JPH07205748A - エアバッグ用パッドカバーの製造方法 - Google Patents
エアバッグ用パッドカバーの製造方法Info
- Publication number
- JPH07205748A JPH07205748A JP6005002A JP500294A JPH07205748A JP H07205748 A JPH07205748 A JP H07205748A JP 6005002 A JP6005002 A JP 6005002A JP 500294 A JP500294 A JP 500294A JP H07205748 A JPH07205748 A JP H07205748A
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- JP
- Japan
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- pad cover
- mold
- tear line
- injection
- molding
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- Air Bags (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 内金型の上面にティアライン成形用突条を設
けて射出成形しても、成形品における充填合流部に、エ
ア溜り、ガス焼けおよびウェルドライン等を生じる虞れ
が全くなく、しかも射出圧力を高めてもバリ等を発生す
ることのないティアラインを備えたパッドカバーの製造
方法を提供する。 【構成】 エアバッグ展開時にパッドカバーの開裂を促
進するティアラインを備えたエアバッグ用パッドカバー
の製造方法において、ティアライン成形用突条1A、1
Bを形成した、内金型1のコア3あるいは外金型のキャ
ビティの少なくとも一部に通気性金属7を配置した金型
によってパッドカバーを射出成形したことを特徴とする
したものである。
けて射出成形しても、成形品における充填合流部に、エ
ア溜り、ガス焼けおよびウェルドライン等を生じる虞れ
が全くなく、しかも射出圧力を高めてもバリ等を発生す
ることのないティアラインを備えたパッドカバーの製造
方法を提供する。 【構成】 エアバッグ展開時にパッドカバーの開裂を促
進するティアラインを備えたエアバッグ用パッドカバー
の製造方法において、ティアライン成形用突条1A、1
Bを形成した、内金型1のコア3あるいは外金型のキャ
ビティの少なくとも一部に通気性金属7を配置した金型
によってパッドカバーを射出成形したことを特徴とする
したものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のステアリング
ハンドル等に取り付けられるエアバッグ装置に使用され
るエアバッグ用パッドカバーの製造方法に係るもので、
特に開裂を促進するティアラインを備えたパッドカバー
の製造方法に関する。
ハンドル等に取り付けられるエアバッグ装置に使用され
るエアバッグ用パッドカバーの製造方法に係るもので、
特に開裂を促進するティアラインを備えたパッドカバー
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のステアリングハンドル等に取り
付けられるエアバッグ装置は、図4に示すように、エア
バッグ20およびガス発生器21等を収納してパッドカ
バー22の側周壁23がベースプレート24の取付部2
5にリベットあるいはビス等によって取り付け固定され
ている。前記パッドカバー23の天面の中央部および側
部には、エアバッグ作動時の開裂を促進するティアライ
ン26が設けられている。なお、27はエアバッグ22
をベースプレート24に固定するリング状のリテーナで
ある。このような開裂を促進するティアライン26を備
えたパッドカバー22としては、従来、ネットや基布等
の補強材を埋め込んだ発砲ウレタンパッドが広く用いら
れている。しかしながら、該発砲ウレタン製のエアバッ
グ用パッドカバーにおいては、補強材を所望の位置に埋
設するのに時間と困難さを要するため、生産性が低いの
みならず、補強材が所望の位置に埋設されたエアバッグ
用パッドカバーの収率が低いという問題があった。これ
に対し、射出成形によってパッドカバーを成形する方法
も知られる。例えば、軟質樹脂からなる外層と硬質樹脂
からなる内層とを一体に成形した二層構造のエアバッグ
用パッドカバーにおいて、内層に開裂用ティアラインを
形成したものや、熱可塑性エラストマーからなる内外層
を一体に成形した二層構造のエアバッグ用パッドカバー
において、内層を形成する熱可塑性エラストマーの10
0%引張応力(伸びが100%になった時の応力)を、
外層を形成する熱可塑性エラストマーの100%引張応
力より高くなるように設定することによって、内層に、
エアバッグ作動の非常時に破断されるべき破断線および
展開支点軸線に沿って溝が形成されるとともに、外層の
内面に、破断線に沿って溝が形成されるエアバッグ用パ
ッドカバーがある。さらに、エステル系熱可塑性エラス
トマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いた単
層の射出成形パッドカバーも知られている。これらのパ
ッドカバーを射出成形によって製造する際に、前記開裂
を促進する厚さ0.4〜1.4mmの薄いティアライン
26をパッドカバー23の天面の中央部および側部に、
通常はH型のパターンで形成する必要があった。
付けられるエアバッグ装置は、図4に示すように、エア
バッグ20およびガス発生器21等を収納してパッドカ
バー22の側周壁23がベースプレート24の取付部2
5にリベットあるいはビス等によって取り付け固定され
ている。前記パッドカバー23の天面の中央部および側
部には、エアバッグ作動時の開裂を促進するティアライ
ン26が設けられている。なお、27はエアバッグ22
