JP4331984B2 - 医療用経皮吸収テープ製剤用水性エマルジョン粘着剤並びに医療用経皮吸収テープ製剤及びその製造法 - Google Patents

医療用経皮吸収テープ製剤用水性エマルジョン粘着剤並びに医療用経皮吸収テープ製剤及びその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はアセトアセチル基を分子内に含む(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しない他の(メタ)アクリル系モノマーおよび共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを水または水性溶媒中で界面活性剤とともに乳化共重合させて得られる医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤と、該水性エマルジョン粘着剤を薬剤とともに、必要あればさらに可塑剤を加えて支持体または剥離フィルムの上面に塗布し、加熱乾燥して粘着剤層を形成した後、さらに粘着剤層の上面に剥離フィルムまたは支持体を積層して製造した医療用経皮吸収テープ製剤とその製造法に関する。本発明の経皮吸収テープ製剤は、粘着剤層に親油性の油状物質を保持することが可能であり、製剤からの薬物の放出性と薬物の皮膚透過性に優れ、皮膚刺激性が少なく、かつ安定性に優れた経皮吸収テープ製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと他のモノマーとを重合して得られる共重合体を、ポリアミン化合物やイソシアネート化合物などの架橋剤で架橋された塗料、感圧接着剤、被覆剤は知られていた。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)しかしながら、アセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しない(メタ)アクリル系モノマーおよび/またはビニルモノマーを重合して得られる共重合体からなる粘着剤を用いた医療用経皮吸収テープ製剤の特許文献および非特許文献は見いだせなかった。
【0003】
薬剤と可塑剤を粘着剤層中に含み、実質的にケトン基を含む粘着剤をポリアミン誘導体の架橋剤で架橋した経皮吸収テープ製剤は知られていたが、アセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを構成モノマーの一つとして含む粘着剤の例示はない。(例えば、特許文献3を参照)
【0004】
冠血管拡張薬のイソソルビドジニトレートと、脂肪酸エステル類を、アクリル酸アルキルエステルおよび官能性単量体を必須成分とするアクリル系共重合体からなる架橋された粘着剤中に含有する経皮吸収性製剤は知られていた。(例えば、特許文献4を参照)しかしながら、この経皮吸収製剤は架橋剤を用いたものであり、架橋しないものは粘着剤層に凝集力がなくなり経皮吸収製剤として用いることができないことが記載されている。また、特許文献4にもアセトアセチル基を有する共重合体を含む粘着剤の経皮吸収テープ製剤の例示もされていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−108033号公報
【特許文献2】
特開平7−238203号公報
【特許文献3】
特表2002−535475号公報
【特許文献4】
特開平8−81369号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、支持体の上面に薬物を含む粘着剤層とさらに剥離フィルムを積層した経皮吸収テープ製剤において、粘着剤層中に可塑剤、経皮吸収促進剤および薬物の溶解剤などの親油性油状物質を含むことが可能であり、接着性、凝集性、安定性に優れた製剤を提供することにある。
【0007】
医療用経皮吸収テープ製剤の粘着剤層には水性エマルジョン粘着剤と薬物のほかに、薬物の溶解させるための溶解剤、薬物の経皮吸収を促進させるための経皮吸収促進剤、または粘着剤の可塑化のための可塑剤を配合することもあり、場合によってはかなりの量を配合する必要がある。粘着剤層中に薬物とともに配合する薬物の溶解剤、経皮吸収促進剤、および可塑剤は親油性の油状物質である場合が多い。
【0008】
従来の非架橋性の粘着剤を用いた経皮吸収テープ製剤では、多量の油状物質を保持させることができず、多量の油状物質を保持したテープ製剤を作製することは困難であったり、または製剤作成後に粘着剤から油状物質が分離するなどして、粘着剤層中への油状物質を配合することができる量に制限があるなどの問題点があった。
【0009】
この問題点を解決するため官能基を有するモノマーを重合させた粘着剤に、ポリアミン化合物、イソシアネート化合物、または多価金属キレート化合物などの架橋剤によって架橋を施したテープ製剤も検討されてきた。しかしながら、これらの架橋に用いられている架橋剤は、毒性のある化合物であったり、配合する薬物に影響を及ぼすこともある。したがって、多量の架橋剤を用いることは人体の皮膚に使用するのに副作用の面から制限があったり、テープ製剤の安定性の面から問題点があった。
【0010】
また、自己架橋粘着剤として知られたN−メチロールアクリルアミドを含む共重合体を含む粘着剤は、毒性のあるホルムアルデヒドが遊離するため毒性の面で、人体への適用に問題点があった、また2−ヒドロキシエチルアクリレートモノマーを含む共重合体からなる粘着剤は十分な粘着力と凝集力が得られず、容易に油状物質が分離するいわゆるブリーディングが起こるために粘着剤中に多量の油状物質を保持させることができないなどの問題点があった。
