JP2629565B2 - カセット形換気ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は室内空調と同時に該室
内の排気熱量を最も有効に回収しその再利用により大巾
な経済的効果を計らんとするカセット形換気ユニットに
関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、室内空調と同時に該室内の排気熱
量を最も有効に回収しその再利用により大巾に経済的効
果を求め得ようとするがために機内に形成せる送風通路
ア内に全熱交換器イを設置してなる所謂、換気ユニット
が種々開発されている。しかるにこれらの換気ユニット
は図１に示す如く、その殆どは、全熱交換器イが斜め設
置に配置されているがために、加湿器を該全熱交換器イ
の風の流出側に設置行わしめることは不可能であり、例
え設置したとしてもスペースの関係上、小型のものしか
設置出来得ず理想的な加湿効果を求めることが困難であ
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記の問題
点に着眼し、従来の概念である全熱交換器の斜め設置を
水平設置に変更し、熱交換作用を毛頭減退することなく
加湿空気をも同時に送風可能としたカセット形換気ユニ
ットを汎く提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、外気導入口と排気口を側面に有する機体
を、上下に扁平な箱形に形成し、この機体内の左側の前
後方向中間部に、長手側の外周四面が通気面をなす直方
体状の全熱交換器を、その長手方向が上記機体の左右方
向に向きかつ上記通気面が水平状及び垂直状となるよう
に配設し、上記機体内の上記全熱交換器よりも右側に、
排気用送風機と吸気用送風機を前後方向に分配し、上記
機体内の上記排気用送風機と吸気用送風機よりも右側
に、消音チャンバーを配設し、下方開口状の吹出口及び
吸込口を有する天井パネルを、上記機体の下面に設け、
この天井パネル及び上記機体に、空気が上記吸込口と上
記全熱交換器と上記排気用送風機と上記排気口を順次通
過するように連通してなる排気送風通路と、空気が上記
外気導入口と上記全熱交換器と上記吸気用送風機と上記
消音チャンバーと上記吹出口を順次通過するように連通
してなる外気送風通路と、を形成し、この外気送風通路
の上記全熱交換器と上記吸気用送風機の間に、加湿器を
配設したものである。

【０００５】

【作用】 本発明は上記の構造を有するものであって、天
井パネルの吸込口及び吹出口を室内側に露呈させ、機体
を天井内に設置し、外気導入口と排気口はダクトなどに
より室外側と連通させる。この状態で排気用送風機と吸
気用送風機を運転すると、室内空気は吸込口から吸い込
まれて排気送風通路を矢印ＲＡ〜ＥＡで示すように曲折
しながら排気口まで送風され、同時に室外空気は外気導
入口から吸い込まれて外気送風送通路を矢印ＯＡ〜ＳＡ
で示すように曲折しながら吹出口まで送風される。

【０００６】このとき、全熱交換器により室外空気と室
内空気が熱交換され、室外空気は加湿器により適宜加湿
が行われる。消音チャンバーは、吹出口から流れ出よう
とする騒音を吸収すると同時に空気への加湿水の吸収を
助ける。

【０００７】

【実施例】 以下、図２〜図４に基づいて本発明の実施例
を説明する。１は機体で、外気導入口４と排気口５を側
面に有している。この外気導入口４と排気口５は、たと
えば図例のごとく機体１の後部側面に形成する。

【０００８】機体１は、上下に扁平な箱形に形成し、機
体１内の左側の前後方向中間部に、長手側の外周四面が
通気面をなす直方体状の全熱交換器６を、その長手方向
が機体１の左右方向に向きかつ上記通気面が水平状及び
垂直状となるように配設する。

【０００９】さらに、機体１内の全熱交換器６よりも右
側に、吸気用送風機８と排気用送風機７を前後方向に分
配する。この送風機７、８は、たとえば図例のごとく排
気用送風機７を後部側に、吸気用送風機８を前部側に配
設する。さらに、機体１内の排気用送風機７と吸気用送
風機８よりも右側に、消音チャンバー１０を配設する。

【００１０】また、開閉自在な中央パネル１１を挟んで
分配される下方開口状の吹出口３及び吸込口２を有する
天井パネルを、機体１の下面に設ける。この天井パネル
及び機体１に、空気が吸込口２と全熱交換器６と排気用
送風機７と排気口５を順次通過するように連通してなる
排気送風通路Ａと、空気が外気導入口４と全熱交換器６
と吸気用送風機８と消音チャンバー１０と吹出口３を順
次通過するように連通してなる外気送風通路Ｂと、を形
成する。