をベースプレート24に固定するリング状のリテーナで
ある。このような開裂を促進するティアライン26を備
えたパッドカバー22としては、従来、ネットや基布等
の補強材を埋め込んだ発砲ウレタンパッドが広く用いら
れている。しかしながら、該発砲ウレタン製のエアバッ
グ用パッドカバーにおいては、補強材を所望の位置に埋
設するのに時間と困難さを要するため、生産性が低いの
みならず、補強材が所望の位置に埋設されたエアバッグ
用パッドカバーの収率が低いという問題があった。これ
に対し、射出成形によってパッドカバーを成形する方法
も知られる。例えば、軟質樹脂からなる外層と硬質樹脂
からなる内層とを一体に成形した二層構造のエアバッグ
用パッドカバーにおいて、内層に開裂用ティアラインを
形成したものや、熱可塑性エラストマーからなる内外層
を一体に成形した二層構造のエアバッグ用パッドカバー
において、内層を形成する熱可塑性エラストマーの10
0%引張応力(伸びが100%になった時の応力)を、
外層を形成する熱可塑性エラストマーの100%引張応
力より高くなるように設定することによって、内層に、
エアバッグ作動の非常時に破断されるべき破断線および
展開支点軸線に沿って溝が形成されるとともに、外層の
内面に、破断線に沿って溝が形成されるエアバッグ用パ
ッドカバーがある。さらに、エステル系熱可塑性エラス
トマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いた単
層の射出成形パッドカバーも知られている。これらのパ
ッドカバーを射出成形によって製造する際に、前記開裂
を促進する厚さ0.4〜1.4mmの薄いティアライン
26をパッドカバー23の天面の中央部および側部に、
通常はH型のパターンで形成する必要があった。
【0003】図5によって、図4に示したパッドカバー
を射出成形によって製造する状態を説明すると、内金型
1の表面コア3と外金型2の内面キャビティ4とによっ
てパッドカバー22の成形空間9が画成され、該成形空
間9内に前記外金型2のゲート5から熱可塑性の溶融樹
脂6が射出される。該溶融樹脂6は前記ゲート5から進
入して、両側方および上方に向かう。ところが、前記内
金型1の上面には、前記パッドカバー22天面の中央部
および側部に薄肉のティアライン26A、26B(図
7)を形成するためにかなり突出したティアライン成形
用突条1Aが設けられているために、上方に向かった前
記溶融樹脂6の流れF1は前記ティアライン成形用突条
1Aによって大きく阻害されることになる。一方、図6
は前記成形空間9内に樹脂が充填され、パッドカバー2
2が成形される様子を外金型2を取り除いた状態の斜視
図で示したものであるが、前記ゲート5から進入して、
両側方に向かった溶融樹脂6の流れF2はゲート5の反
対側の充填合流部G(格子模様の部分)にて合流する。
ここでは、上方からの流れF1も合流する。以上のよう
なことから、流れが阻害されて成形された前記ティアラ
イン成形用突条1Aを越えた充填合流部Gには、エア溜
り(肉厚の差による冷却速度の差によって樹脂に収縮差
を生じて気泡が生じたり、射出圧力が低いことによって
固化時に内圧が負圧となり気泡が生じること。)、ガス
焼け(前記エア溜りの気泡が高温のため炭化してしまう
こと。これによって成形品に黒い条痕が残ることがあ
る。)、ウェルドライン(流れが阻害されたために冷
え、低い温度で充填合流部で合流すると発生しやすい合
流線。)等が発生してしまった。これらの障害は、前記
ティアライン成形用突条1Aの存在により溶融樹脂6の
流れが阻害されて生じることから、射出圧力を高めて成
形する試みもなされた。しかしながら、射出圧力を高め
るとバリ等が多発することになった。
を射出成形によって製造する状態を説明すると、内金型
1の表面コア3と外金型2の内面キャビティ4とによっ
てパッドカバー22の成形空間9が画成され、該成形空
間9内に前記外金型2のゲート5から熱可塑性の溶融樹
脂6が射出される。該溶融樹脂6は前記ゲート5から進
入して、両側方および上方に向かう。ところが、前記内
金型1の上面には、前記パッドカバー22天面の中央部
および側部に薄肉のティアライン26A、26B(図
7)を形成するためにかなり突出したティアライン成形
用突条1Aが設けられているために、上方に向かった前
記溶融樹脂6の流れF1は前記ティアライン成形用突条
1Aによって大きく阻害されることになる。一方、図6
は前記成形空間9内に樹脂が充填され、パッドカバー2
2が成形される様子を外金型2を取り除いた状態の斜視
図で示したものであるが、前記ゲート5から進入して、
両側方に向かった溶融樹脂6の流れF2はゲート5の反
対側の充填合流部G(格子模様の部分)にて合流する。
ここでは、上方からの流れF1も合流する。以上のよう
なことから、流れが阻害されて成形された前記ティアラ
イン成形用突条1Aを越えた充填合流部Gには、エア溜
り(肉厚の差による冷却速度の差によって樹脂に収縮差
を生じて気泡が生じたり、射出圧力が低いことによって
固化時に内圧が負圧となり気泡が生じること。)、ガス
焼け(前記エア溜りの気泡が高温のため炭化してしまう
こと。これによって成形品に黒い条痕が残ることがあ
る。)、ウェルドライン(流れが阻害されたために冷
え、低い温度で充填合流部で合流すると発生しやすい合
流線。)等が発生してしまった。これらの障害は、前記
ティアライン成形用突条1Aの存在により溶融樹脂6の
流れが阻害されて生じることから、射出圧力を高めて成
形する試みもなされた。しかしながら、射出圧力を高め
るとバリ等が多発することになった。
【0004】このため、特開平2−248238号公報
や特開平4−151345号公報に記載されたもののよ
うに、高周波型押しによるティアラインの規定や加熱刃
によるティアラインの形成によって、成形後の後加工に
よるティアラインの形成が提唱されたが、ティアライン
部の寸法精度や生産性において未だなお、問題が残るも
