JPH07207093A - 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物Info
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- JPH07207093A JPH07207093A JP407294A JP407294A JPH07207093A JP H07207093 A JPH07207093 A JP H07207093A JP 407294 A JP407294 A JP 407294A JP 407294 A JP407294 A JP 407294A JP H07207093 A JPH07207093 A JP H07207093A
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- vinyl chloride
- chloride resin
- alcohol
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- propylheptanol
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- Organic Insulating Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 揮発性が著しく低く可塑化効率、耐寒性、耐
熱老化性、体積抵抗率等の諸性質が良好な電線被覆用塩
化ビニル系樹脂組成物の提供。 【構成】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、可塑
剤30〜100重量部、安定剤0.1〜10重量部、及
び滑剤を0.1〜2重量部配合してなる塩化ビニル系樹
脂組成物において、可塑剤として2−プロピルヘプタノ
ールまたは2−プロピルヘプタノールと4−メチル−2
−プロピルヘキサノールとの混合物であって4−メチル
−2−プロピルヘキサノールの含有量が30重量%以下
であるものとピロメリット酸とのテトラエステルを用い
る電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物。
熱老化性、体積抵抗率等の諸性質が良好な電線被覆用塩
化ビニル系樹脂組成物の提供。 【構成】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、可塑
剤30〜100重量部、安定剤0.1〜10重量部、及
び滑剤を0.1〜2重量部配合してなる塩化ビニル系樹
脂組成物において、可塑剤として2−プロピルヘプタノ
ールまたは2−プロピルヘプタノールと4−メチル−2
−プロピルヘキサノールとの混合物であって4−メチル
−2−プロピルヘキサノールの含有量が30重量%以下
であるものとピロメリット酸とのテトラエステルを用い
る電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揮発性が極めて低く、
耐熱性及び耐寒性が良好で、加工性及び体積固有抵抗が
改良された電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物に関す
る。
耐熱性及び耐寒性が良好で、加工性及び体積固有抵抗が
改良された電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂組成物は各種の電気・
電子機器や自動車等の配線用の電線被覆材として多く用
いられている。一般に、これらの電線被覆用塩化ビニル
系樹脂組成物には、可塑剤としてフタル酸エステル類が
主に使用されているが、家庭用電化製品、OA機器等の
小型・軽量化に伴い、電線についても細線化が進めら
れ、被覆層も薄くなっている。そのため、被覆層にも従
来以上の耐久性、即ち耐熱老化性、低揮発性と、薄い被
覆層でも十分絶縁が可能なように、高い体積抵抗率が要
求されるようになっている。また、自動車用の電線につ
いても、自動車使用年数の長期化に対応するための耐久
性の向上や、安全のための耐フォギング性の向上、即ち
揮発性の低減が求められている。
電子機器や自動車等の配線用の電線被覆材として多く用
いられている。一般に、これらの電線被覆用塩化ビニル
系樹脂組成物には、可塑剤としてフタル酸エステル類が
主に使用されているが、家庭用電化製品、OA機器等の
小型・軽量化に伴い、電線についても細線化が進めら
れ、被覆層も薄くなっている。そのため、被覆層にも従
来以上の耐久性、即ち耐熱老化性、低揮発性と、薄い被
覆層でも十分絶縁が可能なように、高い体積抵抗率が要
求されるようになっている。また、自動車用の電線につ
いても、自動車使用年数の長期化に対応するための耐久
性の向上や、安全のための耐フォギング性の向上、即ち
揮発性の低減が求められている。
【0003】従来、この耐久性を改良した電線被覆用塩
化ビニル系樹脂組成物用途にはトリメリット酸トリエス
テル系可塑剤が用いられており、特にトリメリット酸ト
リ−2−エチルヘキシルが多く用いられてきた。しかし
ながら、上述のような品質要求の高度化に伴い、更に揮
発性の低い可塑剤として、ピロメリット酸テトラエステ
ル系の可塑剤が注目されており、特にピロメリット酸の
イソノニルアルコール又はイソデシルアルコールの各単
独または混合テトラエステルが特公平5−66938号
に提案されている。
化ビニル系樹脂組成物用途にはトリメリット酸トリエス
テル系可塑剤が用いられており、特にトリメリット酸ト
リ−2−エチルヘキシルが多く用いられてきた。しかし
ながら、上述のような品質要求の高度化に伴い、更に揮
