JPH07206434A - 焼結体用α−アルミナ粉末およびその焼結体 - Google Patents

焼結体用α−アルミナ粉末およびその焼結体

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JPH07206434A
JPH07206434A JP6295211A JP29521194A JPH07206434A JP H07206434 A JPH07206434 A JP H07206434A JP 6295211 A JP6295211 A JP 6295211A JP 29521194 A JP29521194 A JP 29521194A JP H07206434 A JPH07206434 A JP H07206434A
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alumina powder
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正英 毛利
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紳一郎 田中
Yoshio Uchida
義男 内田
Yoshinari Sawabe
佳成 沢辺
Takashi Watanabe
尚 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【構成】8面以上の多面体粒子よりなり、累積粒度分布
の微粒側から累積10%、累積90%の粒径をそれぞれ
D10、D90としたとき、D90/D10比が10以
下である粒度分布を有し、アルミナ純度が99.90重
量%以上、鉄含有量が40重量ppm以下、カルシウム
含有量が40重量ppm以下であることを特徴とする焼
結体用α−アルミナ粉末、および該焼結体用α−アルミ
ナ粉末を焼結して得られる焼結体。 【効果】焼結体用原料に好適な、粒度分布が狭く、凝集
が少なく、結晶性が良好で、粒子形状が整っており、ア
ルミナ純度が高く、しかも、鉄およびカルシウムの含有
量が極めて少ない、高純度なα−アルミナ粉末である。
このα−アルミナ粉末を焼結して得られる焼結体は高強
度であるという優れた性質を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結体用原料に用いら
れるα−アルミナ粉末およびそれから得られる焼結体に
関する。
【0002】
【従来の技術】焼結体用原料に使用されているα−アル
ミナ粉末は、最も一般的にはバイヤープロセスによりボ
ーキサイトより製造されている。凝集が少なく、結晶性
が良好で、粒子形状が整っており、より純度の高いα−
アルミナ粉末については、水熱合成法によるアルミナ粉
末が提案されている。
【0003】例えば、特公昭39−13465号公報に
おいては、水熱合成法による製造方法が提案されてい
る。該公報によれば、水熱合成法により、六角板状ない
し六角柱状の揃った形状の粒子よりなるα−アルミナ粉
末が得られている。不純物については、ナトリウムがN
a2 O として200ppm、シリコンがSiO2 とし
て100ppm、鉄がFe2 O3 として300ppm含
まれていると記載されている。
【0004】また、特開昭52−15498号公報にお
いても、水熱合成法による製造方法が提案されている。
該公報によれば、水熱合成法により、凝集が少なく、結
晶性が良好で、粒子形状が整っているα−アルミナ粉末
が得られている。不純物については、ナトリウムが11
0ppm、シリコンが20ppm、鉄が50ppm、チ
タンが20ppm含まれていると記載されている。しか
しながら、焼結用に用いる場合、アルミナ純度が高く、
しかも鉄やカルシウムの含有量がごく少ないα−アルミ
ナが望まれることがあり、焼結用には、従来得られてい
るα−アルミナは必ずしも十分な純度を有するものでは
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、焼結
体用原料に好適な、粒度分布が狭く、凝集が少なく、結
晶性が良好で、粒子形状が整っており、アルミナ純度が
高く、しかも、鉄およびカルシウムの含有量が極めて少
