JPH07204854A - 高速ガスシールドアーク溶接装置及び方法 - Google Patents

高速ガスシールドアーク溶接装置及び方法

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JPH07204854A
JPH07204854A JP1224294A JP1224294A JPH07204854A JP H07204854 A JPH07204854 A JP H07204854A JP 1224294 A JP1224294 A JP 1224294A JP 1224294 A JP1224294 A JP 1224294A JP H07204854 A JPH07204854 A JP H07204854A
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welding
wire
electrode
torch
twin
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JP1224294A
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Yukiyoshi Kitamura
征義 北村
Yukihiko Horii
行彦 堀井
Sadao Toshima
貞雄 都島
Harutoshi Kubota
晴敏 窪田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速すみ肉溶接や、狭隘部へのすみ肉溶接を
行なうための2および3電極高速ガスシールドアーク溶
接装置および方法を提供する。 【構成】 同一溶接トーチ内で2本の溶接ワイヤを給電
チップに送給するツインワイヤ溶接トーチを、溶接電極
として2または3電極の少なくとも1極に設ける。さら
にシールドガスを溶接アークに向けて供給するためのパ
イプを先行電極前方及び後行電極後方に装着すること、
ツインワイヤ溶接トーチの溶接電流を200〜800A
とすること等も特徴とする。 【効果】 アーク力が分散され、大電流でも欠陥の無い
溶接ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤを消耗電極とする
ガスシールドアーク溶接で、特に鋼管の爪付け溶接や、
造船でのすみ肉溶接、突合せ溶接を高能率で行う溶接装
置及びこれを使用した溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熟練溶接士の高齢化、若手労働者
の溶接分野への従事敬遠などから溶接士確保は深刻な問
題となりつつある一方、社会資本充実や景気対策面から
土木建築分野での鋼材使用は根強いものがあり、また、
環境汚染防止のため造船界ではタンカーの二重底化(ダ
ブルボトム、ダブルハル)を進めつつある。前者の土木
建築分野で鋼管杭などに使用されるスパイラル鋼管は、
製造された素管の70%近くが何らかの二次加工溶接が
なされている。これらの作業は人力に頼っているのが現
状であるが、今後予想される需要増に対応するには、前
述のように溶接士の確保が難しく、かつ、新たな工場立
地スペース入手も非常に困難な環境になってきつつあ
る。したがって、現状の資源で生産性を向上させるため
には溶接速度を高め、溶接能率をアップすることが焦眉
の問題であり、ロボット化し易いガスシールドアーク溶
接(以下、MAG、あるいはMIG法と称す)で、従
来、爪付け溶接で用いられているサブマージドアーク溶
接(以下、SAWと称す)の能率をしのぐ高速化技術出
現が待たれている。また、造船ではダブルボトム化です
み肉溶接工程が増大するため、この高速化が切望されて
いる。
【0003】近年、高速MAG溶接法として、特開平2
−280968号公報に開示されているような2電極高
速MAG法が開発されている。また、突合せ溶接には大
電流を用いて溶接能率を向上させた特公昭59−847
5号公報にみられるような大電流MIG溶接法の採用で