【0011】
また、アセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを構成モノマーとして含む共重合体を、ポリアミン誘導体、イソシアネート誘導体および多価金属キレート化合物のような架橋剤を用い架橋した共重合体が、塗料、接着剤、被覆剤などの用途として使われていることは知られていた。しかしながら、医療用経皮吸収テープ製剤のための粘着剤の用途については知られていない。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しない他の(メタ)アクリル系モノマーおよび共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを界面活性剤の存在下に乳化重合することによって得られる、水または水性溶媒中に乳化分散された水性エマルジョン粘着剤を用いることにより、多量の架橋剤を用いることなく、可塑剤などの油状物質を多量に保持させることができることが可能になった。
【0013】
アセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しない他の(メタ)アクリル系モノマーおよび共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体を界面活性剤を用いて水または水性溶媒中に乳化分散させて得られる本発明の医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤を、薬物、または必要あれば薬物と可塑剤とともに、支持体または剥離フィルムに塗布した後、加熱乾燥する工程において、アセトアセチル基が自己架橋して、網目構造を形成して、この網目構造中に可塑剤などの油状物質を保持させることが可能となる。
【0014】
粘着剤に含まれるアセトアセチル基を有するモノマーの量を増減させることにより、粘着剤の架橋度を制御することが可能で、架橋度を調整することによって、粘着剤中に可塑剤、経皮吸収促進剤、薬物の溶解剤などの親油性油状物質を多く配合させることが可能となる。実際に粘着剤の共重合体総重量の1重量%以上のアセトアセチル基を含有する共重合体を用いると他の架橋剤を用いることなく可塑剤を保持することが可能となり、優れた貼着力が得られることが明らかとなった。また粘着剤と可塑剤や経皮吸収促進剤との配合比を調整することにより、希望する適度な貼着力、凝集力を持たせることができ、安定な経皮吸収テープ製剤を得ることができることを見出すとともに、可塑剤としてミリスチン酸イソプロピルなどの油状物を用いた時には、薬物の経皮吸収速度に優れた医療用経皮吸収テープ製剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤は、分子中にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、該モノマーと共重合し得るアセトアセチル基を有しない他の(メタ)アクリル系モノマーおよび共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを、水または水性溶媒中で界面活性剤を用いて乳化共重合して得られる。
【0016】
アセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルアクリレート、3−アセトアセトキシプロピルメタクリレート、3−アセトアセトキシプロピルアクリレート、4−アセトアセトキシブチルメタクリレート、4−アセトアセトキシブチルアクリレートなどのアセトアセトキシアルキルメタクリレート誘導体またはアセトアセトキシアルキルアクリレート誘導体を挙げることができ、このなかから1個単独でまたは複数個を混合して用いてもよい。好ましくは2−アセトアセトキシエチルメタクリレートまたは2−アセトアセトキシエチルアクリレートを用いる。
【0017】
アセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと共重合するアセトアセチル基を有しない他のアクリル系モノマーとしては、分子中に共重合可能な二重結合を有する化合物で分子内に1級アミノ基のような官能基をもたないアクリル系化合物であればよく、1種または2種以上のアクリル系化合物を用いることができる。具体的には、好ましくは、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレンジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミドからなる群から選ばれる1種または2種以上のアクリル系モノマーを用いることができ、さらに好適には2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートおよびテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種または2種以上のアクリル系モノマーを用いることが好ましい。
【0018】
アセトアセチル基を有するモノマーと共重合する他のビニル化合物としては同じ分子内に共重合可能なビニル基があればよく、例えばN−ビニルー2−ピロリドン、酢酸ビニルなどのビニル誘導体を挙げることができる。
【0019】
