JPH0719834Y2 - シヤープペンシル用替芯収納ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシヤープペンシルの替芯を収納するケースで特
に蓋の開閉機構に関する。

（従来の技術） 従来のこの種の替芯収納ケースの蓋にはスライド開閉方
式のものと回動開閉方式のものがある。また蓋の開閉操
作手段にもスライド操作方式のものと押圧操作方式のも
のがある。ところで、スライド開閉方式の蓋は閉蓋時に
替芯を挟んで折損する虞があるが、回動開閉方式の蓋に
はこのような心配がなく、またスライド開閉方式の蓋に
比べて蓋の開閉状態を外観により明確に認識できるので
蓋を閉じ忘れる虞がないという利点がある。また押圧式
開閉手段はスライド式開閉手段に比べて操作が容易な利
点がある。しかしながら押圧操作方式と回動開閉方式を
組み合わせると、機構が複雑化して、組付が困難化する
問題があった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、押圧操作によつて蓋が回動することにより開
閉し、しかも機構が簡素で組付が容易なためにコストダ
ウンが可能なシヤープペンシル用替芯収納ケースの提供
を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出した本考案のシヤープペ
ンシル用替芯収納ケースは、ケース本体に固着する取付
基部と、該取付基部と第１のヒンジ部を介して連結する
蓋部と、該蓋部の下面側に突設した連接片部と第２のヒ
ンジ部を介して連結する押ボタン部に設けた係止片部と
から成る蓋体を一体成形し、また上面部に替芯取出口を
設けると共にその側部に取付台部を設け、該取付台部の
下側の側面部に横孔を設け、さらに上記蓋部の開閉状態
で夫々上記押ボタン部の係止片部が係止する部位を設け
たケース本体を成形し、上記の蓋体の蓋部をケース本体
の替芯取出口の位置に配して取付基部を取付台部に固着
すると共に押ボタン部をケース本体の内側から横孔に嵌
装せしめたことを特徴として構成されるものである。

（実施例） 図面に基づき本考案の一実施例を以下に説明する。

蓋体（１）はプラスチツクにより全体を一体成形され、
後述するケース本体に固着される平板状の取付基部
（２）と、該取付基部（２）に対し切欠により肉薄にさ
れた第１のヒンジ部（３）を介して連結された蓋部
（４）と、該蓋部（４）における第１のヒンジ部（３）
側の下面端部に略垂直に突設された連接部（５）と、断
面がコ字状を呈してその上端腕部（６）が上記の連接片
部（５）の下端部に対して切欠により肉薄とされた第２
のヒンジ部（７）を介して連結された押ボタン部（８）
とから成つている。尚、押ボタン部（８）の下端腕部は
弾性変形が可能な係止片部（９）となつている。次にケ
ース本体（10）は同じくプラスチツクにより全体を一体
成形され、上面部に替芯（11）の取出口（12）を設け、
その側方部に取付台部（13）を設け、取出口（12）の下
方のケース本体（10）における側端部に内壁（14）によ
り隔離された替芯（11）の収納室（15）を設け、該収納
室（15）の反対側の側端部の上方位置で取付台（13）の
下側の側面部上端近傍に横孔（16）を設け、該横孔（1
6）の下縁部には側面部に垂直で内側に突設する受台部
（17）を設け、該受台部（17）の内側端上面部には係止
突起（18）を設けている。上記の蓋体（１）はその蓋部
（４）をケース本体（10）の取出口（12）の位置に配し
て、その取付基部（２）をケース本体（10）の取付台部
（13）の上面部に接着等の方法で固着し、押ボタン部
（８）をケース本体（10）の横孔（16）に内側から嵌装
せしめることによつて組付けられている。尚、押ボタン
部（８）が完全に横孔（16）に嵌装した状態（第１図参
照）のとき、押ボタン部（８）の側面部（19）がケース
本体（10）の側面部（20）と面一になり、且つ押ボタン
部（８）の係止片部（９）の先端縁が横孔（16）の受台
部（17）の係止突起（18）の側壁に当接して係止し、ま
た押ボタン部（８）が横孔（16）の内側方向へ没入した
状態（第２図参照）のとき、押ボタン部（８）の係止片
部（９）の先端縁近傍下面部がケース本体（10）の内壁
（14）の上縁部に乗り上げて係止するように、押ボタン
部（８）の係止片部（９）、横孔（16）の受台部（17）
の係止突起（18）、及び内壁（14）の上縁部等の位置や
寸法が適宜に設定されている。