高速化、高能率化が進められつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
2電極高速MAG法では水平すみ肉溶接脚長5〜6mm
で溶接速度1.5m/minが限界であり、現在、期待
される2m/min超の溶接速度には耐えられない。溶
接速度1.5m/min以上の高速溶接では、所定の等
脚長を十分保証できるワイヤ溶着量を与えても目標脚長
には届かず、幅が狭く、凸型のビードになってしまって
いた。これは高速溶接になるほど、使用する溶接電流も
高くなり、アーク力がより強力になって溶融プールが後
方に押しやられるとともに、溶融プールの形状も涙滴型
から溶接線方向に細長く伸びた形状に変化し、幅が狭い
状態でビード止端の凝固が開始するため、残された溶融
金属はビード高さ方向に盛り上がるしかなく、結果とし
て凸ビードとなったり、アンダカットが発生し易くなる
ものと考えられる。
【0005】溶接高速化を阻害する要因は上述したよう
に、高速溶接になるほどアークが後方に引かれ、幅方向
の広がりが小さくなること、及び高溶接電流化によって
アーク力が強力になって溶融プールが後方に押しやられ
るためである。この阻害要因を解消する手段としては溶
接ワイヤを複数化してアーク力を分散し、溶融プール後
退を抑えることが有効であり、これまで種々の提案がな
されている。例えば特公平1−50507号公報、特開
昭61−212480号公報にみられるような1電極を
2ワイヤ化したSAW法、特開昭63−140773号
公報にみられるごとく1溶接トーチに複数ワイヤを送給
するMAG法などが開示されている。しかしながら、後
者の1溶接トーチに複数ワイヤを送給するMAG法や、
前述の大電流MIG法では使用する溶接トーチが大型化
して水平すみ肉溶接を行うには不適で、特に、鋼管の爪
付け溶接のような狭隘部への適用は全く不可能である。
本発明は溶接速度2m/minを超える水平すみ肉溶接
方法、及び狭隘部での高能率MAG法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、溶接ワイヤを消耗電極とする2また
は3電極のガスシールドアーク溶接装置において、同一
溶接トーチ内で2本の溶接ワイヤを給電チップに送給す
るツインワイヤ溶接トーチを、溶接電極として前記2ま
たは3電極の少なくとも1極に設けたことを特徴とする
高速ガスシールドアーク溶接装置である。またここにお
いてシールドガスを溶接アークに向けて供給するための
パイプを先行電極前方及び後行電極後方に装着したこと
も特徴とする。また上記高速ガスシールドアーク溶接装
置を用いて、ツインワイヤ溶接トーチの溶接電流を20
0〜800Aとしてツインアークを発生させ、溶接を行
うことを特徴とする高速ガスシールドアーク溶接方法で
ある。またここにおいて先行電極溶接ワイヤ後端と後行
電極溶接ワイヤ前端、または先行電極溶接ワイヤ後端と
中間電極ワイヤ前端及び中間電極ワイヤ後端と後行電極
の溶接ワイヤ前端との間隔を5〜40mmとすること、
フラックス入り溶接ワイヤを用いることも特徴とする。
【0007】
【作用】図1は本発明の2電極高速ガスシールドアーク
溶接装置の一実施態様の側断面模式図で、先行、後行電
極とも2本のワイヤを用いるツインワイヤ溶接トーチを
使用した例を示し、図2は先行電極のみツインワイヤ溶
接トーチを使用した例、及び図3は逆に後行電極のみツ
インワイヤ溶接トーチを使用した例を示す本発明の他の
実施態様側面模式図である。以下、図1の参照符号を用
いて説明すると、2本の溝を有するワイヤ送給ローラ
(図示せず)によって送られた2本1組の溶接ワイヤ1
A,1B,2A,2Bは先行ツインワイヤ溶接トーチ
3、後行ツインワイヤ溶接トーチ4に連結されたツイン
ワイヤ用コンジツト5,6を介してワイヤガイド9,1
0に導かれる。そして、先行ツインワイヤ溶接トーチ3
の溶接ワイヤ1B後端と、後行ツインワイヤ溶接トーチ
4の溶接ワイヤ2A前端との間隔Lを5〜40mmに保
つよう給電チップ7,8A,8Bを装着するとともに、