本発明の粘着剤の共重合体において、アセトアセチル基を有するモノマーの含量は、共重合体の総重量に対して、40重量%以下であればよく、さらに好適には1重量%〜40重量%であることが好ましい。その割合が1重量%未満であると、油状物質を多く含ませることができなくなるため好ましくなく、また40重量%を越えると、網目構造が密になりすぎ、可塑剤などの油状物質の保持能力が逆に低下するので好ましくない。
【0020】
本発明の水性エマルジョン粘着剤の作製は一般的なアクリル系水性エマルジョン粘着剤と同様にして製造することがでるが、例えば、モノマー類を水または水性溶媒中で界面活性剤の存在下に、重合開始剤と処理する、いわゆる乳化重合することによって作成することが出来る。
【0021】
本発明の粘着剤の作製のために用いる重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素水、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の水性ラジカル重合開始剤またはこれらの混合物が挙げられ、その使用量はモノマー全重量に対して0.1〜5重量%の重合開始剤を用いるが、0.1〜2重量%を用いることが好ましい。重合開始剤とともに、還元剤と組み合わせレドックス系を形成することができる。そのような還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩、L−アスコルビン酸、酒石酸などのようなカルボン酸類が挙げられ、還元剤の使用量は共重合モノマー全重量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
【0022】
本発明における乳化重合に用いられる界面活性剤は少なくとも1種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性界面活性剤、またはその混合物を用いることができる。アニオン性界面活性剤の例としてはラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのようなアルキルまたはアルキルアリル硫酸塩、アルキルまたはアルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのようなポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。両性界面活性剤としてはベタイン、アミノ酸の誘導体が挙げられる。また、ペプチド系界面活性剤としてはサーファクチンナトリウムを挙げることができる。これら界面活性剤の使用量はモノマー全重量に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部である。この使用量が0.1重量部よりも少ない場合は反応が不安定となり、凝集物が生成する場合がある。反対に10重量部よりも多い場合は乾燥性、耐水性が悪くなる場合がある。
【0023】
また、本発明においては、必要に応じて、乳化重合をエチレンジアミン4酢酸ナトリウムなどのキレート剤、ポリカルボン酸塩などの分散剤、リン酸塩、炭酸塩などの無機塩、チオール化合物、ハロゲン化合物などの連鎖移動剤の存在下に行ってもよい。
【0024】
本発明の医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤の溶媒としては水または水性溶媒を用いるが、水性溶媒としては水と、水と混合する有機溶媒との混合溶媒であって、経皮吸収テープ製剤の製造工程中の、加熱乾燥工程で揮散するものであれば使用することができ、乳化に影響を及ぼさない量であれば混合して使用することもできる。例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを挙げることができる。
【0025】
重合は通常0〜100℃の温度で、単量体の添加率が99%以上に達するまで行われる。重合反応の終了後は、水およびアンモニア水を加えることにより粘着剤濃度とpHを所望の値に調整して水性エマルジョン粘着剤を得る。
【0026】
本発明の医療用経皮吸収テープ製剤の粘着剤層に配合する可塑剤としては、一般的に高沸点を有する液体を用いることができ、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソトリデシルなどのような脂肪酸エステル誘導体;オクチルドデカノールのような高級アルコール誘導体;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのようなグリコール類;オリーブ油、ヒマシ油などのような油脂類を用いることができるが、単独または2種以上のものを混合して用いることもできるが、なかでもミリスチン酸イソプロピルが、粘着剤の可塑剤として働くとともに、テープ製剤中での薬物の拡散性の促進効果と、薬物の皮膚透過性を促進する作用があることから最も好適に用いられる。可塑剤の配合量は粘着剤層の総重量に対して、50重量%未満であればよく、40重量%以下であることがさらに好ましい。可塑剤の配合量が50重量%を越えると可塑剤と粘着剤との相溶性が低下するので好ましくない。
【0027】
本発明の医療用経皮吸収テープ製剤の粘着剤層には、水性エマルジョン粘着剤のほかに薬剤と可塑剤を含み、可塑剤の配合により適度な粘着力が得られるが、さらに強い粘着力が所望の際には粘着剤層中に粘着付与剤を配合して粘着力をあげることも可能であり、粘着付与剤としては、例えば、脂環式飽和炭化水素樹脂やロジンエステル誘導体が好適に用いられる。脂環式飽和炭化水素としてはアルコンP−100(商品名;荒川化学工業製)などがあり、またロジンエステル誘導体としてはエステルガムH(商品名;荒川化学工業製)などがあり、それらの1種または2種以上を混合して用いることが可能である。
