JPH0720489Y2 - 空気調和装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、機械室に於ける占有スペースを小さなものと
することができる還気用送風機と全熱交換器を内蔵した
空気調和装置に関するものである。

（従来技術及びその問題点） 従来のこの種空気調和装置として第２図に示される構造
をしたものがあるが、これは本体ケーシング１の側板部
分に外気の取入口２並びに排気口５を、同本体ケーシン
グの天板1₁部分に調和空気の吐出口３並びに還気の吸込
口４をそれぞれ設け、同本体ケーシング内を、取入口２
から吐出口３に至る給気側風路ａと吸込口４から排気口
５に至る排気側風路ｂとに区画し、給気側風路ａには熱
交換コイル６と調和空気送風用の送風機７を、排気側風
路ｂには還気吸引用の送風機８を、両風路ａ、ｂ間には
外気と排気との間で全熱を交換するための全熱交換器９
をそれぞれ設置するとともに、給気側風路ａには送風機
７によって取入口２から吸引された外気を、熱交換コイ
ル６側に直接送風するか或いは全熱交換器９を介して送
風するかを選択するダンパ10、11を、排気側風路ｂには
送風機８によって吸込口４から吸引された還気を、排気
口５側に直接送風するか或いは全熱交換器９を介して送
風するかを選択するダンパ12、13をそれぞれ設け、両風
路ａ、ｂ間には前記還気を熱交換コイル６側に送風する
か否かを選択する還流用のダンパ14を設けた構造で、ダ
ンパ10、12を開、ダンパ11、13、14を閉とすることによ
り行われる外気と還気との間での全熱交換なしの全外気
運転、ダンパ11、13、14を開、ダンパ10、12を閉とする
ことにより行われる排熱回収運転をそれぞれ可能とする
多機能型の空気調和装置であった。

しかしながら、この装置にあっては排気口５は本体ケー
シング１の側面側に設けられているので、機械室の天井
から垂下してくる排気ダクトの端部をこの排気口５に接
続するには排気ダクトの下端部を水平に屈曲させなけれ
ばならず、この屈曲部の存在によって圧力損失が生じて
排気能力が低下する欠点があるだけでなく、排気用のダ
ンパ12と排気口５とは位置と開口部の大きさが一致して
いないため、ダンパ12と排気口５との間に乱流、渦流そ
の他気流の不均一化による圧力損失を防止するための大
きな緩衝スペースを必要として装置全体が大型化し、前
記排気ダクトの屈曲部の存在と相俟て機械室に於ける装
置の占有スペースが大きくなるという欠点を有してい
た。

（考案の目的） 本考案は、上記従来技術の欠点を解消するために、排気
口を本体ケーシングの天板部に設けることにより排気ダ
クトの屈曲部を不要ならしめ、排気用のダンパと排気口
とを最短の距離で一致させることにより緩衝スペースを
最小のものとして装置の小型化を図り、機械室に於ける
占有スペースを小さなものとすることができる空気調和
装置を提供することを目的とするものである。

（考案の開示） 本考案に係る空気調和装置は、本体ケーシング１に、外
気の取入口２、調和空気の吐出口３、還気の吸込口４及
び排気口５を設け、同本体ケーシング内を、取入口２か
ら吐出口３に至る給気側風路ａと吸込口４から排気口５
に至る排気側風路ｂとに区画し、給気側風路ａには熱交
換コイル６と調和空気送風用の送風機７を、排気側風路
ｂには還気吸引用の送風機８を、両風路ａ、ｂ間には外
気と還気との間で全熱を交換するための全熱交換器９を
それぞれ設置するとともに、給気側風路ａには送風機７
によって取入口２から吸引された外気を、熱交換コイル
６側に直接送風するか或いは全熱交換器９を介して送風
するかを選択するダンパ10、11を、排気側風路ｂには送
風機８によって吸込口４から吸引された還気を、排気口
５側に直接送風するか或いは全熱交換器９を介して送風
するかを選択するダンパ12、13をそれぞれ設け、両風路
ａ、ｂ間には前記還気を熱交換コイル６側に送風するか
否かを選択する還流用のダンパ14を設けて成る空気調和
装置に於いて、前記排気口５を送風機８から全熱交換器
９に至る風路の間の天板1₁部分に設け、同排気口５の直
下の風路を仕切板15、16にて三角柱状の空間部ｃが形成
されるように仕切り、傾斜する仕切板15にはダンパ12
を、垂直の仕切板16にはダンパ13をそれぞれ配置したこ
とを特徴とするものである。