溶接トーチ3,4の前方及び後方に配置したパイプ1
1,12を介して溶接アーク部にシールドガスを供給し
つつ、4本のワイヤで2電極MAG溶接を行う構成とし
たものである。なお13は母材、14は溶接金属、15
はスラグ、16は溶融プールである。かかる装置を採用
することによって、2電極溶接でありながら、4本の溶
接ワイヤにそれぞれ溶接電流を分け、アーク力を分散化
させることにより高速溶接を可能としたものである。
【0008】2電極で2本のワイヤを用いる従来技術
(特開平2−280968号公報など)では、溶接速度
2m/minという高速溶接で脚長5mmを確保するに
は1電極の溶接電流値が著しく大きくなり、アーク力が
強大となって溶融プール重力ヘッドとのバランスが崩
れ、溶融プールを大きく後退させるためアンダカット発
生を抑制できないのに対し、本発明では2電極でありな
がらツインワイヤ溶接トーチであって2本のワイヤに溶
接電流を分散しているため、1電極当りの溶接電流値は
大きくてもワイヤ1本当りの溶接電流はその半分とな
り、前者に比べアーク力が分散化され、かつ弱くなるた
め、高速溶接を行っても溶融プール後退が小さく、アン
ダカットなど溶接欠陥のない安定した溶接が行えるので
ある。
【0009】また、特開昭63−140773号公報に
みられる複数本のワイヤとシールドガスを同一溶接トー
チから供給する方式では溶接トーチの大型化が避けられ
ず、2電極化はいうに及ばず、1電極溶接ですら狭隘部
へ溶接トーチを挿入することは不可能であるが、本発明
のようにシールドガス供給を溶接トーチから分離し溶接
線前後方向から行うことによって、溶接トーチをコンパ
クト化して狭隘部での溶接を可能ならしめたものであ
る。
【0010】なお、図1中では先行ツインワイヤ用給電
チップ7には同一給電チップに2個の孔を設けた複数孔
型チップを、後行ツインワイヤ用給電チップ8A,8B
には市販のシングルチップをそれぞれ取り付けた構成を
示しているが、どちらを使用しても効果は変わらないこ
とはいうまでもなく、複数孔型、市販シングルチップの
みの使用でもなんら差し支えない。また、図2,3に示
すシングルワイヤを使用する電極には市販トーチを使用
することもできる。
【0011】通常の水平すみ肉溶接や突合せ溶接を行う
場合には、ツインワイヤ溶接トーチ3,4のそれぞれの
下部にノズル(図示せず)を装着し、ツインワイヤ溶接
トーチ本体内からシールドガス供給を行う一体型溶接ト
ーチを使用して溶接することができる。また、鋼管の爪
付け溶接のような狭隘部の溶接では2本の溶接ワイヤを
カバーする前述のノズルの径が大きくなるため、一体型
とした溶接トーチを使用することが困難である。このよ
うな場合には、曲率を有するパイプ11,12を溶接ト
ーチ3,4の前方及び後方に設置し、このパイプにシー
ルドガスを導入して両方向から溶接部にガスを供給す
る。このように溶接トーチ部とシールドガス供給部とを
分離することで溶接トーチをスリム化し、狭隘部溶接を
可能とする。また、突合せ溶接で広幅ビード形成が必要
な場合には溶接トーチ3,4の向きを90°まで適宜変
え、ワイヤをパラレルに配置すれば、高速溶接でも広幅
ビードを確保することが可能となる。
【0012】なお、パイプ11,12によるシールドガ
ス供給では、一体型溶接トーチに比べブローホール発生
防止にパイプの位置調整が重要で、アーク発生位置へ確
実にシールドガスを供給する必要があるが、ソリッドワ
イヤに比べシールド特性のよいフラックス入りワイヤを
使用すれば厳密な位置調整の必要がなく、容易に安定し
た溶接を行うことができる。このフラックス入りワイヤ
はJIS Z3313相当品で、ワイヤ全重量に対して
スラグ形成剤(例えば特開平2−205299号公報に
開示されているような酸化物、弗化物)として10〜2
5wt%充填されたものが好ましい。10%未満ではシ
ールド特性が劣化し、25%を超えると生成したスラグ
量が過多となってスラグ巻き込みなどが発生しやすくな
る。また、溶接ワイヤ径は1.2〜1.6mmのものが
使いやすく、1.2mm未満ではワイヤ癖が大きく、ワ
