JPH07205189A - 射出成形方法および射出成形装置 - Google Patents

射出成形方法および射出成形装置

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JPH07205189A
JPH07205189A JP6129994A JP12999494A JPH07205189A JP H07205189 A JPH07205189 A JP H07205189A JP 6129994 A JP6129994 A JP 6129994A JP 12999494 A JP12999494 A JP 12999494A JP H07205189 A JPH07205189 A JP H07205189A
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heating
cavity unit
injection molding
filling
cavity
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Toshiharu Hatakeyama
寿治 畠山
Hisaaki Oseko
久秋 小瀬古
Akio Hirano
彰士 平野
Jun Watabe
順 渡部
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、射出成形方法および射出成形装置に
関し、光学歪が発生するのを防止して高精度な転写性を
有し、しかも生産性の高い射出成形方法および射出成形
装置を提供することを目的とする。 【構成】キャビティユニット10を順次加熱ステーション
20、充填・緩和ステーション30、徐冷ステーション40、
成形品取り出しステーション50の順に搬送し、キャビテ
ィユニット10に溶融樹脂が射出充填され、溶融樹脂の緩
和が開始されたときにキャビティユニット10を最終加熱
手段によって加熱するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形方法および射
出成形装置に関し、特にプラスチックレンズ等の光学素
子の射出成形に好適な射出成形方法および射出成形装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック成形加工の高精度化
により、成形(成型)による利点を活用した様々な射出
成形、例えば非球面レンズ(光学素子)のようなプラス
チックレンズの射出成形がなされており、これらのレン
ズにあっては、面精度および光学歪が要求精度を充分に
満たしていることが重要なポイントであり、とりわけ光
学歪みに対しては透過光光路の乱れの要因になることか
ら極力低減化を図ることが要求される。
【0003】一方、肉厚で偏肉比の大きいレンズ等の成
形においては、上述したような光学歪が発生するのを防
止して形状転写精度を高めるため、樹脂がキャビティ内
に充填完了する直前から充填樹脂が凝固するまで適当な
圧力を加え続けることが必要である。そこで、例えば特
開昭64−36421号公報に記載されるようなゲート
を封止するようにした成形方法が提案されている。
【0004】この方法では、樹脂の配向と圧力分布に起
因する樹脂圧力および樹脂温度の不均一さが生じるのを
解消するため、金型加熱により型温を樹脂のガラス転移
点以上に上昇させて射出充填を行ない、ゲートの封止を
行って樹脂の流動を止め、次いで、金型をガラス転移点
以上の温度に保って樹脂の緩和を行い、キャビティ内の
樹脂の圧力と温度を均一にし、次いで、熱変形温度以下
になるまでゆっくりと徐冷して樹脂圧力が0(kgf /c
m2)となったら成形品を取り出すようになっている。
【0005】ところが、このようなゲートを封止する成
形方法にあっては、徐冷を行なうために成形サイクルが
長くなり、生産性が低下するという不具合が発生してし
まう。 このような不具合を解消するものとして、例え
ば、特開平4−310717号公報に記載されたような
ゲートを封止する成形システムが提案されている。この
ものは、それぞれのユニットが内部にキャビティを形成
する一対の金型および該一対の金型を連結して型締め方
向の力を自己保持する自己保持機構からなる複数のキャ
ビティユニットと、キャビティユニットのゲート部に設
けられ、ゲート部を封止可能なゲート封止手段と、該キ
ャビティユニットを所定の加熱ステーション、充填・緩
和ステーション、徐冷ステーション、成形品取出しステ
ーションの順に搬送する搬送手段と、を備えている。
【0006】このものでは、樹脂のガラス転移点以上に
加熱されたキャビティユニットに射出成形機によって溶
融樹脂を充填し、このときにゲート封止手段によってそ
のキャビティユニットのゲートが封止されると、キャビ
ティユニット単独で樹脂温度および樹脂圧を自己保持、
すなわち樹脂温度および樹脂圧の均一化を図っている。
次いで、この状態を一定時間継続した後、キャビティユ
ニットを充填・緩和ステーションから徐冷ステーション
に搬送して徐冷するようになっている。
【0007】そして、キャビティユニットが徐冷される
間に他のキャビティユニット内に溶融樹脂を射出充填し
ている。このため、生産性の向上を図ることができると
ともに、樹脂温度および樹脂圧を適当に保つことができ
ることからから、光学歪等が発生するのを防止して、成
形精度を向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにゲートを封止するようにした成形システムにあっ
ては、他の成形方法に比べて光学歪等の点で有利ではあ
るが、射出時型温を一定時間保持しているだけであるの
で、肉厚で偏肉比の大きいレンズ等の成形にあっては、
光学歪等を未だ充分に防止することができなかった。
【0009】すなわち、成形品内に残留する光学歪のう
ち、スキン層(キャビティ表面に沿って形成される層)内
のものは主に流動による剪断応力の凍結によって生じ、
コア層(スキン層内の樹脂)内の光学歪は主に熱収縮によ
る熱応力によるものであるため、射出時型温を一定時間
保持しているだけではこれらの剪断応力の凍結および熱
応力を充分に除去することはできず、したがって、光学
歪等が発生するのを充分に防止することができないとい
う問題があった。
【0010】請求項1〜11記載の発明は、このような従
来の課題に鑑みてなされたものであり、光学歪が発生す
るのを防止して高精度な転写性を有する射出成形方法お
よび射出成形装置を提供することを目的とする。請求項
12〜20記載の発明は、光学歪が発生するのを防止して高
精度な転写性を有し、しかも生産性の高い射出成形方法
および射出成形装置を提供することを目的とする。
【0011】さらに、請求項21〜30記載の発明は、溶融
樹脂の充填・緩和時に、キャビティユニットを迅速、か
つ均一に昇温させることができ、光学歪が発生するのを
より一層防止してより一層高精度な転写性を有する射出
成形方法および射出成形装置を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、それぞれのユニットが内部にキャ
ビティを形成する一対の金型および該一対の金型を連結
して型締め方向の力を自己保持する自己保持機構を有す
るキャビティユニットを順次加熱する加熱工程と、加熱
後に、キャビティユニットにそのゲート部を通して溶融
樹脂を射出充填するとともに、充填後にキャビティユニ
ットのゲートを封止して溶融樹脂を緩和する充填・緩和
工程と、キャビティユニットに溶融樹脂が射出充填さ
れ、溶融樹脂の緩和が開始されたときにキャビティユニ
ットを加熱する最終加熱工程と、キャビティユニットの
加熱が終了した後、キャビティユニットを徐冷する徐冷
工程と、キャビティユニットの徐冷後にキャビティユニ
ット内で固化した成形品をキャビティユニットから取り
出す成形品取り出し工程と、からなることを特徴とする
ものである。
【0013】上記目的達成のため、請求項2記載の発明
は、請求項1記載の発明において、前記最終加熱工程で
は、充填・緩和工程でキャビティユニットに充填された
溶融樹脂の緩和が終了するまで加熱昇温を行なうことを
特徴とするものである。上記目的達成のため、請求項3
記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、
前記加熱工程では、射出時の金型温度が樹脂のガラス転
移点以上になるようにキャビティユニットを加熱するこ
とを特徴とするものである。
【0014】上記目的達成のため、請求項4記載の発明
は、請求項1記載の発明において、前記加熱工程では、
射出時の金型温度が樹脂のガラス転移点以下になるよう
にキャビティユニットを加熱し、前記最終加熱工程で
は、充填・緩和工程でキャビティに充填された溶融樹脂
の緩和が終了したときの金型温度が樹脂のガラス転移点
以上になるまで加熱昇温を行なうことを特徴とするもの
である。
【0015】上記目的達成のため、請求項5記載の発明
は、それぞれのユニットが内部にキャビティを形成する
一対の金型および該一対の金型を連結して型締め方向の
力を自己保持する自己保持機構からなる複数のキャビテ
ィユニットと、該キャビティユニットを所定の加熱ステ
ーション、充填・緩和ステーション、徐冷ステーショ
ン、成形品取出しステーションの順に搬送する搬送手段
と、加熱ステーションに設けられ、キャビティユニット
を所定温度に加熱する加熱手段と、充填・緩和ステーシ
ョンに設けられ、加熱手段によって加熱されたキャビテ
ィユニットにそのゲート部を通して溶融樹脂を射出充填
する射出充填手段と、各キャビティユニットのゲート部
に設けられ、ゲート部を封止可能なゲート封止手段と、
該射出充填手段に設けられ、キャビティユニットを所定
温度以上に加熱する最終加熱手段と、徐冷ステーション
に設けられ、キャビティユニットを徐冷する冷却手段
と、成形品取出しステーションに設けられ、キャビティ
ユニット内で固化した成形品をキャビティユニットから
取り出す成形品取り出し手段と、を備えたことを特徴と
するものである。
【0016】上記目的達成のため、請求項6記載の発明
は、請求項5記載の発明において、前記射出充填手段が
射出成形機からなり、射出成形機のダイプレートに前記
最終加熱手段が設けられることを特徴とするものであ
る。上記目的達成のため、請求項7記載の発明は、請求
項6記載の発明において、前記最終加熱手段がダイプレ
ートに複数個設けられることを特徴とするものである。
【0017】上記目的達成のため、請求項8記載の発明
は、請求項6または7記載の発明において、前記最終加
熱手段が、ダイプレート中を流通する油からなることを
特徴とするものである。上記目的達成のため、請求項9
記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、
前記最終加熱手段が抵抗加熱ヒータからなることを特徴
とするものである。
【0018】上記目的達成のため、請求項10記載の発明
