JPH07196480A - 皮膚被覆材 - Google Patents

皮膚被覆材

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JPH07196480A
JPH07196480A JP34904893A JP34904893A JPH07196480A JP H07196480 A JPH07196480 A JP H07196480A JP 34904893 A JP34904893 A JP 34904893A JP 34904893 A JP34904893 A JP 34904893A JP H07196480 A JPH07196480 A JP H07196480A
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JP
Japan
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skin
methacrylate
weight
copolymer
water
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JP34904893A
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English (en)
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Hitoshi Eguchi
仁 江口
Shigeki Yamashita
重樹 山下
Yoshio Matsumoto
善雄 松本
Masaaki Komatsu
正明 小松
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚表面に塗布された外用塗布薬剤や化粧料
等に含まれる薬効成分、有効成分などの経皮吸収を高め
ることのできる、閉塞効果に優れた皮膚被覆材を提供す
る。 【構成】 ヒドロキシアルキルメタクリレート、アルコ
キシアルキルメタクリレート、およびポリアルキレング
リコールメタクリレートのうちのいずれか2種または3
種による共重合体を含有してなる皮膚被覆材。これら共
重合体は、上記単量体のみ、あるいは単量体の単独重合
体では得られなかった、皮膚塗布組成物の構成成分であ
る油溶性成分や水溶性成分等の溶剤類、水などを吸収、
包含、透過させず、しかも柔軟性に優れ、肌への密着性
に優れ、さらに通気性、保湿性も有するという効果があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚被覆材に係り、特
に、皮膚表面に塗布された外用塗布薬剤や化粧料等に含
まれる、薬効成分や有効成分などの経皮吸収を高めるこ
とのできる、閉塞効果に優れたシート状の皮膚被覆材に
関する。
【0002】
【従来の技術】外用塗布薬剤や化粧料等の皮膚塗布組成
物を皮膚表面に塗布した後、この塗布部分をシート状の
皮膚被覆材で覆って閉塞し、皮膚塗布組成物の含有成分
の経皮吸収向上を図る方法がある。
【0003】この皮膚被覆材には、皮膚塗布組成物の構
成成分である油溶性成分や水溶性成分等の溶剤類、水な
どを吸収、包含、透過させないこと、柔軟性および肌へ
の密着性に優れること、さらに通気性を有し、しかも若
干の保湿性も有すること、などの諸特性が要求される。
【0004】皮膚被覆材として、従来より天然系、合成
系の繊維からなる織物、不織布、紙類や、天然系、合成
系の樹脂フィルムやシート類等が用いられている。特に
近年、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等の厚
さ10〜40μmの合成高分子系樹脂シート類が用いら
れているが、これらは皮膚塗布組成物の構成成分等を吸
収、包含、透過させないものの、密着性、通気性が劣る
という問題点がある。また、これら合成高分子系樹脂か
らなる発泡型緩衝用シートも用いられているが、これは
柔軟性および肌への柔らかい感触を有するものの、大き
い連続気泡を有するため、皮膚塗布組成物成分を吸収、
含浸してしまい、また透過気散もみられるという不具合
があり、さらにシート厚さにも限界があり密着性も不十
分なため、皮膚を被覆し閉塞効果を高めるという目的を
十分に達成し得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、皮膚表
面に塗布された外用塗布薬剤や化粧料等に含まれる薬効
成分、有効成分などの経皮吸収を高めることのできる、
閉塞効果に優れた皮膚被覆材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
例の問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、ヒ
ドロキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルキル
メタクリレート、およびポリアルキレングリコールメタ
クリレートのうちのいずれか2種または3種による共重
合体を含有する組成物が、上記単量体のみ、あるいは単
量体の単独重合体では得られなかった、皮膚塗布組成物
の構成成分である油溶性成分や水溶性成分等の溶剤類、
水などを吸収、包含、透過させず、しかも柔軟性に優