イヤの溶接位置狙いが不安定になり、1.6mmを超え
る径では、ワイヤ抵抗加熱が減少して溶融効率が低下す
るため、同じ溶着量を得るのにより大きな溶接電流が必
要となり好ましくない。
【0013】また、本発明は3電極で実施することもで
きるが、3電極での中間電極のシールドガス供給は、中
間極に向かって流れてくる溶接トーチ前後方向からの先
行、後行電極シールドガスでカバーされ、特に必要とし
ないが、フラックス入りワイヤを使用せずソリッドワイ
ヤを使用する場合は、溶接トーチ本体内からシールドガ
ス供給を行う一体型溶接トーチを使用してシールドをよ
り確実に行うことが好ましい。
【0014】さらに、溶接速度2m/min超の高速溶
接を行う場合には、鋼管の爪付け溶接のような狭隘部へ
の溶接ばかりでなく、すみ肉溶接においても、シールド
ガスを溶接線方向に対し先行電極前方及び後行電極の後
方から溶接アークに向けて供給することが有効である。
すなわち図4は溶接中のトーチ先端近傍を示した断面図
であり、先行電極20、後行電極21ともガスシールド
が一体型のトーチを使用している。ビード形成を支配す
る後行電極21が一体型溶接トーチでのシールド方式で
は、図4に示すように、後行電極21のアーク力が作用
する方向24とシールドガスの流れる方向25が同じ方
向にあるため、高速溶接になるほど溶融プール後退距離
Mを助長する。一方、図5も図4と同様な断面図である
が先行電極22、後行電極23ともガスシールドが別に
なっており、パイプ11,12によりシールドガスが供
給される。図5に示す後行電極23の後方から溶接部前
方に向かってシールドガスを供給する方式では、溶融プ
ール後退を抑制するようにシールドガスの流れ26が作
用するため溶融プール後退距離Nが小さくなり、高速溶
接でもアンダカットなどのような溶接欠陥のない良好な
ビードが得られるものである。
【0015】また、高溶接速度で安定した溶接を行うた
めには先行電極と後行電極、先行電極と中間電極及び中
間電極と後行電極の間で安定した溶融プール溜まりを形
成させることが重要である。本発明で先行電極の溶接ワ
イヤ後端と後行電極の溶接ワイヤ前端との間隔L、また
は先行電極溶接ワイヤ後端と中間電極ワイヤ前端及び中
間電極ワイヤ後端と後行電極の溶接ワイヤ前端との間隔
Lを5〜40mmが好ましいとした理由は、この溶融プ
ール溜まりを安定して維持できる範囲を明示したもので
ある。すなわち、Lが5mm未満では溶融プール溜まり
として存在するのが難しくなり、逆に40mmを超える
と、溶融プールを安定維持する先行、後行電極アーク力
の相互作用効果が弱まり、溶融プール溜まりが不安定に
なりやすいためである。さらに、本発明の先行電極前方
及び後行電極後方から溶接アークに向けてシールドガス
を供給する方式は、この溶融プール溜まりを安定して形
成させることにも有利に働いている。それは、図5にも
示したように、先行と後行のシールドガスの流れがこの
電極間で交差するため、生成した溶融金属は両方から吹
き寄せられて溶融プール溜まりをより安定して形成しや
すくなるためである。
【0016】つぎに、ツインワイヤ溶接トーチで使用す
る溶接電流の好ましい範囲として、下限を200Aとし
たのは、ツインアークを維持する溶接電流に限界がある
ためである。すなわち、200A未満では2本のそれぞ
れのワイヤに流れる溶接電流は100A未満となって、
ツインアークを維持することが困難となるためである。
また、上限を800Aとしたのは、800Aを超えるよ
うな大電流になると2本のワイヤのそれぞれにも400
A以上の溶接電流が流れるようになり、アーク力の強大
化とともに、溶融プール後退が大きくなって、溶接欠陥
発生という問題が生じ好ましくない。
【0017】なお、溶接速度2.5m/min以上で5
mmより大きな脚長を必要とする場合は、2電極では1
電極当りの溶接電流値が800Aを超える恐れがあり、
さらに溶接電流を分散させるため、3電極とすることが
必要になる。この場合でも少なくとも1極はツインワイ