のであった。また、特開平3−254919号公報に記
載されたもののように、金型内に進退自在な可動部を設
け、樹脂を金型内に供給した後、前記可動部を前進させ
てティアライン部を押圧成形することも提唱されたが、
金型構造やそれに伴う成形時の金型動作機構が複雑にな
るという問題点があった。そこで、本件出願人等は図7
に示すような、流れが阻害される前記ティアライン成形
用突条1Aを越えた充填合流部Gに、頭部17Aと脚部
17Bからなるエア逃し入駒17を、内金型11の表面
コア13に刻設したエア逃し入駒17のための装着溝8
の壁側面18Aとの間に過不足なく埋設するとともに、
前記エア逃し入駒17の輪郭部に凹凸部17D、17C
を交互に多数形成することにより前記内金型11の装着
溝18の側壁18Aとの間にエアベント(凹部17D)
を多数形成したものを提案した。前記エアベントを形成
するための凹部17Dの寸法を、長さLが3mm、幅W
が0.03mm、深さHが5mmとし、また前記多数の
エアベント17Dを集合すべく前記エア逃し入駒17の
側面に形成したエア通路溝17Eを前記内金型11のコ
ア13の少なくとも一部に刻設した装着溝18内に適宜
に形成されたエア溜り空間(図示せず)に連通させたも
のである。このようなエア逃し入駒17を設置したこと
により、前記流れが阻害される前記ティアライン成形用
突条1Aを越えた充填合流部Gにおける気泡の発生を有
効に抑止し、エア溜まりに関しては殆ど発生を見ること
がないものとなった。しかしながら、ガス焼け、ウェル
ドラインおよびバリについては、大幅な減少はみられた
ものの、成形条件によっては依然として僅かながらもそ
の発生を見た。
や特開平4−151345号公報に記載されたもののよ
うに、高周波型押しによるティアラインの規定や加熱刃
によるティアラインの形成によって、成形後の後加工に
よるティアラインの形成が提唱されたが、ティアライン
部の寸法精度や生産性において未だなお、問題が残るも
のであった。また、特開平3−254919号公報に記
載されたもののように、金型内に進退自在な可動部を設
け、樹脂を金型内に供給した後、前記可動部を前進させ
てティアライン部を押圧成形することも提唱されたが、
金型構造やそれに伴う成形時の金型動作機構が複雑にな
るという問題点があった。そこで、本件出願人等は図7
に示すような、流れが阻害される前記ティアライン成形
用突条1Aを越えた充填合流部Gに、頭部17Aと脚部
17Bからなるエア逃し入駒17を、内金型11の表面
コア13に刻設したエア逃し入駒17のための装着溝8
の壁側面18Aとの間に過不足なく埋設するとともに、
前記エア逃し入駒17の輪郭部に凹凸部17D、17C
を交互に多数形成することにより前記内金型11の装着
溝18の側壁18Aとの間にエアベント(凹部17D)
を多数形成したものを提案した。前記エアベントを形成
するための凹部17Dの寸法を、長さLが3mm、幅W
が0.03mm、深さHが5mmとし、また前記多数の
エアベント17Dを集合すべく前記エア逃し入駒17の
側面に形成したエア通路溝17Eを前記内金型11のコ
ア13の少なくとも一部に刻設した装着溝18内に適宜
に形成されたエア溜り空間(図示せず)に連通させたも
のである。このようなエア逃し入駒17を設置したこと
により、前記流れが阻害される前記ティアライン成形用
突条1Aを越えた充填合流部Gにおける気泡の発生を有
効に抑止し、エア溜まりに関しては殆ど発生を見ること
がないものとなった。しかしながら、ガス焼け、ウェル
ドラインおよびバリについては、大幅な減少はみられた
ものの、成形条件によっては依然として僅かながらもそ
の発生を見た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、以上述べ
てきたような従来の開裂を促進するティアラインを備え
たパッドカバーの製造方法における諸課題を解決して、
内金型の上面にティアライン成形用突条を設けて射出成
形しても、成形品における充填合流部に、エア溜り、ガ
ス焼けおよびウェルドライン等を生じる虞れが全くな
く、しかも射出圧力を高めてもバリ等を発生することの
ないティアラインを備えたパッドカバーの製造方法を提
供する。
てきたような従来の開裂を促進するティアラインを備え
たパッドカバーの製造方法における諸課題を解決して、
内金型の上面にティアライン成形用突条を設けて射出成
形しても、成形品における充填合流部に、エア溜り、ガ
ス焼けおよびウェルドライン等を生じる虞れが全くな
く、しかも射出圧力を高めてもバリ等を発生することの
ないティアラインを備えたパッドカバーの製造方法を提
供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、前
記課題を解決するための手段として、エアバッグ展開時
にパッドカバーの開裂を促進するティアラインを備えた
エアバッグ用パッドカバーの製造方法において、ティア
ライン成形用突条を形成した、内金型のコアあるいは外
金型のキャビティの少なくとも一部に通気性金属を配置
した金型によってパッドカバーを射出成形したことを特
徴とすることを特徴とするものである。好ましくは、前
記通気性金属を溶融樹脂の射出ゲートと反対側のキャビ
ティあるいはコアに設けるものであるが、パッドカバー
の形状、寸法、金型構造(パーティングライン位置、ゲ
ートの形状・数・位置)によって成形欠陥の発生位置が
異なるので、前記通気性金属の設置位置はこれに限定さ
れるものではない。また好ましくは、前記通気性金属の
平均空孔径が1μm以上20μm以下および平均空孔率
が10%以上40%以下であることを特徴とするもので
ある。さらに、前記通気性金属の形状や金型と通気性金
属との組合せ形状等は種々のものが考えられることは言
うまでもない。
記課題を解決するための手段として、エアバッグ展開時
にパッドカバーの開裂を促進するティアラインを備えた
エアバッグ用パッドカバーの製造方法において、ティア
ライン成形用突条を形成した、内金型のコアあるいは外