発性の低い可塑剤として、ピロメリット酸テトラエステ
ル系の可塑剤が注目されており、特にピロメリット酸の
イソノニルアルコール又はイソデシルアルコールの各単
独または混合テトラエステルが特公平5−66938号
に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしピロメリット酸
テトライソノニル(以下「TiNPM」と記す)では、
揮発性の点で十分とは言えず、他方ピロメリット酸テト
ライソデシル(以下「TiDPM」と記す)は揮発性は
低いものの、耐寒性、可塑化効率が劣るという問題点が
ある。そこで、TiNPMよりも揮発性が低く、TiD
PMより耐寒性が優れているピロメリット酸系可塑剤と
これを用いた高性能電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
の出現が望まれていた。
テトライソノニル(以下「TiNPM」と記す)では、
揮発性の点で十分とは言えず、他方ピロメリット酸テト
ライソデシル(以下「TiDPM」と記す)は揮発性は
低いものの、耐寒性、可塑化効率が劣るという問題点が
ある。そこで、TiNPMよりも揮発性が低く、TiD
PMより耐寒性が優れているピロメリット酸系可塑剤と
これを用いた高性能電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
の出現が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の状況に鑑み、揮発性が著しく低くかつ耐寒
性が優れた電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を見出す
べく鋭意検討を重ねたところ、2−プロピルヘプタノー
ルまたはこれを主成分とする炭素数10のアルコールと
ピロメリット酸とのテトラエステルを可塑剤として用い
た塩化ビニル系樹脂組成物が良好な結果を与えることを
見出し、本発明を完成した。
な従来技術の状況に鑑み、揮発性が著しく低くかつ耐寒
性が優れた電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を見出す
べく鋭意検討を重ねたところ、2−プロピルヘプタノー
ルまたはこれを主成分とする炭素数10のアルコールと
ピロメリット酸とのテトラエステルを可塑剤として用い
た塩化ビニル系樹脂組成物が良好な結果を与えることを
見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明の要旨は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対し、可塑剤30〜100重量部、安定
剤0.1〜10重量部、及び滑剤を0.1〜2重量部配
合してなる塩化ビニル系樹脂組成物において、可塑剤と
して2−プロピルヘプタノールまたは2−プロピルヘプ
タノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールとの
混合物(以下、合わせて「C10アルコール」という)
であって4−メチル−2−プロピルヘキサノールの含有
量が30重量%以下であるものとピロメリット酸とのテ
トラエステルを用いることを特徴とする電線被覆用塩化
ビニル系樹脂組成物、に存する。
100重量部に対し、可塑剤30〜100重量部、安定
剤0.1〜10重量部、及び滑剤を0.1〜2重量部配
合してなる塩化ビニル系樹脂組成物において、可塑剤と
して2−プロピルヘプタノールまたは2−プロピルヘプ
タノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールとの
混合物(以下、合わせて「C10アルコール」という)
であって4−メチル−2−プロピルヘキサノールの含有
量が30重量%以下であるものとピロメリット酸とのテ
トラエステルを用いることを特徴とする電線被覆用塩化
ビニル系樹脂組成物、に存する。
【0007】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル
系樹脂、可塑剤、安定剤、及び滑剤を必須の成分として
構成される。上記塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルの
単独重合体のほか、塩化ビニルを主成分とする他の共重
合可能なコモノマーとの共重合体等、塩化ビニルを主な
構成単位とする樹脂をいう。共重合可能なコモノマーと
しては、例えばエチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、マレイン酸またはそのエステル、アク
リル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエ
ステル等が挙げられる。
明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル
系樹脂、可塑剤、安定剤、及び滑剤を必須の成分として
構成される。上記塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルの
単独重合体のほか、塩化ビニルを主成分とする他の共重
合可能なコモノマーとの共重合体等、塩化ビニルを主な
構成単位とする樹脂をいう。共重合可能なコモノマーと
しては、例えばエチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、マレイン酸またはそのエステル、アク
リル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエ
ステル等が挙げられる。
【0008】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、可
塑剤として上記C10アルコールとピロメリット酸との
テトラエステルを使用する。このエステルは上記のC1
0アルコールと無水ピロメリット酸またはピロメリット
酸とを、常法によりエステル化反応させて得ることがで
きる。この可塑剤は本発明の目的を損なわない範囲で他
の可塑剤と併用しても構わないが、可塑剤全量中に占め
るC10アルコールのピロメリット酸テトラエステルの
割合は、50重量%以上が好ましい。
塑剤として上記C10アルコールとピロメリット酸との
テトラエステルを使用する。このエステルは上記のC1
0アルコールと無水ピロメリット酸またはピロメリット
酸とを、常法によりエステル化反応させて得ることがで
きる。この可塑剤は本発明の目的を損なわない範囲で他
の可塑剤と併用しても構わないが、可塑剤全量中に占め
るC10アルコールのピロメリット酸テトラエステルの
割合は、50重量%以上が好ましい。
【0009】上記C10アルコールは、その中の2−プ
ロピルヘプタノール/4−メチル−2−プロピルヘキサ
ノール重量比(以下「C10アルコール組成比」と記
す)が、100/0〜70/30、好ましくは95/5
〜70/30、より好ましくは95/5〜80/20の
範囲にあるものを用いる。C10アルコール組成比が、
70/30よりも2−プロピルヘプタノールが少ないも
のになると、揮発性及び耐寒性が悪化する傾向がある。
また、C10アルコール組成比が、95/5よりも2−
プロピルヘプタノールが多いものになると、成形加工性
が低下気味となる。
ロピルヘプタノール/4−メチル−2−プロピルヘキサ
ノール重量比(以下「C10アルコール組成比」と記
す)が、100/0〜70/30、好ましくは95/5
〜70/30、より好ましくは95/5〜80/20の
範囲にあるものを用いる。C10アルコール組成比が、
70/30よりも2−プロピルヘプタノールが少ないも
のになると、揮発性及び耐寒性が悪化する傾向がある。
また、C10アルコール組成比が、95/5よりも2−
プロピルヘプタノールが多いものになると、成形加工性
が低下気味となる。
【0010】C10アルコール組成比としては95/5
〜80/20の範囲にあるときが、特に、揮発性が低
く、耐寒性、加工性の優れた、良好な性質の可塑剤を与
えることができ、その結果、優れた性質の電線被覆用塩
化ビニル系樹脂組成物を得ることができる。本発明の電
線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物で用いられる可塑剤量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して30〜10
0重量部、好ましくは45〜80重量部である。可塑剤
の配合割合が30重量部未満では、耐寒性、成形加工性
改良等の効果が発現されず、また100重量部を超える
と電線被覆として要求される難燃性能が不足する傾向と
なりやすい。
〜80/20の範囲にあるときが、特に、揮発性が低
く、耐寒性、加工性の優れた、良好な性質の可塑剤を与
えることができ、その結果、優れた性質の電線被覆用塩
化ビニル系樹脂組成物を得ることができる。本発明の電
線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物で用いられる可塑剤量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して30〜10
0重量部、好ましくは45〜80重量部である。可塑剤
の配合割合が30重量部未満では、耐寒性、成形加工性
改良等の効果が発現されず、また100重量部を超える
と電線被覆として要求される難燃性能が不足する傾向と
なりやすい。
【0011】本発明で用いる安定剤としては、塩化ビニ
ル系樹脂用の安定剤であれば、本発明の目的を損なわな
い範囲で特に制限はなく、例えば、三塩基性硫酸鉛、二
塩基性フタル酸鉛、オルトケイ酸鉛−シリカゲル共沈
物、二塩基性ステアリン酸鉛、カドミウム−バリウム系
安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系
安定剤、錫系安定剤、及びマグネシウム、アルミニウ
ム、ケイ素等の無機塩を主成分とした安定剤等を用いる
ことができる。安定剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部当たり0.1〜10重量部、好ましくは1〜
5重量部の範囲で使用する。この安定剤の使用量が0.
1重量部未満では、熱安定性の改良効果が不十分であ
り、また、10重量部を超えた量を使用しても、その効
果は使用量に見合っては増加せず不経済であるのみなら
ず、プレートアウト等の悪影響の恐れもある。
ル系樹脂用の安定剤であれば、本発明の目的を損なわな
い範囲で特に制限はなく、例えば、三塩基性硫酸鉛、二
塩基性フタル酸鉛、オルトケイ酸鉛−シリカゲル共沈
物、二塩基性ステアリン酸鉛、カドミウム−バリウム系
安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系
安定剤、錫系安定剤、及びマグネシウム、アルミニウ
ム、ケイ素等の無機塩を主成分とした安定剤等を用いる
ことができる。安定剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部当たり0.1〜10重量部、好ましくは1〜
5重量部の範囲で使用する。この安定剤の使用量が0.