【0028】
本発明の経皮吸収テープ製剤に配合する薬物は、特に限定されるものではなく、その治療目的に応じて任意に選択することができ、例えばステロイドホルモン、非ステロイド鎮痛抗炎症剤、精神安定剤、抗高血圧薬、虚血性心疾患治療薬、抗ヒスタミン薬、抗喘息薬、抗パーキンソン薬、脳循環改善薬、制吐剤、抗うつ薬、抗不整脈薬、抗凝固薬、抗痛風薬、抗真菌薬、抗痴呆薬、シェーングレン症候群治療薬、麻薬性鎮痛薬、ベータ遮断薬、β1作動薬、β2作動薬、副交感神経作動薬、抗腫瘍薬、利尿薬、抗血栓薬、ヒスタミンH1レセプター拮抗薬、ヒスタミンH2レセプター拮抗薬、抗アレルギー薬、禁煙補助薬などの種々の薬物であって、皮膚面上に滞留するものではなく、皮下若しくは血中まで浸透して局所作用若しくは全身作用を発揮する経皮吸収可能な薬物であれば使用することができる。これらの薬物は必要に応じては2種以上の薬物を併用することも可能である。またこれらの薬物の配合量は、薬物の種類、薬効、および投与目的によって適宜設定することができる。
【0029】
本発明の経皮吸収テープ製剤の粘着剤層中に配合する、上記の薬物、粘着剤および可塑剤以外に、必要に応じて薬物の溶解剤、経皮吸収促進剤、その他の賦形剤などを配合することも可能である。
【0030】
薬物の溶解剤としては、薬剤を溶解する溶媒であって、皮膚刺激性のない溶媒であれば使用することができるが、具体的には、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール類、ヘキサノール、オクタノールなどの中級アルコール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの多価アルコール類、高級脂肪酸エステル類、ポリビニルアルコール、N−メチルピロリドン、クロタミトンを用いることができ、それらの溶媒は単独でも、あるいは2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。
【0031】
薬物の経皮吸収促進剤としては、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル類、カプリル酸モノグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステルなどの脂肪酸多価アルコールエステル類、l−メントール、ハッカ油、リモネンなどのテルペン類などの経皮吸収テープ製剤に利用できるものであれば使用することができる。
【0032】
本発明の経皮吸収テープ製剤の支持体としては、特に限定されず、使用目的に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの伸縮性または非伸縮性の織布、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルなどのフィルム、あるいはウレタン、ポリウレタンなどの発泡性フィルムを用いることができ、これらは単独あるいは積層されたものの何れであってもよい。
【0033】
本発明の経皮吸収テープ製剤の剥離フィルムとしては、保存中の粘着剤層を保護するものであって、テープ製剤を使用するときには剥離して用いるもので、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン、金属箔の薄いフィルムまたはそれらの素材を組合せた積層構造のフィルムや、粘着剤層に接着する表面にシリコン処理したフィルム、あるいはフィルム表面にアルミニウムなどの金属を蒸着させたフィルムも用いることができる。さらに、剥離フィルムには、剥離をより容易にするために、連続または非連続の直線あるいは曲線の切れ込みを設けることも可能である。
【0034】
本発明の経皮吸収テープ製剤は、薬物、可塑剤、必要に応じて薬剤の溶解剤または経皮吸収促進剤、および粘着剤を含む液を、剥離フィルムの上面に塗布した後、40〜150℃の温度で加熱乾燥して粘着剤層を形成した後、粘着剤層の剥離フィルムが貼着した面とは反対側の表面に、支持体を積層した後、適当な大きさに切断して製造することができる。この際、支持体に水の非透過性の支持体を用いる場合には、支持体上に薬剤、可塑剤等を含む粘着剤液を塗布して、加熱乾燥後に、剥離フィルムを積層することも可能である。加熱乾燥する温度は粘着剤が架橋される温度あるいは溶媒類の揮散する温度以上あればよい。この温度が低すぎると溶媒類が揮散しなくなるので好ましくなく、また150℃を越えると、薬物、可塑剤、経皮吸収促進剤に影響がでることが予想され好ましくない。
【0035】
【実施例】
以下に実施例に基づいて、本発明の経皮吸収テープ製剤について、さらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0036】
水性エマルジョン粘着剤の製造
実施例1
