JPH07206949A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH07206949A
JPH07206949A JP1395394A JP1395394A JPH07206949A JP H07206949 A JPH07206949 A JP H07206949A JP 1395394 A JP1395394 A JP 1395394A JP 1395394 A JP1395394 A JP 1395394A JP H07206949 A JPH07206949 A JP H07206949A
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group
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meth
thermosetting resin
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Application number
JP1395394A
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English (en)
Inventor
Toshio Shiobara
利夫 塩原
Hisashi Shimizu
久司 清水
Minoru Takei
稔 武井
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1)で示されるマレイミド基を
有するイミド化合物、1分子中にフェノール性水酸基を
2個以上有するフェノール樹脂、無機質充填剤、及びオ
ルガノポリシロキサンと、(メタ)アクリル酸エステル
又はこの(メタ)アクリル酸エステル及び共重合可能な
単量体の混合物とをグラフト重合させたケイ素含有アク
リルポリマーを含有してなることを特徴とする熱硬化性
樹脂組成物。 【化1】 【効果】 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低応力性で
接着力が高く、加工性が良好であり、しかも高温での機
械的強度及び耐熱水性に優れ、耐熱性、強靭性に優れた
硬化物を与える。従って、本発明組成物は近年の熱硬化
性樹脂組成物の使用条件を十分満たすもので、各種電気
絶縁材料、構造材料、接着剤、粉体塗装用材料、半導体
封止用材料などとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性及び耐熱性に優
れた硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱硬化
性樹脂組成物は、注型、含浸、積層、成形用材料として
各種電気絶縁材料、構造材料、接着剤などに使用されて
いる。近年、これらの各用途において材料の使用条件は
厳しくなる傾向にあり、特に材料の耐熱性は重要な要件
になっている。
【0003】しかしながら、熱硬化性樹脂組成物として
一般に使用されている熱硬化性のポリイミド樹脂は、良
好な耐熱性を有するが、加工時に高温で長時間の加熱が
必要であり、加工性に劣るものであった。また、耐熱性
に改良を加えたエポキシ樹脂は、加工性に優れているも
のの、高温時の機械的特性、電気的特性及び長期の耐熱
劣化性、高度耐熱機能が不十分であった。
【0004】そこで、これらに代わる材料として、例え
ばポリイミドとアルケニルフェノール又はアルケニルフ
ェノールエーテルとを含む熱硬化性樹脂混合物(特開昭
52−994号公報)、マレイミド系化合物、ポリアリ
ル化フェノール系化合物及びエポキシ樹脂を含む耐熱性
樹脂組成物(特公昭57−28416号公報)等が提案
されている。
【0005】しかし、ここで使用されているポリアリル
化フェノール系化合物は、ポリアリルエーテル化合物を
クライゼン転移させたものか或いは加熱硬化時にクライ
ゼン転移によりフェノール性水酸基が生成する構造を有
しているため、核置換アリル基と水酸基又はエーテル基
が同一芳香環のオルソ位に位置しており、特にノボラッ
クタイプの樹脂組成物の場合、硬化後も未反応のまま残
存し易く、高温時の硬化特性、耐熱劣化性等に問題があ
った。その上、接着性が不十分であり、近年の材料の使
用条件を十分に満たすものではなかった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、加工性が良好で、かつ耐熱性、低熱膨張性、低吸水
性、接着性に優れた硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記式
(1)で示されるマレイミド基を有するイミド化合物、
1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有するフェノ
ール樹脂、無機質充填剤、及び下記一般式(2)で示さ
れるオルガノポリシロキサンと下記一般式(3)で示さ
れる(メタ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)アク
リル酸エステル及び共重合可能な単量体の混合物とをグ
ラフト重合させたケイ素含有アクリルポリマーを配合す
ることが有効であることを見い出した。
【0008】即ち、一般にマレイミド基を有する化合物
は耐熱性付与効果は大きい反面、該化合物を配合した熱
硬化性樹脂組成物は長期耐熱性、接着性、吸水性、加工
性に問題があるものであるが、上記組成としたことによ
り、曲げ弾性率が良好で低膨張係数を有し、低応力であ
る上、優れた耐クラック性及び接着性を有し、かつ耐湿
性に優れた硬化物を与えることができ、特に半導体封止
材として好適であることを知見し、本発明をなすに至っ
たものである。
【0009】
【化3】 1 a2 bSiO(4-a-b)/2 …(2) (但し、式中R1はラジカル反応性基又はSH基をもつ
1価の有機基、R2は水素原子又はラジカル反応性基と
SH基とのいずれをももたない非置換又は置換の炭素数
