JPH07208492A - 自在継手用軸受カップ - Google Patents

自在継手用軸受カップ

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JPH07208492A
JPH07208492A JP6006796A JP679694A JPH07208492A JP H07208492 A JPH07208492 A JP H07208492A JP 6006796 A JP6006796 A JP 6006796A JP 679694 A JP679694 A JP 679694A JP H07208492 A JPH07208492 A JP H07208492A
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cross shaft
ridges
bearing cup
end surface
universal joint
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Katsuhiro Ikezawa
且弘 池沢
Hiroshi Iwasa
弘志 岩佐
Jiro Sada
次郎 佐田
Makoto Fujinami
誠 藤波
Yasuhiro Nomura
康裕 野村
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NSK Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/16Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
    • F16D3/26Hooke's joints or other joints with an equivalent intermediate member to which each coupling part is pivotally or slidably connected
    • F16D3/38Hooke's joints or other joints with an equivalent intermediate member to which each coupling part is pivotally or slidably connected with a single intermediate member with trunnions or bearings arranged on two axes perpendicular to one another
    • F16D3/382Hooke's joints or other joints with an equivalent intermediate member to which each coupling part is pivotally or slidably connected with a single intermediate member with trunnions or bearings arranged on two axes perpendicular to one another constructional details of other than the intermediate member
    • F16D3/385Bearing cup; Bearing construction; Bearing seal; Mounting of bearing on the intermediate member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2300/00Special features for couplings or clutches
    • F16D2300/06Lubrication details not provided for in group F16D13/74

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十字軸9と軸受カップ11aとの相対変位量
が微小であっても、又、摩耗が進んだ場合でも、両部材
9、11a同士の当接部に十分に潤滑油を送り込む。 【構成】 軸受カップ11aの内面17の中央部に、放
射方向に複数の突条21、21を形成する。各突条2