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水50部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、攪拌しながら75℃に加熱した後、窒素置換した。この中にアクリル酸ブチル32部、メタクリル酸メチル24.2部、アクリル酸2−エチルヘキシル32部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート11.6部、サーファクチンナトリウム2.4部、脱イオン水30部からなる乳化モノマー液の1重量%に相当する2.2部を添加し、10分後に2.0部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.6部を添加し種重合を行った。発熱開始から20分後、残りの乳化モノマー液130.2部と4.0部の脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム0.14部を攪拌下、温度を75℃に保ちながら3時間かけて滴下し、滴下終了後2時間75℃を維持し重合を終了させた。これを室温まで冷却した後に、希釈水、12.5%アンモニア水を加え固形分を50%、pHを7〜8に調整した。最終生成物は固形分50.9%、ブルックフィールド粘度210mPa・s(30rpm)、pH=7.9であった。
【0037】
実施例2〜15
実施例1と同様にして表1に示す実施例2〜15の水性エマルジョン粘着剤を製造した。
【0038】
比較例1
実施例1と同様にして表1に示すアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを含まない比較例1の水性エマルジョン粘着剤を製造した。
【0039】
【表1】
Figure 0004331984
【0040】
試験例1
表1に示した本発明の粘着剤1〜15と、比較例粘着剤1および市販のアクリル系エマルジョン粘着剤ニカゾールTS620を用いて、支持体に塗膏、乾燥してそれぞれテープ2−1〜2−23、比較例テープ2、3を製造し、粘着剤と油状物質との相溶性、粘着剤の貼着力、凝集力の評価を行なった。
【0041】
1)テープの製造法
テープ2−1の製造
ねじ口ビンに粘着剤1を38.69gを量りとり、次いでIPMを8.4gを量りとり、ビン中で1時間以上攪拌した。乾燥した後の被膜重量が70mg/10cm2となるように、コーティング試験機(LTE−S、Wener Mathis AG社)を用いて、支持体(ポリエステルフィルム)上に本液を塗膏・乾燥した後、ライナー(シリコン処理が施されたポリエステルフィルム)のシリコン面が粘着剤と接するように被覆し、テープ2−1を得た。
粘着剤および対応する可塑剤を用いてテープ2−1の製造法と同じ方法で行い、テープ2−2〜2−23および比較例テープ2、3を製造した。
【0042】
2)粘着剤と油状物質との相溶性の評価
製剤の剥離ライナーを剥がし、剥離ライナーの表面に液状の物質が付着していないことを光学顕微鏡を用いて観察する。
評価基準
○:ライナー表面上に液状物質なし
×:ライナー表面上に液状物質あり
【0043】
3)テープの貼着力の評価
製剤の剥離ライナーを剥がしたあと、粘着剤面を指で触り、下記の評価基準に基づいて評価する。
○:(優)スチレン−イソプレン−スチレン共重合体を使用したモーラステープ(商品名:久光製薬)、ヤクバン(商品名:三笠製薬)と同程度の貼着力
△:(良)天然ゴムラテックスを使用したセラスター(商品名:山之内製薬)、ファルジー(商品名:沢井製薬)と同程度の貼着力
×:(不良)市販品以下の貼着力
−:凝集力が著しく低いため(半固形の状態)評価不能
【0044】
4)テープの凝集力(硬さ)の評価
テープのライナーを剥がし、粘着剤面を指で触り、下記の評価基準に基づいて評価する。
評価基準
○:(優)天然ゴムラテックスを使用したセラスター(商品名:山之内製薬)、ファルジー(商品名:沢井製薬)と同程度の凝集力
△:(良)スチレン−イソプレン−スチレン共重合体を使用したモーラステープ(商品名:久光製薬)、ヤクバン(商品名:三笠製薬)と同程度の凝集力
×:(不良)市販品以下の凝集力
【0045】
テープ2−1〜2−23、および比較例テープ2、3を用いて上記の粘着剤と油状物質との相溶性、貼着力、凝集力を評価して、結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
Figure 0004331984
【0047】
その結果、粘着剤の比較例テープ2と市販のアクリル系粘着剤を用いた比較例テープ3はいずれも、不十分な貼着力と凝集力であったのに対し、本発明のアセトアセトキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを有する粘着剤のテープ2−1〜2−23は十分な貼着力と凝集力を示した。
【0048】
実施例16 経皮吸収テープ製剤16の製造
ねじ口ビンに粘着剤8を36.2g量りとり、次いでケトプロフェン2.1gをケトプロフェンの溶解剤のジイソプロパノールアミン1.1gに溶かした液を混合し、ビン中で1時間以上攪拌した。乾燥した後の被膜重量が1g/70cm2となるように、コーティング試験機(LTE−S、Wener Mathis AG社)を用いて、支持体(ポリエステルフィルム)上に本液を塗膏・乾燥した後、ライナー(シリコン処理が施されたポリエステルフィルム)のシリコン面が粘着剤と接するように被覆し、経皮吸収テープ製剤16を得た。得られた製剤中のケトプロフェンは10w/w%であった。
【0049】
実施例17 経皮吸収テープ製剤17の製造
粘着剤8、ケトプロフェン、ミリスチン酸イソプロピルを用いて、実施例16と同様にして行い、実施例17の経皮吸収テープ製剤を製造した。
【0050】
実施例18 経皮吸収テープ18製剤の製造
ねじ口ビンに粘着剤8を38.69g量りとり、次いでインドメタシン0.7gを量りとり、ビン中で1時間以上攪拌した。乾燥した後の被膜重量が1g/70cm2となるように、コーティング試験機(LTE−S、Wener Mathis AG社)を用いて、支持体(ポリエステルフィルム)上に本液を塗膏・乾燥した後、ライナー(シリコン処理が施されたポリエステルフィルム)のシリコン面が粘着剤と接するように被覆し、経皮吸収テープ製剤18を得た。得られた製剤中のインドメタシンは3.5w/w%であった。