（作用） 上記の実施例の図面に基づき作用を以下に説明する。

まず第１図は閉蓋状態であり、このとき押ボタン部
（８）は完全に横孔（16）に嵌入して、前述したように
その側面部（19）がケース本体（10）の側面部（20）と
面一で且つ係止片部（９）の先端縁が横孔（16）の受台
部（17）の係止突起（18）の側壁に当接して係止してい
る。この状態で押ボタン部（８）の側面部（19）を内側
方向へ押圧すると、係止片部（９）が弾性変形して係止
突起（18）から外れ、また蓋体（１）の連接片部（５）
が押ボタン部（９）の上端椀部（６）に押されて、蓋部
（４）及び連接片部（５）が第１のヒンジ部（３）を支
点として上方へ回転する。従つてケース本体（10）の取
出口（12）が開口状態となる。このとき連接片部（５）
の上方への回転に従い押ボタン部（８）の上端椀部
（６）の第２のヒンジ部（７）側の端部も多少上方へ引
かれるので押ボタン部（８）が傾斜し、係止片部（９）
がその先端縁近傍下面部を内壁（14）の上縁部に多少弾
性変形して乗り上げて係止し第２図に示す状態となる。
従つて開蓋状態が保持され、替芯（11）の取出し作業が
支障なく実施できる。次に閉蓋する場合は蓋部（４）の
上面部を下方に押圧すればよく、上記と逆に作動して第
１図の状態に戻り、係止片部（９）と係止突起（18）が
係止して閉蓋状態が保持される。尚、上記実施例では押
ボタン部（８）の係止片部（９）を弾性変形可能として
が、ケース本体（10）の受台部（17）の係止突起（18）
や内壁（14）の上縁部を弾性変形可能としても作用は同
じである。

（考案の効果） 本考案は叙上の通りであり、まず蓋部が回動方式なので
閉蓋時に替芯を挟んで折損する虞がないと共に開蓋状態
が外観から明確に認識できるので蓋部を閉じ忘れる虞も
ないという利点を有する。また押圧操作によつて蓋部を
開閉する方式なので操作が極めて容易な利点もある。し
かも蓋部と押ボタン部が第２のヒンジ部を介して一体成
形され、また蓋部は第１のヒンジ部を支点として回動す
るので蓋部を枢着させる等の煩がないので、部品点数が
減少して構造が簡素化すると共に組付が容易化してコス
トが可能となる利点がある。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の一実施例を示したもので、第１図は閉蓋
状態の断面図であり、第２図は開蓋状態の断面図であ
る。 （１）…蓋体、（２）…取付基部、（３）…第１のヒン
ジ部、（４）…蓋部、（５）…連接片部、（６）…上端
腕部、（７）…第２のヒンジ部、（８）…押ボタン部、
（９）…係止片部、（10）…ケース本体、（11）…替
芯、（12）…取出口、（13）…取付台部、（14）…内
壁、（15）…収納室、（16）…横孔、（17）…受台部、
（18）…係止突起、（19）…側面部、（20）…側面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース本体に固着する取付基部と、該取付
   基部と第１のヒンジ部を介して連結する蓋部と、該蓋部
   の下面側に突設した連接片部と第２のヒンジ部を介して
   連結する押ボタン部と、該押ボタン部に設けた係止片部
   とから成る蓋体を一体成形し、また上面部に替芯取出口
   を設けると共にその側部に取付台部を設け、該取付台部
   の下側の側面部に横孔を設け、さらに上記蓋部の開閉状
   態で夫々上記押ボタン部の係止片部が係止する部位を設
   けたケース本体を成形し、上記の蓋体の蓋部をケース本
   体の替芯取出口の位置に配して取付基部を取付台部に固
   着すると共に押ボタン部をケース本体の内側から横孔に
   嵌装せしめたことを特徴とするシヤープペンシル用替芯
   収納ケース。