1〜20の1価炭化水素基であり、1分子中のR1及び
2は各々同一又は異種の基である。aは0.001≦
a≦1.0、bは1.0≦b≦2.0、かつ1.0<a
+b≦3.0である。)
【0010】
【化4】 (但し、式中R3は水素原子又はメチル基、R4は炭素数
が1〜18のアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基
である。)
【0011】従って、本発明は、(A)上記式(1)で
示されるマレイミド基を有するイミド化合物、(B)1
分子中にフェノール性水酸基を2個以上有するフェノー
ル樹脂、(C)無機質充填剤、及び(D)(イ)上記一
般式(2)で示されるオルガノポリシロキサンと、
(ロ)上記一般式(3)で示される(メタ)アクリル酸
エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステルと共重
合可能な単量体との混合物とをグラフト重合させたケイ
素含有アクリルポリマーを含有してなることを特徴とす
る熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【0012】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の熱硬化性樹脂組成物に配合されるイミド化合物
((A)成分)は、下記式(1)で示されるマレイミド
基を1個以上有する化合物である。
【0013】
【化5】
【0014】上記式(1)のイミド化合物の中でも特に
下記式(4)で示されるN−置換マレイミド基を有する
化合物が好適に使用される。
【0015】
【化6】
【0016】ここで、置換基R5は、炭素数6〜20の
2価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜20の2価の芳
香族炭化水素基であり、例えば下記に示される基を挙げ
ることができる。
【0017】
【化7】 (但し、R6は炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン
原子、m≧1の整数である。以下同様。)
【0018】このようなN−置換マレイミド基を持つ化
合物として具体的には、N,N’−ジフェニルメタンビ
スマレイミド、N,N’−フェニレンビスマレイミド、
N,N’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,
N’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−
ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、N,N’−キ
シレンビスマレイミド、N,N’−トリレンビスマレイ
ミド、N,N’−キシリレンビスマレイミド、N,N’
−ジフェニルシクロヘキサンビスマレイミド、N,N’
−ジクロロ−ジフェニルビスマレイミド、N,N’−ジ
フェニルメタンビスメチルマレイミド、N,N’−ジフ
ェニルエーテルビスメチルマレイミド、N,N’−ジフ
ェニルスルホンビスメチルマレイミド(それぞれ異性体
を含む)、N,N’−エチレンビスマレイミド、N,
N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−ヘキ
サメチレンビスメチルマレイミド等のN,N’−ビスマ
レイミド化合物、これらN,N’−ビスマレイミド化合
物とジアミン類を付加させて得られる末端がN,N’−
ビスマレイミド骨格を有するプレポリマー、アニリン、
ホルマリン縮合物のマレイミド化物、メチルマレイミド
化物などが例示できる。
【0019】また、上記イミド化合物として、下記式で
示される化合物や、モノ置換マレイミド、トリ置換マレ
イミド、テトラ置換マレイミドと置換ビスマレイミドと
の混合物を使用することもできる。
【0020】
【化8】 (但し、nは0〜18である。)
【0021】更に、上記マレイミド化合物をシリコーン
変性した化合物を使用することも可能である。
【0022】更にまた、N−メチル−アリルビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド、N−アリル−アリルビシクロ〔2.2.1〕
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−
(2−エチルヘキシル)−アリルビシクロ〔2.2.
1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−シクロヘキシル−アリルビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フ
ェニル−アリルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ベンジル−アリ
ルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボキシイミド、N,N’−エチレン−ビス(アリ
ルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビ
ス(アリルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ドデカメチ
レン−ビス(アリルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、ビス〔4−
(アリルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミドフェニル)〕メタン、ビス
〔4−(メタクリルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミドフェニル)〕メタ
ン、N,N’−p−フェニレン−ビス(アリルビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド)、ビス〔4−(アリルビシクロ〔2.2.