金型のキャビティの少なくとも一部に通気性金属を配置
した金型によってパッドカバーを射出成形したことを特
徴とすることを特徴とするものである。好ましくは、前
記通気性金属を溶融樹脂の射出ゲートと反対側のキャビ
ティあるいはコアに設けるものであるが、パッドカバー
の形状、寸法、金型構造(パーティングライン位置、ゲ
ートの形状・数・位置)によって成形欠陥の発生位置が
異なるので、前記通気性金属の設置位置はこれに限定さ
れるものではない。また好ましくは、前記通気性金属の
平均空孔径が1μm以上20μm以下および平均空孔率
が10%以上40%以下であることを特徴とするもので
ある。さらに、前記通気性金属の形状や金型と通気性金
属との組合せ形状等は種々のものが考えられることは言
うまでもない。
【0007】
【作用】本発明では、開裂を促進するティアライン26
を備えたエアバッグ用パッドカバー22の製造方法にお
いて、ティアライン成形用突条1A、1Bを形成した、
内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビティ4の少
なくとも一部に通気性金属7を配置した金型によってパ
ッドカバー22を射出成形するので、特殊な構造の金型
や金型動作機構を採用せずとも、射出整形時にティアラ
イン成形用突条1Aの存在により溶融樹脂6の流れが阻
害されて、溶融樹脂6内に気泡が生じようとしても、こ
れら気泡が内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビ
ティ4の少なくとも一部に配置して設置された前記通気
性金属7によって有効に吸収されることから、従来のも
ののようなエア溜りはもとより、ガス焼けおよびウェル
ドライン等を生じる虞れが全くなくなる。その上、射出
圧力を高めても、前記通気性金属による内圧調整作用に
よってバリ等が多発することもない。さらに、一般に、
パッドカバーはステアリングホイール内や助手席インパ
ネ前面部に露出されて配置されることから、その表面に
装飾(シボ)が施される。該シボは金型のキャビティ彫
刻面から転写されることになるため、その転写率は成形
品の品質の優劣を評する指標となり、該金型のシボ転写
率は、成形体の平均表面粗さ(深さ)と金型の平均表面
粗さ(深さ)との比で表される(成形体シボ深さ/金型
シボ深さ=1なら完全に金型のシボが成形体に転写され
ることになる。しかし通常の射出成形では、材料の流動
特性、金型構造、成形条件によって75%〜90%とな
る。)が、前記通気性金属7を前記充填合流部Gに相当
する外金型2の内面キャビティ4側に埋設することで、
金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ深さ)
が、比較例の80数%から90%前後に向上し、充填合
流部Gにおける欠陥の発生を有効に抑えるのみならず、
金型のシボ転写性能に優れるものとなる。
を備えたエアバッグ用パッドカバー22の製造方法にお
いて、ティアライン成形用突条1A、1Bを形成した、
内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビティ4の少
なくとも一部に通気性金属7を配置した金型によってパ
ッドカバー22を射出成形するので、特殊な構造の金型
や金型動作機構を採用せずとも、射出整形時にティアラ
イン成形用突条1Aの存在により溶融樹脂6の流れが阻
害されて、溶融樹脂6内に気泡が生じようとしても、こ
れら気泡が内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビ
ティ4の少なくとも一部に配置して設置された前記通気
性金属7によって有効に吸収されることから、従来のも
ののようなエア溜りはもとより、ガス焼けおよびウェル
ドライン等を生じる虞れが全くなくなる。その上、射出
圧力を高めても、前記通気性金属による内圧調整作用に
よってバリ等が多発することもない。さらに、一般に、
パッドカバーはステアリングホイール内や助手席インパ
ネ前面部に露出されて配置されることから、その表面に
装飾(シボ)が施される。該シボは金型のキャビティ彫
刻面から転写されることになるため、その転写率は成形
品の品質の優劣を評する指標となり、該金型のシボ転写
率は、成形体の平均表面粗さ(深さ)と金型の平均表面
粗さ(深さ)との比で表される(成形体シボ深さ/金型
シボ深さ=1なら完全に金型のシボが成形体に転写され
ることになる。しかし通常の射出成形では、材料の流動
特性、金型構造、成形条件によって75%〜90%とな
る。)が、前記通気性金属7を前記充填合流部Gに相当
する外金型2の内面キャビティ4側に埋設することで、
金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ深さ)
が、比較例の80数%から90%前後に向上し、充填合
流部Gにおける欠陥の発生を有効に抑えるのみならず、
金型のシボ転写性能に優れるものとなる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1および図2は、本発明の第1および第2実施例
を示すもので、図5、6で説明したように、内金型1の
上面にはパッドカバー22の天面内側に形成されるHパ
ターンのティアライン26A、26Bを成形するための
ティアライン成形用突条1A、1Bが形成されている
(パッドカバー22の天面外側にHパターンのティアラ
イン26A、26Bが形成される場合には、ティアライ
ン成形用突条1A、1Bは外金型2の内面に形成され
る)。そして、溶融樹脂6の流れが阻害されるティアラ
イン成形用突条1Aを越えた充填合流部Gに相当する内
金型1における射出ゲート5と反対側の表面コア3に通
気性金属7を配置するものである。該通気性金属7は図
2(A)(B)に示したように、前記内金型1の表面コ
ア3に刻設した通気性金属7のための装着溝8に過不足
なく埋設したものである。通気性金属の平均空孔径が1
