JPH0720716B2 - シート搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、シート搬送装置に関し、特に、カットシート
の自動給送が可能なプリンタ等のシート搬送装置に関す
る。

［従来の技術］ 近年、カットシートの使用頻度増大にともないカットシ
ートを自動給送するカットシートフィーダがオプション
で装着できるようにしたプリンタが増えてきている。し
かし、かかる場合、そのような機構を別途に外装として
用意しなければならず、部品点数が多くなるのみなら
ず、着脱に手間がかかる等操作性にも問題がある上に高
価になる。

また、このような機構を内装することを考えると、廉価
ものとするには、シート送りモータをシートの逆送り方
向に回転させたいときにのみ給送ローラを作動させるよ
うにしてシート送りモータを給送用に併用すればよい
が、かかる構成とした場合の問題点は、上記の逆送り方
向の回転量が多すぎると給送ローラを誤動作させるおそ
れがあるので、簡単な構造でシートの逆送りのときには
給送ローラを誤動作させることのないプリンタの給送装
置が望ましい。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は、上述の問題点に着目し、その解決を図
るべく、廉価でしかも操作性が優れ、上述したような誤
動作を防止することができてしかもカットシートフィー
ダを内装したプリンタのシート搬送装置を提供すること
にある。

［問題点を解決するための手段］ かかる目的を達成するために、本発明は、シートを載置
するための載置手段と、該載置手段に載置されたシート
を送出する給送回転体と、該給送回転体により送出され
たシートを搬送する搬送回転体と、前記給送回転体と前
記搬送回転体とに選択的に駆動源による駆動を切換えて
伝達する駆動伝達手段と、前記搬送回転体により搬送中
のシートを検知する検知手段と、該検知手段によりシー
トが検知されている間は前記駆動手段による前記給送回
転体への駆動の伝達を阻止する駆動伝達阻止手段とを具
備したことを特徴とするものである。

［作用］ 本発明によれば、駆動伝達手段による切換によって。給
送回転体と搬送回転体とをタイミングよく駆動源によっ
て駆動することができ、更にまた、搬送回転体によりシ
ートが搬送されている間はシート検知手段による検知に
よって給送回転体が駆動されないように駆動伝達阻止手
段によって給送回転体が駆動されないように駆動伝達阻
止手段によってその駆動が阻止されるので、シートを搬
送回転体に保持されたままの状態で正逆自在にシート送
りを実施することができる。

［実施例］ 以下に図面に基づいて本発明の実施例を詳細かつ具体的
に説明する。

第１図は本発明の実施例を示す。ここで、１は基板であ
り、その両側の折り曲げられた左側板1Aおよび右側板1B
によりキャリア２を摺動自在に支持する案内軸3Aおよび
3Bが軸支されている。しかして、キャリア２は図示され
ないキャリアモータおよび駆動手段により案内軸3Aおよ
び3Bに沿って駆動されるが、キャリア２には印字ヘッド
例えばインクジェットヘッド４が搭載されており、印字
ヘッド４に設けられている個々のノズルに記録信号を供
給することによりノズルからインクを吐出させて記録を
行わせることができる。５はインクタンクである。

６はゴム等の摩擦係数の高い材料で形成した搬送回転体
であるシート送りローラ、6Aはそのローラ軸であり、ロ
ーラ軸6Aにはとい状のペーパーパン７を保持すると共に
図示しないピンチローラをローラ６から解離操作させる
操作レバ8Aおよび係止突起8Bを具えた操作部材８が回動
自在に嵌装されている。また、９はシート送りローラ６
駆動用のギアであり、大歯車9Aあと小歯車9Bとで構成さ
れ、このうちの小歯車9Bはアイドルギヤ10に嵌合し、ア
イドルギヤ10は排紙ローラ軸11Aに設けられた駆動ギヤ1
2に噛合している。したがつて、後述するようにして不
図示のシート送りモータによりシート送りローラ６を駆
動させると、ギヤ９を介して排紙ローラ軸11Aを回転さ
せることができる。

11は排紙ローラ軸11Aの所定の位置に取付けられている
排紙ローラであり、ゴム等の摩擦係数の大きい材料によ
って形成され、その外周部には排紙時にシートの後縁を
保持させるための係合溝11Bが周設されている。15はこ
れらの排紙ローラ11に歯車型の排紙拍車16Aおよびシー
ト押え拍車16Bを接触可能に保持している拍車ホルダ、1
7は拍車ホルダ15を支持軸15Aにより支持している支持部
材であって、支持部材17は枠型の拍車偏倚レバ18に取付
けられており、拍車偏倚レバ18を不図示のばねにより操
作部材８の係止突起8Bに向けて偏倚させることによって
拍車ホルダ15に設けた排紙拍車16Aおよびシート押え拍
車16Bを排紙ローラ11に接触状態に保たせることができ
る。