ない、高純度なα−アルミナ粉末を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような事情のもと
で、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、後述するよう
な特定の製造方法を採用することにより、上記のような
優れた特性を有するα−アルミナ粉末を得ることができ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】本発明はつぎに記す発明からなる。 (1)8面以上の多面体粒子よりなり、累積粒度分布の
微粒側から累積10%、累積90%の粒径をそれぞれD
10、D90としたとき、D90/D10比が10以下
である粒度分布を有し、アルミナ純度が99.90重量
%以上、鉄含有量が40重量ppm以下、カルシウム含
有量が40重量ppm以下であることを特徴とする、焼
結体用α−アルミナ粉末。 (2)一次粒子径が0.1μm以上5μm未満である項
(1)記載の焼結体用α−アルミナ粉末。 (3)鉄含有量が20重量ppm以下、カルシウム含有
量が20重量ppm以下である項(1)記載の焼結体用
α−アルミナ粉末。 (4)鉄含有量が10重量ppm以下、カルシウム含有
量が10重量ppm以下である項(1)記載の焼結体用
α−アルミナ粉末。 (5)項(1)記載の焼結体用α−アルミナ粉末を焼結
して得られる焼結体。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のα−アルミナ粉末は多面体粒子よりなる。面の数
は8面以上であり、好ましくは8面以上20面以下であ
る。8面より少ないと流動性が悪く成形体を作製した場
合に成形体が不均一になりやすくなるとともに、結晶に
歪が入りやすくなる。また20面よりも多くなると、結
晶が不完全となり、焼結用原料として使用した場合に焼
結体中の欠陥が増加し、焼結体の強度に悪影響を及ぼ
す。
【0009】本発明のα−アルミナ粉末の粒度分布は、
累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積90%の粒
径をそれぞれD10、D90としたとき、D90/D1
0比が10以下、好ましくは9以下、より好ましくは7
以下である。D90/D10比が10より大きい場合
は、焼結体を作製したときに焼結体の密度低下や強度低
下を生じる場合があり、好ましくない。
【0010】本発明のα−アルミナ粉末のアルミナ純度
は99.90重量%以上、好ましくは99.95重量%
以上、より好ましくは99.97重量%以上であり、し
かも、鉄含有量は40重量ppm以下、好ましくは20
重量ppm以下、より好ましくは10重量ppm以下で
あり、カルシウム含有量は40重量ppm以下、好まし
くは20重量ppm以下、さらに好ましくは10重量p
pm以下である。アルミナ純度が99.90重量%以下
であるか、または、鉄含有量が40重量ppmより多い
か、または、カルシウム含有量が40重量ppmより多
い場合は、焼結用原料として用いた場合、得られる焼結
体の密度低下や強度低下が生じ易くなる。鉄またはカル
シウムが40重量ppmより多く含有されていると、焼
結体を作製した場合に焼結体を構成する粒子の異常粒成
長が生じ、焼結体の密度低下や強度低下の原因となる。
【0011】α−アルミナ粉末の一次粒子径は0.1μ
m以上5μm未満が望ましい。一次粒子径が0.1μm
より小さいか、または5μmより大きい場合は、緻密な
焼結体を得ることが困難となる。
【0012】つぎに本発明のアルミナ粉末の製造方法に
ついて述べる。原料としては、遷移アルミナまたは焼成
により遷移アルミナを生成するアルミニウム化合物を用
いることができる。アルミナには多くの結晶相が存在す
るが、θ相、γ相等の遷移アルミナを原料として使用す
ることができる。アルミニウム化合物としては、塩化ア
ルミニウムや水酸化アルミニウムを使用することができ
る。
【0013】これらの原料を用いて、目的に応じた粒子
径のα−アルミナ粉末が得られるように粒子径を制御す
る必要があるときは種晶を添加するとよい。用いる種晶
の種類は必ずしも限定されない。好ましい種晶として、
例えば、α−アルミナを用いることができる。原料の遷
移アルミナまたは焼成により遷移アルミナを生成するア