1重量部未満では、熱安定性の改良効果が不十分であ
り、また、10重量部を超えた量を使用しても、その効
果は使用量に見合っては増加せず不経済であるのみなら
ず、プレートアウト等の悪影響の恐れもある。
【0012】また、滑剤としては、高級脂肪酸またはそ
の金属塩類、各種パラフィン、高級アルコール類、天然
ワックス類、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル、
または脂肪酸アミド等が使用でき、その使用量としては
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜2重量部
である。滑剤の使用量が0.1重量部未満では、滑性向
上効果が不十分であり、逆に2重量部を超えて使用する
と、配合物の滑性が高くなりすぎて混練が不十分となり
フィッシュアイ(成形品表面のブツ)等の悪影響が出や
すくなる。
の金属塩類、各種パラフィン、高級アルコール類、天然
ワックス類、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル、
または脂肪酸アミド等が使用でき、その使用量としては
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜2重量部
である。滑剤の使用量が0.1重量部未満では、滑性向
上効果が不十分であり、逆に2重量部を超えて使用する
と、配合物の滑性が高くなりすぎて混練が不十分となり
フィッシュアイ(成形品表面のブツ)等の悪影響が出や
すくなる。
【0013】この電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述の必須成分
の他に通常塩化ビニル系樹脂に使用される添加剤、例え
ば、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色
剤、離型剤等を使用してもよい。更に、必要に応じキレ
ータ−類、架橋剤、架橋助剤を添加してもよい。充填剤
としては、例えば、炭酸カルシウム、クレイ、タルク、
シリカ系微粉末、水酸化アルミニウム等が、また、難燃
剤としては、例えば、三酸化アンチモン、ホウ酸バリウ
ム、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、及び塩素化ポリエチレンそ
の他のハロゲン系難燃剤等を挙げることができる。
は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述の必須成分
の他に通常塩化ビニル系樹脂に使用される添加剤、例え
ば、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色
剤、離型剤等を使用してもよい。更に、必要に応じキレ
ータ−類、架橋剤、架橋助剤を添加してもよい。充填剤
としては、例えば、炭酸カルシウム、クレイ、タルク、
シリカ系微粉末、水酸化アルミニウム等が、また、難燃
剤としては、例えば、三酸化アンチモン、ホウ酸バリウ
ム、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、及び塩素化ポリエチレンそ
の他のハロゲン系難燃剤等を挙げることができる。
【0014】本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成
物は、塩化ビニル系樹脂に上述の必須の配合成分、及び
上記した各種の添加剤を必要に応じ添加・混合して製造
することができる。混合機としては、塩化ビニル系樹脂
の加工に通常使用される、ブレンダー、スーパーミキサ
ー、ミル、バンバリーミキサー等が用いられる。また、
本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を用いた被
覆電線は、例えば銅線等の未被覆の電線または既被覆電
線にこの組成物からなる樹脂層を押出機により押出被覆
する等の方法で被覆し製造できる。
物は、塩化ビニル系樹脂に上述の必須の配合成分、及び
上記した各種の添加剤を必要に応じ添加・混合して製造
することができる。混合機としては、塩化ビニル系樹脂
の加工に通常使用される、ブレンダー、スーパーミキサ
ー、ミル、バンバリーミキサー等が用いられる。また、
本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を用いた被
覆電線は、例えば銅線等の未被覆の電線または既被覆電
線にこの組成物からなる樹脂層を押出機により押出被覆
する等の方法で被覆し製造できる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施の態様を実施例を用いて更
に詳しく説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例により限定されるものではない。な
お、実施例、比較例中「部」、「%」とあるのは、それ
ぞれ「重量部」、「重量%」を示す。 <エステルの調製>
に詳しく説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例により限定されるものではない。な
お、実施例、比較例中「部」、「%」とあるのは、それ
ぞれ「重量部」、「重量%」を示す。 <エステルの調製>
【0016】実施例1 無水ピロメリット酸218.0g(1モル)、C10ア
ルコールとして2−プロピルヘプタノール790.0g
(5.00モル)(C10アルコール組成比:100/
0)、テトライソプロピルチタネート0.44g(0.2%/
無水ピロメリット酸) を温度計、窒素導入管,攪拌機,
Dean-Stark型分水器(以下、単に「分水器」と言う)、
及び還流冷却器を付した内容積2リットルのフラスコに
仕込み、窒素気流下で攪拌しながら加熱し、反応液温度
を210℃まで昇温し反応を開始した。引き続き、生成
水を分水器により連続的に系外へ除去し、反応液の酸価
が1mgKOH/g以下になるまで反応を継続した。反応終了
後、未反応のC10アルコールを系を減圧にして回収し
た後、常法により中和、水洗、減圧脱水し、C10アル
コールのピロメリット酸テトラエステル812gを得
た。
ルコールとして2−プロピルヘプタノール790.0g
(5.00モル)(C10アルコール組成比:100/
0)、テトライソプロピルチタネート0.44g(0.2%/
無水ピロメリット酸) を温度計、窒素導入管,攪拌機,
Dean-Stark型分水器(以下、単に「分水器」と言う)、