1、21の断面形状等を工夫して、突条21、21の先
端と十字軸9端面との最大接触面圧を175kgf/mm2
下にする。又、摩耗進行時にも、各突条21、21の側
面と十字軸9端面とが成す角度を45度以下に規制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る自在継手用軸受カ
ップは、例えば自動車のプロペラシャフト、或はステア
リングシャフトに組み込み、非直線的に配置されたプロ
ペラシャフト或はステアリングシャフトによる回転力の
伝達を自在とする、自在継手のシェル型ニードル軸受を
構成するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】車両の前部に設けたエンジンの回転を駆
動輪である後輪に伝達する為のプロペラシャフトは、例
えば図9に示す様に構成されている。このプロペラシャ
フト1は、トランスミッションの出力部に結合されて回
転するスリーブヨーク2と、第一軸3と、第二軸4と
を、自在継手5、5により、互いの変位を自在に結合す
る事で、構成されている。このうちの第一軸3は、ゴム
ブッシュ6を介して車両の床下に、緩衝的に支持され
る。この様なプロペラシャフト1により、同一直線上に
存在しないトランスミッションの出力軸とデファレンシ
ャルギヤの入力軸との間で回転力の伝達を行なう。
【0003】この様なプロペラシャフトに組み込む自在
継手5は従来から、図10に示す様に、それぞれ二股状
に形成された第一、第二のヨーク7、8と、両ヨーク
7、8同士を変位自在に結合する為の十字軸9とから構
成されている。各ヨーク7、8の両端部にはそれぞれ円
孔10、10を、互いに整合する状態で形成しており、
各円孔10、10の内側に軸受カップ11(図10に
は、1個のみ示している。)を内嵌固定している。
【0004】肌焼鋼板等、硬質の金属材により造られた
軸受カップ11は、図11に示す様に、全体を一体の有
底円筒状に造られて、円筒部12と、この円筒部12の
一端を塞ぐ底部13とを備えている。この底部13の内
面には、例えば、上記円筒部12と同心で円環状の突条
14を形成している。
【0005】上記各円孔10、10に内嵌固定した合計
4個の軸受カップ11の内周面と、上記十字軸9の4箇
所の端部外周面との間には、図11に示す様に複数のニ
ードル15、15を設けている。そして、このニードル
15、15の転動に基づき、十字軸9と第一、第二の両
ヨーク7、8(図10)との揺動を自在としている。
又、互いに対向する十字軸9の端面16と軸受カップ1
1の底部13の内面17とは、突条14先端の狭い面積
でのみ摺接する様にして、上記端面16と内面17との
間に大きな摩擦力が作用する事を防止している。
【0006】自在継手5は上述の様に構成される為、例
えば図9に示す様に第一のヨーク7をスリーブヨーク2
の端部に固定し、第二のヨーク8を第一軸3の端部に固
定すれば、互いに同一直線上に存在しないスリーブヨー
ク2と第一軸3との間で、回転力の伝達を行なえる。
【0007】尚、自在継手5部分での動力損失を低減す
べく、上記十字軸9の端面16と各軸受カップ11の底
部13の内面17との間に作用する摩擦力を小さくする
為には、両面間に十分量の潤滑油(一般的にはグリー
ス)を保持する必要がある。この様に潤滑油を保持する
為の構造として従来から、実開昭57−85625号公
報、或は特開昭54−89148号公報、同55−51
121号公報等に記載された各種構造が知られている。
【0008】このうち、実開昭57−85625号公報
に記載された構造は、図12に示す様に、上記内面17
に多数の小凹部18、18を形成している。この構造の
場合には、各小凹部18、18内に保持した潤滑油によ
って、上記両面16、17間の潤滑を図る。
【0009】又、特開昭54−89148号公報に記載
された構造は、図13に示す様に、上記端面16にそれ
ぞれの断面形状が台形若しくは矩形である複数本の突条
19、19を、放射方向に形成している。この構造の場
合には、隣り合う突条19、19の間に存在する凹部2
0、20内に保持した潤滑油によって、上記両面16、
17間の潤滑を図る。
【0010】更に、図示は省略したが、特開昭55−5
1121号公報に記載された構造の場合には、軸受カッ
プの底部の内面に、球状或は円錐状の突起を複数個形成
している。この様な複数個の突起により、上記底部の内