ルミニウム化合物に、種晶としてα−アルミナ粉末を
0.01〜10重量%添加することができる。種晶とし
て同じα−アルミナ粉末を添加する場合は、その添加量
を多くするほど焼成後に生成するα−アルミナの一次粒
子径を小さくすることができる。α−アルミナ粉末の添
加量が0.01重量%未満であると、添加による粒子径
の変化の効果は殆ど現れない。また、添加量が10重量
%を越えると、生成したα−アルミナ粉末の凝集粒が増
加し好ましくない。
【0014】遷移アルミナまたは焼成により遷移アルミ
ナを生成するアルミニウム化合物、またはそれらに種晶
として、例えば、α−アルミナ粉末を添加した原料を、
1体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましく
は10体積%以上のハロゲン化水素ガスを含む雰囲気ガ
ス中で焼成することにより、本発明のα−アルミナを得
ることができる。雰囲気ガス中のハロゲン化水素ガスの
濃度は100体積%まで増加させることができる。ハロ
ゲン化水素ガスの濃度が1体積%未満であると、目的と
するα−アルミナ粉末を得ることはできない。ハロゲン
化水素ガス以外の成分として、窒素やアルゴン等の不活
性ガスを希釈ガスとして用いることができる。焼成中に
水蒸気が発生する場合があり得るがとくに差し支えな
い。また、雰囲気ガス中に、水蒸気、酸素、二酸化炭
素、一酸化炭素、水素、ハロゲンガスが含まれていても
差し支えない。
【0015】ハロゲン化水素ガスとしては、塩化水素ガ
ス、フッ化水素ガス、臭化水素ガスまたはヨウ化水素ガ
スを使用することができる。なかでも好ましくは塩化水
素ガスを用いる。ハロゲン化水素ガスの供給方法は特に
限定されず、最初は反応容器中に存在する空気中にて原
料粉末の加熱を始め、昇温の途中から該反応容器へ雰囲
気ガスを導入することも可能であり、また、焼成前に原
料粉末とともに、予め容器中に封入することも可能であ
る。
【0016】また、ハロゲン化アンモニウムを加熱分解
することによりハロゲン化水素ガスを生成させ、生成し
たハロゲン化水素ガスを焼成炉に供給して原料を焼成す
ることも可能である。また、ハロゲン化アンモニウムを
原料とともに容器中に封入して、容器を加熱して焼成す
る方法を採用することもできる。ハロゲン化アンモニウ
ムとして好ましいのは塩化アンモニウムである。
【0017】さらに、ハロゲンガスと水蒸気を焼成炉に
供給し、原料とともに加熱することにより、ハロゲン化
水素ガスを発生させることにより、ハロゲン化水素ガス
を含んだ雰囲気ガス中で原料を焼成することもできる。
ハロゲンガスとしては塩素ガスが好ましい。この場合、
ハロゲンガスを1体積%以上、好ましくは5体積%以
上、より好ましくは10体積%以上、水蒸気を1体積%
以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体
積%以上含有する雰囲気ガスを焼成炉に導入して焼成す
る。ハロゲンガスと水蒸気の供給方法は特に限定され
ず、例えば、ハロゲンガスはボンベハロゲンガスを用い
ることができる。ハロゲンガスの濃度が1体積%未満、
かつ、水蒸気が1体積%未満であると、目的とするα−
アルミナ粉末を得ることができない。
【0018】ハロゲン化水素ガスのかわりに、ハロゲン
ガスを用いることができる。ハロゲンガスとしては、塩
素ガス、フッ素ガス、臭素ガスまたはヨウ素ガスを用い
ることができる。ハロゲンガスとして好ましいのは塩素
ガスである。ハロゲンガスを焼成炉に導入して上記の原
料を焼成する。この場合は、ハロゲンガスを1体積%以
上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積
%以上を焼成の雰囲気中に導入して焼成する。ハロゲン
ガスの供給方法は特に限定されず、例えば、ボンベハロ
ゲンガスを用いることができる。ハロゲンガスの濃度が
1体積%未満であると、目的とするα−アルミナ粉末を
得ることができない。
【0019】雰囲気ガスの流速は毎分20mm以上であ
り、毎分40mm以上が好ましく、毎分50mm以上が
さらに好ましい。雰囲気ガスの流速は毎分20mmより
少ないと、生成するα−アルミナ粉末のアルミナ純度が
99.90重量%に達しないか、鉄含有量が40重量p
pmより多くなるか、カルシウム含有量が40重量pp
