合したゴム変
性スチレン系熱可塑性樹脂の作用は、以下のように考え
られる。まず、エポキシ基含有ビニル単量体を含有しな
いゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂に芳香族ポリエステ
ルを配合した場合、耐薬品性は向上するが、耐衝撃性は
低下する。これは両者の混和性に起因するものと考えら
れるが、エポキシ基含有ビニル単量体を特定量共重合し
た場合、耐衝撃性の低下が抑えられることが判明した。
その詳細は不明であるが、ゴム変性スチレン系熱可塑性
樹脂に存在するエポキシ基と芳香族ポリエステルの末端
水酸基が溶剤混練時に反応し、生成したブロック(グラ
フト)体が両者の混和性を増加させていると考えてい
る。
その他の配合剤 本発明の熱可塑性樹脂組成物には、前記のごとき必須成
分の他に必要に応じて、滑剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、難燃性、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、着色剤、ガ
ラス繊維等の無機質充填剤など、あるいは、この種の熱
可塑性樹脂組成物において一般に用いられている配合剤
や添加剤を混合することが可能である g.実施例 次に、本発明を実施例によりさらに詳述する。
本実施例中の重量部は単に「部」と省略する。
製造例1(グラフト共重合体G−1、G−2) 攪拌翼を備えた7lガラス製フラスコに、表−1に示すバ
ッチ仕込みの組成で薬液を加え、窒素でフラスコ内部の
空気を置換した後、ジャケットを70℃にコントロールし
ながらフラスコ内部を40℃に昇温する。そして、水10部
に溶解したピロリン酸ナトリウム0.3部、デキストロー
ズ0.35部、硫酸第1鉄0.01部とクメンハイドロパーオキ
サイド0.1部を添加して重合反応を開始させた。
反応を開始してから1時間後に、表−1に示すインクレ
メント混合物の薬液を3時間にわたって連続的に添加し
た後、さらに1時間反応を続けた。
得られたグラフト共重合体ラテックスに、老化防止剤と
して2,6−ジ−tert−ブチルパラクレゾール1.0部を添加
した後、硫酸(ポリマー100部に対し2部)を加えて90
℃で凝固させた。そして、これを分離、水洗、脱水、乾
燥してグラフト共重合体G−1、G−2を得た。
製造例2(スチレン系重合体M−1〜M−10) 攪拌翼を備えた7lのガラス製フラスコに、表−2に示す
薬液を加え、窒素で内部の空気を置換した後、ジャケッ
トを70℃にコントロールしながら内部を50℃に昇温し
た。そして、水4部に溶解した過硫酸カリ0.3部と水1
部に溶解させた亜硫酸ナトリウム0.1部を添加して、3
時間共重合反応を行なった。
得られたスチレン系重合体ラテックスに塩化カルシウム
(ポリマー100部に対して2部)を加え、90〜110℃で凝
固させた。そして、これを分離、水洗、脱水、乾燥して
表−2のスチレン系重合体M−1〜M−9を得た。
実施例1〜13、比較例1〜6 表−3、4に示す割合で各熱可塑性樹脂成分をヘンシェ
ルミキサーを用いて混合した。さらに、これらの混合物
を30m/m二軸ベント付き押出機を用いて230〜270℃の温
度で造粒し、90℃にて乾燥した後、230〜270℃で射出成
形を行なって、表−3、4に示す各種の物性を測定し
た。
配合に用いたG−1,2、M−1〜8以外の各熱可塑性樹
脂成分を以下に示す。
PBT樹脂…〔η〕=1.0のもの ポリプラスチックス株式会社製商品名;ジェラネックス
XD−499 PET樹脂…〔η〕=0.9のもの AES樹脂…エチリデンノルボルネンを含むEPDM30部、ス
チレン49部およびアクリロニトリル21部よりなるAES樹
脂、グラフト率50%、〔η〕=0.5 AAS樹脂…アクリルゴム30部、スチレン49部およびアク
リロニトリル21部よりなるAAS樹脂、グラフト率40%、
〔η〕=0.5 なお、物性測定の条件は以下に示すごとき方法によって
測定した。
アイゾット衝撃強度:ASTM D256(6mm厚ノッチ付) メルトフローレート:ASTM D1238(240℃ 10kg) 荷重たわみ温度:ASTM D648(荷重18.6kg/cm2アニールな
し) 光沢度:ASTM D523(3mm厚さ) 定歪ソルベントクラック:試験片(1/8″×1/5″×
5″)に歪率0.5%の定歪を加え、たわみ部分にブレー
キオイル(BOと略す)を塗布し、23℃にて放置したとき
の破断に至るまでの時間を測定した。また歪率1.0%の
条件でジオクチルフタレート(DOPと略す)を用い同様
の測定を行なった。時間が長いほど耐薬品性は良好であ
る。BOの場合5Hr以上(通常のABSで数分)、DOPの場合1
0Hr以上(通常のABSで数時間)を目標値とした。
実施例1〜12に示すように、本発明にかかる組成物はア
イゾット衝撃強度で示される耐衝撃性、および定歪ソル