は、請求項6または7記載の発明において、前記最終加
熱手段が高周波誘導加熱機構からなることを特徴とする
ものである。上記目的達成のため、請求項11記載の発明
は、請求項5〜10何れかに記載の発明において、前記充
填・緩和ステーション手前の搬送手段に加熱ステージを
設けたことを特徴とするものである。
【0019】上記目的達成のため、請求項12記載の発明
は、それぞれのユニットが内部にキャビティを形成する
一対の金型および該一対の金型を連結して型締め方向の
力を自己保持する自己保持機構からなる複数のキャビテ
ィユニットと、該キャビティユニットを充填・緩和ステ
ーション、徐冷ステーション、成形品取出しステーショ
ンの順に搬送する搬送手段と、充填・緩和ステーション
に設けられ、キャビティユニットにそのゲート部を通し
て溶融樹脂を射出充填する射出充填手段と、各キャビテ
ィユニットのゲート部に設けられ、ゲート部を封止可能
なゲート封止手段と、ゲート封止手段によってゲートが
封止された後に、キャビティユニットを所定温度に加熱
する加熱手段と、徐冷ステーションに設けられ、キャビ
ティユニットを徐冷する冷却手段と、成形品取出しステ
ーションに設けられ、キャビティユニット内で固化した
成形品をキャビティユニットから取り出す成形品取り出
し手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0020】上記目的達成のため、請求項13記載の発明
は、請求項12記載の発明において、前記射出充填手段が
射出成形機からなり、該射出成形機のダイプレートに前
記加熱手段が設けられることを特徴とするものである。
上記目的達成のため、請求項14記載の発明は、請求項13
記載の発明において、前記加熱手段がダイプレートに複
数個設けられることを特徴とするものである。
【0021】上記目的達成のため、請求項15記載の発明
は、請求項12記載の発明において、前記加熱手段が充填
・緩和ステーションおよび徐冷ステーションの間の搬送
手段上にも設けられることを特徴とするものである。上
記目的達成のため、請求項16記載の発明は、請求項13記
載の発明において、前記加熱手段が、ダイプレート中を
流通する油からなることを特徴とするものである。
【0022】上記目的達成のため、請求項17記載の発明
は、請求項13記載の発明において、前記加熱手段が抵抗
加熱ヒータからなることを特徴とするものである。上記
目的達成のため、請求項18記載の発明は、請求項13記載
の発明において、前記加熱手段が高周波誘導加熱機構か
らなることを特徴とするものである。上記目的達成のた
め、請求項19記載の発明は、請求項12記載の射出成形装
置を用いた射出成形方法であって、充填・緩和ステーシ
ョンでの射出時の金型温度を成形品取出し温度と同等に
設定した後、溶融樹脂の射出充填後、加熱手段で金型温
度を樹脂のガラス転移点以上まで加熱することを特徴と
するものである。
【0023】上記目的達成のため、請求項20記載の発明
は、請求項15記載の射出成形装置を用いた射出成形方法
であって、充填・緩和ステーションでの射出時の金型温
度を成形品取出し温度と同等に設定した後、溶融樹脂の
射出充填後、射出成形機に設けられた加熱手段と充填・
緩和ステーションおよび徐冷ステーションの間の搬送手
段上に設けられた加熱手段とで金型温度を樹脂のガラス
転移点以上まで加熱することを特徴とするものである。
【0024】上記目的達成のため、請求項21記載の発明
は、それぞれのユニットが内部にキャビティを形成する
一対の金型および該一対の金型を連結して型締め方向の
力を自己保持する自己保持機構を有するキャビティユニ
ットを順次加熱する加熱工程と、加熱後に、キャビティ
ユニットにそのゲート部を通して溶融樹脂を射出充填す
るとともに、充填後にキャビティユニットのゲートを封
止して溶融樹脂を緩和する充填・緩和工程と、キャビテ
ィユニットに溶融樹脂が射出充填され、溶融樹脂の緩和
が開始されたときにキャビティユニットを加熱する最終
加熱工程と、キャビティユニットの加熱が終了した後、
キャビティユニットを徐冷する徐冷工程と、キャビティ
ユニットの徐冷後にキャビティユニット内で固化した成
形品をキャビティユニットから取り出す成形品取り出し
工程と、からなり、前記最終加熱工程では型締め方向の
2方向と型締め方向と直交する2方向からキャビティユ
ニットを加熱することを特徴とするものである。
【0025】上記目的達成のため、請求項22記載の発明
は、請求項21記載の発明において、前記加熱工程では、
金型の温度を所定の低温度に加熱するとともに、前記最
終加熱工程では、金型温度を所定温度よりも高い樹脂の
ガラス転移点以上まで加熱することを特徴とするもので
ある。上記目的達成のため、請求項23記載の発明は、そ
れぞれのユニットが内部にキャビティを形成する一対の
金型および該一対の金型を連結して型締め方向の力を自
己保持する自己保持機構からなる複数のキャビティユニ
ットと、該キャビティユニットを所定の加熱ステーショ
ン、充填・緩和ステーション、徐冷ステーション、成形
品取出しステーションの順に搬送する搬送手段と、加熱
ステーションに設けられ、キャビティユニットを所定温
度に加熱する加熱手段と、充填・緩和ステーションに設
けられ、加熱手段によって加熱されたキャビティユニッ
トにそのゲート部を通して溶融樹脂を射出充填する射出
充填手段と、各キャビティユニットのゲート部に設けら
れ、ゲート部を封止可能なゲート封止手段と、射出充填
手段に設けられ、キャビティユニットをガラス転移点以
上に加熱する最終加熱手段と、徐冷ステーションに設け
られ、キャビティユニットを徐冷する冷却手段と、成形
品取出しステーションに設けられ、キャビティユニット
内で固化した成形品をキャビティユニットから取り出す
成形品取り出し手段と、を備え、前記最終加熱手段は、
キャビティユニットの型締め方向の2方向と型締め方向
と直交する2方向でキャビティユニットに当接して該キ
ャビティユニットを加熱する複数の加熱部材を有するこ
とを特徴とするものである。
【0026】上記目的達成のため、請求項24記載の発明
は、請求項23記載の発明において、前記射出充填手段が
射出成形機からなり、キャビティユニットの型締め方向
に設けられた射出成形機のダイプレートおよびキャビテ
ィユニットの型締め方向と直交する方向に設けられた横
型締め機構に前記加熱部材が設けられたことを特徴とす
るものである。
【0027】上記目的達成のため、請求項25記載の発明
は、請求項24記載の発明において、前記加熱部材がダイ
プレートおよび横型締め機構にそれぞれ複数個設けられ
ることを特徴とするものである。上記目的達成のため、
請求項26記載の発明は、請求項24または25記載の発明に
おいて、前記加熱部材がダイプレートおよび横型締め機
構に埋設された抵抗加熱ヒータからなることを特徴とす
るものである。
【0028】上記目的達成のため、請求項27記載の発明
は、請求項24または25記載の発明において、前記加熱部
材がダイプレートおよび横型締め機構に埋設された高周
波誘導加熱機構からなることを特徴とするものである。
上記目的達成のため、請求項28記載の発明は、請求項24
または25記載の発明において、前記加熱部材がダイプレ
ート内および横型締め機構内に流通する油からなること
を特徴とするものである。
【0029】上記目的達成のため、請求項29記載の発明
は、請求項23〜29何れかに記載の発明において、前記ダ
イプレートには温風機構が設けられ、該温風機構は、キ
ャビティユニットに当接する面以外のダイプレート領域
に設けられ、キャビティユニットの型締め方向および型
締め方向と直交する2方向以外の方向からキャビティユ
ニットを加熱することを特徴とするものである。
【0030】上記目的達成のため、請求項30記載の発明
は、請求項29記載の発明において、前記温風機構が温風
の温度を可変可能であることを特徴とするものである。
【0031】
【作用】請求項1記載の発明では、所定温度に加熱され
たキャビティユニットに溶融樹脂が射出充填され、溶融
樹脂の緩和が開始されるとキャビティユニットの加熱が
開始される。このため、溶融樹脂の流動性が保持され、
射出充填時に生じた剪断応力および熱収縮が緩和され
る。この結果、光学歪の極めて少ない高精度な転写性を
有する成形品が得られる。
【0032】請求項2記載の発明では、最終加熱工程で
は、充填・緩和工程でキャビティに充填された溶融樹脂
の緩和が終了するまで加熱昇温が行なわれる。したがっ
て、溶融樹脂の流動性が確実に保持され、射出充填時に
生じた剪断応力および熱収縮が確実に緩和される。した
がって、光学歪のより一層少ない高精度な転写性を有す
る成形品が得られる。
【0033】請求項3記載の発明では、加熱工程では、
射出時の金型温度が樹脂のガラス転移点以上になるよう
にキャビティユニットが加熱される。したがって、溶融
樹脂の流動性が確実に保持され、射出充填時に生じた剪
断応力および熱収縮が確実に緩和される。したがって、
光学歪のより一層少ない高精度な転写性を有する成形品
が得られる。
【0034】請求項4記載の発明では、加熱工程では、
射出時の金型温度が樹脂のガラス転移点以下になるよう
にキャビティユニットが加熱され、最終加熱工程では、
充填・緩和工程でキャビティに充填された溶融樹脂の緩
和が終了したときの金型温度が樹脂のガラス転移点以上
になるまで加熱昇温が行なわれる。したがって、射出時
の金型温度が低温となるので、成形品にばりが発生する
のを防止しつつ、光学歪のより少ない高精度な転写性を
有する成形品が得られる。
【0035】請求項5記載の発明では、所定温度に加熱
されたキャビティユニットに充填手段によって溶融樹脂
が充填され、ゲート封止手段によってゲートが封止され
る。そして、この状態で溶融樹脂の緩和が開始されると
最終加熱手段によってキャビティユニットの加熱が開始
される。この結果、溶融樹脂の流動性が保持され、射出
充填時に生じた剪断応力および熱収縮が緩和される。こ
の結果、光学歪の極めて少ない高精度な転写性を有する
成形品が得られる。
【0036】請求項6記載の発明では、射出充填手段が
射出成形機からなり、該射出成形機のダイプレートに最
終加熱手段が設けられる。したがって、迅速な昇温が可
能になり、複数のキャビティユニットを温度調節部材の
ない低コストで簡単なものにすることができる。請求項
7記載の発明では、最終加熱手段がダイプレートに複数
個設けられるので、キャビティユニットの加熱時間が短
縮され、短時間で光学歪の極めて少ない高精度な転写性
を有する成形品が得られる。この結果、成形サイクルが
短縮され、成形品の生産性が向上する。
【0037】請求項8記載の発明では、最終加熱手段が
ダイプレート中を流通する油から構成されるので、ダイ
プレートに錆が発生するのを防止してダイプレートを長
期に亘って使用することができる。請求項9記載の発明
では、最終加熱手段が抵抗加熱ヒータから構成されるの
で、キャビティユニットの加熱時間が短縮され、短時間
