JP2017121768A - 成形用金型 - Google Patents

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茂 末松
山本 政彦
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政彦 山本
正夫 筒井
Masao Tsutsui
正夫 筒井
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Abstract

【課題】外部から給電を行わずとも温度管理を行える金型を構成する。【解決手段】温度設定領域と、射出領域と、冷却領域と、成形品取出領域とに亘って順次搬送され、互いに型締め可能な成形用の第1金型11および第2金型12を備えて金型Mが構成されている。この金型Mが、第1金型11および第2金型12の少なくとも何れか一方を加熱するヒータ14と、第1金型11および第2金型12の少なくとも何れか一方に設けられ、ヒータ14に給電する蓄電部15とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、温度が管理される成形用金型に関する。
成形用金型として特許文献1には、複数個の金型を加熱ステーションと、充填・緩和ステーションと、徐冷ステーションと、成形品取りステーションとを搬送路で結んだ成形装置の技術が示されている。
加熱ステーションには加熱板とヒータとを有する金型温度調節機構を備えており、この金型温度調節機構によって加熱された金型を、充填・緩和ステーションに送り射出成形機により樹脂を充填する。この後に、金型を徐冷ステーションにおいて冷却し、更に、成形品取りステーションで成形品を取り出すように構成されている。
また、特許文献2には、固定金型と可動金型とで射出金型が構成され、固定金型の内部にペルチェ素子を備え、このペルチェ素子に電流を流すことにより吸熱と発熱とを行い金型の温度管理を実現する技術が示されている。
特開平6‐320568号公報 特開平10‐52842号公報
特許文献1に示されるように、複数の金型の温度を予め上昇させ、各々の金型に対して樹脂を充填し、その後に、放熱を行い、金型から成形物を取り出すシステムでは、複数の金型を搬送する行程において温度上昇を図る必要がある。
また、特許文献2に示されるように金型にペルチェ素子を備えたものでは、金型毎に良好な温度管理を可能にするものである。しかしながら、このような構成では金型毎に電力を供給する必要があり、搬送時においても金型に電力を供給するためハーネスを用いる等、専用の電力供給系を必要とし、改善の余地がある。
このように、外部から給電を行わずとも温度管理を行える金型が求められる。
本発明は、射出成形する際に、温度設定領域と、射出領域と、冷却領域と、成形品取出領域とに亘って順次搬送され、互いに型締め可能な成形用の第1金型および第2金型と、
前記第1金型および前記第2金型の少なくとも何れか一方を加熱するヒータと、
前記第1金型および前記第2金型の少なくとも何れか一方に設けられ、前記ヒータに給電する電力を蓄える蓄電部とを備えた点を特徴とする。
これによると、外部から電力を供給するためのハーネス等を備えなくとも、金型が温度設定領域において搬送される状況において、外個々の金型において蓄電部に蓄えられた電力をヒータに供給して確実な加熱を行える。
従って、外部から給電を行わずとも温度管理を行える金型が構成された。
本発明は、前記蓄電部から前記ヒータへの通電状態を設定する電力制御部が備えられても良い。
これによると、電力制御部によってヒータへの通電状態を設定することにより、加熱を必要とする適正なタイミングで加熱を実行でき、加熱時間の設定も可能となる。
本発明は、前記蓄電部が2次電池であり、前記第1金型および前記第2金型は、前記搬送路上で前記蓄電部に対して給電する非接触式の受電部を備えても良い。
これによると、搬送路上において金型の非接触式の受電部によって受電して蓄電部に充電を行え、接触式に電力が供給される構成を必要とせず、充電を確実に行える。
本発明は、前記第1金型および前記第2金型が互いに型締めされた際に接続されるコネクタが、前記第1金型および前記第2金型に各別に設けられ、
前記第1金型に設けられた前記蓄電部から、前記コネクタを介して前記第2金型に設けられた前記ヒータへの給電が可能に構成されても良い。
これによると、第1金型と第2金型を型締めした際に、コネクタを介して第1金型に設けた蓄電部の電力を第2金型のヒータに供給して加熱を行うことも可能となる。つまり、第1金型にヒータを備えた構成である場合には、第1金型と第2金型とのヒータに電力を供給することも可能となる。