及び還流冷却器を付した内容積2リットルのフラスコに
仕込み、窒素気流下で攪拌しながら加熱し、反応液温度
を210℃まで昇温し反応を開始した。引き続き、生成
水を分水器により連続的に系外へ除去し、反応液の酸価
が1mgKOH/g以下になるまで反応を継続した。反応終了
後、未反応のC10アルコールを系を減圧にして回収し
た後、常法により中和、水洗、減圧脱水し、C10アル
コールのピロメリット酸テトラエステル812gを得
た。
【0017】得られたエステルは、外観は帯微黄色透明
の油状で良好であり、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/
g、エステル価は276mgKOH/g、粘度508mPa ・ s
(cps)(25 ℃) 、比重0.9680(20/20℃) 、屈折率
1.4815(20 ℃) であり、ケン化分解物のガスクロ
マトグラフ分析(以下「GLC」という)での保持時間
は2−プロピルヘプタノールと一致した。
の油状で良好であり、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/
g、エステル価は276mgKOH/g、粘度508mPa ・ s
(cps)(25 ℃) 、比重0.9680(20/20℃) 、屈折率
1.4815(20 ℃) であり、ケン化分解物のガスクロ
マトグラフ分析(以下「GLC」という)での保持時間
は2−プロピルヘプタノールと一致した。
【0018】実施例2 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール7
66.3g(4.850モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール23.7g(0.150モル)(C1
0アルコール組成比:97/3)を用いたこと以外は実
施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコール
のピロメリット酸テトラエステル809gを得た。得ら
れたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好であ
り、色相35APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル価は
275mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間
はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチル−
2−プロピルヘキサノールと一致した。
66.3g(4.850モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール23.7g(0.150モル)(C1
0アルコール組成比:97/3)を用いたこと以外は実
施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコール
のピロメリット酸テトラエステル809gを得た。得ら
れたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好であ
り、色相35APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル価は
275mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間
はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチル−
2−プロピルヘキサノールと一致した。
【0019】実施例3 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール7
50.5g(4.750モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール39.5g(0.250モル)(C1
0アルコール組成比:95/5)を用いたこと以外は実
施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコール
のピロメリット酸テトラエステル810gを得た。得ら
れたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好であ
り、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル価は
275mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間
はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチル−
2−プロピルヘキサノールと一致した。
50.5g(4.750モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール39.5g(0.250モル)(C1
0アルコール組成比:95/5)を用いたこと以外は実
施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコール
のピロメリット酸テトラエステル810gを得た。得ら
れたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好であ
り、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル価は
275mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間
はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチル−
2−プロピルヘキサノールと一致した。
【0020】実施例4 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール6
71.5g(4.250モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール118.5g(0.750モル)(C
10アルコール組成比:85/15)を用いたこと以外
は実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコ
ールのピロメリット酸テトラエステル808gを得た。
得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好