で光学歪の極めて少ない高精度な転写性を有する成形品
が得られる。この結果、成形サイクルが短縮され、成形
品の生産性が向上する。
【0038】請求項10記載の発明では、最終加熱手段が
高周波誘導加熱機構から構成されるので、キャビティユ
ニットの加熱時間が短縮され、短時間で光学歪の極めて
少ない高精度な転写性を有する成形品が得られる。この
結果、成形サイクルが短縮され、成形品の生産性が向上
する。請求項11記載の発明では、充填・緩和ステーショ
ン手前の搬送手段に加熱ステージが設けられるので、先
行するキャビティユニットが充填・緩和ステーションで
加熱されている間に、加熱ステーションから搬出された
後続のキャビティユニットが充填・緩和ステーション直
前で加熱された状態で待機される。このため、後続する
キャビティユニットの温度が低下することがなく、充填
・緩和ステーションで該キャビティユニットを再加熱す
る必要がなく、キャビティユニットの昇温時間が短縮さ
れ、成形品の成形サイクルが短くなる。
【0039】請求項12記載の発明では、キャビティユニ
ットに充填手段によって溶融樹脂の充填が開始されると
キャビティユニットの加熱が開始される。そして、ゲー
ト封止手段によってゲートが封止されると、溶融樹脂の
緩和が開始される。そして、このとき、加熱手段によっ
てキャビティユニットが加熱されるので、溶融樹脂の流
動性が保持され、射出充填時に生じた剪断応力および熱
収縮が緩和される。このため、光学歪の極めて少ない高
精度な転写性を有する成形品が得られる。
【0040】また、溶融樹脂の充填を開始してからキャ
ビティユニットを加熱しているので、充填・緩和ステー
ションが加熱ステーションを兼用することになり、独立
した加熱ステーションが不要になる。この結果、前加熱
工程が不要になり、成形品の成形サイクルが大幅に短く
なり、成形品の生産性が大幅に向上する。請求項13記載
の発明では、射出充填手段が射出成形機からなり、該射
出成形機のダイプレートに加熱手段が設けられるので、
迅速でな昇温が可能になり、複数のキャビティユニット
を温度調節部材のない低コストで簡単なものにすること
ができる。
【0041】請求項14記載の発明では、加熱手段がダイ
プレートに複数個設けられるので、キャビティユニット
の加熱時間が短縮され、短時間で光学歪の極めて少ない
高精度な転写性を有する成形品が得られる。この結果、
成形サイクルが短縮され、成形品の生産性が向上する。
請求項15記載の発明では、加熱手段が充填・緩和ステー
ションおよび徐冷ステーションの間の搬送手段上にも設
けられる。したがって、射出充填手段での加熱が充分で
ない場合に搬送手段上での加熱を行なうことにより、キ
ャビティユニットの加熱が確実に行なわれ、溶融樹脂の
流動性が確実に保持され、射出充填時に生じた剪断応力
および熱収縮が確実に緩和される。このため、光学歪の
極めて少ない高精度な転写性を有する成形品が得られる
請求項16記載の発明では、加熱手段がダイプレート中を
流通する油から構成されるので、ダイプレートに錆が発
生するのを防止してダイプレートを長期に亘って使用す
ることができる。
【0042】請求項17記載の発明では、加熱手段が抵抗
加熱ヒータから構成されるので、キャビティユニットの
加熱時間が短縮され、短時間で光学歪の極めて少ない高
精度な転写性を有する成形品が得られる。この結果、成
形サイクルが短縮され、成形品の生産性が向上する。請
求項18記載の発明では、加熱手段が高周波誘導加熱機構
から構成されるので、キャビティユニットの加熱時間が
短縮され、短時間で光学歪の極めて少ない高精度な転写
性を有する成形品が得られる。この結果、成形サイクル
が短縮され、成形品の生産性が向上する。
【0043】請求項19記載の発明では、充填・緩和ステ
ーションでの射出時の金型温度が成形品取出し温度と同
等に設定された後、溶融樹脂の射出充填後、加熱手段で
金型温度が樹脂のガラス転移点以上まで加熱される。し
たがって、ばりが発生するのを防止しつつ、溶融樹脂の
流動性が保持され、射出充填時に生じた剪断応力および
熱収縮が緩和される。このため、光学歪の極めて少ない
高精度な転写性を有する成形品が得られる。
【0044】請求項20記載の発明では、充填・緩和ステ
ーションでの射出時の金型温度が成形品取出し温度と同
等に設定された後、溶融樹脂の射出充填後、射出成形機
に設けられた加熱手段と充填・緩和ステーションおよび
徐冷ステーションの間の搬送手段上に設けられた加熱手
段とで金型温度が樹脂のガラス転移点以上まで加熱され
る。したがって、ばりが発生するのを防止しつつ、溶融
樹脂の流動性が保持され、射出充填時に生じた剪断応力
および熱収縮が緩和される。このため、光学歪の極めて
少ない高精度な転写性を有する成形品が得られる。
【0045】また、充填・緩和ステーションでの加熱で
は昇温が充分でない場合に搬送手段上での加熱を行なう
ことにより、キャビティユニットの加熱が確実に行なわ
れ、溶融樹脂の流動性が確実に保持され、射出充填時に
生じた剪断応力および熱収縮が確実に緩和される。この
ため、光学歪の極めて少ない高精度な転写性を有する成
形品が得られる請求項21記載の発明では、所定温度に加
熱されたキャビティユニットに溶融樹脂が射出充填さ
れ、溶融樹脂の緩和が開始されたときにキャビティユニ
ットが加熱される。そして、この加熱に際して、キャビ
ティユニットの型締め方向の2方向(例えば上下方向)と
型締め方向と直交する2方向からキャビティユニットが
加熱される。
【0046】したがって、キャビティユニットが速やか
に加熱されるとともに、キャビティユニットの温度分布
が均一化されつつ、溶融樹脂の流動性が保持される。こ
の結果、射出充填時に生じた剪断応力および熱収縮がよ
り一層緩和され、光学歪の極めて少ないより一層高精度
な転写性を有する成形品が得られる。請求項22記載の発
明では、加熱工程では、金型の温度を所定が低温度に加
熱されるとともに、最終加熱工程では、金型温度が所定
温度よりも高い樹脂のガラス転移点以上まで加熱され
る。したがって、成形品にばりが発生することがなく、
光学歪の極めて少ないより一層高精度な転写性を有する
成形品が得られる。
【0047】請求項23記載の発明では、所定温度に加熱
されたキャビティユニットに射出充填手段によって溶融
樹脂が射出充填され、ゲート封止手段によってゲートが
封止される。そして、この状態で溶融樹脂の緩和が開始
されると、キャビティユニットの型締め方向の2方向
(例えば上下方向)と型締め方向と直交する2方向でキャ
ビティユニットに当接する加熱部材によってキャビティ
ユニットが加熱される。
【0048】したがって、キャビティユニットが速やか
に加熱されるとともに、キャビティの温度分布が均一化
されつつ、溶融樹脂の流動性が保持される。この結果、
射出充填時に生じた剪断応力および熱収縮がより一層緩
和され、光学歪の極めて少ないより一層高精度な転写性
を有する成形品が得られる。請求項24記載の発明では、
射出充填手段が射出成形機からなり、キャビティユニッ
トの型締め方向に設けられた射出成形機のダイプレート
およびキャビティユニットの型締め方向と直交する方向
に設けられた横型締め機構に加熱部材が設けられる。し
たがって、複数のキャビティユニットのそれぞれに温度
調整部材を設ける必要がなく、キャビティユニットの製
造コストが低減される。
【0049】請求項25記載の発明では、加熱部材がダイ
プレートおよび横型締め機構にそれぞれ複数個設けられ
る。したがって、キャビティユニットの加熱時間が大幅
に短縮され、成形品の成形サイクルが短縮される。この
結果、成形品の生産性が向上する。請求項26記載の発明
では、加熱部材がダイプレートおよび横型締め機構に埋
設された抵抗加熱ヒータから構成される。したがって、
キャビティユニットの加熱時間が大幅に短縮され、成形
品の成形サイクルが短縮される。この結果、成形品の生
産性が向上する。
【0050】請求項27記載の発明では、加熱部材がダイ
プレートおよび横型締め機構に埋設された高周波誘導加
熱機構から構成される。したがって、キャビティユニッ
トの加熱時間が大幅に短縮され、成形品の成形サイクル
が短縮される。この結果、成形品の生産性が向上する。
請求項28記載の発明では、加熱部材がダイプレート内お
よび横型締め機構内に流通する油から構成される。した
がって、ダイプレートおよび横型締め機構に錆が発生す
るのを防止してダイプレートおよび横型締め機構を長期
に亘って使用することができる。
【0051】請求項29記載の発明では、ダイプレートに
温風機構が設けられ、該温風機構は、キャビティユニッ
トに当接する面以外のダイプレート領域に設けられ、キ
ャビティユニットの型締め方向と型締め方向と直交する
2方向以外の方向からキャビティユニットが加熱される
ようになっている。したがって、加熱部材が設けられて
いないキャビティユニットの表面からも該キャビティユ
ニットが加熱され、キャビティユニットをより一層短時
間で加熱することができるとともに、キャビティユニッ
トの温度分布をより一層均一化しつつ、溶融樹脂の流動
性を保持することができる。この結果、射出充填時に生
じた剪断応力および熱収縮をより一層緩和することがで
き、光学歪の極めて少ないより一層高精度な転写性を有
する成形品を得ることができる。
【0052】請求項30記載の発明では、温風機構が温風
の温度を可変させることができるので、キャビティユニ
ットの加熱温度の調整を容易に行なうことができ、キャ
ビティユニットの加熱時間の調整を容易に行なうことが
できる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図11は請求項1〜11記載の発明に係る射出
成形方法および該射出成形方法を達成するための射出成
形装置の一実施例を示す図であり、本発明を光学素子で
あるレンズの成形に適用した例を示している。
【0054】まず、その構成について説明する。図1〜
図3において、10は複数のキャビティユニットであり、
キャビティユニット10はそれぞれ、内部に所定形状のキ
ャビティ10aを形成する上下一対の金型11、12からな
る。上下の金型11、12は、レンズ鏡面駒11a、12a、ゲ
ート駒11b、12bおよび入駒11c、12cと、これを取り
付けるための2つの型板部11d、11eおよび12d、12e
とに分割されており、これらにより短冊状のキャビティ
10aが形成される。
【0055】さらに、上下金型11、12のレンズ鏡面駒11
a、12aの転写面の周辺部には図示しない溝状凹部が形
成されており、キャビティ10aの稜線部分で複数のリブ
が成形されるようになっている。これら複数のキャビテ
ィユニット10は、チェーン等の搬送手段90によって搬送
され、所定の加熱ステーション20で加熱された後、充填
・緩和ステーション30に送られ、この充填・緩和ステー
ション30でキャビティ10a内に溶融樹脂を射出充填され
てゲート封止されるとともにその温度および及び圧力を