面と十字軸の端面とが互いに離隔し、これら両面同士の
間に潤滑油を送り込める様になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来構造の場合、使用状態によっては、必ずしも十字軸9
の端面16と各軸受カップ11の底部13の内面17と
の間に十分な油膜を形成できない。即ち、自在継手のジ
ョイント角が極く小さい(例えば2度以下)場合には、
上記端面16と内面17との相対回転角度も極く小さく
なる。
【0012】一方、前記図12、13に示した従来構造
の場合、上記両面16、17同士は、小凹部18、18
或は凹部20、20から外れた部分では、平面同士で対
向する。この結果、これら両面16、17同士の相対回
転角度が極く小さくなると、これら両面16、17の一
部に、常に平面同士でしか対向しない部分(小凹部1
8、18或は凹部20、20と全く対向しない部分)が
生じる。この様な部分には潤滑油の供給が行なわれず、
油膜形成が行なわれない。従って、上記両面16、17
同士が金属接触し易くなって、摩耗や著しい場合には焼
き付きが生じ易くなる。特に、自在継手の使用開始直後
で、上記端面16と内面17と摺接部の初期摩耗に基づ
いて所謂馴染みが完了する以前に潤滑不良になると、上
記焼き付きを発生し易い。
【0013】又、特開昭55−51121号公報に記載
された構造の場合には、各突起の先端面と十字軸端面と
の接触面積が狭く、接触部分に大きな面圧が加わり、接
触部分の摩耗が著しくなる。即ち、自在継手の組立時に
は、自在継手のがたつき防止を図るべく、上記軸受カッ
プ11の底部13を十字軸9の端面16に向け弾性的に
押圧する、所謂予圧付与を行なう。上記先端面と十字軸
端面との当接部には、この予圧に基づいて大きな接触面
圧が作用し、この当接部に著しい摩耗が発生し易くな
る。この様な著しい摩耗は、軸受カップの耐久性を損な
う為、好ましくない。本発明の自在継手用軸受カップ
は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0014】
【課題を解決する為の手段】本発明の自在継手用軸受カ
ップは、金属板により全体を一体の有底円筒状に造られ
て、円筒部と、この円筒部の一端を塞ぐ底部と、それぞ
れがこの底部の内面に直径方向内側から外側に亙って形
成された複数の突条とを備え、内側に十字軸の端部を挿
入した状態で使用される自在継手用軸受カップであっ
て、これら各突条の長さ、数、並びに断面形状を、次の
の条件を満たすべく規制している。。
【0015】 未摩耗時に於ける上記各突条先端部の
表面形状が円弧状凸面であり、自在継手の組立時に加え
られる初期予圧に基づく最大接触面圧を175kgf/mm2
以下とすべく、上記円弧状凸面の曲率半径が、上記突条
の長さ、数との関係で、一定値以上に規制されている。
【0016】 上記各突条の先端部が上記十字軸端面
との摩擦に基づいて一定量摩耗した時点での、上記各突
条の側面と上記十字軸端面との交差角度で表される潤滑
油の引き込み角を、上記各突条の先端面と上記十字軸の
端面との相対変位に基づきこれら両面同士の接触部に十
分量の潤滑油を取り込める角度とすべく、上記一定量摩
耗した時点で上記各突条の先端縁に位置する事になる側
面の上記十字軸端面に対する傾斜角度が一定値以下に規
制されている。
【0017】
【作用】上述の様に構成される本発明の自在継手用軸受
カップの場合には、の条件に基づき、複数の突条の先
端部と十字軸の端面との間の潤滑が初期から良好にな
る。即ち、複数の突条の先端部の表面形状が円弧状凸面
である為、各突条の先端部と十字軸の端面との接触状態
が、面接触よりも線接触に近い状態となる。従って、軸
受カップと十字軸との相対回転角度が極く小さい場合で
も、上記先端部と内面との接触部に潤滑油が確実に送り
込まれて、この接触部で金属接触が生じる事を防止す
る。
【0018】又、上記各突条の先端部で、上記十字軸の
端面と当接する部分の曲率半径は大きく、当接部に作用
する最大接触面圧が、潤滑油膜による支承を考慮しなく
ても、175kgf/mm2 以下に規制されている。しかも、
当接部分に取り込まれた潤滑油の膜がくさび作用によ
り、比較的幅広の部分で、この当接部に加わる荷重を支
承する。従って、この荷重によって潤滑油膜が破断しに
くく、接触部に大きな荷重が加わる様な状況下でも、金
属接触の防止が確実に図られる。