【００１１】この外気送風通路Ｂの全熱交換器６と吸気
用送風機８の間に、各種形式の加湿器９を配設する。こ
の加湿器９は、たとえば気化式として、図例のごとく全
熱交換器６の前部側の垂直状通気面に沿って垂直状に配
設する。

【００１２】排気用送風機７は、空気を全熱交換器６の
上部側の水平状通風面から吸い上げて排気口５に送風す
る吸込式とすると共に、吸気用送風機８は、空気を全熱
交換器６の前部側の垂直状通風面から吸い込む吸込み式
とする。全熱交換器６は脱着可能に構成し、全熱交換器
６と中央パネル１１の間にメンテナンス用ホール１２を
形成する。また、全熱交換器６の風上側通気面にはそれ
ぞれフィルター１３を配設する。

【００１３】なお、図示省略しているが、切換ダンパー
を設けたバイパス送風通路を形成して、室内空気の全量
を排気することなく、その一部のみを室内に還気させ、
排気中の残存熱量を外気と混入して熱量の消費を補足す
るも自由である。また、本発明は上述の実施例に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由で
ある。

【００１４】

【発明の効果】 換気ユニットで加湿を行えるうえに、機
体１を上下扁平としその内部に、加湿器９、消音チャン
バー１０、排気用送風機７、吸気用送風機８及び全熱交
換器６を、上下に重ねずに前後左右水平方向に空きスペ
ースが少なくなるようにバランス良く配設して、コンパ
クト化を図っているので、機体１の天井内への設置スペ
ース、特に上下幅を大きくとれない場合でも容易に設置
できる。

【００１５】排気送風通路Ａと外気送風通路Ｂは前後左
右水平方向及び上下垂直方向に曲折するために、通路
Ａ、Ｂ内での騒音のエネルギー減衰量が大きく、かつ、
騒音の主発生源となる排気用送風機７及び吸気用送風機
８と、この騒音の室内への流出口となる吸込口２及び吹
出口３と、の間で全熱交換器６が吸音材としても機能す
ると共に消音チャンバー１０で吸音するため、低騒音運
転が可能で、静粛な空調が要求される場所でも使用でき
る。しかも、蒸発吸収距離（水分が空気に吸収されるま
での距離）が必要な加湿器９でも、その距離を消音チャ
ンバー１０でとることができるので、蒸発吸収専用空間
を別に形成したりエリミネータなどを設置する必要がな
く、コストダウンとコンパクト化を図り得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来の換気ユニットの内部構造図、

【図２】 この発明に係るカセット形換気ユニットの内
部構造を略解的に示す平面図、

【図３】 同上、正面図，

【図４】 同上、左側面図である。

【符号の説明】

１ 機体 ２ 吸込口 ３ 吹出口 ４ 外気導入口 ５ 排気口 ６ 全熱交換器 ７ 排気用送風機 ８ 吸気用送風機 ９ 加湿器 １０ 消音チャンバー Ａ 排気送風通路 Ｂ 外気送風通路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外気導入口４と排気口５を側面に有する
   機体１を、上下に扁平な箱形に形成し、この機体１内の
   左側の前後方向中間部に、長手側の外周四面が通気面を
   なす直方体状の全熱交換器６を、その長手方向が上記機
   体１の左右方向に向きかつ上記通気面が水平状及び垂直
   状となるように配設し、上記機体１内の上記全熱交換器
   ６よりも右側に、吸気用送風機８と排気用送風機７を前
   後方向に分配し、上記機体１内の上記排気用送風機７と
   吸気用送風機８よりも右側に、消音チャンバー１０を配
   設し、下方開口状の吹出口３及び吸込口２を有する天井
   パネルを、上記機体１の下面に設け、この天井パネル及
   び上記機体１に、空気が上記吸込口２と上記全熱交換器
   ６と上記排気用送風機７と上記排気口５を順次通過する
   ように連通してなる排気送風通路Ａと、空気が上記外気
   導入口４と上記全熱交換器６と上記吸気用送風機８と上
   記消音チャンバー１０と上記吹出口３を順次通過するよ
   うに連通してなる外気送風通路Ｂと、を形成し、この外
   気送風通路Ｂの上記全熱交換器６と上記吸気用送風機８
   の間に、加湿器９を配設したことを特徴とするカセット
   形換気ユニット。