緩和され、次いで徐冷ステーション40に搬送されて熱変
形温度以下まで徐冷され、成形品取出しステーション50
で成形品取出しのために型開きされる。
【0056】加熱ステーション20は、キャビティユニッ
ト10を均一な熱により迅速に加熱する場所であり、その
加熱手段として複数の型加熱装置21A、21B、21Cを具
備している。図4、図5に示すように、型加熱装置21A
〜21Cのそれぞれは、熱伝導率の良い銅材(熱伝導率3
32kcal/mh℃)を用いた一対のL字型のヒータ
ーブロック22、23と、それぞれのヒーターブロック22、
23に埋設された複数組の棒状ヒーター24および熱電対25
と、下側のヒーターブロック22と共に基板27の上に立設
固定された一般的クランプ方式の締め付け手段26と、複
数のボルト28A、28Bにより上側のヒーターブロック23
に連結されたヒーターブロック押え29と、を有してい
る。
【0057】そして、締め付け手段26のテンションレバ
ー部262を回動操作することにより、ヒーターブロック2
2、23の間の空間に挿入されていたキャビティユニット1
0がクランプされ、或はそのクランプ状態を解かれる。
また、図示しないヒーターコントローラが熱電対25と協
働して棒状ヒーター24の発熱量管理を行なうようになっ
ている。なお、両図において、261は締め付け手段26の
スタンド部、263はテンションレバー部262とヒーターブ
ロック押え29の間に介装された押え付けプレート、29
1、292、293および271は断熱板、231、232はヒーターブ
ロック23に取付けられたヒーターブロック22、23の間の
相対的な回転止めである。
【0058】前記締め付け手段26は、キャビティユニッ
ト10への加熱とその昇温時間を短縮させるためのもので
ある。すなわち、ヒーターブロック22、23の密着度によ
って加熱・昇温時間が著しく異なり、締め付け手段26に
よる強力な締付け力を発生させつつ加熱することにより
キャビティユニット10の昇温時間を短縮することができ
る。
【0059】また、本実施例における加熱の方法は、例
えば第1加熱ステージである型加熱装置21Aを目標温度
(射出時温度)よりやや高目に設定して、その後の第
2、第3加熱ステージである型加熱装置21B、21Cで段
階的にキャビティユニット1を均熱加熱させるステップ
加熱方式を採用した。また、ヒーターブロック22、23の
形状は必ずしもL字形である必要はなく、4方向からの
それぞれ加熱(4面加熱)してもよく、ヒーターブロッ
ク22、23の材質も前述の銅材に代えて例えば熱伝導の良
いアルミニウム材を用いることができる。さらに、締め
付け手段26の締め付け方式も油圧や空気圧をはじめとす
る何等かの動力により十分な締付け力を得るようにする
ことができる。
【0060】また、本実施例では、充填・緩和ステーシ
ョン30の手前側の搬送手段90上に加熱ステージ80が設け
られており、この加熱ステージ80も上述した型加熱装置
80Aが設けられており、この加熱装置80Aはキャビティ
ユニット10を目標温度に保温するためのものである。充
填・緩和ステーション30においては、キャビティユニッ
ト10のキャビティ10a内に高圧で樹脂を射出充填し、図
6(a)(b)に示すようなボール状の移動弁体13(ゲ
ート封止手段)によってキャビティユニット10のゲート
の封止を行い、充填後の樹脂温度および圧力の偏在を緩
和するようになっている。また、その射出・充填作業
は、公知の射出成形機60(射出充填手段)によって、例
えば1000kgf /cm2 以上の高圧で行われるようにな
っている。この射出成形機60のダイプレート61、62に
は、図7に示すように、複数の抵抗加熱ヒータ63、64
(最終加熱手段)が埋設され、かつ、ダイプレート62には
キャビティユニット10を所定位置に位置決めするための
金型位置決め治具65、66が取付けられている。
【0061】また、本実施例の充填・緩和ステーション
30では、図7に示すように、油圧シリンダ71aおよび当
接部材71bからなる押圧機構71により、型締め方向と直
交する方向にもキャビティユニット10を締め付け、小型
であるために比較的低剛性なキャビティユニット10が射
出充填時にこの直交方向へ開くような変形を生じないよ
うにしている。このような変形が生じると、キャビティ
ユニット10を構成するレンズ鏡面駒11a、12aと金型本
体部で型板部11e、11d、12d、12eとの間に隙間が生
じてバリが発生し、酷い場合にはレンズ鏡面駒11a、12
aの変形が生じてしまうからである。
【0062】一方、キャビティユニット10には、自己保
持機構15が設けられており、自己保持機構15によって所
定の型締力を保持できるようになっている。具体的に
は、図2、図3示すように、自己保持機構15は、キャビ
ティユニット10の上下金型11、12を型締方向に締め付け
て連結する複数(4本)の自己保持ボルト16をキャビテ
ィ10aの近傍に有しており、この自己保持ボルト16は金
型11を貫通して金型12にねじ結合している。この自己保
持機構15の採用により、射出成形機60による充填・緩和
後にキャビティユニット10のゲート部10bを移動弁体13
によりゲートを封止し、一定時間保持後に射出成形機60
を開放し、キャビティユニット10を単独で徐冷するとと
もに射出成形機60によらない所定の保圧状態を保つこと
ができるようにしている。なお、図2、図3において、
14a、14bは、上下金型11、12の相対的位置決めのため
の位置決めピンである。
【0063】徐冷ステーション40は、射出成形機60の開
放によってその機外に取り出されたキャビティユニット
10を熱変形温度以下(凝固する温度)まで5℃/分以下
の冷却速度で徐々に空冷する空気式徐冷装置41を有して
おり、この空気式徐冷装置41は、図8に示すように、金
型搬送部42上に設置された強制排気用ダクト43からなっ
ている。この金型搬送部42は、搬送手段90の一部を構成
しており、一定速度で設定カウント数だけ進み、或は設
定停止時間だけ停止するようになっている。また、成形
1サイクルの時間=金型搬送部42の移動時間+停止時間
となるよう設定されている。強制排気用ダクト43は、カ
バーで覆われた内部に空気の流れを起こし、金型をより
速く冷却する目的で設けられ、ダクト全体の空気の流れ
は、排気用ダクト43の吸い込み風量を風量目盛等で調整
できる。また、キャビティユニット10の徐冷レート(冷
却速度)を変化させることができるように、装置の4箇
所に遮蔽板44を設け、その向きを変化させることによ
り、風量を調整できるようになっている。
【0064】成形品取出しステーション50は、徐冷ステ
ーション40で成形品取出し温度まで徐冷されたキャビテ
ィユニット10に対し、図9に示すような公知のナットラ
ンナー(自動締付け工具)51によって、その自己保持機
構15の複数の自己保持ボルト16を緩めた後、同図に示す
型開閉装置52によって上下金型11、12を型開きするよう
になっている。この型開閉装置52は、複数のガイドポス
ト53(1つのみ図示している)に昇降可能に取付けられ
た昇降板54と、その昇降板54の下方に固設された固定板
55と、昇降板54に取付けられ、キャビティユニット10の
周辺部に形成された溝部10dに係合するオートクランプ
式(例えば空気圧シリンダを利用した自動式)の金型ク
ランプ56と、固定板55に取付けられた金型クランプ57
と、図示しない昇降駆動源と、を具備している。また、
キャビティユニット10はエジェクト機構を備えていない
ため、成形品の取り出しは所謂つかみ出し方式の取出し
装置(図示していない)にて行なう。なお、成形品を取
り出したキャビティユニット10は、ナットランナー51に
よって自己保持ボルト16を締め付けられ、再び型閉じお
よび型締めされる。
【0065】次に、作用を説明する。まず、本実施例で
は、予めキャビティユニット10の上下金型11、12の間
に、例えば下金型12のゲート部形成溝に移動弁体13が投
入され、成形品取出しステーション50の型開閉装置52に
よって自己保持ボルト16が締め付けられ、キャビティユ
ニット10が型閉じおよび型締めされる。
【0066】このキャビティユニット10は、加熱ステー
ション20にて図10の実線で示すようにガラス転移点T1
以下の温度Tbに均熱加熱された後、充填・緩和ステー
ション30に搬送される。なお、このときに、充填・緩和
ステーション30で先行するキャビティユニット10が作業
を行なっている場合には、後続する本キャビティユニッ
ト10を加熱ステージ80で待機させ、上記目標温度で保温
する。
【0067】充填・緩和ステーション30に搬送される
と、射出成形機60にセット(クランプ)され、この射出
成形機60からの型締め力を受ける。また、この型締めと
共に、押圧機構71によってキャビティユニット10が型締
め方向と直交する方向にも締め付けられ、この状態で、
キャビティユニット10内のキャビティに溶融樹脂が射出
充填される。そして、この射出の完了時にキャビティ10
a側の射出樹脂圧を受けた移動弁体13によってゲートが
封止されると、抵抗加熱ヒータ63、64によりキャビティ
ユニット10をガラス転移点T1以上の温度まで加熱し、
キャビティユニット10内の樹脂の圧力・温度の偏在を緩
和する。そして、樹脂の圧力・温度の偏在が緩和される
と、抵抗加熱ヒータ63、64の作動を停止する。
【0068】次いで、射出成形機60によるキャビティユ
ニット10の型締めが解かれ、射出成形機60の開放および
押圧機構71のクランプ解除によってキャビティユニット
10が射出成形機60の機外に取り出されると、そのキャビ
ティユニット10が徐冷ステーション40に送られて単独で
徐冷される。このとき、徐冷されるキャビティユニット
10は、自己保持ボルト16によって締付けられているか
ら、所定の型締め力を自己保持することができ、射出成
形機60の保圧によらないでも望ましい保圧状態が得られ
る。したがって、キャビティユニット10の上下金型11、
12に形成された転写面形状(キャビティ10aを形成する
面)が高精度に転写されるとともに、不必要なバリが発
生することもない。
【0069】キャビティユニット10の徐冷によってその
内部の樹脂が凝固し(熱変形温度T2まで冷却され)、
キャビティユニット10が成形品取出しステーション50ま
で搬送されると、ナットランナー51によって自己保持ボ
ルト16が緩められ、キャビティユニット10の型開きが行
われる。そして、凝固した成形品がキャビティユニット
10から前記つかみ出し方式の取り出し装置で取り出され
る。以下、上記一連の工程(図10の実線b参照)を1サイ
クルとして連続的な成形加工が行われる。
【0070】このように本実施例においては、ガラス転
移点T1以下の温度Tbに加熱されたキャビティユニット
10に射出成形機60によって溶融樹脂が充填され、移動弁
体13によってゲートが封止される。そして、この状態で
溶融樹脂の緩和が開始されると、抵抗加熱ヒータ63、64