μm以上20μm以下および平均空孔率が10%以上4
0%以下であることを特徴とするものである。さらに、
前記通気性金属の形状や金型と通気性金属との組合せ形
状等は本発明の趣旨の範囲内で種々のものが考えられ
る。
る。図1および図2は、本発明の第1および第2実施例
を示すもので、図5、6で説明したように、内金型1の
上面にはパッドカバー22の天面内側に形成されるHパ
ターンのティアライン26A、26Bを成形するための
ティアライン成形用突条1A、1Bが形成されている
(パッドカバー22の天面外側にHパターンのティアラ
イン26A、26Bが形成される場合には、ティアライ
ン成形用突条1A、1Bは外金型2の内面に形成され
る)。そして、溶融樹脂6の流れが阻害されるティアラ
イン成形用突条1Aを越えた充填合流部Gに相当する内
金型1における射出ゲート5と反対側の表面コア3に通
気性金属7を配置するものである。該通気性金属7は図
2(A)(B)に示したように、前記内金型1の表面コ
ア3に刻設した通気性金属7のための装着溝8に過不足
なく埋設したものである。通気性金属の平均空孔径が1
μm以上20μm以下および平均空孔率が10%以上4
0%以下であることを特徴とするものである。さらに、
前記通気性金属の形状や金型と通気性金属との組合せ形
状等は本発明の趣旨の範囲内で種々のものが考えられ
る。
【0009】〔比較例1〕側周壁肉厚3.5mm、天面
部肉厚3mm、Hパターンティアライン厚さが可変とな
る様な内外金型による入子構造で、ティアライン厚さを
0.8mm、0.6mm、0.4mmと変化させ、オレ
フィン系エラストマー(AES製、サントプレーン10
1−87)を用いてパッドカバーを射出成形すると、テ
ィアライン部肉厚が薄くなる程、射出ゲート5と反対側
のHパターン横線部すなわちティアライン成形用突条1
Aを越えた天面部と側面部である充填合流部Gにエア溜
まり、ガス焼け、ウェルドラインが発生した。また、成
形時の射出圧力を高くしていくと、バリが発生した。 〔比較例2〕前記比較例1と同じ金型を用い、ポリエス
テル系エラストマー(Dupont製DYM−100)
を用いてパッドカバーを射出成形しても、前記比較例1
と同様、充填合流部Gにエア溜まり、ガス焼け、ウェル
ドラインが発生し、射出圧力を高くしていくと、バリが
発生した。 〔比較例3〕比較例1、2と同じ金型において、前記エ
ア溜まり、ガス焼け、ウェルドラインが発生したティア
ライン成形用突条1Aを越えた天面部と側面部である充
填合流部Gに、図7に示したエア逃し入駒17を内金型
11の表面コア13に刻設したエア逃し入駒17のため
の装着溝18に過不足なく埋設した(エアベント凹部1
7Dの寸法を、長さLが3mm、幅Wが0.03mm、
深さHが5mmとした。)金型によって、前記比較例1
と同様にオレフィン系エラストマーを用いてパッドカバ
ーを射出成形したところ、エア溜まりに関しては殆ど発
生を見ることがなかったが、成形条件によってはガス焼
けの発生が僅かながら見られた。 〔比較例4〕前記比較例3と同じ条件で、ポリエステル
系エラストマーを用いてパッドカバーを射出成形して
も、前記オレフィン系エラストマーによる成形と同様
に、エア溜まりに関しても殆どその発生を見ることがな
かったが、成形条件によってはガス焼けの発生が僅かな
がら見られた。
部肉厚3mm、Hパターンティアライン厚さが可変とな
る様な内外金型による入子構造で、ティアライン厚さを
0.8mm、0.6mm、0.4mmと変化させ、オレ
フィン系エラストマー(AES製、サントプレーン10
1−87)を用いてパッドカバーを射出成形すると、テ
ィアライン部肉厚が薄くなる程、射出ゲート5と反対側
のHパターン横線部すなわちティアライン成形用突条1
Aを越えた天面部と側面部である充填合流部Gにエア溜
まり、ガス焼け、ウェルドラインが発生した。また、成
形時の射出圧力を高くしていくと、バリが発生した。 〔比較例2〕前記比較例1と同じ金型を用い、ポリエス
テル系エラストマー(Dupont製DYM−100)
を用いてパッドカバーを射出成形しても、前記比較例1
と同様、充填合流部Gにエア溜まり、ガス焼け、ウェル
ドラインが発生し、射出圧力を高くしていくと、バリが
発生した。 〔比較例3〕比較例1、2と同じ金型において、前記エ
ア溜まり、ガス焼け、ウェルドラインが発生したティア
ライン成形用突条1Aを越えた天面部と側面部である充
填合流部Gに、図7に示したエア逃し入駒17を内金型
11の表面コア13に刻設したエア逃し入駒17のため
の装着溝18に過不足なく埋設した(エアベント凹部1
7Dの寸法を、長さLが3mm、幅Wが0.03mm、
深さHが5mmとした。)金型によって、前記比較例1
と同様にオレフィン系エラストマーを用いてパッドカバ
ーを射出成形したところ、エア溜まりに関しては殆ど発
生を見ることがなかったが、成形条件によってはガス焼
けの発生が僅かながら見られた。 〔比較例4〕前記比較例3と同じ条件で、ポリエステル
系エラストマーを用いてパッドカバーを射出成形して
も、前記オレフィン系エラストマーによる成形と同様
に、エア溜まりに関しても殆どその発生を見ることがな
かったが、成形条件によってはガス焼けの発生が僅かな
がら見られた。
【0010】〔実施例1〕これに対し、本発明の第1実
施例のものでは、上記比較例1、2に使用した金型を使
用して、前記エア溜まり、ガス焼け、ウェルドラインが
発生したティアライン成形用突条1Aを越えた天面部と
側面部である充填合流部Gに、平均空孔径7μm、空孔
率25%の前記通気性金属(新東工業製ポーセラックス
2 PM35)7を入駒として前記内金型1の表面コア
3に刻設した通気性金属7のための装着溝8に過不足な
く埋設して、前記比較例1と同様にオレフィン系エラス
トマーを用いてパッドカバーを射出成形したところ、エ
ア溜まり、ガス焼け、ウェルドラインは全く発生せず、
さらに射出圧力を高めてもバリは殆ど発生を見ることが