れ、肌への密着性にも優れ、さらには通気性も若干の保
湿性もあるという格別の性質を有することを見出した。
そして、このような組成物を皮膚被覆材として用いるこ
とにより上記目的を達成できるという知見を得、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明によれば、ヒドロキシア
ルキルメタクリレート、アルコキシアルキルメタクリレ
ート、およびポリアルキレングリコールメタクリレート
のうちのいずれか2種または3種を共重合させて得られ
た共重合体を含有してなる皮膚被覆材が提供される。
【0008】以下に、本発明の皮膚被覆材について詳述
する。
【0009】本発明の皮膚被覆材に含有される共重合体
の共重合成分としてのヒドロキシアルキルメタクリレー
トとしては、例えば、ヒドロキシメチルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチ
ルメタクリート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ヒドロキシイソプロピルメタクリレート、ヒドロキシブ
チルメタクリレート、ヒドロキシイソブチルメタクリレ
ート、ヒドロキシペンチルメタクリレート、ヒドロキシ
イソペンチルメタクリレート等が挙げられ、なかでもヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等が好適に用いられる。このヒドロキシア
ルキルメタクリレートは、単独重合体とした場合、グリ
セリン、N−メチルピロリドンなどの一部の極性溶剤に
極少量溶解するのみで他の物質には溶解せず、皮膚塗布
組成物の構成成分である油溶性成分や水溶性成分、水、
エタノール等の溶剤類をほとんど吸収、透過することが
ないが、柔軟性に欠けた硬いポリマーとなる。
【0010】アルコキシアルキルメタクリレートとして
は、例えば、メトキシメチルメタクリレート、エトキシ
メチルメタクリレート、ブトキシメチルメタクリレー
ト、プロポキシメチルメタクリレート、メトキシエチル
メタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ブト
キシエチルメタクリレート、プロポキシエチルメタクリ
レート、メトキシブチルメタクリレート、エトキシブチ
ルメタクリレート、ブトキシブチルメタクリレート、プ
ロポキシブチルメタクリレート、メトキシプロピルメタ
クリレート、エトキシプロピルメタクリレート、ブトキ
シプロピルメタクリレート、プロポキシプロピルメタク
リレート等が挙げられ、なかでもメトキシエチルメタク
リレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシプ
ロピルメタクリレート、プロポキシプロピルメタクリレ
ート等が好適に用いられる。このアルコキシアルキルメ
タクリレートは、単独重合体とした場合、水、グリコー
ル類、非極性油性物質などには全く溶解しないが、エタ
ノール、アセトン、酢酸エチルなどの極性溶剤に溶解す
るポリマーとなるため、柔軟性をもつものの、皮膚塗布
組成物の構成成分の一部を吸収、透過してしまう。
【0011】ポリアルキレングリコールメタクリレート
としては、例えば、ポリメチレングリコールメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリブ
チレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールメタクリレート等が挙げられ、なかでもポリエチ
レングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールメタクリレートが好適に用いられる。本発明におい
ては、このポリアルキレングリコールメタクリレート
は、アルキレングリコール重合モル数が2〜35のもの
が好適に用いられる。
【0012】ポリアルキレングリコールメタクリレート
は、単独重合体とした場合、グリコール炭素数2〜3個
でアルキレングリコール重合モル数5以上のものでは水
溶性となり、非極性油溶性物質にも溶解し、界面活性を
示し、皮膚塗布組成物の構成成分を吸収、透過してしま
う。また重合度合いにより、柔軟〜硬いポリマーとな
る。
【0013】本発明の皮膚被覆材は、上記3種の単量体
のなかから2種または3種を共重合させることによって
得られた共重合体を含有する。これら共重合体を組成物
中に含有させることにより、各単量体若しくは各単量体
単独での重合体では得られなかった、皮膚塗布組成物の
構成成分である油溶性成分や水溶性成分、水、エタノー
ル等の溶剤類を吸収、包含、透過させず、柔軟性や肌へ
の密着性に優れ、さらに通気性および若干の保湿性も有
するという格別な特性が得られる。
【0014】なお、上記単量体による共重合形態はラン
ダム共重合である。これら共重合体を得る方法は、当業
者によく知られた慣用的な方法にて行うことができる。
【0015】得られた共重合体を被覆材として使用する
ときは、この共重合体を例えば5〜30%極性溶剤液と
した後、押出フィルム成形機等にて厚さ15μm〜1m
m程度の薄いフィルム、シート等に加工成形して皮膚被
覆材とする。あるいは、得られた共重合体をシート状の
基材上に塗布して薄膜層を形成して皮膚被覆材として用
いてもよい。ここで用いられる基材としては、厚さ0.
