JP3423467B2 - 高速ガスシールドアーク溶接装置及び方法 - Google Patents

高速ガスシールドアーク溶接装置及び方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤを消耗電極とする
ガスシールドアーク溶接で、特に鋼管の爪付け溶接や、
造船でのすみ肉溶接を高能率で行う装置および方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熟練溶接者の高齢化、若手労働者
の溶接分野への従事敬遠などから溶接士確保は深刻な問
題となりつつある一方、社会資本充実や景気対策面から
土木建築分野での鋼材使用は根強いものがあり、また、
環境汚染防止のため造船界ではタンカーの二重底化(ダ
ブルボトム、ダブルハル)を進めつつある。前者の土木
建築分野で鋼管杭などに使用されるスパイラル鋼管は、
製造された素管の70%近くが何らかの二次加工溶接が
なされている。これらの作業は人力に頼っているのが現
状であるが、今後予想される需要増に対応するには、前
述のように溶接士の確保が難しく、かつ、新たな工場立
地スペース入手も非常に困難な環境になってきつつあ
る。
【0003】したがって、現状の資源で生産性を向上さ
せるためには溶接速度を高め、溶接能率をアップするこ
とが焦眉の問題であり、ロボット化し易いガスシールド
アーク溶接(以下、MAG、あるいはMIG法と称す)
で、従来、爪付け溶接で用いられているサブマージドア
ーク溶接(以下、SAWと称す)能率をしのぐ高速化技
術出現が待たれている。また、造船ではダブルボトム化
ですみ肉溶接工程が増大するため、この高速化が切望さ
れている。
【0004】近年、高速MAG溶接法として、特開平2
−280968号公報に開示されているような2電極高
速MAG法が開発されている。また、突合せ溶接には大
電流を用いて溶接能率を向上させた特公昭59−847
5号公報に見られるような大電流MIG溶接法の採用で
高速化、高能率化が進められつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
2電極高速MAG法では水平すみ肉溶接脚長5〜6mm
で溶接速度1.5m/minが限界であり、現在、期待
される2m/min超の溶接速度には耐えられない。溶
接速度1.5m/min以上の高速溶接では、所定の等
脚長を十分保証できるワイヤ溶着量を与えても目標脚長
には届かず、幅が狭く、凸型のビードになってしまって
いた。これは高速溶接になるほど、使用する溶接電流も
高くなり、アーク力がより強力になって溶融プールが後
方に押しやられるとともに、溶融プールの形状も涙滴型
から溶接線方向に細長く伸びた形状に変化し、幅が狭い
状態でビード止端の凝固が開始するため、残された溶融
金属はビード高さ方向に盛り上がるしかなく、結果とし
て凸ビードとなったり、アンダーカットが発生し易くな
るものと考えられる。
【0006】溶接高速化を阻害する要因は上述したよう
に、高速溶接になるほどアークが後方に引かれ、幅方向
の広がりが小さくなること、および、高溶接電流化によ
ってアーク力が強力になって溶融プールが後方に押しや
られるためである。この阻害要因を解消する手段として
は溶接ワイヤを複数化してアーク力を分散し、溶融プー
ル後退を抑えることが有効であり、これまで種々の提案
がなされている。例えば特公平1−50507号公報、
特開昭61−212480号公報にみられるような1ト
ーチを2ワイヤ化したSAW法、特開昭63−1407
73号公報にみられるごとく1溶接トーチに複数ワイヤ
を送給するMAG法などが開示されている。しかしなが
ら、後者の1溶接トーチに複数ワイヤを送給するMAG
法や、前述の大電流MIG法では使用する溶接トーチが
大型化して水平すみ肉溶接を行うには不適で、特に、鋼
管の爪付け溶接のような狭隘部への適用は全く不可能で