によってキャビティユニット10の加熱を開始しているた
め、溶融樹脂の流動性を保持することができ、射出充填
時に生じた剪断応力および熱収縮を緩和することができ
る。このため、光学歪の極めて少ない高精度な転写性を
有する成形品を得ることができる。
【0071】また、型加熱装置21A〜21Cにより射出時
の金型温度がガラス転移点T1以下になるようにキャビ
ティユニット10を加熱し、抵抗加熱ヒータ63、64によ
り、充填・緩和工程でキャビティ10aに充填された溶融
樹脂の緩和が終了するまで加熱昇温を行なっているの
で、成形品にばりが発生するの防止しつつ上述した溶融
樹脂の流動性を確実に保持することができ、射出充填時
に生じた剪断応力および熱収縮を確実に緩和して光学歪
のより一層少ない高精度な転写性を有する成形品を得る
ことができる。
【0072】また、射出成形機のダイプレート61、62に
抵抗加熱ヒータ63、64を設けているため、迅速でな昇温
を可能にすることができ、複数のキャビティユニット10
を温度調節部材のない低コストで簡単なものにすること
ができる。また、加熱手段として抵抗加熱ヒータ63、64
を使用し、しかもこの抵抗加熱ヒータ63、64をダイプレ
ート61、62に複数個設けているので、キャビティユニッ
ト10の加熱時間を短縮することができ、短時間で光学歪
の極めて少ない高精度な転写性を有する成形品を得るこ
とができる。この結果、成形サイクルを短縮して、成形
品の生産性を向上させることができる。
【0073】また、充填・緩和ステーション30手前の搬
送手段90に加熱ステージ80を設けているので、先行する
キャビティユニット10が充填・緩和ステーション30で加
熱されている間に、加熱ステーション20から搬出された
後続のキャビティユニット10を充填・緩和ステーション
30直前で加熱された状態で待機させることができる。こ
のため、後続するキャビティユニット10の温度が低下す
るのを防止すことができ、充填・緩和ステーションで該
キャビティユニット10を再加熱するのを不要にすること
ができ、キャビティユニット10の昇温時間を短縮して、
成形品の成形サイクルを短くすることができる。
【0074】なお、本実施例では、射出時の金型温度が
ガラス転移点T1以下になるようにキャビティユニット1
0を加熱し、充填・緩和工程でキャビティ10aに充填さ
れた溶融樹脂の緩和が終了したときの金型温度が樹脂ガ
ラス転移点T1以上になるまで加熱昇温しているが、こ
れに限らず、射出時の金型温度がガラス転移点T1以上
になるようにキャビティユニット10を加熱し、この後に
キャビティユニット10をTaまで加熱しても良い(図10の
二点鎖線(c)参照)。なお、図10では、比較のため、点
線(a)で示すように従来の成形方法の充填・緩和時の状
態を示す。従来のものは点線から明らかに溶融樹脂の緩
和時にキャビティユニットの温度を一定に保持してい
る。
【0075】この図10に示す成形方法によって、成形品
の光学歪の発生状態を示したものを図11に示す。図11で
は、破線(a)で示す従来例と、実線(b)および二点鎖線
(c)で示す実施例と比較を示したものである。この図11
から明らかなように、抵抗加熱ヒータ63、64によってキ
ャビティユニット10を加熱すると、光学歪の極めて少な
い高精度な転写性を有する成形品を得ることができるこ
とが分った(図11では光弾性干渉縞が少ない方が光学歪
が良好であることを示している)。
【0076】また、特に、型加熱装置21A〜21Cにより
射出時の金型温度をガラス転移点以下に加熱してから抵
抗加熱ヒータ63、64により、キャビティユニット10を加
熱するものに比べて、射出時の金型温度をガラス転移点
以上に加熱してから抵抗加熱ヒータ63、64により、キャ
ビティユニット10を加熱した方が光学歪が少なくなるこ
とが分った。
【0077】なお、本実施例では、最終加熱手段として
抵抗加熱ヒータ63、64を使用しているが、これに限ら
ず、ダイプレート61、62中に油を流通させこの油によっ
てダイプレート61、62を介してキャビティユニット10を
加熱しても良い。このようにすれば、ダイプレート61、
62に錆が発生するのを防止してダイプレート61、62を長
期に亘って使用することができる。
【0078】また、高周波誘導加熱機構から構成しても
良い。このようにすれば、キャビティユニット10の加熱
時間を大幅に短縮することができ、短時間で光学歪の極
めて少ない高精度な転写性を有する成形品を得ることが
でき、成形サイクルを短縮して、成形品の生産性を大幅
に向上させることができる。なお、充填・緩和時のキャ
ビティユニット10の温度、緩和時の加熱温度あるいは冷
却速度等の設定は成形品の形状、樹脂の材質、キャビテ
ィユニットの大きさに応じたものに適宜設定すれば本実
施例の効果を充分に得ることができるのはいうまでもな
い。
【0079】図12、13は請求項12〜20記載の発明に係る
射出成形方法および該射出成形方法を達成するための射
出成形装置の一実施例を示す図である。本実施例では、
加熱ステーション20を廃止するとともに、充填・緩和ス
テーション30と徐例ステーション40の間の搬送手段90上
に加熱手段を設けた点が上記実施例と異なるのみでその
他の構成は同様の構成であるため、同様の構成には同一
番号を付して説明を省略する。
【0080】図12おいて、充填・緩和ステーション30と
徐例ステーション40の間の搬送手段90上に加熱手段とし
ての型加熱装置100が設けられており、該加熱装置100は
上記実施例の型加熱装置21A〜23Aと同様の構成を有し
ている。また、徐冷ステーション40の成形品取出しステ
ーション50側には急冷ステージ40Aが設けられており、
この急冷ステージ40Aでは、上記実施例と同様の構成を
有する強制排気用ダクト43が設けられている。したがっ
て、急冷を行なうには、この強制排気用ダクト43の空気
の流れを徐冷ステーション40の他の強制排気ダクト43よ
り多くすることにより可能になる。
【0081】次に、作用を説明する。本実施例では、自
己保持ボルト16が締め付けられることにより、型閉じお
よび型締めされたキャビティユニット10を成形品の取出
し温度と同等に設定し、この状態で、充填・緩和ステー
ション30に搬送する。ついで、射出成形機60にセット
(クランプ)し、この射出成形機60からの型締め力を受
ける。また、この型締めと共に、押圧機構71によってキ
ャビティユニット10が型締め方向と直交する方向にも締
め付け、この状態で、キャビティユニット10内のキャビ
ティに溶融樹脂を射出充填する。
【0082】そして、この射出の完了時にキャビティ10
a側の射出樹脂圧を受けた移動弁体13によってゲートの
封止が開始されると、抵抗加熱ヒータ63、64によりキャ
ビティユニット10を図13の実線で示すようにガラス転移
点T1以上の温度まで加熱し、キャビティユニット10内
の樹脂の圧力・温度の偏在を緩和する。そして、樹脂の
圧力・温度の偏在が緩和されると、抵抗加熱ヒータ63、
64の作動を停止する。
【0083】このときに、押圧機構71によってキャビテ
ィユニット10が型締め方向と直交する方向に締め付けら
れた状態であるので、加熱が充分でない場合には、射出
成形機60によるキャビティユニット10の型締めが解か
れ、射出成形機60の開放および押圧機構71のクランプ解
除によってキャビティユニット10が射出成形機60の機外
に取り出されると、そのキャビティユニット10が徐冷ス
テーション40に搬送される途中で型加熱装置100によっ
てキャビティユニット10を再び加熱する。
【0084】次いで、キャビティユニット10を徐冷ステ
ーション40に搬送して単独で徐冷する。そして、徐冷ス
テーション40でガラス転移点T1以下の温度に充分に冷
却されたとき、急冷ステーション40Aによって樹脂の熱
変形温度T2以下にまでキャビティユニット10を急冷す
る。次いで、キャビティユニット10を成形品取出しステ
ーション50まで搬送し、ナットランナー51によって自己
保持ボルト16を緩めて、キャビティユニット10の型開き
を行ない、凝固した成形品をキャビティユニット10から
前記つかみ出し方式の取り出し装置で取り出する。以
下、上記一連の工程を1サイクルとして連続的な成形加
工を行なう。
【0085】このように本実施例では、キャビティユニ
ット10に射出成形機60によって溶融樹脂の充填が開始さ
れるとキャビティユニット10の加熱が開始され、ゲート
封止手段によってゲートが封止される。この状態で溶融
樹脂の緩和が開始されると、抵抗加熱ヒータ63、64によ
ってキャビティユニット10が加熱されるので、溶融樹脂
の流動性が保持され、射出充填時に生じた剪断応力およ
び熱収縮が緩和される。このため、光学歪の極めて少な
い高精度な転写性を有する成形品を得ることができる。
【0086】また、溶融樹脂の充填を開始してからキャ
ビティユニット10を加熱しているので、充填・緩和ステ
ーション30を加熱ステーションとしても使用することが
でき、独立した加熱ステーションを不要にすることがで
きる。この結果、前加熱工程が不要にすることができ、
成形品の成形サイクルを大幅に短くして、成形品の生産
性を大幅に向上させることができる。
【0087】また、充填・緩和ステーション30での射出
時の金型温度を成形品取出し温度と同等に設定した後、
溶融樹脂の射出充填後、型加熱装置100で金型温度が樹
脂のガラス転移点以上になるまで加熱しているので、ば
りが発生するのを防止しつつ、光学歪の極めて少ない高
精度な転写性を有する成形品を得ることができる。さら
に、充填・緩和ステーション30での射出時の金型温度を
成形品取出し温度と同等に設定した後、溶融樹脂の射出
充填後、射出成形機60に設けられた抵抗加熱ヒータ63、
64と充填・緩和ステーション30の間の搬送手段90上に設
けられた型加熱装置100でも金型温度を樹脂のガラス転
移点以上まで加熱しているため、充填・緩和ステーショ
ン30での加熱では昇温が充分でない場合に搬送手段90上
での加熱を行なうことにより、キャビティユニット10の
加熱を確実に行なうことができる。このため、溶融樹脂
の流動性を確実に保持して、光学歪の極めて少ない高精
度な転写性を有する成形品を得ることができる。
【0088】また、射出成形機60のダイプレート61、62
抵抗加熱ヒータ63、64を複数個設けているため、上記実
施例と同様の効果を得ることができる。また、本実施例
にあっても、加熱手段をダイプレート63、64中を流通す
る油から構成したり、高周波誘導加熱機構から構成して
も良く、この場合にも上記実施例と同様の効果を得るこ
とができる。
【0089】なお、上記各実施例では、ゲート封止手段
を構成する移動弁体としてボールを用いたが、必要なゲ
ート封止機能を発揮できれば、各種の弁体が適用できる
のはいうまでもなく、例えば多角形の弁体でもよい。図
14〜16は請求項21〜30記載の発明に係る射出成形方法お
よび該射出成形方法を達成するための射出成形装置の一