なかった。 〔実施例2〕また、同じ条件で、ポリエステル系エラス
トマーを用いてパッドカバーを射出成形しても、前記オ
レフィン系エラストマーによる成形と同様に、エア溜ま
り、ガス焼け、ウェルドラインは全く発生せず、さらに
射出圧力を高めてもバリは殆ど発生を見ることがなかっ
た。 〔実施例3〕また、前記実施例1で使用した金型におい
て、図3(A)で示したように外金型2の内面キャビテ
ィ4のティアライン成形用突条1Aを越えた天面部と側
面部である充填合流部G、あるいは図3(B)で示した
ように外金型2の内面キャビティ4の天面全体に平均空
孔径3μm、平均空孔率25%の通気性金属7(新東工
業製ポーセラックス2 PM30)を配置して設置し、
オレフィン系エラストマーを用いてパッドカバーを射出
成形したところ、金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/
金型シボ深さ)が、比較例の1の80%から88%に向
上し、充填合流部Gにおける欠陥の発生を有効に抑える
のみならず、金型のシボ転写性能に優れるものとなっ
た。 〔実施例4〕前記実施例3と同じ金型を用い、ポリエス
テル系エラストマーを用いてパッドカバーを射出成形す
ると、金型のシボ転写率が、比較例の2の83%から9
2%に向上した。
施例のものでは、上記比較例1、2に使用した金型を使
用して、前記エア溜まり、ガス焼け、ウェルドラインが
発生したティアライン成形用突条1Aを越えた天面部と
側面部である充填合流部Gに、平均空孔径7μm、空孔
率25%の前記通気性金属(新東工業製ポーセラックス
2 PM35)7を入駒として前記内金型1の表面コア
3に刻設した通気性金属7のための装着溝8に過不足な
く埋設して、前記比較例1と同様にオレフィン系エラス
トマーを用いてパッドカバーを射出成形したところ、エ
ア溜まり、ガス焼け、ウェルドラインは全く発生せず、
さらに射出圧力を高めてもバリは殆ど発生を見ることが
なかった。 〔実施例2〕また、同じ条件で、ポリエステル系エラス
トマーを用いてパッドカバーを射出成形しても、前記オ
レフィン系エラストマーによる成形と同様に、エア溜ま
り、ガス焼け、ウェルドラインは全く発生せず、さらに
射出圧力を高めてもバリは殆ど発生を見ることがなかっ
た。 〔実施例3〕また、前記実施例1で使用した金型におい
て、図3(A)で示したように外金型2の内面キャビテ
ィ4のティアライン成形用突条1Aを越えた天面部と側
面部である充填合流部G、あるいは図3(B)で示した
ように外金型2の内面キャビティ4の天面全体に平均空
孔径3μm、平均空孔率25%の通気性金属7(新東工
業製ポーセラックス2 PM30)を配置して設置し、
オレフィン系エラストマーを用いてパッドカバーを射出
成形したところ、金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/
金型シボ深さ)が、比較例の1の80%から88%に向
上し、充填合流部Gにおける欠陥の発生を有効に抑える
のみならず、金型のシボ転写性能に優れるものとなっ
た。 〔実施例4〕前記実施例3と同じ金型を用い、ポリエス
テル系エラストマーを用いてパッドカバーを射出成形す
ると、金型のシボ転写率が、比較例の2の83%から9
2%に向上した。
【0011】
【発明の効果】以上詳細に述べてきたように、本発明で
は、開裂を促進するティアラインを備えたエアバッグ用
パッドカバーの製造方法において、ティアライン成形用
突条を形成した、内金型のコアあるいは外金型のキャビ
ティの少なくとも一部に通気性金属を配置した金型によ
ってパッドカバーを射出成形するので、特殊な構造の金
型や金型動作機構を採用せずとも、射出整形時にティア
ライン成形用突条の存在により溶融樹脂の流れが阻害さ
れて、溶融樹脂内に気泡が生じようとしても、これら気
泡が内金型のコアあるいは外金型のキャビティの少なく
とも一部に配置して設置された前記通気性金属によって
有効に吸収されることから、従来のもののようなエア溜
りはもとより、ガス焼けおよびウェルドライン等を生じ
る虞れが全くなくなる。その上、射出圧力を高めても、
前記通気性金属による内圧調整作用によってバリ等が多
発することもない。さらに、前記通気性金属を前記充填
合流部に相当する外金型の内面キャビティ側に埋設する
ことで、金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ
深さ)が、比較例の80数%から90%前後に向上し、
充填合流部における欠陥の発生を有効に抑えるのみなら
ず、金型のシボ転写性能に優れるものとなる。これによ
って、均質で安定したパッドカバーを成形することがで
き、ひいては、エアバッグの作動時にパッドカバーにお
けるティアラインの開裂を安定して促進することを可能
にするものである。
は、開裂を促進するティアラインを備えたエアバッグ用
パッドカバーの製造方法において、ティアライン成形用
突条を形成した、内金型のコアあるいは外金型のキャビ
ティの少なくとも一部に通気性金属を配置した金型によ
ってパッドカバーを射出成形するので、特殊な構造の金
型や金型動作機構を採用せずとも、射出整形時にティア
ライン成形用突条の存在により溶融樹脂の流れが阻害さ
れて、溶融樹脂内に気泡が生じようとしても、これら気
泡が内金型のコアあるいは外金型のキャビティの少なく
とも一部に配置して設置された前記通気性金属によって
有効に吸収されることから、従来のもののようなエア溜
りはもとより、ガス焼けおよびウェルドライン等を生じ
る虞れが全くなくなる。その上、射出圧力を高めても、
前記通気性金属による内圧調整作用によってバリ等が多
発することもない。さらに、前記通気性金属を前記充填
合流部に相当する外金型の内面キャビティ側に埋設する
ことで、金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ
深さ)が、比較例の80数%から90%前後に向上し、
充填合流部における欠陥の発生を有効に抑えるのみなら