ある。そこで、本発明は溶接速度2m/minを超える
水平すみ肉溶接方法、及び狭隘部での高能率MAG溶接
を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、溶接ワイヤを消耗電極とする2トー
チ3ワイヤのガスシールドアーク溶接装置において、同
一トーチ内で先行ワイヤと中間ワイヤの2本の溶接ワイ
ヤを給電チップに送給するツインワイヤ溶接トーチが、
後行ワイヤを配置した他の溶接トーチより溶接方向前方
に設置され、さらに、当該ツインワイヤ溶接トーチ内の
先行ワイヤと中間ワイヤは電気的に絶縁されており、3
本の溶接ワイヤはすべて独立の電源独立のワイヤ送給
手段を有し、先行ワイヤの溶接電流と中間ワイヤの溶接
電流とに差を設け、かつシールドガスを溶接アークに向
けて供給するためのパイプを、先行電極前方および後行
電極後方に装着したことを特徴とする高速ガスシールド
アーク溶接装置である。
【0008】また、上記の高速ガスシールドアーク溶接
装置を用いて、前記ツインワイヤ溶接トーチ内の先行ワ
イヤと中間ワイヤの間隔を5mm〜40mmとし、前記
中間ワイヤと後行ワイヤの間隔を5mm〜40mmと
し、さらに、先行ワイヤの溶接電流を200A〜500
A、中間ワイヤの溶接電流を150A〜450Aとし、
先行ワイヤの溶接電流と中間ワイヤの溶接電流との差を
20〜100Aとして溶接を行うことを特徴とする高速
ガスシールドアーク溶接方法である。またここにおい
て、すみ肉溶接を行うさい、前記先行ワイヤと前記後行
ワイヤの狙い位置を上板と下板の交差部とし、前記先行
ワイヤと前記中間ワイヤで決定される直線と溶接方向が
なす角度を0゜〜30゜とすること、及び後行ワイヤに
フラックス入り溶接ワイヤを用いることも特徴とする。
【0009】
【作用】図1は本発明の2トーチ3ワイヤガスシールド
アーク溶接装置の例を示す側断面図である。以下、図1
の参照符号を用いて説明すると、それぞれに独立したワ
イヤ送給ロ−ラ(図示せず)によって送られた先行ワイ
ヤ1、中間ワイヤ2は先行ツインワイヤ溶接トーチ4に
連結されたツインワイヤ用コンジツト6を介してワイヤ
ガイド8に導かれる。そして、先行ツインワイヤ溶接ト
ーチ4の先行ワイヤ1と中間ワイヤ2の間隔Mを2〜3
0mmに保つよう給電チップ10、11を装着し、かつ
中間ワイヤと後行ワイヤの間隔Nを10〜40mmと
し、溶接前方及び後方に配置したパイプ13、14を介
して溶接アーク部にシールドガスを供給しつつ、3ワイ
ヤで2電極MAG溶接を行う構成としたものである。な
お図中16、17、18はそれぞれの位置に存在する溶
融プールを示し、19は母材、20は溶接金属、21は
スラグである。
【0010】2電極で2本のワイヤを用いる従来技術
(特開平2−280968号公報など)では、溶接速度
2m/minという高速溶接で脚長5mmを確保するに
は、1電極の溶接電流値が著しく大きくなり、アーク力
が強大となって、溶融プール重力ヘッドとのバランスが
崩れ、溶融プールを大きく後退させるため、アンダーカ
ット発生を抑制できない。しかし、本発明では2トーチ
でありながら、ツインワイヤ溶接トーチを用いたことに
より、3本のワイヤに溶接電流を分散できるので、ワイ
ヤ1本当りのアーク力が抑制され、溶融プールの後退が
回避できるのでアンダーカットが無いビ−ドが得られ
る。
【0011】また、特開昭63−140773号公報に
みられる複数本のワイヤとシールドガスを同一溶接トー
チから供給する方式では、溶接トーチの大型化が避けら
れず、2電極化はいうに及ばず、1電極溶接ですら狭隘
部へ溶接トーチを挿入することは不可能であるが、本発
明のようにシールドガス供給を溶接トーチから分離し、
溶接前後方向から行なうことによって、溶接トーチのコ
ンパクト化して狭隘部での溶接を可能ならしめたもので
ある。
【0012】通常の水平すみ肉溶接や突合せ溶接を行う