実施例を示す図である。なお、本実施例では、最終加熱
手段および射出充填手段の一部の構成が上記各実施例と
異なるのみでキャビティユニット、加熱手段、冷却手
段、成形品取り出し手段の構成は上記請求項1〜11記載
の発明の一実施例と同様の構成であるため、同様の構成
には同一番号を付して説明を省略するとともに、必要に
応じて上記各実施例の図面を用いて説明する。
【0090】まず、構成を説明する。図1〜6、図8、
図9、図14、図15において、充填・緩和ステーション30
には射出成形機60(射出充填手段)が設けられており、キ
ャビティユニット10はこの射出成形機60のダイプレート
61、62によって型締め方向、本実施例では、上下方向か
ら押圧されるようになっている。ダイプレート61には軸
部材61aが設けられており、この軸部材61aはダイプレ
ート62に摺動自在に挿入されている。このため、キャビ
ティユニット10がダイプレート62に載置されたときにダ
イプレート61は軸部材61aがダイプレート62にガイドさ
れることにより、キャビティユニット10の上面に当接し
てダイプレート62と共に型締めするようになっている。
【0091】また、ダイプレート61、62にはそれぞれ複
数の抵抗加熱ヒータ(加熱部材)63、64が埋設されてお
り、キャビティユニット10は抵抗加熱ヒータ63、64によ
って上下方向、すなわち、型締め方向から加熱されるよ
うになっている。また、キャビティユニット10には開口
部10cが形成されており、この開口部10cはゲート10b
に連通しており、射出成形機60はこの開口部60を通して
キャビティ10aに溶融樹脂を射出・充填するようになっ
ている。
【0092】また、射出・充填ステーション30のダイプ
レート62には油圧シリンダ98、99、当接部材102、103お
よびプレート104、105からなる押圧機構106(横型締め機
構)が設けられている。プレート104、105は当接部材10
2、103の先端部に取付けられており、プレート104、105
は当接部材102、103が油圧シリンダ98、99によって押圧
されると、実線で示す位置から仮想線で示す位置まで移
動してキャビティユニット10の両側面、すなわち、キャ
ビティユニット10の型締め方向と直交する2方向からキ
ャビティユニット10を横締めするようになっている。
【0093】このため、比較的低剛性なキャビティユニ
ット10が射出充填時にこの直交方向へ開くような変形を
生じないようにすることができる。このような変形が生
じると、キャビティユニット10を構成するレンズ鏡面駒
11a、12aと金型本体部で型板部11e、11d、12d、12
eとの間に隙間が生じてバリが発生し、酷い場合にはレ
ンズ鏡面駒11a、12aの変形が生じてしまう。これに対
して、本実施例では、このような不具合が発生するのを
防止することができる。
【0094】また、プレート104、105には抵抗加熱ヒー
タ(加熱部材)107、108が埋設されており、キャビティユ
ニット10は抵抗加熱ヒータ107、108によって横方向(2
方向)から加熱されるようになっている。また、ダイプ
レート61、62には温風機構109、110が設けられており、
この温風機構109、110はダイプレート61、62内に設けら
れた温風供給手段から温風が供給されることによりキャ
ビティユニット10に当接する面以外のダイプレート領
域、すなわち、図14、15に示すキャビティユニット10の
正面部分および背面部分に温風を供給するようになって
いる。また、温風機構109、110から供給される温風の温
度は図示しない温度調整手段によって可変可能になって
いる。
【0095】次に、作用を説明する。まず、本実施例で
は、予めキャビティユニット10の上下金型11、12の間
に、例えば下金型12のゲート部形成溝に移動弁体13が投
入され、成形品取出しステーション50の型開閉装置52に
よって自己保持ボルト16が締め付けられ、キャビティユ
ニット10が型閉じおよび型締めされる。
【0096】このキャビティユニット10は、加熱ステー
ション20にて図16の実線で示すようにガラス転移点Ta
以下の目標温度Tbに均熱加熱された後、充填・緩和ス
テーション30に搬送される。なお、このときに、充填・
緩和ステーション30で先行するキャビティユニット10が
作業を行なっている場合には、後続する本キャビティユ
ニット10を加熱ステージ80で待機させ、上記目標温度で
保温する。
【0097】充填・緩和ステーション30に搬送される
と、射出成形機60にセット(クランプ)され、この射出
成形機60のダイプレート61、62によって型締め力を受け
る。また、この型締めと共に、押圧機構106のプレート1
04、105によってキャビティユニット10が型締め方向と
直交する方向にも締め付けられ、この状態で、射出成形
機60のノズルがキャビティユニット10の開口部10cに当
接し、該射出成形機60からキャビティユニット10内のキ
ャビティ10aに溶融樹脂が射出充填される。そして、こ
の射出の完了時にキャビティ10a側の射出樹脂圧を受け
た移動弁体13によってゲートが封止されると、抵抗加熱
ヒータ63、64、107、108および温風機構109、110により
キャビティユニット10を6方向からガラス転移点Ta以
上の温度まで加熱し、キャビティユニット10内の樹脂の
圧力・温度の偏在を緩和する。そして、樹脂の圧力・温
度の偏在が緩和されると、抵抗加熱ヒータ63、64、10
7、108および温風機構109、110の作動を停止する。な
お、加熱時には温風機構109、110の温度を適宜調整して
も良い。
【0098】次いで、射出成形機60の開放および押圧機
構71のクランプ解除によってキャビティユニット10が射
出成形機60の機外に取り出されると、そのキャビティユ
ニット10が徐冷ステーション40に送られて単独で徐冷さ
れる。このとき、徐冷されるキャビティユニット10は、
自己保持ボルト16によって締付けられているから、所定
の型締め力を自己保持することができ、射出成形機60の
保圧によらないでも望ましい保圧状態が得られる。した
がって、キャビティユニット10の上下金型11、12に形成
された転写面形状(キャビティ10aを形成する面)が高
精度に転写されるとともに、不必要なバリが発生するこ
ともない。
【0099】キャビティユニット10の徐冷によってその
内部の樹脂が凝固し(熱変形温度Tcまで冷却され)、
キャビティユニット10が成形品取出しステーション50ま
で搬送されると、ナットランナー51によって自己保持ボ
ルト16が緩められ、キャビティユニット10の型開きが行
われる。そして、凝固した成形品がキャビティユニット
10から前記つかみ出し方式の取り出し装置で取り出され
る。以下、上記一連の工程(図15の実線参照)を1サイク
ルとして連続的な成形加工が行われる。なお、図15の破
線は従来例で示すものである。
【0100】このように本実施例においては、ガラス転
移点Ta以下の温度Tbに加熱されたキャビティユニット
10に射出成形機60によって溶融樹脂を充填するととも
に、、移動弁体13によってゲートを封止し、この状態で
溶融樹脂の緩和が開始されると、抵抗加熱ヒータ63、6
4、107、108によってキャビティユニット10の加熱を開
始しているため、キャビティユニット10を速やかに加熱
することができるとともに、キャビティユニット10を温
度分布を均一化しつつ、溶融樹脂の流動性を保持するこ
とができる。この結果、射出充填時に生じた剪断応力お
よび熱収縮をより一層緩和することができ、光学歪の極
めて少ないより一層高精度な転写性を有する成形品を得
ることができる。
【0101】これに加えて、温風機構109、110によって
もキャビティユニット10を加熱しているため、ヒータ6
3、64、107、108が設けられていないキャビティユニッ
ト10の表面からも該キャビティユニット10を加熱するこ
とができ、キャビティユニット10をより一層短時間で加
熱することができるとともに、キャビティユニット10の
温度分布をより一層均一化しつつ、溶融樹脂の流動性を
保持することができる。この結果、射出充填時に生じた
剪断応力および熱収縮をより一層緩和することができ、
光学歪の極めて少ないより一層高精度な転写性を有する
成形品を得ることができる。
【0102】さらに、温風機構109、110が温風の温度を
可変させることができるので、キャビティユニット10の
加熱温度の調整を容易に行なうことができ、キャビティ
ユニット10の加熱時間の調整を容易に行なうことができ
る。また、加熱装置21A〜21Cにより射出時の金型温度
がガラス転移点Ta以下になるようにキャビティユニッ
ト10を加熱し、充填・緩和工程で抵抗加熱ヒータ63、6
4、107、108および温風機構109、110によりキャビティ
ユニット10を樹脂のガラス転移点Ta以上まで加熱して
いるので、成形品にばりが発生するの防止しつつ上述し
た溶融樹脂の流動性を確実に保持することができ、射出
充填時に生じた剪断応力および熱収縮を確実に緩和して
光学歪のより一層少ない高精度な転写性を有する成形品
を得ることができる。
【0103】また、射出成形機60のダイプレート61、62
およびプレート104、105に抵抗加熱ヒータ63、64および
107、108を設けているため、迅速な昇温を可能にするこ
とができ、複数のキャビティユニット10を温度調節部材
のない低コストで簡単なものにすることができる。ま
た、加熱部材として抵抗加熱ヒータ63、64、107、108を
使用し、しかもこの抵抗加熱ヒータ63、64、107、108を
ダイプレート61、62およびプレート104、105に複数個設
けているので、キャビティユニット10の加熱時間を短縮
することができ、短時間で光学歪の極めて少ない高精度
な転写性を有する成形品を得ることができる。この結
果、成形サイクルを短縮して、成形品の生産性を向上さ
せることができる。
【0104】なお、本実施例では、加熱部材として抵抗
加熱ヒータ63、64、107、108を使用しているが、これに
限らず、ダイプレート61、62およびプレート107、108中
に油を流通させこの油によってダイプレート61、62およ
びプレート107、108を介してキャビティユニット10を加
熱しても良い。このようにすれば、ダイプレート61、62
およびプレート107、108に錆が発生するのを防止してダ
イプレート61、62およびプレート107、108を長期に亘っ
て使用することができる。
【0105】また、加熱部材を高周波誘導加熱機構から
構成しても良い。このようにすれば、キャビティユニッ
ト10の加熱時間を大幅に短縮することができ、短時間で
光学歪の極めて少ない高精度な転写性を有する成形品を
得ることができ、成形サイクルを短縮して、成形品の生
産性を大幅に向上させることができる。なお、充填・緩
和時のキャビティユニット10の温度、緩和時の加熱温度
あるいは冷却速度等の設定は成形品の形状、樹脂の材