mより大きくなることがあり好ましくない。雰囲気ガス
の圧力は特に限定されず、工業的に用いられる範囲にお
いてその圧力を任意に選ぶことができるが、工業的実施
の容易な0.1〜10気圧、望ましくは0.5〜2気圧
が好適に用いられる。
【0020】焼成温度は500〜1500℃、好ましく
は600〜1400℃、より好ましくは700〜130
0℃の範囲である。500℃未満では目的とするα−ア
ルミナを得ることができない。また、焼成温度が150
0℃を越えると、α−アルミナ粒子の焼結が生じ、凝集
粒が多く発生するので好ましくない。焼成時間は必ずし
も限定されず、目的とするα−アルミナが結晶成長する
まで焼成すればよい。好ましくは1分以上、より好まし
くは10分以上の時間をかけて焼成を行う。
【0021】昇温速度は工業的に利用されている焼成炉
で実施可能な速度の範囲でよい。昇温速度が速すぎると
一次粒子の形状が若干不均一になる傾向があるので、好
ましくは500℃/時間程度以下の昇温速度が選ばれ
る。降温速度については特に限定はなく、工業的に利用
されている焼成炉で実施可能な速度の範囲でよい。
【0022】焼成装置は必ずしも限定されず、いわゆる
焼成炉を用いることができる。焼成炉は塩化水素等のハ
ロゲン化水素ガス、または塩素等のハロゲンガス等に腐
食されない材質で構成されていることが望ましく、さら
には雰囲気を調整できる機構を備えていることが望まし
い。製造装置に用いる容器等の材質は、石英、アルミ
ナ、耐酸レンガ、グラファイト等の耐酸性の材料が好ま
しい。また、ハロゲン化水素ガスやハロゲンガスとして
は、例えば塩化水素ガスや塩素ガス等の酸性ガスを用い
るので、焼成炉には気密性があることが好まし。工業的
には連続方式で焼成することが好ましく、例えば、トン
ネル炉、ロータリーキルンあるいはプッシャー炉等を用
いることができる。
【0023】容器中への原料粉末の投入および配置の方
法、雰囲気ガスの導入方法は特に限定されない。密閉さ
れた容器中に雰囲気ガスと原料を封入して加熱する方
法、雰囲気ガスを流した管状容器中に原料を配置して加
熱する方法、雰囲気ガスを充満させた状態の容器を所定
の温度まで加熱して、ついで原料を投入する方法、雰囲
気ガスを流した炉の中に容器に充填した原料を順次通過
させる方法等を装置や生産規模に応じて採用できる。
【0024】上記した製造方法を用いることにより、上
記したような優れた特性を有する本発明のα−アルミナ
粉末を得ることができる。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、本発明における各種の測定は次のようにし
て行った。 1.一次粒子径の測定 SEM(走査型電子顕微鏡、日本電子株式会社製:T−
300)を使用して粉末粒子の写真を写し、その写真か
ら5ないし10個の粒子を選び出して画像解析を行い、
その平均値として求めた。 2.粒度分布の測定 マスターサイザー(マルバーン社製)を使用し、レーザ
ー回折散乱法により測定した。 3.結晶相の同定 X線回折法(株式会社リガク製、RAD−C)により測
定した。 4.不純物含有量の分析 ICP発光分析により行った。
【0026】実施例1 原料として住友化学工業株式会社製の遷移アルミナ粉
末、AKP−G15(商品名、γ−アルミナ)を用い
た。種晶として住友化学工業株式会社製のα−アルミナ
AKP−30(商品名)を、AKP−G15が100g
に対して3g添加し、イソプロピルアルコールを溶媒と
して湿式でボールミル混合を行い、乾燥し混合原料とし
た。焼成は石英炉芯管(直径56mm、長さ1000m
m)を用いた管状炉(光洋リンドバ−ク株式会社製、5
4434−VPS)で行った。上記混合原料30gを高
純度アルミナ製ボ−トに入れ、石英炉芯管の中央部に置
き、塩化水素ガス100体積%よりなる雰囲気ガスを流
した。雰囲気ガスの流量は線速度で毎分50mmとし
た。炉芯管内を雰囲気ガスで置換してから、昇温を開始
した。昇温の速度は500℃/時間とし、1100℃に
到達してから同温度で30分間保持した後、自然放冷し
た。
【0027】得られた粉末についてX線回折による分析
を行い、α−アルミナであることを確認した。それ以外
のピークは見られなかった。走査型電子顕微鏡による観
察の結果、8〜12の面を有する多面体粒子が生成して