場合には、ツインワイヤ溶接トーチ4と後行溶接トーチ
5のそれぞれの下部にノズル(図示せず)を装着し、各
溶接トーチ本体内からシールドガス供給を行う一体型溶
接トーチを使用して溶接することができる。しかし、鋼
管の爪付け溶接のような狭隘部への溶接では、2本の溶
接ワイヤをカバーする一体型溶接トーチは、溶接トーチ
のノズルの径が大きくなるため、使用が困難である。こ
のような場合には、曲率を有するパイプ13、14を溶
接トーチ4、5の前方及び後方に設置し、このパイプに
シールドガスを導入して両方向から溶接部にガスを供給
する。このように溶接トーチ部とシールドガス供給部と
を分離することで溶接トーチをスリム化し、狭隘部溶接
を可能とする。
【0013】さらに、溶接速度2m/min超の高速溶
接を行う場合には、鋼管の爪付け溶接のような狭隘部へ
の溶接ばかりでなく、すみ肉溶接においても先行電極
前方、及び後行電極の後方から溶接アークに向けてシー
ルドガスを供給する方法が有効である。すなわち、図2
は溶接トーチ先端近傍のを示した断面図であり、先行電
極22、後行電極23ともガスシールドが一体型のトー
チを使用している。ビ−ド形状を支配する後行電極23
が一体型のシールド方式では、図2に示すように後行電
極23のアーク力が作用する方向とシールドガスの流れ
る方向が同じ方向にあるため、高速溶接になるほど溶融
プール後退距離Xが長くなるように助長する。一方、図
3も図2と同様な断面図であるが、先行電極22、後行
電極23ともシールドガスがパイプ13、14によって
別々に供給される。図3に示す後行電極23の後方から
溶接部前方に向かってシールドガスを供給する方式で
は、溶融プールの後退を抑制するようにシールドガスの
流れが作用するために溶融プールの後退距離Yが小さく
なり、高速溶接でもアンダーカットなどの溶接欠陥のな
い良好なビードが得られるものである。
【0014】次にワイヤ間隔を規定した理由について
述べる。毎分2m超の高速溶接で5mm以上の脚長を得
るためには、各ワイヤ間で安定した溶融プール溜まりを
形成させることが重要である。本発明で先行ワイヤと中
間ワイヤの間隔M及び、中間電極と後行電極の間隔Nを
5〜40mmと限定した理由は、この溶融プール溜まり
を安定して維持できる範囲を明示したものである。すな
わち、M及びNが下限値未満では溶融プール溜まりとし
て存在しえず、逆に上限値を超えると、溶融プールを安
定維持するワイヤ間の相互作用効果が弱まるために、溶
融プール溜まりが不安定になり、アンダーカット等の欠
陥を生じる原因となる。さらに、好ましくは先行ツイン
ワイヤ溶接トーチの後退角と後行溶接トーチの前進角は
それぞれ0゜〜30゜とするのが溶融プールを安定維持
するために良い。
【0015】次規定した溶接電流範囲について述べ
る。本発明では個々のワイヤに独立した電源とワイヤ送
給装置が付帯しているので、先行ワイヤで使用する溶接
電流を200A〜500A、中間ワイヤで使用する溶接
電流を150A〜450Aと独立に設定できる。この様
に電流範囲を規定したのは、下限値未満の場合には溶加
金属が不足して5mm以上の脚長が得られないからであ
り、上限値超だとアーク力が強すぎて、溶融プールの後
退を抑えきれないことにより、アンダーカットが発生す
るからである。
【0016】さらに、先行ワイヤと中間ワイヤの電流差
を20〜100Aと規定したのは、スパッタ発生量がこ
の範囲で著しく抑制されるからである。2m/分を超え
る溶接速度で脚長5mm以上を得るためには、スパッタ
を低減させ、溶加金属の損失を極力少なくすることが重
要であるが、スパッタ抑制には先行ワイヤと中間ワイヤ
間にできる溶融プール溜まり16を適切に制御すること
が特に重要であり、先行ワイヤと中間ワイヤの電流差が
この範囲にある時に最もスパッタの発生が抑制されるの
である。なお、後行ワイヤの電流は先行及び、中間ワイ