ヤ溶接トーチを使用すべきである。なぜならば、3電極
で各電極1本ずつのワイヤでは、本発明に含まれる3本
のワイヤを用いる2電極高速ガスシールド溶接法と何ら
変わらず、1電極当りの溶接電流値が大きくなって安定
したビード形成が望めないからである。
【0018】
【実施例】図6の正面図(a)と側面図(b)に示すよ
うに板厚9mm、幅100mm、長さ1000mmのJ
IS SM400Aの2枚の鋼板を逆T型に組立て、そ
の上板30と下板31の交差部を表1に示す溶接条件
で、脚長5mm及び7mmを目標として2及び3電極M
AGによる水平すみ肉溶接を行った。また、狭隘部への
溶接として図7の正面図(a)と側面図(b)に示すよ
うに、前記SM400Aの板32に板厚9mm、幅30
mm、高さ60mm、長さ1000mmのL形の鋼板3
3を取り付け、そのL形鋼と前記鋼板との交差部を2電
極MAGによる水平すみ肉溶接を行った。なお、表1に
おいて、本発明例のA,B,C,E及び比較例のFは図
6に示した逆T型試験片を用い、本発明例Dは図7に示
す狭隘部の試験片を用いて溶接を行った。さらに、板厚
12.7mm、幅100mm、長さ1000mmのSM
400Aを、図8の開先部断面図(a)と平面図(b)
に示すようにX開先加工し、その開先部を表2に示す溶
接条件で2電極MAGによる両面一層突合せ溶接を行っ
た。図8において34は鋼板、35は表側開先、36は
裏側開先である。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】シールドガスは炭酸ガスで各電極に対し、
25リットル/minずつ供給した。また、フラックス
入りワイヤはJIS Z3313 YFW相当品で、本
発明の水平すみ肉溶接と突合せ溶接、及び比較例の2電
極水平すみ肉溶接では1.2mm径、比較例の3電極水
平すみ肉溶接及び突合せ溶接には1.6mmを使用し、
ワイヤ突出し長は25mmで行った。なお、表1中のシ
ールド方法で一体型とは溶接トーチにノズルを装着し、
シールドガスをトーチ内部から供給する方式で、分離型
とは本発明でのパイプによる溶接前後方向からシールド
ガスを供給する方式を意味している。そして、溶接後、
ビード外観検査、及び横断面マクロ試験を行って溶接ビ
ード品質を評価した。その結果を表3、表4に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】本発明法の先行2本、後行1本の3ワイヤ
を用いて水平すみ肉溶接を行った試験No.Aでは溶接
速度2.5m/minにおいて溶接欠陥がなく、かつ、
両脚長とも目標の5mmを超えるすみ肉ビードが得られ
た。また、本発明法で行った試験No.B、及びCでも
同様な良好ビードが得られた。特に、先行、後行とも2
本のワイヤを使用した試験No.Cでは脚長にかなりの
余裕があり、なお高速化し得る余地が残されている。そ
して、図7の狭隘部へ本発明法を適用した試験No.D
でも同様な良好ビードが得られた。
【0025】一方、先行、後行各1本ずつの2ワイヤを
用いる従来法の水平すみ肉溶接を行った試験No.Fで
は電極間での溶融プールが安定せず、後行電極後方の溶
融プール後退も大きく、アンダカット、内部欠陥が多発
し、脚長も5mmに届かず、のど厚だけが大きい凸ビー
ドとなった。
【0026】さらに3電極で脚長7mmを目標とした本
発明の先行、中間電極にツインワイヤ溶接トーチを用い
た試験No.Eは溶接速度2.5m/minで両脚長と
も7mmを確保し、かつ、欠陥のない良好なビードが得
られた。一方、各電極1本ずつのワイヤを使用した比較
例の試験No.Gでは余盛りを考慮した場合、先行ワイ
ヤ径が1.2mmでは送給速度が著しく高速(60m/
分以上)となり送給能力不足となることがわかった。そ
こでワイヤ径を1.6mmに変え、溶着量を合せて試験
を行ったが、脚長及びビード外観とも不十分であった。
【0027】つぎに、本発明の2電極MAGによる両面
一層突合せ溶接を行った試験No.Hでは溶接速度がバ
ックパスで1.8m/min、フィニッシュパスで1.