【0051】
実施例19 経皮吸収テープ製剤19の製造
粘着剤8、インドメタシン、ミリスチン酸イソプロピルを用いて、実施例18と同様にして行い、実施例19の経皮吸収テープ製剤を製造した。
【0052】
比較例4、5 経皮吸収テープ製剤4、5の製造
市販のアクリル系水性エマルジョン粘着剤ウルトラゾールW−51CL(商品名、ガンツ化成)、薬物としてケトプロフェンおよびインドメタシンを、可塑剤としてミリスチン酸イソプロピルを用いて、実施例16、18と同様にして、比較例4、5の経皮吸収テープ製剤を製造した。
【0053】
実施例16〜19の経皮吸収テープ製剤と比較例4、5の経皮吸収テープ製剤を試験例1に示した、貼着力、凝集力について評価を行った。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 0004331984
【0055】
粘着剤と油状物質との相溶性は実施例、比較例の経皮吸収テープ製剤ともに優れた作用が認められたが、本発明の実施例16〜19の経皮吸収テープ製剤は、比較例4、5の経皮吸収テープ製剤よりも優れた貼着力と凝集力を有していた。
【0056】
試験例2 放出試験
経皮吸収テープ製剤をユカタンマイクロピッグ(YMP)摘出皮膚に適用し、32℃−60%RH条件下で静置した。24時間後製剤を剥がし、製剤中の薬物残存量をHPLCにて測定した。薬物残存量より、製剤からの薬物放出率(%)を算出した。
(適用前薬物含量−薬物残存量)/適用前薬物含量×100=薬物放出率(%)
【0057】
試験例3 ヘアレスマウス摘出皮膚透過試験
縦型拡散セルの摘出皮膚の真皮側(receiver側)に0.05mol/L Mcilvaine Buffer(pH7.4)を入れ、角質層側(donor側)に製剤を適用した。各時点でreceiver液をサンプリングした後0.05mol/L Mcilvaine Bufferを同量加えた。サンプリング溶液中薬物濃度をHPLCにて測定し、flux、lag time、24時間の累積透過量を算出した。
【0058】
【表4】
Figure 0004331984
【0059】
実施例17および比較例4の経皮吸収テープ製剤を用いて、試験例2および試験例3の放出試験と皮膚透過試験を実施した。その結果を表4に示した。本発明の実施例17の経皮吸収テープ製剤は、比較例4の経皮吸収テープ製剤よりも薬物の放出と皮膚透過性が優れていた。
【0060】
試験例4 一次皮膚刺激試験(ウサギ)
前日までにウサギの背部被毛を電気バリカンを用いて刈毛し、試験に用いた。ウサギの背部に製剤を適用し、不浸透油紙をのせ、その上を不織布粘着性包帯(メッシュポア、ニチバン)で貼付固定し、適用部全体をガーゼで覆い、粘着性布伸縮包帯(エラストポア、ニチバン)で被覆した。24時間後に被験製剤を除去し、適用部位を微温湯を湿らせた脱脂綿で軽く拭き取り、30分間放置した後、適用部を観察した。更に製剤適用後48、72時間にも同様に適用部を観察し、下記のDraizeらの評価基準に基づいて採点し、適用後24及び72時間の評点から一次刺激指数(P.I.I.)を算出した。
【0061】
Draizeらの評価基準
A:紅斑及び痂皮形成
紅斑なし 0; ごく軽度の紅斑 1;明らかな紅斑 2;
中等度から強度の紅斑 3;強度の紅斑から軽度の痂皮形成 4
B:浮腫形成
浮腫なし 0; ごく軽度の浮腫 1; 軽度の浮腫 2;
中等度の浮腫(約1mm隆起) 3; 強度の浮腫 4
【0062】
日本薬局方ばんそう膏と、表2に示した本発明のテープ2−18を用いて、試験例4に示す一次皮膚刺激試験を実施し、ウサギ一次皮膚刺激指数(P.I.I.)を求めた。その結果、本発明の粘着剤を用いたテープ2−18のスコアは0.25に対し、日本薬局方ばんそう膏のスコアは0.44であり、本発明の粘着剤のウサギ皮膚に対する皮膚刺激は少なく、安全性が高いことが示された。結果を表5に示す。
【0063】
【表5】
Figure 0004331984
【0064】
【発明の効果】
本発明のアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを構成モノマーの一つとして含む共重合体の水性エマルジョン粘着剤は加熱乾燥する工程において、溶媒が蒸散するとともにアセトアセチル基が自己架橋して網目構造を形成して、この網目構造中に可塑剤等の油状物質を多く含むことができる。本発明の粘着剤は、架橋剤として、ポリアミン誘導体、イソシアネート化合物および多価金属キレート化合物等を使用しないので、毒性の心配が無く、また皮膚を刺激したりすることがないので、医療用に適している。本発明の医療用経皮吸収テープ製剤は貼着力、凝集力が優れ、かつ皮膚刺激性も少なく安全性に優れている。また、薬物の放出性、累積皮膚透過性も市販のアクリル系エマルジョン粘着剤よりすぐれている。

Claims (20)

  1. (a)支持体、の上面に、(b)薬剤および水性エマルジョン粘着剤を含む粘着剤層および(c)剥離フィルム、を順次積層してなる医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤であって、該水性エマルジョン粘着剤が、分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しない(メタ)アクリル系モノマーおよび共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体が界面活性剤とともに水または水性溶媒中に乳化分散されていることを特徴とする医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤。