ヤの条件に合わせて適宜設定すればよいが、最終ワイヤ
のアーク力が著しく強いと、ビ−ド外観を損ねる場合が
あるので、好ましくは400A以下が良い。
【0017】次狙い位置を規定した理由を述べる。本
願発明では、各ワイヤ間の溶融プール溜まりを安定させ
ることにより、美しいビ−ド形状とスパッタの抑制を実
現している。この溶融プール溜まりを安定維持できるの
は各ワイヤのアーク力および、シールドガスから受ける
力が一直線上でバランスしているからである。このた
め、各ワイヤの狙い位置は先行ワイヤ、中間ワイヤ及び
後行ワイヤ共、基本的にはすべて上板と下板の交差部が
好ましいが、大脚長が特に要求されるような場合には、
このバランスを保ちうる範囲として、前記先行ワイヤと
前記後行ワイヤの狙い位置は上板と下板の交差部とし、
かつ前記先行ワイヤと前記中間ワイヤで決定される直線
と溶接方向がなす角度を0゜〜30゜の範囲で前記ツイ
ンワイヤ溶接トーチを回転することができる。」
【0018】次に、後行ワイヤにフラックス入りワイヤ
を使用する理由を述べる。パイプ13、14によるシー
ルドガス供給では、一体型溶接トーチに比べ、ピット等
の欠陥発生防止にパイプの位置調整が重要で、アーク発
生位置へ確実にシールドガスを供給する必要があるが、
ソリッドワイヤに比べ、シールド特性のよいフラックス
入りワイヤを後行ワイヤに使用すれば、厳密な位置調整
の必要がなく、容易に安定した溶接を行うことができる
のである。このフラックス入りワイヤはJISZ 33
13相当品で、ワイヤ−全重量に対してスラグ形成剤
(例えば特開平2−205299に開示されているよう
な酸化物、沸化物)として10〜25wt%充填された
ものが好ましい。10%未満ではシールド特性が劣化
し、25%を超えると生成したスラグ量が過多となって
スラグ巻き込みなどが発生しやすくなる。また、溶接ワ
イヤ径は1.2〜1.6のものが使い易く、1.2mm
未満ではワイヤ癖が大きく、ワイヤの溶接位置狙いが不
安定になり、1.6mmを超える径では、ワイヤ抵抗加
熱による溶融効率が低下するため、同じ溶着量を得るの
により大きな溶接電流が必要となり好ましくない。な
お、先行ワイヤ及び中間ワイヤにはフラックス入りワイ
ヤ、メタルコアードワイヤ、ソリッドワイヤのいずれを
用いても上記の効果を実現できる。
【0019】
【実施例】図4の正面図(a)と側面図(b)に示すよ
うに、板厚9mm、幅100mm、長さ1000mmの
JIS SM400Aの2枚の鋼板を逆T型に組み立
て、その上板と下板の交差部を表1に示す溶接条件で行
った。また、狭隘部への溶接として、図5に示すよう
に、前記SM400Aに板厚9mm、幅30mm、高さ
60mm、長さ1000mmのL形の鋼板を取付け、そ
のL形鋼と前記鋼板との交差部を2電極MAGによる水
平すみ肉溶接を表1の条件で行った。なお、表1中のN
o.1及びNo.3〜9は逆T型の試験体を用い、N
o.2はL型鋼を用いた狭隘部への溶接を行った。
【0020】
【表1】
【0021】シールドガスは炭酸ガスで各電極に対し、
25リットル/minずつ供給した。また、各ワイヤは
すべてJIS Z3313 YFW相当品のフラックス
入りワイヤで、1.2mm径を使用し、ワイヤ突出し長
は25mmで行った。なお、表1中のシールド方法で一
体型とは溶接トーチにノズルを装着し、シールドガスを
トーチ内部から供給する方式で、分離型とは本発明請求
項2のパイプによる溶接前後方向からシールドガスを供
給する方式を意味している。ここでは、3本の溶接ワイ
ヤはすべて独立の電源から給電を行い、かつ、独立のワ
イヤ送給手段で溶接ワイヤを送給した。
【0022】そして、溶接後、ビード外観検査、および
横断面マクロ試験を行って溶接ビード品質を評価した。
その結果を表2に示す。本発明法を用いて水平すみ肉溶
接を行なった試験No.1〜No.3では溶接速度2.