20は小径の周面部20Aと大径の周面部20Bとを有するゴム
等で形成された給送回転体（以下で給送ローラという）
であり、給送ローラ20は給送ローラ基体21に固定されて
おり、基体21には更につば部21Aおよび21Bが形成されて
いる。このような給送ローラ20およびその基体21は左右
共に給送ローラ軸23に摺動自在に嵌合されているが、給
送ローラ軸23にＤ字型の断面をもたせることにより、給
送ローラ20および基体21をローラ軸23と共に回転させる
ことができる。

なお給送ローラ軸23は側板1Aおよび1Bによって軸支され
ており、その一方の端部にはタイミングギヤ24が装着さ
れている。このタイミングギヤ24はその中心部の外歯部
25Aおよび歯欠部25Bを有する外接歯車部25と、外周部に
沿って設けられ、内歯部26Aおよび歯欠部26Bを有する内
接歯車部26とで構成されており、外接歯車部25と内接歯
車部26との間には空間部24Aが介在する。

ついで、このタイミングギヤ24を介して給送ローラ軸23
に、また、シート送りローラ軸6Aに切換えて駆動する切
換え手段側について説明する。

30はシート送りローラ軸6Aに固定され振子ギヤ31の大歯
車31Aと噛合する給紙ローラ駆動ギヤであり、32はシー
ト送りローラ軸6Aに回動自在に枢支されるスイングレバ
である。ここで振子ギヤ31はその大歯車31Aおよび小歯
車31Bが共に振子ギヤ軸33に軸支されており、ギヤ軸33
と振子ギヤ31との間には所定の摩擦力が作用するように
図示はしないがばねやフェルトが介装される。

すなわち、この摩擦力により、スイングレバ32を振子ギ
ヤ31の回転に連れて同方向に回動させ、その小歯車31B
をタイミングギヤ24の外接歯車部25または内接歯車部26
に向けて偏倚させることができる。また、スイングレバ
32には制御腕32Aが延在されている。

37はシート送りローラ６にシートが巻着されているか否
かを検知するためのマイクロスイッチであり、38はその
検出レバ、38Aはレバ38の検出部38Bはレバ38Aの回動動
作によりマイクロスイッチ37を“オン”の状態にさせる
作動片である。マイクロスイッチ37は基板１に固定して
あり、その検出部38Aがシート送りローラ６の外周面に
沿って設けられた溝6Bに入り込むようにしてあって、ロ
ーラ６に不図示のシートが巻着されると、検出部38Aが
シートによって溝6Bから押出され検出レバ38を回動させ
ることによってマイクロスイッチ37を“オン”の状態と
なし、“シート有り”の信号を先に述べたCPUに供給す
る。

なお、図示しないがマイクロスイッチ37の作動片検出部
38Aがシート送りローラ６の溝6Bに係合可能なようにペ
ーパパン７の検出部38Aと対応する部分には切欠き孔が
穿設されている。

40Aおよび40Bはそれぞれ左右のスライダユニットであ
り、ユニット案内軸41に摺動自在に保持されている。ま
た、案内軸41は側板1Aおよび1Bに支承されており、その
軸41には軸線にそって長い溝41Aが形成してある。42は
案内軸41の端部に取付けられた給紙レバであり、給紙時
にはレバ42を矢印Ａの方向に傾動させることにより圧板
43上にシートの給紙を行うことができる。

次に、第２図によってスライダユニット40Aおよび40Bの
構成を詳述する。なお、ユニット40Aと40Bとは左右対称
に構成される。ここで、44はスライダ本体、44Aはその
つまみ、44Bは本体44Aを軸41に摺動自在に支持する案内
孔、44Cはその底部から立設され圧板43の案内柱34Aを摺
動自在に嵌入させる案内筒、44Dは圧板43のロック爪43B
を係止させる係合角孔、44Eは給紙ローラ基体21のつば2
1A,21B間に係合される連結部である。また、45は先端に
分離爪45Aを有する分離爪保有部材であり、スライダ本
体44に軸ピン45Bを介して回動自在に取付けられ、その
時計回りの回動動作は分離爪保有部材45の上端のストッ
パ部45Cが給紙ローラ基体21のつば部21Bに下側から当接
することによって規制される。

46は圧板43を保持し、給紙レバ42による案内軸41の回動
動作に応じて圧板43を上下に揺動可能なセットアーム部
材であり、そのために、部材46の軸孔には案内軸41の長
溝41Aに係合するまわり止めの突部46Aが形成されてい
る。また、部材46のかぎ型のアーム部46Bは本図では示
されていない圧板43裏面側の係合孔43C（第３図参照）
に上下に摺動可能に係合される。