ベントクラックで示される耐薬品性の双方が極めて良好
な樹脂成形品を与える。また他の諸物性、すなわちメル
トフローレートで示される流動性、荷重たわみ温度で示
される耐熱性、および光沢度で示される成形品外観も良
好なものである。
比較例1のゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂組成物は一
般的なABS樹脂であり、耐薬品性が不良であった。
比較例2の組成物はゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂中
のエポキシ基含有ビニル単量体の含有率が本発明の範囲
以下であり、耐衝撃性が低下し好ましくない。比較例3
の組成物は該単量体の含有率が本発明の範囲を超え、耐
衝撃性、メルトフローレートが低下し好ましくない。
比較例4、5は(A)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂
と(B)芳香族ポリエステルの配合比が本発明の範囲外
のものである。すなわち、(A)成分が90重量%を超え
(B)成分が10重量%未満の場合には耐薬品性が低下す
るので好ましくない(比較例4)。また(A)成分が50
重量%未満で(B)成分が50重量%を超える場合には、
耐衝撃性が低下するので好ましくない。
比較例6はエポキシ基含有ビニル単量体の替りにメタク
リル酸を共重合したものであり、耐衝撃性が不十分であ
る。
h.発明の効果 本発明のゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂組成物におい
ては、ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂に特定量のエポ
キシ基含有ビニル単量体を共重合体として含有すること
によって、耐衝撃性が改良されている。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は耐衝撃性が優れ、かつ耐
薬品性も優れたものであるため、新しい分野への適用の
可能性は大きく、工業的に極めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−221459(JP,A) 特開 平1−163243(JP,A) 特開 昭63−241062(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂51
    〜90重量%と(B)芳香族ポリエステル10〜49重量%よ
    りなり、かつ、該(A)成分が下記の(イ)〜(ホ)の
    条件を全て満たすゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂であ
    ることを特徴とする耐薬品性および耐衝撃性の優れたゴ
    ム変性スチレン系熱可塑性樹脂組成物。 (イ)共重合しているエポキシ基含有ビニル単量体の
    (A)成分中の含有量が0.05〜3重量%であり、 (ロ)ゴム質重合体の含有量が5〜40重量%、他の成分
    が芳香族ビニル化合物(M−1)とシアン化ビニル化合
    物(M−2)からなり、(M−1)/(M−2)の組成
    割合が60〜85/15〜40重量%であり、 (ハ)ゴム質重合体の存在下で、上記(M−1)と(M
    −2)をグラフト重合して得られるゴム変性スチレン系
    熱可塑性樹脂(A−1)または、(A−1)と(M−
    1)と(M−2)の共重合体とからなるブレンド型ゴム
    変性スチレン系熱可塑性樹脂(A−2)であり、 (ニ)(A)成分中に共重合しているエポキシ基含有ビ
    ニル単量体は(A−1)または(A−2)あるいは(A
    −1)と(A−2)に共重合しており、 (ホ)(A)成分のグラフト率は10〜150重量%、メチ
    ルエチルケトン可溶成分の極限粘度(メチルエチルケト
    ン、30℃)は0.3〜1.0であるゴム変性スチレン系熱可塑
    性樹脂。
  2. 【請求項2】(A)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂が
    エポキシ基含有ビニル単量体を共重合したABS樹脂であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B)芳香族ポリエステルがポリブチレン
    テレフタレートであることを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】エポキシ基含有ビニル単量体がグリシジル
    メタクリレートであることを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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