質、キャビティユニットの大きさに応じたものに適宜設
定すれば本実施例の効果を充分に得ることができるのは
いうまでもない。
【0106】
【発明の効果】請求項1〜3記載の発明によれば、溶融
樹脂の流動性を保持することができ、射出充填時に生じ
た剪断応力および熱収縮を緩和することができる。この
ため、光学歪の極めて少ない高精度な転写性を有する成
形品を得ることができる。
【0107】請求項4記載の発明によれば、射出時の金
型温度を低温にしているので、成形品にばりが発生する
のを防止しつつ、光学歪のより少ない高精度な転写性を
有する成形品を得ることができる。請求項5記載の発明
によれば、溶融樹脂の流動性を保持することができ、射
出充填時に生じた剪断応力および熱収縮を緩和すること
ができる。このため、光学歪の極めて少ない高精度な転
写性を有する成形品を得ることができる。
【0108】請求項6、13記載の発明によれば、迅速な
昇温を行なうことができ、複数のキャビティユニットを
温度調節部材のない低コストで簡単なものにすることが
できる。請求項7、14記載の発明によれば、キャビティ
ユニットの加熱時間を短縮することができ、短時間で光
学歪の極めて少ない高精度な転写性を有する成形品を得
ることができる。この結果、成形サイクルを短縮して、
成形品の生産性を向上させることができる。
【0109】請求項8、16記載の発明によれば、ダイプ
レートに錆が発生するのを防止してダイプレートを長期
に亘って使用することができる。請求項9、10、17、18
記載の発明によれば、キャビティユニットの加熱時間を
短縮することができ、短時間で光学歪の極めて少ない高
精度な転写性を有する成形品を得ることができる。この
結果、成形サイクルを短縮して、成形品の生産性を向上
させることができる。
【0110】請求項11記載の発明によれば、先行するキ
ャビティユニットが充填・緩和ステーションで加熱され
ている間に、加熱ステーションから搬出された後続のキ
ャビティユニットを充填・緩和ステーション直前で加熱
して状態で待機させることがでる。このため、後続する
キャビティユニットの温度が低下するのを防止すること
ができ、充填・緩和ステーションで該キャビティユニッ
トを再加熱するのを不要にできる。この結果、キャビテ
ィユニットの昇温時間を短縮することができ、成形品の
成形サイクルを短くすることができる。
【0111】請求項12記載の発明によれば、溶融樹脂の
流動性を保持することができ、射出充填時に生じた剪断
応力および熱収縮を緩和することができる。このため、
光学歪の極めて少ない高精度な転写性を有する成形品を
得ることができる。また、溶融樹脂の充填を開始してか
らキャビティユニットを加熱しているので、充填・緩和
ステーションを加熱ステーションとして使用することが
でき、独立した加熱ステーションを不要にすることがで
きる。この結果、前加熱工程を不要にして、成形品の成
形サイクルを大幅に短くすることができ、成形品の生産
性を大幅に向上させることができる。
【0112】請求項15記載の発明によれば、射出充填手
段での加熱が充分でない場合に前記搬送手段上での加熱
を行なうことにより、キャビティユニットの加熱を確実
に行なうことができ、溶融樹脂の流動性を確実に保持し
て、射出充填時に生じた剪断応力および熱収縮を確実に
緩和することができる。このため、光学歪の極めて少な
い高精度な転写性を有する成形品を得ることができる。
【0113】請求項19記載の発明によれば、射出時の金
型温度にしているので、成形品にばりが発生するのを防
止しつつ、光学歪のより少ない高精度な転写性を有する
成形品を得ることができる。請求項20記載の発明によれ
ば、射出時の金型温度にしているので、成形品にばりが
発生するのを防止しつつ、光学歪のより少ない高精度な
転写性を有する成形品を得ることができる。
【0114】また、充填・緩和ステーションでの加熱で
は昇温が充分でない場合に搬送手段上での加熱を行なう
ことにより、キャビティユニットの加熱を確実に行なう
ことができ、溶融樹脂の流動性を確実に保持することが
できる。この結果、射出充填時に生じた剪断応力および
熱収縮を確実に緩和して、光学歪の極めて少ない高精度
な転写性を有する成形品を得ることができる。
【0115】請求項21記載の発明によれば、キャビティ
ユニットを速やかに加熱することができるとともに、キ
ャビティユニットの温度分布を均一化しつつ、溶融樹脂
の流動性を保持することができる。この結果、射出充填
時に生じた剪断応力および熱収縮をより一層緩和するこ
とができ、光学歪の極めて少ないより一層高精度な転写
性を有する成形品を得ることができる。
【0116】請求項22記載の発明によれば、成形品にば
りが発生するのを防止して、光学歪の極めて少ないより
一層高精度な転写性を有する成形品を得ることができ
る。請求項23記載の発明によれば、キャビティユニット
を速やかに加熱するとともに、キャビティの温度分布を
均一化しつつ、溶融樹脂の流動性を保持することができ
る射出成形装置を得ることができる。この結果、射出充
填時に生じた剪断応力および熱収縮をより一層緩和する
ことができ、光学歪の極めて少ないより一層高精度な転
写性を有する成形品を得ることができる。
【0117】請求項24記載の発明によれば、複数のキャ
ビティユニットのそれぞれに温度調整部材を設けるのを
不要にでき、キャビティユニットの製造コストを低減す
ることができる。請求項25〜27記載の発明によれば、キ
ャビティユニットの加熱時間を大幅に短縮することがで
き、成形品の成形サイクルを短縮することができる。こ
の結果、成形品の生産性を向上させることができる。
【0118】請求項28記載の発明によれば、ダイプレー
トおよび横型締め機構に錆が発生するのを防止すること
ができ、ダイプレートおよび横型締め機構を長期に亘っ
て使用することができる。請求項29記載の発明によれ
ば、加熱部材が設けられていないキャビティユニットの
表面からも該キャビティユニットを加熱することがで
き、キャビティユニットをより一層短時間で加熱するこ
とができるとともに、キャビティユニットの温度分布を
より一層均一化しつつ、溶融樹脂の流動性を保持するこ
とができる。この結果、射出充填時に生じた剪断応力お
よび熱収縮をより一層緩和することができ、光学歪の極
めて少ないより一層高精度な転写性を有する成形品を得
ることができる。
【0119】請求項30記載の発明によれば、キャビティ
ユニットの加熱温度の調整を容易に行なうことができ、
キャビティユニットの加熱時間の調整を容易に行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜11記載の発明に係る射出成形方法お
よび該方法を達成するための射出成形装置の一実施例の
システム構成を示す平面図である。
【図2】一実施例のキャビティユニットの構成を示す図
で、(a)はその正面断面図、(b)はその側面断面図
である。
【図3】そのキャビティユニットの上金型の斜視図であ
る。
【図4】一実施例の型加熱装置の部分断面図である。
【図5】その型加熱装置の側面図である。
【図6】一実施例のゲート封止手段の構成を示す図で、
(a)はその移動弁体がキャビティ側へ移動する射出充
填時を、(b)はその移動弁体がノズル側に移動するゲ
ートの封止時をそれぞれ示している。
【図7】一実施例の縦型射出成形機の構成図である。
【図8】一実施例の空気式徐冷装置の概略構成図であ
る。
【図9】一実施例の成形品取出し用の型開閉装置の構成
図である。
【図10】一実施例の成形作業中のキャビティユニットの
温度変化を示す図である。
【図11】一実施例の光学歪の発生状態を示す図であり、
(a)は従来のゲートシール成形によって発生した光学
歪、(b)は一実施例のガラス転移点以下の温度で射出・
充填したときの光学歪、(c)は一実施例のガラス転移点
以上の温度で射出・充填したときの光学歪を示す図であ
る。
【図12】請求項12〜20記載の発明に係る射出成形方法お
よび該方法を達成するための射出成形装置の一実施例の
システム構成を示す平面図である。
【図13】一実施例の成形作業中のキャビティユニットの
温度変化を示す図である。
【図14】請求項21〜30の何れかに記載の発明に係る射出
成形方法および該方法を達成するための射出成形装置の
一実施例を示す図であり、その射出成形機のダイプレー
トおよび横型閉め機構の正面構成図である。
【図15】その射出成形機のダイプレートおよび横型閉め
機構の斜視構成図である。
【図16】一実施例の成形作業中のキャビティユニットの
温度変化を示す図である。
【符号の説明】
10 キャビティユニット 10a キャビティ 10b ゲート部 11、12 上下金型 13 移動弁体(ゲート封止手段) 15 自己保持機構 20 加熱ステーション 21、100 型加熱装置(加熱手段) 30 充填・緩和ステーション 40 徐冷ステーション 41 空気式徐冷装置(冷却手段) 50 成形品取り出ステーション 60 射出成形機(射出充填手段) 61、62 ダイプレート 63、64、 抵抗加熱ヒータ(最終加熱手段、加熱手
段、加熱部材) 80 加熱ステージ 90 搬送手段 106 押圧機構(横型締め機構) 107、108 抵抗加熱ヒータ(加熱部材) 109、110 温風機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 順 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれのユニットが内部にキャビティを
    形成する一対の金型および該一対の金型を連結して型締
    め方向の力を自己保持する自己保持機構を有するキャビ
    ティユニットを順次加熱する加熱工程と、 加熱後に、キャビティユニットにそのゲート部を通して
    溶融樹脂を射出充填するとともに、充填後にキャビティ
    ユニットのゲートを封止して溶融樹脂を緩和する充填・
    緩和工程と、 キャビティユニットに溶融樹脂が射出充填され、溶融樹
    脂の緩和が開始されたときにキャビティユニットを加熱
    する最終加熱工程と、 キャビティユニットの加熱が終了した後、キャビティユ
    ニットを徐冷する徐冷工程と、 キャビティユニットの徐冷後にキャビティユニット内で
    固化した成形品をキャビティユニットから取り出す成形
    品取り出し工程と、からなることを特徴とする射出成形
    方法。
  2. 【請求項2】前記最終加熱工程では、充填・緩和工程で
    キャビティユニットに充填された溶融樹脂の緩和が終了
    するまで加熱昇温を行なうことを特徴とする請求項1記
    載の射出成形方法。
  3. 【請求項3】前記加熱工程では、射出時の金型温度が樹
    脂のガラス転移点以上になるようにキャビティユニット
    を加熱することを特徴とする請求項1または2記載の射
    出成形方法。
  4. 【請求項4】前記加熱工程では、射出時の金型温度が樹