1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドフ
ェニル)〕エーテル、ビス〔4−(アリルビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミドフェニル)〕スルホン、N−アリル−アリルメ
チルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−
アリルメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−アリル
メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,
3−ジカルボキシイミド、N,N’−ヘキサメチレン−
ビス(アリルメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、ビス〔4−ア
リルメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミドフェニル〕メタン及びビス
〔4−(メタクリルメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドフェニ
ル)〕スルホン等も例示される。
【0023】これらの中ではトリ置換マレイミド、置換
ビスマレイミド、特にN,N’−ジフェニルメタンビス
マレイミドが好適に使用される。
【0024】なお、本発明では、これらイミド化合物の
1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用
することもできる。
【0025】本発明の(B)成分は、1分子中にフェノ
ール性水酸基を2個以上有するフェノール樹脂であり、
例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェ
ノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、トリフェノー
ルアルカン型樹脂、アリル基置換フェノール樹脂、プロ
ペニル基置換フェノール樹脂、又はこれらの重合物など
を使用することができ、これらの1種を単独で又は2種
以上を混合して用いることができる。
【0026】このようなフェノール樹脂としては、具体
的には下記式(5)、(6)、(7)で示される化合物
が好適に用いられる。
【0027】
【化9】
【0028】なお、上記(B)成分の配合量は、(A)
成分のイミド化合物100部(重量部、以下同様)に対
して20〜400部、特に50〜300部にすることが
好ましい。(B)成分の配合量が20部より少ないと加
工性、耐熱性に優れた硬化物を得ることが難しい場合が
あり、400部より多いとガラス転移温度が低下し、長
期耐熱性が悪くなる場合がある。
【0029】(C)成分の無機質充填剤は、その種類等
に特に制限はなく、組成物の用途等に応じて適宜選択さ
れるが、例えば結晶性シリカ、非結晶性シリカ等の天然
シリカ、合成高純度シリカ、合成球状シリカ、タルク、
マイカ、窒化けい素、ボロンナイトライド、アルミナ等
から選ばれる1種又は2種以上が好適に使用される。な
お、これら無機質充填剤は、予め各種表面処理剤で表面
処理して用いてもよい。
【0030】また、上記無機質充填剤の配合量は、上記
(A)、(B)及び後述する(D)成分の総量100部
に対して200〜700部、特に300〜600部とす
ることが好ましく、配合量が200部未満では得られる
熱硬化性樹脂が低応力とならず、耐クラック性などの物
性面で満足できる結果が得られない場合があり、700
部を超えると流動性が悪くなり、無機質充填剤の分散が
困難になる場合がある。
【0031】本発明の組成物を構成する(D)成分のケ
イ素含有アクリルポリマーは、(イ)下記一般式(2)
で表されるオルガノポリシロキサンと、(ロ)下記一般
式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル又はこ
の(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体と
の混合物とをグラフト重合させてなるものである。 R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 …(2)
【0032】
【化10】
【0033】ここで、式(2)中のR1のラジカル反応
性基をもつ1価の有機基としては、ビニル基、アリル
基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基などの脂肪族
不飽和結合を有する炭素数2〜20、特に2〜8の基が
挙げられる。また、SH基をもつ一価の有機基として
は、γ−メルカプトプロピル基等のメルカプトアルキル
基など、炭素数1〜10、特に1〜3の基が挙げられ
る。
【0034】また、式(2)中、R2は水素原子又は上
記ラジカル反応性基とSH基とのいずれをももたない非
置換又は置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜6の1
価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基等のア
ルキル基、シクロアルキル基、フェニル基等のアリール
基、アラルキル基や、これらの水素原子の一部又は全部
をハロゲン原子やシアノ基で置換した基が挙げられる。
【0035】なお、aは0.001≦a≦1.0、bは
1.0≦b≦2.0、かつ1.0≦a+b≦3.0を満
足する正数であり、好ましくはaは0.01≦a≦0.