であり、色相40APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル
価は274mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持
時間はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチ
ル−2−プロピルヘキサノールと一致した。
71.5g(4.250モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール118.5g(0.750モル)(C
10アルコール組成比:85/15)を用いたこと以外
は実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコ
ールのピロメリット酸テトラエステル808gを得た。
得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好
であり、色相40APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル
価は274mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持
時間はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチ
ル−2−プロピルヘキサノールと一致した。
【0021】実施例5 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール5
53.0g(3.500モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール237.0g(1.500モル)(C
10アルコール組成比:70/30)を用いたこと以外
は実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコ
ールのピロメリット酸テトラエステル811gを得た。
得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好
であり、色相40APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル
価は276mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持
時間はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチ
ル−2−プロピルヘキサノールと一致した。
53.0g(3.500モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール237.0g(1.500モル)(C
10アルコール組成比:70/30)を用いたこと以外
は実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコ
ールのピロメリット酸テトラエステル811gを得た。
得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好
であり、色相40APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル
価は276mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持
時間はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチ
ル−2−プロピルヘキサノールと一致した。
【0022】比較例1 C10アルコールに代えて2−エチルヘキサノール66
0g(5.00モル)を使用したこと以外は実施例1と
同様に反応・後処理を行い、2−エチルヘキサノールの
ピロメリット酸テトラエステル(以下「TOPM」とい
う)700gを得た。
0g(5.00モル)を使用したこと以外は実施例1と
同様に反応・後処理を行い、2−エチルヘキサノールの
ピロメリット酸テトラエステル(以下「TOPM」とい
う)700gを得た。
【0023】得られたエステルは、外観は帯微黄色透明
の油状で良好であり、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/
g、エステル価は320mgKOH/g、粘度406mPa ・ s
(cps)(25 ℃) 、比重0.9900(20/20℃) 、屈折率
1.4827(20 ℃) であった。
の油状で良好であり、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/
g、エステル価は320mgKOH/g、粘度406mPa ・ s
(cps)(25 ℃) 、比重0.9900(20/20℃) 、屈折率
1.4827(20 ℃) であった。
【0024】比較例2 C10アルコールに代えてイソノニルアルコール(ブテ
ン二量体のオキソ反応により製造されたもの)720g
(5.00モル)を使用したこと以外は実施例1と同様
に反応・後処理を行い、イソノニルアルコールのピロメ
リット酸テトラエステル(TiNPM)756gを得
た。得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で
良好であり、色相35APHA、酸価0.1mgKOH/g、エス
テル価は295mgKOH/g、粘度580mPa ・ s(cps)(25
℃) 、比重0.9797(20/20℃) 、屈折率1.484
0(20 ℃) であった。
ン二量体のオキソ反応により製造されたもの)720g
(5.00モル)を使用したこと以外は実施例1と同様
に反応・後処理を行い、イソノニルアルコールのピロメ
リット酸テトラエステル(TiNPM)756gを得
た。得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で
良好であり、色相35APHA、酸価0.1mgKOH/g、エス
テル価は295mgKOH/g、粘度580mPa ・ s(cps)(25
℃) 、比重0.9797(20/20℃) 、屈折率1.484
0(20 ℃) であった。
【0025】比較例3 C10アルコールに代えてイソデシルアルコール(プロ
ピレン三量体のオキソ反応により製造されたもの)79
0g(5.00モル)を使用したこと以外は実施例1と