6m/minという、従来の1電極多層溶接に比べ著し
く高能率化した溶接でも溶接欠陥がなく、かつ溶込み、
余盛りとも問題ないビードが得られた。しかしながら、
先行、後行各1本ずつの2ワイヤを用いて溶接を行った
比較例の試験No.Iでは、溶融プール重力ヘッドとア
ークとのバランスが悪く、溶融プールが不安定となり、
アンダカット、内部欠陥が発生した。
【0028】
【発明の効果】上述したように本発明装置及び方法によ
れば、従来法では困難であった高速すみ肉溶接が可能と
なり、特に狭隘な箇所での高速すみ肉溶接が可能である
ことは大きなメリットである。したがって溶接高能率化
に対し、溶接士要員増や新工場建設を行わなくとも生産
性向上が可能となり、本発明によって溶接コストダウ
ン、溶接能率を大幅に向上できるので産業上のメリット
は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行、後行電極にそれぞれ2本のワイヤを使用
した本発明装置の実施例の側断面図
【図2】先行電極のみツインワイヤ溶接トーチを使用し
た本発明装置の実施例の側面図
【図3】後行電極のみツインワイヤ溶接トーチを使用し
た本発明装置の実施例の側面図
【図4】一体型シールド方式でのガスの流れと溶融プー
ル挙動を説明する図
【図5】分離型シールド方式でのガスの流れと溶融プー
ル挙動を説明する図
【図6】水平すみ肉溶接用試験片形状図で(a)は正面
図、(b)は側面図
【図7】狭隘部への水平すみ肉溶接用試験片形状図で
(a)は正面図、(b)は側面図
【図8】両面一層突合せ溶接用試験片形状図で(a)は
開先部断面図、(b)は平面図
【符号の説明】
1A,1B,2,2A,2B 溶接ワイヤ 3,4 溶接トーチ 5,6 コンジツト 7,8,8A,8B 給電チップ 9,10 ワイヤガイド 11,12 パイプ 13 母材 14 溶接金属 15 スラグ 16 溶融プール 20,22 先行電極 21,23 後行電極 24 アーク力が作用する方向 25 シールドガスが流れる方向 L 先行・後行電極間隔 M,N 溶融プール後退距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 晴敏 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接ワイヤを消耗電極とする2または3
    電極のガスシールドアーク溶接装置において、同一溶接
    トーチ内で2本の溶接ワイヤを給電チップに送給するツ
    インワイヤ溶接トーチを、溶接電極として前記2または
    3電極の少なくとも1極に設けたことを特徴とする高速
    ガスシールドアーク溶接装置。
  2. 【請求項2】 シールドガスを溶接アークに向けて供給
    するためのパイプを先行電極前方及び後行電極後方に装
    着したことを特徴とする請求項1に記載の高速ガスシー
    ルドアーク溶接装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の高速ガスシー
    ルドアーク溶接装置を用いて、ツインワイヤ溶接トーチ
    の溶接電流を200〜800Aとしてツインアークを発
    生させ、溶接を行うことを特徴とする高速ガスシールド
    アーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 先行電極溶接ワイヤ後端と後行電極溶接
    ワイヤ前端、または先行電極溶接ワイヤ後端と中間電極
    ワイヤ前端及び中間電極ワイヤ後端と後行電極の溶接ワ
    イヤ前端との間隔を5〜40mmとすることを特徴とす
    る請求項3に記載の高速ガスシールドアーク溶接方法。
  5. 【請求項5】 フラックス入り溶接ワイヤを用いること
    を特徴とする請求項3または4に記載の高速ガスシール
    ドアーク溶接方法。
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