1〜2.0mm程度の天然系あるいは合成系の不織布、
織物等が挙げられる。また、薄膜層の厚さは密着性、柔
軟性、使用性等の点から10〜50μm程度が好まし
い。
【0016】上記共重合体における各単量体の配合割合
は、皮膚被覆材としての閉塞効果の点から以下の範囲が
好適である。すなわち、ヒドロキシアルキルメタクリレ
ート、アルコキシメタクリレートおよびポリアルキレン
グリコールメタクリレートの3種を共重合する場合、ア
ルキル基の炭素数や、共重合体をそのままシート状の被
覆材として用いるか、あるいは不織布等を基体としてそ
こに含浸、塗布して被覆材として用いるか等によって多
少の相違はあるが、ヒドロキシアルキルメタクリレー
ト:アルコキシアルキルメタクリレート:ポリアルキレ
ングリコールメタクリレートは1〜45:98〜60:
1〜30(重量比)であるのが好ましい。また、ヒドロ
キシアルキルメタクリレートとアルコキシアルキルメタ
クリレートを共重合する場合、ヒドロキシアルキルメタ
クリレート:アルコキシアルキルメタクリレートは5〜
40:95〜60(重量比)であるのが好ましい。ヒド
ロキシアルキルメタクリレートとポリアルキレングリコ
ールメタクリレートを共重合する場合、ヒドロキシアル
キルメタクリレート:ポリアルキレングリコールメタク
リレートは5〜20:95〜80(重量比)であるのが
好ましい。さらに、アルコキシアルキルメタクリレート
とポリアルキレングリコールメタクリレートを共重合す
る場合、アルコキシアルキルメタクリレート:ポリアル
キレングリコールメタクリレートは60〜95:40〜
5(重量比)であるのが好ましい。上記各範囲を逸脱す
ると、得られた共重合体がエタノール、酢酸エチル等の
極性溶剤にほとんど不溶となり、フィルム、シートに成
形することが困難となるからである。
【0017】なお、共重合体の分子量は、用いる触媒、
溶剤等によっても異なるが、50,000〜100,0
00のものが好ましく、より好ましくは70,000〜
90,000である。
【0018】本発明では該共重合体にさらに界面活性剤
を添加して用いてもよい。すなわち共重合成分(単量
体)に界面活性剤を添加混合して加熱、攪拌して乳化さ
せた後、触媒を加えて共重合体を合成し、さらに例えば
5〜30%極性溶剤液として柔軟化した後、押出フィル
ム成形機等にて厚さ15μm〜1mm程度の薄いフィル
ム、シート等に加工成形し、これを皮膚被覆材とする。
【0019】あるいは、共重合成分(単量体)に界面活
性剤を添加混合して加熱、攪拌して乳化させた後、触媒
を加えて共重合体を合成した後、これをシート状の基材
上に塗布して薄膜層を形成したものを皮膚被覆材として
用いてもよい。用いられる基材としては、厚さ0.1〜
2.0mm程度の天然系あるいは合成系の不織布、織物
等が挙げられる。また、薄膜層の厚さは密着性、柔軟性
等の点から10〜50μm程度が好ましい。
【0020】用いられる界面活性剤は、親水性界面活性
剤が好ましい。具体的にはポリエチレングリコール(約
80〜120モル付加)水添ヒマシ油誘導体、ポリエチ
レングリコール−2−エチルヘキサノールエーテル、ポ
リエチレングリコールセタノールエーテル等が例示さ
れ、これらのなかから1種または数種を適宜組み合わせ
て用いることができる。この界面活性剤は、共重合反応
の促進や可塑剤としての役割などを果たす。
【0021】かかる界面活性剤の上記共重合体に対する
配合割合は、共重合体100重量部に対し界面活性剤を
0.1〜5重量部の割合で混合させるのが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜2.0重量部である。
【0022】また触媒としては、例えば過硫酸カリウ
ム、ベンジルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、アゾビ
スイソブチルニトリル等が例示される。
【0023】そして、このようにして形成した皮膚被覆
材を、被覆部分の大きさに合わせて所要の大きさに切
り、皮膚塗布組成物を塗布した皮膚面を所定時間被覆す
る。これにより、閉塞効果を助長し、皮膚塗布組成物に
含まれる薬効成分や有効成分などの経皮吸収を高めるこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれにより限定されるものでは