5、かつ2.0≦a+b≦2.5である。
【0036】(イ)成分の重合度は10,000以下と
することが好ましく、より好ましくは500〜800で
ある。重合度が10,000を超えるとグラフト重合さ
せたケイ素含有アクリルポリマーと熱硬化性樹脂との混
練りが難しくなることがある。
【0037】なお、上記(イ)成分としてのオルガノポ
リシロキサンは公知の方法で製造することができる。
【0038】一方、式(3)において、R3は水素原子
又はメチル基、R4は炭素数1〜18、好ましくは1〜
4のアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基であり、
(ロ)成分としての(メタ)アクリル酸エステルは、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリ
レート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどが好
適なものとして例示することができる。なお、これらは
1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0039】また、上記(メタ)アクリル酸エステルと
併用する該エステルと共重合可能な単量体としては、例
えば多官能性単量体を挙げることができ、(メタ)アク
リルアミド等のエチレン性不飽和アミド、グリシジル
(メタ)アクリレート等のオキシラン基含有不飽和単量
体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸
等のカルボキシル基含有不飽和単量体、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有不
飽和単量体、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート
等の2個以上の不飽和基を有する単量体などが例示され
る。
【0040】本発明の組成物にかかる(D)成分は、上
述した(イ)成分と(ロ)成分とをグラフト共重合して
得られるものであるが、この場合のグラフト共重合は公
知の乳化重合法により行うことができる。また、重合終
了後のグラフト共重合体の分離精製も公知の方法により
行うことができる。
【0041】この(D)成分のケイ素含有アクリルポリ
マーは、(A)及び(B)成分の総量100部に対して
0.1〜30部、特に2〜10部とすることが好まし
い。添加量が0.1部未満では低応力性、接着性が不十
分となり、30部を超えると熱硬化性樹脂との相性が乏
しくなり、樹脂の強度を著しく損なう場合がある。な
お、このケイ素含有アクリルポリマーは2種以上を併用
してもよい。
【0042】一方、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、
1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂も
配合可能であり、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アリルフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ
樹脂及びその重合物、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキ
シ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複
素環型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、アリル
基置換エポキシ樹脂、プロペニル基置換エポキシ樹脂等
の1種又は2種以上を使用することができる。
【0043】このようなエポキシ樹脂としては、具体的
には下記構造式(8)、(9)、(10)、(11)で
示される化合物が好適に用いられる。
【0044】
【化11】
【0045】上記エポキシ樹脂の配合量は種々選定され
るが、組成物全体の0〜50重量%、より好ましくは4
〜50重量%、更に好ましくは4〜10重量%であるこ
とが好適である。
【0046】なおまた、本発明の組成物には、上述した
(B)成分の硬化剤としてのフェノール樹脂に加え、そ
の他の硬化剤としてジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン等のア
ミン系硬化剤、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸無水物硬化剤
などを本発明の効果を妨げない範囲で併用することもで
きる。
【0047】更に、上記硬化剤とイミド化合物及びエポ
キシ樹脂を配合する場合はこれとの反応を促進させる目
的で各種の硬化促進剤、例えばイミダゾール又はその誘
導体、三級アミン系誘導体、ホスフィン系誘導体、シク
ロアミジン誘導体等を併用することができ、これらの中
ではホスフィン系誘導体が好適に用いられる。なお、硬
化促進剤の配合量は通常の範囲とすることができる。
【0048】本発明の組成物には、上述した(A)〜
(D)の必須成分に加え、更に必要により、その目的及
び用途などに応じ、例えばワックス類、ステアリン酸な
どの脂肪酸及びその金属塩等の離型剤、カーボンブラッ
ク等の顔料、染料、酸化防止剤、難燃化剤、表面処理剤
(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、
熱可塑性樹脂等の接着向上剤、その他の添加剤を本発明
の効果を妨げない範囲で配合することができる。
【0049】本発明の組成物は、上述した成分の所定量
を均一に攪拌、混合し、予め70〜95℃に加熱してあ
るニーダー、ロール、エクストルーダーなどで混練、冷
却し、粉砕するなどの方法で得ることができる。なお、
この場合の成分の配合順序に制限はない。
【0050】以上のようにして得られた本発明の熱硬化