成形システムの全体図である。 金型の断面図である。 蓄電池の電力をヒータに供給する制御系のブロック回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔システム構成〕
図1に示すように、複数の金型M(以下、成型用金型の一例)の搬送を行うためローラコンベアやスチールベルトコンベア等で構成される搬送装置1(搬送路の一例)の搬送方向に沿って、温度設定領域Aと、射出領域Bと、冷却領域Cと、成形品取出領域Dと、給電領域Eとを、この順序でループ状に配置して成形システムが構成されている。
搬送装置1は、温度設定領域Aと、射出領域Bと、冷却領域Cと、成形品取出領域Dと、給電領域Eとに対応する領域で金型Mを搬送するように、第1搬送部1aと、第2搬送部1bと、第3搬送部1cと、第4搬送部1dと、第5搬送部1eとを備えている。各々の搬送部は電動モータ等の独立した駆動源を有し、搬送速度の設定や、搬送の停止等の制御を各別に行えるように構成されている。
図1〜図3に示すように、この成形システムは、温度設定領域Aにおいて第1搬送部1aで金型Mが搬送される際には、その金型Mに備えた蓄電池15の電力を、金型Mのヒータ14に供給して金型Mの温度を、樹脂の充填に適した温度まで上昇させる制御が行われる。また、射出領域Bにおいて第2搬送部1bで金型Mが射出位置まで搬送された場合には、搬送を一時停止して射出機2により金型Mのキャビティ13に樹脂を充填する制御が行われる。
冷却領域Cにおいて第3搬送部1cで金型Mが搬送される場合には、自然放熱や冷却風の供給により金型Mが冷却される。更に、成形品取出領域Dにおいて第4搬送部1dで金型Mが搬送され取出位置に達した場合には搬送を一時停止し、分離機3により金型Mを分離し、取出機4によりキャビティ内の成形品を取り出す制御が行われる。
この後に、第5搬送部1eで給電領域Eに金型Mが供給され、この給電領域Eにおいて搬送を一時停止して、蓄電池15に対して給電器5により非接触式に電力を供給できるように構成されている。
この成形システムでは、射出機2が金型Mの内部のキャビティ13に対して溶融状態の樹脂を充填するように作動する。また、分離機3は金型Mを図2に示す第1金型11と第2金型12とに分離する作動を行うものであるが、取出機4が成形品を取り出した後には、第1金型11と第2金型12との型締めを行うようにも作動する。取出機4は、例えば、ロボットハンドのように分離された金型Mの内部から成形品を取り出す作動を行う。
搬送装置1には金型Mの位置を検知する位置センサを備えており、成形システムには、位置センサで検出される情報に基づいて、搬送装置1と、射出機2と、分離機3と、取出機4と、給電器5とを各別に制御する制御装置を備えている。
給電器5は、電磁誘導の技術により、図2に示す受電部17に給電する機能を有するものであり、給電用コイル5aを備えている。尚、この給電器5で受電部17に対して電力を供給する場合に、金型Mは必ずしも停止している必要はなく、例えば、低速で移動する際に給電を行えるように給電用コイル5aを大きく設定しても良い。
〔金型〕
図2に示すように、金型M(成形用金型)は、下側の第1金型11と、上側の第2金型12とを互いに型締め状態で保持できるように構成され、型締め状態では内部にキャビティ13が形成されるように構成されている。第1金型11と第2金型12とにはヒータ14を備えており、第1金型11には、ヒータ14に電力を供給する蓄電池15(蓄電部の一例)と、電力を制御する電力制御部16と、受電部17とを備えている。
図2、図3に示すように、受電部17は、電磁誘導の技術により給電器5からの電力を受電するための受電用コイル17aを備え、受電用コイル17aで受電した電力を整流し、所定の電圧に変換して蓄電池15に充電するように構成されている。
電力制御部16は、蓄電池15とヒータ14との間の送電系に介装されたスイッチSWを操作することにより、電力の供給と遮断とを実現する。この電力制御部16は、ヒータ14に電力を供給する時間を制御することで目標とする温度まで金型Mの温度上昇を図るように構成されている。また、スイッチSWは、リレーや電力トランジスタ等が用いられる。ヒータ14は、電力が供給されることによりジュール熱により発熱するニクロム線等の抵抗線を用いて構成されている。
この金型Mでは、蓄電池15と、電力を制御する電力制御部16と金型Mとの間に断熱材18を備えている。第1金型11のヒータ14に蓄電池15からの電力を供給するためコネクタ19を第1金型11と第2金型12との間に備えている。このコネクタ19は、第1金型11と第2金型12とが型締め状態に達した場合に導通し、第1金型11と第2金型12との分離に伴って分離するように構成されている。