ない。実施例1 (1)エトキシエチルメタクリレート(ETEMA) 70重量部 (2)ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 25重量部 (3)ポリエチレングリコール(5〜7モル付加)メタクリレート (PEGMA6) 5重量部 (4)精製水 35重量部 (5)エタノール 15重量部 (6)ポリエチレングリコール(80〜120モル付加)水添ヒマシ油誘導体 1重量部 単量体(1)〜(3)を上記配合割合で混合し、ここに
さらに(4)〜(6)を添加、混合し、混合液とした。
【0025】この混合液を攪拌しながら加熱し、80℃
に達したら触媒として過硫酸カリウム0.5重量部を加
え、この温度を維持しながらさらに攪拌を続けた。
【0026】20〜30分経過すると徐々に粘度が出て
くる。これをまだ流動性がある状態のうちに80℃に加
温されたステンレス板(枠付き)上に流し込み、薄い皮
膜状とした。これを80℃に温度を保持したまま4時間
静置し、白色ゴム状物(共重合体)を得た。
【0027】この得られた白いゴム状物をステンレス板
より剥し取り、90℃の熱水ですすぎ、共重合反応副生
成物、親水性界面活性剤等を除去した後、60℃にて乾
燥させた。
【0028】次いで、この乾燥させた白色ゴム状物をエ
タノール15%溶液の高粘性の流動液体とし、これを押
出フィルム形成機にて厚さ20〜40μmのフィルム形
状に成形し、皮膚被覆材を得た。実施例2 (1)エトキシエチルメタクリレート(ETEMA) 60重量部 (2)ヒドロキシプロピルメタクリレート(HEPMA) 15重量部 (3)ポリエチレングリコール(8〜12モル付加)メタクリレート (PEGMA10) 25重量部 (4)精製水 10重量部 (5)プロピレングリコール 40重量部 (6)ポリエチレングリコール(40〜60モル付加)水添ヒマシ油誘導体 1重量部 単量体(1)〜(3)を上記配合割合で混合し、ここに
さらに(4)〜(6)を添加、混合し、混合液とした。
【0029】この混合液を攪拌しながら80℃に加熱
し、乳濁状態になったら、温度80℃を保ちながら触媒
として過硫酸カリウム0.5重量部を加え、さらに攪拌
を続けた。
【0030】20〜30分経過すると粘性を帯びた液状
となった。これをさらに温度80℃を保ちながら5〜6
時間攪拌を続け、高粘性の白色ゲル状物を得た。これを
4時間静置したところ、2層に分離した。これを90℃
の熱水で十分すすぎ、共重合反応副生成物、水溶性界面
活性剤等を除去し、柔軟性のある白色ゴム状物を得、6
0℃にて乾燥させた。
【0031】次いで、この乾燥させた白色ゴム状物をエ
タノール30%溶液の高粘性の流動液体とし、これを押
出フィルム形成機にて厚さ20〜40μmのフィルム形
状に成形し、皮膚被覆材を得た。実施例3 (1)エトキシエチルメタクリレート(ETEMA) 75重量部 (2)ポリエチレングリコール(13〜18モル付加)メタクリレート (PEGMA15) 25重量部 (3)精製水 5重量部 (4)ポリエチレングリコール(分子量約200) 50重量部 (5)ポリエチレングリコール(80〜120モル付加)水添ヒマシ油誘導体 0.5重量部 単量体(1)、(2)を上記配合割合で混合し、ここに
さらに(3)〜(5)を添加、混合し、混合液とした。
【0032】この混合液を攪拌しながら80℃に加熱
し、乳濁状態になったら、温度80℃を保ちながら触媒
として過硫酸カリウム0.8重量部を加え、さらに攪拌
を続けた。
【0033】15〜20分経過後、白濁した粘性を帯び
た液状物となってきた。この液状物を80℃に加温され
たステンレス板(枠付き)上に流し込み、薄い皮膜状と
し、温度を80℃に保持したまま4時間静置し、弾力性
のある白色ゴム状物を得た。
【0034】この得られた白いゴム状物をステンレス板
より剥し取り、90℃の熱水ですすぎ、共重合反応副生
成物、水溶性界面活性剤等を除去し、柔軟性のある白色
ゴム状物を得、これを60℃にて乾燥させた。
【0035】次いで、この乾燥させた白色ゴム状物をエ
タノール15%溶液の高粘性の流動液体とし、これを押
出フィルム形成機にて厚さ20〜40μmのフィルム形