おり、その一次粒子径は1μmであった。不純物分析を
行った結果、鉄含有量は2重量ppm、カルシウム含有
量は2重量ppm、純度は99.99重量%以上であっ
た。粒度分布を測定した結果、D90/D10は3.4
であった。得られたα−アルミナ粉末の焼結を以下のよ
うにして行った。α−アルミナ粉末に対してMgOとし
て1000重量ppmの硝酸マグネシウムを、塩酸によ
りpHを3に調整した水に添加し、アルミナ製ボールと
ポリエチレン製の広口瓶を用いてボールミルを6時間行
い、50重量%のスラリーを作製した。ポリビニールア
ルコールの10重量%水溶液を、ポリビニールアルコー
ルがα−アルミナ100重量部に対して2重量部となる
ように該スラリーに添加した。スラリーを石膏型に流し
込み、スリップキャスト法により50mmx50mmx
4mmの成形体を作製した後、該成形体を空気中160
0℃で焼結した。得られた焼結体を切断および研削して
40mmx4mmx3mmの曲げ試験片を作製しJIS
−R−1601に従って3点曲げ試験を行った。強度は
7点平均で630MPaであった。焼結体中のマグネシ
ウム量はMgOに換算して500ppmであった。表1
〜4に結果を記す。
【0028】実施例2 実施例1においてAKP−30の添加量をAKP−G1
5が100gに対して5gとする以外は実施例1と同様
にして焼成した。得られた粉末のX線回折分析の結果、
α−アルミナ以外のピークは見られなかった。得られた
α−アルミナ粉末の粒子は8〜12面を有する多面体で
あり、一次粒子径は0.5μm、D90/D10は5.
1、鉄含有量は4ppm、カルシウム含有量は3pp
m、アルミナ純度は99.99%以上であった。得られ
たα−アルミナ粉末を使用して実施例1と同様にして焼
結体を作製し3点曲げ試験を行った結果、7点の平均で
強度は710MPaと高かった。表1〜4に結果を記
す。
【0029】実施例3 住友化学工業株式会社製のバイヤー法による水酸化アル
ミニウムC−301(商品名)を原料とし、実施例1と
同じ炉を使用し、塩化水素濃度30体積%と窒素70体
積%よりなる雰囲気中、流速を50mm/分、雰囲気導
入温度を800℃とし、1100℃で10分焼成した。
得られた粉末のX線回折分析の結果、α−アルミナ以外
のピークは見られなかった。得られたα−アルミナ粉末
の粒子は10〜18面を有する多面体であり、一次粒子
径は1.5μm、D90/D10は9、鉄含有量は15
ppm、カルシウム含有量は12ppm、アルミナ純度
は99.95%以上であった。得られたα−アルミナ粉
末を使用して実施例1と同様にして焼結体を作製し3点
曲げ試験を行った結果、7点の平均で強度は610MP
aと高かった。表1〜4に結果を記す。
【0030】比較例1 住友化学工業株式会社製の水酸化アルミニウムC−30
1(商品名)を原料とし、雰囲気を空気、焼成温度を1
300℃とした以外は実施例1と同様にして焼成を行っ
た。得られた粉末のX線回折分析の結果、α−アルミナ
以外のピークは見られなかった。走査型電子顕微鏡によ
る観察の結果、0.2μmの不定形の一次粒子が強く凝
集した粒子よりなっていた。得られたα−アルミナ粉末
のD90/D10比は16、鉄含有量は59ppm、カ
ルシウム含有量は26ppm、アルミナ純度は99.6
%であった。得られたα−アルミナ粉末を使用して実施
例1と同様にして焼結体を作製し3点曲げ試験を行った
結果、7点の平均で強度は350MPaであった。表1
〜4に結果を記す。
【0031】比較例2 住友化学工業株式会社製のα−アルミナ粉末AKP−G
15(商品名)を原料とし、雰囲気を空気、焼成温度を
1300℃とした以外は実施例2と同様にして焼成を行
った。得られた粉末のX線回折分析の結果、α−アルミ
ナ以外のピークは見られなかった。走査型電子顕微鏡に
よる観察の結果、0.3μmの不定形の一次粒子が強く
凝集した粒子より成っていた。得られたα−アルミナ粉
末のD90/D10比は14、鉄含有量は8ppm、カ
ルシウム含有量は5ppm、アルミナ純度は99.99
%以上であった。得られたα−アルミナ粉末を使用して
実施例1と同様にして焼結体を作製し3点曲げ試験を行
った結果、7点の平均で強度は420MPaであった。
表1〜4に結果を記す。
【0032】比較例3 実施例2により得られたα−アルミナ粉末を使用し、ス