尚、図中、17は除塵用フイルターである。

（考案の作用） 本考案の上記構成に従い、図示する実施例について本案
空気調和装置の作用を説明する。

即ち、空調機械室に設置された本案空気調和装置の熱交
換コイル６に熱源機械室から夏期には冷水、冬期には温
水を供給し、それぞれの送風機７、８を駆動して空調運
転を開始する。

空調運転時、ダンパ10、12を開、ダンパ11、13、14を閉
とすれば、取入口２から給気側風路ａに吸引された外気
は開となっているダンパ10を通り、熱交換コイル６を通
過して吐出口３から給気ダクトを介して被空調域に供給
される。一方被空調域から還気ダクトを介して帰還して
きた還気は吸込口４から排気側風路ｂに入り、開となっ
ているダンパ12を通って空間部ｃに入り、排気口５から
排気ダクトを介して戸外に排出される。この場合、外気
と還気との間では何等熱交換が行われない所謂全外気運
転が行われる。

次に、ダンパ11、13、14を開、ダンパ10、12を閉とすれ
ば、外気は全熱交換器９の一方の通路を通り、熱交換コ
イル６を経て被空調域に供給され、還気の一部は全熱交
換器９の他方の通路を通って空間部ｃに入り、排気口５
から戸外に排出され、また、残りの還気はダンパ14を通
り、給気側風路ａに入る。この場合、外気と排気との間
で全熱交換が行われ、所謂排熱回収運転が行われる。

上記一連の作用は従来装置の場合と同じであるが、全外
気運転時に於いてダンパ12を通った還気は最短距離で排
気口５に送風され、しかもダンパ12の開口部と排気口５
の開口部とを一致させているため、乱流、渦流その他不
均一な気流が発生せず、円滑に排気が行われる。

（考案の効果） 以上述べた如く、本考案に係る空気調和装置によれば、
排気口を本体ケーシングの天板部分に設け、この排気口
に排気用のダンパを最短距離でしかも開口部同志対面さ
せるように配置したものであるから、従来装置のように
不均一気流を緩衝するための大きな緩衝スペースを必要
としなくなり、これによって本体ケーシングつまり装置
全体を小型化することができ、かつ、排気ダクトに屈曲
部を設ける必要がないので、この屈曲部に占有されるス
ペースも省かれ、全体として機械室に於ける装置の占有
スペースを小さなものとすることができ、しかも排気ダ
クトに屈曲部のないものを使用することができるので、
従来装置のように圧力損失が生じて排気能力が低下する
ようなこともないものである。

また、本実施例の如く、給気ダクトの代わりとなる風路
を本体ケーシング内に形成すれば、本体ケーシングの天
板部分に外気の取入口を設けることができ、これによっ
て装置を機械室のコーナー部分に体裁良く設置すること
ができ、実用上及び外観上とも優れたものとすることが
できる効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するもので、 第１図は本案装置の正面透視図、 第２図は従来装置の正面透視図 である。 １…本体ケーシング、２…取入口、３…吐出口、４…吸
込口、５…排気口、６…熱交換コイル、７、８…送風
機、10、11、12、13、14…ダンパ、15、16…仕切板、17
…フイルター、ａ…給気側風路、ｂ…排気側風路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケーシング１に、外気の取入口２、調
   和空気の吐出口３、還気の吸込口４及び排気口５を設
   け、同本体ケーシング内を、取入口２から吐出口３に至
   る給気側風路ａと吸込口４から排気口５に至る排気側風
   路ｂとに区画し、給気側風路ａには熱交換コイル６と調
   和空気送風用の送風機７を、排気側風路ｂには還気吸引
   用の送風機８を、両風路ａ、ｂ間には外気と排気との間
   で全熱を交換するための全熱交換器９をそれぞれ設置す
   るとともに、給気側風路ａには送風機７によって取入口
   ２から吸引された外気を、熱交換コイル６側に直接送風
   するか或いは全熱交換器９を介して送風するかを選択す
   るダンパ10、11を、排気側風路ｂには送風機８によって
   吸込口４から吸引された還気を、排気口５側に直接送風
   するか或いは全熱交換器９を介して送風するかを選択す
   るダンパ12、13をそれぞれ設け、両風路ａ、ｂ間には前
   記還気を熱交換コイル６側に送風するか否かを選択する
   還流用のダンパ14を設けて成る空気調和装置に於いて、
   前記排気口５を送風機８から全熱交換器９に至る風路の
   間の天板1₁部分に設け、同排気口５の直下に前記還気を
   排気口側に直接送風するか否かを選択するダンパ12を同
   排気口に対面するように配置したことを特徴とする空気
   調和装置。