状に成形し、皮膚被覆材を得た。実施例4 (1)ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 10重量部 (2)エトキシエチルメタクリレート(ETEMA) 90重量部 (3)精製水 40重量部 (4)ポリエチレングリコール(20〜40モル付加)水添ヒマシ油誘導体 3重量部 単量体(1)、(2)を上記配合割合で混合し、ここに
さらに(3)、(4)を添加、混合し、混合液とした。
【0036】この混合液を攪拌しながら80℃に加熱
し、乳濁状態になったら、この温度を保ちながらベンジ
ルパーオキシド1.2重量部を加え、さらに攪拌を続け
た。
【0037】20〜30分経過後、白濁した粘性を帯び
た液状物となった。この液状物を80℃に加温されたス
テンレス板(枠付き)上に流し込み、薄い皮膜状とし
た。これを温度を保持したまま4時間静置し、白色ゴム
状物を得た。
【0038】この得られた白いゴム状物をステンレス板
より剥し取り、90℃の熱水ですすぎ、共重合反応副生
成物、水溶性界面活性剤等を除去し、柔軟性のある白色
ゴム状物を得、これを60℃にて乾燥して含有水分を1
0%以下とし、さらに60℃にて減圧乾燥し、透明なシ
ート状物を得た。
【0039】次いで、この透明なシート状物を約5×5
mmの大きさに細かく切断し、これをエタノール0.5
%溶液とし、このエタノール0.5%溶液を厚さ約1m
mの不織布に含浸させた後、エタノール分を気散、除去
した。このようにして上記(1)、(2)からなる共重
合体で被覆された不織布を得た。実施例5 (1)エトキシエチルメタクリレート(ETEMA) 85重量部 (2)ポリプロピレングリコール(8〜12モル付加)メタクリレート (PEGMA10) 15重量部 (3)精製水 10重量部 (4)プロピレングリコール 50重量部 (5)ポリエチレングリコール(14〜18モル付加)2−エチルヘキサノール エーテル 1重量部 単量体(1)、(2)を上記配合割合で混合し、ここに
さらに(3)〜(5)を添加、混合し、混合液とした。
【0040】この混合液を攪拌しながら80℃に加熱
し、乳濁状態になったら、この温度を保ちながら過酸化
ベンゾイル0.5重量部を加え、さらに攪拌を続けた。
【0041】30〜40分経過後、白濁した粘性を帯び
た液状物となった。この液状物を80℃に加温されたス
テンレス板(枠付き)上に流し込み、薄い皮膜状とし
た。これを温度を保持したまま4時間静置し、白色ゴム
状物を得た。
【0042】この得られた白いゴム状物をステンレス板
より剥し取り、90℃の熱水ですすぎ、共重合反応副生
成物、水溶性界面活性剤等を除去し、柔軟性のある白色
ゴム状物を得、これを60℃にて乾燥して含有水分を1
0%以下とし、さらに60℃にて減圧乾燥し、透明なシ
ート状物を得た。
【0043】次いで、この透明なシート状物を約5×5
mmの大きさに細かく切断し、これをエタノール0.5
%溶液とし、このエタノール0.5%溶液を厚さ約1m
mの不織布に含浸させた後、エタノール分を気散、除去
した。このようにして表面が上記(1)、(2)からな
る共重合体で被覆された不織布を得た。I.溶剤溶解性試験 ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とエトキ
シエチルメタクリレート(ETEMA)につき、HEM
A単独重合体、ETEMA単独重合体、およびHEMA
とETEMAとの共重合体(HEMA:ETEMAの配
合重量比=60:40)につき、溶剤に対する溶解性
(25℃)を調べた。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】 表1から明らかなように、ETEMA単独重合体ではエ
タノール、酢酸エチル、アセトン等の極性溶剤に溶解
し、HEMA単独重合体ではこれら極性溶剤に溶解しな
い。また、HEMA単独重合体は柔軟性に欠けた固いポ
リマーとなる。
【0045】しかるにこれら両者を共重合した共重合体
(HEMA:ETENAの配合重量比が40:60)で
は、エタノール、酢酸エチル、アセトン等の極性溶剤に
溶解し、しかも皮膚塗布組成物の構成成分である水、グ
リコール類、エステル油、流動パラフィン等には溶解し
ない。すなわち、この共重合体で被覆処理された不織布
や織物は、エタノール、酢酸エチル、アセトンなどの極
性溶剤以外の物質を吸収、含浸する挙動を示さず、ま
た、柔軟性をもちかつ肌への柔らかい感触を有すること
を特徴とする。したがって、本発明の共重合体をシート