ず、金型のシボ転写性能に優れるものとなる。これによ
って、均質で安定したパッドカバーを成形することがで
き、ひいては、エアバッグの作動時にパッドカバーにお
けるティアラインの開裂を安定して促進することを可能
にするものである。
【図1】本発明の第1および第2実施例を示す斜視図で
ある。
ある。
【図2】図1の要部の拡大図で、(A)は斜視図、
(B)は断面図である。
(B)は断面図である。
【図3】本発明の第3および第4実施例に係る要部の断
面図である。
面図である。
【図4】エアバッグ装置を説明する断面図である。
【図5】金型内におけるパッドカバーの射出成形状態を
説明する断面図である。
説明する断面図である。
【図6】パッドカバーの成形の様子を外金型を取り除い
た状態で示した斜視図である。
た状態で示した斜視図である。
【図7】比較例3および4を示す斜視図である。
1 内金型 1A ティアライン成形用突条 1B ティアライン成形用突条 2 外金型 3 コア 4 キャビティ 5 射出ゲート 6 溶融樹脂 7 通気性金属 8 装着溝 8A 装着溝側壁 9 成形空間 20 エアバッグ 21 ガス発生器 22 パッドカバー 23 側周壁 24 ベースプレート 25 取付部 26 ティアライン 27 リテーナ F 溶融樹脂の流れ G 充填合流部
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【作用】本発明では、開裂を促進するティアライン26
を備えたエアバッグ用パッドカバー22の製造方法にお
いて、ティアライン成形用突条1A、1Bを形成した、
内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビティ4の少
なくとも一部に通気性金属7を配置した金型によってパ
ッドカバー22を射出成形するので、特殊な構造の金型
や金型動作機構を採用せずとも、射出成形時にティアラ
イン成形用突条1Aの存在により溶融樹脂6の流れが阻
害されて、溶融樹脂6内に気泡が生じようとしても、こ
れら気泡が内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビ
ティ4の少なくとも一部に配置して設置された前記通気
性金属7によって有効に吸収されることから、従来のも
ののようなエア溜りはもとより、ガス焼けおよびウェル
ドライン等を生じる虞れが全くなくなる。その上、射出
圧力を高めても、前記通気性金属による内圧調整作用に
よってバリ等が多発することもない。さらに、一般に、
パッドカバーはステアリングホイール内や助手席インパ
ネ前面部に露出されて配置されることから、その表面に
装飾(シボ)が施される。該シボは金型のキャビティ彫
刻面から転写されることになるため、その転写率は成形
品の品質の優劣を評する指標となり、該金型のシボ転写
率は、成形体の平均表面粗さ(深さ)と金型の平均表面
粗さ(深さ)との比で表される(成形体シボ深さ/金型
シボ深さ=1なら完全に金型のシボが成形体に転写され
ることになる。しかし通常の射出成形では、材料の流動
特性、金型構造、成形条件によって75%〜90%とな
る。)が、前記通気性金属7を前記充填合流部Gに相当
する外金型2の内面キャビティ4側に埋設することで、
金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ深さ)
が、比較例の80数%から90%前後に向上し、充填合
流部Gにおける欠陥の発生を有効に抑えるのみならず、
金型のシボ転写性能に優れるものとなる。
を備えたエアバッグ用パッドカバー22の製造方法にお
いて、ティアライン成形用突条1A、1Bを形成した、
内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビティ4の少
なくとも一部に通気性金属7を配置した金型によってパ
ッドカバー22を射出成形するので、特殊な構造の金型
や金型動作機構を採用せずとも、射出成形時にティアラ
イン成形用突条1Aの存在により溶融樹脂6の流れが阻
害されて、溶融樹脂6内に気泡が生じようとしても、こ
れら気泡が内金型1のコア3あるいは外金型2のキャビ
ティ4の少なくとも一部に配置して設置された前記通気
性金属7によって有効に吸収されることから、従来のも
ののようなエア溜りはもとより、ガス焼けおよびウェル
ドライン等を生じる虞れが全くなくなる。その上、射出
圧力を高めても、前記通気性金属による内圧調整作用に
よってバリ等が多発することもない。さらに、一般に、
パッドカバーはステアリングホイール内や助手席インパ
ネ前面部に露出されて配置されることから、その表面に
装飾(シボ)が施される。該シボは金型のキャビティ彫
刻面から転写されることになるため、その転写率は成形
品の品質の優劣を評する指標となり、該金型のシボ転写
率は、成形体の平均表面粗さ(深さ)と金型の平均表面
粗さ(深さ)との比で表される(成形体シボ深さ/金型
シボ深さ=1なら完全に金型のシボが成形体に転写され
ることになる。しかし通常の射出成形では、材料の流動
特性、金型構造、成形条件によって75%〜90%とな
る。)が、前記通気性金属7を前記充填合流部Gに相当
する外金型2の内面キャビティ4側に埋設することで、
金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ深さ)
が、比較例の80数%から90%前後に向上し、充填合
流部Gにおける欠陥の発生を有効に抑えるのみならず、
金型のシボ転写性能に優れるものとなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【発明の効果】以上詳細に述べてきたように、本発明で
は、開裂を促進するティアラインを備えたエアバッグ用
パッドカバーの製造方法において、ティアライン成形用
突条を形成した、内金型のコアあるいは外金型のキャビ
ティの少なくとも一部に通気性金属を配置した金型によ