  2. 前記水性エマルジョン粘着剤が、アセトアセトキシアルキルアクリレートまたはアセトアセトキシアルキルメタクリレートと、アセトアセチル基を有しない(メタ)アクリル系モノマー及び共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体が、界面活性剤とともに、水または水性溶媒中に乳化分散されているものであることを特徴とする請求項1に記載された医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤。
  3. 前記水性エマルジョン粘着剤が、アセトアセトキシアルキルアクリレートまたはアセトアセトキシアルキルメタクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタクリレートおよびアクリルアミドからなる群から選ばれる1種または2種以上のアクリル系モノマーと共重合して得られる共重合体が、界面活性剤とともに水または水性溶媒中に乳化分散されているものであることを特徴とする請求項1または2に記載された医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤。
  4. 前記水性エマルジョン粘着剤が、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートおよびヘキサエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種または2種以上のアクリル系モノマーとを共重合して得られる共重合体を、界面活性剤とともに、水または水性溶媒中に乳化分散したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤。
  5. 前記界面活性剤が、ペプチド系界面活性剤のサーファクチンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤。
  6. 前記水性エマルジョン粘着剤が、共重合体の総重量の1重量%〜40重量%の2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートおよびテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種または2種以上のアクリル系モノマーとを共重合して得られる共重合体であり界面活性剤がサーファクチンナトリウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤用の水性エマルジョン粘着剤。
  7. (a)支持体、の上面に、(b)薬剤および水性エマルジョン粘着剤を含む粘着剤層および(c)剥離フィルムを順次積層してなる医療用経皮吸収テープ製剤であって、該粘着剤層が、分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しないその他のアクリル系モノマー及び共重合可能なビニルモノマーの1種または2種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体を界面活性剤とともに水または水性溶媒に乳化分散した水性エマルジョン粘着剤を薬剤とともに、支持体または剥離フィルム上に塗布して加熱乾燥して形成されたものであり、その粘着剤層の支持体または剥離フィルムのついた面とは反対の面に剥離フィルムまたは支持体を積層してなることを特徴とする医療用経皮吸収テープ製剤。
  8. (a)支持体、の上面に、(b)薬剤、可塑剤および水性エマルジョン粘着剤を含む粘着剤層および(c)剥離フィルムを順次積層してなる医療用経皮吸収テープ製剤であって、該粘着剤層が分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しないその他の(メタ)アクリル系モノマー及び共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体を界面活性剤とともに水または水性溶媒に乳化分散した水性エマルジョン粘着剤を薬剤および可塑剤とともに、支持体または剥離フィルム上に塗布して加熱乾燥して形成されたものであり、さらにその粘着剤層の支持体または剥離フィルムのついた面とは反対の面に剥離フィルムまたは支持体を積層してなることを特徴とする医療用経皮吸収テープ製剤。
  9. 前記水性エマルジョン粘着剤が、アセトアセトキシアルキルアクリレートまたはアセトアセトキシアルキルメタクリレートのアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しないその他の(メタ)アクリル系モノマー及び共重合可能なビニルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体を、界面活性剤とともに水または水性溶媒中に乳化分散したものであることを特徴とする請求項7または8に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  10. 