性樹脂組成物は、成形材料、粉体塗装用材料として好適
に使用し得るほか、IC、LSI、トランジスタ、サイ
リスタ、ダイオード等の半導体装置の封止用、プリント
回路板の製造などに有効に使用できる。
【0051】なお、半導体装置の封止を行う場合は、従
来より採用されている成形法、例えばトランスファ成
形、インジェクション成形、注型法などを採用して行う
ことができる。この場合、熱硬化性樹脂組成物の成形温
度は150〜180℃、ポストキュアーは150〜35
0℃で2〜16時間行うことが好ましい。
【0052】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低応力
性で接着力が高く、加工性が良好であり、しかも高温で
の機械的強度及び耐熱水性に優れ、耐熱性、強靭性に優
れた硬化物を与える。従って、本発明の組成物は近年の
熱硬化性樹脂組成物の使用条件を十分満たすもので、各
種電気絶縁材料、構造材料、接着剤、粉体塗装用材料、
半導体封止用材料などとして有用である。
【0053】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下に参考例として本発明に用いる
ケイ素含有アクリルポリマーの製造例を示す。また、以
下の例において部はいずれも重量部を示す。
【0054】[参考例] (オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法)オ
クタメチルシクロテトラシロキサン1500部、メタク
リロキシプロピルメチルシロキサン1.2部及び純水1
500部を混合し、これにラウリル硫酸ナトリウム15
部、ドデシルベンゼンスルホン酸10部を添加してから
ホモミキサーで攪拌して乳化した後、圧力3000ps
iのホモジナイザーに2回通して安定なエマルジョンを
作製した。
【0055】次いで、このエマルジョンを70℃で12
時間加熱後、25℃まで冷却して24時間熟成した後、
炭酸ナトリウムを用いてこのエマルジョンのpHを7に
調製し、4時間窒素を吹き込んでから水蒸気蒸留して揮
発性のシロキサンを留去し、次に純水を加えて不揮発分
を45%に調製して、メタクリル基を0.03モル%含
有するオルガノポリシロキサンのエマルジョン(以下、
これをE−1を略記する)を得た。
【0056】また、メタクリロキシプロピルメチルシロ
キサン1.2部に代えてメルカプトプロピルメチルシロ
キサン98.4部を使用した以外は上記E−1を製造し
た場合と同様にしてオルガノポリシロキサンのエマルジ
ョン(E−2)を得た。なお、E−1,E−2の重合度
はそれぞれ18,20であった。
【0057】(ケイ素含有アクリルポリマーの製造方
法)攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口
を備えた反応容器に、上記E−1を793部(オルガノ
ポリシロキサン分357部)と純水1970部を仕込
み、窒素ガス気流下に器内を30℃に調整した後、t−
ブチルハイドロパーオキサイド1.0部、L−アスコル
ビン酸0.5部、硫酸第1鉄7水和物0.002部を加
え、次いで器内温度を30℃に保ちながら、メチルメタ
クリレート348部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート7部及び1,4−ブタンジオールジアクリレート2
部の混合物を3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1
時間攪拌を続けて反応を完結させた。得られた共重合エ
マルジョンは固形分濃度が30%であった。
【0058】次いで、このエマルジョン1000部を攪
拌機付きの容器に仕込んで60℃に加熱し、ここに硫酸
ナトリウム92部を純水563部に溶解した溶液を加え
てケイ素含有アクリルポリマーを析出させ、濾過・水洗
を繰り返してから60℃で乾燥してケイ素含有アクリル
ポリマー(以下、これをP−1と略記する)を得た。ま
た、E−1の793部と純水1970部に代えて、E−
1を1110部(オルガノポリシロキサン分500部)
と純水1053部とを仕込み、また、メチルメタクリレ
ート348部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7
部及び1,4−ブタンジオールジアクリレート2部の混
合物に代えて、メチルメタクリレート203.5部及び
1,4−ブタンジオールジアクリレート11部の混合物
を滴下した以外はP−1を製造した場合と同様にしてケ
イ素含有アクリルポリマー(P−2)を得た。
【0059】更に、E−1の793部と純水1370部
とに代えて、E−2を477部(オルガノポリシロキサ
ン分214.5部)と純水1400部とを仕込み、ま
た、メチルメタクリレート348部、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート7部及び1,4−ブタンジオールジ
アクリレート2部の混合物に代えて、エチルアクリレー
ト150部及びメチルメタクリレート350部の混合物
を滴下し、器内温度を30℃から10℃に変更した以外
はP−1を製造した場合と同様にしてケイ素含有アクリ
ルポリマー(P−3)を得た。
【0060】[実施例1〜10、比較例1〜6]上記参
考例で得られたケイ素含有アクリルポリマー(P−1,
P−2,P−3)、N,N’−4,4’−ジフェニルメ
タンビスマレイミド40部に対して下記式で示されるフ
ェノール樹脂及びエポキシ樹脂を表1,2に示す配合量
で使用し、これらに臭素化エポキシノボラック樹脂7
部、トリフェニルホスフィン0.7部、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン1.5部、ワックスE
1.0部、カーボンブラック1.0部及び石英粉末40
0部を加え、得られた配合物を熱2本ロールで均一に溶
融混合して熱硬化性樹脂組成物を製造した(実施例1〜
10)。