ってパッドカバーを射出成形するので、特殊な構造の金
型や金型動作機構を採用せずとも、射出成形時にティア
ライン成形用突条の存在により溶融樹脂の流れが阻害さ
れて、溶融樹脂内に気泡が生じようとしても、これら気
泡が内金型のコアあるいは外金型のキャビティの少なく
とも一部に配置して設置された前記通気性金属によって
有効に吸収されることから、従来のもののようなエア溜
りはもとより、ガス焼けおよびウェルドライン等を生じ
る虞れが全くなくなる。その上、射出圧力を高めても、
前記通気性金属による内圧調整作用によってバリ等が多
発することもない。さらに、前記通気性金属を前記充填
合流部に相当する外金型の内面キャビティ側に埋設する
ことで、金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ
深さ)が、比較例の80数%から90%前後に向上し、
充填合流部における欠陥の発生を有効に抑えるのみなら
ず、金型のシボ転写性能に優れるものとなる。これによ
って、均質で安定したパッドカバーを成形することがで
き、ひいては、エアバッグの作動時にパッドカバーにお
けるティアラインの開裂を安定して促進することを可能
にするものである。
は、開裂を促進するティアラインを備えたエアバッグ用
パッドカバーの製造方法において、ティアライン成形用
突条を形成した、内金型のコアあるいは外金型のキャビ
ティの少なくとも一部に通気性金属を配置した金型によ
ってパッドカバーを射出成形するので、特殊な構造の金
型や金型動作機構を採用せずとも、射出成形時にティア
ライン成形用突条の存在により溶融樹脂の流れが阻害さ
れて、溶融樹脂内に気泡が生じようとしても、これら気
泡が内金型のコアあるいは外金型のキャビティの少なく
とも一部に配置して設置された前記通気性金属によって
有効に吸収されることから、従来のもののようなエア溜
りはもとより、ガス焼けおよびウェルドライン等を生じ
る虞れが全くなくなる。その上、射出圧力を高めても、
前記通気性金属による内圧調整作用によってバリ等が多
発することもない。さらに、前記通気性金属を前記充填
合流部に相当する外金型の内面キャビティ側に埋設する
ことで、金型のシボ転写率(成形体シボ深さ/金型シボ
深さ)が、比較例の80数%から90%前後に向上し、
充填合流部における欠陥の発生を有効に抑えるのみなら
ず、金型のシボ転写性能に優れるものとなる。これによ
って、均質で安定したパッドカバーを成形することがで
き、ひいては、エアバッグの作動時にパッドカバーにお
けるティアラインの開裂を安定して促進することを可能
にするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
Claims (3)
- 【請求項1】 エアバッグ展開時にパッドカバーの開裂
を促進するティアラインを備えたエアバッグ用パッドカ
バーの製造方法において、ティアライン成形用突条を形
成した、内金型のコアあるいは外金型のキャビティの少
なくとも一部に通気性金属を配置した金型によってパッ
ドカバーを射出成形したことを特徴とするエアバッグ用
パッドカバーの製造方法。 - 【請求項2】 前記通気性金属を溶融樹脂の射出ゲート
と反対側に設けたことを特徴とする請求項1に記載のエ
アバッグ用パッドカバーの製造方法。 - 【請求項3】 前記通気性金属の平均空孔径が1μm以
上20μm以下および平均空孔率が10%以上40%以
下であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ
用パッドカバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6005002A JPH07205748A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | エアバッグ用パッドカバーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6005002A JPH07205748A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | エアバッグ用パッドカバーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07205748A true JPH07205748A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11599374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6005002A Pending JPH07205748A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | エアバッグ用パッドカバーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07205748A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007160843A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-06-28 | Kojima Press Co Ltd | 樹脂カバーの成形方法 |
-
1994
- 1994-01-21 JP JP6005002A patent/JPH07205748A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007160843A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-06-28 | Kojima Press Co Ltd | 樹脂カバーの成形方法 |
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