5m/minにおいて、溶接欠陥が無く、かつ、両脚長
とも目標5mmを超えるすみ肉ビードが得られた。一
方、比較例のNo.4〜No.8は本発明で規定した溶
接条件を逸脱しているので、アンダーカット等の欠陥が
発生しかつ脚長も不足した。また、先行、後行各1本ず
つの2ワイヤを用いる従来法の水平すみ肉溶接を行なっ
た試験No.9では電極間での溶融プールが安定せず、
また、後行電極後方の溶融プール後退が大きく、アンダ
ーカット、内部欠陥が多発し、脚長も5mmに届かず、
のど厚だけが大きい凸ビードとなった。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、従来法
では困難であった高速すみ肉溶接が可能となり、特に狭
隘な箇所での高速すみ肉溶接が可能であることは大きな
メリットである。したがって、溶接高能率化に対し、溶
接士要員増や、新工場建設を行なわなくとも生産性向上
が可能となり、本発明によって溶接コストダウン、溶接
能率を大幅に向上できるので産業上のメリットは大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2電極3ワイヤ高速ガスシールドアー
ク溶接法の例を示す側断面模式図
【図2】一体型シールド方式でのガスの流れと溶融プー
ル挙動を示す図
【図3】分離型シールド方式でのガスの流れと溶融プー
ル挙動を示す図
【図4】水平すみ肉溶接用試験片形状図
【図5】狭隘部への水平すみ肉溶接用試験片形状図
【符号の説明】
1、2、3 溶接ワイヤ 4、5 溶接トーチ 6、7 コンジツト 8、9 ワイヤガイド 10、11、12 給電チップ 13、14 パイプ 15 絶縁板 16 先行ワイヤと中間ワイヤの間に存在する溶融プ
ール 17 中間ワイヤと後行ワイヤの間に存在する溶融プ
ール 18 後行ワイヤの後に存在する溶融プール 19 母材 20 溶接金属 21 スラグ 22 先行電極 23 後行電極 26 アーク力の作用する方向 27 シールドガスの作用する方向 28 上板 29 下板 30 SM400A鋼板 31 L字鋼 M 先行、後行ワイヤ間隔 N 中間、後行ワイヤ間隔 X、Y 溶融プールの後退距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児嶋 一浩 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 北村 征義 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 堀井 行彦 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 窪田 晴敏 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 鎌田 政男 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平7−204854(JP,A) 特開 平5−293664(JP,A) 特開 平6−238437(JP,A) 特開 昭56−168969(JP,A) 特開 昭52−127445(JP,A) 特開 平7−1144(JP,A) 特開 平7−256455(JP,A) 実開 昭64−10371(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/29 B23K 9/02 B23K 9/073 B23K 9/16 B23K 9/173

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接ワイヤを消耗電極とする2トーチ3
    ワイヤのガスシールドアーク溶接装置において、同一ト
    ーチ内で先行ワイヤと中間ワイヤの2本の溶接ワイヤを
    給電チップに送給するツインワイヤ溶接トーチが、後行
    ワイヤを配置した他の溶接トーチより溶接方向前方に設
    置され、さらに、当該ツインワイヤ溶接トーチ内の先行
    ワイヤと中間ワイヤは電気的に絶縁されており、3本の
    溶接ワイヤはすべて独立の電源独立のワイヤ送給手段
    を有し、先行ワイヤの溶接電流と中間ワイヤの溶接電流
    とに差を設け、かつシールドガスを溶接アークに向けて
    供給するためのパイプを、先行電極前方および後行電極
    後方に装着したことを特徴とする高速ガスシールドアー
    ク溶接装置。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の高速ガスシールドアー
    ク溶接装置を用いて、前記ツインワイヤ溶接トーチ内の
    先行ワイヤと中間ワイヤの間隔を5mm〜40mmと
    し、前記中間ワイヤと後行ワイヤの間隔を5mm〜40
    mmとし、さらに、先行ワイヤの溶接電流を200A〜
    500A、中間ワイヤの溶接電流を150A〜450A
    とし、先行ワイヤの溶接電流と中間ワイヤの溶接電流と
    の差を20〜100Aとして溶接を行うことを特徴とす
    る高速ガスシールドアーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 すみ肉溶接を行うさい、前記先行ワイヤ
    と前記後行ワイヤの狙い位置を上板と下板の交差部と
    し、前記先行ワイヤと前記中間ワイヤで決定される直線
    と溶接方向がなす角度を0゜〜30゜とすることを特徴
    とする請求項記載の高速ガスシールドアーク溶接方
    法。
  4. 【請求項4】 後行ワイヤにフラックス入り溶接ワイヤ
    を用いることを特徴とする請求項または請求項記載
    の高速ガスシールドアーク溶接方法。
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