前記水性エマルジョン粘着剤が、アセトアセトキシアルキルアクリレートまたはアセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる(メタ)アクリル系モノマーと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタクリレートおよびアクリルアミドからなる群から選ばれる1種または2種以上の(メタ)アクリル系モノマーとを共重合して得られる共重合体を、界面活性剤とともに水または水性溶媒中に乳化分散したものであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  11. 前記水性エマルジョン粘着剤が、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタクリレートおよびアクリルアミドからなる群から選ばれる1種または2種以上の(メタ)アクリル系モノマーと共重合して得られる共重合体を、界面活性剤とともに水または水性溶媒中に乳化分散したものであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  12. 前記水性エマルジョン粘着剤が、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートおよびテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種または2種以上のアクリル系モノマーと共重合して得られる共重合体を、サーファクチンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤とともに水または水性溶媒中に乳化分散したものであることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  13. 前記水性エマルジョン粘着剤が、共重合体の総重量の1重量%〜40重量%の2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレートおよびテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種または2種以上のアクリル系モノマーとを共重合して得られる共重合体であり、界面活性剤がサーファクチンナトリウムであることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  14. 前記可塑剤が、脂肪酸エステル、高級アルコール、および油脂類から選ばれる1種または2種以上の混合物である油状物であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  15. 前記医療用経皮吸収テープ製剤の粘着剤層中の前記可塑剤の含有量が該粘着剤層の総重量の50重量%以下であることを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  16. 前記可塑剤が、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、セバチン酸ジエチルおよびアジピン酸ジイソプロピルから選択される脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項8〜15のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  17. 前記可塑剤がミリスチン酸イソプロピルであることを特徴とする請求項8〜16のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  18. 前記薬剤が、ステロイドホルモン、非ステロイド鎮痛抗炎症剤、精神安定剤、抗高血圧薬、虚血性心疾患治療薬、抗ヒスタミン薬、抗喘息薬、抗パーキンソン薬、脳循環改善薬、制吐剤、抗うつ薬、抗不整脈薬、抗凝固薬、抗痛風薬、抗真菌薬、抗痴呆薬、シェーグレン症候群治療薬、麻薬性鎮痛薬、ベータ遮断薬、β1作動薬、β2作動薬、副交感神経作動薬、抗腫瘍薬、利尿薬、抗血栓薬、ヒスタミンH1レセプター拮抗薬、ヒスタミンH2レセプター拮抗薬、抗アレルギー薬、禁煙補助薬からなる群から選ばれる薬物であることを特徴とする請求項7〜17のいずれか1項に記載された医療用経皮吸収テープ製剤。
  19. 共重合体の総重量の1重量%〜40重量%の2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレートおよびテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種または2種以上の(メタ)アクリル系モノマーとを共重合して得られる共重合体を、サーファクチンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤とともに水または水性溶媒中に乳化分散して得られた水性エマルジョン粘着剤を、薬剤と可塑剤とともに、支持体または剥離フィルム上に塗布し、加熱乾燥して粘着剤層を形成した後、粘着剤層の支持体または剥離フィルムのついた面とは反対の面に剥離フィルムまたは支持体を積層したあと、所望の大きさに切断して製造することを特徴とする医療用経皮吸収テープ製剤の製造法。
  20. 請求項19の医療用経皮吸収テープ製剤の製造法において、水性エマルジョン粘着剤と薬剤及び可塑剤とを加熱乾燥する工程の加熱乾燥温度が、40℃〜150℃であることを特徴とする請求項19に記載した医療用経皮吸収テープ製剤の製造法。
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