状物としたもの、あるいはこの共重合体を被覆処理した
シート状不織布を、皮膚塗布組成物を塗布した塗布部分
に貼付することにより、閉塞効果を助長し、皮膚塗布組
成物中の有効成分を吸収、透過させることなく経皮吸収
性を高めることができる。II.皮膚被覆材評価試験 実施例4で得た被覆処理不織布(試料1)を用いて、1
2名のパネラー(20〜50代の女性)による皮膚保湿
性効果の評価試験を行った。
【0046】試験方法は、まず顔全体に乳液をたっぷり
と塗布した後、額、両頬にそれぞれ所定の大きさに切っ
た不織布シート(比較試料1)と試料1とを貼付し、貼
付所定時間経過後、下記の項目について評価した。な
お、シートは貼付から1時間経過後に肌からはがしてふ
きとり、そのままの状態で翌朝(16〜17時間経過
後)の肌の状態を評価した。評価は以下のようにして行
った。 [乳液の含みやすさ] ◎: シートの外表面が濡れていない ○: シートの外表面の一部が濡れている △: シートの外表面の大半が濡れている ×: 直ちにシートの全体が濡れる(乳液を吸収、含
有) [肌への張付きやすさ] ◎: シートを均一に肌に貼付できた ○: シートを一部不均一ながら肌に貼付できた △: 少し乳液のたまりがみられ、シートのしわができ
た ×: 乳液のたまりがみられ、シートのしわが生じた
(直せない) [肌への密着性] ◎: シートが肌へよく密着した ○: シートが肌へよく密着するよう直せた △: 乳液のたまり、泡、シートのしわが生じたが、直
せた ×: 乳液のたまり、泡、シートのしわが生じ、直しに
くかった [しっとり感] ◎: 翌朝にもしっとりさが感じられた ○: 就寝前まで(7〜8時間経過後)しっとりさが感
じられた △: 2〜3時間経過後にはしっとりさが感じられなか
った ×: しっとりさがあまり感じられなかった [クール感] ◎: まったく感じられなかった ○: なんとなく感じられた △: 少し感じた ×: 十分に感じた [暖かさ] ◎: 十分に感じた ○: 少し感じた △: なんとなく感じられた ×: まったく感じられなかった 評価結果を表2に示す。
【0047】
【表2】 表2から明らかなように、試料1は、比較試料1に比べ
て、乳液を含浸することがなく、また肌への貼り付きや
すさおよび密着性に優れるということがわかる。またシ
ート貼付後のしっとり感、クール感(水分の気散の程度
の目安)、暖かさ(閉塞性の程度の目安)のいずれから
も、本願発明の試料1のほうが比較試料1に比べて良好
な結果が得られた。
【0048】したがって本願発明組成物による皮膚被覆
材は、乳液を含浸することがなく、また肌への貼り付き
やすさ、密着性、および閉塞効果に優れ、したがって比
較試料1に比べしっとり感に優れ、乳液成分の経皮吸収
が高められることがわかる。しかもその効果が16〜1
7時間経過後も持続することが確かめられた。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の皮膚被覆
材は、ヒドロキシアルキルメタクリレート、アルコキシ
アルキルメタクリレート、およびポリアルキレングリコ
ールメタクリレートの内のいずれか2種または3種によ
る共重合体を含有するよう構成したので、上記単量体の
み、あるいは単量体の単独重合体では得られなかった、
皮膚塗布組成物の構成成分である油溶性成分や水溶性成
分等の溶剤類、水などを吸収、包含、透過させず、しか
も柔軟性に優れ、肌への密着性にも優れ、さらに通気
性、若干の保湿性も有することから、皮膚表面に塗布さ
れた外用塗布薬剤や化粧料等に含まれる薬効成分、有効
成分などの経皮吸収を高めることができ、閉塞効果に優
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 正明 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシアルキルメタクリレート、ア
    ルコキシアルキルメタクリレート、およびポリアルキレ
    ングリコールメタクリレートのうちのいずれか2種また
    は3種による共重合体を含有してなる皮膚被覆材。
  2. 【請求項2】 界面活性剤をさらに含有してなる請求項
    1記載の皮膚被覆材。
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