【0019】更に、の条件に基づき、長期間使用後に
各突条の先端部が摩耗した場合にも、各突条の先端面と
十字軸の端面との間に十分量の潤滑油を取り込む事がで
きる。従って、軸受カップの複数の突条の先端部と十字
軸の端面との間の潤滑が初期から長期間使用経過後に至
るまで、良好な状態に維持される。
【0020】
【実施例】図1〜8は本発明の実施例を示す図である。
本発明の軸受カップ11aは、前述した従来品と同様、
図1に示す様に、金属板を絞り成形する事により全体を
一体の有底円筒状に造られ、円筒部12と、この円筒部
12の一端を塞ぐ底部13とを備えている。そして、こ
の底部13の内面17の中央部には、図2に示す様に、
複数本(例えば16本以上。図示の例では32本。)の
突条21、21を、直径方向内側から外側に亙って放射
方向に形成している。
【0021】これら各突条21、21の断面形状は、図
3に示す様に、先端部をRなる曲率半径を有する円弧状
凸面23とし、左右両側面をθなる傾斜角度を有する平
面24、24とした山形としている。又、これら各突条
21、21の断面形状並びに断面積は、それぞれの一端
部から他端部まで変化しない。従って、上記各突条2
1、21が上記内面17から突出する高さ寸法Hは、総
ての突条21、21の全長に亙って等しい。
【0022】上述の様に形成される軸受カップ11a
は、前記従来品と同様、図1に示す様に、上記円筒部1
2の内周面をニードル15、15の転動面を当接させる
軌道面として、ヨーク7(8)に形成した円孔10に内
嵌固定した状態で使用される。この状態で上記複数本の
突条21、21には、十字軸9の端面中央部に形成した
凸部22が当接する。尚、この凸部22には、必要に応
じて、前記図12に示す様な小凹部18、18を形成し
ても良い。
【0023】前述の様に構成され、上述の様に自在継手
に組み込まれた状態で使用される本発明の自在継手用軸
受カップの場合には、上記複数の突条21、21の先端
部と上記十字軸9の端面に形成した凸部22との接触状
態が、図3に示す様に、面接触よりも線接触に近い状態
となる。従って、軸受カップ11aと十字軸9との相対
回転角度が極く小さい場合でも、上記各突条21、21
の先端部と軸受カップ11aの内面17との接触部に潤
滑油が確実に送り込まれて、この接触部で金属接触が生
じる事を防止する。
【0024】又、それぞれ、断面が山形である突条2
1、21は、十分な高さ寸法Hを有する。従って、隣り
合う突条21、21同士の間には、十分な容積を有する
凹部25、25が形成され、これら各凹部25、25に
貯溜された十分量の潤滑油が、上記接触部に送り込まれ
る。
【0025】又、上記各突条21、21の先端部で、上
記凸部22と接触する部分の曲率半径Rは大きく、当接
部に作用する最大接触面圧が175kgf/mm2 以下に規制
されており、しかも当接部分に取り込まれた潤滑油の膜
がくさび作用により、比較的幅広の部分で、この当接部
に加わる荷重を支承する。従って、この荷重によって潤
滑油膜が破断しにくく、当接部に大きな荷重が加わる様
な状況下でも、金属接触の防止が確実に図られる。従っ
て、初期摩耗に基づく馴染みが完了する以前でも金属接
触の発生が防止され、金属接触の発生に伴って上記当接
部が焼き付く事を、確実に防止できる。
【0026】尚、上述の様に最大接触面圧が175kgf/
mm2 以下に抑えるべく、上記曲率半径Rを規制するに
は、次式で表される最大接触面圧Pmax が175kgf/mm
2 以下となる様に、上記曲率半径Rを含む条件を規制す
る。
【数2】 尚、この式中、Fは初期予圧(kgf )、Zは突条21、
21の数、Lは各突条21、21の長さ(十字軸9端面
の凸部22と当接する部分の長さで、単位はmm)、Rは
上述の様に各突条21、21の先端の円弧状凸面23の
断面の曲率半径(mm)、Eは突条21、21を含む軸受
カップ11a及び十字軸9を構成する金属材のヤング
率、mはポアソン数(ポアソン比は1/m=ν)であ
る。
【0027】例えば、一般的なステアリングシャフト用
自在継手に組み込まれる軸受カップを考えた場合には、
初期予圧Fが150kgf 程度、各突条21、21の長さ
Lが1.5mm程度、突条21、21の数が30個程度と
なる。この程度の軸受カップの場合、ヤング率Eは21
200kgf/mm2 程度、ポアソン数は3.33程度であ
る。又、十字軸9のヤング率Eは21200kgf/mm2