    脂のガラス転移点以下になるようにキャビティユニット
    を加熱し、前記最終加熱工程では、充填・緩和工程でキ
    ャビティに充填された溶融樹脂の緩和が終了したときの
    金型温度が樹脂のガラス転移点以上になるまで加熱昇温
    を行なうことを特徴とする請求項1記載の射出成形方
    法。
  5. 【請求項5】それぞれのユニットが内部にキャビティを
    形成する一対の金型および該一対の金型を連結して型締
    め方向の力を自己保持する自己保持機構からなる複数の
    キャビティユニットと、 該キャビティユニットを所定の加熱ステーション、充填
    ・緩和ステーション、徐冷ステーション、成形品取出し
    ステーションの順に搬送する搬送手段と、 加熱ステーションに設けられ、キャビティユニットを所
    定温度に加熱する加熱手段と、 充填・緩和ステーションに設けられ、加熱手段によって
    加熱されたキャビティユニットにそのゲート部を通して
    溶融樹脂を射出充填する射出充填手段と、 各キャビティユニットのゲート部に設けられ、ゲート部
    を封止可能なゲート封止手段と、 射出充填手段に設けられ、キャビティユニットをガラス
    転移点以上に加熱する最終加熱手段と、 徐冷ステーションに設けられ、キャビティユニットを徐
    冷する冷却手段と、 成形品取出しステーションに設けられ、キャビティユニ
    ット内で固化した成形品をキャビティユニットから取り
    出す成形品取り出し手段と、を備えたことを特徴とする
    射出成形装置。
  6. 【請求項6】前記射出充填手段が射出成形機からなり、
    該射出成形機のダイプレートに前記最終加熱手段が設け
    られることを特徴とする請求項5記載の射出成形装置。
  7. 【請求項7】前記最終加熱手段がダイプレートに複数個
    設けられることを特徴とする請求項6記載の射出成形装
    置。
  8. 【請求項8】前記最終加熱手段が、ダイプレート中を流
    通する油からなることを特徴とする請求項6または7記
    載の射出成形装置。
  9. 【請求項9】前記最終加熱手段が抵抗加熱ヒータからな
    ることを特徴とする請求項6または7記載の射出成形装
    置。
  10. 【請求項10】前記最終加熱手段が高周波誘導加熱機構か
    らなることを特徴とする請求項6または7記載の射出成
    形装置。
  11. 【請求項11】前記充填・緩和ステーション手前の搬送手
    段に加熱ステージを設けたことを特徴とする請求項5〜
    10何れかに記載の射出成形装置。
  12. 【請求項12】それぞれのユニットが内部にキャビティを
    形成する一対の金型および該一対の金型を連結して型締
    め方向の力を自己保持する自己保持機構からなる複数の
    キャビティユニットと、 該キャビティユニットを充填・緩和ステーション、徐冷
    ステーション、成形品取出しステーションの順に搬送す
    る搬送手段と、 充填・緩和ステーションに設けられ、キャビティユニッ
    トにそのゲート部を通して溶融樹脂を射出充填する射出
    充填手段と、 各キャビティユニットのゲート部に設けられ、ゲート部
    を封止可能なゲート封止手段と、 ゲート封止手段によってゲートが封止された後に、キャ
    ビティユニットを所定温度に加熱する加熱手段と、 徐冷ステーションに設けられ、キャビティユニットを徐
    冷する冷却手段と、 成形品取出しステーションに設けられ、キャビティユニ
    ット内で固化した成形品をキャビティユニットから取り
    出す成形品取り出し手段と、を備えたことを特徴とする
    射出成形装置。
  13. 【請求項13】前記射出充填手段が射出成形機からなり、
    該射出成形機のダイプレートに前記加熱手段が設けられ
    ることを特徴とする請求項12記載の射出成形装置。
  14. 【請求項14】前記加熱手段がダイプレートに複数個設け
    られることを特徴とする請求項13記載の射出成形装置。
  15. 【請求項15】前記加熱手段が充填・緩和ステーションお
    よび徐冷ステーションの間の搬送手段上にも設けられる
    ことを特徴とする請求項12記載の射出成形装置。
  16. 【請求項16】前記加熱手段が、ダイプレート中を流通す
    る油からなることを特徴とする請求項13記載の射出成形
    装置。
  17. 【請求項17】前記加熱手段が抵抗加熱ヒータからなるこ
    とを特徴とする請求項13記載の射出成形装置。
  18. 【請求項18】前記加熱手段が高周波誘導加熱機構からな
    ることを特徴とする請求項13記載の射出成形装置。
  19. 【請求項19】請求項12記載の射出成形装置を用いた射出
    成形方法であって、充填・緩和ステーションでの射出時
    の金型温度を成形品取出し温度と同等に設定した後、溶
    融樹脂の射出充填後、加熱手段で金型温度を樹脂のガラ
    ス転移点以上まで加熱することを特徴とする射出成形方
    法。
  20. 【請求項20】請求項15記載の射出成形装置を用いた射出
    成形方法であって、充填・緩和ステーションでの射出時
    の金型温度を成形品取出し温度と同等に設定した後、溶
    融樹脂の射出充填後、射出成形機に設けられた加熱手段
    と充填・緩和ステーションおよび徐冷ステーションの間
    の搬送手段上に設けられた加熱手段とで金型温度を樹脂
    のガラス転移点以上まで加熱することを特徴とする射出
    成形方法。
  21. 【請求項21】それぞれのユニットが内部にキャビティを
    形成する一対の金型および該一対の金型を連結して型締
    め方向の力を自己保持する自己保持機構を有するキャビ
    ティユニットを順次加熱する加熱工程と、 加熱後に、キャビティユニットにそのゲート部を通して
    溶融樹脂を射出充填するとともに、充填後にキャビティ
    ユニットのゲートを封止して溶融樹脂を緩和する充填・
    緩和工程と、 キャビティユニットに溶融樹脂が射出充填され、溶融樹
    脂の緩和が開始されたときにキャビティユニットを加熱
    する最終加熱工程と、 キャビティユニットの加熱が終了した後、キャビティユ
    ニットを徐冷する徐冷工程と、 キャビティユニットの徐冷後にキャビティユニット内で
    固化した成形品をキャビティユニットから取り出す成形
    品取り出し工程と、からなり、前記最終加熱工程では型
    締め方向の2方向と型締め方向と直交する2方向からキ
    ャビティユニットを加熱することを特徴とする射出成形
    方法。
  22. 【請求項22】前記加熱工程では、金型の温度を所定の低
    温度に加熱するとともに、前記最終加熱工程では、金型
    温度を所定温度よりも高い樹脂のガラス転移点以上まで
    加熱することを特徴とする請求項21記載の射出成形方
    法。
  23. 【請求項23】それぞれのユニットが内部にキャビティを
    形成する一対の金型および該一対の金型を連結して型締
    め方向の力を自己保持する自己保持機構からなる複数の
    キャビティユニットと、 該キャビティユニットを所定の加熱ステーション、充填
    ・緩和ステーション、徐冷ステーション、成形品取出し
    ステーションの順に搬送する搬送手段と、 加熱ステーションに設けられ、キャビティユニットを所
    定温度に加熱する加熱手段と、 充填・緩和ステーションに設けられ、加熱手段によって
    加熱されたキャビティユニットにそのゲート部を通して
    溶融樹脂を射出充填する射出充填手段と、 各キャビティユニットのゲート部に設けられ、ゲート部
    を封止可能なゲート封止手段と、 射出充填手段に設けられ、キャビティユニットをガラス
    転移点以上に加熱する最終加熱手段と、 徐冷ステーションに設けられ、キャビティユニットを徐
    冷する冷却手段と、 成形品取出しステーションに設けられ、キャビティユニ
    ット内で固化した成形品をキャビティユニットから取り
    出す成形品取り出し手段と、を備え、 前記最終加熱手段は、キャビティユニットの型締め方向
    の2方向と型締め方向と直交する2方向でキャビティユ
    ニットに当接して該キャビティユニットを加熱する複数
    の加熱部材を有することを特徴とする射出成形装置。
  24. 【請求項24】前記射出充填手段が射出成形機からなり、
    キャビティユニットの型締め方向に設けられた射出成形
    機のダイプレートおよびキャビティユニットの型締め方
    向と直交する方向に設けられた横型締め機構に前記加熱
    部材が設けられたことを特徴とする請求項23記載の射出
    成形装置。
  25. 【請求項25】前記加熱部材がダイプレートおよび横型締
    め機構にそれぞれ複数個設けられることを特徴とする請
    求項24記載の射出成形装置。
  26. 【請求項26】前記加熱部材がダイプレートおよび横型締
    め機構に埋設された抵抗加熱ヒータからなることを特徴
    とする請求項24または25記載の射出成形装置。
  27. 【請求項27】前記加熱部材がダイプレートおよび横型締
    め機構に埋設された高周波誘導加熱機構からなることを
    特徴とする請求項24または25記載の射出成形装置。
  28. 【請求項28】前記加熱部材がダイプレート内および横型
    締め機構内に流通する油からなることを特徴とする請求
    項24または25記載の射出成形装置。
  29. 【請求項29】前記ダイプレートには温風機構が設けら
    れ、該温風機構は、キャビティユニットに当接する面以
    外のダイプレート領域に設けられ、キャビティユニット
    の型締め方向および型締め方向と直交する2方向以外の
    方向からキャビティユニットを加熱することを特徴とす
    る請求項23〜28何れかに記載の射出成形装置。
  30. 【請求項30】前記温風機構が温風の温度を可変可能であ
    ることを特徴とする請求項29記載の射出成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012117143A1 (es) * 2011-03-01 2012-09-07 Abn Pipe Systems, S.L. Sistema y procedimiento de moldeo de piezas con moldes autoportantes
JP2017121768A (ja) * 2016-01-08 2017-07-13 アイシン精機株式会社 成形用金型
JP2020037188A (ja) * 2018-08-31 2020-03-12 住友重機械工業株式会社 射出成形システム

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