JPH07197615A - 階段の乾式構築方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】仮設時に危険なく通行でき、現場での作業性と
量産効果に優れた乾式の階段構築方法を提供する。 【構成】鋼板から側面視のほぼＬ字型に塑性加工した階
段単位体（１０）の隣り合う相互を、その一方の踏面板
（１０ａ）から他方の蹴上げ面板（１０ｂ）が張り出し
起立しないように溶接一体化することにより、連続する
仮設階段（Ａ）として造形し、その仮設階段（Ａ）から
仕上げ階段（Ｂ）への仕上げ時、上記階段単位体（１
０）の踏面板（１０ａ）へ施工現場において、補強繊維
入りの成形板から成る踏盤（１２）を両面接着テープ
（１５）により貼り付け固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は階段の乾式構築方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】建物の鉄骨階段を構築する方法について
は、特公昭５４−１３１０６号が公知であり、これによ
れば施工現場での溶接個所を減少できる効果があるもの
とされている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知発
明の場合段部材（２）の踏段部（２ａ）が、一定深さの
箱型をなしており、その内部にモルタル（９）を充填作
業する必要がある湿式のため、施工現場での作業性を向
上させることができない。

【０００４】又、そのモルタル（９）を上記踏段部（２
ａ）の箱内へ、仮設時に充填するとすれば、その硬化す
るまで階段を通行することができず、それだからと言っ
て何も充填しなければ、安全に通行することができず、
建築資材などの運搬上支障を生ずる。

【０００５】そこで、階段の仮設時には已むを得ず、上
記踏段部（２ａ）の箱内へモルタル（９）の代替物を敷
き置くことにり、その踏面を平滑に保つ必要があるが、
そうするとモルタル（９）を充填する仕上げ時に、その
代替物を取り出さなければならず、ますます面倒であ
り、更にモルタル（９）を充填し、これが硬化しなけれ
ば、その表面に化粧板（１０）を設置することもでき
ず、いたづらに工期が延びることとなる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
の改善を企図しており、そのための構成上鋼板から側面
視のほぼＬ字型に塑性加工した階段単位体の隣り合う相
互を、その一方の踏面板から他方の蹴上げ面板が張り出
し起立しないように溶接一体化することにより、連続す
る仮設階段として造形し、その仮設階段から仕上げ階段
への仕上げ時、上記階段単位体の踏面へ施工現場におい
て、補強繊維入りの成形板から成る踏盤を両面接着テー
プにより貼り付け固定することを特徴とするものであ
る。

【０００７】

【作用】本発明の上記構成よれば、階段単位体の隣り合
う相互を生産工場において、その一方の踏面板から他方
の蹴上げ面板が張り出し起立しないように溶接すること
により、連続する仮設階段として造形されているため、
そのまま安全に通行することができ、建築資材の運搬な
どを便利良く行なえる。

【０００８】又、その仮設階段から施工現場において、
仕上げ階段へ仕上げ作業する時、予じめ工場生産された
補強繊維入り成形板としての踏盤を、上記階段単位体の
踏面板へ両面接着テープにより貼り付け固定すれば足り
るため、その悉く乾式として現場作業性を著しく向上さ
せることができる。

【０００９】更に、上記踏盤はガラス繊維やその他の補
強繊維入りとして、比較的厚肉な平盤型に工場生産され
ているため、その品質と耐久強度に著しく優れ、量産効
果を最大限に発揮させることもできる。

【００１０】

【実施例】以下、図面に基いて本発明の詳細を説明する
と、図１は仮設階段（Ａ）としての使用状態を示してお
り、（１０）は一定厚みの鋼板から側面視のほぼＬ字型
に塑性加工された階段単位体であって、水平な踏面板
（１０ａ）とその一端部から連続的に起立する蹴上げ面
板（１０ｂ）とを備えていると共に、踏面板（１０ａ）
の他端部からは接合板片（１０ｃ）が蹴上げ面板（１０
ｂ）とのほぼ平行する関係として、下向き連続的に曲げ
出されてもいる。（θ）は踏面板（１０ａ）と蹴上げ面
板（１０ｂ）との交叉角度であり、好ましくは鋭角をな
している。

【００１１】そして、上記階段単位体（１０）の複数は
生産工場において溶接一体化されることにより、目的と
する段数に造形されるが、その場合隣り合う一方の踏面
板（１０ａ）から他方の蹴上げ面板（１０ｂ）が張り出
し起立しないように、その他方の蹴上げ面板（１０ｂ）
が一方の踏面板（１０ａ）から垂下する接合板片（１０
ｃ）へ接合され、その接合面において溶接一体化されて
いる。

【００１２】そのため、仮設階段（Ａ）としての使用状
態において、その階段単位体（１０）の平滑な踏面板
（１０ａ）上を一切危険なく通行することができ、建築
資材の運搬などを支障なく行なえる。尚、上記のような
階段単位体（１０）はこれを挟む左右一対のささら桁
（１１）に対しても、やはり生産工場において溶接一体
化されることとなる。

【００１３】次に、図２は仕上げ階段（Ｂ）としての使
用状態を示しており、（１２）はガラス繊維やその他の
補強繊維入りとして、厚肉な平盤状に成形された踏盤、
（１３）はやはり生産工場において、その踏盤（１２）
の上面（踏面）に貼り付け一体化されたビニールシート
やピータイル、その他の化粧材、（１４）は同じく踏盤
（１２）の上面角隅部に固着された滑り止め材である。