同様に反応・後処理を行い、イソデシルアルコールのピ
ロメリット酸テトラエステル(TiDPM)810gを
得た。得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状
で良好であり、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/g、エ
ステル価は276mgKOH/g、粘度410mPa ・ s(cps)(2
5 ℃) 、比重0.9595(20/20℃) 、屈折率1.47
86(20 ℃) であった。
ピレン三量体のオキソ反応により製造されたもの)79
0g(5.00モル)を使用したこと以外は実施例1と
同様に反応・後処理を行い、イソデシルアルコールのピ
ロメリット酸テトラエステル(TiDPM)810gを
得た。得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状
で良好であり、色相30APHA、酸価0.1mgKOH/g、エ
ステル価は276mgKOH/g、粘度410mPa ・ s(cps)(2
5 ℃) 、比重0.9595(20/20℃) 、屈折率1.47
86(20 ℃) であった。
【0026】比較例4 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール3
95.0g(2.500モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール395.0g(2.500モル)(C
10アルコール組成比:50/50)を用いたこと以外
は実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコ
ールのピロメリット酸テトラエステル807gを得た。
得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好
であり、色相45APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル
価は274mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持
時間はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチ
ル−2−プロピルヘキサノールと一致した。 <可塑剤の評価方法>
95.0g(2.500モル)、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール395.0g(2.500モル)(C
10アルコール組成比:50/50)を用いたこと以外
は実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコ
ールのピロメリット酸テトラエステル807gを得た。
得られたエステルは、外観は帯微黄色透明の油状で良好
であり、色相45APHA、酸価0.1mgKOH/g、エステル
価は274mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保持
時間はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4−メチ
ル−2−プロピルヘキサノールと一致した。 <可塑剤の評価方法>
【0027】
【表1】(1) 外観 肉眼にて透明性及び
不純物混入の有無を調べる。 (2) 色相 JIS K6751に準拠し
た。 (3) 酸価 JIS K6751に準拠し
た。 (4) エステル価 JIS K6751に準拠し
た。
不純物混入の有無を調べる。 (2) 色相 JIS K6751に準拠し
た。 (3) 酸価 JIS K6751に準拠し
た。 (4) エステル価 JIS K6751に準拠し
た。
【0028】<物性の評価方法> (1) 加工性の評価 実施例及び比較例のピロメリット酸テトラエステルを下
記の配合にて混合し、ブラベンダー・プラストグラフ
(Brabender 社製、プラスチコーダーPLV151型、
機械的トルク検出方式)を用いて、セル温度175℃、
回転数80rpm にて混練し、最高のトルク値に到達する
までの時間(これを「ゲル化時間」として表した)を測
定した。ゲル化時間が短いものほど加工性が良いものと
判定した。評価結果を表−1に示す。
記の配合にて混合し、ブラベンダー・プラストグラフ
(Brabender 社製、プラスチコーダーPLV151型、
機械的トルク検出方式)を用いて、セル温度175℃、
回転数80rpm にて混練し、最高のトルク値に到達する
までの時間(これを「ゲル化時間」として表した)を測
定した。ゲル化時間が短いものほど加工性が良いものと
判定した。評価結果を表−1に示す。
【0029】
【表2】 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化成ビニル(株)製、商品名ビニカ(登録商標)37L、 平均重合度1050) ピロメリット酸テトラエステル 50 Cd−Ba系安定剤 1
【0030】(2) シート物性 実施例及び比較例のピロメリット酸テトラエステルを可
塑剤として使用して、下記の配合で電線被覆用塩化ビニ
ル系樹脂組成物を調製した。
塑剤として使用して、下記の配合で電線被覆用塩化ビニ
ル系樹脂組成物を調製した。
【0031】
【表3】 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化成ビニル(株)製、商品名ビニカ(登録商標)37H、 平均重合度1300) ピロメリット酸テトラエステル 50 炭酸カルシウム(備北粉化(株)製、商品名ソフトン1200)10 ステアリン酸バリウム 0.5 鉛系安定剤(品川化工(株)製、商品名TS−GM) 5
【0032】上記の配合物を、ビーカー中で予備混合し
た後、常法により180℃に温度調節した二本ミルロー
ル上で十分に混合し(5分間)、しかる後、所定の厚さ
となるようプレス加工(温度:180℃、予熱:1.9
6MPa(20kg/cm2) で2分間、プレス:19.6MPa(200k
g/cm2)で5分間)した。得られたシートを用いて、下記
の方法で物性を測定し、これらの電線被覆用塩化ビニル
系樹脂組成物の性能を評価した。結果を表−1に併せて
示す。
た後、常法により180℃に温度調節した二本ミルロー
ル上で十分に混合し(5分間)、しかる後、所定の厚さ
となるようプレス加工(温度:180℃、予熱:1.9
6MPa(20kg/cm2) で2分間、プレス:19.6MPa(200k