更に第２図において、47は圧板43を持上げ状態に保持す
る圧板ばね、48は圧板43の上面に貼着された摩擦板であ
り、摩擦板48は例えばコルクやフェルトなど比較的に摩
擦係数の大きい材料で形成される。

ついで、このように構成したプリンタにおいてシート類
をセットすることからシート類の排紙にいたるまでの諸
動作を各図を参照しながら説明する。

まずシートをスライダユニット40Aおよび40Bにセットす
る場合は、第１図に示す給紙レバ42を矢印Ａ方向に手動
で回動すると、案内軸41の回動につれて、第２図に示し
たセットアーム部材46およびこれに第3A図のように係合
孔43Cを介して係合されている圧板43をばね47のばね力
に抗して回動させ、圧板43のロック爪43Bを第3B図のよ
うにスライダ本体44の底部に設けた係合角孔44Dに係止
させることができる。

よって、ここで所要枚数のシートを圧板43上に累積して
搭載し、シートの先端側を分離爪45Aに突当てるように
して整合した上、給紙レバ42を矢印Ａ方向とは反対に回
動させロック爪43Bの係合状態を解除させてばね47のば
ね力により圧板43を上方に向けて偏倚させると、分離爪
保有部材45のストッパ部45Cが給紙ローラ基体21のつば
部21Bに当接することによってシート上面と給送ローラ2
0との間に所定のすき間を持たせた状態でシート類をス
ライダユニットにセットすることができる。

ついで、シート送りローラ６に保持されたシートのシー
ト送りの動作について述べると、通常の給送状態の初期
では、第4A図に示すようにシートが未だシート送りロー
ラ６には送給されておらず、したがってシート検出レバ
38ではその検出部38Aがローラ溝6Bにはまり込んだ状態
に保たれることによってスイングレバ32の制御腕32Aが
マイクロスイッチ37の検出腕38Cによって拘束されるよ
うなことがなく、従ってシート送りローラ６が矢印Ｂ方
向に回動するに連れてレバ32が第１図において反時計回
りの方向に回動し、スイングレバ32が第１図において反
時計回りの方向に回動し、スイングギヤ小歯車31Bがタ
イミングギヤ24の外接歯車部25の歯欠部25Bに位置す
る。

そこでまず、モータによりローラ６を第4B図に示すよう
に逆方向の矢印Ｃ方向に駆動させることによって、スイ
ングレバ32およびその制御腕32Aを反時計回りの方向に
回動させ、タイミングギヤ24を時計回りのＤ方向に回動
させることができる。しかもこの状態ではスイングレバ
の制御腕32Aが検出レバ38によって拘束されることなく
同方向に回転させられる。

かくして、タイミングギヤ24の回動により、給紙ローラ
20が第5A図に示すように同方向に回動することによっ
て、その大径周面部20Bが圧板43上のシート50の束の上
面に接し、その上部の１枚のシート50を第5B図のように
ピンチローラ51とシート送りローラ６との接する位置に
導き、ループ状とする。しかして、この状態となると、
タイミングギヤ24では振子ギヤ31の小歯車31Bが内接歯
車部26の切欠部26Bに導かれることによって給紙ローラ2
0がいったん停止する。

そこで、次にシート送りモータをシート送りの方向に正
回転させ、シート送りローラ６が回転させられることに
よってシート50を第5C図に示すようにピンチローラ51等
との間に巻着させて記録位置から上方にまで先端をシー
ト送りすることができる。なお、このとき、給紙ローラ
20も回転するがこのタイミングでは給紙ローラ20の小径
周面部20Aがシート50の対向位置にあり、したがって、
給紙ローラ20によるシート送りはなされず、小歯車31B
が外接歯車部25の歯欠部25Bのところまで回転したとこ
ろで給紙ローラ20が停止する。また、この状態ではマイ
クロスイッチ37の検出レバ38はシート50によってローラ
溝6Bから押出され、第4C図のようにシート面に接した位
置に保たれることによって“シート有り”の記号をCPU
に送出している。

しかして、検出レバ38がこのような“シート有り”の信
号出力姿勢に保たれているときには、レバ38の検出腕38
Cにスイングレバ32の制御腕32Aが当接することによっ
て、制御腕32Aを介してスイングレバ32の反時計回り方
向の回動動作が抑止される。

そこで、シート50がシート送りローラ６に巻着された状
態に保たれている限り、たとえシート送りローラ６を逆
転させてもタイミングギヤ24を介して給紙ローラ20を回
転させることがなく、かつ給紙ローラ20の小径周面部20
Aが第5C図に示したようにシート束50の上面の対向位置
に位置するので、誤っても給送が行われるようなことが
ない。