【００１４】つまり、踏盤（１２）は化粧材（１３）や
滑り止め材（１４）も付属する自己完結型の成形板とし
て、予じめ上記階段単位体（１０）の踏面板（１０ａ）
と対応する大きさに作成されているため、これを施工現
場において、図１の仮設状態にある階段単位体（１０）
の踏面板（１０ａ）上へ、図２のように両面接着テープ
（１５）を介して貼り付け固定することにより、仕上げ
階段（Ｂ）として完成し、建物の内部階段や外部階段
（非常階段）などに使用するのである。

【００１５】その際、上記両面接着テープ（１５）とし
ては弾力性に富む複数個を用い、上記踏盤（１２）を階
段単位体（１０）の踏面板（１０ａ）へ敷設固定するこ
とが好ましい。その固定作業を容易に行なえ、固定状態
の安定性や緩衝性などにも役立てることができるからで
ある。尚、上記化粧材（１３）と滑り止め材（１４）は
これらを施工現場において、踏盤（１２）の上面に取付
作業してもさしつかえない。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明では階段の乾式構
築方法として、鋼板から側面視のほぼＬ字型に塑性加工
した階段単位体（１０）の隣り合う相互を、その一方の
踏面板（１０ａ）から他方の蹴上げ面板（１０ｂ）が張
り出し起立しないように溶接一体化することにより、連
続する仮設階段（Ａ）として造形し、その仮設階段
（Ａ）から仕上げ階段（Ｂ）への仕上げ時、上記階段単
位体（１０）の踏面板（１０ａ）へ施工現場において、
補強繊維入りの成形板から成る踏盤（１２）を両面接着
テープ（１５）により貼り付け固定するようになってい
るため、冒頭に述べた従来技術の課題を確実に改善でき
る効果がある。

【００１７】つまり、本発明の上記構成によれば、階段
単位体（１０）の隣り合う相互を生産工場において、そ
の一方の踏面板（１０ａ）から他方の蹴上げ面板（１０
ｂ）が張り出し起立しないように溶接することにより、
その仮設階段（Ａ）としての踏面を平滑に保っているた
め、そのままでも一切の危険なく通行でき、建築資材の
運搬などを支障なく行なえる。

【００１８】又、上記階段単位体（１０）と別個な踏盤
（１２）が、やはり生産工場での成形板として作成用意
されており、そのためこれを施工現場に搬入して、上記
仮設状態にある階段単位体（１０）の踏面板（１０ａ）
上へ、その踏盤（１２）を両面接着テープ（１５）によ
って貼り付け固定しさえすれば、仕上げ階段（Ｂ）とし
て仕上げ完了することができ、従来方法のように施工現
場での溶接作業は勿論のこと、モルタル充填作業を一切
要しない点で、その現場作業性を著しく昂め得る効果が
ある。

【００１９】しかも、上記踏盤（１２）は補強繊維入り
の成形板であるため、耐久強度と品質の安定性に優れ、
量産効果を最大限に期待することができる。

【００２０】更に、請求項２の構成によれば、上記踏盤
（１２）に対する化粧材（１３）や滑り止め材（１４）
の取付作業をも、その施工現場において行なう必要がな
く、ますます作業性を向上させることができるほか、並
列する複数の弾力性両面接着テープ（１５）によって、
通行時の緩衝効果などを得られる利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による仮設階段としての使用状態を示す
側断面図である。

【図２】同じく仕上げ階段としての使用状態を示す側断
面図である。

【符号の説明】

（１０）・階段単位体 （１０ａ）・踏面板 （１０ｂ）・蹴上げ面板 （１０ｃ）・接合板片 （１１）・ささら桁 （１２）・踏盤 （１３）・化粧材 （１４）・滑り止め材 （１５）・両面接着テープ （Ａ）・仮設階段 （Ｂ）・仕上げ階段 （ｗ）・一定間隔 （θ）・交叉角度

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 周二 東京都千代田区大手町２丁目２番２号 ア ーバンネツト大手町ビル エヌ・ティ・テ ィ都市開発株式会社内 (72)発明者 波多野 良一 東京都千代田区大手町２丁目２番２号 ア ーバンネツト大手町ビル エヌ・ティ・テ ィ都市開発株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鋼板から側面視のほぼＬ字型に塑性加工し
   た階段単位体（１０）の隣り合う相互を、その一方の踏
   面板（１０ａ）から他方の蹴上げ面板（１０ｂ）が張り
   出し起立しないように溶接一体化することにより、連続
   する仮設階段（Ａ）として造形し、 その仮設階段（Ａ）から仕上げ階段（Ｂ）への仕上げ
   時、上記階段単位体（１０）の踏面板（１０ａ）へ施工
   現場において、補強繊維入りの成形板から成る踏盤（１
   ２）を両面接着テープ（１５）により貼り付け固定する
   ことを特徴とする階段の乾式構築方法。
2. 【請求項２】踏盤（１２）の上面に予じめ化粧材（１
   ３）と滑り止め材（１４）を付属一体化させると共に、 その踏盤（１２）を並列する複数の弾力性両面接着テー
   プ（１５）により、階段単位体（１０）の踏面板（１０
   ａ）へ貼り付け固定することを特徴とする請求項１記載
   の階段の乾式構築方法。