蓄電池15は、リチウムイオン電池や、ニッケル水素電池等の2次電池として構成されるものであり、急速な充電を実現する。尚、蓄電部にキャパシタを用いても良い。
〔実施形態の作用・効果〕
このように、成形システムでは複数の金型Mを搬送装置1で搬送すると共に、搬送に伴い、最適な温度まで加熱された金型Mに樹脂を充填し、金型Mの放熱を行い、金型Mから成形品を取り出す全ての作動を自動的に行えるため、高品質の樹脂成形物を、高い製造効率で製造する。特に、予め適正な温度に設定された金型Mに対して射出により樹脂を充填するため、樹脂の充填性が良く、成形品の歪も抑制される。
給電領域Eでは、非接触状態で電力を供給するため、例えば、電極を接触させて導通を行うものと比較すると、電極の摩耗や汚れに伴う導通不良を招くことがなく、システムの耐久性を向上させつつ、確実な給電を可能にする。
更に、金型Mに蓄電池15を備え、この蓄電池15の電力を、金型Mに備えたヒータ14に通電して加熱を行うため、例えば、外部からハーネス等を介して電力を供給するものと比較して、搬送を容易にし、確実な加熱を実現する。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)ヒータ14を、第1金型11と、第2金型12との何れか一方だけに備える。このように構成する場合、第1金型11と第2金型12とのうちヒータ14を備えたものに対して、蓄電池15を備えると合理的である。
(b)実施形態の成形システムでは、給電領域Eにおいて非接触で電力を供給する構成を採用していたが、接触により電力を供給する供給装置を用いても良い。
つまり、金型Mに受電側電極を露出状態で備え、給電領域Eに対して供給側電極を備え、この給電領域Eにおいて、受電側電極に対して供給側電極を接触させる構成を採用することも可能である。受電側電極と供給側電極とを接触させる構成として、例えば、電車等の車両に備えられているパンタグラフのように金型Mの移動を許容しつつ、給電を実現する構成や、金型Mの搬送を一時的に停止させ、例えば、ロボットハンドにより電極同士を接触させて給電を実現する構成等が考えられる。
(c)金型Mの温度を検知する温度センサを金型Mに備え、この温度センサで検知される温度が目標温度に達するまでヒータ14に電力を供給するように電力制御部16の制御形態を設定する。このように構成することにより、金型Mの温度を最適な値に維持することも可能となる。また、ヒータ14に電力を供給する場合に、デューティ比の設定により温度管理の精度を向上させても良い。
(d)発熱だけを行うヒータ14として、ペルチェ素子を備える。ペルチェ素子は所定の方向に通電することで発熱してヒータとして機能するものであるが、逆方向に通電することにより吸熱(冷却)可能となる。このような原理を用いることにより、高精度の温度管理が可能となる。
本発明は、温度が管理される成形用金型に利用することができる。
1 搬送路(搬送装置)
11 第1金型
12 第2金型
14 ヒータ
15 蓄電部(蓄電池)
16 電力制御部
17 受電部
19 コネクタ
A 温度設定領域
B 射出領域
C 冷却領域
D 成形品取出領域

Claims (4)

  1. 射出成形する際に、温度設定領域と、射出領域と、冷却領域と、成形品取出領域とに亘って順次搬送され、互いに型締め可能な成形用の第1金型および第2金型と、
    前記第1金型および前記第2金型の少なくとも何れか一方を加熱するヒータと、
    前記第1金型および前記第2金型の少なくとも何れか一方に設けられ、前記ヒータに給電する電力を蓄える蓄電部とを備えた成形用金型。
  2. 前記蓄電部から前記ヒータへの通電状態を設定する電力制御部が備えられている請求項1に記載の成形用金型。
  3. 前記蓄電部が2次電池であり、前記第1金型および前記第2金型は、前記搬送路上で前記蓄電部に対して給電する非接触式の受電部を備えている請求項1または2に記載の成形用金型。
  4. 前記第1金型および前記第2金型が互いに型締めされた際に接続されるコネクタが、前記第1金型および前記第2金型に各別に設けられ、
    前記第1金型に設けられた前記蓄電部から、前記コネクタを介して前記第2金型に設けられた前記ヒータへの給電が可能に構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の成形用金型。
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