ここで、更にシート送りが継続されると、シート50は第
6A図のように排紙ローラ11とシート送り拍車16Bとの間
に導かれ、排紙ローラ11によって適切に張力が与えられ
たシート50を印字ヘッド４の前面に張りを持たせた状態
に保つ。よって、この状態でシート50上に記録ヘッド４
によって記録が行われ、そのあと再び引続いてシート送
りがなされる。

なおこの場合、排紙拍車16Aとシート送り拍車16Bとの関
係は、拍車ホルダ15が拍車レバ18の支持部材17に拍車16
B寄りの位置で支承されているために、拍車レバ15を介
して拍車16Aおよび16Bを排紙ローラ11に向けて偏倚させ
ている力の大半がシート送り拍車16Bにかかる。そこ
で、第6A図のような状態においては主として拍車16Bの
みによってシート50が排紙ローラ11との間に挟持される
形態となり、一方の拍車16Aの方はシート50の持つ弾性
によって、これを押し戻すほどの力はなく、シート50の
接線方向に沿ってこれに軽く接触を保っているにすぎな
い。

かくして、記録終了後の引続きのシート送りの結果、シ
ート50の後端50Aが第6B図に示すような位置にまで送ら
れてくると、その後端50Aが排紙拍車16Aによって案内さ
れ排紙ローラ11の係合溝11Bに落ち込み係合されること
になり、そのままシート50は排紙ローラ11によってスト
ッカ52に収納される。

［発明の効果］ 以上説明してきたように、本発明によれば、シートを載
置するための載置手段と、該載置手段に載置されたシー
トを送出する給送回転体と、該給送回転体により送出さ
れたシートを搬送する搬送回転体と、前記給送回転体と
前記搬送回転体とに選択的に駆動源による駆動を切換え
て伝達する駆動伝達手段と、前記搬送回転体により搬送
中のシートを検知する検知手段と、該検知手段によりシ
ートが検知されている間は前記駆動手段による前記給送
回転体への駆動の伝達を阻止する駆動伝達阻止手段とを
具備したので、搬送回転体（シート送りローラ）に巻着
されたシートの正逆送りを自在に実施しつつ、その間、
駆動伝達手段による給送動作を停止させるようにするこ
とができる。

しかもこのような状態では給送ローラが給送部のシート
束に非接触の状態に保たれていることによって、十分長
く逆戻りしても給送ローラによってさえぎられるような
ことがなく、操作がし易く、しかも廉価なカットシート
フィーダ内装型としてのプリンタの給送装置を提供する
ことができる。

なお、以上述べた例では、シート送りローラが常にモー
タに応動して回転する機構のプリンタの場合であった
が、本発明の適用はこれに限るものではなく、例えば振
子ギヤを有するスイングレバによりシート送りローラと
給送ローラとを１つのモータで切換えて駆動させる機構
を具えたプリンタや、あるいは別体のカットシートフィ
ーダを外装させるようにしたプリンタにも適用できるこ
とはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるプリンタの構成の一例を一部分
解して示す斜視図、 第２図はその給送部機構であるスライダを分解して示す
斜視図、 第3A図および第3B図はそのスライダのシートをセットす
るときの動作形態をそれぞれ示す断面図、 第4A図，第4B図および第4C図は本発明にかかるタイミン
グギヤの作動状態およびシート検知手段とスイングレバ
制御腕との係合関係をそれぞれ示す説明図、 第5A図，第5B図および第5C図は給送ローラの動作の過程
を示す説明図、 第6A図および第6B図はシートが排紙ローラによって排紙
されるときの動作の過程を示す説明図である。 １…基板、２…キャリア、４…印字ヘッド、６…シート
送りローラ、11…排紙ローラ、20…給送ローラ、20A,20
B…周面部、21…給紙ローラ基体、21A,21B…つば部、24
…タイミングギヤ、31…振子ギヤ、32…スイングレバ、
37…マイクロスイッチ、38…検出レバ、40A,40B…スラ
イダユニット、43…圧板、46…セットアーム部材、50…
シート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シートを載置するための載置手段と、 該載置手段に載置されたシートを送出する給送回転体
   と、 該給送回転体により送出されたシートを搬送する搬送回
   転体と、 前記給送回転体と前記搬送回転体とに選択的に駆動源に
   よる駆動を切換えて伝達する駆動伝達手段と、 前記搬送回転体により搬送中のシートを検知する検知手
   段と、 該検知手段によりシートが検知されている間は前記駆動
   手段による前記給送回転体への駆動の伝達を阻止する駆
   動伝達阻止手段と を具備したことを特徴とするシート搬送装置。