度、ポアソン数は3.33程度である。従って、最大接
触面圧Pmax を175kgf/mm2 とする為には、上記曲率
半径Rを0.4mm程度とすれば良い。この曲率半径Rを
0.4mmよりも大きくすれば、上記最大接触面圧Pmax
が175kgf/mm2 よりも小さくなり、反対に0.4mmよ
りも小さくすれば、最大接触面圧Pmax が175kgf/mm
2 よりも大きくなる。
【0028】従って、本発明を実施する場合には、上記
式を考慮しつつ、上記各突条21、21の数、長さ、断
面先端部の曲率半径を規制する。尚、この断面先端部
は、図4(A)に示す様に、曲率半径R1 が変化しない
単一曲面であっても、或は同図(B)に示す様に、中央
部の曲率半径がR1 であり、両側部分の曲率半径がR2
(<R1 )である複合曲面としても良い。複合曲面とす
る場合には、初期に於いて十字軸9端面の凸部22と接
触する部分の曲率半径R1 を、上記最大接触面圧Pmax
を175kgf/mm2 よりも小さくすべく規制する。
【0029】更に、本発明の自在継手用軸受カップ11
aの場合には、長期間使用後に各突条21、21の先端
部が摩耗した場合にも、各突条21、21の先端面と十
字軸の端面との間に十分量の潤滑油を取り込む事ができ
る。即ち、長期間に亙る使用に伴って上記各突条21、
21の先端部の摩耗が進行し、上記曲率半径Rの円弧状
凸面23部分が摩滅した場合には、前記平面24、24
の上端縁が上記凸部22と接触する。これら各平面2
4、24の傾斜角度θは、全面に亙って均一である。従
って、これら各平面24、24の傾斜角度θを一定値以
下に規制すれば、上記円弧状凸面23部分の摩滅後に於
いても、各突条21、21の先端面と上記凸部22との
間に十分な量の潤滑油を取り込める。
【0030】尚、前記軸受カップ11aの内面17に、
図5に示す様に断面が半円形に近い突条21aを形成す
ると、同図(A)に示す様にこの突条21aの摩耗量が
少ない場合には、この突条21aの表面と上記凸部22
の表面とが成す角度θが十分に小さくなり、突条21a
と凸部22との当接部に潤滑油を効率良く取り込める。
ところが、同図(B)に示す様に上記突条21aの摩耗
が進むと、上記傾斜角度θが大きくなり、上記当接部へ
の潤滑油の取り込みが円滑に行なわれなくなる。
【0031】即ち、図5に示す様に断面が半円形に近い
突条21aの場合には、図6に示す様に、この突条21
aの摩耗が進に従って上記角度θが大きくなる。そし
て、このθが或る程度以上大きくなると、上記当接部へ
の潤滑油の取り込みが十分に行なわれなくなって、当接
部が焼き付く可能性を生じる。
【0032】これに対して、前記図3に記載し、更に図
7に誇張して示した様に、円弧状凸面23と平面24、
24とを組み合わせた突条21の場合、図8に示す様
に、或る程度摩耗が進むまでの間は、摩耗の進行に伴っ
て上記角度θが大きくなるが、それ以上摩耗が進行して
も、上記角度θは一定値のまま変化しなくなる。
【0033】例えば、前述した様なプロペラシャフト用
自在継手として一般的な条件で考えた場合、例えば上記
円弧状凸面23の高さ寸法hを適切に規制すると共に、
各平面24、24の傾斜角度θを45度以下に規制する
等により、25μm 以上摩耗しても傾斜角度θが45度
以下に維持される形状にすれば、実用上十分な程度に小
さな曲げトルクを実現でき、しかも耐久性、信頼性を発
揮できる自在継手を得られる。即ち、軸受カップ11a
の複数の突条21、21の先端部と十字軸9の端面に形
成したと凸部22との間の潤滑を、初期から長期間使用
経過後に至るまで、良好な状態に維持できる。
【0034】尚、上記各突条21、21は、軸受カップ
11aの底部13の内面17に、それぞれが直径方向内
側から外側に亙って形成されていれば良く、必ずしも放
射方向に形成する必要はない。例えば、各突条21、2
1を直径方向に対して傾斜させたり、或は各突条21、
21を螺旋方向に形成しても良い。
【0035】
【発明の効果】本発明の自在継手用軸受カップは、以上
に述べた通り構成され作用するので、ジョイント角が極
く小さな自在継手に組み込んだ場合でも、使用開始直後
から長期間使用経過後に至るまで、十字軸の端面と軸受
カップの内面との潤滑を良好に保てる。従って、これら
両面間に働く摩擦力を十分に軽減でき、自在継手部分で
の動力損失を低く抑えると同時に、上記十字軸及び軸受