ラリー中に酸化カルシウム粉末をα−アルミナに対して
カルシウム元素として50ppmとなるように添加した
以外は実施例1と同様にして焼結体を作製し、3点曲げ
試験を行った結果、7点の平均で強度は460MPaで
あった。表1〜4に結果を記す。
【0033】
【表1】 ─────────────────────────── No. 原料 種晶 種晶添加量 ─────────────────────────── 実施例1 AKP−G15 AKP−30 3重量部 実施例2 AKP−G15 AKP−30 5重量部 実施例3 C−301 なし なし 比較例1 C−301 なし なし 比較例2 AKP−G15 AKP−30 5重量部 比較例3 AKP−G15 AKP−30 5重量部 ───────────────────────────
【0034】
【表2】 ───────────────────────────────── No. 塩化水素 窒素 流速 導入温度 温度 時間 体積% 体積% mm/分 ℃ ℃ 分 ───────────────────────────────── 実施例1 100 0 50 20 1100 30 実施例2 100 0 50 20 1100 30 実施例3 30 70 50 800 1100 10 比較例1 空気中焼成 1300 30 比較例2 空気中焼成 1300 30 比較例3 100 0 50 20 1100 30 ─────────────────────────────────
【0035】
【表3】 ─────────────────────────────────── No. 粒子径 面 D Fe Ca 純度 μm ppm ppm 重量% ─────────────────────────────────── 実施例1 1.0 8〜12 3.4 2 2 >99.99 実施例2 0.5 8〜12 5.1 4 3 >99.99 実施例3 1.5 10〜18 9 15 12 >99.95 比較例1 0.2 不定形 16 59 26 99.6 比較例2 0.3 不定形 14 8 5 >99.99 比較例3 0.5 8〜12 5.1 4 53 >99.98 ─────────────────────────────────── D:D90/D10
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】焼結体用原料に好適な、粒度分布が狭
く、凝集が少なく、結晶性が良好で、粒子形状が整って
おり、アルミナ純度が高く、しかも、鉄およびカルシウ
ムの含有量が極めて少ない、高純度なα−アルミナ粉末
である。このα−アルミナ粉末を焼結して得られる焼結
体は高強度であるという優れた性質を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢辺 佳成 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 渡辺 尚 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】8面以上の多面体粒子よりなり、累積粒度
    分布の微粒側から累積10%、累積90%の粒径をそれ
    ぞれD10、D90としたとき、D90/D10比が1
    0以下である粒度分布を有し、アルミナ純度が99.9
    0重量%以上、鉄含有量が40重量ppm以下、カルシ
    ウム含有量が40重量ppm以下であることを特徴とす
    る焼結体用α−アルミナ粉末。
  2. 【請求項2】一次粒子径が0.1μm以上5μm未満で
    ある請求項1記載の焼結体用α−アルミナ粉末。
  3. 【請求項3】鉄含有量が20重量ppm以下、カルシウ
    ム含有量が20重量ppm以下である請求項1記載の焼
    結体用α−アルミナ粉末。
  4. 【請求項4】鉄含有量が10重量ppm以下、カルシウ
    ム含有量が10重量ppm以下である請求項1記載の焼
    結体用α−アルミナ粉末。
  5. 【請求項5】請求項1記載の焼結体用α−アルミナ粉末
    を焼結して得られる焼結体。
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