【0061】比較のため、ケイ素含有アクリルポリマー
(P−1,P−2,P−3)の代わりにポリメチルメタ
クリレート、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレ
ート共重合体、ポリスチレン、無添加の場合について、
実施例と同様にして表2に示す組成物を製造した(比較
例1〜6)。
【0062】
【化12】
【0063】これらの熱硬化性樹脂組成物につき、以下
の(イ)〜(ヘ)の諸試験を行った。結果を表1,2に
示す。 (イ)スパイラルフロー値 EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、70
kg/cm2の条件で測定した。 (ロ)機械的強度(曲げ強度及び曲げ弾性率) JIS−K6911に準じて、175℃、70kg/c
2、成型時間2分の条件で10×4×100mmの抗
折棒を成形し、250℃で8時間ポストキュアーしたも
のについて215℃で測定した。 (ハ)膨張係数、ガラス転移温度 4mmφ×15mmの試験片を用いて、デラトメーター
により毎分5℃の速さで昇温した時の値を測定した。 (二)吸湿半田後の耐クラック性 2×6×0.3mmの大きさのシリコンチップを4×1
2×1.8mmのSOパッケージに接着し、これに熱硬
化性樹脂組成物を175℃×2分で成形し、250℃で
8時間ポストキュアーした。
【0064】これを85℃/85%RHの雰囲気中に2
4時間及び48時間放置した後、温度240℃の半田浴
に10秒間浸漬し、パッケージクラック数/総数を測定
した。 (ホ)耐湿性 4MDRAMチップを20PINのSOJフレームに接
着し、これに熱硬化性樹脂組成物を成形条件175℃×
2分で成形し、250℃で8時間ポストキュアーした。
これを121℃/100%RH雰囲気中に24時間放置
して、吸湿後260℃の半田浴に10秒間浸漬し、更に
121℃/100%RH雰囲気中に300時間放置した
時のAI配線断線数/総数を測定した。 (ヘ)接着性 0.5×20×20mmのテストピース(42アロイ)
に図に示すような形状の成形物を175℃、2分で成形
を行ない、250℃、8時間アフターキュアを行って成
形品を得た。得られた成形品を図面に示す矢印の方向に
引っ張り、接着力(kg)を測定した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】表1,2の結果より、本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、高い接着力を有し、吸湿半田後のクラック
性に優れ、しかもLSIの耐湿性を顕著に増大させ得る
ことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着性試験に使用する成形品の概略図である。
【図2】接着性試験における引張り方向を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 成形品 2 テストピース
フロントページの続き (72)発明者 武井 稔 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式(1)で示されるマレイミ
    ド基を有するイミド化合物、 【化1】 (B)1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有する
    フェノール樹脂、(C)無機質充填剤、及び(D)
    (イ)下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキ
    サンと、 R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 …(2) (但し、式中R1はラジカル反応性基又はSH基をもつ
    1価の有機基、R2は水素原子又はラジカル反応性基と
    SH基とのいずれをももたない非置換又は置換の炭素数
    1〜20の1価炭化水素基であり、1分子中のR1及び
    2は各々同一又は異種の基である。aは0.001≦
    a≦1.0、bは1.0≦b≦2.0、かつ1.0<a
    +b≦3.0である。) (ロ)下記一般式(3)で示される(メタ)アクリル酸
    エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステルと共重
    合可能な単量体との混合物と 【化2】 (但し、式中R3は水素原子又はメチル基、R4は炭素数
    が1〜18のアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基
    である。)をグラフト重合させたケイ素含有アクリルポ
    リマーを含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組
    成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7470471B2 (en) 2003-11-12 2008-12-30 Mitsui Chemicals, Inc. Resin composition, prepreg and laminate using the composition
WO2014084226A1 (ja) * 2012-11-28 2014-06-05 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、金属箔張積層板、及びプリント配線板
JP2019019228A (ja) * 2017-07-18 2019-02-07 群栄化学工業株式会社 樹脂組成物、樹脂ワニス、積層板の製造方法、熱硬化性成型材料、封止材、およびプロペニル基含有樹脂の製造方法

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