カップの耐久性向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受カップを、十字軸の端部及びニー
ドルと組み合わせた状態で示す断面図。
【図2】軸受カップの内面に形成した突条を、図1の上
方から見た図。
【図3】図2の拡大A−A断面図。
【図4】突条の断面形状の2例を示す部分拡大断面図。
【図5】好ましくない断面形状を、摩耗が進行しない状
態と進行した後の状態とで示す断面図。
【図6】図5に示した断面形状を有する突条の摩耗進行
に伴う、突条表面と相手面との傾斜角度の変化状況を示
す線図。
【図7】好ましい断面形状を、高さ方向の寸法を幅方向
の寸法に比べて誇張した状態で示す断面図。
【図8】図7に示した断面形状を有する突条の摩耗進行
に伴う、突条表面と相手面との傾斜角度の変化状況を示
す線図。
【図9】自在継手を組み込んだプロペラシャフトを示す
半部断面図。
【図10】自在継手の分解斜視図。
【図11】軸受カップに十字軸の端部を挿入した状態を
示す断面図。
【図12】従来から知られた軸受カップの内面形状を示
す、図2と同様の図。
【図13】従来から知られた十字軸の端面形状を示す
図。
【符号の説明】
1 プロペラシャフト 2 スリーブヨーク 3 第一軸 4 第二軸 5 自在継手 6 ゴムブッシュ 7 第一のヨーク 8 第二のヨーク 9 十字軸 10 円孔 11、11a 軸受カップ 12 円筒部 13 底部 14 突条 15 ニードル 16 端面 17 内面 18 小凹部 19 突条 20 凹部 21、21a 突条 22 凸部 23 円弧状凸面 24 平面 25 凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来構造の場合、使用状態によっては、必ずしも十字軸9
の端面16と各軸受カップ11の底部13の内面17と
の間に十分な油膜を形成できない。即ち、自在継手のジ
ョイント角が極く小さい場合には、上記端面16と内面
17との相対回転角度も極く小さくなる。
フロントページの続き (72)発明者 野村 康裕 神奈川県平塚市御殿1−22−4 わかばハ イツ2−101

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板により全体を一体の有底円筒状に
    造られて、円筒部と、この円筒部の一端を塞ぐ底部と、
    それぞれがこの底部の内面に直径方向内側から外側に亙
    って形成された複数の突条とを備え、内側に十字軸の端
    部を挿入した状態で使用される自在継手用軸受カップで
    あって、これら各突条の長さ、数、並びに断面形状を、
    次のの条件を満たすべく規制している自在継手用軸
    受カップ。 未摩耗時に於ける上記各突条先端部の表面形状が円
    弧状凸面であり、自在継手の組立時に加えられる初期予
    圧に基づく最大接触面圧を175kgf/mm2 以下とすべ
    く、上記円弧状凸面の曲率半径が、上記突条の長さ、数
    との関係で、一定値以上に規制されている。 上記各突条の先端部が上記十字軸端面との摩擦に基
    づいて一定量摩耗した時点での、上記各突条の側面と上
    記十字軸端面との交差角度で表される潤滑油の引き込み
    角を、上記各突条の先端面と上記十字軸の端面との相対
    変位に基づきこれら両面同士の接触部に十分量の潤滑油
    を取り込める角度とすべく、上記一定量摩耗した時点で
    上記各突条の先端縁に位置する事になる側面の上記十字
    軸端面に対する傾斜角度が一定値以下に規制されてい
    る。
  2. 【請求項2】 突条の表面が、幅方向中央部に位置する
    先端を構成する円弧状凸面と、この円弧状凸面の両側に
    位置する平面とから成り、初期予圧をFkgf、突条の数
    をZ、各突条の長さをLmm、上記円弧状凸面の曲率半径
    をRmm、突条を含む軸受カップ及び十字軸を構成する金
    属材のヤング率をE、ポアソン数をmとした場合に、 【数1】 で表される最大接触面圧Pmax が175kgf/mm2 以下で
    あり、且つ、上記平面の十字軸の端面に対する傾斜角度
    が45度以下である、請求項1に記載した自在継手用軸
    受カップ。
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