g/cm2)で5分間)した。得られたシートを用いて、下記
の方法で物性を測定し、これらの電線被覆用塩化ビニル
系樹脂組成物の性能を評価した。結果を表−1に併せて
示す。
【0033】
【表4】引張試験 JIS K6723
に準拠した。 加熱後引張試験 JIS K6723に準拠し
た。 耐寒性(脆化温度) JIS K6723に準拠し
た。 体積抵抗率 JIS K6723に準拠し
た。
に準拠した。 加熱後引張試験 JIS K6723に準拠し
た。 耐寒性(脆化温度) JIS K6723に準拠し
た。 体積抵抗率 JIS K6723に準拠し
た。
【0034】
【表5】
【0035】<結果の評価>上記実施例より、本発明の
電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物及びこれから成る成
形品(シート)について、以下の諸点が認められる。 可塑化効率:引張試験について、アルコール部分の炭
素数が同じTiDPMと同等以上の柔軟性・伸びを示し
ている。 耐熱老化性:加熱後引張試験における、136℃、7
日間放置後の機械物性の残率はTOPMやTiNPMよ
りやや良好で、TiDPMと同等である。また、揮発性
(重量損失)も小さく、耐熱老化性が優れている。但
し、C10アルコール組成比が、本発明の範囲外(50
/50)の比較例4では、揮発性が大きくなる傾向が見
られる。 耐寒性 :TiNPM、TiDPMのいずれよりも
優れた耐寒性を示している。但し、C10アルコール組
成比が本発明の範囲外(50/50)の比較例4では、
耐寒性が劣る傾向となる。 体積固有抵抗:TOPMより優れ、TiNPMと同等
で、TiDPMよりはいくらか低いが、実用上問題のな
い範囲である。 加工性 :C10アルコール組成比が95/5より
も4−メチル−2−プロピルヘキサノールが多い系で特
に良好な加工性を示している。
電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物及びこれから成る成
形品(シート)について、以下の諸点が認められる。 可塑化効率:引張試験について、アルコール部分の炭
素数が同じTiDPMと同等以上の柔軟性・伸びを示し
ている。 耐熱老化性:加熱後引張試験における、136℃、7
日間放置後の機械物性の残率はTOPMやTiNPMよ
りやや良好で、TiDPMと同等である。また、揮発性
(重量損失)も小さく、耐熱老化性が優れている。但
し、C10アルコール組成比が、本発明の範囲外(50
/50)の比較例4では、揮発性が大きくなる傾向が見
られる。 耐寒性 :TiNPM、TiDPMのいずれよりも
優れた耐寒性を示している。但し、C10アルコール組
成比が本発明の範囲外(50/50)の比較例4では、
耐寒性が劣る傾向となる。 体積固有抵抗:TOPMより優れ、TiNPMと同等
で、TiDPMよりはいくらか低いが、実用上問題のな
い範囲である。 加工性 :C10アルコール組成比が95/5より
も4−メチル−2−プロピルヘキサノールが多い系で特
に良好な加工性を示している。
【0036】
【発明の効果】本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組
成物は、その製造時の加工性が優れ、かつこれを電線被
覆に用いることにより揮発性が著しく低く、耐寒性、体
積抵抗率等の諸物性が良好で耐熱老化性が改善された塩
化ビニル被覆電線を得ることができる。中でも、C10
アルコール組成比が95/5〜70/30、特に95/
5〜80/20の範囲のものを用いて製造したエステル
を使うと、加工性及び耐寒性等の性質が特に良好な優れ
た電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物が得られる。
成物は、その製造時の加工性が優れ、かつこれを電線被
覆に用いることにより揮発性が著しく低く、耐寒性、体
積抵抗率等の諸物性が良好で耐熱老化性が改善された塩
化ビニル被覆電線を得ることができる。中でも、C10
アルコール組成比が95/5〜70/30、特に95/
5〜80/20の範囲のものを用いて製造したエステル
を使うと、加工性及び耐寒性等の性質が特に良好な優れ
た電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
可塑剤30〜100重量部、安定剤0.1〜10重量
部、及び滑剤を0.1〜2重量部配合してなる塩化ビニ
ル系樹脂組成物において、可塑剤として2−プロピルヘ
プタノールまたは2−プロピルヘプタノールと4−メチ
ル−2−プロピルヘキサノールとの混合物(以下、合わ
せて「C10アルコール」という)であって4−メチル
−2−プロピルヘキサノールの含有量が30重量%以下
であるものとピロメリット酸とのテトラエステルを用い
ることを特徴とする電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成
物。 - 【請求項2】 C10アルコール中の、2−プロピルヘ
プタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールと
の重量比率が、95/5〜70/30である請求項1に
記載の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP407294A JPH07207093A (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP407294A JPH07207093A (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07207093A true JPH07207093A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11574613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP407294A Pending JPH07207093A (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07207093A (ja) |
-
1994
- 1994-01-19 JP JP407294A patent/JPH07207093A/ja active Pending
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